JP2019218219A - コンクリート表面洗い出し処理剤 - Google Patents

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幸二 杉山
Koji Sugiyama
幸二 杉山
露木 尚光
Hisamitsu Tsuyuki
尚光 露木
弘 須田
Hiroshi Suda
弘 須田
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Abstract

【課題】本発明は、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリートであっても、該コンクリートの養生中にその表面近傍に効果的に留まることができるばかりではなく、コンクリート表面近傍における粗骨材同士の付着強度を著しく高めることができる、新規なコンクリート表面洗い出し処理剤を提供する。【解決手段】本発明は、セメント凝結遅延剤、非イオン性増粘剤、及び、ケイ酸含有水溶液を含み、かつ、粘度(25℃)が500〜300,000mPa・sである、コンクリート表面洗い出し処理剤であり、好ましくは、透水コンクリート表面洗い出し処理剤として使用されるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート表面洗い出し処理剤に関し、更に詳しくは、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリート、いわゆる、透水コンクリートを打設した後、その表面に塗布して、コンクリート表面近傍のみの凝結を遅延させることにより、所定期間経過後における表層部の未硬化のモルタル分の洗い出しを可能にして、コンクリート表層部における粗骨材粒子の美しい質感を提供することができる、コンクリート表面洗い出し処理剤に関する。
従来、コンクリート表面洗い出し処理剤又はコンクリート表面凝結遅延剤といわれるものは、コンクリート表面に化粧、景観等の意匠性を持たせること、防滑等の安全性を高めること、又は、コンクリート打ち継ぎ面を接着強化すること等を目的として、コンクリート打設後に、その表層部に散布又は塗布するか、あるいは、洗い出し面に接触する成形用型枠に予め散布又は塗布して、モルタル分の凝結を遅らせることにより、未硬化部分を水洗して除去し、骨材を露出させる方法により使用されていた。あるいは、コンクリート表面洗い出し処理剤又はコンクリート表面凝結遅延剤を浸透させた不織布等から成るシート状物を、打設後のコンクリート表面に敷設して、その表層部の凝結を遅らせ、コンクリート内部が硬化したと考えられる段階で、上記シート状物を取り除いて表層の未硬化部分を高圧洗浄水等で水洗除去して、骨材の一部を露出させる方法により使用されていた。
例えば、凝結遅延成分としてオキシカルボン酸類及び糖類を含有し、必要に応じて増粘剤を含有せしめる、コンクリート表面の洗い出し仕上げ工法用凝結遅延剤が知られている(特許文献1)。しかし、該凝結遅延剤では、コンクリート、とりわけ、透水コンクリートのような空隙の多いコンクリートの表面に塗布又は噴霧した場合には、凝結遅延成分が、粗骨材の間隙に浸透して、コンクリートの表層部のみならず内部にまで未硬化部分を形成するおそれがあった。従って、このような凝結遅延剤では、コンクリート表面の洗い出し作業中に表層部のみならず内部の粗骨材やモルタルが同時に洗い流されてしまう可能性があるという問題を有していた。
また、セメントの水和遅延剤および増粘剤を含有し、粘度が増粘剤により5〜1,000cpの範囲に調整された処理水溶液が、成形用型枠の所定内面に塗布または噴霧されて付着せしめられ、該成形用型枠内に硬化前のモルタルあるいはコンクリートが充填され、該モルタルあるいはコンクリートが硬化した後、硬化体が型枠より外されて前記処理水溶液が付着せしめられた型枠の内面と対応する硬化体の表面が洗い出されてなるセメント系表面洗い出し製品が知られている(特許文献2)。ここで、上記水和遅延剤として、ポリヒドロキシカルボン酸エステルが挙げられており、また、上記増粘剤として、アルギン酸、ポリアクリル酸とそのアルカリ金属塩、ポリメタクリル酸とそのアルカリ金属塩などの、アルカリ性、Caの存在下で沈澱し、粘性を低下する物質が挙げられている。しかし、上記のアルギン酸等の増粘剤を使用する方法では、アルカリ環境下でゲル化が促進されることから、水洗除去が著しく困難になる。また、ポリ(メタ)アクリル酸等の増粘剤では、アルカリ性、Caの存在下で粘性が低下して、該増粘剤が水和遅延剤共々、粗骨材間隙に浸透し、コンクリート内部にまで未硬化部分を形成してしまうおそれがあり、洗い出し作業において、コンクリート内部における粗骨材及び粗骨材同士を付着させているモルタル分まで洗い流されてしまうという問題を有していた。
特開平7−206496号公報 特開平6−47725号公報
本発明は、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリートであっても、該コンクリートの養生中にその表面近傍に効果的に留まることができるばかりではなく、コンクリート表面近傍における粗骨材同士の付着強度を著しく高めることができる、新規なコンクリート表面洗い出し処理剤を提供するものである。
本発明者らは、如何にすれば上記課題を解決し得るかについて、種々の検討を試みた。その結果、下記のように、セメント凝結遅延剤、非イオン性増粘剤、及び、ケイ酸含有水溶液を含めて、下記所定の粘度に調整して、コンクリート表面洗い出し処理剤を調製すれば、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリート(いわゆるポーラスコンクリート)、例えば、透水コンクリートであっても、該コンクリートの養生中に、該コンクリート表面洗い出し処理剤が、該コンクリート内部に殆ど浸透することなく、コンクリート表面近傍に効果的に留まり、該コンクリート表面近傍のみの水和反応を遅延することができ、かつ、とりわけ、ケイ酸含有水溶液を含めたことにより、コンクリート表面近傍における粗骨材同士の付着強度を著しく高くすることができたことから、洗い出し処理を効果的に行うことができるばかりではなく、洗い出し処理後のコンクリート表面を著しく美しく仕上げ得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)セメント凝結遅延剤、非イオン性増粘剤、及び、ケイ酸含有水溶液を含み、かつ、粘度(25℃)が500〜300,000mPa・sである、コンクリート表面洗い出し処理剤である。
好ましい態様として、
(2)ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、0.50〜2.00質量%である、上記(1)記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(3)ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、1.00〜2.00質量%である、上記(1)記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(4)ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、1.00〜1.95質量%である、上記(1)記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(5)上記粘度(25℃)が、3,000〜300,000mPa・sである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(6)上記粘度(25℃)が、3,000〜280,000mPa・sである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(7)上記粘度(25℃)が、3,000〜260,000mPa・sである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(8)上記粘度(25℃)が、50,000〜260,000mPa・sである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(9)上記粘度(25℃)が、100,000〜260,000mPa・sである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(10)上記粘度(25℃)が、170,000〜260,000mPa・sである、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(11)上記セメント凝結遅延剤が、糖類、糖アルコール類、オキシカルボン酸類及びオキシカルボン酸塩類より成る群から選ばれる一つ以上である、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(12)上記セメント凝結遅延剤が、オキシカルボン酸塩類である、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(13)上記セメント凝結遅延剤が、グルコン酸ナトリウムである、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(14)上記非イオン性増粘剤が、グァーガム、キサンタンガム及びヒドロキシエチルセルロースより成る群から選ばれる一つ以上である、上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(15)上記非イオン性増粘剤が、ヒドロキシエチルセルロースである、上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(16)セメント凝結遅延剤0.5〜10.0質量部及びケイ酸含有水溶液99.5〜90.0質量部の合計100質量部に対して、非イオン性増粘剤0.5〜10.0質量部を含む、上記(1)〜(15)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(17)セメント凝結遅延剤1.0〜7.0質量部及びケイ酸含有水溶液99.0〜93.0質量部の合計100質量部に対して、非イオン性増粘剤1.0〜7.0質量部を含む、上記(1)〜(15)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(18)上記ケイ酸含有水溶液が、下記式(I)
HO−[Si(OH)−O]−H (I)
(ここで、nは1〜10である)
で示される化合物を含有する、上記(1)〜(17)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(19)上記ケイ酸含有水溶液のpHが、8.0〜10.0である、上記(1)〜(18)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(20)上記ケイ酸含有水溶液のpHが、8.5〜9.5である、上記(1)〜(18)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(21)pHが、8.5〜9.5である、上記(1)〜(20)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(22)pHが、9.0〜9.5である、上記(1)〜(20)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤、
(23)透水コンクリート用の、上記(1)〜(22)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤
を挙げることができる。
また、本発明者らは、上記のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造に際して、セメント凝結遅延剤を水溶液にして使用すれば、セメント凝結遅延剤がケイ酸含有水溶液に含まれるケイ酸と反応して、その遅延効果を低下させることなく、セメント凝結遅延剤の本来の効果を有効に発揮することができることを見出して、上記コンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法を完成した。
即ち、本発明は、
(24)セメント凝結遅延剤の水溶液とケイ酸含有水溶液とを混合し、次いで、これに非イオン性増粘剤を混合して、得た混合物の粘度(25℃)を500〜300,000mPa・sに調整することによる、コンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法である。
好ましい態様として、
(25)上記混合物中のケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、0.50〜2.00質量%である、ここで、該ケイ酸濃度は、該混合物に含まれる水及びケイ酸の合計量に対するケイ酸量として算出したものである、上記(24)記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(26)上記混合物中のケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、1.00〜2.00質量%である、ここで、該ケイ酸濃度は、該混合物に含まれる水及びケイ酸の合計量に対するケイ酸量として算出したものである、上記(24)記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(27)上記混合物中のケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、1.00〜1.95質量%である、ここで、該ケイ酸濃度は、ここで、該ケイ酸濃度は、該混合物に含まれる水及びケイ酸の合計量に対するケイ酸量として算出したものである、上記(24)記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(28)上記混合物の粘度(25℃)が、3,000〜300,000mPa・sである、上記(24)〜(27)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(29)上記混合物の粘度(25℃)が、3,000〜280,000mPa・sである、上記(24)〜(27)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(30)上記混合物の粘度(25℃)が、3,000〜260,000mPa・sである、上記(24)〜(27)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(31)上記混合物の粘度(25℃)が、50,000〜260,000mPa・sである、上記(24)〜(27)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(32)上記混合物の粘度(25℃)が、100,000〜260,000mPa・sである、上記(24)〜(27)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(33)上記混合物の粘度(25℃)が、170,000〜260,000mPa・sである、上記(24)〜(27)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(34)上記セメント凝結遅延剤が、糖類、糖アルコール類、オキシカルボン酸類及びオキシカルボン酸塩類より成る群から選ばれる一つ以上である、上記(24)〜(33)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(35)上記セメント凝結遅延剤が、オキシカルボン酸塩類である、上記(24)〜(33)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(36)上記セメント凝結遅延剤が、グルコン酸ナトリウムである、上記(24)〜(33)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(37)上記非イオン性増粘剤が、グァーガム、キサンタンガム及びヒドロキシエチルセルロースより成る群から選ばれる一つ以上である、上記(24)〜(36)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(38)上記非イオン性増粘剤が、ヒドロキシエチルセルロースである、上記(24)〜(36)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(39)上記セメント凝結遅延剤水溶液のセメント凝結遅延剤の濃度が、20〜40質量%である、上記(24)〜(38)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(40)上記セメント凝結遅延剤水溶液のセメント凝結遅延剤の濃度が、30〜35質量%である、上記(24)〜(38)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(41)セメント凝結遅延剤の水溶液とケイ酸含有水溶液とを混合して、セメント凝結遅延剤0.5〜10.0質量部及びケイ酸含有水溶液99.5〜90.0質量部を含む混合物を得、ここで、セメント凝結遅延剤水溶液中の水は、ケイ酸含有水溶液量に組み込まれる、次いで、該混合物の合計100質量部に対して、非イオン性増粘剤0.5〜10.0量部を混合する、上記(24)〜(40)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(42)セメント凝結遅延剤の水溶液とケイ酸含有水溶液とを混合して、セメント凝結遅延剤1.0〜7.0質量部及びケイ酸含有水溶液99.0〜93.0質量部を含む混合物を得、ここで、セメント凝結遅延剤水溶液の水は、ケイ酸含有水溶液量に組み込まれる、次いで、該混合物の合計100質量部に対して、非イオン性増粘剤1.0〜7.0質量部を混合する、上記(24)〜(40)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(43)上記ケイ酸含有水溶液が、下記式(I)
HO−[Si(OH)−O]−H (I)
(ここで、nは1〜10である)
で示される化合物を含有する、上記(24)〜(42)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(44)上記ケイ酸含有水溶液のpHが、8.0〜10.0である、上記(24)〜(43)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(45)上記ケイ酸含有水溶液のpHが、8.5〜9.5である、上記(24)〜(43)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(46)pHが、8.5〜9.5である、上記(24)〜(45)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(47)pHが、9.0〜9.5である、上記(24)〜(45)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法、
(48)上記コンクリート表面洗い出し処理剤が透水コンクリート用である、上記(24)〜(47)のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法
を挙げることができる。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリート、例えば、透水コンクリートであっても、該コンクリートの養生中にその表面近傍に確実に留まることができることから、該コンクリート表面洗い出し処理剤が、コンクリート表面において塗布時の形態を長時間持続して維持することができ、それにより、効果的にコンクリート表面近傍の水和反応を遅らせると同時に、コンクリート内部の水和反応を十分に促進することができる。従って、所定期間経過後におけるコンクリート表面近傍の未硬化のモルタル分の洗い出しを可能にして、かつ、コンクリート表面洗い出し時に、該コンクリート表面洗い出し処理剤の除去を容易にするばかりではなく、コンクリート内部の粗骨材の十分な付着強度を確保することができて、粗骨材の飛散を激減することができる。また、該処理剤に含まれる所定のケイ酸含有水溶液の強度増進効果により、粗骨材、とりわけ、コンクリート表面近傍の粗骨材同士の付着性を著しく増大させることができる。加えて、上記のように、該コンクリート表面洗い出し処理剤が塗布時の形態を長時間持続して維持することができることから、季節や環境温度に大きく影響されることがなく、コンクリート表面洗い出し時期を、該コンクリート表面洗い出し処理剤の塗布後3〜7日程度の比較的長期間の範囲内で自由に選択することが可能となり、それにより、洗い出し作業、ひいては全体の作業工程の自由度を大幅に改善することができる。また、上記のように、コンクリート表面近傍の粗骨材の十分な付着強度を確保することができることから、空隙が多いコンクリート、例えば、透水コンクリートのコンクリート表面洗い出し作業において、床洗浄用ポリッシャー、例えば、回転ブラシを装着したポリッシャーを使用して、洗浄面に水をかけながらコンクリート表面を強く磨き洗いしても、粗骨材が剥離して飛散することが殆どない。よって、コンクリートの施工面周辺及び下部地層等に未硬化部分が流出するおそれが殆どない。加えて、本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、一般コンクリートの打継面のレイタンス層及び脆弱部の除去にも有効である。
図1は、実施例において、ケイ酸含有水溶液の製造に使用した装置の概略図である。 図2は、コンクリート表面洗い出し処理剤1を使用して3日間養生したもの(上図、実施例1−1)及びコンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して3日間養生したもの(下図、実施例3−1)の、洗い出し後のコンクリート表面の外観を示した図である。 図3は、コンクリート表面洗い出し処理剤1を使用して4日間養生したもの(上図、実施例1−2)及びコンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して4日間養生したもの(下図、実施例3−2)の、洗い出し後のコンクリート表面の外観を示した図である。 図4は、コンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して3日間養生したもの(左、実施例3−1)及びコンクリート表面洗い出し処理剤aを使用して3日間養生したもの(右、比較例1)の、洗い出し後のコンクリート表面の外観を示した図である。 図5は、コンクリート表面洗い出し処理剤3をコンクリート表面に施与した際の端部断面(左図、実施例3−1)と、コンクリート表面洗い出し処理剤aをコンクリート表面に施与した際の端部断面(右図、比較例1)とを比較して示した図である。 図6は、コンクリート表面洗い出し処理剤9を使用して洗い出した場合の表面(左図、実施例13)と、コンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して洗い出した場合の表面(右図、実施例3−1)とを比較して示した図である。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、セメント凝結遅延剤、非イオン性増粘剤、及び、ケイ酸含有水溶液を含む。セメント凝結遅延剤は、コンクリート表面近傍のセメントの水和反応を遅らせて、セメントの硬化を遅延させる作用を有するものである。例えば、糖類、例えば、グルコース、フラクトース、マルトース、サッカロース、ラフィノース、ラクトース、マントース、アラビノース等、糖アルコール類、例えば、ソルビトール等、オキシカルボン酸類、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ピルビン酸、アラボン酸、2−ケトグルコン酸、5−ケトグルコン酸等、及び、これらのオキシカルボン酸塩類、例えば、ナトリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはグルコン酸ナトリウムが使用される。また、非イオン性(ノニオン性)増粘剤としては、例えば、グァーガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはヒドロキシエチルセルロースが使用される。ヒドロキシエチルセルロースは、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリート、例えば、透水コンクリートに使用すると、これを含むコンクリート表面洗い出し処理剤が、骨材の間隙に浸透し難くなり、アルカリ環境下で、長時間に亘って、増粘性を維持することができることから好ましく使用される。ここで、上記のグァーガム及びキサンタンガムは、いずれも多糖類に属するものであり、広義には糖類に含まれるが、これらは、非イオン性増粘剤として作用するものであり、上記のセメント凝結遅延剤としての糖類からは除かれる。
本発明において使用するケイ酸含有水溶液は、下記式(I)
HO−[Si(OH)−O]−H (I)
で示される化合物を含有する水溶液である。式(I)で示される化合物は、単一の重合度を有する単一物質でもよく、また2種類以上の重合度を有する複数の物質の混合物であってもよい。ここで、nは平均値で示され、上限が10、好ましくは7、より好ましくは5、更に好ましくは3であり、下限が1である。nが上記上限を超えると、水に溶解し難くなるため好ましくない。式(I)で示される化合物として、特に好ましくは式(I)のnが1、2若しくは3の化合物、又はこれらの混合物が使用される。式(I)で示される化合物は、通常、水中でイオン化して存在している。ここで、重合度nは、例えば、ケイ酸の分子量を、脱離エレクトロスプレーイオン化法(DESI−MASS)により測定することにより、又は、トリメチルシリル(TMS)化法により測定することにより決定することができる。また、式(I)で示される化合物中の水素原子は、下記に述べる該化合物の製造において使用するアルカリ金属水酸化物の有するアルカリ金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等により、その全部又は一部が置換されていることがある。該ケイ酸含有水溶液のpHは、8.0〜12.6であり、好ましくは8.0〜10.0であり、より好ましくは8.5〜9.5である。該pHが上記上限を超えては、そのようなケイ酸含有水溶液自体を製造することが困難となり、上記下限未満では、例えば、酸性にするとコンクリート中のカルシウムイオンの溶出が生じコンクリートの強度が低下するため好ましくない。
上記本発明のケイ酸含有水溶液は、好ましくは、ケイ酸ナトリウムの水溶液を電気分解して陽極で得られる液体から製造することができる。例えば、特開2010−235430号公報記載の方法を使用して製造することができる。また、本発明のケイ酸含有水溶液は、例えば、1リットルの水に対してアルカリ金属水酸化物を0.05〜0.7モル、好ましくは0.1〜0.6モル、より好ましくは0.1〜0.5モル、更に好ましくは0.1〜0.4モルの割合で溶解し、次いで、二酸化ケイ素(SiO)を0.1〜0.9モル、好ましくは0.2〜0.7モル、より好ましくは0.25〜0.6モル、更に好ましくは0.3〜0.5モルの割合で、更に、溶解して製造することができる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムが使用される。アルカリ金属水酸化物量が上記上限を超えては、得られたケイ酸含有水溶液の粘度を過大に増加せしめ、一方、アルカリ金属水酸化物量が上記下限未満では、二酸化ケイ素を十分に水に溶解することができない。また、二酸化ケイ素量が上記上限を超えては、二酸化ケイ素を十分に水に溶解することができず、一方、二酸化ケイ素量が上記下限未満では、得られたケイ酸含有水溶液により、本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤に十分な効果を付与することができない。ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(二酸化ケイ素(SiO)換算)は、上限が、好ましくは4.00質量%、より好ましくは3.50質量%、更に好ましくは2.50質量%、更により好ましくは2.00質量%、特に好ましくは1.95質量%であり、下限が、好ましくは0.50質量%、より好ましくは1.00質量%、更に好ましくは1.50質量%である。上記下限未満では、得られたコンクリート表面洗い出し処理剤の効果が低下し、上記上限を超えては、ケイ酸含有水溶液の粘度増加により作業性が著しく悪くなるばかりではなく、ケイ酸含有水溶液自体の製造も容易ではなくなる。ここで、上記のケイ酸濃度は、コンクリート表面洗い出し処理剤に含まれる水及びケイ酸の合計量に対するケイ酸の量として算出される。上記いずれかのケイ酸含有水溶液の製造方法を採用することにより、本来、水に溶解しない二酸化ケイ素(SiO)を水に溶解させることができ、上記所定濃度のケイ酸含有水溶液を製造することができる。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤の粘度(25℃)は、上限が、300,000mPa・s、好ましくは280,000mPa・s、より好ましくは260,000mPa・sであり、下限が、500mPa・s、好ましくは3,000mPa・s、より好ましくは50,000mPa・s、更に好ましくは100,000mPa・s、更により好ましくは170,000mPa・sである。粘度(25℃)が上記上限を超えては、コンクリート表面へのコンクリート表面洗い出し処理剤の塗布が容易でなくなると共に、塗布したコンクリート表面洗い出し処理剤の洗い出しが容易ではなくなる。一方、上記下限未満では、コンクリート表面への塗布後に、コンクリート表面洗い出し処理剤がコンクリート表面に留まらずに流れ出し、あるいは、コンクリート内部にまで浸透してコンクリート内部の硬化をも遅らせてしまうなどの弊害をもたらす。また、コンクリート表面洗い出し処理剤の粘度(25℃)が、100,000mPa・s以上であると、透水コンクリートに施与した際、コンクリート内部に浸透する可能性が殆どなくなるためより好ましい。ここで、上記粘度(25℃)は、B型粘度計を使用して測定したものである。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、セメント凝結遅延剤を、好ましくは0.5〜10.0質量部、より好ましくは1.0〜8.0質量部、更に好ましくは1.0〜7.0質量部含み、かつ、ケイ酸含有水溶液を、好ましくは99.5〜90.0質量部、より好ましくは99.0〜92.0質量部、更により好ましくは99.0〜93.0質量部含み、更に、非イオン性増粘剤を、上記セメント凝結遅延剤及びケイ酸含有水溶液の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜10.0質量部、より好ましくは1.0〜8.0質量部、更に好ましくは1.0〜7.0質量部含む。該範囲において、上記本発明の効果を良好に達成することができる。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤には、その効果を損なわない範囲で必要に応じて、他の成分、例えば、消泡剤等を添加することもできる。消泡剤を添加することにより、作業中にコンクリート表面洗い出し処理剤中への空気の巻き込みを効果的に防止することができる。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、上記のセメント凝結遅延剤、ケイ酸含有水溶液、及び、非イオン性増粘剤を、上記の量で適宜混合することにより製造することができる。ここで、ケイ酸含有水溶液を使用するに際しては、上記のようにして製造したケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度を、予めイオン交換水等の水を加えることにより適宜調整して使用することができる。あるいは、セメント凝結遅延剤とケイ酸含有水溶液とを混合した後、又は、セメント凝結遅延剤とケイ酸含有水溶液と非イオン性増粘剤、所望により他の成分とを混合した後に、イオン交換水等の水を加えることにより適宜調整して使用することもできる。また、セメント凝結遅延剤は、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは30〜35質量%の水溶液として使用することが好ましい。この際、本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、セメント凝結遅延剤の水溶液とケイ酸含有水溶液とを混合し、次いで、該混合物に非イオン性増粘剤を混合して、得た混合物の粘度(25℃)を500〜300,000mPa・sに調整することにより製造することができる。例えば、セメント凝結遅延剤の水溶液とケイ酸含有水溶液とを撹拌しつつ十分に混合した後、該混合物に非イオン性増粘剤を徐々に添加して、更に撹拌を継続して、本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤を製造することができる。この際、上記のように、イオン交換水等の水を加えることにより、ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度を適宜調整することもできる。上記のようにして、予め製造したケイ酸含有水溶液とは、別個に水を添加して本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤を製造した場合には、ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度は、最終的に得られたコンクリート表面洗い出し処理剤に含まれる水及びケイ酸の合計質量に対するケイ酸の質量として算出される。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は比較的高い粘度を有することから、噴霧によるコンクリート表面への塗布には適しておらず、通常、例えば、所定の大きさの型枠中に打設したコンクリート表面に、該コンクリート表面洗い出し処理剤を所定量投入し、次いで、例えば、水切りワイパー、ローラー等でコンクリート表面に均一に伸ばして広げることにより塗布する。従来の、アルカリ環境下でゲル化するコンクリート表面洗い出し処理剤では、例えば、空隙が多いコンクリート、いわゆる、透水コンクリートの内部への浸透(沈み込み)が生じないほどの粘度に調整すると、ゲル化した該処理剤を、例えば、水切りワイパー、ローラー等でコンクリート表面に均一に伸ばして広げることは困難となる。また、本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤を、コンクリート表面へ塗布する時期は、ある程度の荷重に対してコンクリート表面が沈下せず、かつ、コンクリート表面近傍が乾燥してしまわない時期が好ましく、一般的には、コンクリート打設後3〜5時間である。例えば、アルミスリッパ(網下駄)等を着用した作業者がコンクリート表面上に乗った際に自重で沈降して足跡が付かなくなる程度の時期に行うことが好ましい。また、養生後の洗い出しに際しては、例えば、水切りワイパー等を使用して、塗布した処理剤及び未硬化のモルタル分を取り除き、その後、例えば、ジェットウオッシャー等で水をかけながら、例えば、回転ブラシを装着した床洗浄用ポリッシャー等を使用して磨き洗いすることにより実施することができる。
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例において、コンクリート表面洗い出し処理剤の製造に使用した物質は、下記の通りである。
<セメント凝結遅延剤>
グルコン酸ナトリウム(丸善薬品産業株式会社製SODIUM GLCONATE(商標))
<非イオン性増粘剤>
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(三昌株式会社製ネオビスコオーシャンT60(商標))
キサンタンガム(三昌株式会社製KELZAN(商標))
<消泡剤>
山宗化学株式会社製DF−711(商標)(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル脂肪酸エステル)
<ケイ酸含有水溶液>
ケイ酸含有水溶液は、以下のようにして製造したものを使用した。ケイ酸含有水溶液の製造に使用した装置としては、図1に示したものを使用した。該装置には、電解槽(1)が備えられており、電解槽(1)は、陽イオン交換膜(IK)により陽極室(R2)と陰極室(R1)とに仕切られている。まず、ケイ酸ナトリウムをイオン交換水で希釈して、8質量%のケイ酸ナトリウム水溶液(50リットル)を調製し、タンク(YS1)に装入した。該水溶液の性状はpHが12.20であり、電気伝導度が15.23mS/cmであった。ここで、pH及び電気伝導度は、いずれも株式会社堀場製作所製LAQUA act D−73(商標)で測定したものである。一方、別のタンク(YA1)にイオン交換水を装入し、そこに塩化ナトリウムを投入して、電気伝導度が約10.00mS/cmの塩化ナトリウム水溶液(50リットル)を調製した。次いで、タンク(YS1)内のケイ酸ナトリウム水溶液が、循環ポンプ(PV2)を経由して、電解槽(1)の陽極室(R2)を通ってタンク(YS1)に循環可能なように、三方電磁弁(SV2,SV4)をセットし、一方、タンク(YA1)内の塩化ナトリウム水溶液が、循環ポンプ(PV1)を経由して、電解槽(1)の陰極室(R1)を通ってタンク(YA1)に循環可能なように、三方電磁弁(SV1,SV3)をセットした。次いで、循環ポンプ(PV2)及び循環ポンプ(PV1)を起動して、ケイ酸ナトリウム水溶液を電解槽(1)の陽極室(R2)を通して循環し、かつ、塩化ナトリウム水溶液を電解槽(1)の陰極室(R1)を通して循環した。その後、電解電流電源により、電解槽(1)の陽極室(R2)及び陰極室(R1)に夫々設けられた、陽極端子(MT2)と陰極端子(MT1)との間に36VDC 30Aを印加した。この状態で、両者の循環を継続すると、ケイ酸ナトリウム水溶液中のNaイオンが陽イオン交換膜(IK)を通過して徐々に陰極室(R1)側に移行し、約4時間30分後に、pH9.2のケイ酸含有水溶液約46リットルが得られた。また、該ケイ酸含有水溶液の電気伝導度は、2.2mS/cmであり、そのケイ酸含有水溶液の濃度(SiO換算)は1.94質量%(ICP質量分析法により測定、測定装置としては、株式会社島津製作所製ICPMS−2030(商標)を使用した。)であった。また、陽極端子(MT2)と陰極端子(MT1)との間の電流値は1A以下まで低下した。
実施例1−1〜1−5(コンクリート表面洗い出し処理剤1)、実施例2−1〜2−5(コンクリート表面洗い出し処理剤2)、実施例3−1〜3−5(コンクリート表面洗い出し処理剤3)、実施例4−1〜4−5(コンクリート表面洗い出し処理剤4)及び実施例5−1〜5−5(コンクリート表面洗い出し処理剤5)で使用した各コンクリート表面洗い出し処理剤は、下記のようにして製造したものである
(コンクリート表面洗い出し処理剤1)
グルコン酸ナトリウム(セメント凝結遅延剤)の34.0質量%水溶液を調製した。次いで、環境温度(19℃)において、該グルコン酸ナトリウム水溶液3.0質量部を、上記のようにして製造した、pH9.2及び濃度(SiO換算)1.94質量%のケイ酸含有水溶液75.0質量部に添加し、更に、イオン交換水22.0質量部を添加して、均一になるまで撹拌混合して、これら物質の混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム1.0質量部及び1.52質量%のケイ酸含有水溶液99.0質量部(このうちケイ酸1.5質量部)を含むこととなった。次いで、撹拌混合を継続しながら、主剤100質量部に対して、ヒドロキシエチルセルロース1.0質量部を添加し、更に、上記消泡剤を、同じく主剤100質量部に対して、0.01質量部添加して、コンクリート表面洗い出し処理剤1を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤1の粘度は3,000mPa・sであり、pHは8.9であった。ここで、該粘度は、温度25℃においてB型粘度計(BROOKFIELD:DV−I prime型)を用いて測定した値である。また、pHは、上記と同様にして測定した値である。
(コンクリート表面洗い出し処理剤2)
上記グルコン酸ナトリウム水溶液を5.0質量部及びイオン交換水を20.0質量部とした以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム1.7質量部及び1.53質量%のケイ酸含有水溶液98.3質量部(このうちケイ酸1.5質量部)を含むこととなった。次いで、ヒドロキシエチルセルロース3.1質量部を添加した以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして、コンクリート表面洗い出し処理剤2を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤2の粘度(25℃)は60,000mPa・sであり、pHは9.3であった。
(コンクリート表面洗い出し処理剤3)
上記グルコン酸ナトリウム水溶液を10.0質量部及びイオン交換水を15.0質量部とした以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム3.4質量部及び1.55質量%のケイ酸含有水溶液96.6質量部(このうちケイ酸1.5質量部)を含むこととなった。次いで、ヒドロキシエチルセルロース5.3質量部を添加した以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして、コンクリート表面洗い出し処理剤3を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤3の粘度(25℃)は190,000mPa・sであり、pHは9.1であった。
(コンクリート表面洗い出し処理剤4)
ヒドロキシエチルセルロースを6.5質量部添加した以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤3と同一にして、コンクリート表面洗い出し処理剤4を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤4の粘度(25℃)は257,000mPa・sであり、pHは9.4であった。
(コンクリート表面洗い出し処理剤5)
上記グルコン酸ナトリウム水溶液を20.0質量部及びイオン交換水を5.0質量部とした以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム6.8質量部及び1.61質量%のケイ酸含有水溶液93.2質量部(このうちケイ酸1.5質量部)を含むこととなった。次いで、ヒドロキシエチルセルロース6.5質量部を添加した以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして、コンクリート表面洗い出し処理剤5を製造した。
上記のようにして製造した、コンクリート表面洗い出し処理剤1〜5の組成、並びに、粘度及びpHを、下記の表1に示した。
*1:ケイ酸含有水溶液濃度の欄のカッコ内の数値はケイ酸の量(質量部)を示す。
表面洗い出し試験に用いた透水コンクリート(ポーラスコンクリート)の製造に使用した物質は、下記の通りである。
<普通ポルトランドセメント>
密度3.16、太平洋セメント株式会社、住友大阪セメント株式会社及び宇部三菱セメント株式会社の各社製普通ポルトランドセメントを略均等質量で配合したもの
<細骨材(山砂)>
密度2.63、千葉県君津市産(日本開発興業株式会社)
<粗骨材7号砕石>
密度2.66、東京都八王子市美山産(多摩興産株式会社)
<その他>
透水コンクリート用バインダー:山宗化学株式会社製リークロード(商標)、密度2.90
高性能AE減水剤:花王株式会社製マイテイ21P(商標)、パウダータイプ
(実施例1−1〜5−5)
透水コンクリートを、その空隙率を15%に設定して、普通ポルトランドセメント400kg/m、細骨材172kg/m、粗骨材7号砕石1,460kg/m、透水コンクリート用バインダー20kg/m及び高性能AE減水剤0.8kg/mに、水100kg/mを配合して、ミキサで練り混ぜて調製した。この際、透水コンクリートの練り上がり温度は、21℃であった。次いで、該透水コンクリートを、屋外に設置した、縦:約600mm×横:約900mmの型枠を縦横5個ずつ並べた全ての型枠内に打ち込み、約60mmの厚さで敷き均して、次いで、その上から幅広プレートで転圧した。透水コンクリートの打ち込み時の外気温度は19℃であった。
打ち込み後、3時間経過した後、上記のようにして製造した、コンクリート表面洗い出し処理剤1〜5を、上記のように各区分けした型枠に打ち込んだ透水コンクリートの表面に、1mあたり約1kgとなるように、水切りワイパーでほぼ均一に塗布した。この際、各縦列の5個の型枠内には、全て同一のコンクリート表面洗い出し処理剤を塗布した。例えば、最も左側の縦列の5個の型枠内(実施例1−1,1−2,1−3,1−4,1−5)の全てには、コンクリート表面洗い出し処理剤1を塗布した(表2参照)。表2においては、コンクリート表面洗い出し処理剤を、単に処理剤と省略して記載した。塗布後、降雨及び強風の影響を受けないように、塗布面に接するようにしてビニールシートにて覆った。塗布後、各コンクリート表面洗い出し処理剤を、3日間養生(材齢3日)、4日間養生(材齢4日)、5日間養生(材齢5日)、6日間養生(材齢6日)及び7日間養生(材齢7日)した後に洗い出し作業を実施して、粗骨材の剥離度合及び洗い出し後のコンクリート表面の外観を評価した。ここで、上記の洗い出し作業は、水切りワイパーを使用して、ゲル化した各コンクリート表面洗い出し処理剤及び未硬化のモルタル分を掻き出して除去した後、水をかけながらポリッシャー(アマノ武蔵電機株式会社製CMP80S(商標)、回転数170rpm/50Hz)で表層部を磨くことにより実施した。
粗骨材の剥離度合及び外観の評価基準は、下記の通りである。
<粗骨材の剥離度合>(表2中、評価1として示す。)
5:洗い出し中、粗骨材の剥離なし
4:洗い出し中、粗骨材の剥離が1mあたり5粒以下
3:洗い出し中、粗骨材の剥離が1mあたり5粒を超え10粒以下
2:洗い出し中、粗骨材の剥離が1mあたり10粒を超え30粒以下
1:洗い出し中、粗骨材の剥離が1mあたり30粒を超える
<洗い出し後のコンクリート表面の外観>(表2中、評価2として示す。)
外観は、洗い出し後のコンクリート表面を写真撮影し、表面に粗骨材の肌がきれいに現われ、モルタル分の磨き残しがないかを写真により目視で観察して評価したものである。
5:粗骨材表層部にモルタルが全く残らず、きれいに洗い出されたもの
4:モルタル分が完全に洗い出されていない部分が全体面積の5%以下
3:モルタル分が完全に洗い出されていない部分が全体面積の5%を超え10%以下
2:モルタル分が完全に洗い出されていない部分が全体面積の10%を超え20%以下
1:モルタル分が完全に洗い出されていない部分が全体面積の20%を超える
粗骨材の剥離度合及び外観の評価を、表2に示した。
表2の評価結果から分かるように、いずれのコンクリート表面洗い出し処理剤を使用した場合においても、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)共にほぼ良好な結果が得られた。このようにコンクリート表面洗い出し処理剤の粘度を本発明の範囲内で変化させても、ほぼ良好な結果が得られることが分かった。ここで、実施例1−1の、コンクリート表面洗い出し処理剤1を使用して3日間養生したものについては、評価1と評価2との合計点が多少低いものとなったが、本発明の効果を著しく損なうものではなかった。図2には、実施例1−1の、コンクリート表面洗い出し処理剤1を使用して3日間養生したもの(上図)、及び、実施例3−1の、コンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して3日間養生したもの(下図)の、洗い出し後のコンクリート表面の外観を示した。実施例3−1(下図)において、コンクリート表面がきれいに洗い出されており、粗骨材表層部にモルタルが全く残らず、きれいに洗い出されていることが分かった。図3には、実施例1−2の、コンクリート表面洗い出し処理剤1を使用して4日間養生したもの(上図)、及び、実施例3−2の、コンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して4日間養生したもの(下図)の、洗い出し後のコンクリート表面の外観を示した。実施例3−2(下図)では、粗骨材の表面の凹凸がよりくっきりと現われており、かつ、粗骨材間の空隙もある程度確保されて、よりきれいな外観を呈していることが分かった。
以上の結果から、本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、とりわけ、空隙の多い透水コンクリートの表面洗い出し化粧仕上げにおいて、粗骨材の剥離、飛散を少なくすることができ、かつ、表層部のモルタル分をきれいに除去することができることが分かった。また、各物質の配合のバランスで、養生期間を幅広く採ることを可能にした結果、作業工程の融通性を高めることを可能にした。また、透水コンクリート内部に、セメント凝結遅延剤が浸透して、コンクリート表層部が脆弱になることもなく、空隙の多いコンクリートの表面の洗い出しに十分な効果を発揮することが分かった。
(実施例6)
(コンクリート表面洗い出し処理剤6)
グルコン酸ナトリウム3.4質量部を、上記のようにして製造した、pH9.2及び濃度(SiO換算)1.94質量%のケイ酸含有水溶液96.6質量部に添加し、環境温度(19℃)において、均一になるまで撹拌混合して、これら物質の混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム3.4質量部及び1.94質量%のケイ酸含有水溶液96.6質量部(このうちケイ酸1.9質量部)を含むこととなった。次いで、コンクリート表面洗い出し処理剤3と同一にして、ヒドロキシエチルセルロース5.3質量部及び消泡剤0.01質量部を添加して、コンクリート表面洗い出し処理剤6を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤6の粘度(25℃)は191,000mPa・sであり、pHは9.2であった。該コンクリート表面洗い出し処理剤6を使用して、実施例3−1と同様にして、コンクリート表面洗い出し処理剤6を透水コンクリートの表面に塗布し、3日間養生(材齢3日)した後に洗い出し作業を実施して、粗骨材の剥離度合及び洗い出し後のコンクリート表面の外観を評価した。その結果、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)は、夫々、4及び5であった。
(実施例7)
(コンクリート表面洗い出し処理剤7)
上記グルコン酸ナトリウム水溶液を10.0質量部及びイオン交換水を40.0質量部とした以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム3.4質量部及び1.00質量%のケイ酸含有水溶液96.6質量部(このうちケイ酸1.0質量部)を含むこととなった。次いで、コンクリート表面洗い出し処理剤3と同一にして、ヒドロキシエチルセルロース5.3質量部及び消泡剤0.01質量部を添加して、コンクリート表面洗い出し処理剤7を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤7の粘度(25℃)は185,000mPa・sであり、pHは9.2であった。該コンクリート表面洗い出し処理剤7を使用して、実施例3−1と同様にして、コンクリート表面洗い出し処理剤7を透水コンクリートの表面に塗布し、3日間養生(材齢3日)した後に洗い出し作業を実施して、粗骨材の剥離度合及び洗い出し後のコンクリート表面の外観を評価した。その結果、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)は、夫々、4及び5であった。
(実施例8)
(コンクリート表面洗い出し処理剤8)
上記グルコン酸ナトリウム水溶液を10.0質量部及びイオン交換水を65.0質量部とした以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤1と同一にして混合物(主剤)を得た。その結果、主剤100質量部中には、グルコン酸ナトリウム3.4質量部及び0.51質量%のケイ酸含有水溶液96.6質量部(このうちケイ酸0.5質量部)を含むこととなった。次いで、コンクリート表面洗い出し処理剤3と同一にして、ヒドロキシエチルセルロース5.3質量部及び消泡剤0.01質量部を添加して、コンクリート表面洗い出し処理剤8を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤8の粘度(25℃)は189,000mPa・sであり、pHは9.1であった。該コンクリート表面洗い出し処理剤8を使用して、実施例3−1と同様にして、コンクリート表面洗い出し処理剤8を透水コンクリートの表面に塗布し、3日間養生(材齢3日)した後に洗い出し作業を実施して、粗骨材の剥離度合及び洗い出し後のコンクリート表面の外観を評価した。その結果、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)は、夫々、3及び4であった。
(比較例1)
(コンクリート表面洗い出し処理剤a)
コンクリート表面洗い出し処理剤3において、ケイ酸含有水溶液に代えて、イオン交換水を使用した以外は、同一にしてコンクリート表面洗い出し処理剤aを製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤aの粘度(25℃)は183,000mPa・sであり、pHは8.2であった。該コンクリート表面洗い出し処理剤aを使用して、実施例3−1と同様にして、コンクリート表面洗い出し処理剤aを透水コンクリートの表面に塗布し、3日間養生(材齢3日)した後に洗い出し作業を実施して、粗骨材の剥離度合及び洗い出し後のコンクリート表面の外観を評価した。その結果、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)は、夫々、2及び3であった。
実施例6〜8及び比較例1の結果を、下記の表3に示した。また、表3には、実施例3−1の結果も併せて示した。
*1:ケイ酸含有水溶液に代えてイオン交換水を使用したものである。
*2:ケイ酸含有水溶液濃度の欄のカッコ内の数値はケイ酸の量(質量部)を示す。
表3に示した実施例6、3−1、7及び8は、夫々、コンクリート表面洗い出し処理剤6、3、7及び8を使用したものであり、各処理剤中のグルコン酸ナトリウム、ケイ酸含有水溶液、ヒドロキシエチルセルロース及び消泡剤の含有量を同一にして、ケイ酸含有水溶液濃度を変化させたものである。実施例6、3−1及び7のいずれにおいても、評価1及び評価2は、著しく良好な結果となった。実施例8においては、両評価結果は多少低下したものの、実施例6、3−1及び7の各評価結果と比較して、遜色のないものであった。一方、比較例1は、コンクリート表面洗い出し処理剤aを使用したものであり、ケイ酸含有水溶液に代えて、イオン交換水を使用したものである。評価1においては粗骨材の剥離が著しく多く、それに伴って、モルタルの洗い出しは良好にはなるものの全体として洗い出し後の表面は著しく醜いものとなった。以上の結果から、コンクリート表面洗い出し処理剤において従来使用していた媒体である水に代えて、ケイ酸含有水溶液を使用した本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤を使用すると、評価1及び評価2について著しく良好な結果が得られることが分かった。
図4には、実施例3−1においてコンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して洗い出した場合の表面(左)と、比較例1においてコンクリート表面洗い出し処理剤aを使用して洗い出した場合の表面(右)とを比較して示した。但し、後者における洗い出しに際しては、前者と同じ条件でポリッシャー(使用したポリッシャー及び回転数等は上記と同じである。)で洗い出すと、上記評価のように、粗骨材の剥離が激しくなることから、剥離が生じないようにポリッシャーの回転数を小さくし、かつ、時間を調節して洗い出した。その結果、コンクリート表面洗い出し処理剤3を使用した場合には、コンクリート表面の骨材付着強度が高く、ポリッシャーによる洗い出しを十分にすることができたことから、洗い出し後の表面は美しいものとなったが、比較例1のコンクリート表面洗い出し処理剤aを使用して洗い出すと、ポリッシャーによる洗い出しを十分にすることができなくなって、モルタル分が完全に洗い出されていない部分が全体面積の20%を超えることとなり、洗い出し後の表面の美観は著しく劣るものとなった。
また、図5には、実施例3−1においてコンクリート表面洗い出し処理剤3をコンクリート表面に施与した際の端部断面(左)と、比較例1においてコンクリート表面洗い出し処理剤aをコンクリート表面に施与した際の端部断面(右)とを比較して示した。このように、比較例1のコンクリート表面洗い出し処理剤aは、養生中にその端部が収縮してしまい、該処理剤がその部分に作用できないことから、その部分において、コンクリート表面の硬化を十分に遅延することができないことが分かった。
(実施例9〜12及び比較例2)
コンクリート表面洗い出し処理剤6(実施例9)、コンクリート表面洗い出し処理剤3(実施例10)、コンクリート表面洗い出し処理剤7(実施例11)、コンクリート表面洗い出し処理剤8(実施例12)及びコンクリート表面洗い出し処理剤a(比較例2)に関しては、それらの各主剤を使用して、透水コンクリート(ポーラスコンクリート)を製造して、それらの曲げ強度を測定した。
曲げ強度測定に使用した透水コンクリート(ポーラスコンクリート)には、下記の物質を使用した。
<普通ポルトランドセメント>
密度3.16、太平洋セメント株式会社、住友大阪セメント株式会社及び宇部三菱セメント株式会社の各社製普通ポルトランドセメントを略均等質量で配合したもの
<細骨材(山砂)>
密度2.63、千葉県君津市産(日本開発興業株式会社)
<粗骨材7号砕石>
密度2.66、東京都八王子市美山産(多摩興産株式会社)
<その他>
透水コンクリート用バインダー:山宗化学株式会社製リークロード(商標)、密度2.90
高性能AE減水剤:山宗化学株式会社製ヤマソーV1S(商標)
透水コンクリートを、その空隙率を17%に設定して、普通ポルトランドセメント400kg/m、細骨材80kg/m、粗骨材7号砕石1,500kg/m、透水コンクリート用バインダー20kg/m及び高性能AE減水剤4.2kg/mに、上記の各コンクリート表面洗い出し処理剤の主剤100kg/mを配合して、ミキサで練り混ぜて調製した。
実施例9〜12及び比較例2において、曲げ強度は、JIS A 1106に準拠して測定した。まず、10×10×40cmの角柱供試体[実施例9〜12及び比較例2について夫々6本(合計:6×5=30本)]を、JIS A 1132のコンクリートの強度試験用供試体の作り方に準拠して作成した。1日経過後、各供試体を型から取り出して、20℃の水中に保存して、7日間(夫々供試体3本)及び28日間(夫々供試体3本)養生した。養生後、曲げ強度を測定し、夫々、3本の平均値を各養生後の曲げ強度とした。曲げ強度の測定には、アムスラー型耐圧試験機(株式会社前川試験機製作所製一軸試験機、型式:油圧式ACA−200A型、能力:圧縮・曲げ2,000kN)、及び、曲げ強度用アタッチメント(株式会社関西機器製作所製KC−148A、三等分点載荷装置10×10×40用)を使用した。
上記の結果は、下記の表4に示した通りである。
*1:ケイ酸含有水溶液に代えてイオン交換水を使用したものである。
*2:ケイ酸含有水溶液濃度の欄のカッコ内の数値はケイ酸の量(質量部)を示す。
表4から明らかな通り、ケイ酸含有水溶液を使用した実施例9〜12においては、イオン交換水のみを使用した比較例2と比較して、いずれの曲げ強度も高い結果が得られた。この結果から、本発明の、ケイ酸含有水溶液を含むコンクリート表面洗い出し処理剤では、該処理剤が、例えば、透水コンクリートの表面に留まることにより、その表面に存在する粗骨材同士の結合を強固にして、洗い出し時の粗骨材の飛散を効果的に防止し得ることが分かった。
(実施例13)
(コンクリート表面洗い出し処理剤9)
ヒドロキシエチルセルロースに代えてキサンタンガムを使用した以外は、コンクリート表面洗い出し処理剤3と同一にして、コンクリート表面洗い出し処理剤9を製造した。得たコンクリート表面洗い出し処理剤9の粘度(25℃)は179,000mPa・sであり、pHは9.2であった。
該コンクリート表面洗い出し処理剤9を使用して、実施例3−1と同様に、コンクリート表面洗い出し処理剤を、3日間養生(材齢3日)した後に洗い出し作業を実施して、粗骨材の剥離度合及び洗い出し後のコンクリート表面の外観を評価した。その結果、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)は、夫々、3及び4であった。図6には、該コンクリート表面洗い出し処理剤9を使用して洗い出した場合の表面(左)と、コンクリート表面洗い出し処理剤3を使用して洗い出した場合の表面(右)とを比較して示した。該コンクリート表面洗い出し処理剤9を使用して洗い出した場合においても、ほぼ良好な結果が得られたが、該処理剤9においては、施与部分の端部が養生中に収縮し易いことから、端部の洗い出しがやや困難になり、粗骨材の剥離度合(評価1)及び洗い出し後のコンクリート表面の外観(評価2)が多少劣ることが分かった。
本発明のコンクリート表面洗い出し処理剤は、コンクリート、とりわけ、空隙が多いコンクリート、例えば、透水コンクリートであっても、その表面に確実に留まることができることから、該処理剤が、コンクリート表面において塗布時の形態を長く持続して維持することができ、それにより、効果的にコンクリート表面の水和反応を遅らせると同時に、コンクリート内部の水和反応を十分に促進することができることから、多くの優れた効果を有する故に、今後、コンクリート表面洗い出しの分野において、大いに使用されることが期待される。
1 電解槽
IK 陽イオン交換膜
R1 陰極室
R2 陽極室
MD1,MD2 電極板
MT1,MT2 電極端子
YS1 ケイ酸ナトリウム水溶液装入タンク
YA1 塩化ナトリウム水溶液装入タンク
SV1,SV3,SV2,SV4 三方電磁弁
PV1,PV2 循環ポンプ
SE センサーボックス(pH及び電気伝導度測定用)

Claims (8)

  1. セメント凝結遅延剤、非イオン性増粘剤、及び、ケイ酸含有水溶液を含み、かつ、粘度(25℃)が500〜300,000mPa・sである、コンクリート表面洗い出し処理剤。
  2. ケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、0.50〜2.00質量%である、請求項1記載のコンクリート表面洗い出し処理剤。
  3. 上記セメント凝結遅延剤が、グルコン酸ナトリウムである、請求項1又は2記載のコンクリート表面洗い出し処理剤。
  4. 上記非イオン性増粘剤が、ヒドロキシエチルセルロースである、請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤。
  5. セメント凝結遅延剤0.5〜10.0質量部及びケイ酸含有水溶液99.5〜90.0質量部の合計100質量部に対して、非イオン性増粘剤0.5〜10.0質量部を含む、請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤。
  6. 透水コンクリート用の、請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンクリート表面洗い出し処理剤。
  7. セメント凝結遅延剤の水溶液とケイ酸含有水溶液とを混合し、次いで、これに非イオン性増粘剤を添加して、得た混合物の粘度(25℃)を500〜300,000mPa・sに調整することによる、コンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法。
  8. 上記混合物中のケイ酸含有水溶液のケイ酸濃度(SiO換算)が、0.50〜2.00質量%である、ここで、該ケイ酸濃度は、該混合物に含まれる水及びケイ酸の合計量に対するケイ酸量として算出したものである、請求項7記載のコンクリート表面洗い出し処理剤の製造方法。
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