JP3718697B2 - 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度吹付けコンクリート、特に地山壁面やトンネル等の施工に用いられる高強度吹付けコンクリートにかかわるもので、特に暑中あるいは地熱などの高温状態での使用に適したコンクリート用セメント、およびこれを用いた高強度吹付けコンクリートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の吹付けコンクリートは、コンクリート強度が材齢28日で26N/mm2程度であるため、近年要請されてきているような3車線の大断面トンネルでは、吹付けコンクリート層を著しく厚くする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような吹付け厚さの増大は剥落の危険を増すため、吹付けを数回に分けて実施する必要があり、工期の長期化が懸念される。また当然、吹付け厚さの増大にともないトンネルの掘削断面も増大し、さらに残土の処理も問題となる。
これらの問題を解決するために、低い水セメント比を有する高強度コンクリートを吹付けることが検討されている。しかし、普通ポルトランドセメントを用いた高強度コンクリートでは、低い水セメント比ではコンクリートの粘性が著しく高くなり、混合機までポンプ圧送できる流動性が確保できないことや、混合機中での急結剤との混合が困難になるなどの問題が生じている。また、セメント、細骨材、粗骨材および水を混練し生コンクリートを製造した後、急結剤をノズルの手前で添加する湿式吹付け工法においては、従来の吹付けコンクリートにおいても、コンクリートの練上り温度が高温(例えば暑中コンクリートのように25℃以上)になると、セメントの水和反応が促進されることにより、急結剤添加直後のコンクリートの凝結が著しく早くなり、吹付け作業の可使時間が充分とれない等の問題が指摘されていた。
【0004】
上記の課題を解決するため、練り混ぜ水に冷却した水を使用したり、骨材を冷却したり、混合機等に散水することによりコンクリート温度を下げることが行われていた(コンクリート・ジャーナル,Vol.4, No.6, Jun, 1966)。しかし、特に夏場で気温が30℃を超えるような気候条件下では、それほどの効果が期待できず、さらに冷却に要する経費が多大であるなどの課題が指摘されていた。このため、クエン酸等の有機酸類を添加してセメントの凝結をコントロールし、可使時間を得ようとする方法が提案されている(特開平2-97449号)。しかし、クエン酸等の有機酸類を使用する場合には適切な添加量の選定が難しいことや、クエン酸等の過剰な添加が急結剤の急結作用を抑制し、吹付けコンクリートの付着性状を悪化させることなどの問題が生じる。さらに、高強度吹付けコンクリートでは、低い水セメント比でのコンクリートの流動性を確保するために添加した化学混和剤とクエン酸等の有機酸類とが相互作用を生じ、コンクリートの流動性を低下させる等の問題点が懸念されている。
【0005】
そこで本発明は、コンクリートの練上り温度が高い場合においても、前記のクエン酸等の有機酸類を使用しなくても、水和反応の異常な促進が起こらず、かつ、高い流動性を有し、同時に急結剤を添加したときに優れた凝結性状および強度発現性を示す高強度吹付けコンクリートを得ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々検討した結果、かかる問題点を抱える前記したクエン酸等の有機酸類を使用することなく、特定の組成を有するセメントと高性能減水剤や高性能AE減水剤などの分散剤とを組み合わせることにより、高温でも常温と同様の急結性状をしめす高強度吹付けコンクリートを得ることに成功したものである。
すなわち本発明は、練上り温度が高い場合において高強度吹付けコンクリートを得るために用いるセメントであって、3CaO・Al23含有量2〜7重量%、4CaO・Al23・Fe23含有量2〜13重量%であり、かつ該3CaO・Al23と該4CaO・Al23・Fe23の合計量が8〜16重量%であり、かつ残部が3CaO・SiO2および2CaO・SiO2とからなるクリンカー粉末に、無水石膏および/または二水石膏を30重量%以上含む石膏を配合したことを特徴とする、高強度吹付けコンクリート用セメントを提供するものである。
本発明はまた、上記クリンカー中の2CaO・SiO2含有量を40〜60重量%の範囲に調整した高強度吹付けコンクリート用セメントを提供するものである。
本発明はさらに、上記セメントに、高性能減水剤や高性能AE減水剤などの分散剤と急結剤とを組み合わせたコンクリートを提供するものである。
本発明のセメントを用いた吹付けコンクリートは、練り上がり温度が25℃を越える場合においても良好な吹付け性状を示し、成形した後での優れた高強度を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のセメントについて詳しく説明する。
低水セメント比でコンクリートの高い流動性を得るためには、一般に、界面活性剤である高性能減水剤や高性能AE減水剤等の分散剤を添加し、吸着した分散剤の電荷に起因する「静電気的反発力」や、吸着分子そのものの「立体障害反発力」によりセメント粒子を分散させる方法が行われている。
分散剤の吸着性状はセメントの構成化合物により異なり、3CaO・Al23や4CaO・Al23・Fe23等の間隙質相へ、選択的かつ多量に吸着し、その後に主要構成化合物である3CaO・SiO2や 2CaO・SiO2等の珪酸カルシウムに吸着する。したがって、間隙質相が多い場合には、珪酸カルシウムへ分配吸着される分散剤の量はわずかとなり、吸着が不均一となり、分散効果が十分に発揮されない。また、間隙質相は水和が早く、初期材齢でエトリンガイト(3CaO・Al23・3CaSO4・32H2O)等の多くの結合水を有する水和物を生成するため、その後の水和反応に必要な水量が不足し、間隙質相に比べ反応が遅い珪酸カルシウムの反応が抑制され、長期での強度発現性が抑制される。特に、水和速度が早く、活性の高い3CaO・Al23含有量が多いほど、この傾向が顕著となる。
【0008】
なお、急結剤も、CaO-Al23-H2O水和物(2CaO・Al23・8H2O)、 モノサルフェート(3CaO・Al23・CaSO4・12H2O)あるいはエトリンガイト(3CaO・Al23・3CaSO4・32H2O)等の水和物を多量に生成し、セメントペーストを急結させる。この反応も、3CaO・Al23の水和反応と同様に多くの結合水を必要とし、例えば3CaO・Al23の水和が高温でより促進され急結剤を添加する前に自由水が減少していると、急結剤の急激な水和により、急結剤添加直後からペースト中の自由水が無くなり、セメントの急結は著しく早くなるため、ペーストに可塑性、すなわち付着力が失われ吹付け性状が低下する。この傾向は、高強度吹付けコンクリートのようにセメントに対する水の絶対容積が少ない場合に顕著となる。このため、セメント中の3CaO・Al23や4CaO・Al23・Fe23等の間隙質相、特に3CaO・Al23を低減する必要がある。
【0009】
本発明のセメントは、3CaO・Al23量を最小限に抑えた結果、珪酸カルシウムに吸着される混和剤の量を増しセメント粒子を十分に分散させ、低い水セメント比でもコンクリートの流動性を著しく高めたものである。この結果、湿式吹付けにおいて混合機まで容易にポンプ圧送でき、混合機中での急結剤との混合も容易に行うことが可能である。また、高温でも適量の自由水を確保し、急結剤添加直後も適切な可塑性を得ることができ、良好な吹付け性状を得ることができる。さらに、珪酸カルシウムの水和に用いられる自由水も確保され、その結果、長期材齢でも水和反応が十分に進むようになり、高強度化が可能となる。
さらに、珪酸カルシウムの3CaO・SiO2の水和が温度によって促進されることもコンクリートの練上り温度が25℃以上で急結剤を添加した後のコンクリートの凝結が早くなる副次的な要因と考えられる。したがって、水和の温度依存性が3CaO・SiO2よりも小さく、かつ最終強度がほぼ同じである2CaO・SiO2の含有量を増すことが有効であり、高温状態では2CaO・SiO2の含有量を40〜60重量%の範囲に調整して用いると、さらに好ましい。なお、以上のような効果を得るためには、セメントの粉末度を3200〜4500cm2/gの比表面積を有する程度とするのが好ましい。
【0010】
該クリンカーに添加する石膏は、その形態として無水塩、半水塩、二水塩からなるものが挙げられるが、無水石膏あるいは二水石膏を30%以上含む石膏を添加することがセメントの偽凝結を防止し、最も良い流動性が得られる点で好ましい。
なお、石膏の添加量はSO3量で2%より少ないと、3CaO・Al23の水和が活発になり分散剤の吸着量が増し、また5重量%を越えると、石膏量が過剰なために偽凝結が生じ、流動性が低下するので2〜5重量%が望ましい。しかし、急結剤中に石膏を多量に含むものもあり、これらの効果も考慮してセメント中の石膏量を調整する必要がある。
【0011】
分散剤は、セメント粒子を分散させセメントペーストの流動性を改善する目的で使用するものであり、その組成は、セメント粒子を分散させるものならば、特に限定するものでなく、市販の高性能減水剤および高性能AE減水剤等を使用することができる。
急結剤は、コンクリートの凝結を早め、吹付け時にコンクリートを地山壁面やトンネル壁面に付着させ、短時間で固化させる目的で使用するもので、その組成は、セメントの水和を著しく阻害せずにコンクリートの付着性を増大させれるものならば、特に限定するものではなく、市販の急結剤を使用することができる。
【0012】
本発明のセメントを高強度吹付けコンクリートに適用する場合、セメント、骨材、分散剤および水等の配合処方を特に制限するものではないが、セメントの単位量が400〜600kg/m3、単位水量が175〜200kg/m3、細骨材の単位量が700〜1200kg/m3、粗骨材の単位量が600〜1100kg/m3の割合からなる高強度暑中吹付けコンクリートに適用すると効果的である。本発明のコンクリートが高強度暑中吹付けコンクリートとして効果を発揮するコンクリートの練り上がり温度は25℃以上であり、好ましくは30℃である。なお、25℃未満でも急結剤の添加量を増大させることで目的の吹付け性状を得ることができる。
【0013】
【実施例】
実施例1.
以下に示す材料を用いて、水セメント比30%のセメントペーストをホバートミキサーを用いて練り混ぜ、日本建築学会のJASS 25 M103に規定されているセルフレベリング材の試験方法に基づきセメントペーストのフロー値を測定した。
<使用材料>
セメント:クリンカーの構成化合物(C3S:3CaO・SiO2, C2S:2CaO・SiO2, C3A:3CaO・Al23, C4AF:4CaO・Al23・Fe23)が表1に示すような4種類のクリンカーに、無水、二水および半水石膏を添加して粉砕した5種類のセメントと比較用の普通ポルトランドセメント(秩父小野田(株)製);高性能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂(株)製、ポリカルボン酸系);
水:水道水。
なお、高性能AE減水剤の添加量はセメントに対して1.0重量%とした。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003718697
【0015】
表1から分かるように、3CaO・Al23が7重量%以下で、3CaO・Al23と4CaO・Al23・Fe23の合量が8〜16重量%の範囲では、3CaO・Al23と4CaO・Al23・Fe23の合量が減少するほどフロー値が大きくなり普通ポルトランドセメントに比べ流動性が向上するのが分かる。なお、3CaO・Al23と4CaO・Al23・Fe23の合量がほぼ同じならば、3CaO・Al23が少ないほど著しく優れた流動性を示すことが分かる。また、クリンカーが同じ構成化合物を有するセメントを比較すると、無水石膏および二水石膏を30%以上含むことにより流動性がさらに向上することが分かる。
【0016】
実施例2.
実施例1の表1に記載した高強度吹付けコンクリート用セメントの中、本発明のセメントを用いたコンクリートの流動性を、普通ポルトランドセメント(秩父小野田(株)製)を用いたコンクリートと比較した。セメント以外の材料としては以下に示すものを用いた。
<使用材料>
細骨材:小笠産陸砂、比重2.60
粗骨材:岩瀬産砕石1505、比重=2.63
高性能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂(株)製、ポリカルボン酸系)
水:水道水
コンクリートの配合を表2および表3に示す。
コンクリートの作製には、0.5m3のパン型強制ミキサーを用いた。コンクリートは、セメント、細骨材、粗骨材を順次投入して15秒間空練りした後、高性能AE減水剤を練り混ぜ水と同時に添加し2分間練り混ぜ作製した。得られたフレッシュコンクリートの性状を表3に示す。
【0017】
【表2】
Figure 0003718697
【0018】
【表3】
Figure 0003718697
【0019】
表3より、本発明のセメントを用いた高強度コンクリートは、普通ポルトランドセメントに比べ約1/2以下の高性能AE減水剤加量で同等のスランプが得られており、高い流動性を有するのがわかる。
【0020】
実施例3.
土木学会基準「吹付けコンクリートの品質規格(JSCE-D102-1986)に準じて、以下に示す材料を用いて急結剤を添加したモルタルのプロクター凝結試験をモルタルの練り上がり温度別に実施した。
<使用材料>
セメント:高強度暑中吹付けコンクリート用セメント(実施例1表1のセメントA−1)
秩父小野田(株)製、普通ポルトランドセメント
細骨材:小笠産陸砂、比重2.60
高性能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂(株)製)
急結剤:T−ROCK((株)小野田製)
水:水道水
セメント 100重量部、細骨材 200重量部、水 35重量部および高性能AE減水剤をモルタルミキサーで115秒練り混ぜた後、急結剤を3重量部投入し、5秒間練り混ぜた。
練り上がり後、手早くタッピングし練り跡を無くし、20秒〜4分までの貫入抵抗値を測定した。結果を表4に示す。なお、プロクター貫入抵抗値の始発は3.5N/mm2、終結は28.0N/mm2である。
【0021】
【表4】
Figure 0003718697
【0022】
表4より、練り上がり温度と抵抗値の関係は、急結剤の添加量は同じでも、セメントの種類によらず温度の上昇にともないセメントの水和が促進されるため、急結剤の添加の効果が早期に発現し、急結剤添加直後からプロクター抵抗値は大きくなる。なお同一の条件で得られる急結性状はセメントごとに異なり、練り上がり温度が25〜30℃の範囲において得られる急結性状は、本発明の高強度吹付けコンクリート用のセメントを用いたモルタルでは、普通セメントを用いた場合にくらべ穏やかとなっていることがわかる。
急結剤の添加量が同じ場合、本発明のセメントを用いたモルタルが30℃で示す急結性状は、普通セメントを用いたモルタルが20℃で示すのと同様であることからも、夏場などの気温が高くなる気候条件下での吹付け材としてセメントAは十分に使用可能であることが明らかである。
【0023】
実施例4.
急結剤を添加したコア供試体を用いて、モルタルの強度発現を測定した。コア供試体は、実施例2に配合を示すモルタルを練り上がり温度30℃に練り上げ、所定量の急結剤を投入し5秒間練り混ぜて作成した。練り上がり後、手早くタッピングし練り跡をなくしたモルタルの塊を30℃にて封緘養生し、所定材齢でφ45mmのコアを抜き出し、95mmの長さに切り揃えた。載荷面の処理は切断面を硫黄キャッピングまたは研磨処理した。実施例3のプロクター貫入抵抗試験の結果に基づいて、適正な急結性状が得られる急結剤の必要添加量を求めた。適正な急結性状が得られる必要添加量およびコア供試体の圧縮強度の結果を表5に示す。
【0024】
【表5】
Figure 0003718697
【0025】
表5より、本発明のセメントを用いたモルタルの強度発現は良好であり、材齢28日で50N/mm2を達成した。一方、普通セメントを用いた場合には、30℃では急結剤を添加した直後の凝結が著しく早いために、急結剤の添加量は少ないが流動性が確保できず、練り上がり後モルタルを十分に締め固められず、その結果大きな空隙が残留し、強度が低下することが認められた。
【0026】
実施例5.
本発明のセメントを用いた高強度吹付けコンクリートと、比較用の普通ポルトランドセメントを用いた従来の吹付けコンクリートを、0.5m3のパン型強制ミキサーで練り混ぜた。表6に各コンクリートの調合を示す。練り混ぜは、セメント、細骨材(小笠産陸砂、比重=2.59、粗粒率=2.85)、粗骨材(岩瀬産砕石1505、比重=2.63)を順次投入して、15秒間空練りした。次いで、高強度吹付けコンクリート用セメントを用いた場合にはスランプが20±2.5cmの範囲に入るように、高性能AE減水剤(竹本油脂(株)製チューポールHP−11)をセメント100重量部に対して固形分換算で0.1〜1.0部の範囲で練混ぜ水と同時に添加して2分間練り混ぜた。この高強度吹付けコンクリートと従来の吹付けコンクリートを練り上がり温度30℃に練り上げ、湿式吹付け機で吹付けた。
その結果、高強度吹付けコンクリート用セメントでは、従来の吹付けコンクリートとくらべ、リバウンドおよび粉塵量がすくなくてコンクリートの吹付けができ、さらに表7に示すような高強度を得ることができた。
【0027】
【表6】
Figure 0003718697
【0028】
【表7】
Figure 0003718697
【0029】
【発明の効果】
本発明のセメントを用いると、低い水セメント比で高い流動性を有し、吹付けコンクリートの練り上がり温度が高温であっても、急結剤を添加したときに良好な凝結硬化性状を示す高強度吹付けコンクリートを得ることができる。これにより、夏場などの気温が高くなる気候条件下においても、材料および混合機の冷却といった前処理を不要として高強度吹付けコンクリートを施工することができる。その結果として吹付け量の低下による掘削量の低減および工期の短縮を図ることができる。

Claims (3)

  1. 高強度吹付けコンクリートを得るために用いるセメントであって、3CaO・Al23含有量2〜7重量%、4CaO・Al23・Fe23含有量2〜13重量%であり、かつ該3CaO・Al23と該4CaO・Al23・Fe23の合計量が8〜16重量%であり、かつ残部が3CaO・SiO2および2CaO・SiO2とからなるクリンカー粉末に、無水石膏および/または二水石膏を30重量%以上含む石膏を配合したことを特徴とする、高強度吹付けコンクリート用セメント。
  2. クリンカーの2CaO・SiO2含有量が40〜60重量%の範囲に調整された請求項1に記載の高強度吹付けコンクリート用セメント。
  3. 請求項1または2に記載のセメントに、分散剤と急結剤とを配合してなる高強度吹付けコンクリート。
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