JP3728340B2 - 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度吹付けコンクリート、特に、地山壁面やトンネルなどの施工に用いられる高強度湿式吹付け工法吹付けコンクリートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、地山壁面やトンネルなどの吹付けコンクリート工法としては、セメント、細骨材、粗骨材及び急結剤をあらかじめ混合し、ノズル手前で水を加える方法、すなわち乾式吹付け工法と、セメント、細骨材、粗骨材および水を混練して生コンクリートを製造した後、急結剤をノズル手前で添加する方法、いわゆる湿式吹付け工法等が用いられている(特開昭61−92263号公報など)。
しかし、従来の吹付けコンクリートは、コンクリート強度が材齢28日で260kgf/cm2程度であるので、最近要請されてきているような3車線の大断面トンネルでは、吹付けコンクリート層を著しく厚くする必要がある。このため、大容量の吹付け装置の開発が必要であり、さらに吹付け厚を増すと剥落の危険が増すため吹付けを数回に分けて実施する必要があり、工期の長期化が懸念される。また、当然トンネルの掘削量も吹付け厚の増大に伴い増加し、残土の処理も問題となる。
【0003】
これらの問題を解決するために、ヨーロッパで普及している高強度吹付けコンクリートを大断面トンネルに適用することが考えられる。しかし、普通ポルトランドセメントを用いた場合、高強度にするための低水セメント比にすると、コンクリートの粘性が著しく高くなり、混合機までポンプ圧送できる流動性が確保できないことや、混合機中での急結剤との混合が困難になることが懸念された。このため、流動性を増すためにシリカフュームを普通ポルトランドセメントに混和した高強度吹付けコンクリートが開発されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリカフュームは副産物であり、品種銘柄や生産時期によってアルカリ、強熱減量および湿分等の品質が安定せず、流動性増強効果にバラツキが生じる等の品質管理上の問題や、国内および海外での産出量が少なく、さらに高価であることから利用上の制限が生じるなどの多くの問題がある。
本発明が解決しようとしている課題は、シリカフュームにたよらずに低水セメント比で高い流動性を示し、同時に急結剤を添加したときに優れた凝結性状および強度発現性を示す、高強度用吹付けコンクリート用セメントを得ることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、かかる問題点を抱える前記したシリカフュームにたよることなく、特定の組成を有するセメントと、高性能AE減水剤や高性能減水剤などの分散剤とを組み合わせることにより、上記の課題を解決する高強度吹付けコンクリート用セメントを得ることに成功したものである。
すなわち本発明は、高強度吹付けコンクリートを得るために用いるセメントであって、3CaO・SiO2含有量45〜75重量%、3CaO・Al23含有量6〜12重量%、硫酸アルカリをNa2O換算で0.4〜0.7重量%、残部が主として2CaO・SiO2、4CaO・Al23・Fe23からなるクリンカー粉末に、不溶性無水石膏を30%以上含む石膏をSO3換算で2.5〜4.0重量%配合したことを特徴とする、高強度吹付けコンクリート用セメント(以下、セメントAという)を提供するものである。
【0006】
本発明はまた、上記セメントA100重量部当たり微粉末混和材料を4〜40重量部の割合で配合した高強度吹付けコンクリート用セメント(以下、セメントBという)を提供するものである。
【0007】
本発明はさらに、上記セメントAまたはセメントBに、高性能減水剤または高性能AE減水剤、及び急結剤とを組み合わせたコンクリートを提供するものである。
【0008】
本発明のセメントAおよびセメントB、ならびにこれから得られる吹き付けコンクリートは、低水セメント比の配合においても、良好な吹付け性状および成形した後での優れた高強度を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに説明する。
まず、本発明のセメントAについて詳しく説明する。低水セメント比でコンクリートの高い流動性を得るためには、一般に、界面活性剤系の高性能減水剤や高性能AE減水剤などの分散剤を添加し、その静電反発力および吸着層の立体障害反発力によってセメント粒子を分散させる方法が行われている。分散剤の吸着性状はセメントの構成化合物ごとに異なり、3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23へ選択的に、かつ多量に吸着するため、低水セメント比で高流動を得るためには3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23の含量を小さくすることが提案されている(特開平6−80456号公報など)。
【0010】
この3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23への分散剤の選択的な吸着は、硫酸塩の影響を受け、セメントペーストの液相中にSO4 2-イオンが存在すると、これと競争吸着して、3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23への分散剤の吸着が抑制されるので、適量の硫酸塩を添加することにより、低水セメント比でもコンクリートの高流動化が可能となることは知られている。
【0011】
セメント中の硫酸塩には、主として2種類あり、クリンカー中に存在するNa2SO4、K2SO4及び3K2SO4・Na2SO4等の硫酸アルカリと粉砕工程で凝結調整用に添加する硫酸カルシウム(以下石膏と呼ぶ)とがあり、前者は接水直後に溶解してSO4 2 を供給し、後者は比較的に溶解が遅い。そして、上記の硫酸アルカリは、クリンカー中の比較的溶解速度の大きい3CaO・Al23や4CaO・Al23・Fe23と比較しても、なお溶解速度が大きく、セメントが接水した直後で十分に溶解・水和をしていない状態において分散剤との競争吸着を大きく支配する。すなわち、硫酸アルカリが少ないと、セメントペーストの液相中のSO4 2- が少なく、3CaO・Al23や4CaO・Al23・Fe23への分散剤の吸着が多くなって流動性が低下する。一方、硫酸アルカリが多すぎると、セメントペーストの液相中のアルカリイオン濃度が高くなり過ぎて静電反発力が消失してしまうため、流動性が低下する。高い流動性を確保できる硫酸アルカリ量の範囲はASTM C−114に規定された水溶性アルカリで示すと0.4〜0.7重量%(Na2O換算)となる。
【0012】
一方、石膏はクリンカー中の3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23と比較して溶解速度は小さく、接水直後の分散剤の吸着にはあまり寄与しないが、接水から1〜2分後の3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23の急激な水和反応を抑制し、3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23の水和反応生成物への分散剤の吸着を抑制する。添加する石膏は、その形態として無水塩、半水塩および二水塩からなるものが挙げられるが、不溶性無水石膏を30重量%以上含む石膏を添加することが、高い流動性を得られる点で好ましい。なぜならば、先の硫酸アルカリ量の範囲では、半水塩のように溶解速度および溶解度が大きいと、3CaO・Al23および4CaO・Al23・Fe23と石膏の水和反応生成物のエトリンガイトの生成量が多くなり、水和物の絡み合いによりセメント粒子が凝集し、流動性が低下してしまうからである。また、石膏添加量も同様な効果をもたらし、添加量が多すぎると、CaSO4・2H2O水和物が析出し、この水和物の絡み合いによりセメント粒子が凝集し、流動性が低下してしまう。したがって、石膏の添加量としては、SO3換算で2.5〜4.0重量%が高い流動性を得る点で好ましい。
【0013】
市販の急結剤はアルカリ含有量がセメントより高く、このアルカリの影響により3CaO・SiO2の水和による強度発現が低下する。この影響は、低水セメント比のようにセメントや急結剤に対する水の比率が小さい場合に顕著になる。このため、セメント自体の急結性を高める必要がある。このため、分散剤の効果が低下しない範囲で、セメント中で最も水和反応の早い3CaO・Al23含有量を求めると6〜12重量%となる。あまり、効果は大きくないが、3CaO・SiO2にも同様な効果が期待され、その含有量としては45〜75重量%、さらに望ましくは60〜75重量%がよい。
【0014】
セメントクリンカーとしては、JIS R−5210に規定されている普通、中庸熱、早強、耐硫酸塩ポルトランドセメントクリンカーおよびASTM C150に規定されている低熱ポルトランドセメントクリンカーを、その使用目的に応じて、単独または2種類以上を混合して使用することができる。
【0015】
なお、以上のような効果を得るためには、セメント粉末のブレーン比表面積が3200〜4700cm2/gとするのが好ましく、より好ましくは3900〜4300cm2/gである。3200cm2/g未満ではペーストの粘度が低くモルタルと粗骨材が材料分離するからであり、4700cm2/gを超えるとペーストの粘度が著しく増大しコンクリートの流動性が低下するからであり、いずれも好ましくない。
【0016】
次にセメントBは、上記のセメントAと微粉末混和材料からなり、該セメントA100重量部当たり該微粉末混和材料を4〜40重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で配合するものである。4重量部未満では微粉末の効果が顕著には認められず、40重量部を超えると耐久性や熱的特性が低下するため好ましくない。セメントBに用いる微粉末混和材料としては、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石灰石微粉末等が挙げられる。
【0017】
分散剤は、低い水セメント比で塑性粘度が適度に大きい領域で、セメント粒子を分散させてセメントペーストの降伏値を小さくして、流動性を確保することにより、セメントペーストと細骨材又はモルタルと粗骨材の分離を防止しつつ、高流動性を確保する目的で使用するものであり、その組成は、セメント粒子を分散させるものならば特に限定されるものではなく、例えば、市販の界面活性剤系の高性能減水剤や、空気巻き込み型の高性能AE減水剤等を使用することができる。
なお、強度発現性は高性能AE減水剤の種類によって異なり、変性リグニン、アルキルアリルスルホン酸塩と活性持続ポリマーからなるナフタレン系の方がポリカルボン酸系より材齢28日までの強度に優れるため、早期に強度を発現させる場合は、ナフタレン系の高性能AE減水剤を使用するのが望ましい。
【0018】
急結剤は、コンクリートの凝結を早め、吹付け時にコンクリートを地山壁面やトンネル壁面に付着させ、短時間で固化させる目的で使用するもので、その組成は、セメントの水和を著しく阻害せずにコンクリートの付着性を増大させられるものならば、特に限定するものではなく、市販の急結剤を使用することができる。但し、急結剤は、高性能減水剤および高性能AE減水剤などの分散剤と一緒に使用すると急結効果が損なわれる場合があるので、使用する前にはテストにより両者の相性を確認することが必要である。
【0019】
本発明のセメントAやセメントBを高強度吹付けコンクリートに適用する場合、前記のセメントAまたはB、骨材、分散剤及び水等の配合処方を特に制限するものではないが、セメントの単位量が400〜600kg/m3、単位水量が175〜220kg/m3、細骨材の単位量が700〜1200kg/m3、粗骨材の単位量が600〜1100kg/m3の割合からなる高強度吹付けコンクリートに適用すると最も効果的である。
【0020】
【実施例】
実施例1.
以下に示す材料を用いて水セメント比40%、砂セメント比1.25、分散剤としての高性能減水剤の添加量がセメント重量の1.25%の配合のモルタルをホバートミキサーを用いて混練し、日本建築学会のJASS 15 M103に規定されているセルフレベリング材の試験方法に基づきモルタルのフロー値を測定した。結果を表1に示す。表より、セメント中の硫酸アルカリ量が水溶性アルカリ(Na2O換算)で0.4〜0.7重量%の範囲では、上記規定によるセルフレベリング材のフロー値の許容下限値190mmを超えており、高い流動性を有するのが分かる。
<使用材料>
セメント:構成化合物が表1に示すような8種類のクリンカー、A−1〜8に石膏を添加して粉砕したセメント。ブレーン比表面積は、3200〜3460cm2/gの範囲にある。
細骨材:豊浦標準砂、比重2.64
高性能減水剤:マイテー150(花王(株)製)
水:水道水
【0021】
【表1】
Figure 0003728340
【0022】
実施例2.
実施例1に記載したクリンカーのうち、A−5(3CaO・SiO53.5%、3CaO・Al239.4%,硫酸アルカリ量(Na2O 換算)0.6%)を用い、混合する石膏の添加量及び不溶性無水石膏の比率を変えたセメントを用いたモルタルの流動性の変化を表2に示す。なお、セメントのブレーン比表面積は3300cm2/gであった。モルタルの配合は、水セメント比40%、砂セメント比1.25、分散剤としての高性能減水剤の添加量がセメント重量の1.25%で、セメント以外の材料としては以下に示すものを用いた。モルタルの練混ぜは、ホバートミキサーで行なった。日本建築学会のJASS 15 M103に規定されているセルフレベリング材の試験方法に基づきモルタルのフロー値を測定した。結果を表2に示す。表より、不溶性無水石膏を30重量%以上含む石膏をSO3換算で2.5〜4.0重量%添加した場合、上記規定によるセルフレベリング材のフロー値の許容下限値190mmを超えており、高い流動性を得られることが分かる。
<使用材料>
細骨材:豊浦標準砂、比重2.64
高性能減水剤:マイテー150(花王(株)製)
水:水道水
【0023】
【表2】
Figure 0003728340
【0024】
実施例3.
表3に3CaO・SiO2、3CaO・Al23および水溶性アルカリ量の異なるクリンカーを用いたセメントを用いたモルタルの急結剤の必要添加量とコア試供体の強度発現性を示す。なお、石膏の添加量はSO3換算で2.7重量%で、不溶性無水石膏の比率は50%、セメントのブレーン比表面積は3300cm2/gであった。モルタルの配合は、水セメント比40%、砂セメント比1.25であり、セメント以外の材料は以下に示すものを用いた。
<使用材料>
細骨材:豊浦標準砂、比重2.64
高性能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂(株)製)
水:水道水
モルタルの練混ぜは、ホバートミキサーで行なった。急結剤としては、((株)小野田製T−ROCK)を用いた。
【0025】
モルタルの凝結性状は、土木学会基準「吹付けコンクリート用急結剤の品質規格(案)(JSCE−1986)」に準じて、プロクター貫入抵抗試験で測定した。モルタルの強度は、従来、成形のために用いているクエン酸等の遅延剤を用いずに、急結剤を添加したコア試供体を用いて測定した。コア試供体は、急結剤を添加直後に撹拌機で10秒間練混ぜた後、手早くタッピングし練り跡を無くしたモルタルの塊を封緘養生し、所定材齢でφ45mmのコアを抜き出し、長さが95mmとなるように切断して作成した。載荷面(加圧面)の処理は、切断面を硫黄キャッピングまたは研磨処理した。上記のプロクター貫入抵抗試験の結果に基づいて、適性な急結性状が得られる急結剤の必要添加量を求めた。その量を添加したコア試供体の圧縮強度の結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0003728340
【0027】
表より、セメント中の3CaO・Al23及び3CaO・SiO2の含有量の範囲が、それぞれ6〜12重量%及び45〜75重量%であると必要な急結剤の添加量が少なくて済むことが分かる。さらに、3CaO・SiO2量が60〜75重量%のセメントでは材齢28日までの強度発現が良好なことが分かる。なお、C−5は3CaO・Al23の量が多いため急結剤の添加量が少ないが、分散剤の効果が低下し十分な流動性を確保することができなかった。
【0028】
実施例4.
表4に示す配合の高強度吹付けコンクリート用セメント(D−1)を用いた高強度吹付けコンクリートと、比較用の普通セメントを用いた従来の吹付けコンクリートを、0.5m3のパン型強制ミキサーで練り混ぜた。表4に各セメントの品質を、表5に各コンクリートの調合を示す。練り混ぜは、セメント、細骨材(小笠産陸砂、比重=2.59、粗粒率=2.85)、粗骨材(岩瀬産砕石1505、比重=2.63)を順次投入して15秒間空練りした。次いで、D−1セメントを用いた場合にはスランプが20±2.5cmの範囲に入るように、高性能AE減水剤(竹本油脂(株)製チューポールHP−11)をセメント100部に対して固形分換算で0.1〜1.0部の範囲で練混ぜ水と同時に添加して2分間練り混ぜた。この高強度吹付けコンクリートと従来の吹付けコンクリートを湿式吹付け機で吹付けた。
その結果、高強度吹付けコンクリート用セメントのD−1セメントを用いた高強度吹付けコンクリートでは従来の吹付けコンクリートと比べリバウンド及び粉塵量が少なくてコンクリートの吹付けができ、さらに表6に示すような高強度を得ることができた。
【0029】
【表4】
Figure 0003728340
【0030】
【表5】
Figure 0003728340
【0031】
【表6】
Figure 0003728340
【0032】
実施例5.
表3に記載したクリンカーのうち、B−2(3CaO・SiO2 65.2%、3CaO・Al23 7.9%)を用いたセメントを使用したモルタルにおいて、分散剤を、ナフタレン系高性能AE減水剤のレオビルドSP−9HSに変更したときの強度発現性を表7に、急結剤を添加したときのコア強度発現性を表8に示す。
モルタルの配合は、水セメント比40%、砂セメント比1.25であり、セメント以外の材料は実施例3に準じた。分散剤添加量は、実施例3におけるチューポールHP−11をセメント重量に対して1.0%用いた時と同一のモルタルフロー値を得られるように決定し、セメント重量の3.0%とした。
モルタルの凝結性状は、土木学会基準「吹付けコンクリート用急結剤の品質規格(案)(JSCE−1986)」に準じて、プロクター貫入抵抗試験で測定した。これによって適正な急結性状を得られる急結剤の必要添加量を求めた。その量をモルタルに添加することでコア供試体とし、圧縮強度試験に供した。
【0033】
【表7】
Figure 0003728340
【0034】
【表8】
Figure 0003728340
【0035】
表より、レオビルドSP−9HSを用いたモルタルにおいては、クリンカー組成が同じセメントであるにもかかわらず、必要な急結剤の添加量は、チューポールHP−11と比較して多くなることが判る。しかし、急結剤を添加した場合の材齢28日までの強度発現は、HP−11と比べて順調であり、急結剤を添加しないモルタルの強度発現に分散剤の種類の差による影響がないことからも、ナフタレン系の高性能AE減水剤とB−2クリンカーを用いたセメントを組み合わせることで急結剤による強度低下を抑制でき、表に示すような高強度を得ることができた。
【0036】
【発明の効果】
本発明のセメント組成物を使用すると、シリカフュームにたよらなくても、低い水セメント比で高い流動性を有し、同時に急結剤を添加したときに優れた凝結性状および強度発現性を示す高強度吹付けコンクリートを得ることができる。これにより、高強度吹付けコンクリートを施工することができ、トンネルの大断面化、吹付け量の低下による掘削量の低減および工期の短縮を図ることができ、その結果としてコストの低減が可能である。

Claims (6)

  1. 高強度吹付けコンクリートを得るために用いるセメントであって、3CaO・SiO2含有量45〜75重量%、3CaO・Al23含有量6〜12重量%、硫酸アルカリをNa2O換算で0.4〜0.7重量%、残部が主として2CaO・SiO2、4CaO・Al23・Fe23からなるクリンカー粉末に、不溶性無水石膏を30%以上含む石膏をSO3換算で2.5〜4.0重量%配合したことを特徴とする、高強度吹付けコンクリート用セメント。
  2. クリンカーの3CaO・SiO2含有量が60〜75重量%である請求項1に記載の高強度吹付けコンクリート用セメント。
  3. セメントのブレーン比表面積が3200〜4700cm2/gである請求項1又は2に記載の高強度吹付けコンクリート用セメント。
  4. セメント100重量部当たり微粉末混和材料を4〜40重量部の割合で配合したことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高強度吹付けコンクリート用セメント。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のセメントと、高性能減水剤または高性能AE減水剤からなる分散剤とを用いたコンクリートに、急結剤を配合してなる高強度吹付けコンクリート。
  6. コンクリートの単位セメント量が400〜600kg/m3、単位水量が175〜220kg/m3、細骨材の単位量が700〜1200kg/m3、粗骨材の単位量が600〜1100kg/m3である請求項5に記載の高強度吹付けコンクリート。
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