JP2007099609A - 急硬性セメント混練物及び吹付材料 - Google Patents

急硬性セメント混練物及び吹付材料 Download PDF

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Abstract

【課題】高い初期強度が得られる急硬性セメント混練物及び吹付材料を提供することを目的とする。
【解決手段】水とセメントと石膏とを含有するセメント混練物に、エトリンガイト系急硬剤を添加してなる急硬性セメント混練物において、当該ニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とを含有してなることを特徴とする急硬性セメント混練物。
【選択図】なし

Description

本発明は、急硬性セメント混練物及び吹付材料に関し、特に、初期強度が高く且つ長時間混練する必要のない急硬性セメント混練物及び吹付材料に関する。
機械基礎、橋梁、トンネル、地下空間、法面等の建設工事において、セメントペースト、モルタル又はコンクリート等のセメント混練物に、急結剤、硬化促進剤、急硬材等を添加して製造した吹付けコンクリート、急結モルタル、速硬コンクリート等の急硬性セメント混練物は、広く用いられている。
特に、トンネル、地下空間、法面等の建設工事において、吹付けコンクリートや吹付けモルタル等の吹付材料を用いた吹付け工法が用いられている。一般の吹付け工法においては、ベースコンクリート等のセメント混練物と急結剤を別々の輸送管を通して別経路で圧送し、圧送途中で合流混合した後に吹付けノズルの筒先より地山等に吹き付けている。
近年、吹付材料には、施工サイクルを短縮させることや安全性を向上させることを目的として、高い初期強度となる吹付材料が求められている。その例として、セメントとセッコウとを主成分とするセメントモルタルと、カルシウムアルミネートを主成分とする急結剤とを含有してなる吹付材料が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3412794号公報
しかしながら、さらに作業性及び初期強度が高く、吹付材料として有用な急結性セメント混練物が望まれていた。
本発明者らの研究によれば、水とセメントと半水石膏を含有する石膏とを含有するセメント混練物に、カルシウムナトリウムアルミネートやカルシウムアルミネート等のエトリンガイトを生成する急結剤(材)や急硬剤(材)を添加して製造した急硬性セメント混練物は、石膏の添加量が少ないにも拘わらず高い初期強度が得られることが分かった(以下、本発明においては、「エトリンガイトを生成する急結剤(材)や急硬剤(材)」を「エトリンガイト系急硬剤」という。)。
また、半水石膏を含有する石膏を用いると、長時間撹拌又は混練し続けないと、直ぐにセメント混練物の流動性等のコンシステンシーが極度に低下することも分かった(以下、本発明においては、「セメント混練物の流動性等のコンシステンシーが低下する」ような状況を「強張る」という。)。
強張ったセメント混練物は、再度混練すると低下したコンシステンシーが向上することもあったが、場合によっては強張ったままのこともあった。このような強張ったセメント混練物は、ミキサ内から排出できない、ポンプ圧送できない、エトリンガイト系急硬剤を添加しても混合が不充分になり易い等の問題があり、セメント混練物が一旦強張ると高い初期強度の急硬性セメント混練物が得られ難いという問題があった。
従って、本発明は、エトリンガイト系急硬剤を添加する前のセメント混練物を長時間撹拌又は混練し続けなくとも直ちに強張らず、且つ石膏の添加量が少ないにも拘わらず高い初期強度が得られる急硬性セメント混練物を提供することを目的とする。
また、本発明は、エトリンガイト系急硬剤を添加する前のセメント混練物を長時間撹拌又は混練し続けなくとも直ちに強張らず、且つ石膏の添加量が少ないにも拘わらず高い初期強度が得られる吹付材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、特定の混和材料をセメント混練
物に添加することで高い初期強度が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、水とセメントと石膏とを含有するセメント混練物に、エトリンガイト系急硬剤を添加してなる急硬性セメント混練物において、当該石膏がニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とを含有してなることを特徴とする急硬性セメント混練物及び急硬性セメント混練物からなる吹付材料を提供するものである。
本発明によれば、高い初期強度の急硬性セメント混練物が得られる。即ち、エトリンガイト系急硬剤を添加する前のセメント混練物を長時間撹拌又は混練し続けなくとも直ちに強張らず、且つ石膏の添加量が少ないにも拘わらず高い初期強度の急硬性セメント混練物が得られる。
また、本発明によれば、高い初期強度の吹付材料が得られる。即ち、エトリンガイト系急硬剤を添加する前のセメント混練物を長時間撹拌又は混練し続けなくとも直ちに強張らず、且つ石膏の添加量が少ないにも拘わらず高い初期強度の吹付材料が得られる。
また、エトリンガイト系急硬剤をセメント混練物に添加してから10分後の初期強度が高い急硬性セメント混練物及び吹付材料が得られる。本発明の急硬性セメント混練物及び吹付材料の初期強度は高いので、施工サイクルを短縮させることができ且つ工事の安全性が高い。また、施工サイクルを短くできるので、施工コストを抑制することも可能である。
本発明の急硬性セメント混練物は、水とセメントと石膏とを含有するセメント混練物に、エトリンガイト系急硬剤を添加してなる急硬性セメント混練物において、当該石膏がニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とを含有してなることを特徴とする急硬性セメント混練物である。
本発明に使用する石膏は、ニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とを含有してなるが、当該石膏中にII型無水石膏を30重量%未満含有していても良い。II型無水石膏の含有率が30重量%以上になると、急硬性セメント混練物の高い初期強度を得るため、セメント混練物に使用する石膏の添加量が多く必要となるためである。
本発明に使用する石膏は、二水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とからなることが好ましく、このときのニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏の含有率は、それぞれ半水石膏とIII型無水石膏の含有率の合計が90〜10重量%、ニ水石膏の含有率が10〜90重量%であることが好ましい。これらの含有率にすることで、セメント混練物を強張らなくするための混練時間を短くすることができる。
さらに、セメント混練物を強張らなくするための混練時間を短くすることができ且つ急硬性セメント混練物の初期強度をより高くすることができることから、石膏におけるニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏の含有率は、半水石膏とIII型無水石膏の含有率の合計が80〜40重量%、ニ水石膏の含有率が20〜60重量%であることがより好ましく、半水石膏とIII型無水石膏の含有率の合計が75〜50重量%、ニ水石膏の含有率が25〜50重量%であることが最も好ましい。
また、本発明に使用する石膏の粉末度は、より少ない石膏の使用量で高い初期強度が得られることから、ブレーン比表面積で3000cm2/g以上が好ましく、4000〜10000cm2/gがより好ましい。
本発明に使用する石膏をセメント混練物に含有させる方法は特に限定されず、例えばセメント中に含有させても、急結剤を除く混和材料中に含有させても、又別途石膏単独で混和しても良く、これらを組み合わせても良い。
本発明に使用する石膏の量は、セメントと石膏との合計100重量部に対しセメント混練物に含まれるSO3が5重量部を超える量とすることが好ましい。セメント混練物に含まれるSO3が5重量部以下では、急硬性セメント混練物の必要とされる高い初期強度が不足する虞がある。さらに、急硬性セメント混練物の長期強度が高くなることから、セメント混練物に含まれるSO3が、5重量部を超え20重量部以下とすることがより好ましく、さらに、5重量部を超え10重量部以下とすることが最も好ましい。
本発明に使用するセメントは、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント、或いは、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として利用したエコセメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。高い初期強度が得られることから、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント又はエコセメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。
本発明で使用するセメント混練物には、少なくとも水とセメントと石膏が含まれ、本発明の効果を損なわない範囲で、必要により更にモルタルやコンクリートで使用可能な骨材や混和材料を添加しても良い。
骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石及び人工骨材等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。
また、混和材料としては、例えば、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む減水剤、シリカフューム等のポゾラン、高炉スラグ等の潜在水硬性物質、石粉、樹脂エマルション、膨張材、起泡剤、発泡剤、防錆剤、顔料、繊維、撥水剤、防水材、消泡剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、粉塵低減剤、収縮低減剤、増粘剤、水中不分離性混和剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を本発明による効果を阻害しない範囲で使用することができる。
上記セメント混練物は、水、セメント及び石膏、並びに必要により添加する骨材及び混和材料を、モルタルミキサやコンクリートミキサ等のミキサにより混練してなる。各材料の添加順序は、特に限定されず、一種ずつ添加していってもよく、一部又は全部を同時に添加してもよい。
水とセメントと石膏の三種が互いに接した後に混練し終えてから急結剤を添加するまでの間、セメント混練物は静置しても良いが、アジテータ等で低速撹拌することが好ましい。
さらに、水とセメントと石膏の三種が互いに接してからエトリンガイト系急硬剤を添加するまでの時間は10分以上とすることが好ましく、10〜120分とすることが高い初期強度及びエトリンガイト系急硬剤とセメント混練物との混合を良好にすることができる
ことからより好ましい。10分未満以下では初期強度が不充分になる虞がある。また、120分を超えるとセメント混練物のコンシステンシーが低下し、エトリンガイト系急硬剤とセメント混練物の混合が不充分になる虞があり、急硬性セメント混練物の初期強度の変動が大きくなる虞がある。
本発明に使用するエトリンガイト系急硬剤は、エトリンガイトを生成する急結剤(材)や急硬剤(材)である。例えば、仮焼アルナイトを主成分とする急結剤(材)・急硬剤(材)、アルミン酸ナトリウムを主成分とする急結剤(材)・急硬剤(材)、カルシウムアルミネート類を主成分とする急結剤(材)・急硬剤(材)等が挙げられる。急硬性セメント混練物の長期強度が高くなることから、カルシウムアルミネート類を主成分とする急結剤(材)・急硬剤(材)が好ましい。
カルシウムアルミネート類としては、カルシウムアルミネート、カルシウムハロアルミネート、カルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムサルホアルミネート並びにこれらにSiO2、K2O、Fe23、TiO2等が固溶又は化合したもの群から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。これらのカルシウムアルミネート類は、化合物、固溶体、ガラス質又はこのうち二種以上が共存するものであっても良い。
エトリンガイト系急硬剤の状態としては、粉末、粉末に液体を混合したスラリー状、液体が挙げられる。何れの状態でも使用可能であるが、粉末として用いる場合の粉末度は、急硬性セメント混練物の初期強度及び長期強度が高くなることから、ブレーン比表面積で3000cm2/g以上が好ましく、5000cm2/g以上がより好ましい。
また、エトリンガイト系急硬剤には、カルシウムアルミネート類等のエトリンガイトを生成する物質の他に、各種の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物、酸化物等の配合も可能である。
本発明の急硬性セメント混練物を製造する方法及び使用する方法は、特に限定されない。例えば、上記セメント混練物と上記エトリンガイト系急硬剤を別々の輸送管を通して別経路で圧送し、圧送途中にY字管等で合流混合することで製造する。
また、本発明の吹付材料は、上記急硬性セメント混練物からなる吹付材料である。
以下、実施例により本発明を説明する。
[使用材料]
セメント:普通ポルトランドセメント(SO3量:2.5重量%)
高性能減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤(商品名;NT−1000,(株)エヌエムビー製)
細骨材:海砂(密度:2.56g/cm3,粗粒率:2.26)と石灰石砕砂(密度:2.66g/cm3,粗粒率:3.04)の6:4(重量比)の混合物
粗骨材:砕石(密度:2.72g/cm3,最大寸法:15mm)
石膏:石膏1〜8
石膏1:II型無水石膏(ブレーン比表面積:6200cm2/g,SO3量:58.5重量%)
石膏2:半水石膏(ブレーン比表面積:4000cm2/g,SO3量:55.2重量%)
石膏3:二水石膏(ブレーン比表面積:4000cm2/g,SO3量:46.5重量%)
石膏4:石膏2と石膏3を重量比で5:5とした混合物
石膏5:石膏2と石膏3を重量比で5:3とした混合物
石膏6:石膏2と石膏3を重量比で3:1とした混合物
石膏7:石膏2と石膏1を重量比で3:1とした混合物
石膏8:石膏2と硫酸ナトリウム粉末(SO3量:55.5重量%)を重量比で3:1とした混合物
エトリンガイト系急硬剤:12CaO・7Al23組成の非晶質からなるカルシウムアルミネート粉末とアルミン酸ナトリウム粉末を重量比で9:1とした混合物
石膏9:III型無水石膏(ブレーン比表面積:5800cm2/g,SO3量:57.0重量%)
石膏10:石膏9と石膏3を重量比で3:1とした混合物
[セメントペーストによる強張り確認試験]
容量1リットルのポリカップの中に、普通ポルトランドセメント500gに石膏40gを混合した粉体540gを投入する。さらに、水244gと高性能減水剤6gを加え、撹拌羽(直径4cm)付ハンドミキサを用いて1250rpmの回転数で3分間混合し、セメント混練物に相当するセメントペーストを製造した。製造したセメントペーストを、直ちに塩化ビニール製フローコーン(内径50mm,高さ51mm)に詰めた。
フローコーン内でセメントペーストを30分間静置した後、フローコーンを引き抜き、セメントペーストの広がり(フロー値)を直交する2点で測定し、その平均値をフロー値として求めた。フロー値が55mmを超えたものを強張りが発生していないと判断し、フロー値が55mm以下のもの又はフローコーンからセメントペーストが抜けなかったものを強張りが発生したと判断した。
表1に、用いた石膏の種類、各セメントペーストにおけるセメントと石膏の合計100重量部に対するセメントペーストに含まれるSO3量及び強張り発生の有無を示した。
なお、試験は20℃、湿度80%の恒温室内で行った。
Figure 2007099609
ニ水石膏と半水石膏又はIII型無水石膏とからなる石膏4〜6、10を用い、それぞれの石膏4〜6、10と水とセメントを含有したセメント混練物試験No.1〜3、8は、何れも強張りが発生しなかった。一方、半水石膏のみの石膏2を用いた試験No.4、半水石膏とII型無水石膏の石膏7を用いた試験No.5、半水石膏と硫酸ナトリウム粉末の混合物の石膏8を用いた試験No.6、及びIII型無水石膏のみの石膏9を用いた試験No.7において、何れも強張りが発生した。
[セメントペーストによる初期強度確認試験]
1リットル容ポリカップ中に、普通ポルトランドセメント500gに石膏40gを混合した粉体540gを投入した。さらに、水と高性能減水剤を合計で250g加え、撹拌羽(直径4cm)付ハンドミキサを用いて1250rpmの回転数で3分間混合し、セメント混練物に相当するセメントペーストを製造した。製造したセメントペーストを、30分間静置した後、55秒間再度混練を行いその後5秒間で所定量のエトリンガイト系急硬剤を投入し更に5秒間混練を行い、急硬性セメント混練物(急硬性セメントペースト)を製造した。
この作製した急硬性セメントペーストに、先端が平面な直径2mmの丸鋼からなる貫入針を1インチ貫入させたときの抵抗値、即ちプロクター貫入抵抗値を、エトリンガイト系急硬剤の添加10分(材齢10分)後に測定した。このプロクター貫入抵抗値は、急硬性セメントペーストの初期強度特性を示すものである。この材齢10分のプロクター貫入抵抗値が70N/mm2以上であると、同じ組成で更に骨材を加え吹付けコンクリートとしたときの材齢10分の圧縮強度が3N/mm2以上であることを意味する。
表2及び表3に、用いた石膏の種類、高性能減水剤(SPと略す)添加率、エトリンガイト系急硬剤添加率、各セメントペーストにおけるセメントと石膏の合計100重量部に対するセメントペーストに含まれるSO3量及び材齢10分のプロクター貫入抵抗値を示した。なお、試験は10℃、15℃及び20℃の恒温室で行った。
Figure 2007099609
Figure 2007099609
本発明の急硬性セメント混練物の実施例に当たる試験水準の急硬性セメントペーストは、何れも、エトリンガイト系急硬剤をセメント混練物に添加してから10分後の初期強度、即ち材齢10分のプロクター貫入抵抗値が70N/mm2以上と高い値を示した。
[コンクリートによる吹付試験]
表4に示す配合のセメント混練物に相当するベースコンクリートを容量100リットルのパン型ミキサで練混ぜ製造した。練混ぜ方法は、粗骨材、細骨材の一部、セメント、石膏、細骨材の残りの順序でミキサ内に投入し、15秒間混合した後に、別途混合した水及び高性能減水剤をミキサ内に投入し、所定時間練混ぜた。
製造したベースコンクリートは、容量100リットルの傾胴式ミキサに移し30分間静置した後、1分間傾胴式ミキサで再度混練した。再度混練したベースコンクリートを吹付け装置(商品名「アリバ260」)を使用して圧送し、別途急結剤供給装置(日本プライブリコ(株)製,商品名「Qガン」)を使用して圧送したエトリンガイト系急硬剤とY字管で合流混合させて、急硬性コンクリート即ち急硬性セメント混練物を製造した。
製造した急硬性コンクリートを模擬トンネルに吹き付けた。吹き付けた急硬性コンクリートが硬化する前に垂れるか否かを目視で確認することで、吹付けコンクリートとしての適否を判断した。
このときのエトリンガイト系急硬剤の添加量は、セメント100重量部に対して8.0重量部とした。
また、ベースコンクリートを再度混練したときに、ベースコンクリートが強張りミキサ内に貼り付いたままの状態で、再度混練できなかった試験水準については吹き付けを行わなかった。
Figure 2007099609
表5に、石膏の種類、各ベースコンクリートにおけるセメントと石膏の合計100重量部に対するベースコンクリートに含まれるSO3量及混練時間、強張りの有無及び吹付けコンクリートとしての適否判断結果を示す。
強張りの有無の判断は、ベースコンクリートを再度混練したときに、ベースコンクリートが強張りミキサ内に貼り付いたままの状態で、再度混練できなかったものを「有り」、再度混練できたものを「無し」と判断した。
また、吹付けコンクリートとしての適否判断は、吹き付けた急硬性コンクリートが硬化する前に垂れなかったものを「適」、吹き付けた急硬性コンクリートが硬化する前に垂れたもの及びベースコンクリートが強張ったため吹き付けできなかったものを「不適」と判断した。
Figure 2007099609
本発明の吹付材料の実施例である試験No.25及び26の急硬性コンクリート(半石膏と二水石膏の混合物)は、混練時間が3分間と短くても強張らず、また吹付けコンクリートとしても適していた。
半水石膏のみの石膏2を用いたセメント混練物は、混練時間が短い場合は静置しておくと強張りが生じる(試験No.27)。
本発明の急硬性セメント混練物は、急硬剤を添加する前のセメント混練物を長時間撹拌又は混練し続けなくとも直ちに強張らず、且つ初期強度が高いので、緊急工事や吹付け工事等に特に好適に用いることができる。
本発明の吹付け材料は、地山等に吹き付けた吹付材料の初期強度が高いので、トンネル等のコンクリートを吹き付ける建設工事に好適に用いることができる。
吹き付けた吹付材料の初期強度が高いので、工期を短くする必要のある建設工事に、特に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 水とセメントと石膏とを含有するセメント混練物に、エトリンガイト系急硬剤を添加してなる急硬性セメント混練物において、当該石膏がニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とを含有してなることを特徴とする急硬性セメント混練物。
  2. 石膏が、ニ水石膏と半水石膏及び/又はIII型無水石膏とからなり、これらの含有率がそれぞれ90〜10重量%及び10〜90重量%であることを特徴とする請求項1記載の急硬性セメント混練物。
  3. セメントと石膏の合計100重量部に対し、セメント混練物に含まれるSO3が5重量部を超えることを特徴とする請求項1又は2記載の急硬性セメント混練物。
  4. 請求項1〜3何れか一項に記載の急硬性セメント混練物からなる吹付材料。
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