JPH10193311A - コンクリート着色用シートおよびそれを用いたコンクリート製品の製法ならびにそれによって得られたコンクリート製品 - Google Patents

コンクリート着色用シートおよびそれを用いたコンクリート製品の製法ならびにそれによって得られたコンクリート製品

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JPH10193311A
JPH10193311A JP96897A JP96897A JPH10193311A JP H10193311 A JPH10193311 A JP H10193311A JP 96897 A JP96897 A JP 96897A JP 96897 A JP96897 A JP 96897A JP H10193311 A JPH10193311 A JP H10193311A
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concrete
sheet
colored
pattern
layer
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JP96897A
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Inventor
Nobuo Iwatani
宣夫 岩谷
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凹凸模様の形成と着色とをコンクリート打設と
同時に行うことができるコンクリート着色用シートおよ
びそれを用いたコンクリート製品の製法ならびにそれに
よって得られたコンクリート製品を提供する。 【解決手段】コンクリートを打設する際に型枠表面に被
設させるシート20であって、シート面20aに遅延剤
層4が形成され、この遅延剤層4上に、多数の着色粒状
物3が分布付着され、上記着色粒状物3で模様が形成さ
れるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート表面
に対して洗い出しによる凹凸模様を形成するとともに着
色模様を形成するコンクリート着色用シートおよびそれ
を用いたコンクリート製品の製法ならびにそれによって
得られたコンクリート製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート製品に凹凸模様等を
表現して化粧する場合、つぎのような方法が行われてい
る。すなわち、まず、図18に示すように、型枠40の
表面に被設されるシート41を準備し、このシート41
のシート面41aにコンクリート硬化遅延剤を塗布して
遅延剤層42による模様を形成する。ついで、図19に
示すように、シートが被着された型枠40を他の型枠4
0aに対して所定の間隔で配置し、これらの側方の開口
(図示せず)と底部開口とが板材43等で塞がれ、上部
開口からコンクリート材料45が流し込まれる。そし
て、上記コンクリート材料45が養生硬化されてコンク
リート化したのち、図20に示すように、型枠40およ
びシート41を剥離する。この状態で、得られたコンク
リート製品46表面の上記遅延剤層42と接触した部分
は、硬化が抑制もしくは遅延されて軟らかい未硬化表面
層44が形成される。つぎに、上記コンクリート製品4
6に高圧水等を噴射して洗い出しを施し、上記未硬化表
面層44を除去して凹部47を形成し、図21に示すよ
うに、コンクリート製品46の表面に凹凸模様47,4
8を形成する。そして、上記凹凸模様の凸部(洗い出さ
れなかった部分)48もしくは凹部(洗い出されて除去
された部分)47に塗料等を塗布して着色することが行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記化
粧方法では、コンクリート材料45の打設,養生硬化の
のち、塗装工程が別途に必要になり、塗装用に足場の仮
設等が必要となり、工期が長くなるうえ、コストアップ
の要因となっている。また、洗い出し後に塗装等を行う
ため、コンクリート製品46の最表面(特に、洗い出し
による除去でできた凹部47)は、コンクリート硬化遅
延剤の作用でアルカリ分が不安定であり、このアルカリ
分が安定しないうちに塗装すると、アルカリ分によって
塗料が劣化し、耐久性が悪くなる。このため、アルカリ
分が充分安定するまで長期間塗装ができず、工期が一層
長くなるという問題もある。しかも、あらかじめシート
面41aに塗料を塗布しておいた場合には、コンクリー
ト材料45の打設によって塗料が流動したり、コンクリ
ート材料45中のアルカリ分で塗料が劣化し、明瞭な模
様が形成されなかったり、耐久性が悪くなるという問題
が生じる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、凹凸模様の形成と着色とをコンクリート打設と
同時に行うことができるコンクリート着色用シートおよ
びそれを用いたコンクリート製品の製法ならびにそれに
よって得られたコンクリート製品の提供をその目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のコンクリート着色用シートは、コンクリー
トを打設する際に型枠表面に被設させるシートであっ
て、シート面にコンクリート硬化遅延剤層が形成され、
このコンクリート硬化遅延剤層上に、多数の着色粒状物
が分布付着され、上記着色粒状物で模様が形成されてい
ることを第一の要旨とする。
【0006】また、本発明のコンクリート着色用シート
は、コンクリートを打設する際に型枠表面に被設させる
シートであって、シート面にコンクリート中の水分等に
より粘着力が減少する粘着剤層を介して多数の着色粒状
物が分布付着され、上記着色粒状物で模様が形成される
とともに、この模様以外の部分にコンクリート硬化遅延
剤層が形成されていることを第二の要旨とする。
【0007】また、本発明のコンクリート製品の製法
は、シート面にコンクリート硬化遅延剤層が形成され、
このコンクリート硬化遅延剤層上に多数の着色粒状物が
分布付着され、上記着色粒状物で模様が形成されたシー
トを準備し、型枠表面に上記シートを被設し、このシー
ト面を接触面としてコンクリート材料を打設し、養生硬
化後上記シートを剥離することにより、上記着色粒状物
をコンクリート製品の表面層に移行埋設させてコンクリ
ート製品に着色模様を形成するとともに、得られたコン
クリート製品の表面に洗い出しを施すことにより、コン
クリート硬化遅延剤によって形成された未硬化表面層を
除去することを第一の要旨とする。
【0008】また、本発明のコンクリート製品の製法
は、シート面にコンクリート中の水分等により粘着力が
減少する粘着剤層を介して多数の着色粒状物が分布付着
され、上記着色粒状物で模様が形成されるとともに、こ
の模様以外の部分にコンクリート硬化遅延剤層が形成さ
れたシートを準備し、型枠表面に上記シートを被設し、
このシート面を接触面としてコンクリート材料を打設
し、養生硬化後上記シートを剥離することにより、上記
着色粒状物をコンクリート製品の表面層に移行埋設させ
てコンクリート製品に着色模様を形成するとともに、得
られたコンクリート製品の表面に洗い出しを施すことに
より、コンクリート硬化遅延剤によって形成された未硬
化表面層を除去することを第二の要旨とする。
【0009】また、本発明のコンクリート製品は、表面
に着色粒状物が埋設された着色模様が形成され、この着
色模様以外の部分に、洗い出しによる除去部が形成され
ていることを第一の要旨とする。
【0010】また、本発明のコンクリート製品は、表面
に着色粒状物が埋設された着色模様が形成され、この着
色模様の部分に、洗い出しによる除去部が形成されてい
ることを第二の要旨とする。
【0011】すなわち、本発明の第1のコンクリート着
色用シートは、シート面のコンクリート硬化遅延剤層上
に、多数の着色粒状物が分布付着されて模様が形成され
ている。このため、コンクリート材料の打設により、着
色粒状物がコンクリート表面に移行埋設され、コンクリ
ート製品の表面に着色模様が形成される。また、コンク
リート製品のコンクリート硬化遅延剤層と接触した部分
は、上記コンクリート硬化遅延剤の作用により、硬化が
抑制もしくは遅延し、軟らかい未硬化表面層が形成され
る。そして、コンクリート製品表面に水等によって洗い
出しを施すことにより、上記未硬化表面層が除去されて
除去部が形成される。このように、コンクリートの打設
と同時に着色化粧をすることができ、その後は洗い出し
を行うだけでよいため、従来のような塗装工程が不要
で、工期が短縮されるうえ、生産コストも大幅に低下す
る。しかも、このようにして得られたコンクリート製品
は、着色粒状物が、コンクリートに埋設されており、脱
落や剥離等され難いうえ、塗装のようにコンクリート中
のアルカリ分によって劣化することがないため、耐久性
が向上する。さらに、着色粒状物による着色表現だけで
なく、洗い出しを行うことによりできた除去部に骨材が
露出したり、微小凹凸の粗面が形成され、コンクリート
の素材感が活かされた自然石調の表現も可能である。
【0012】また、本発明の第2のコンクリート着色用
シートは、シート面にコンクリート中の水分等により粘
着力が減少する粘着剤層を介して多数の着色粒状物が分
布付着され、上記着色粒状物で模様が形成されるととも
に、この模様以外の部分にコンクリート硬化遅延剤層が
形成されている。このため、上記第1のコンクリート着
色用シートと同様に、従来のような塗装工程が不要で、
工期が短縮されるうえ、生産コストが低下し、耐久性も
向上するという効果が得られる。そのほか、着色模様以
外の部分に洗い出しによる除去部が形成されるため、得
られたコンクリート製品は、上記着色模様が浮き彫り状
の模様となり、しかも、上記除去部が洗い出しによって
骨材が露呈するとともに微小な凹凸がある粗面となる。
このため、着色模様部分と洗い出しによる除去部とを異
なった化粧表現にできる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0014】本発明の第1のコンクリート着色用シート
は、シート面にコンクリート硬化遅延剤層が形成され、
このコンクリート硬化遅延剤層上に、多数の着色粒状物
が分布付着され、上記着色粒状物で模様が形成されてい
る。
【0015】また、本発明の第2のコンクリート着色用
シートは、シート面にコンクリート中の水分等により粘
着力が減少する粘着剤層を介して多数の着色粒状物が分
布付着され、上記着色粒状物で模様が形成されるととも
に、この模様以外の部分にコンクリート硬化遅延剤層が
形成されている。
【0016】上記シートは、シート状の形態のものであ
れば、紙,木材,プラスチック,ゴム,金属等各種の材
質のものが用いられ、特に限定するものではない。
【0017】上記コンクリート硬化遅延剤(以下、「遅
延剤」という)は、コンクリート材料の硬化を遅らせる
ものであれば各種のものが用いられ、特に限定されるも
のではない。例えば、紫外線硬化型樹脂,アルカリによ
り加水分解する物質,カルシウムイオンを吸着する物質
等を使用することができる。
【0018】上記紫外線硬化型樹脂としては、例えば、
1・6−ヘキサンジオールジアクリレート,ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート,トリメチロールプロパン
トリアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート,ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の
アクリレート、α,α−テトラアクリル−ビストリメチ
ロールプロパンテトラヒドロフタレート,α,α−ジメ
タクリル−ビスジエチレングリコールフタレート等のフ
タレート、トリレンジイソジアネート,イソホロンジイ
ソシアネート等に2−ヒドロキシエチルアクリレート
(HEA)を反応させた化合物,ヘキサンジオールとイ
ソホロンジイソシアネートにHEAを反応させた化合
物,ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルのジアク
リレート,トリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テルポリアクリレート,スピログリコールジグリシジル
エーテルジアクリレート,シリコーンアクリレート,ト
リアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート等があげ
られる。
【0019】また、アルカリにより加水分解してコンク
リートの硬化を抑制する物質としては、例えば、ポリ酢
酸ビニル等のエステル類やヘミセルロース等があげられ
る。また、カルシウムイオンを吸着してコンクリートの
硬化を抑制する物質としては、例えば、イオン化傾向が
カルシウムよりも大きいカリウム,ナトリウムの塩類,
フェノール類,セルロースおよびリグニン等があげられ
る。
【0020】また、上記以外に、コンクリートの硬化を
抑制する物質として、不飽和ポリエステル樹脂,エポキ
シ(メタ)アクリレート等のビニルエステル樹脂,ホス
ホン酸基を有する樹脂等の樹脂材料や、各種の有機物,
無機物が用いられる。上記有機物としては、グルコヘプ
トン酸,グルコン酸,ガラクトン酸,粘液酸,クエン
酸,アラボン酸,エリスロン酸,酒石酸,リンゴ酸,ト
レオニン(アミノ酸),コハク酸,マレイン酸,グリセ
リン酸,グリコール酸,シュウ酸,乳酸等のオキシカル
ボン酸およびジカルボン酸またはその塩、2ケトグルコ
ン酸,ピルビン酸等のケトカルボン酸、カプロン酸,吉
草酸,酪酸,プロピオン酸,酢酸等の脂肪酸、ペルセイ
トール,ソルビトール,アラビトール,エリスリトー
ル,グリセロール,エチレングリコール等の糖アルコー
ル類、グルコヘプトース,グルコース,マンノース,ガ
ラクトース,フラクトース,アラビノース,エリスロー
ス,グリセルアルデヒド,サッカロース(ショ糖),ラ
クトース,マルトース,ラフィノース,デキストリン等
の糖類、リグニンスルホン酸、アミノジ(メチレンホス
ホン酸),アミノトリ(メチレンホスホン酸),1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸,エチレン
ジアミンテトラ(メチレンホスホン酸),ジエチレント
リアミンペンタ(メチレンホスホン酸),ヘキサメチレ
ンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸),またはそれ
らの塩等のホスホン酸系硬化遅延剤、シュウ酸,マロン
酸等の飽和多価カルボン酸、フマル酸,イタコン酸等の
不飽和多価カルボン酸、グルコヘプタノン酸等の多価カ
ルボン酸又はその塩、ポリマレイン酸,ポリフマル酸,
スチレン−マレイン酸共重合体,ポリアクリル酸,ポリ
メタクリル酸,スチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体,(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸
共重合体,エチレンスルホン酸−アクリル酸コポリマー
等のカルボシキル基を有するモノマーの単独または共重
合体もしくはそれらの塩、アスコルビン酸,イソアスコ
ルビン酸等の酸化防止剤、ポリヒドロキシシラン,ポリ
アクリルアミド等のポリマー、フミン酸、リグノスルホ
ネート、ケルトカルボン酸類,水溶性でんぷん,ライ麦
の粉末,アラビアゴム,アルコール類等があげられる。
また、無機物としては、珪フッ化マグネシウム,トリポ
リリン酸ナトリウム,酸化亜鉛,ホウ素化合物,ホウ酸
塩,リン酸塩(特にヘキサメタリン酸ソーダ),ヘキサ
フルオロケイ酸塩等があげられる。
【0021】上記遅延剤は、単独でもしくは併せて使用
することができる。また、適当な溶媒に溶解もしくは混
合分散させて液状として使用するのが、作業性の観点か
ら好ましい。また、粘着剤,接着剤,樹脂液,粘度調整
液,充填材,吸水膨潤剤等と混合させてもよい。さら
に、各遅延剤の性状(固体,液体,粘度,粒度,PH
等)により、洗い出しによって除去されるコンクリート
材料の量や、硬化遅延時間等に差があるため、濃度や種
類,組み合わせ,使用法等を適宜に変更し、所望の除去
量、硬化遅延時間に設定すればよい。また、液状とした
コンクリート硬化遅延剤を粘着剤等と混合させて塗布し
たり、あらかじめ化粧型枠の表面に粘着剤層を形成さ
せ、そのうえにコンクリート硬化遅延剤を塗布等するよ
うにしてもよい。
【0022】遅延剤を塗布する方法としては、刷毛塗り
やスプレー噴霧,ローラー塗布,ディッピング等各種の
方法が行われ、特に限定されるものではない。また、乾
燥硬化も、自然放置,熱風乾燥,赤外線乾燥等各種の方
法が行われ、特に限定されるものではない。乾燥条件
も、使用する遅延剤の種類等によって各種の条件で行わ
れるが、おおむね、常温〜60℃程度の温度で数十分〜
数時間かけて行われる。このようにして形成された遅延
剤層の厚みは、0.05〜2mm程度が好ましい。0.
05mm未満では、充分なコンクリートの硬化抑制作用
が得られず、2mmを越えると洗い出しによって除去さ
れるコンクリート材料が多くなりすぎて歩留りが悪くな
るうえ、塗布と乾燥を何回も繰り返す必要があり手間が
かかるからである。
【0023】上記着色粒状物としては、天然石の砕石
粒,セラミックス粒子,ガラス粒子等が用いられる。特
に、好適なのは、天然石砕石粒のなかでも、各種の色が
ついた天然石の砕石粒を単独でもしくは組合わせて用い
ることである。この着色粒状物としては、例えば、粒径
(A)が5mm以下のものが好適に用いられる。この場
合、粒径の分布は0<A≦0.5mmのものが70〜3
0%(重量基準、以下同じ)に、0.5<A≦2.5m
mのものが30〜70%に、2.5<A≦5mmのもの
が0〜10%に設定するのが好適である。
【0024】上記着色粒状物には、セメント粉末を付着
処理することができる。このようにすることにより、コ
ンクリート材料の打設時に、シート面に微細空気泡が残
留した場合にも、上記セメント粉末が吸水して上記微細
空気泡を破壊消失させ、コンクリート製品の着色模様部
の表面がきれいになる。
【0025】上記セメント粉末は特に制限するものでは
なく、各種のセメント粉末が用いられる。この場合、そ
の平均粒径が0.5mm以下、好適には1〜10μm、
より好適には2〜5μmのものを用いることが好まし
い。上記セメント粉末には、石膏等の他の吸水性無機物
粉末が混入されていてもよい。これらの他の無機物粉末
が殆どをしめていても差しつかえはない。本発明では、
これらもセメント粉末に含める趣旨である。
【0026】このようなセメント粉末の着色粒状物に対
する付着処理も特に制限するものではない。例えば、着
色粒状物に少し湿り気を与え、これをセメント粉末中に
入れて撹拌するようにしてもよいし、着色粒状物群に対
してセメント粉末をノズルから吹付ける等してもよい。
【0027】上記着色粒状物には、上記セメント粉末以
外に、さらに自然石に類似した自然感を表現するために
必要に応じて着色材を適宜付着処理することができる。
【0028】上記着色材としては、変色,褪色,劣化等
の恐れがなく耐久性に優れた無機顔料を用いることが好
ましく、例えば、Fe2 3 ,CrO3 等の金属酸化物
があげられる。上記着色材は、色むらをだし生成コンク
リート表面がより自然石に類似する自然感を表現できる
ように、3種類以上併せて用いることが好ましい。ま
た、上記着色材は平均粒径0.5〜1μmのものを用い
ることが好ましい。
【0029】上記着色材の着色粒状物に対する付着処理
も特に制限するものではない。例えば、高速回転混合に
より着色粒状物表面を摩擦帯電させ付着処理する方法等
があげられる。
【0030】上記着色粒状物を付着させる方法として
は、例えば、粘着剤を塗布してこの粘着剤が乾燥する前
に着色粒状物を散布することが行われる。必要に応じて
上記操作を複数回繰り返して行い、着色粒状物の圧塗り
を行ってもよい。また、上記着色粒状物をあらかじめ散
布し、つぎに、上記粘着剤の溶液をスプレー噴霧した
り、粘着剤層の粘着力を利用して固定された着色粒状物
を加圧等して粘着剤層中に部分埋設もしくは完全埋設す
るようにしてもよい。この場合、着色粒状物の転写埋設
を行いやすくするため、上記粘着剤として、コンクリー
ト材料中の水分等によって粘着力が減少する粘着剤を使
用するのが好ましい。なお、上記粘着剤を使用せず、シ
ート面に形成した遅延剤層の粘着力を利用し、遅延剤層
の上に直接着色粒状物を散布等するようにしてもよい。
【0031】コンクリート中の水分等により粘着力が減
少する粘着剤としては、コンクリート材料中の水分と会
って粘着力が低下または消失する接着剤として、例え
ば、メチルセルロース接着剤,ポリビニルアルコール接
着剤,水ガラス等があげられる。また、コンクリート材
料中のアルカリ分と会って粘着力が低下または消失する
ものとして、例えば、二液型アクリル系粘着剤等があげ
られる。
【0032】つぎに、本発明のコンクリート着色用シー
トの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0033】図1は、本発明の第1の実施の形態のコン
クリート着色用シートを示す。
【0034】このシート20は、シート面20aに、遅
延剤層4で模様が形成され、この遅延剤層4上に、コン
クリート中の水分等により粘着力が低下する粘着剤層2
を介して着色粒状物3が分布付着されている。これによ
り、上記着色粒状物3で模様が形成されている。
【0035】上記シート20を使用し、本発明のコンク
リート製品の製法は、例えば、つぎのようにして行うこ
とができる。すなわち、まず、上記シート20を型枠5
の表面に被着する。このとき、シート20を型枠5に被
着させる方法としては、特に限定されるものではなく、
接着剤,両面粘着テープによる接着や釘止め等各種の方
法で行われる。ついで、図2に示すように、シート20
が被着された型枠5を他の型枠5aに対して所定の間隔
で配置し、これらの側方の開口(図示せず)と底部開口
とを板材6等で塞ぎ、上部開口からコンクリート材料1
5を流し込み、着色粒状物3の模様が形成されたシート
面20aを接触面としてコンクリート材料15を打設す
る。
【0036】そして、上記コンクリート材料15が養生
硬化されてコンクリート化したのち、図3に示すよう
に、型枠5およびシート20を剥離する。上記一連の工
程により、シート面20aの着色粒状物3がコンクリー
ト製品21の表面に移行埋設されて着色模様22が形成
される。また、この状態で、得られたコンクリート製品
21の上記着色模様22の最表面は、上記遅延剤層4と
接触してその作用により硬化が抑制もしくは遅延され、
軟らかい未硬化表面層23が形成される。つぎに、上記
コンクリート製品21に高圧水(2〜40kg/c
2 )等を噴射して洗い出しを施し、図4に示すよう
に、上記未硬化表面層23のコンクリートを除去して未
硬化表面層除去部24を形成する。
【0037】このようにして得られたコンクリート製品
21は、表面に着色粒状物3が埋設された着色模様22
が形成される。そして、この着色模様22の最表面が、
洗い出しによる未硬化表面層除去部24に形成されてい
る。この未硬化表面層除去部24は、微小な凹凸がある
粗面になるとともに骨材が露呈し、コンクリートの素材
感が活かされた自然に近い表現となる。しかも、養生硬
化後のコンクリート製品21が水洗い等されるため、コ
ンクリート打ちっぱなしの場合と比べ、最終製品がきれ
いになる。
【0038】図5は、本発明の第2の実施の形態のコン
クリート着色用シートを示す。
【0039】このシート26は、シート面26aに、遅
延剤層4で模様が形成され、この遅延剤層4上に着色粒
状物3が分布付着されている。
【0040】上記シート26を使用し、本発明のコンク
リート製品の製法は、例えば、つぎのようにして行うこ
とができる。すなわち、まず、上記シート26を型枠5
の表面に被着し、図6に示すように、シート26が被着
された型枠5を他の型枠5aに対して所定の間隔で配置
して枠組みし、着色粒状物3の模様が形成されたシート
面26aを接触面としてコンクリート材料15を打設す
る。
【0041】そして、上記コンクリート材料15が養生
硬化されてコンクリート化したのち、図7に示すよう
に、型枠5およびシート26を剥離する。上記一連の工
程により、シート面26aの着色粒状物3がコンクリー
ト製品27の表面に移行埋設されて着色模様28が形成
される。また、この状態で、得られたコンクリート製品
27の上記着色模様28の最表面は、上記遅延剤層4と
接触してその作用により硬化が抑制もしくは遅延され、
軟らかい未硬化表面層29が形成される。つぎに、上記
コンクリート製品27に高圧水等を噴射して洗い出しを
施し、図8に示すように、上記未硬化表面層29のコン
クリートを除去して未硬化表面層除去部25を形成す
る。
【0042】このようにして得られたコンクリート製品
27は、表面に着色粒状物3が埋設された着色模様28
が形成される。そして、この着色模様28の最表面が、
洗い出しによる未硬化表面層除去部25に形成されてい
る。この未硬化表面層除去部25は、微小な凹凸がある
粗面になるうえ骨材が露呈し、コンクリートの素材感が
活かされた自然に近い表現となる。しかも、養生硬化後
のコンクリート製品27が水洗い等されるため、コンク
リート打ちっぱなしの場合と比べ、最終製品がきれいに
なる。
【0043】図9は、本発明の第3の実施の形態のコン
クリート着色用シートを示す。
【0044】このシート30は、シート面30aの全面
に遅延剤層4が形成され、この遅延剤層4上に、着色粒
状物3が分布付着され、上記着色粒状物3で模様が形成
されている。
【0045】上記シート30を使用し、本発明のコンク
リート製品の製法は、例えば、つぎのようにして行うこ
とができる。すなわち、まず、上記シート30を型枠5
の表面に被着し、図10に示すように、シート30が被
着された型枠5を他の型枠5aに対して所定の間隔で配
置して枠組みし、着色粒状物3の模様が形成されたシー
ト面30aを接触面としてコンクリート材料15を打設
する。
【0046】そして、上記コンクリート材料15が養生
硬化されてコンクリート化したのち、図11に示すよう
に、型枠5およびシート30を剥離する。上記一連の工
程により、シート面30aの着色粒状物3がコンクリー
ト製品31の表面に移行埋設されて着色模様32が形成
される。また、この状態で、得られたコンクリート製品
31の最表面は、上記遅延剤層4と接触してその作用に
より硬化が抑制もしくは遅延され、軟らかい未硬化表面
層33が形成される。つぎに、上記コンクリート製品3
1に高圧水等を噴射して洗い出しを施し、図12に示す
ように、上記未硬化表面層33のコンクリートを除去し
て未硬化表面層除去部34を形成する。
【0047】このようにして得られたコンクリート製品
31は、表面に着色粒状物3が埋設された着色模様32
が形成される。そして、最表面が洗い出しによる未硬化
表面層除去部34に形成され、上記未硬化表面層除去部
34は、微小な凹凸がある粗面になるとともに骨材が露
呈し、コンクリートの素材感が活かされた自然に近い表
現となる。しかも、養生硬化後のコンクリート製品31
が水洗い等されるため、コンクリート打ちっぱなしの場
合と比べ、最終製品がきれいになる。
【0048】図13は、本発明の第4の実施の形態のコ
ンクリート着色用シートを示す。
【0049】このシート1は、そのシート面1aに、コ
ンクリート中の水分等により粘着力が減少する粘着剤層
2を介して多数の着色粒状物3が分布付着され、上記着
色粒状物3で模様が形成されている。そして、シート面
1aの上記着色粒状物3による模様以外の部分に、遅延
剤層4が形成されている。
【0050】上記シート1を使用し、本発明のコンクリ
ート製品の製法は、例えば、つぎのようにして行うこと
ができる。すなわち、まず、上記シート1を型枠5の表
面に被着する。ついで、図14に示すように、シート1
が被着された型枠5を他の型枠5aに対して所定の間隔
で配置して枠組みし、着色粒状物3の模様が形成された
シート面1aを接触面としてコンクリート材料15を打
設する。
【0051】そして、上記コンクリート材料15が養生
硬化されてコンクリート化したのち、図15に示すよう
に、型枠5およびシート1を剥離する。このとき、粘着
剤としてコンクリート中の水分等によって粘着力が低下
するものを使用すると、着色模様10の部分は、上記粘
着剤層2の粘着力が弱まるかまたは消失し、それ以外の
部分は遅延剤の作用によって硬化が抑制もしくは遅延さ
れるため、コンクリート製品7からのシート1の剥離が
容易になる。
【0052】上記一連の工程により、シート面1aの着
色粒状物3がコンクリート製品7の表面に移行埋設され
て着色模様10が形成される。また、この状態で、得ら
れたコンクリート製品7の上記着色模様10以外の部分
は、上記遅延剤層4と接触してその作用により硬化が抑
制もしくは遅延され、軟らかい未硬化表面層8が形成さ
れる。つぎに、上記コンクリート製品7に高圧水(2〜
40kg/cm2 )等を噴射して洗い出しを施し、図1
6に示すように、上記未硬化表面層8のコンクリートを
除去して未硬化表面層除去部9を形成する。
【0053】このようにして得られたコンクリート製品
7は、表面に着色粒状物3が埋設された着色模様10が
形成される。そして、この着色模様10以外の部分が洗
い出しにより未硬化表面層除去部9が形成されている。
これにより、上記着色模様10が浮き彫り状の模様とな
る。しかも、未硬化表面層除去部9は、微小な凹凸があ
る粗面になるとともに骨材が露呈し、コンクリートの素
材感が活かされた自然に近い表現となる。このため、着
色模様10と未硬化表面層除去部9とを異なった化粧表
現にできる。しかも、養生硬化後のコンクリート製品7
が水洗い等されるため、コンクリート打ちっぱなしの場
合と比べ、最終製品がきれいになる。
【0054】つぎに、実施例について説明する。
【0055】
【実施例1】紙製(厚み1mm)のシートを準備した。
一方、コンクリート硬化遅延剤を下記の組成で調整し
た。そして、上記シートのシート面に、上記調整液をエ
ア吹き付け(ガンタイプ,エア吹き付け圧力2〜7kg
/cm2 )によって塗布し(塗布量20〜60g/
2 )、20℃で4時間乾燥硬化させて、遅延剤層4を
形成した。ついで、上記遅延剤層4の上に水溶性のメチ
ルセルロース接着剤を塗布し、厚み0.1〜5mmの粘
着剤層2を形成し、この粘着剤層2にセメント粉末の付
着処理をした多数の天然石の着色砕石粒を圧力吹き付け
により付着させ、図1に示すコンクリート着色用シート
20を得た。 〔組成〕 変成リグニン+オキシカルボン酸化合物の複合体 (商品名:ポゾリス#100,エヌエスビー社製) 100重量部 水 1〜10重量部 メチルセルロース (商品名:Hiメトローズ4000,信越化学工業社製) 1〜5重量部
【0056】
【実施例2】コンクリート硬化遅延剤として、グルコン
酸ナトリウム塩(商品名:デスパライトDV,共栄化学
社製)を使用し、ハケもしくはローラーによって塗布し
(塗布量150〜350g/m2 )、60℃で30分乾
燥硬化させて遅延剤層4を形成させた。それ以外は、実
施例1と同様にして図1に示すコンクリート着色用シー
ト20を得た。
【0057】ついで、上記実施例1および2のシート2
0を使用して枠組みし、コンクリート材料15を打設
し、養生硬化させたのちシート20等を剥離し(図2お
よび図3参照)、高圧水(10kg/cm2 )の噴射に
より洗い出しを施し、未硬化層表面層23を除去し、本
発明のコンクリート製品21を得た(図4参照)。
【0058】
【実施例3】紙製(厚み1mm)のシートを準備した。
一方、コンクリート硬化遅延剤を下記の組成で調整し
た。そして、上記シートのシート面に、エア吹き付け
(ガンタイプ,高粘度吹き付け,圧送圧力5kg/cm
2 ,エア吹き付け圧力5kg/cm2 )によって塗布し
て模様を形成し(塗布量150〜400g/m2 ,塗布
厚み0.05〜2mm)、遅延剤層4を形成した。この
遅延剤層4にセメント粉末の付着処理をした多数の天然
石の着色砕石粒を圧力吹き付けにより付着させたのち、
20℃で8時間乾燥硬化させ、図5に示すコンクリート
着色用シート26を得た。 〔組成〕 酢ビ・アクリルエマルジョン (商品名:ボンコート#9180,大日本インキ化学工業社製) 80重量部 ポリビニルアルコール (商品名:デンカポバール,電気化学工業社製) 20重量部 酸化亜鉛 10重量部 オキシカルボン酸塩 (商品名:ポゾリス,エヌエスビー社製) 5重量部
【0059】ついで、上記実施例3のシート26を使用
して枠組みし、コンクリート材料15を打設し、養生硬
化させたのちシート26等を剥離し(図6および図7参
照)、高圧水(10kg/cm2 )の噴射により洗い出
しを施し、未硬化層表面層29を除去し、本発明のコン
クリート製品27を得た(図8参照)。
【0060】
【実施例4】遅延剤層4をシート面の全面に形成させ、
この遅延剤層4のうえに、セメント粉末の付着処理をし
た多数の天然石の着色砕石粒を圧力吹き付けにより付着
させて模様を形成させた。それ以外は、実施例3と同様
にして図9に示すコンクリート着色用シート30を得
た。
【0061】ついで、上記実施例4のシート30を使用
して枠組みし、コンクリート材料15を打設し、養生硬
化させたのちシート30等を剥離し(図10および図1
1参照)、高圧水(10kg/cm2 )の噴射により洗
い出しを施し、未硬化層表面層33を除去し、本発明の
コンクリート製品31を得た(図12参照)。
【0062】
【実施例5】紙製(厚み1mm)のシートを準備した。
一方、コンクリート硬化遅延剤を下記の組成で調整し
た。そして、上記シートのシート面に、二液型アクリル
系粘着剤を塗布して厚み0.1〜5mmの粘着剤層2に
よる模様を形成した。ついで、この粘着剤層2にセメン
ト粉末の付着処理をした多数の天然石の着色砕石粒を圧
力吹き付けにより付着させた。つぎに、上記模様以外の
部分に、上記調整液をエア吹き付け(ガンタイプ,エア
吹き付け圧力2〜7kg/cm2 )によって塗布し(塗
布量20〜60g/m2 )、20℃で4時間乾燥硬化さ
せて、遅延剤層4を形成し、図13に示すコンクリート
着色用シート1を得た。 〔組成〕 変成リグニン+オキシカルボン酸化合物の複合体 (商品名:ポゾリス#100,エヌエスビー社製) 100重量部 水 1〜10重量部 メチルセルロース (商品名:Hiメトローズ4000,信越化学工業社製) 1〜5重量部
【0063】
【実施例6】図17に示すように、天然石の着色砕石1
2の外周表面にセメント粉末13および着色剤として平
均粒径0.8μmのFe2 3 粉末14を付着処理した
ものを用いた。これをシート面に分布付着させた。それ
以外は、上記実施例5と同様にして図13に示すコンク
リート着色用シート1を得た。
【0064】ついで、上記実施例5および6のシート1
を使用して枠組みし、コンクリート材料15を打設し、
養生硬化させたのちシート1等を剥離し(図14および
図15参照)、高圧水(10kg/cm2 )の噴射によ
り洗い出しを施し、未硬化層表面層8を除去し、本発明
のコンクリート製品7を得た(図16参照)。
【0065】上記のようにして得られた各コンクリート
製品は、表面に着色粒状物が埋設された着色模様が形成
された。そして、未硬化表面層除去部は、微小な凹凸が
ある粗面になるとともに骨材が露呈し、コンクリートの
素材感が活かされた自然に近い表現となった。しかも、
養生硬化後のコンクリート製品が水洗い等されるため、
コンクリート打ちっぱなしの場合と比べ、最終製品がき
れいになった。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1のコンクリ
ート着色用シートによれば、コンクリート材料の打設に
より、着色粒状物がコンクリート表面に移行埋設され、
コンクリート製品の表面に着色模様が形成される。ま
た、コンクリート製品のコンクリート硬化遅延剤層と接
触した部分は、上記コンクリート硬化遅延剤の作用によ
り、硬化が抑制もしくは遅延し、軟らかい未硬化表面層
が形成される。そして、コンクリート製品表面に水等に
よって洗い出しを施すことにより、上記未硬化表面層が
除去されて除去部が形成される。このように、コンクリ
ートの打設と同時に着色化粧をすることができ、その後
は洗い出しを行うだけでよいため、従来のような塗装工
程が不要で、工期が短縮されるうえ、生産コストも大幅
に低下する。しかも、このようにして得られたコンクリ
ート製品は、着色粒状物が、コンクリートに埋設されて
おり、脱落や剥離等され難いうえ、塗装のようにコンク
リート中のアルカリ分によって劣化することがないた
め、耐久性が向上する。さらに、着色粒状物による着色
表現だけでなく、洗い出しを行うことによりできた除去
部に骨材が露出したり、微小凹凸の粗面が形成され、コ
ンクリートの素材感が活かされた自然石調の表現も可能
である。
【0067】また、本発明の第2のコンクリート着色用
シートによれば、上記第1のコンクリート着色用シート
と同様に、従来のような塗装工程が不要で、工期が短縮
されるうえ、生産コストが低下し、耐久性も向上すると
いう効果が得られる。そのほか、着色模様以外の部分に
洗い出しによる除去部が形成されるため、得られたコン
クリート製品は、上記着色模様が浮き彫り状の模様とな
り、しかも、上記除去部が洗い出しによって骨材が露呈
するとともに微小な凹凸がある粗面となる。このため、
着色模様部分と洗い出しによる除去部とを異なった化粧
表現にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート着色用シートの第1の実
施の形態を示す説明図である。
【図2】上記コンクリート着色用シートを用いてコンク
リート材料を打設した状態を示す説明図である。
【図3】コンクリート製品からシートを剥離させた状態
を示す説明図である。
【図4】コンクリート製品の未硬化表面層を洗い出した
状態を示す説明図である。
【図5】本発明のコンクリート着色用シートの第2の実
施の形態を示す説明図である。
【図6】上記コンクリート着色用シートを用いてコンク
リート材料を打設した状態を示す説明図である。
【図7】コンクリート製品からシートを剥離させた状態
を示す説明図である。
【図8】コンクリート製品の未硬化表面層を洗い出した
状態を示す説明図である。
【図9】本発明のコンクリート着色用シートの第3の実
施の形態を示す説明図である。
【図10】上記コンクリート着色用シートを用いてコン
クリート材料を打設した状態を示す説明図である。
【図11】コンクリート製品からシートを剥離させた状
態を示す説明図である。
【図12】コンクリート製品の未硬化表面層を洗い出し
た状態を示す説明図である。
【図13】本発明のコンクリート着色用シートの第4の
実施の形態を示す説明図である。
【図14】上記コンクリート着色用シートを用いてコン
クリート材料を打設した状態を示す説明図である。
【図15】コンクリート製品からシートを剥離させた状
態を示す説明図である。
【図16】コンクリート製品の未硬化表面層を洗い出し
た状態を示す説明図である。
【図17】着色粒状物の一例を示す説明図である。
【図18】従来例のコンクリート着色用シートを示す説
明図である。
【図19】上記従来例のコンクリート着色用シートを用
いてコンクリート材料を打設した状態を示す説明図であ
る。
【図20】従来例のコンクリート製品からシートを剥離
させる状態を示す説明図である。
【図21】従来例のコンクリート製品の未硬化表面層を
洗い出した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
3 着色粒状物 4 遅延剤層 20 シート 20a シート面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートを打設する際に型枠表面に
    被設させるシートであって、シート面にコンクリート硬
    化遅延剤層が形成され、このコンクリート硬化遅延剤層
    上に、多数の着色粒状物が分布付着され、上記着色粒状
    物で模様が形成されていることを特徴とするコンクリー
    ト着色用シート。
  2. 【請求項2】 シート面の全面にコンクリート硬化遅延
    剤層が形成されている請求項1記載のコンクリート着色
    用シート。
  3. 【請求項3】 シート面に、コンクリート硬化遅延剤層
    で模様が形成され、このコンクリート硬化遅延剤層上に
    着色粒状物が分布付着されている請求項1記載のコンク
    リート着色用シート。
  4. 【請求項4】 コンクリートを打設する際に型枠表面に
    被設させるシートであって、シート面にコンクリート中
    の水分等により粘着力が減少する粘着剤層を介して多数
    の着色粒状物が分布付着され、上記着色粒状物で模様が
    形成されるとともに、この模様以外の部分にコンクリー
    ト硬化遅延剤層が形成されていることを特徴とするコン
    クリート着色用シート。
  5. 【請求項5】 シート面にコンクリート硬化遅延剤層が
    形成され、このコンクリート硬化遅延剤層上に多数の着
    色粒状物が分布付着され、上記着色粒状物で模様が形成
    されたシートを準備し、型枠表面に上記シートを被設
    し、このシート面を接触面としてコンクリート材料を打
    設し、養生硬化後上記シートを剥離することにより、上
    記着色粒状物をコンクリート製品の表面層に移行埋設さ
    せてコンクリート製品に着色模様を形成するとともに、
    得られたコンクリート製品の表面に洗い出しを施すこと
    により、コンクリート硬化遅延剤によって形成された未
    硬化表面層を除去することを特徴とするコンクリート製
    品の製法。
  6. 【請求項6】 上記シートが、シート面にコンクリート
    硬化遅延剤層で模様が形成され、このコンクリート硬化
    遅延剤層上に着色粒状物が分布付着されたものであり、
    コンクリート材料の養生硬化後に着色粒状物が移行埋設
    された着色模様部分の最表面にコンクリート硬化遅延剤
    によって未硬化表面層を形成し、得られたコンクリート
    製品に対して洗い出しを施すことにより上記未硬化表面
    層を除去するようにした請求項5記載のコンクリート製
    品の製法。
  7. 【請求項7】 シート面にコンクリート中の水分等によ
    り粘着力が減少する粘着剤層を介して多数の着色粒状物
    が分布付着され、上記着色粒状物で模様が形成されると
    ともに、この模様以外の部分にコンクリート硬化遅延剤
    層が形成されたシートを準備し、型枠表面に上記シート
    を被設し、このシート面を接触面としてコンクリート材
    料を打設し、養生硬化後上記シートを剥離することによ
    り、上記着色粒状物をコンクリート製品の表面層に移行
    埋設させてコンクリート製品に着色模様を形成するとと
    もに、得られたコンクリート製品の表面に洗い出しを施
    すことにより、コンクリート硬化遅延剤によって形成さ
    れた未硬化表面層を除去することを特徴とするコンクリ
    ート製品の製法。
  8. 【請求項8】 表面に着色粒状物が埋設された着色模様
    が形成され、この着色模様以外の部分に、洗い出しによ
    る除去部が形成されていることを特徴とするコンクリー
    ト製品。
  9. 【請求項9】 表面に着色粒状物が埋設された着色模様
    が形成され、この着色模様の部分に、洗い出しによる除
    去部が形成されていることを特徴とするコンクリート製
    品。
JP96897A 1997-01-07 1997-01-07 コンクリート着色用シートおよびそれを用いたコンクリート製品の製法ならびにそれによって得られたコンクリート製品 Pending JPH10193311A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010024785A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Hazama Corp コンクリートの養生シート及びその製造方法、並びに当該養生シートを用いたコンクリートの湿潤養生方法
JP2019218219A (ja) * 2018-06-15 2019-12-26 株式会社イー・エム・ディ コンクリート表面洗い出し処理剤

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