JP2004114403A - プレキャストコンクリート部材の製造方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート部材の製造方法 Download PDF

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谷口 裕史
Masaaki Otani
大谷 正昭
Kinya Akiyama
秋山 欣也
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HAZAMA KOGYO KK
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Abstract

【課題】鉄筋の一部がコンクリートから露出したプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、コンクリートを打設する前の工程及びコンクリート除去工程の手間を低減できて、たとえ鉄筋配置が複雑であっても適用可能であり、製造効率を良好に維持できて製造コストを抑制することが可能な方法を提供する。
【解決手段】コンクリート打設前に、鉄筋露出部分にコンクリート硬化遅延剤を予め塗布するか、または、コンクリート打設後に、鉄筋露出部分に付着したコンクリートにコンクリート硬化遅延剤を塗布するか、またはコンクリート打設前後の両方でコンクリート硬化遅延剤を塗布し、型枠脱型後に加圧流体を吹きつけて鉄筋露出部分に付着したコンクリートに除去する。
【選択図】   図なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレキャストコンクリート部材は、工場内で型枠を組み立てた後に、鉄筋を型枠の内部に配筋し、鉄筋の上方から型枠内へコンクリートを打設することにより製造されている。このような方法で、鉄筋の一部がコンクリートから露出するプレキャストコンクリート部材を製造した場合には、露出する鉄筋にコンクリートが付着するという不都合が生じる。このように露出鉄筋にコンクリートが付着したプレキャストコンクリート部材は見栄えが悪く、しかも、施工現場で打設されるコンクリートとの付着力が充分に確保できるか否か不明であるため、その対策が下記のように提案されている。
【0003】
(1)コンクリートの打設前に、露出する鉄筋にテープを巻いてこれらを保護し、コンクリートの打設後にテープを剥がして、コンクリートの付着を防止することが考えられている。しかしながら、この方法ではテープの着脱に手間が掛かり、プレキャストコンクリート部材の製造効率が低下し、製造コストが上昇するという問題がある。また取り外されたテープは廃棄物として処理する必要があり、環境保護という観点からも好ましくない。
(2)また露出部分以外の鉄筋を型枠に配筋し、コンクリートを打設した後に、露出部分の鉄筋を組み立てることにより、コンクリートの打ち込み口を大きく確保して、鉄筋露出部分へのコンクリート付着の防止を図ることも可能である。しかしながら、この方法は、例えば、複雑な配置で鉄筋が設けられるような場合には適用することが困難である。
(3)さらに、コンクリート打設時に、鉄筋露出部分へのコンクリートの付着防止対策は行なわず、型枠内のコンクリートが硬化した後に、電動式のたがね等の装置を使用し、鉄筋に付着したコンクリートを除去することが実施されている。この方法では、コンクリートの除去に手間が掛かり、プレキャストコンクリート部材の製造コストが上昇するという問題がある。
(4)コンクリート打設時に、露出する鉄筋にコンクリートが接触しないように、特殊な打ち込みシュートを使用することも実施されている。この方法では、コンクリートの打設に時間が掛かり過ぎて、プレキャストコンクリート部材の製造効率が低下し、製造コストが上昇するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、鉄筋の一部がコンクリートから露出したプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、コンクリートを打設する前の工程およびコンクリート除去工程の手間を低減できて、複雑な鉄筋配置で設計されたプレキャストコンクリート部材にも適用可能であり、良好な製造効率を維持できて製造コストを抑制することができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、型枠に配筋された鉄筋のうちコンクリートから露出する部分に、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤を予め塗布し、コンクリートを型枠内に打設し、型枠内のコンクリートが所定以上の硬さに硬化したら、鉄筋の露出した部分に付着したコンクリートに、空気または水などの加圧流体を吹きつけて除去することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の製造方法が提供される。
本発明によれば、型枠に配筋された鉄筋のうちコンクリートから露出する部分には、コンクリートの硬化遅延剤が予め塗布されるので、コンクリート打設時に鉄筋露出部分に付着したコンクリートは、型枠内のコンクリートよりも硬化が遅れ、型枠を外した後に加圧流体を吹きつければ、比較的容易に除去することができる。
【0006】
また本発明によれば、鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、鉄筋が配筋された型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートが未硬化状態のときに、鉄筋の露出する部分に付着したコンクリートに、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤を塗布し、型枠内のコンクリートが所定以上の硬さに硬化したら、鉄筋の露出した部分に付着したコンクリートに、空気または水などの加圧流体を吹きつけて除去することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の製造方法が提供される。
本発明では、コンクリートの打設時に鉄筋露出部分に付着したコンクリートが未硬化状態のうちに、その上から硬化遅延剤を塗布するので、鉄筋露出部分に付着したコンクリートは、型枠内のコンクリートよりも硬化が遅れ、型枠を外した後に加圧流体を吹きつければ、比較的容易に除去することができる。
【0007】
さらに、本発明によれば、鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、型枠に配筋された鉄筋のうちコンクリートから露出する部分に、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤を予め塗布し、コンクリートを型枠内に打設し、コンクリートが未硬化状態のときに、鉄筋の露出する部分に付着したコンクリートに前記薬剤を塗布し、型枠内のコンクリートが所定以上の硬さに硬化したら、鉄筋の露出した部分に付着したコンクリートに、空気または水などの加圧流体を吹きつけて除去することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の製造方法が提供される。
本発明によれば、型枠に配筋された鉄筋のうちコンクリートから露出する部分には、コンクリート打設前に硬化遅延剤を予め塗布し、且つ、コンクリートの打設後にも、コンクリートが未硬化状態のうちに鉄筋露出部分に付着したコンクリートの上から硬化遅延剤を塗布するので、加圧流体の吹きつけにより、鉄筋露出部分の付着コンクリートは容易に除去することができる。
【0008】
本発明において、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤は、特に限定されるものではなく、コンクリート材料の硬化を遅らせるものであれば各種のものを用いることができる。例えば、紫外線硬化型樹脂、アルカリにより加水分解する物質、カルシウムイオンを吸着する物質等を使用することができる。
【0009】
上記紫外線硬化型樹脂としては、例えば、1・6−ヘキサンジオールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等のアクリレート、α,α−テトラアクリル−ビストリメチロールプロパンテトラヒドロフタレート,α,α−ジメタクリル−ビスジエチレングリコールフタレート等のフタレート、トリレンジイソジアネート,イソホロンジイソシアネート等に2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を反応させた化合物,ヘキサンジオールとイソホロンジイソシアネートにHEAを反応させた化合物,ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルのジアクリレート,トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルポリアクリレート,スピログリコールジグリシジルエーテルジアクリレート,シリコーンアクリレート,トリアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート等があげられる。
【0010】
またアルカリにより加水分解してコンクリートの硬化を抑制する物質としては、例えば、ポリ酢酸ビニル等のエステル類やヘミセルロース等があげられる。また、カルシウムイオンを吸着してコンクリートの硬化を抑制する物質としては、例えば、イオン化傾向がカルシウムよりも大きいカリウム,ナトリウムの塩類,フェノール類,セルロースおよびリグニン等があげられる。
【0011】
また、上記以外に、コンクリートの硬化を抑制する物質として、不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ(メタ)アクリレート等のビニルエステル樹脂,ホスホン酸基を有する樹脂等の樹脂材料や、各種の有機物,無機物が用いられる。上記有機物としては、グルコヘプトン酸,グルコン酸,ガラクトン酸,粘液酸,クエン酸,アラボン酸,エリスロン酸,酒石酸,リンゴ酸,トレオニン(アミノ酸),コハク酸,マレイン酸,グリセリン酸,グリコール酸,シュウ酸,乳酸等のオキシカルボン酸およびジカルボン酸またはその塩、2ケトグルコン酸,ピルビン酸等のケトカルボン酸、カプロン酸,吉草酸,酪酸,プロピオン酸,酢酸等の脂肪酸、ペルセイトール,ソルビトール,アラビトール,エリスリトール,グリセロール,エチレングリコール等の糖アルコール類、グルコヘプトース,グルコース,マンノース,ガラクトース,フラクトース,アラビノース,エリスロース,グリセルアルデヒド,サッカロース(ショ糖),ラクトース,マルトース,ラフィノース,デキストリン等の糖類、リグニンスルホン酸、アミノジ(メチレンホスホン酸),アミノトリ(メチレンホスホン酸),1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸,エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸),ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸),ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸),またはそれらの塩等のホスホン酸系硬化遅延剤、シュウ酸,マロン酸等の飽和多価カルボン酸、フマル酸,イタコン酸等の不飽和多価カルボン酸、グルコヘプタノン酸等の多価カルボン酸又はその塩、ポリマレイン酸,ポリフマル酸,スチレン−マレイン酸共重合体,ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸,スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体,エチレンスルホン酸−アクリル酸コポリマー等のカルボシキル基を有するモノマーの単独または共重合体もしくはそれらの塩、アスコルビン酸,イソアスコルビン酸等の酸化防止剤、ポリヒドロキシシラン,ポリアクリルアミド等のポリマー、フミン酸、リグノスルホネート、ケルトカルボン酸類,水溶性でんぷん,ライ麦の粉末,アラビアゴム,アルコール類等があげられる。また、無機物としては、珪フッ化マグネシウム,トリポリリン酸ナトリウム,酸化亜鉛,ホウ素化合物,ホウ酸塩,リン酸塩(特にヘキサメタリン酸ソーダ),ヘキサフルオロケイ酸塩等があげられる。
【0012】
上記コンクリートの硬化を遅延させる薬剤は、単独もしくは併せて使用することができる。また、適当な溶媒に溶解もしくは混合分散させて液状物として使用することも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
<コンクリート硬化遅延剤の先塗り方式>
請求項1の実施の形態として、コンクリート硬化遅延剤の先塗り方式について説明する。
(1)準備工程
プレキャストコンクリート部材の製造工場において、型枠を組み立てた後に、型枠の内部に鉄筋を配置する。このとき、プレキャストコンクリート部材の完成時にコンクリートから露出する鉄筋部分は、型枠から外に出るように配置する。
(2)コンクリート硬化遅延剤の塗布工程
コンクリートから露出する鉄筋部分に、コンクリート硬化遅延剤を刷毛、噴霧器または霧吹きを用いて塗布する。このコンクリート硬化遅延剤の鉄筋に塗布する量は、型枠内に滴下しない程度の塗布量とする。
またコンクリート硬化遅延剤は、コンクリートの硬化を遅らせるものであれば各種のものを用いることが可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、主成分が変成リグニンとオキシカルボ酸化合物の複合体である、商品名:ポゾリスNo.89、エヌエムビー社製品を原液あるいは水で希釈して使用することが可能である。
別のコンクリート硬化遅延剤としては、例えば、主成分がグルコン酸ナトリウム塩である、商品名:ディスパライトDV、共栄社化学社製品を原液あるいは水で希釈して使用することが可能である。
(3)コンクリートの打設・脱型工程
鉄筋に塗布したコンクリート硬化遅延剤が乾燥したら、鉄筋の上方からコンクリートを打設する。17〜19時間程度が経過し、型枠内のコンクリートが硬化して、圧縮強度がほぼ15N/mm以上になったら、型枠を分解して取り外す。
(4)付着コンクリートの除去工程
型枠から脱型したプレキャストコンクリート部材を作業ヤードまたはストックヤードに搬送したら、鉄筋露出部分に付着したコンクリートの硬化が進行する前に、可能な限り早急に、付着コンクリートに空気または水などの加圧流体を吹き付ける。
このとき、例えば、コンクリート打設後17〜24時間程度であれば、加圧水の圧力は5N/mm程度にすることが好ましい。
なお、加圧流体の吹付けは、型枠内のコンクリートが上記圧縮強度程度まで硬化していれば実施可能であり、例えば、上記とは異なり、型枠を脱型せずにプレキャストコンクリート部材を作業ヤードまたはストックヤードまで搬送し、ここで加圧流体を吹き付けて付着コンクリートを除去し、その後に、型枠の脱型を行なっても良い。
(5)養生工程
鉄筋露出部分に付着したコンクリートを除去した後、コンクリートの圧縮強度が35N/mm以上になるまで作業ヤードあるいはストックヤードにて養生すれば、プレキャストコンクリート部材は完成する。
【0014】
以上に説明したコンクリート硬化遅延剤の先塗り方式では、コンクリート打設中に多量のコンクリートが鉄筋に接触する場合、あらかじめ鉄筋に塗布されたコンクリート硬化遅延剤は打設コンクリートにより取り除かれ、鉄筋に付着したコンクリートの硬化遅延効果が低下することがある。しかしながら、コンクリート硬化遅延剤は、あらかじめ鉄筋に塗布されるので、この塗布状態がコンクリート打設中も維持されれば、コンクリートは最初から鉄筋に付着することができず、付着コンクリートは、加圧流体の吹き付けにより比較的容易に除去することが可能になる。
【0015】
<コンクリート硬化遅延剤の後塗り方式>
請求項2の実施の形態として、コンクリート硬化遅延剤の後塗り方式について説明する。
(1)準備工程・コンクリートの打設工程
型枠の組み立て、鉄筋の配筋は、上記のコンクリート硬化遅延剤の先塗り方式と同様に実施する。そして、鉄筋にコンクリート硬化遅延剤を塗布すること無く、鉄筋の上方から型枠の内部にコンクリートを打設する。
(2)コンクリート硬化遅延剤の塗布工程
コンクリートの打設が終了したら、コンクリートの硬化が進行する前に、可能な限り早急に、コンクリートから露出する鉄筋部分に付着したコンクリートに、コンクリート硬化遅延剤を刷毛、噴霧器または霧吹きを用いて塗布する。このコンクリート硬化遅延剤の鉄筋に塗布する量は、型枠内のコンクリート上に滴下しない程度の塗布量とする。コンクリート硬化遅延剤は、上記のコンクリート硬化遅延剤の先塗り方式と同様のものを使用することができる。
(3)型枠の脱型工程
コンクリートの打設後17〜19時間程度が経過し、型枠内のコンクリートが硬化して、圧縮強度がほぼ15N/mm以上になったら、型枠を分解して取り外す。
(4)付着コンクリートの除去工程
型枠から脱型したプレキャストコンクリート部材を作業ヤードまたはストックヤードに搬送したら、鉄筋露出部分に付着したコンクリートの硬化が進行する前に、可能な限り早急に、空気または水などの加圧流体を付着コンクリートに吹き付けて、これを除去する。このとき、例えば、コンクリート打設後17〜24時間程度であれば、加圧水の圧力は5N/mm程度にすれば、付着コンクリートは容易に除去することができる。
なお、後塗り方式においても、先塗り方式と同様に、型枠を脱型する前に、加圧流体の吹付けによる付着コンクリートの除去を行なっても良い。
(5)養生工程
鉄筋露出部分に付着したコンクリートを除去した後、コンクリートの圧縮強度が35N/mm以上になるまで作業ヤードあるいはストックヤードにて養生すれば、プレキャストコンクリート部材は完成する。
【0016】
以上に説明したコンクリート硬化遅延剤の後塗り方式では、コンクリートを型枠内に打設した後、鉄筋露出部分に付着したコンクリートに硬化遅延剤が塗布されるので、上記した先塗り方式のように、コンクリート打設中に硬化遅延剤が取り除かれることがなく、したがって、付着コンクリートの硬化は確実に遅延し、加圧流体の吹き付けにより付着コンクリートは比較的容易に除去することが可能になる。
またコンクリート硬化遅延剤を多量に塗布し過ぎて、コンクリート上に滴下したような場合には、この滴下した部分のコンクリートの硬化が遅れ、鉄筋付着コンクリートへの加圧流体の吹き付け時に、このコンクリート表面も除去されるが、これにより、表面が除去されたプレキャストコンクリート部材と、施工現場で打設されるコンクリートとの付着力は向上するので、何ら問題は生じない。
【0017】
<コンクリート硬化遅延剤の両塗り方式>
請求項3の実施の形態として、コンクリート硬化遅延剤の両塗り方式について説明する。
(1)準備工程
上記のコンクリート硬化遅延剤の先塗り方式、後塗り方式と同様に、型枠の組み立て、鉄筋の配筋を実施する。
(2)コンクリート硬化遅延剤の塗布工程
上記のコンクリート硬化遅延剤の先塗り方式と同様に、コンクリートから露出する鉄筋部分に、コンクリート硬化遅延剤を刷毛、噴霧器または霧吹きを用いて塗布する。
(3)コンクリートの打設
鉄筋に塗布したコンクリート硬化遅延剤が乾燥したら、鉄筋の上方からコンクリートを打設する。
(4)コンクリート硬化遅延剤の塗布工程
コンクリートの打設が終了したら、コンクリートの硬化が進む前に、上記のコンクリート硬化遅延剤の後塗り方式と同様に、鉄筋に付着したコンクリートにコンクリート硬化遅延剤を塗布する。
(5)型枠の脱型・付着コンクリートの除去工程
コンクリートの打設後、コンクリートの圧縮強度がほぼ15N/mm以上になったら、型枠を分解して取り外し、プレキャストコンクリート部材を作業ヤードまたはストックヤードに搬送する。そして、鉄筋露出部分に付着したコンクリートの硬化が進行する前に、この付着コンクリートに空気または水などの加圧流体を吹き付けて、これを除去する。このとき、例えば、コンクリート打設後17〜24時間程度であれば、加圧水の圧力を5N/mm程度にすれば、付着コンクリートは容易に除去することができる。
なお、両塗り方式においても、先塗り方式および後塗り方式と同様に、型枠を脱型する前に、加圧流体の吹付けによる付着コンクリートの除去を行なうことができる。
(6)養生工程
鉄筋露出部分に付着したコンクリートを除去した後、コンクリートの圧縮強度が35N/mm以上になるまで作業ヤードあるいはストックヤードにて養生すれば、プレキャストコンクリート部材は完成する。
【0018】
以上に説明したコンクリート硬化遅延剤の両塗り方式では、先塗り方式と後塗り方式の両方の利点が得られるので、加圧流体を付着コンクリートに吹き付ければ、さらに容易に付着コンクリートを除去することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明では、コンクリート打設前に、鉄筋露出部分にコンクリート硬化遅延剤を予め塗布するか、またはコンクリート打設後に、鉄筋露出部分に付着したコンクリートにコンクリート硬化遅延剤を塗布するか、またはコンクリート打設前後の両方でコンクリート硬化遅延剤を塗布することにより、鉄筋露出部分に付着したコンクリートは型枠内のコンクリートよりも硬化が遅れるため、この鉄筋露出部分に加圧流体を吹きつけるだけで、付着コンクリートは比較的容易に除去することができる。したがって、本発明は、従来の方法に比べて、付着コンクリート除去の手間が低減できて、複雑な鉄筋配置のものにも適用可能であり、製造効率や製造コストで優れた効果が得られる。

Claims (3)

  1. 鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、
    型枠に配筋された鉄筋のうちコンクリートから露出する部分に、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤を予め塗布し、コンクリートを型枠内に打設し、型枠内のコンクリートが所定以上の硬さに硬化したら、鉄筋の露出した部分に付着したコンクリートに、空気または水などの加圧流体を吹きつけて除去することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の製造方法。
  2. 鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、
    鉄筋が配筋された型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートが未硬化状態のときに、鉄筋の露出する部分に付着したコンクリートに、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤を塗布し、型枠内のコンクリートが所定以上の硬さに硬化したら、鉄筋の露出した部分に付着したコンクリートに、空気または水などの加圧流体を吹きつけて除去することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の製造方法。
  3. 鉄筋の一部がコンクリートから露出した状態で形成されるプレキャストコンクリート部材の製造方法であって、
    型枠に配筋された鉄筋のうちコンクリートから露出する部分に、コンクリートの硬化を遅延させる薬剤を予め塗布し、コンクリートを型枠内に打設し、コンクリートが未硬化状態のときに、鉄筋の露出する部分に付着したコンクリートに前記薬剤を塗布し、型枠内のコンクリートが所定以上の硬さに硬化したら、鉄筋の露出した部分に付着したコンクリートに、空気または水などの加圧流体を吹きつけて除去することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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