JP3285192B2 - コンクリート打継面の処理剤 - Google Patents

コンクリート打継面の処理剤

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JP3285192B2 JP27553896A JP27553896A JP3285192B2 JP 3285192 B2 JP3285192 B2 JP 3285192B2 JP 27553896 A JP27553896 A JP 27553896A JP 27553896 A JP27553896 A JP 27553896A JP 3285192 B2 JP3285192 B2 JP 3285192B2
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
    • C04B40/0039Premixtures of ingredients
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/20Retarders
    • C04B2103/22Set retarders

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートを打
ち継ぐ場合に使用されるコンクリート打継面の処理剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物を構築する際、施工
上の制約等の理由により、いわゆる打継部分を設けざる
を得ない場合があるが、その場合、打継部分が構造上あ
るいは水密上の欠陥とならないよう、新コンクリートを
打設する前に旧コンクリートの打継面に形成された脆弱
な薄膜、すなわちレイタンスを予め除去し、健全なコン
クリートを露出させることが重要である。
【0003】打継面のレイタンスを除去するにあたって
は、高圧ジェット水、ワイヤブラシ、サンドブラスト等
を用いるのが一般的であるが、最近では、リグニンスル
ホン酸、オキシカルボン酸、ケイフッ化マグネシウム等
を主成分とした凝結遅延剤を用いた方法も提案されてい
る。
【0004】すなわち、水平打継面においては、かかる
凝結遅延剤を旧コンクリートの上面に塗布若しくは散布
して所定の養生期間経過後に高圧水等で打継面を洗い出
し、鉛直打継面においては、型枠の内面に凝結遅延剤を
塗布してから、あるいは該遅延剤を含浸させたシートを
貼付してから旧コンクリートを打設し、型枠を脱型した
後、打継面を高圧水等で洗い出す。そして、かかる打継
面の上方あるいは側方に新コンクリートを打設し、新旧
コンクリートの一体化を図る。
【0005】このようにすれば、凝結遅延剤の作用によ
って打継面におけるコンクリートの硬化が遅れるので、
所定の養生期間が経過した後であっても、打継面に形成
されたレイタンスを容易に除去することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
凝結遅延剤は水溶性であるため、現場においてブリージ
ング水や養生用の散水あるいは雨水に接すると、ブリー
ジング水等に溶けて流出し、打継面を予定通り洗い出す
ことができなかったり、逆に予定外の部分が洗い出され
たりといった事態を生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ブリージング水、散水、雨水等の影響を受け
ることなく、現場においてコンクリート打継面を確実に
洗い出すことが可能なコンクリート打継面の処理剤を提
供することを目的とする。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るコンクリート打継面の処理剤は請求項
1に記載したように、リグニンスルホン酸、オキシカル
ボン酸、グルコン酸ナトリウム等の水溶性凝結遅延剤及
び水に対して難溶性若しくは不溶性でありかつアルカリ
環境下で加水分解し該分解生成物がコンクリートの硬化
を遅延させるアルカリ分解性凝結遅延剤を互いに積層し
てなるものである。
【0010】また、本発明に係るコンクリート打継面の
処理剤は、前記アルカリ分解性凝結遅延剤を、グリコー
ルと二塩基酸とを主成分とし、重量平均分子量が300
乃至25000の不飽和ポリエステルで構成したもので
ある。
【0011】また、本発明に係るコンクリート打継面の
処理剤は、前記不飽和ポリエステルを所定のモノマーで
架橋したものである。
【0012】また、本発明に係るコンクリート打継面の
処理剤は、前記モノマーをスチレン系モノマーとし、そ
の添加量を前記不飽和ポリエステル100重量部に対し
て1乃至50重量部としたものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】請求項1の発明に係るコンクリート打継面
の処理剤においては、アルカリ分解性凝結遅延剤がコン
クリートに接する側となるように本発明の処理剤を配置
する。
【0017】このようにすると、水に対して不溶性若し
くは難溶性であるアルカリ分解性凝結遅延剤は、ブリー
ジング水、散水、雨水等に接してもそれらに溶出せず、
水溶性凝結遅延剤もアルカリ分解性凝結遅延剤に被覆さ
れた状態が維持され、ブリージング水等に流出しない。
【0018】一方、打設されたフレッシュコンクリート
に接すると、該コンクリートのアルカリ水によってアル
カリ分解性凝結遅延剤が加水分解してコンクリート中に
溶出し、引き続いて水溶性凝結遅延剤もコンクリートに
露出して溶出する。そして、各凝結遅延剤の厚み比率あ
るいは厚みに応じた深さまでコンクリートの硬化を遅延
させる。
【0019】ここで、アルカリ分解性凝結遅延剤として
は、水に対して難溶性若しくは不溶性でありかつアルカ
リ環境下で加水分解し該分解生成物がコンクリートの硬
化を遅延させる凝結遅延剤であればよく、例えば、グリ
コールと二塩基酸とを主成分とした重量平均分子量が3
00乃至25000の不飽和ポリエステルを用いること
ができる。
【0020】また、前記不飽和ポリエステルを所定のモ
ノマーで架橋した場合、硬化させたときの強度特性を向
上させるとともに、雨水等に対する耐水性を改善するこ
とができる。
【0021】また、前記モノマーをスチレン系モノマー
とし、その添加量を前記不飽和ポリエステル100重量
部に対して1乃至50重量部とした場合、上述の強度特
性や耐水性をさらに改善することができる。
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンクリート
打継面の処理剤の実施の形態について、添付図面を参照
して説明する。
【0025】図1は、本実施形態に係るコンクリート打
継面の処理剤1を鉛直打継面の処理に適用している様子
を示したものである。本実施形態に係る処理剤1は、同
図(a)に示すように、水溶性凝結遅延剤とアルカリ分解
性凝結遅延剤とを混合してシート状に加工し、かかるシ
ート3の背面に補強シート2を貼り付けて構成してあ
る。
【0026】ここで、水溶性凝結遅延剤としては、リグ
ニンスルホン酸、オキシカルボン酸、グルコン酸ナトリ
ウム等を主成分とする市販の凝結遅延剤を使用すること
ができる。
【0027】一方、アルカリ分解性凝結遅延剤として
は、水に対して難溶性若しくは不溶性でありかつアルカ
リ環境下で加水分解し該分解生成物がコンクリートの硬
化を遅延させる性質を有するものとし、具体的には、グ
リコールと二塩基酸とを主成分とした不飽和ポリエステ
ルをスチレン系モノマーで架橋したものがよい。
【0028】ここで、グリコールは、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどの2価のアルコール若し
くはそれらのポリマーであるポリオキシアルキレングリ
コールを主成分とするものがよい。
【0029】不飽和ポリエステルは、その重量平均分子
量が300以下になると、凝結遅延剤としての凝結遅延
効果が低下し、25000以上になると、溶融粘度の上
昇により、スチレン系モノマーの添加混合作業が難しく
なるという不都合を生じる。したがって、不飽和ポリエ
ステルの重量平均分子量としては、300乃至2500
0とするのがよい。
【0030】スチレン系モノマーは、多くの場合油状で
ある不飽和ポリエステルを硬化させるための架橋成分と
して添加されるものであり、不飽和ポリエステルの樹脂
としての機械特性を向上させるとともに、遅延剤として
の耐水性の制御を目的に添加するものである。
【0031】また、スチレン系モノマーは、その添加量
が不飽和ポリエステル100重量部に対して1重量部以
下になると、不飽和ポリエステルの機械特性および耐水
性の改善が不十分となり、50重量部以上になると、凝
結遅延効果が不足するという不都合を生じる。したがっ
て、スチレン系モノマーの添加量としては、不飽和ポリ
エステル100重量部に対して1乃至50重量部とする
のがよい。
【0032】なお、不飽和ポリエステル樹脂の硬化は、
有機過酸化物などのラジカル開始剤により、スチレンを
重合させると同時に不飽和ポリエステルと架橋させるこ
とによって行われ、常温でも硬化は可能であるが、1時
間程度以内の短時間で硬化させるためには、60乃至2
00゜C程度の温度条件で行えばよく、さらに架橋を促
進させるために、コバルトの有機酸塩などの硬化促進剤
を併用することができる。
【0033】水溶性凝結遅延剤とアルカリ分解性凝結遅
延剤との混合割合あるいはそれぞれの混合量について
は、所望の洗出し深さに応じて適宜調整する。ここで、
混合割合あるいは混合量と洗出し深さとの関係について
は、室内実験あるいは現場実験を行って予め調べておけ
ばよい。すなわち、例えば、3mm〜50mm程度の深
さまで洗い出すことができる水溶性凝結遅延剤と上述し
たアルカリ分解性凝結遅延剤とを様々な割合、様々な量
で混合して処理剤1を製造し、該処理剤1を用いて実際
に洗出しを行えば、混合割合若しくは混合量と洗出し深
さとの関係を知ることができる。
【0034】補強シート2は、プラスチックフィルム、
紙、布その他一定の強度を有する材料から適宜選択すれ
ばよい。
【0035】かかる処理剤1を用いて鉛直打継面を処理
するには、まず、同図(a)に示すように、シート状の処
理剤1を補強シート2が型枠側となるように接着剤等で
型枠4の内面に貼り付ける。
【0036】次に、同図(b)に示すようにコンクリート
5を打設し、所定期間養生する。
【0037】このようにすると、水に対して不溶性若し
くは難溶性であるアルカリ分解性凝結遅延剤は、ブリー
ジング水、散水、雨水等に接しても自らそれらに溶出す
ることはなく、水溶性凝結遅延剤に対しても結合剤の役
目を果たし、該水溶性凝結遅延剤の溶出を抑制する。
【0038】一方、打設されたフレッシュコンクリート
に接すると、図2(a)矢印に示すように、該コンクリー
トのアルカリ水によってアルカリ分解性凝結遅延剤が加
水分解してコンクリート中に溶出する。すなわち、不飽
和ポリエステル樹脂がコンクリートのアルカリ水で加水
分解されてポリエステルオリゴマーさらにはグリコール
と二塩基酸が生成され、これらが総じてセメントの水和
反応を抑制する。また、加水分解によって生じた分解生
成物がセメント粒子の表面に吸着されることにより、セ
メントの水和反応を抑制する効果が、例えば材齢28日
の長期材齢でも維持される。
【0039】そして、かかるアルカリ分解性凝結遅延剤
の溶出に合わせて水溶性凝結遅延剤もコンクリート中に
溶出し、かくして、養生期間中、各凝結遅延剤の混合割
合あるいは混合量に応じた深さまでコンクリートの硬化
を遅延させる。
【0040】次に、型枠4及び該型枠面に残った補強シ
ート2を取り外してコンクリート打継面を露出させ、次
いで、該打継面を同図(b)に示すように高圧水等で洗い
出し、打継面表層に形成されたレイタンスを除去する。
そして、かかる打継面の側方に新コンクリートを打設
し、新旧コンクリートの一体化を図る。
【0041】次に、上述したアルカリ分解性凝結遅延剤
の性能確認実験をいくつか行ったので、その概略を述べ
る。
【0042】まず、最初の実験として、重量平均分子量
が2000の不飽和ポリエステルにこの不飽和ポリエス
テル100重量部に対して5重量部のスチレン系モノマ
ーを添加した凝結遅延剤50mgを、pHが13のアル
カリ水に室温で浸漬し、これを1時間ごとに取り出して
その重量を測定することにより、アルカリ水に対する凝
結遅延剤の溶出量を求めた。なお、比較のために通常の
水についても同様の実験を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】 同表でわかるように、アルカリ水に対しては、一定量の
溶出が観察されたが、通常の水に対してはほとんど溶出
が見られなかった。このことから、本実施形態のアルカ
リ分解性凝結遅延剤は、散水、雨水、ブリージング水等
に接したとしても、ほとんど溶出しないと考えられる。
【0044】次の実験として、上述したと同様のアルカ
リ分解性凝結遅延剤で形成した洗出しシートを9cm角
に切り、これを図3に示す断面60cm、高さ180c
mの供試体の型枠内面に底面並びに底面から45cm、
90cm、135cm、175cmの高さ位置の計5カ
所にそれぞれ貼り付け、該型枠内にコンクリートを打設
して養生期間をおいた後、脱型して圧力水で洗い出し、
そのときの洗出し深さを測定した。
【0045】なお、多糖類とリグニンを主成分とする市
販の水溶性凝結遅延剤を用いて同様に実験を行い、本実
施形態のアルカリ分解性凝結遅延剤の結果と比較した。
【0046】表2は、実験に使用した凝結遅延剤の塗布
量をまとめたものである。
【0047】
【表2】 図4は、洗出し深さと設置高さとの関係を示したグラフ
である。同図でわかるように、本実施形態に係るアルカ
リ分解性凝結遅延剤の場合、鉛直面の洗出し深さは、ど
の高さでもほぼ同等で2mm前後であった。かかる結果
から、本実施形態のアルカリ分解性凝結遅延剤は、ブリ
ージング水に溶けて流出することはないと考えられる。
【0048】以上説明したように、本実施形態に係るコ
ンクリート打継面の処理剤及び処理方法によれば、水溶
性凝結遅延剤の欠点であるブリージング水等への流出を
アルカリ分解性凝結遅延剤の併用によって防止しつつ、
それらの混合割合若しくは混合量を調整することによ
り、3mm〜50mm程度までの範囲で所望の洗出し深
さを得ることができる。
【0049】そのため、骨材粒径が例えば40mm程度
のコンクリートであっても十分な深さまで洗い出すこと
が可能となり、打継面が構造上あるいは水密上の欠陥と
なるおそれがなくなる。
【0050】本実施形態では、本発明を鉛直打継面に適
用したが、水平打継面に適用してもよいことは言うまで
もない。かかる場合には、図5(a)に示すようにフレッ
シュコンクリート5の上面(天端)に処理剤1を静置す
るようにすればよい。
【0051】このような構成においても、アルカリ分解
性凝結遅延剤は、ブリージング水等に対する水溶性凝結
遅延剤の流出を抑制しながら、図5(b)に示すようにフ
レッシュコンクリートのアルカリ水によって加水分解し
てコンクリート中に溶出するとともに、水溶性凝結遅延
剤もコンクリート中に溶出し、かくして、養生期間中、
各凝結遅延剤の混合割合あるいは混合量に応じた深さま
でコンクリートの硬化を遅延させる。その後は、同図
(c)に示すようにコンクリート面に残った補強シート2
を取り外してコンクリート打継面を露出させ、次いで、
該打継面を同図(d)に示すように高圧水等で洗い出し、
打継面表層に形成されたレイタンスを除去する。そし
て、かかる打継面の上方に新コンクリートを打設し、新
旧コンクリートの一体化を図る。なお、凝結遅延材の比
重を1以上に調整しておけば、たとえブリージング水に
溶出したとしても該ブリージング水内で沈降してコンク
リート表面に付着しやすくなる。
【0052】また、本実施形態では、洗出しを高圧水で
行うようにしたが、これに代えてブラシ等で行ってもよ
い。
【0053】また、本実施形態では、スチレン系のモノ
マーを用いてアルカリ分解性凝結遅延剤を構成したが、
これに代えてあるいはこれに加えて、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アルキ
ルアクリレート、ヒドリキシエチルアクリレートやこれ
らのメタアクリレートなどを重合モノマーとして使用し
てもよい。
【0054】また、本実施形態では、水溶性凝結遅延剤
及びアルカリ分解性凝結遅延剤を混合したものをシート
状に加工形成し、該シートを補強シートに貼り付けて処
理剤を構成したが、かかる構成に代えて、水溶性凝結遅
延剤及びアルカリ分解性凝結遅延剤を補強シートに含浸
するようにしてもよい。
【0055】また、本実施形態では、処理剤をシート状
に形成して使用したが、本発明の処理剤及び処理方法は
かかる使用態様に限定されるものではなく、例えば、水
溶性凝結遅延剤及びアルカリ分解性凝結遅延剤を液状に
混合して処理剤とし、該処理剤を型枠内面やコンクリー
ト上面に塗布、噴霧若しくは散布する、又は泡状の混合
液を型枠内面やコンクリート上面に吹き付けるようにし
てもよい。また、混合した処理剤を粉体状にして型枠内
面に接着する、あるいはかかる粉体状の処理剤に砂に混
ぜたり、砂に被覆した状態で型枠内面に接着する等の方
法をとってもよい。
【0056】かかる構成においても上述したと同様の効
果を奏することができるほか、砂に被覆する方法におい
ては、処理剤とコンクリートとの接触面積は、砂粒子の
表面積を合計したものとなり、かくしてコンクリートの
硬化を効率的に抑制することが可能となる。なお、液状
で使用する場合には、モノマーの架橋反応を省略しても
よい。
【0057】また、本実施形態では、水溶性凝結遅延剤
及びアルカリ分解性凝結遅延剤を混合するようにした
が、これに代えて、図6(a)に示すように補強シート2
の上に上述したと同様の水溶性凝結遅延剤12を積層
し、該遅延剤の上に上述したと同様のアルカリ分解性凝
結遅延剤13を積層してシート状の処理剤11を構成し
てもよい。
【0058】水溶性凝結遅延剤12及びアルカリ分解性
凝結遅延剤13の厚みと所望の洗出し深さについては、
上述の混合割合若しくは混合量と同様、様々な厚みの水
溶性凝結遅延剤とアルカリ分解性凝結遅延剤を組み合わ
せて室内実験等を行い、そのときの洗出し深さを予め調
べておけばよい。
【0059】かかる構成においては、同図に示すよう
に、アルカリ分解性凝結遅延剤13がコンクリートに接
する側となるように処理剤11を型枠4の内面に貼り付
け、しかる後に図6(b)に示すようにコンクリート5を
打設する。
【0060】このようにすると、水に対して不溶性若し
くは難溶性であるアルカリ分解性凝結遅延剤13は、ブ
リージング水、散水、雨水等に接してもそれらに溶出せ
ず、水溶性凝結遅延剤12もアルカリ分解性凝結遅延剤
13に被覆された状態が維持され、ブリージング水等に
流出しない。
【0061】一方、打設されたフレッシュコンクリート
に接すると、図7(a)に示すように該コンクリートのア
ルカリ水によってアルカリ分解性凝結遅延剤13が加水
分解してコンクリート5中に溶出し、引き続いて水溶性
凝結遅延剤12も図7(b)に示すようにコンクリート5
に露出して溶出する。そして、各凝結遅延剤12、13
の厚みの比率あるいは厚みに応じた深さまでコンクリー
トの硬化を遅延させる。
【0062】かかる積層タイプによっても、水溶性凝結
遅延剤の欠点であるブリージング水等への流出をアルカ
リ分解性凝結遅延剤の併用によって防止しつつ、それら
の厚み比率若しくは各厚みを調整することにより、3m
m〜50mm程度までの範囲で所望の洗出し深さを得る
ことができるほか、打設してから数時間経過するまで
は、アルカリ分解性凝結遅延剤によって水溶性凝結遅延
剤の溶出がほぼ完全に阻止される。そのため、水溶性凝
結遅延剤がブリージング水に接して流出するおそれがき
わめて少なくなるという別の効果も奏する。
【0063】
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るコンク
リート打継面の処理剤は請求項1に記載したように、リ
グニンスルホン酸、オキシカルボン酸、グルコン酸ナト
リウム等の水溶性凝結遅延剤及び水に対して難溶性若し
くは不溶性でありかつアルカリ環境下で加水分解し該分
解生成物がコンクリートの硬化を遅延させるアルカリ分
解性凝結遅延剤を互いに積層して構成したので、ブリー
ジング水、散水、雨水等の影響を受けることなく、現場
においてコンクリート打継面を確実に洗い出すことが可
能となる。
【0065】
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るコンクリート打継面の処理剤
及び処理方法の作業手順を示した鉛直断面図であり、
(a)は該処理剤を型枠の内面に貼り付ける様子を示した
図、(b)はコンクリートを打設した様子を示した図。
【図2】引き続き本実施形態に係る処理方法の作業手順
を示した図であり、(a)は各凝結遅延剤がコンクリート
中に溶出している様子を示した図、(b)は打継面を洗い
出した様子を示した図。
【図3】本実施形態に係るアルカリ分解性凝結遅延剤の
性能確認実験に用いた供試体の斜視図。
【図4】洗出し深さと設置高さとの関係を示したグラ
フ。
【図5】本実施形態に係る処理方法の変形例を示した断
面図であり、(a)は本実施形態の処理剤をコンクリート
上面に静置した様子を示した図、(b)は各凝結遅延剤が
コンクリート中に溶出している様子を示した図、(c)は
補強シートを取り外している様子を示した図、(d)は打
継面を洗い出した様子を示した図。
【図6】本実施形態に係る処理剤及び処理方法の変形例
を示した断面図であり、(a)は変形例に係る処理剤を型
枠の内面に貼り付ける様子を示した図、(b)はコンクリ
ートを打設した様子を示した図。
【図7】引き続き変形例に係る処理方法の作業手順を示
した図であり、(a)はアルカリ分解性凝結遅延剤がコン
クリート中に溶出している様子を示した図、(b)は引き
続いて水溶性凝結遅延剤がコンクリート中に溶出してい
る様子を示した図、(c)は打継面を洗い出した様子を示
した図。
【符号の説明】
1、11 処理剤 3 両凝結遅延剤を混合してシート状に形
成したもの(処理剤) 4 型枠 5 コンクリート 12 水溶性凝結遅延剤 13 アルカリ分解性凝結遅延剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−61140(JP,A) 特開 平7−279413(JP,A) 特開 平10−53447(JP,A) 特開 平9−46802(JP,A) 特開 平10−36154(JP,A) 特開 平10−36155(JP,A) 特開 平10−53444(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 7/36 B28B 1/14 C04B 40/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグニンスルホン酸、オキシカルボン
    酸、グルコン酸ナトリウム等の水溶性凝結遅延剤及び水
    に対して難溶性若しくは不溶性でありかつアルカリ環境
    下で加水分解し該分解生成物がコンクリートの硬化を遅
    延させるアルカリ分解性凝結遅延剤を互いに積層してな
    ることを特徴とするコンクリート打継面の処理剤。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ分解性凝結遅延剤は、グリ
    コールと二塩基酸とを主成分とし、重量平均分子量が3
    00乃至25000の不飽和ポリエステルである請求項
    1記載のコンクリート打継面の処理剤。
  3. 【請求項3】 前記不飽和ポリエステルを所定のモノマ
    ーで架橋した請求項2記載のコンクリート打継面の処理
    剤。
  4. 【請求項4】 前記モノマーをスチレン系モノマーと
    し、その添加量を前記不飽和ポリエステル100重量部
    に対して1乃至50重量部とした請求項3記載のコンク
    リート打継面の処理剤。
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