JPH1059787A - コンクリート表面の骨材あらわし仕上げ方法 - Google Patents

コンクリート表面の骨材あらわし仕上げ方法

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JPH1059787A
JPH1059787A JP23262596A JP23262596A JPH1059787A JP H1059787 A JPH1059787 A JP H1059787A JP 23262596 A JP23262596 A JP 23262596A JP 23262596 A JP23262596 A JP 23262596A JP H1059787 A JPH1059787 A JP H1059787A
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water
aggregate
concrete surface
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JP23262596A
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Hiroyuki Kawashima
宏幸 川島
Takayoshi Hirata
隆祥 平田
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Obayashi Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/20Retarders
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Abstract

(57)【要約】 【課題】現場において雨水、散水、ブリージング水等の
影響を受けることなく、コンクリート表面を正確かつ鮮
明に洗い出す。 【解決手段】本発明に係るコンクリート表面の骨材あら
わし仕上げ方法は、水に対して難溶性若しくは不溶性で
ありかつアルカリ環境下で加水分解し該分解生成物がコ
ンクリートの硬化を遅延させる凝結遅延剤を型枠内面の
所定領域に貼り付け(ステップ101)、該型枠内にコ
ンクリートを打設して養生した後(ステップ102)、
前記型枠を脱型し(ステップ103)、最後に前記所定
領域に対応するコンクリート表面を洗い出す(ステップ
104)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート表面
の骨材あらわし仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路の橋脚、防音壁といった土木構
造物は、以前はもっぱら強度や耐久性あるいは機能面を
重視して設計施工されることが多かったが、最近では、
市街地の景観の一部をなすという観点からデザイン的な
要素も要求されるようになり、これに対応してコンクリ
ート表面にさまざまな工夫が施されるようになってき
た。
【0003】例えばコンクリート構造物の表面を単なる
打放し仕上げとせずに樹脂系の塗料で塗装して光沢をつ
けたり、ステンレスなどの金属板やガラスなどで表面を
覆うことによってコンクリートが人に与えがちな重苦し
さや圧迫感を低減したり、あるいはコンクリート表面に
模様を付けたりといった試みがなされている。
【0004】このようなコンクリート表面の仕上げ方法
の一つとして、コンクリート表面のモルタルを除去して
内部の骨材を一様に露出させるいわゆる骨材あらわし仕
上げがある。かかる骨材あらわし仕上げは、打放し仕上
げと比べてコンクリートの明度を下げたり汚れを目立た
なくするという利点があるとともに、打放し仕上げと組
み合わせることによってコンクリートの表面に模様を形
成することもできる。
【0005】骨材あらわし仕上げによってコンクリート
表面に模様を形成する方法としては、コンクリート表面
のモルタルを所望の領域にわたって工具で除去する方法
(チッピング)や、テンプレートを置いた状態で砂を吹
き付けてモルタルを除去する方法(サンドブラスト)、
あるいはコンクリートの硬化時間を遅らせる凝結遅延剤
を予め型枠内面の所望の領域に塗布しておき、型枠内に
コンクリートを打設して一定期間養生した後、型枠を脱
型して凝結遅延剤を塗布した部分を圧力水で洗い出す方
法があるが、チッピングによる方法では、模様のエッジ
部分を鮮明に仕上げることが困難であり、サンドブラス
トによる方法では、模様を鮮明に仕上げることはできて
も施工性や経済性に難点があることから、凝結遅延剤を
用いた方法が一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる凝結遅延剤は、
一般的には、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸
塩、ケイフッ化物系などの塩を主成分にしたものや糖類
が多く使用されるが、これらの凝結遅延剤を塗布した部
分に雨水やブリージング水あるいは養生用の散水が流れ
込むと、凝結遅延剤が雨水等で流出して洗出し面積や洗
出し深さが不均一になったり、予定外の部分が洗い出さ
れたりといった事態が生じ、正確な洗出しを現場で行う
のは困難であるという問題を生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、散水、雨水、ブリージング水等の影響を受け
ることなく、現場においてコンクリート表面を正確かつ
鮮明に洗い出すことが可能な骨材あらわし仕上げ方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るコンクリート表面の骨材あらわし仕上
げ方法は請求項1に記載したように、水に対して難溶性
若しくは不溶性でありかつアルカリ環境下で加水分解し
該分解生成物がコンクリートの硬化を遅延させる凝結遅
延剤を型枠内面の所定領域に固着し、該型枠内にコンク
リートを打設して養生した後、前記型枠を脱型して前記
所定領域に対応するコンクリート表面を洗い出すもので
ある。
【0009】また、本発明に係るコンクリート表面の骨
材あらわし仕上げ方法は請求項2に記載したように、水
に対して難溶性若しくは不溶性でありかつアルカリ環境
下で加水分解し該分解生成物がコンクリートの硬化を遅
延させる凝結遅延剤をコンクリート上面の所定領域に配
置し、該コンクリートの養生期間経過後、前記所定領域
を洗い出すものである。
【0010】また、本発明に係るコンクリート表面の骨
材あらわし仕上げ方法は、前記凝結遅延剤を、グリコー
ルと二塩基酸とを主成分とした重量平均分子量が300
乃至25000の不飽和ポリエステルで構成したもので
ある。
【0011】また、本発明に係るコンクリート表面の骨
材あらわし仕上げ方法は、前記不飽和ポリエステルを所
定のモノマーで架橋したものである。
【0012】また、本発明に係るコンクリート表面の骨
材あらわし仕上げ方法は、前記モノマーをスチレン系モ
ノマーとし、その添加量を前記不飽和ポリエステル10
0重量部に対して1乃至50重量部としたものである。
【0013】本発明に係るコンクリート表面の骨材あら
わし仕上げ方法においては、型枠内面に予め固着され
た、あるいはコンクリート表面に配置された凝結遅延剤
は、散水、雨水、ブリージング水等に接してもそれらに
溶解して流出することはない。一方、打設されたフレッ
シュコンクリートに接すると、該コンクリートのアルカ
リ水によって加水分解し、その分解生成物がコンクリー
トの硬化を遅延させる。
【0014】すなわち、コンクリートの硬化が遅延する
範囲は、凝結遅延剤が固着あるいは配置された領域に限
定され、該遅延剤が固着あるいは配置されなかった範囲
では、コンクリートの硬化は遅延しない。したがって、
凝結遅延剤を固着あるいは配置した領域だけを正確に洗
い出すことができる。
【0015】ここで、凝結遅延剤としては、水に対して
難溶性若しくは不溶性でありかつアルカリ環境下で加水
分解し該分解生成物がコンクリートの硬化を遅延させる
凝結遅延剤であればよく、例えば、グリコールと二塩基
酸とを主成分とした重量平均分子量が300乃至250
00の不飽和ポリエステルを用いることができる。
【0016】また、前記不飽和ポリエステルを所定のモ
ノマーで架橋した場合、硬化させたときの強度特性を向
上させるとともに、雨水等に対する耐水性を改善するこ
とができる。
【0017】また、前記モノマーをスチレン系モノマー
とし、その添加量を前記不飽和ポリエステル100重量
部に対して1乃至50重量部とした場合、上述の強度特
性や耐水性をさらに改善することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンクリート
表面の骨材あらわし仕上げ方法の実施の形態について、
添付図面を参照して説明する。
【0019】図1は、本実施形態に係るコンクリート表
面の骨材あらわし仕上げ方法の手順を示したフローチャ
ートである。同図でわかるように、本実施形態に係る骨
材あらわし仕上げ方法においては、まず、図2(a)に示
すように凝結遅延剤としての洗出しシート3を接着等の
方法で型枠1の内面2に貼り付ける(ステップ10
1)。
【0020】洗出しシート3は、グリコールと二塩基酸
とを主成分とした不飽和ポリエステルをスチレン系モノ
マーで架橋した凝結遅延剤をシート状に硬化形成し、か
かるシートを所望の形状に切り抜いて使用するのがよ
い。
【0021】ここで、グリコールは、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどの2価のアルコール若し
くはそれらのポリマーであるポリオキシアルキレングリ
コールを主成分とするものがよい。
【0022】不飽和ポリエステルは、その重量平均分子
量が300以下になると、凝結遅延剤としての凝結遅延
効果が低下し、25000以上になると、溶融粘度の上
昇により、スチレン系モノマーの添加混合作業が難しく
なるという不都合を生じる。したがって、不飽和ポリエ
ステルの重量平均分子量としては、300乃至2500
0とするのがよい。
【0023】スチレン系モノマーは、多くの場合油状で
ある不飽和ポリエステルを硬化させるための架橋成分と
して添加されるものであり、不飽和ポリエステルの樹脂
としての機械特性を向上させるとともに、遅延剤として
の耐水性の制御を目的に添加するものである。
【0024】スチレン系モノマーは、その添加量が不飽
和ポリエステル100重量部に対して1重量部以下にな
ると、不飽和ポリエステルの機械特性および耐水性の改
善が不十分となり、50重量部以上になると、凝結遅延
効果が不足するという不都合を生じる。したがって、ス
チレン系モノマーの添加量としては、不飽和ポリエステ
ル100重量部に対して1乃至50重量部とするのがよ
い。
【0025】なお、不飽和ポリエステル樹脂の硬化は、
有機過酸化物などのラジカル開始剤により、スチレンを
重合させると同時に不飽和ポリエステルと架橋させるこ
とによって行われ、常温でも硬化は可能であるが、1時
間程度以内の短時間で硬化させるためには、60乃至2
00゜C程度の温度条件で行えばよく、さらに架橋を促
進させるために、コバルトの有機酸塩などの硬化促進剤
を併用することができる。
【0026】次に、型枠1内にコンクリートを打設し、
所定期間養生する(ステップ102)。
【0027】養生中においては、凝結遅延剤である洗出
しシート3は、養生のための散水、雨水、ブリージング
水等に接してもそれらに溶解して流出することはない。
一方、打設されたフレッシュコンクリートに接すると、
該コンクリートのアルカリ水によって加水分解し、その
分解生成物がコンクリートの硬化を遅延させる。
【0028】すなわち、不飽和ポリエステル樹脂がコン
クリートのアルカリ水で加水分解されてポリエステルオ
リゴマーさらにはグリコールと二塩基酸が生成され、こ
れらが総じてセメントの水和反応を抑制する。また、加
水分解によって生じた分解生成物がセメント粒子の表面
に吸着されることにより、セメントの水和反応を抑制す
る効果が、例えば材齢28日の長期材齢でも維持され
る。
【0029】コンクリートの養生期間が経過したなら
ば、型枠1を脱型し(ステップ103)、引き続いて洗
出しシート3を貼り付けた領域を高圧水で洗い出す(ス
テップ104)。
【0030】このようにすると、洗出しシート3を貼り
付けた領域が洗い出されて骨材が露出し、かかる骨材露
出部分は、図2(b)に示すように、模様4となってコン
クリート表面に形成されることとなるが、洗出しシート
3は、養生のための散水、雨水、ブリージング水等に接
してもそれらに溶解して流出することがないので、洗出
しシート3を貼り付けた領域は、該シートの形状通りに
鮮明かつ正確に洗い出される。
【0031】次に、上述した凝結遅延剤の性能確認実験
をいくつか行ったので、その概略を述べる。
【0032】まず、最初の実験として、重量平均分子量
が2000の不飽和ポリエステルにこの不飽和ポリエス
テル100重量部に対して5重量部のスチレン系モノマ
ーを添加した凝結遅延剤50mgを、pHが13のアル
カリ水に室温で浸漬し、これを1時間ごとに取り出して
その重量を測定することにより、アルカリ水に対する凝
結遅延剤の溶出量を求めた。なお、比較のために通常の
水についても同様の実験を行った。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 同表でわかるように、アルカリ水に対しては、一定量の
溶出が観察されたが、通常の水に対しては、ほとんど溶
出が見られなかった。このことから、本実施形態の凝結
遅延剤は、散水、雨水、ブリージング水等に接したとし
ても、ほとんど溶出しないと考えられる。
【0034】次の実験として、同様の凝結遅延剤を9c
m角に切り、これを鉛直に設置した型枠面に貼り付けて
コンクリートを打設し、所定期間養生後、洗出しを行っ
て洗出し面積および洗出し深さを測定した。なお、比較
のために多糖類とリグニンとを主成分とした市販の凝結
遅延剤(洗出し深さが2mm用(A)、4mm用(B)、6
mm用(C)の3種類)についても同様の実験を行った。
結果を表2、表3に示す。
【0035】
【表2】 表2でわかるように、本実施形態の凝結遅延剤では、洗
い出そうとした面積(9cm×9cm=81cm2)とほぼ同じ大き
さで洗い出すことができたのに対し、市販の凝結遅延剤
では、洗い出そうとした面積よりも大きな範囲で洗い出
されていることがわかる。このことから、本実施形態の
凝結遅延剤は、従来の凝結遅延剤よりも精度よく洗い出
すことができると考えられる。
【0036】
【表3】 また、表3でわかるように、本実施形態の凝結遅延剤で
は、材齢が長くなっても、洗出し深さがほとんど変わら
ず、材齢28日においても十分な洗出しができたのに対
し、市販の凝結遅延剤では、材齢の日数が長くなるに従
って洗出し深さが非常に浅くなり、十分な洗出しができ
なかった。これは、本実施形態の凝結遅延剤では、不飽
和ポリエステル樹脂がコンクリートの有するアルカリ分
で加水分解され、グリコール成分と二塩基酸成分あるい
はそれらのオリゴマーが生成され、それらが総合してセ
メントの水和反応を抑制し、結果として、コンクリート
の硬化を阻害したものと考えられる。さらに、不飽和ポ
リエステル樹脂のモノマー、オリゴマーからなる加水分
解生成物がセメント粒子の表面に吸着されることによ
り、セメントの水和反応を抑制する効果が長く維持さ
れ、例えば材齢28日の長期材齢でも十分に洗い出すこ
とができたものと推測される。
【0037】次の実験として、上述したと同様の凝結遅
延剤で形成した洗出しシートを9cm角に切り、これを
図3に示す断面60cm、高さ180cmの供試体の型
枠内面に底面並びに底面から45cm、90cm、13
5cm、175cmの高さ位置の計5カ所にそれぞれ貼
り付け、該型枠内にコンクリートを打設して養生期間を
おいた後、脱型して圧力水で洗い出し、そのときの洗出
し深さと洗出し面積を測定した。
【0038】なお、多糖類とリグニンを主成分とする市
販の洗出し紙を用いて同様に実験を行い、本実施形態に
係る洗出しシートの結果と比較した。
【0039】表4は、実験に使用した市販の洗出し紙お
よび本実施形態の洗出しシートの塗布量をまとめたもの
である。
【0040】
【表4】 図4(a)は、洗出し深さと設置高さとの関係を示したグ
ラフであり、同図でわかるように、本実施形態に係る洗
出しシートの場合、鉛直面の洗出し深さは、どの高さで
もほぼ同等で2mm前後であった。かかる結果から、本
実施形態の洗出しシートは、ブリージングが生じても凝
結遅延成分は流失しにくく、壁面において均一な洗出し
深さが得られるものと思われる。
【0041】図4(b)は、塗布量と洗出し面積との関係
を示したグラフである。なお、洗出し面積については、
5カ所の平均とした。
【0042】同図でわかるように、市販の洗出し紙の場
合、塗布量が増加するにつれて値のばらつきが増大し、
洗出し面積が増加したが、本実施形態に係る洗出しシー
トの場合、塗布量の増加に伴って洗出し面積も若干増加
するものの、洗出し面積のばらつきは少なかった。かか
る結果から、本実施形態の洗出しシートは、市販の洗出
し紙よりも正確に洗い出すことができると考えられる。
【0043】以上説明したように、本実施形態に係るコ
ンクリート表面の骨材あらわし仕上げ方法によれば、グ
リコールと二塩基酸とを主成分とした不飽和ポリエステ
ルをスチレン系モノマーで架橋した凝結遅延剤としての
洗出しシートは、散水、雨水、ブリージング水等に接し
てもそれらに溶出せず、アルカリ環境下でのみ加水分解
して分解生成物を生成し、該分解生成物がセメントの水
和反応を長期間抑制する。
【0044】そのため、セメントの水和反応が抑制され
る範囲は、洗出しシートを貼り付けた領域に限定され、
かくして、高圧水で洗い出す際、洗出しシートを貼り付
けた領域だけを精度よく洗い出すことが可能となる。
【0045】したがって、本実施形態の洗出しシートを
所望の文字や図形あるいは模様の形状に切り抜き、これ
を型枠内面に貼り付けてからコンクリートを打設し、養
生後に高圧水で洗い出すようにすれば、現場での降雨や
養生用の散水あるいはブリージング水等に影響を受ける
ことなく、上述の文字や図形あるいは模様を正確かつ鮮
明にコンクリート表面に形成することが可能となる。し
かも、かかる作業は、従来のチッピングやサンドブラス
ト等の方法に比べて短時間かつ容易に行うことができる
ので、大規模な土木構造物にも十分に適用することがで
きる。
【0046】本実施形態では、スチレン系のモノマーを
用いたが、これに代えてあるいはこれに加えて、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、アルキルアクリレート、ヒドリキシエチルアクリレ
ートやこれらのメタアクリレートなどを重合モノマーと
して使用してもよい。
【0047】また、本実施形態では、洗出しを高圧水で
行うようにしたが、これに代えてブラシ等で行ってもよ
い。
【0048】また、本実施形態では、凝結遅延剤をシー
ト状に形成して使用したが、本発明の骨材あらわし仕上
げ方法は、かかる使用態様に限定されるものではなく、
例えば、液状の凝結遅延剤を型枠内面に塗布、噴霧若し
くは散布する、泡状の凝結遅延剤を型枠内面に吹き付け
る、粉体状の凝結遅延剤を型枠内面に接着する、あるい
は砂に混ぜたあるいは砂に被覆した状態で型枠内面に接
着する等の方法をとってもよい。
【0049】かかる構成においても上述したと同様の効
果を奏することができるほか、砂に被覆する方法におい
ては、凝結遅延剤とコンクリートとの接触面積は、砂粒
子の表面積を合計したものとなり、かくしてコンクリー
トの硬化を効率的に抑制することが可能となる。なお、
液状で使用する場合には、モノマーの架橋反応を省略し
てもよい。
【0050】また、本実施形態では、凝結遅延剤を型枠
内面に固着するようにしたが、該凝結遅延剤をフレッシ
ュコンクリートの上面(天端)に配置するようにしても
よい。例えば、洗出しシートとして使用するのであれ
ば、これをコンクリート表面に静置するようにしてもよ
いし、溶液として使用するのであればこれをコンクリー
ト表面に散布するようにしてもよい。
【0051】また、本実施形態では、打放し等の通常の
仕上げと組み合わせることによってコンクリート表面に
模様等を形成する場合を説明したが、必ずしも通常の仕
上げと組み合わせて模様等を形成する必要はなく、壁面
すべてを洗い出すようにしてもよいことは言うまでもな
い。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るコンク
リート表面の骨材あらわし仕上げ方法は、水に対して難
溶性若しくは不溶性でありかつアルカリ環境下で加水分
解し該分解生成物がコンクリートの硬化を遅延させる凝
結遅延剤を型枠内面の所定領域に固着し、該型枠内にコ
ンクリートを打設して養生した後、前記型枠を脱型して
前記所定領域に対応するコンクリート表面を洗い出すよ
うにしたので、現場において雨水、散水、ブリージング
水等の影響を受けることなく、コンクリート表面を正確
かつ鮮明に洗い出すことができる。
【0053】また、本発明に係るコンクリート表面の骨
材あらわし仕上げ方法は、水に対して難溶性若しくは不
溶性でありかつアルカリ環境下で加水分解し該分解生成
物がコンクリートの硬化を遅延させる凝結遅延剤をコン
クリート上面の所定領域に配置し、該コンクリートの養
生期間経過後、前記所定領域を洗い出すようにしたの
で、現場において雨水、散水、ブリージング水等の影響
を受けることなく、コンクリート表面を正確かつ鮮明に
洗い出すことができる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るコンクリート表面の骨材あら
わし仕上げ方法の手順を示したフローチャート。
【図2】同じく本実施形態に係る骨材あらわし仕上げ方
法における作業の様子を示した斜視図であり、(a)は、
建て込まれた型枠の内面に文字の形をかたどった洗出し
シートを貼り付けた様子を示したもの、(b)はかかる型
枠内にコンクリートを打設して所定の養生期間が経過し
た後、シートを貼り付けた領域を高圧水で洗い出した様
子を示したもの。
【図3】本実施形態で使用する洗出しシートの性能確認
実験に用いた供試体の斜視図。
【図4】洗出しシートの性能確認実験の結果を示したグ
ラフであり、(a)は洗出し深さと設置高さとの関係、(b)
は塗布量と洗出し面積との関係をそれぞれ示したもの。
【符号の説明】
1 型枠 3 洗出しシート(凝結遅延剤)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対して難溶性若しくは不溶性であり
    かつアルカリ環境下で加水分解し該分解生成物がコンク
    リートの硬化を遅延させる凝結遅延剤を型枠内面の所定
    領域に固着し、該型枠内にコンクリートを打設して養生
    した後、前記型枠を脱型して前記所定領域に対応するコ
    ンクリート表面を洗い出すことを特徴とするコンクリー
    ト表面の骨材あらわし仕上げ方法。
  2. 【請求項2】 水に対して難溶性若しくは不溶性であり
    かつアルカリ環境下で加水分解し該分解生成物がコンク
    リートの硬化を遅延させる凝結遅延剤をコンクリート上
    面の所定領域に配置し、該コンクリートの養生期間経過
    後、前記所定領域を洗い出すことを特徴とするコンクリ
    ート表面の骨材あらわし仕上げ方法。
  3. 【請求項3】 前記凝結遅延剤は、グリコールと二塩基
    酸とを主成分とし、重量平均分子量が300乃至250
    00の不飽和ポリエステルである請求項1若しくは請求
    項2記載のコンクリート表面の骨材あらわし仕上げ方
    法。
  4. 【請求項4】 前記不飽和ポリエステルを所定のモノマ
    ーで架橋した請求項3記載のコンクリート表面の骨材あ
    らわし仕上げ方法。
  5. 【請求項5】 前記モノマーをスチレン系モノマーと
    し、その添加量を前記不飽和ポリエステル100重量部
    に対して1乃至50重量部とした請求項4記載のコンク
    リート表面の骨材あらわし仕上げ方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014166625A1 (en) * 2013-04-09 2014-10-16 Nieuweboer Niels Pieter Gerard Method for manufacturing a variety of esthetic concrete surfaces using metal molds and a flexible sheet with at least one magnetic side
JP2019136953A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 大成建設株式会社 コンクリート部材の製造方法

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