JP2019216655A - 天然だしを使用した即席麺セットとその調理方法 - Google Patents

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【課題】だし汁の原材料に化学調味料・人工調味料を一切使わずに昆布と、鰹節及び/又は雑節のみを使用し、コンパクトで調理し易く、自然本来の風味の優れた濃厚なだし汁を簡単かつ短時間に抽出できる天然だしを使用した即席麺セットとその調理方法を提供する。【解決手段】天然だしを使用した即席麺セットは、透水性袋内に収納された昆布と、厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後に粉砕加工し目開き2.0mmのふるいを通過してなる鰹節及び/又は雑節と、からなる天然だしパックと、包装容器又は包装袋に収納された醤油と、みりんと、砂糖と、からなるスープ材と、乾燥状の麺と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、化学調味料・人工調味料を含まない天然だしパックを使用した即席麺セットと、即席麺の調理方法に関するものである。
2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたが、「和食」が世界の人たちから認められた事実と同時に、我が国においては、出汁(だし)を基本とした和食文化が消えていきつつあるという現実もある。簡単便利さと時間短縮重視の今日において、忙しい現代人は本格的な和食に接する機会が確実に減っている。時間短縮と簡易さを重視して製造される従来の即席麺には、化学調味料・人工調味料を含まない天然だしパックを使用したものはない。
従来の即席麺セットは、乾燥状の麺を入れた容器にお湯を注ぎ、液体もしくは粉末スープの素を入れ、所定時間後に賞味できるものである。この液体もしくは粉末スープの素になる原材料には、天然素材の「鰹節・雑節や昆布」由来の粉末やエキスの他に、化学的に造られたグルタミン酸(昆布の味)、イノシン酸(鰹節の味)、その他アミノ酸などの化学調味料(うまみ調味料ともいう)や、人工的に造られたたんぱく加水分解物、酵母エキスなどの人工調味料が多かれ少なかれ配合されている。例えば、特許文献1には、天然素材を加工して得られたダシ材料と、麺とスープ材料からなる即席麺セットが開示されているが、スープ材料には化学調味料が適量配合されている。
インスタント麺がこの世に登場してから半世紀以上たっている。構成するのは、シンプルに「スープ」と「麺」である。麺に関しては、健康志向の高まりから、ノンフライにしたり、小麦粉にかえて米(ライスヌードル)や緑豆(春雨)を使って低カロリーを目指したりと改良がなされてきている。一方、スープに関しては、依然として化学調味料、人工調味料を駆使して作られているものが多いが、従来、簡単に天然素材の風味を出すために、風味原料やだしパック等が開発されている(特許文献2〜6)。また、近年、切削形状の異なる鰹節から抽出しただしの品質比較の研究がなされている(非特許文献1)。
特開2002−17283号公報 特開2017−18047号公報 特開2012−143168号公報 特開2000−50834号公報 特開平8−23930号公報 特開昭57−194761号公報
堤 万穂、外3名、"切削形状の異なる鰹節から抽出しただしの品質比較"、[online]、平成29年8月31日−9月1日、一般社団法人日本調理科学会平成29年度大会[平成30年6月11日検索]、インターネット<URL https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/29/0/29_168/_article/-char/ja/>
従来の即席麺セットでは、前述の通り、時間短縮と簡易さを重視しているため、液体もしくは粉末スープの素になる原材料には、天然素材の「鰹節・雑節や昆布」由来の粉末やエキスの他に、化学調味料や人工調味料が適量配合されていて、天然素材の「鰹節・雑節や昆布」の配合量は制限されている。そのため、天然素材のみによって得られる「旨み」、「香り」に比べ、著しく劣っていた。また、便利さとの引き換えに、化学調味料や人工調味料の摂取による健康への不安も多かった。
また、特許文献2〜6では、天然素材の風味を出すために、風味原料を含むだしパック等が開発されているが、即席麺セットに使用する場合には、抽出に時間がかかることや、鰹節が嵩張り、コンパクトに収まらないという問題があった。通常、即席麺セットはインスタントラーメン等と同様に、利便性から一人前ずつ包装される。また、一人前の即席麺セットを調理する際には大きな鍋は必要とせず、コンパクトな小鍋で十分である。そのため、小鍋に充分納まるサイズのだしパック袋が望まれる。
本発明は、上記課題に鑑み、だし汁の原材料に化学調味料・人工調味料を一切使わずに昆布と、鰹節及び/又は雑節のみを使用し、コンパクトで調理し易く、自然本来の風味の優れた濃厚なだし汁を簡単かつ短時間に抽出できる天然だしを使用した即席麺セットとその調理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、透水性袋内に収納された昆布と、厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後に粉砕加工し目開き2.0mmのふるいを通過してなる鰹節及び/又は雑節と、からなる天然だしパックと、包装容器又は包装袋に収納された醤油と、みりんと、砂糖と、からなるスープ材と、乾燥状の麺と、を備えたことを特徴とする天然だしを使用した即席麺セットである。
請求項2に記載の発明は、容器に前記スープ材と、前記乾燥状の麺を入れる工程と、鍋に所定量の水を注ぎ、前記天然だしパックを投入し沸騰するまで加熱する工程と、前記鍋の水が沸騰後、所定時間加熱して前記天然だしパックから出汁を抽出する工程と、前記出汁を前記容器に注ぎ、容器に蓋をした後、所定時間放置する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の天然だしを使用した即席麺の調理方法である。
請求項3に記載の発明は、容器に前記スープ材を入れる工程と、鍋に所定量の水を注ぎ、前記天然だしパックを投入し沸騰するまで加熱する工程と、前記鍋の水が沸騰後、前記乾燥状の麺を入れ、所定時間加熱して前記麺を茹でながら前記天然だしパックから出汁を抽出する工程と、前記出汁と前記麺を前記容器に注ぐ工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の天然だしを使用した即席麺の調理方法である。
本発明によると、だし汁の原材料に化学調味料・人工調味料を一切使わずに、昆布と、鰹節及び/又は雑節のみを使用し、コンパクトで調理し易く、自然本来の風味の優れた濃厚なだし汁を簡単かつ短時間に抽出することができる。
本発明の天然だしを使用した即席麺の調理工程の一例を示すブロック図である。 本発明の天然だしを使用した即席麺の調理工程の他の例を示すブロック図である。
[即席麺セットの構成]
本発明の即席麺セットは、透水性袋内に収納された昆布と、厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後に粉砕加工し目開き2.0mmのふるいを通過してなる鰹節及び/又は雑節と、からなる天然だしパックと、包装容器又は包装袋に収納された醤油と、みりんと、砂糖と、からなるスープ材(以下、「返し」と記す)と、乾燥状の麺と、で構成されている。
上記の雑節とは、鰹節以外の宗田(そうだ)、鮪(まぐろ)、鯖(さば)、鰺(あじ)、鰯(いわし)などの節(ふし)を示す。本発明の天然だしは、昆布に加えてそれらを1つ又は複数組み合わせて鰹節と共に使用する場合や、昆布と鰹節のみを使用する場合、昆布と雑節のみを使用する場合などがある。本実施例では鰹節と雑節の両方を含むダシ材料を使用する。透水性袋とは、多孔質の紙、布、不織布などでできた袋であり、抽出液(だし汁)と抽出後のダシ材料(ダシがら)を分離しながらの抽出作業(ダシひき)を可能にした袋である。天然だしパックは、ダシ材料の酸化による劣化を防ぐためガスバリア性の優れた多層フィルムにて外包装される。
従来、だし汁の抽出方法には、加熱を全く行わずに水の中にダシ材料を浸漬する(水だし)方法(方法1)、鍋にダシ材料を直接投入して煮込んでからこし紙などで漉す方法(方法2)、だしパックを投入して煮込む方法(方法3)、ドリップ式コーヒーを調整する要領で熱湯を注ぐ方法(方法4)がある。本発明の即席麺には、麺を湯戻しするための沸騰しただし汁を必要とするため、方法1の水出しと方法4ドリップ式は適していない。本発明では、前述のだしパックを使用し、投入して煮込む方法(方法3)を採用する。それにより、漉す手間が省略でき、他の方法より簡単かつ迅速にだしを抽出することができる。
「返し」は、そば・うどん専門店で使われている合わせ調味料で、醤油、みりん、砂糖から作られている。そば・うどん汁は、この「返し」をだし汁で割って作られる。だしと返しを合わせる比率は、例えば温かいそばつゆの場合、かえし1に対し、だし汁9〜10程度である。
乾燥状の「麺」とは、熱湯等で湯戻しできる即席麺であれば、そば、うどん、にゅうめん等麺類であればなんでもよい。時間短縮のため、3〜4分程度で湯戻しできる麺が好ましい。
本発明は、厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後に粉砕加工し目開き2.0mmのふるいを通過してなる鰹節及び/又は雑節を使用するが、その根拠について説明する。だしパックに収容されたダシ材料の加工方法には、例えば以下の方法がある。
加工方法1、鰹節・雑節を直接微粉砕したもの
加工方法2、鰹節・雑節を厚片状に切削したもの
加工方法3、鰹節・雑節を厚片状に切削した後、粉砕加工したもの
加工方法4、鰹節・雑節を薄片状に切削したもの
加工方法5、鰹節・雑節を薄片状に切削した後、粉砕加工したもの
削りぶしのJAS規格(日本農林規格等に関する法律)では、厚さ0.2mm以下の片状に削ったものを「薄削り」、厚さ0.2mmを超える片状に削ったものを「厚削り」と定義している。従来、薄削りは短時間で香り豊かなだしが,厚削りはコクのある濃厚なだしが取れるなど,削り方によってだしの品質が異なることは定性的には明らかにされているが、品質差異に関する詳細な報告はほとんどなされていない。非特許文献1では、削り方の異なる鰹節から抽出しただしの理化学分析および官能評価を行い、その品質特性を明らかにしている。
加工方法1は、非特許文献1によると、「直接粉砕品から抽出しただし汁は、厚削りや薄削りから抽出しただし汁より、全ての成分の溶出量が多いが、その分いやな成分(酸味、苦み、雑味)の溶出量も多い」。一般に、直接粉砕品は粒度分布を小さくしていけば、短時間で効率よく抽出ができるが、味も劣化する。加工方法2について非特許文献1によると、「厚削りはコクのある濃厚なだし汁がとれるが、肉質香が強く感じられる」。また、一般に、切削断面が厚いため短時間で抽出するのに時間がかかる。
加工方法3は、粉砕した分だけ水と接する表面積が増えるので理論的には加工方法2よりも短時間でコクのある濃厚なだし汁が抽出できる。一般に、多くのだしパックにこの加工方法が用いられている。粉砕加工により粒度の小さなダシ材料が生成され抽出効率は良くなるが、厚削りを基に加工しているため、どんなに粉砕しても粒度の大きいダシ材料が残ってしまい、そのために加工方法2と同じ理由で抽出しきるのに時間がかかる。
加工方法4は、非特許文献1によると、「薄削りは短時間で香り豊かなだし汁が抽出できる」。しかし薄削りは体積が大きくかさばるため、だしパック袋が大きくなってしまうのが欠点である。加工方法5は、粉砕した分だけ水と接する表面積が増えるので理論的には加工方法4よりも短時間で香り豊かなだし汁が抽出できる。しかしその従来の方法は、厚さ0.05mm以下の薄削りを5mm前後の大きさに破砕するだけのものであってそれ以上に粉砕するものではなかった。
実際に、本発明では薄削りを従来にない粒度に粉砕加工してだし汁を抽出してみた(下記の試料4と5)。従来にない粒度にするために、鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後、粉砕加工し目開き1.0mmと0.7mmのふるいを通過させた。また、比較例として厚削りをベースに粉砕した粒度分布の異なる下記の試料1〜3に対しても、同じ条件で実際にダシを抽出した。具体的には、各試料50gのだしパックを、水2000cc(2.5%)に投入し、沸騰してから5分間中火で加熱した。抽出しただしの旨み、香り、生臭さ、酸味、苦み、各項目について5名により官能試験を行い比較評価した。結果を[表1]に示す。
・試料1
鰹節を厚さ1.2mm前後に切削後(厚削り)、粉砕加工(メッシュ開口2.0mm)
・試料2
鰹節を厚さ0.6mm前後に切削後(厚削り)、粉砕加工(メッシュ開口2.0mm)
・試料3
鰹節を厚さ0.2mm前後に切削後(厚削り)、粉砕加工(メッシュ開口1.0mm)
・試料4
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口1.0mm)
・試料5
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口0.7mm)
「旨み」「香り」について、試料1から5までで差が認められる。一次加工が薄削りである試料4、5から、鰹節本来の風味を損なうことなく上質な旨みたっぷりのだし汁を、限られた時間内において得ることができた。これは、抽出速度の違いからくるものであり、試料1〜3については、さらに時間をかけて煮込めば良い結果が得られると推測される。
上記の結果から、本発明の即席麺には、加工方法5を基本とした「鰹節を厚さ0.05mm以下の薄片状に切削した(一次加工)後、粉砕加工した(二次加工)もの」が最適であることがわかった。
また、本発明の即席麺セットは、前述どおり、小鍋に充分納まるサイズのだしパック袋を提供することをもう一つの目的としている。一方、体積が大きくかさばる薄削りは、だしパック袋を大きくしてしまうという欠点があった。小鍋の大きさを無視しただしパック袋の設計は、ダシひきの作業に不具合を生じさせる。単純に、使用する鍋を大きいサイズに指定すれば解決する問題ではあるが、例えば一人前の調理をする側にとっては、不便である。また、だしパックを製造する側にとっても使用する資材の面積が増え、コストアップにつながる。製造時の作業性の悪さを無視して、無理矢理ダシ材料を袋に詰め込めたとしても、袋の中でダシ材料が泳げないことが原因で、抽出効率が下がる。よって、だしパックの袋サイズのコンパクト化は必須である。
想定される鍋の条件として、一般的な一人用鍋のサイズは直径15cm(0.6リットル仕様)前後程度である。このとき、だしパック袋のサイズは11×11cm以下にしなければならない(15/√2)。そこで実際に、粉砕加工方法の異なる形態(下記のイ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト)を11×11cmサイズのだしパックに実際に収容し、その製造時の作業性を検証した。各試料15gのだしパックを、水600cc(2.5%)に投入し、沸騰してから5分間中火で加熱した。抽出しただしの旨み、香り、生臭さ、酸味、苦み、各項目について5名により官能試験を行い比較評価した。結果を[表2]に示す。
・形態イ
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削(薄削り)しただけ
・形態ロ
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口5.0mm)
・形態ハ
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口4.0mm)
・試料ニ
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口3.0mm)
・試料ホ
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口2.0mm)
・試料ヘ
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口1.0mm)
・試料ト
鰹節を厚さ0.05mm以下に切削後(薄削り)、粉砕加工(メッシュ開口0.7mm)
だし汁の品質は、イを除いてどれも良好である。その違いは、粉砕加工をしているか否かの違いである。形態イ、ロ、ハ、ニは、体積が大きくかさばり袋の中で窮屈な状態で収容され、製造時の作業性は悪くなる。そのため、袋のサイズを大きくする必要が生じ、想定される一人用鍋での抽出作業(ダシひき)は不可能になる。形態ホ、ヘ、トは、製造時の作業性が良く、収容状態にとても余裕がありダシ材料は袋の中で泳ぐことができる。また、目標とする袋サイズに収まり想定される一人用鍋での抽出作業(ダシひき)が可能になる。
以上の結果から、本発明の即席麺には、一次加工の薄削りの厚みは従来技術通りの厚さ0.05mm以下、二次加工の粉砕後の粒度を従来技術にない粒度のメッシュ開口度2.0mm以下であることが最適であることがわかった。この二次加工する際の粒度分布に着目した本発明により、だしパック袋サイズが大きくなってしまう不便さを克服解決できた。
[即席麺セットの調理方法1]
次に、本発明の即席麺セットの調理方法を説明する。調理方法は2通りあるが、1つ目の方法1を、図1を参照して説明する。まず、どんぶり等の容器に「乾燥状の麺」と所定量の「返し」(スープ材)を入れておく(S11)。この工程はラーメン等の即席麺でも同様である。次に、調理用の鍋に所定量の水を注ぎ、「天然だしパック」を投入し、沸騰するまで加熱する(S12)。例えば、小鍋に水600ccと「天然だしパック」を入れ、強火にかける。本発明の「天然だしパック」はコンパクトであるため、一人用の小鍋にも投入でき、調理時間を短縮することができる。
鍋の水が沸騰後、さらに所定時間加熱して天然だしパックから出汁を抽出する(S13)。例えば、鍋の水が沸騰後、中火にして5分間煮出す。このように天然だしパックから出汁を抽出する工程(S12、S13)は、従来の即席麺の調理方法にない本発明の独特の工程である。その後、鍋からだしパックを取り出し、出汁を容器に注ぎ、容器に蓋をした後、所定時間放置する(S14)。例えば、出汁を容器に注いだ後、蓋をして4分程度放置する。蓋には、例えば食品用ラップフィルムが使用できる。
以上のようにして、簡単で本格的な麺が完成する。本発明の即席麺セットの調理方法は、従来のだしを抽出する調理方法に比べてコンパクトで調理し易く、自然本来の風味の優れた濃厚なだし汁を簡単かつ短時間に抽出することができる調理方法である。
[即席麺セットの調理方法2]
次に、本発明の即席麺セットのもう1つの調理方法について図2を参照して説明する。
まず、どんぶり等の容器に所定量の「返し」(スープ材)を入れておく(S21)。次に調理用の鍋に所定量の水を注ぎ、「天然だしパック」を投入し、沸騰するまで加熱する(S22)。
鍋の水が沸騰後、乾燥状の麺を入れ、所定時間加熱して麺を茹でながら天然だしパックから出汁を抽出する(S23)。鍋の水が沸騰後、すぐに麺を入れてもよいし、所定時間経過後に麺を入れてもよい。例えば、鍋の水が沸騰後、中火にして1分間天然だしパックから出汁を抽出させ、その後、麺を投入して4分間麺を茹でるとともに出汁を煮出してもよい。その後、出汁と麺をどんぶり等の容器に注ぐ(S24)。以上のようにして、調理方法1と同様に簡単で本格的な麺が完成する。調理方法2の工程は、調理方法1と異なり、麺を茹でる工程とだしを抽出する工程を同時に行うことにより、調理方法1よりも短時間で調理することができる。
以上説明したように、本発明の天然だしを使用した即席麺セットによれば、だし材料が、天然素材の「鰹節及び/又は雑節」を厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後、粉砕加工し、目開き2.0mmのふるいを通過したものと、昆布のみであることから、化学調味料や人工調味料を適量配合して得られたスープでは到底及ばない自然本来の「旨み」、「香り」を有した本格的かつ体に優しい健康的な即席麺を提供することができる。また、従来、課題であった「一人用鍋に大きすぎるだしパック袋」を改良し、粒度を限定したコンパクトなだしパックを提供することで、調理時間を短縮することが可能となった。
本発明の天然だしを使用した即席麺セットの調理方法は、だし汁を用いて「麺」を湯戻しし、「返し」と合わせるだけで、一連の調理の煩わしさがないため、調理時間が短縮でき、天然素材100%による、いわゆる「出汁(だし)のきいた」即席麺を誰でも簡単に、短時間で作ることができる。また、それにより、2013年ユネスコ無形文化遺産登録された「和食」のベースである出汁文化の継承に、寄与貢献することができる。
なお、上述した実施の形態の天然だしを使用した即席麺セット及びその調理方法は一例であり、その構成と方法は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、透水性袋内に収納された昆布と、
厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後に粉砕加工し目開き2.0mmのふるいを通過してなる鰹節及び/又は雑節と、からなる一人前の袋のサイズの天然だしパックと、包装容器又は包装袋に収納された醤油と、みりんと、砂糖と、からなるスープ材と、乾燥状の麺と、を備えたことを特徴とする天然だしを使用した即席麺セットである。
請求項2に記載の発明は、容器に前記スープ材と、前記乾燥状の麺を入れる工程と、鍋に所定量の水を注ぎ、前記天然だしパックを投入し沸騰するまで加熱する工程と、前記鍋の水が沸騰後、所定時間加熱して前記天然だしパックから出汁を抽出する工程と、前記出汁を前記容器に注ぎ、容器に蓋をした後、所定時間放置する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の天然だしを使用した即席麺セットの調理方法である。
請求項3に記載の発明は、容器に前記スープ材を入れる工程と、鍋に所定量の水を注ぎ、前記天然だしパックを投入し沸騰するまで加熱する工程と、前記鍋の水が沸騰後、前記乾燥状の麺を入れ、所定時間加熱して前記麺を茹でながら前記天然だしパックから出汁を抽出する工程と、前記出汁と前記麺を前記容器に注ぐ工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の天然だしを使用した即席麺セットの調理方法である。

Claims (3)

  1. 透水性袋内に収納された昆布と、厚さ0.05mm以下の薄片状に切削後に粉砕加工し目開き2.0mmのふるいを通過してなる鰹節及び/又は雑節と、からなる天然だしパックと、
    包装容器又は包装袋に収納された醤油と、みりんと、砂糖と、からなるスープ材と、
    乾燥状の麺と、
    を備えたことを特徴とする天然だしを使用した即席麺セット。
  2. 容器に前記スープ材と、前記乾燥状の麺を入れる工程と、
    鍋に所定量の水を注ぎ、前記天然だしパックを投入し沸騰するまで加熱する工程と、
    前記鍋の水が沸騰後、所定時間加熱して前記天然だしパックから出汁を抽出する工程と、
    前記出汁を前記容器に注ぎ、容器に蓋をした後、所定時間放置する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の天然だしを使用した即席麺の調理方法。
  3. 容器に前記スープ材を入れる工程と、
    鍋に所定量の水を注ぎ、前記天然だしパックを投入し沸騰するまで加熱する工程と、
    前記鍋の水が沸騰後、前記乾燥状の麺を入れ、所定時間加熱して前記麺を茹でながら前記天然だしパックから出汁を抽出する工程と、
    前記出汁と前記麺を前記容器に注ぐ工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の天然だしを使用した即席麺の調理方法。
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