JP2019214648A - ベンゾオキサジン化合物及びベンゾオキサジン樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】融点が低く、硬化反応温度が低く、熱分解し難いため硬化反応時の重量保持率が高く、且つガラス転移温度が高い高耐熱性硬化物の調製に有用な、新規ベンゾオキサジン化合物を提供する。また、当該ベンゾオキサジン化合物を硬化して得られるベンゾオキサジン樹脂を提供する。【解決手段】本発明のベンゾオキサジン化合物は下記式(1)で示される。また、本発明のベンゾオキサジン樹脂は当該ベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性樹脂原料の硬化物である。【化1】[式(1)中、Rはアルキレン基、アラルキレン基、酸素原子、硫黄原子、又はスルホニル基であり、Arはアリーレン基である。]【選択図】なし
Description
本発明は、新規なベンゾオキサジン化合物、及び該ベンゾオキサジン化合物の硬化物であるベンゾオキサジン樹脂に関する。
ベンゾオキサジン化合物とは、ベンゼン骨格とオキサジン骨格とを有するベンゾオキサジン環を含む化合物を指し、その硬化物(重合物)であるベンゾオキサジン樹脂は、耐熱性、機械的強度等の物性に優れ、多方面の分野において各種用途用の高性能材料として使用されている。
特許文献1は、特定構造の新規なベンゾオキサジン化合物及びその製造方法を開示し、該ベンゾオキサジン化合物は高い熱伝導率を有すること、並びに該ベンゾオキサジン化合物により高い熱伝導率を有するベンゾオキサジン樹脂硬化物を製造することが可能であることを記載している。
特許文献2は、特定のベンゾオキサジン環構造を主鎖中に有するポリベンゾオキサジン樹脂の反応性末端の一部又は全部を封止した熱硬化性樹脂を開示し、該熱硬化性樹脂は溶媒に溶解した際の保存安定性に優れることを記載している。
非特許文献1は、新規なベンゾオキサジン化合物として、2量体〜4量体ベンゾオキサジンを開示し、これらの重合体のガラス転移点等の物性測定結果を記載している。
Sini N. K., Takeshi Endo, "Toward Elucidating the Role of Number of Oxazine Rings and Intermediates in the Benzoxazine Backbone on Their Thermal Characteristics", Macromolecules, 2016, 49 (22), pp. 8466-8478
本発明の課題は、融点が低く、硬化反応温度が低く、硬化反応時の重量保持率が高く、且つガラス転移温度が高い高耐熱性硬化物の調製に有用な、新規ベンゾオキサジン化合物を提供することである。
本発明の他の課題は、当該ベンゾオキサジン化合物を硬化して得られるベンゾオキサジン樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、低温硬化性を有し、耐熱性及び耐熱分解性等に優れる、特定の環結合構造及び置換基を有するベンゾオキサジン化合物を開発し、本発明を完成するに至った。
本発明の一形態によれば、下記式(1)で示されるベンゾオキサジン化合物が提供される。
式(1)中、Rはアルキレン基、アラルキレン基、酸素原子、硫黄原子、又はスルホニル基であり、Arはアリーレン基である。
本発明の他の形態によれば、上記式(1)で示されるベンゾオキサジン化合物を含む熱硬化性樹脂原料の硬化物である、ベンゾオキサジン樹脂が提供される。
上記式(1)で示される本発明のベンゾオキサジン化合物は、2つの二官能型ベンゾオキサジン単位が結合した構造を有し、4つのベンゾオキサジン環を有する新規四官能型化合物である。4つのベンゾオキサジン環を有するため、当該ベンゾオキサジン化合物を硬化させると、架橋密度が高く、ガラス転移温度が高く、また熱分解し難い硬化物が得られる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂は、上記ベンゾオキサジン化合物を原料に使用して得られる硬化物であるため、高耐熱性であり、非常に高い高温機械強度を示す。従って、接着剤、封止材、塗料、複合材向けマトリックス樹脂等の分野において、高強度・高耐熱材料として使用できる。
本発明のベンゾオキサジン化合物は、下記式(1)で示される。
式(1)中、Rはアルキレン基、アラルキレン基、酸素原子、硫黄原子、又はスルホニル基[−S(=O)2−]である。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。アラルキレン基の具体例としては、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、フルオレン基等が挙げられる。
式(1)中、Arはアリーレン基である。アリーレン基の具体例としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
式(1)のベンゾオキサジン化合物(以後、単に式(1)の化合物と称する場合もある)の具体例としては、以下の四官能型ベンゾオキサジン化合物群が挙げられる。
式(1)の化合物の製造方法としては、以下の工程(X)〜(Z)を含む方法を好ましい例として挙げることができる。
工程(X)
工程(X)では下記式(2)に示す反応を行う。式(2)中、Arはアリーレン基であり、Xはニトロ基[−NO2]又はアセトアミド基[−NHAc]である。即ち、工程(X)では、サリチルアルデヒド(2−ヒドロキシベンズアルデヒド)とニトロアニリン系化合物又はアセトアミドアニリン系化合物との反応により、イミン化合物を得る。
工程(X)では下記式(2)に示す反応を行う。式(2)中、Arはアリーレン基であり、Xはニトロ基[−NO2]又はアセトアミド基[−NHAc]である。即ち、工程(X)では、サリチルアルデヒド(2−ヒドロキシベンズアルデヒド)とニトロアニリン系化合物又はアセトアミドアニリン系化合物との反応により、イミン化合物を得る。
上記ニトロアニリン系化合物としては、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、6−ニトロ−2−ナフチルアミン、6−ニトロ−1−ナフチルアミン、5−ニトロ−1−ナフチルアミン、4−アミノ−4’−ニトロ−1,1’−ビフェニル、2−アミノ−7−ニトロフルオレン等が挙げられる。
上記アセトアミドアニリン系化合物としては、m−アセトアミドアニリン、p−アセトアミドアニリン、6−アセトアミド−2−ナフチルアミン、6−アセトアミド−1−ナフチルアミン、5−アセトアミド−1−ナフチルアミン、4−アミノ−4’−アセトアミド−1,1’−ビフェニル、2−アミノ−7−アセトアミドフルオレン等が挙げられる。
上記イミン化合物としては、2−(((3−ニトロフェニル)イミノ)メチル)フェノール、2−(((4−ニトロフェニル)イミノ)メチル)フェノール、2−(((3−アセトアミドフェニル)イミノ)メチル)フェノール、2−(((4−アセトアミドフェニル)イミノ)メチル)フェノール等が挙げられる。
式(2)の反応において、サリチルアルデヒドとニトロアニリン系化合物又はアセトアミドアニリン系化合物との理論反応モル比は1:1であるが、上記イミン化合物を高収率で得るためには、1モルのサリチルアルデヒドに対し、ニトロアニリン系化合物又はアセトアミドアニリン系化合物を0.5〜3.0モル使用するのが好ましく、1.0〜1.5モル使用するのが更に好ましい。
式(2)の反応に用いられる溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、含ハロゲン溶媒類等が挙げられる。反応物及び生成物の溶解性の観点から、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールが好ましい。
式(2)の反応を行う温度は、反応率の観点から、室温以上還流温度以下が好ましく、30℃以上100℃以下が更に好ましい。また、式(2)の反応を行う時間は1〜10時間程度でよい。
式(2)の反応によって、イミン化合物を含む反応生成物が得られる。この反応生成物は不純物を含み得るので、再結晶、カラムクロマトグラフィー、溶剤洗浄等によって精製してよい。所望のイミン化合物が高収率で得られる場合、精製することなく次工程を行うことができる。精製用溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、含ハロゲン溶剤類等を例示できる。
工程(Y)
工程(Y)では下記式(3)及び(4)に示す反応を行う。式(3)及び(4)中のAr及びXは、式(2)中のそれらと同義である。即ち、工程(Y)では、式(3)に示すようにイミン化合物のイミノ基を還元してアミン化合物を調製し、式(4)に示すようにアミン化合物のX基(ニトロ基又はアセトアミド基)を還元してジアミン化合物を得る。
工程(Y)では下記式(3)及び(4)に示す反応を行う。式(3)及び(4)中のAr及びXは、式(2)中のそれらと同義である。即ち、工程(Y)では、式(3)に示すようにイミン化合物のイミノ基を還元してアミン化合物を調製し、式(4)に示すようにアミン化合物のX基(ニトロ基又はアセトアミド基)を還元してジアミン化合物を得る。
上記アミン化合物としては、2−((3−ニトロフェニル)アミノメチル)フェノール、2−((4−ニトロフェニル)アミノメチル)フェノール、2−((3−アセトアミドフェニル)アミノメチル)フェノール、2−((4−アセトアミドフェニル)アミノメチル)フェノール等が挙げられる。
上記ジアミン化合物としては、2−((3−アミノフェニル)アミノメチル)フェノール、2−((4−アミノフェニル)アミノメチル)フェノール等が挙げられる。
式(3)の反応では、接触水素還元法や金属水素化物を用いた還元法といった、公知のイミノ基還元方法を用いてよい。接触水素還元法では、触媒として、ニッケル、パラジウム、白金等の金属やその化合物を含む担持触媒を用いてよい。水素圧は常圧以上10気圧以下が好ましい。金属水素化物としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)等が挙げられる。
式(3)の反応において水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、イミン化合物と水素化ホウ素ナトリウムとの理論反応モル比は2:1であるが、上記アミン化合物を高収率で得るためには、1モルのイミン化合物に対し、水素化ホウ素ナトリウムを0.5〜4.0モル使用するのが好ましい。
式(3)の反応に用いられる溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類等が挙げられる。反応物及び生成物の溶解性の観点から、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールが好ましい。
式(3)の反応において接触水素還元法を用いる場合、反応率の観点から、反応温度は−78℃以上還流温度以下が好ましく、−20℃以上50℃以下が更に好ましい。また、反応時間は30分間〜48時間程度でよい。金属水素化物を用いる場合は、反応率の観点から、反応温度は0℃以上還流温度以下が好ましく、20℃以上50℃以下が更に好ましい。また、反応時間は5分間〜1時間程度でよい。
式(3)の反応によって、2級アミンを含む反応生成物が得られる。この反応生成物は不純物を含み得るので、再結晶、カラムクロマトグラフィー、溶剤洗浄等によって精製し、高純度のアミン化合物を得ることが好ましい。この場合、工程(Z)において式(1)の化合物を高収率で得られる。精製用溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、含ハロゲン溶剤類等を例示できる。
式(4)の反応では、X基がニトロ基である場合、接触水素還元法、ヒドラジン還元法、塩化スズを用いた還元法等の、公知のニトロ基還元方法を用いてよい。塩化スズは水和物であることが好ましく、アミン化合物1モルに対する塩化スズの量は1.0〜10.0モルが好ましい。X基がアセトアミド基である場合、アミド基の加水分解にてアミン体を得ることができ、塩酸、硫酸等の酸化合物、又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基化合物を用いてよい。
式(4)の反応に用いられる溶媒としては、アルコール類、炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類等が挙げられる。反応物及び生成物の溶解性の観点から、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールが好ましい。
式(4)の反応を行う温度は−20℃以上還流温度以下であってよく、反応時間は0.5時間以上10時間以下であってよい。反応生成物が不純物を含む場合は、溶媒洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー等によって精製してよい。
X基がニトロ基である場合、式(3)及び(4)の2つの還元反応は、1段階で行っても2段階で行ってもよい。即ち、式(3)及び(4)の還元反応を同時に(同じ反応系中で)行ってもよい。
工程(Z)
工程(Z)では下記式(5)に示す反応を行う。式(5)中のR及びArは、式(1)中のそれらと同義である。(CH2O)はホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体を表す。即ち、工程(Z)では、ジアミン化合物と、ビスフェノール類と、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体とを反応させて、ベンゾオキサジン環を形成し、式(1)の化合物を得る。
工程(Z)では下記式(5)に示す反応を行う。式(5)中のR及びArは、式(1)中のそれらと同義である。(CH2O)はホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体を表す。即ち、工程(Z)では、ジアミン化合物と、ビスフェノール類と、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体とを反応させて、ベンゾオキサジン環を形成し、式(1)の化合物を得る。
上記ビスフェノール類としては、ビスフェノールF(ビス(ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルプロパン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールAP、ビスフェノールBP、4,4’−ヒドロキシフェニルエーテル、4,4’−ヒドロキシフェニルフルオレン等が挙げられる。
上記ホルムアルデヒドはホルマリンの状態で使用してもよい。上記ホルムアルデヒド誘導体としては、トリオキサンやパラホルムアルデヒドのような多量体や重合体等が挙げられる。
式(5)の反応において、ジアミン化合物とビスフェノール類との理論反応モル比は2:1であるが、式(1)の化合物を高収率で得るためには、2モルのジアミン化合物に対し、ビスフェノール類を0.5〜3.0モル使用するのが好ましく、0.8〜1.5モル使用するのが更に好ましい。また、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体については、ジアミン化合物1モルに対する理論量はCH2Oとして3モルであるが、式(1)の化合物を高収率で得るためには、1モルのジアミン化合物に対し、CH2Oとしての量を2.5〜4.0モルとするのが好ましい。
式(5)の反応に用いられる溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、アミド類、含ハロゲン溶媒類等が挙げられる。反応物及び生成物の溶解性の観点から、含ハロゲン溶媒類が好ましく、クロロホルムが特に好ましい。
式(5)の反応を行う温度は、反応率の観点から、室温以上還流温度以下が好ましく、30℃以上70℃以下が更に好ましい。また、式(5)の反応を行う時間は1〜48時間程度でよい。
式(1)で示される四官能型ベンゾオキサジン化合物の構造は、元素分析、プロトンNMR(1H−NMR)、カーボンNMR(13C−NMR)等によって同定できる。元素分析によって、各元素の測定値と計算値がほぼ一致することが確認できる。両NMR測定で得られたNMRピークの化学シフト、カップリング、及び面積比から、水素原子及び炭素原子がそれぞれ合理的に帰属できることが確認できる。このようにして、式(1)の構造を確認する。
式(1)の化合物の融点は、150℃以下であってよく、130℃以下であることが好ましい。従来の四官能型ベンゾオキサジンと比較すると、式(1)の化合物は融点が低いため、融点以上において液体となり、低温流動性に優れるという利点を有する。なお、融点はDSC(示差走査熱量測定)等によって測定することができる。
本発明のベンゾオキサジン化合物(式(1)の化合物)を熱硬化(開環重合)させることによって、耐熱性に優れる新規なベンゾオキサジン樹脂を製造することができる。式(1)の化合物を単独で熱硬化させてよく、或いは式(1)の化合物とその他の成分との混合物を熱硬化させてもよい。その他の成分としては、無機充填材、硬化剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、難燃剤、離型剤、顔料、熱硬化性化合物等が挙げられる。
即ち、本発明のベンゾオキサジン樹脂は式(1)の化合物を含む熱硬化性樹脂原料の硬化物であって、該熱硬化性樹脂原料は、式(1)の化合物に加えて、上記その他の成分を1種以上含んでいてもよい。
式(1)の化合物は硬化時の重量保持率が高く、通常は90%以上である。硬化時の重量保持率は、硬化前後の重量を測定し、以下の式によって算出する。なお、本願においては、重量保持率を算出する際の硬化条件は、窒素雰囲気下、220℃で2時間硬化とした。
重量保持率(%)=(硬化後の重量/硬化前の重量)×100
重量保持率(%)=(硬化後の重量/硬化前の重量)×100
式(1)の化合物を用いて得られる硬化物は耐熱性に優れている。特に、式(1)の化合物単独の硬化物は、DSC(示差走査熱量測定)でのガラス転移点が高く、通常は250℃以上である。ここで、DSCは、例えばDSC−6200(Seiko Instrument Inc.製)を使用し、N2流量が20mL/分、昇温速度が10℃/分という条件で測定することができる。
従来のP−d型ベンゾオキサジン化合物は、上記DSC測定において、245℃前後に硬化発熱のピークトップを示す。これに対し、式(1)の化合物では、このピークトップがより低温側に観察される。即ち、式(1)の化合物は硬化反応温度が比較的低い。例えば、上記熱硬化性樹脂原料として式(1)の化合物を単独で用いる場合、180〜300℃にて30分間〜10時間加熱することで硬化物を得ることができる。フェノール化合物、ルイス酸、スルホン酸類、カチオン発生剤等を開始剤として用いると、150〜300℃にて30分間〜10時間加熱することで硬化物を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、製造方法は一例であり、本発明に係るベンゾオキサジン化合物は、下記製造方法により限定されるものではない。
各実施例の化合物の同定には次の装置を使用した。
・元素分析;Yanaco CHN Corder MT-5(Yanaco Group Co., Ltd.製)
・IR;Thermo Scientific NICOLET iS10 FTIR(Thermo Fisher Scientific Inc.製)
・1H−NMR、13C−NMR;JNM ECS400(JEOL RESONANCE Inc.製)
・DSC;DSC-6200(Seiko Instrument Inc.製)
・TGA;TG-DTA 6200(Seiko Instrument Inc.製)
・元素分析;Yanaco CHN Corder MT-5(Yanaco Group Co., Ltd.製)
・IR;Thermo Scientific NICOLET iS10 FTIR(Thermo Fisher Scientific Inc.製)
・1H−NMR、13C−NMR;JNM ECS400(JEOL RESONANCE Inc.製)
・DSC;DSC-6200(Seiko Instrument Inc.製)
・TGA;TG-DTA 6200(Seiko Instrument Inc.製)
実施例1
1.ベンゾオキサジン化合物の合成
以下の通り、ビス(3−(3−(2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3(4H)−イル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−6−イル)メタンを合成した。このベンゾオキサジン化合物をm,m’−DDM−BZ4と称する。
1.ベンゾオキサジン化合物の合成
以下の通り、ビス(3−(3−(2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3(4H)−イル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−6−イル)メタンを合成した。このベンゾオキサジン化合物をm,m’−DDM−BZ4と称する。
なお、以下の合成において、サリチルアルデヒド、3−ニトロアニリン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールA、パラホルムアルデヒド、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、及び水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)は、東京化成工業株式会社からの市販品を使用した。塩化スズ(II)二水和物、酢酸エチル、及びエタノール(99.5)は、和光純薬工業株式会社からの市販品を使用した。ジクロロメタン、ヘキサン、及びクロロホルムは、関東化学株式会社からの市販品を使用した。
1−1.2−(((3−ニトロフェニル)アミノ)メチル)フェノールの合成
下記式(2a)及び(3a)に示すように、2−(((3−ニトロフェニル)アミノ)メチル)フェノールを合成した。以下、2−(((3−ニトロフェニル)アミノ)メチル)フェノールを単にアミン化合物と称する。
下記式(2a)及び(3a)に示すように、2−(((3−ニトロフェニル)アミノ)メチル)フェノールを合成した。以下、2−(((3−ニトロフェニル)アミノ)メチル)フェノールを単にアミン化合物と称する。
具体的には、まずサリチルアルデヒド(8.84g、72.39mmol)、3−ニトロアニリン(10g、72.39mmol)、及びエタノール(250mL)を丸底フラスコに入れ、60℃で撹拌した。反応混合物は当初は均質であったが、反応が進行するにつれて橙黄色の懸濁液へと変化した。60℃で8時間撹拌した後、室温まで冷却し、NaBH4(1.36g、36.19mmol)を添加して15分間撹拌した。
反応混合物に蒸留水(100mL)を添加し、得られたアミン化合物を100mLのジクロロメタンで3回抽出した。有機層を回収し、蒸留水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、アミン化合物の黄色結晶(17.41g、71.32mmol、収率98.5%)を得た。このアミン化合物の1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った結果を以下に示す。
1−2.2−(((3−アミノフェニル)アミノ)メチル)フェノールの合成
下記式(4a)に示すように、上記アミン化合物を用いて、2−(((3−アミノフェニル)アミノ)メチル)フェノールを合成した。以下、2−(((3−アミノフェニル)アミノ)メチル)フェノールを単にジアミン化合物と称する。
下記式(4a)に示すように、上記アミン化合物を用いて、2−(((3−アミノフェニル)アミノ)メチル)フェノールを合成した。以下、2−(((3−アミノフェニル)アミノ)メチル)フェノールを単にジアミン化合物と称する。
丸底フラスコに上記アミン化合物(15g、61.45mmol)、塩化スズ(II)二水和物(69.33g、307.2mmol)、及びエタノール(250mL)を入れ、室温で1時間撹拌し、更に85℃で2時間還流した。反応混合物を冷却した後、飽和Na2CO3溶液を加え、pHを8に調製したところ、白色沈殿が生じた。
反応混合物を吸引ろ過し、酢酸エチル(〜400mL)を用いてジアミン化合物を抽出した。有機層を回収し、350mLの蒸留水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を留去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。まずは溶離液として酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=30:70)を用いて未反応のアミン化合物を除去し、次に酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=50:50)を用いて所望のジアミン化合物を回収した。ジアミン化合物を酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=50:50)中で再結晶し、オフホワイト色の光沢結晶を得た(4.4g、20.5mmol、収率33%)。このジアミン化合物の1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った結果を以下に示す。
1−3.m,m’−DDM−BZ4の合成
下記式(5a)に示すように、上記ジアミン化合物を用いて、ベンゾオキサジン化合物m,m’−DDM−BZ4を合成した。
下記式(5a)に示すように、上記ジアミン化合物を用いて、ベンゾオキサジン化合物m,m’−DDM−BZ4を合成した。
丸底フラスコに上記ジアミン化合物(1g、4.67mmol)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン(0.467g、2.33mmol)、パラホルムアルデヒド(1.15g、15.41mmol)、トリエチルアミン(0.472g、4.67mmol)、及びクロロホルム(10mL)を入れ、65℃で24時間還流した。反応混合物を冷却し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。溶離液としては酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)を用いた。酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)を用いてm,m’−DDM−BZ4を再結晶し、白色結晶を得た(0.34g、0.485mmol、収率20.85%)。
2.ベンゾオキサジン化合物の同定及び物性測定
以上のように得られた白色粉体が四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−DDM−BZ4であることは、元素分析、FT−IR、1H−NMR、及び13C−NMR測定によって確認した。これらは上記各装置を使用し常法により測定した。更に、上記DSC装置を用い、N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分の条件で、融点を測定した。分析及び測定結果を以下に示す。
以上のように得られた白色粉体が四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−DDM−BZ4であることは、元素分析、FT−IR、1H−NMR、及び13C−NMR測定によって確認した。これらは上記各装置を使用し常法により測定した。更に、上記DSC装置を用い、N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分の条件で、融点を測定した。分析及び測定結果を以下に示す。
[元素分析(C45H40N4O4)]
・測定値:C;77.05、H;5.79、N;8.05
・計算値:C;77.12、H;5.75、N;7.99
[FT−IR(cm-1)]
925、937、950、1219、1034(C−O−C)、1109(C−N−C)
[融点]:129℃
・測定値:C;77.05、H;5.79、N;8.05
・計算値:C;77.12、H;5.75、N;7.99
[FT−IR(cm-1)]
925、937、950、1219、1034(C−O−C)、1109(C−N−C)
[融点]:129℃
[1H−NMR及び13C−NMR測定]
得られた化合物m,m’−DDM−BZ4を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った。帰属結果を以下に示す。また、このm,m’−DDM−BZ4の1H−NMRスペクトルを図1に、13C−NMRスペクトルを図2に示す。
得られた化合物m,m’−DDM−BZ4を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った。帰属結果を以下に示す。また、このm,m’−DDM−BZ4の1H−NMRスペクトルを図1に、13C−NMRスペクトルを図2に示す。
3.ベンゾオキサジン樹脂の調製
上記四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−DDM−BZ4を、窒素気流中、250℃で4時間加熱して開環重合(ROP)させ、実施例1のベンゾオキサジン樹脂を調製した。
上記四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−DDM−BZ4を、窒素気流中、250℃で4時間加熱して開環重合(ROP)させ、実施例1のベンゾオキサジン樹脂を調製した。
4.ベンゾオキサジン樹脂の物性測定
実施例1のベンゾオキサジン樹脂の物性測定を行ったところ、DSCでのガラス転移点は342℃、TGAでの10%重量減量温度(Td10)は400℃であった。また、600℃における重量残渣率は64.8%であった。DSC及びTGAは、上記した装置を用い、下記条件で測定した。
・DSC;N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分
・TGA;N2流量50mL/分、昇温速度10℃/分
また、硬化時の重量保持率は99.98%であり、硬化反応における発熱のピークトップ温度は204℃であった。
実施例1のベンゾオキサジン樹脂の物性測定を行ったところ、DSCでのガラス転移点は342℃、TGAでの10%重量減量温度(Td10)は400℃であった。また、600℃における重量残渣率は64.8%であった。DSC及びTGAは、上記した装置を用い、下記条件で測定した。
・DSC;N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分
・TGA;N2流量50mL/分、昇温速度10℃/分
また、硬化時の重量保持率は99.98%であり、硬化反応における発熱のピークトップ温度は204℃であった。
実施例2
1.ベンゾオキサジン化合物の合成
実施例1と同様の手順によりジアミン化合物を合成した。このジアミン化合物を用いて、下記式(5b)に示すように、6,6’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(3−(3−(2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3(4H)−イル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン)を合成した。このベンゾオキサジン化合物をm,m’−BA−BZ4と称する。
1.ベンゾオキサジン化合物の合成
実施例1と同様の手順によりジアミン化合物を合成した。このジアミン化合物を用いて、下記式(5b)に示すように、6,6’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(3−(3−(2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3(4H)−イル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン)を合成した。このベンゾオキサジン化合物をm,m’−BA−BZ4と称する。
丸底フラスコに上記ジアミン化合物(1g、4.67mmol)、ビスフェノールA(0.53g、2.33mmol)パラホルムアルデヒド(1.15g、15.41mmol)、トリエチルアミン(0.472g、4.67mmol)、及びクロロホルム(10mL)を入れ、65℃で24時間還流した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。溶離液としては、まずは酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)を用い、次に酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)を用いた。これにより、無色の粘性化合物が得られた(0.43g、0.59mmol、収率25.29%)。
2.ベンゾオキサジン化合物の同定及び物性測定
以上のように得られた粘性化合物が四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−BA−BZ4であることは、元素分析、FT−IR、1H−NMR、及び13C−NMR測定によって確認した。これらは上記各装置を使用し常法により測定した。更に、上記DSC装置を用い、N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分の条件で、融点を測定した。分析及び測定結果を以下に示す。
以上のように得られた粘性化合物が四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−BA−BZ4であることは、元素分析、FT−IR、1H−NMR、及び13C−NMR測定によって確認した。これらは上記各装置を使用し常法により測定した。更に、上記DSC装置を用い、N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分の条件で、融点を測定した。分析及び測定結果を以下に示す。
[元素分析(C47H44N4O4)]
・測定値:C;77.25、H;6.00、N;7.85
・計算値:C;77.45、H;6.08、N;7.69
[FT−IR(cm-1)]
928、938、953、1219、1035(C−O−C)、1109(C−N−C)
[融点]:100℃未満(融点ピークは観測されなかったが、100℃以上で粘調液体であることから、100℃未満であることが示された)
・測定値:C;77.25、H;6.00、N;7.85
・計算値:C;77.45、H;6.08、N;7.69
[FT−IR(cm-1)]
928、938、953、1219、1035(C−O−C)、1109(C−N−C)
[融点]:100℃未満(融点ピークは観測されなかったが、100℃以上で粘調液体であることから、100℃未満であることが示された)
[1H−NMR及び13C−NMR測定]
得られた化合物m,m’−BA−BZ4を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った。帰属結果を以下に示す。また、このm,m’−BA−BZ4の1H−NMRスペクトルを図3に、13C−NMRスペクトルを図4に示す。
得られた化合物m,m’−BA−BZ4を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR測定及び13C−NMR測定を行った。帰属結果を以下に示す。また、このm,m’−BA−BZ4の1H−NMRスペクトルを図3に、13C−NMRスペクトルを図4に示す。
3.ベンゾオキサジン樹脂の調製
上記四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−BA−BZ4を、窒素気流中、250℃で4時間加熱して開環重合(ROP)させ、実施例2のベンゾオキサジン樹脂を調製した。
上記四官能型ベンゾオキサジン化合物m,m’−BA−BZ4を、窒素気流中、250℃で4時間加熱して開環重合(ROP)させ、実施例2のベンゾオキサジン樹脂を調製した。
4.ベンゾオキサジン樹脂の物性測定
実施例2のベンゾオキサジン樹脂の物性測定を行ったところ、DSCでのガラス転移点は320℃、TGAでの10%重量減量温度(Td10)は360℃であった。また、600℃における重量残渣率は51.0%であった。DSC及びTGAは、上記した装置を用い、下記条件で測定した。
・DSC;N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分
・TGA;N2流量50mL/分、昇温速度10℃/分
また、硬化時の重量保持率は99.40%であり、硬化反応における発熱のピークトップ温度は182℃であった。
実施例2のベンゾオキサジン樹脂の物性測定を行ったところ、DSCでのガラス転移点は320℃、TGAでの10%重量減量温度(Td10)は360℃であった。また、600℃における重量残渣率は51.0%であった。DSC及びTGAは、上記した装置を用い、下記条件で測定した。
・DSC;N2流量20mL/分、昇温速度10℃/分
・TGA;N2流量50mL/分、昇温速度10℃/分
また、硬化時の重量保持率は99.40%であり、硬化反応における発熱のピークトップ温度は182℃であった。
比較例1
上記四官能型ベンゾオキサジン化合物に替え、以下に示す構造の二官能型ベンゾオキサジン化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に、比較例1のベンゾオキサジン樹脂を調製した。このベンゾオキサジン樹脂の物性を実施例1と同様に測定した。実施例1、実施例2、及び比較例1のベンゾオキサジン化合物及びベンゾオキサジン樹脂の物性測定結果を、併せて表5に示す。
上記四官能型ベンゾオキサジン化合物に替え、以下に示す構造の二官能型ベンゾオキサジン化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に、比較例1のベンゾオキサジン樹脂を調製した。このベンゾオキサジン樹脂の物性を実施例1と同様に測定した。実施例1、実施例2、及び比較例1のベンゾオキサジン化合物及びベンゾオキサジン樹脂の物性測定結果を、併せて表5に示す。
本発明のベンゾオキサジン化合物は、熱硬化性樹脂の調製に使用可能である。特に、密着性・硬化時の低収縮性・高耐熱性等の物性が要求される分野で使用可能である。例えば、複合材料向けのマトリックス樹脂、電子分野における封止材、積層板等、塗料、接着剤等に用いることができる。
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