JP2019212843A - 積層セラミックコンデンサの良否判定方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの良否判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁抵抗を精度よく測定して、積層セラミックコンデンサの良品と不良品とを精度よく判定する。【解決手段】積層セラミックコンデンサの良否判定方法は、誘電体セラミックからなる素体と、素体の第1の端面および第2の端面に交互に引き出される態様で素体に埋設された複数の内部電極と、素体の第1の端面および第2の端面に設けられ、内部電極と接続された一対の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサを準備する工程(ステップS1)と、一対の外部電極に、積層セラミックコンデンサの誘電率εに基づいて決定される充電時間Tにて所定の電圧を印加する工程(ステップS2)と、所定の電圧の印加後に絶縁抵抗を測定する工程(ステップS3)と、測定した絶縁抵抗に基づいて、積層セラミックコンデンサの良否を判定する工程(ステップS4)とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサの良否判定方法に関し、より詳しくは、絶縁抵抗に基づいて、積層セラミックコンデンサの良否を判定する方法に関する。
従来、積層セラミックコンデンサの良品と不良品とを判定する方法が種々提案されている。良品と不良品とを判定する方法の一つとして、積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗を測定して、良品と不良品とを判定する方法が知られている。
特許文献1には、積層セラミックコンデンサの一対の外部電極間に交流電圧を印加してから絶縁抵抗を測定することによって、不良品を精度よく検出する方法が記載されている。すなわち、交流電圧を印加することによって、内部電極と外部電極との接続が不完全な箇所が破壊されるため、内部電極と外部電極との接続が不完全な不良品を精度よく検出することができると特許文献1には記載されている。
特開2000−124088号公報
しかしながら、特許文献1には、絶縁抵抗を計測する際に、一対の外部電極間に電圧を印加する時間については何ら記載がない。このため、電圧を印加する時間によっては、絶縁抵抗を精度よく測定することができず、良品と判定したものの中に、不良品が含まれてしまう可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、絶縁抵抗を精度よく測定して、積層セラミックコンデンサの良品と不良品とを精度よく判定する方法を提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサの良否判定方法は、
誘電体セラミックからなる素体と、前記素体の第1の端面および第2の端面に交互に引き出される態様で前記素体に埋設された複数の内部電極と、前記素体の前記第1の端面および前記第2の端面に設けられ、前記内部電極と接続された一対の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサを準備する工程と、
前記一対の外部電極に、前記積層セラミックコンデンサの誘電率εに基づいて決定される充電時間Tにて所定の電圧を印加する工程と、
前記所定の電圧の印加後に絶縁抵抗を測定する工程と、
測定した前記絶縁抵抗に基づいて、前記積層セラミックコンデンサの良否を判定する工程と、
を備えることを特徴とする。
前記充電時間Tは、次式(1)で表されるfaと次式(2)で表されるfbとの関係において、次式(3)の関係を満たすようにしてもよい。
fa=0.95×(6.28×ε−60) …(1)
fb=1.05×(6.28×ε−60) …(2)
1/(2fb)≦T≦1/(2fa) …(3)
前記所定の電圧は、前記充電時間T毎に正と負の値が入れ替わる、周波数f=1/(2T)の矩形波電圧としてもよい。
また、前記所定の電圧は、300V以下としてもよい。
前記積層セラミックコンデンサの良否を判定する工程では、測定された複数の前記積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗の平均値Kと分散値σとを求め、測定した前記絶縁抵抗が(K−4σ)以下である前記積層セラミックコンデンサを不良品と判定してもよい。
本発明の積層セラミックコンデンサの良否判定方法によれば、積層セラミックコンデンサの誘電率εに基づいて決定される充電時間Tにて所定の電圧を印加して絶縁抵抗を測定し、測定した絶縁抵抗に基づいて、良品と不良品とを判定するので、適切な充電時間Tで充電を行うことによって、絶縁抵抗を精度よく測定し、積層セラミックコンデンサの良否判定を精度よく行うことができる。これにより、良品と判定したものの中に不良品が含まれることを抑制することができる。
積層セラミックコンデンサの斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのII−II線に沿った断面図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのIII−III線に沿った断面図である。 積層セラミックコンデンサの一対の外部電極の間に印加する矩形波電圧の波形を示す図である。 積層セラミックコンデンサの良否判定手順を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところを具体的に説明する。
まず初めに、良否判定を行う対象である積層セラミックコンデンサの構成について説明する。
(積層セラミックコンデンサ)
図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサ10のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1に示す積層セラミックコンデンサ10のIII−III線に沿った断面図である。
図1〜図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、全体として直方体の形状を有する電子部品であり、セラミック素体11と一対の外部電極14a、14bとを備える。一対の外部電極14a、14bは、図1および図2に示すように、対向するように配置されている。
ここでは、一対の外部電極14a、14bが対向する方向を積層セラミックコンデンサ10の長さ方向Lと定義し、後述する内部電極13a、13bの積層方向を厚み方向Zと定義し、長さ方向Lおよび厚み方向Zのいずれの方向にも直交する方向を幅方向Wと定義する。
セラミック素体11は、長さ方向Lに相対する第1の端面15aおよび第2の端面15bと、厚み方向Zに相対する第1の主面16aおよび第2の主面16bと、幅方向Wに相対する第1の側面17aおよび第2の側面17bとを有する。
セラミック素体11は、角部および稜線部に丸みを帯びていることが好ましい。ここで、角部は、セラミック素体11の3面が交わる部分であり、稜線部は、セラミック素体11の2面が交わる部分である。
図2および図3に示すように、セラミック素体11は、誘電体層12と、第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bとを備える。
誘電体層12は、セラミック素体11の厚み方向外側に位置する外層誘電体層121と、第1の内部電極13aと第2の内部電極13bとの間に位置する内層誘電体層122とを含む。
誘電体層12は、例えば、誘電体セラミックを主成分とする材料により構成されている。誘電体セラミックの具体例としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などが挙げられる。誘電体層12には、例えば、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの副成分が適宜添加されていてもよい。
第1の内部電極13aは、セラミック素体11の第1の端面15aに引き出されている。また、第2の内部電極13bは、セラミック素体11の第2の端面15bに引き出されている。第1の内部電極13aと第2の内部電極13bは、厚み方向Zにおいて、内層誘電体層122を介して交互に配置されている。
第1の内部電極13aは、第2の内部電極13bと対向する部分である対向電極部と、対向電極部からセラミック素体11の第1の端面15aまで引き出された部分である引出電極部とを備えている。また、第2の内部電極13bは、第1の内部電極13aと対向する部分である対向電極部と、対向電極部からセラミック素体11の第2の端面15bまで引き出された部分である引出電極部とを備えている。
第1の内部電極13aの対向電極部と、第2の内部電極13bの対向電極部とが内層誘電体層122を介して対向することにより容量が形成され、これにより、コンデンサとして機能する。
第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、およびAuなどの金属、AgとPdの合金などを含有している。第1の内部電極13aおよび第2の内部電極13bは、さらに誘電体層12に含まれるセラミックと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
第1の外部電極14aは、セラミック素体11の第1の端面15aの全体に形成されているとともに、第1の端面15aから、第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面17a、および第2の側面17bに回り込むように形成されている。第1の外部電極14aは、第1の内部電極13aと電気的に接続されている。
第2の外部電極14bは、セラミック素体11の第2の端面15bの全体に形成されているとともに、第2の端面15bから、第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面17a、および第2の側面17bに回り込むように形成されている。第2の外部電極14bは、第2の内部電極13bと電気的に接続されている。
第1の外部電極14aおよび第2の外部電極14bは、例えば、焼結金属層とめっき層とを備える。
焼結金属層は、ガラスと金属とを含む層であり、1層であってもよいし、複数層であってもよい。焼結金属層に含まれる金属には、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、およびAuなどの金属、AgとPdの合金などのうちの少なくとも1つが含まれる。
焼結金属層は、ガラスおよび金属を含む導電ペーストをセラミック素体に塗布して焼き付けることによって形成される。焼き付けは、セラミック素体11の焼成と同時に行ってもよいし、セラミック素体11の焼成後に行ってもよい。
焼結金属層上に配置されるめっき層は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、およびAuなどの金属、AgとPdの合金などのうちの少なくとも1つを含む。めっき層は、1層であってもよいし、複数層であってもよい。ただし、めっき層は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造とすることが好ましい。Niめっき層は、焼結金属層が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって侵食されるのを防止する機能を果たす。また、Snめっき層は、積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだの濡れ性を向上させる機能を果たす。
(積層セラミックコンデンサの製造方法)
上述した積層セラミックコンデンサ10の製造方法について簡単に説明する。
初めに、誘電体セラミック粉末にバインダと有機溶剤とを配合して分散させたセラミックスラリーを用意する。誘電体セラミック粉末には、例えば、BaTiO3またはCaZrO3が含まれる。
続いて、セラミックスラリーを樹脂フィルム上に塗工することによって、セラミックグリーンシートを作製する。
続いて、内部電極用導電性ペーストを用意し、セラミックグリーンシートに内部電極用導電性ペーストを印刷することによって、内部電極パターンを形成する。内部電極用導電性ペーストには、例えばNi粉、有機溶剤、バインダなどが含まれる。内部電極用導電性ペーストの印刷は、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などの印刷方法を用いることができる。
続いて、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを順次積層し、さらにその上に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層して、マザー積層体を作製する。
続いて、マザー積層体を、剛体プレス、静水圧プレスなどの方法によりプレスした後、押切り、ダイシング、レーザなどの切断方法により、所定のサイズにカットする。この後、バレル研磨などにより、角部および稜線部に丸みをつける。上述した工程により、未焼成積層体が得られる。この未焼成積層体では、両端面に、内部電極パターンが露出している。
続いて、未焼成積層体を焼成することによって、セラミック素体を得る。
続いて、セラミック素体の両端面に、外部電極用導電性ペーストを塗工する。外部電極用導電性ペーストには、例えばCuを含む金属粒子とガラスが含まれる。
続いて、セラミック素体の両端面に塗工された外部電極用導電性ペーストを乾燥させた後、所定の温度で焼き付けを行う。これにより、セラミック素体の両端面に、焼結金属層が形成される。
続いて、焼結金属層の上にめっき層を形成する。例えば、燒結金属層の上にNiめっきを施し、さらにその上にSnめっきを施す。
(積層セラミックコンデンサの良否判定方法)
本実施形態における積層セラミックコンデンサ10の良否判定方法を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
初めに、上述した構造を有する積層セラミックコンデンサ10を準備する(ステップS1)。上述した構造を有する積層セラミックコンデンサ10とは、誘電体セラミックからなるセラミック素体11と、セラミック素体11の第1の端面15aおよび第2の端面15bに交互に引き出される態様でセラミック素体11に埋設された複数の内部電極13a、13bと、セラミック素体11の第1の端面15aおよび第2の端面15bに設けられ、内部電極13a、13bと接続された一対の外部電極14a、14bとを備える積層セラミックコンデンサである。
続いて、積層セラミックコンデンサ10の一対の外部電極14a、14bの間に、積層セラミックコンデンサ10の誘電率εに基づいて決定される充電時間Tにて所定の電圧を印加する(ステップS2)。
本実施形態では、充電時間T毎に正と負の値が入れ替わる、周波数f=1/(2T)の矩形波電圧を印加する。すなわち、矩形波電圧の周期は、2Tである。
図4は、積層セラミックコンデンサ10の一対の外部電極14a、14bの間に印加する矩形波電圧の波形を示す図である。矩形波電圧の最大値V1は、300V以下であって、例えば、積層セラミックコンデンサ10の静電容量に基づいて適宜決定する。
充電時間Tは、次式(1)で表されるfaと次式(2)で表されるfbとの関係において、次式(3)の関係を満たす。
fa=0.95×(6.28×ε−60) …(1)
fb=1.05×(6.28×ε−60) …(2)
1/(2fb)≦T≦1/(2fa) …(3)
上述した矩形波電圧の周波数fは、式(1)で表されるfa以上であって、かつ、式(2)で表されるfb以下である。すなわち、fa≦f≦fbの関係が成り立つ。
式(1)で表されるfa、および、式(2)で表されるfbは、積層セラミックコンデンサ10の良品と不良品とを精度よく判別するために、本願の発明者が実験等を行うことによって見出したものである。
一対の外部電極14a、14bに、充電時間Tにて所定の電圧を印加した後、既知の方法、例えば、漏れ電流を測定することによって、絶縁抵抗を測定する(ステップS3)。
なお、絶縁抵抗の測定は、充電時間T毎に複数回行うようにしてもよい。例えば、絶縁抵抗の測定を複数回行い、その平均値を求めるようにしてもよい。
そして、測定した絶縁抵抗に基づいて、積層セラミックコンデンサ10の良否を判定する(ステップS4)。
ここでは、複数の積層セラミックコンデンサ10に対して絶縁抵抗を測定して平均値Kと分散値σを求め、絶縁抵抗が(K−4σ)以下である積層セラミックコンデンサ10を不良品と判定する。
上述した判定方法により、積層セラミックコンデンサ10の良品と不良品とを精度よく判別することができる。特に、良品と判定したものの中に、不良品が含まれることを抑制することができる。
(実施例)
セラミック素体の誘電体層を構成する材料の割合を変更することによって、誘電率が異なる複数種類の積層セラミックコンデンサを作製した。作製した複数種類の積層セラミックコンデンサについて、既知の耐湿試験を行い、構造欠陥が内在している積層セラミックコンデンサの存在を確認した。
なお、構造欠陥としては、例えば、積層されている内部電極の近や、内部電極と外部電極との接続不良などが挙げられる。
続いて、真空中かつ高温の環境下で、積層セラミックコンデンサを乾燥させて、IR(絶縁抵抗)劣化を回復させた。
その後、上述したように、充電時間Tにて、周波数fの矩形波電圧を印加して、絶縁抵抗を測定した。そして、測定した絶縁抵抗に基づいて、積層セラミックコンデンサを良品と、不良品とに区別した。具体的には、複数の積層セラミックコンデンサに対して絶縁抵抗を測定して平均値Kと分散値σを求め、絶縁抵抗が(K−4σ)以下である積層セラミックコンデンサ10を不良品と判定し、それ以外のものを良品と判定した。判定結果を表1に示す。
Figure 2019212843
表1では、誘電率εと周波数f(周期2T)との関係が異なる19の判定結果を示しており、左から順に、試料番号、誘電体種、誘電率ε、周波数f(周期2T)、選別結果、構造欠陥含有率をそれぞれ示している。
ここでは、試料番号1〜19の積層セラミックコンデンサをそれぞれ5000個用意して、良品/不良品の判別を行った。選別結果は、5000個のうち、良品と判定された割合と、不良品と判定された割合とを示している。
構造欠陥含有率は、良品または不良品と判定されたもののうち、実際に構造欠陥が含まれているものの含有率を表している。例えば、試料番号15の積層セラミックコンデンサについて、良品と判定されたもののうち、実際に構造欠陥が含まれているものの割合は0.3%であり、不良品と判定されたもののうち、実際に構造欠陥が含まれているものの割合は31.9%である。
構造欠陥の有無は、以下の方法で調べた。すなわち、積層セラミックコンデンサを研磨して断面を露出させて、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによって調べた。ただし、良品と判定されたものについては、無作為に1000個を選んで、構造欠陥の有無を調べ、不良品と判定されたものについては、全個体を対象として、構造欠陥の有無を調べた。
表1に示す試料番号1〜19の積層セラミックコンデンサの誘電率εは、30、70、125、2500、3500のいずれかである。各誘電率εについて、本発明の条件を満たす周波数fの範囲は下記の通りである。
誘電率ε=30: 121.98≦f≦134.82
誘電率ε=70: 360.62≦f≦398.58
誘電率ε=125: 688.75≦f≦761.25
誘電率ε=2500: 14858≦f≦16422
誘電率ε=3500: 20824≦f≦23016
表1において、試料番号10〜19の積層セラミックコンデンサの良否判定で印加した交流電圧の周波数fは、本発明の条件であるfa≦f≦fbの関係を満たしていない。したがって、充電時間Tについても、上式(3)の関係を満たしていない。
表1に示すように、試料番号10〜19の積層セラミックコンデンサの良否判定では、良品と判定したものの中に、不良品が含まれている。例えば、試料番号10の積層セラミックコンデンサの良否判定では、良品と判定したものの中に、0.1%の不良品が含まれている。また、試料番号19の積層セラミックコンデンサの良否判定では、良品と判定したものの中に、0.5%の不良品が含まれている。
一方、試料番号1〜9の積層セラミックコンデンサの良否判定で印加した交流電圧の周波数fは、式(1)に示すfaより少し下、または、式(2)に示すfbより少し上の値とした。表1に示すように、試料番号1〜9の積層セラミックコンデンサの良否判定では、良品と判定したものの中に、構造欠陥のある不良品は1つも含まれていない。
また、試料番号1〜9の積層セラミックコンデンサの良否判定では、試料番号10〜19の積層セラミックコンデンサの良否判定の結果のうち、誘電率εが同一のものの判定結果と比較すると、不良品と判定したものの中に、実際に構造欠陥のある不良品が含まれている割合が高いことが分かる。
また、表1では示していないが、式(3)の関係を満たす充電時間Tにて、fa≦f≦fbの関係を満たす周波数fの矩形波電圧を印加して良否判定を行った場合にも、良品と判定したものの中に、不良品が1つも含まれていないことを確認した。また、式(3)の関係を満たす充電時間Tにて、周波数fの矩形波電圧を印加して良否判定を行った場合には、式(3)の関係およびfa≦f≦fbの関係を満たさない場合と比べて、不良品と判定したものの中に、実際に構造欠陥のある不良品が含まれている割合が高いことを確認した。
すなわち、式(3)の関係を満たす充電時間Tにて、周波数f=1/(2T)の矩形波電圧を印加して積層セラミックコンデンサの良否判定を行うと、良品と判定したものの中に不良品が含まれないことを確認できた。また、周波数fがfaより少し下またはfbより少し上であって、充電時間Tが上式(3)の関係よりわずかに外れる場合でも、良品と判定したものの中に不良品が含まれないことを確認できた。
これらのことから、本実施形態における積層セラミックコンデンサの良否判定方法のように、式(3)の関係を満たす充電時間Tにて、周波数f=1/(2T)の矩形波電圧を印加して積層セラミックコンデンサの良否判定を行うことにより、良品と判定したものの中に不良品が含まれることを抑制することができる。したがって、不良品にも関わらず、良品と判定された積層セラミックコンデンサが電子機器等に使用されることを抑制することができる。
また、本実施形態における積層セラミックコンデンサの良否判定方法によれば、不良品と判定したものの中に、実際に欠陥構造のある不良品が含まれている割合を高めることができるので、不良品を検出する精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態における積層セラミックコンデンサの良否判定方法によれば、充電時間Tを、上式(3)の関係を満たす範囲の最小値に設定することにより、短い充電時間で精度よく積層セラミックコンデンサの良否判定を行うことができる。これにより、積層セラミックコンデンサの製造効率を向上させることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
10 積層セラミックコンデンサ
11 セラミック素体
12 誘電体層
13a 第1の内部電極
13b 第2の内部電極
14a 第1の外部電極
14b 第2の外部電極
15a 第1の端面
15b 第2の端面
16a 第1の主面
16b 第2の主面
17a 第1の側面
17b 第2の側面
121 外層誘電体層
122 内層誘電体層

Claims (5)

  1. 誘電体セラミックからなる素体と、前記素体の第1の端面および第2の端面に交互に引き出される態様で前記素体に埋設された複数の内部電極と、前記素体の前記第1の端面および前記第2の端面に設けられ、前記内部電極と接続された一対の外部電極とを備える積層セラミックコンデンサを準備する工程と、
    前記一対の外部電極に、前記積層セラミックコンデンサの誘電率εに基づいて決定される充電時間Tにて所定の電圧を印加する工程と、
    前記所定の電圧の印加後に絶縁抵抗を測定する工程と、
    測定した前記絶縁抵抗に基づいて、前記積層セラミックコンデンサの良否を判定する工程と、
    を備えることを特徴とする積層セラミックコンデンサの良否判定方法。
  2. 前記充電時間Tは、次式(1)で表されるfaと次式(2)で表されるfbとの関係において、次式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの良否判定方法。
    fa=0.95×(6.28×ε−60) …(1)
    fb=1.05×(6.28×ε−60) …(2)
    1/(2fb)≦T≦1/(2fa) …(3)
  3. 前記所定の電圧は、前記充電時間T毎に正と負の値が入れ替わる、周波数f=1/(2T)の矩形波電圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサの良否判定方法。
  4. 前記所定の電圧は、300V以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの良否判定方法。
  5. 前記積層セラミックコンデンサの良否を判定する工程では、測定された複数の前記積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗の平均値Kと分散値σとを求め、測定した前記絶縁抵抗が(K−4σ)以下である前記積層セラミックコンデンサを不良品と判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの良否判定方法。
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