JP2019210925A - エンジン駆動式刈払機 - Google Patents

エンジン駆動式刈払機 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン駆動式刈払機を用いて、パーシャル運転で刈り払い作業中に発生するエンジンストールを未然に防止する。【解決手段】エンジン駆動式刈払機100は、エンジン回転数センサ52と、点火プラグ48に関連した点火回路50とを有し、制御ユニット42によって点火時期が制御される。点火時期制御において第1、第2の2つのしきい値を有する(S2,S3)。第1しきい値は、典型的には「作業開始回転数」に基づいて設定される。第2しきい値は、典型的には「限界回転数」に基づいて設定される。エンジン回転数が低下し、第2しきい値よりも低くなったら点火時期を進角する制御が行われる(S4)。この進角制御は、例えばn回のサイクルが経過したら終了する(S5,S6)。【選択図】図6

Description

本発明は、パーシャル運転で刈り払い作業中に行うエンジン活性化制御を含むエンジン駆動式刈払機に関する。
マイクロコンピュータが普及するなかで、自動車に限らずエンジン駆動式刈払機にあっても、エンジン制御を電子化する開発が進行している。ここに、一般的に、携帯式作業機には軽量化のために単気筒エンジンが搭載されている。携帯式作業機において、例えば点火方式として無接点点火方式が採用され、また、周知のガバナー機構も電子化されている。具体的には、エンジン回転数(rpm)が所定回転数に達するとガバナー回路によって点火時期が遅角され、これによりエンジン回転数が所定の回転数を越えてしまうのを防止する。
特許文献1は、スロットル弁を駆動するアクチュエータとしてステッピングモータを採用した携帯式作業機を開示している。この作業機において、実際のエンジン回転数が目標回転数となるようにスロットル弁の電子制御が実行される。
特許文献2は、気化器付きエンジンに供給する混合気の空燃比(A/F ratio)を電子的に最適化する制御技術を組み込んだ携帯作業機を開示している。具体的には、気化器の燃料ノズルに燃料を供給する通路として補助的な通路を設け、この補助的な燃料供給通路に介装したバルブを電子的に制御する。
特許文献3は、エンジン駆動式刈払機の点火時期を制御する発明を開示している。具体的には、特許文献3は、エンジンによって回転駆動される刈り刃を用いて安定した刈り払い作業を行うのに、部分負荷(partial load)つまりパーシャル運転が好ましく、そして、パーシャル運転での刈り払い作業において、全負荷(full load)運転の時の点火時期に比べて5°遅角させることを提案している。
US7,744,503B2 US8,074,623B2 US9,366,220B2
エンジン駆動式刈払機は、内燃エンジンによって回転駆動される刈り刃(cutting blade)を含み、この回転する刈り刃で草を刈り払う。刈り払い作業において、何らかの原因で発生するエンジンストール(engine stall)は作業性を悪化させる。このため、多くの作業者はエンジンストールの発生を未然に防止するために不必要に高いエンジン回転数で作業を行う。もちろん、このことは燃料消費(燃費)を悪化させてしまう。
エンジンストールを発生させる典型的な要因として、回転する刈り刃に草が絡みついて離れない現象を挙げることができる。作業中、刈り刃は草から負荷を受ける。例えばパーシャル運転で刈り払い作業を行っている最中に刈り刃が草から過大な負荷を受けると、この過大な負荷によってエンジンが失速してしまう。過大な負荷の典型例が、上述した、回転する刈り刃に草が絡みついて離れない現象である。この現象は、エンジンの動作を制動するブレーキと同じ作用をエンジンに対して及ぼし、その結果、エンジンストールを招いてしまう。
エンジンが停止すると、作業者はエンジンを再始動させる必要があるのは勿論である。エンジンストールの要因が上述した草の絡みつきである場合には、エンジン再始動の前に、刈り刃に絡み付いている草を取り除く必要がある。
原因が何であれ、作業中にエンジンストールが発生すると、刈り払い作業を円滑に行うことが事実上不可能になる。特に頻発するエンジンストールは作業性を大きく悪化させてしまう。
このことを恐れて、作業者は、先述したように、エンジンストールの発生を未然に防止するために不必要に高いエンジン回転数で作業を行う。また、作業中にエンジンが失速すると、作業者は慌ててスロットルレバーを引き絞る操作、つまり、スロットル弁を開いてエンジン発生トルクを増大させる操作を行うのが通例である。しかし、この操作が間に合わないこともある。
本発明は、エンジン駆動式刈払機を用いて、パーシャル運転で刈り払い作業中に発生するエンジンストールを未然に防止することを目的とする。
携帯式作業機であるエンジン駆動式刈払機を用いて作業者が作業を行うには、先ず、エンジンを起動させ、次にスロットルレバーを引き絞ってエンジン回転数(rpm)を上昇させる。そして、所定のエンジン回転数(rpm)よりも高くなったら作業を開始する。回転する刈り刃で草を刈り払うことのできるエンジン回転数の下限値を「作業開始回転数」と呼ぶ。作業者は、「作業開始回転数」よりも高い回転数を維持するようにスロットルレバーを調整しながら作業を行う。
本願発明者は、パーシャル運転で刈り払い作業中に発生するエンジンストールについて様々な実験を行った。エンジンの失速の原因が何であれ、エンジン回転数が低下したとしても、エンジン回転数が所定の「限界回転数」よりも低くならない限り、エンジンストール発生に至らない、という知見を得た。この知見から、本願発明者は、作業中にエンジン回転数が低下しても、エンジン回転数が「限界回転数」よりも高い状態を維持させることができればエンジンストールに至らない、という気付きを得た。
「限界回転数」の具体的な数値は、刈払機に搭載される内燃エンジンの個体差によって左右されるが、一般的に、4500〜6500rpmの範囲であり、より限定的に規定すれば4900〜5700rpm(5300±400rpm)の範囲である。
本発明は、作業中、エンジンが失速したときに、エンジンストールを発生する蓋然性があると判断したことを前提としてエンジンを活性化する処理を実行してエンジン発生トルクを増大させることを特徴とする。エンジンストール発生の蓋然性は、エンジン回転数の低下の加速度又は上記「限界回転数」に基づくしきい値によって判定することができる。内燃エンジンを活性化させる制御例の典型例として点火時期の進角を挙げることができる。他には、目標空燃比をリーンにする空燃比制御又はスロットル弁の開度を大きくするスロットル制御等を挙げることができる。これらの活性化制御はエンジン発生トルクを増大するのに役立つ。本発明において、エンジンストールの発生を未然に防止できる複数の活性化手段を組み合わせて採用してもよい。
本発明は、変形例として、作業者が操作するスイッチを用意し、このスイッチがONされたときに、エンジンを活性化する処理を実行してエンジン発生トルクを増大させるようにしてもよい。
仮にエンジン失速の原因が刈り刃にまとわり付いている草の負荷であったとしても、内燃エンジンを活性化してエンジン発生トルクを実質的に増大させることにより、エンジンは、草からの負荷に打ち勝って少なくとも上記「限界回転数」よりも高い回転数を維持することができる。その結果、エンジンストールの発生を未然に防止できる。
具体的には、エンジンストール発生の蓋然性の判断に関し、上述したように、低下するエンジン回転数の加速度に基づいて、この低下する加速度が所定値よりも大きければ「エンジンストール発生の蓋然性がある」と判定してもよい。図1は、無負荷状態における単気筒2サイクル空冷エンジンの各サイクル毎のエンジン回転数の変動を示す。図1から、比較的高回転運転でのエンジン回転数の変動幅は500rpmよりも小さいが、比較的低回転運転でのエンジン回転数の変動幅は600rpmである。エンジン回転数が比較的低い運転状態では、エンジン回転数のバラツキつまり各サイクル毎の変動幅が大きいことが分かる。このことから、上記の加速度に基づく判定は、誤判定を招いてしまう可能性を含む。このことを念頭に置いたとき、例えば第1、第2の複数の異なる値のしきい値を使ってエンジン回転数の低下に伴うエンジンストール発生の蓋然性を判定するのが好ましい。そして、この第1、第2のしきい値の差は、上記変動幅(600rpm)以上であるのが好ましい。相対的に値が大きい第1のしきい値よりも回転数が低くなり、その後で第2のしきい値よりも回転数が低くなったという現象は、エンジンが失速していることを意味し、且つ第2しきい値よりも回転数が低くなったということは、エンジンストール発生の蓋然性があることを意味する。
図2、図3を参照して、第1しきい値は、第2しきい値に少なくとも600rpmを加えた値を設定してもよいが、好ましくは、作業を開始するエンジン回転数(rpm)つまり前述した「作業開始回転数」に基づいて設定するのがよい。ここに、「基づいて」とは、「作業開始回転数」を第1しきい値として設定してもよいし、この第1しきい値を挟む一定の範囲内において「作業開始回転数」よりも大きな値や小さな値を設定してもよいことを意味する。この第1しきい値よりもエンジン回転数が低くなったら、エンジンストール発生に至る可能性を含む「エンジン回転数の低下」と判定する。
第2しきい値は、前述した「限界回転数」に基づいて設定するのがよい。ここに、「基づいて」とは、「限界回転数」を第2しきい値として設定してもよいし、この第2しきい値を挟む一定の範囲で「限界回転数」よりも大きな値や小さな値を設定してもよいことを意味する。勿論、第2しきい値は上記の第1しきい値よりも小さな値である。検出したエンジン回転数(rpm)が、第1しきい値よりもエンジン回転数が低くなり、その後、第2しきい値よりもエンジン回転数が低くなったら、「エンジンは減速している」及び「エンジンストール発生の蓋然性がある」と判定する。
「限界回転数」を第2しきい値として採用したとき、第1しきい値は、第2しきい値に少なくとも600rpmの値を加えた値を設定してもよい(第1しきい値=第2しきい値+少なくとも600rpm)。
本発明の実施例では、好ましいエンジン制御として、基本モードと活性化モードとを含む。一定の条件を満足したときに、エンジン制御が基本モードから活性化モードに切り替えられる。上記「一定の条件」とは、典型的には、エンジンストール発生の蓋然性があると判断できる条件をいう。この条件を満足する状態が発生したら、具体的には、作業中に第1しきい値よりもエンジン回転数が低くなり、その後、第2しきい値よりも低くなったら、制御ユニットは、作業中のエンジンの減速に伴ってエンジンストール発生の蓋然性が有ると判定する。第2しきい値は上記の「限界回転数」に基づいて設定するのがよい。第1しきい値は、この第2しきい値よりも少なくとも600rpm高い回転数を設定してもよいし、上記「作業開始回転数」に基づいて設定してもよい。
作業者が刈り払い作業を行っている最中、エンジン回転数(rpm)が低下した時に、エンジン回転数が第1しきい値よりも小さくなり、その後、刈り払い作業が継続している状態で第2しきい値よりも小さくなった時に(図2)、エンジンストール発生の蓋然性があると判定して活性化モードが実行される(図3)。エンジンストール発生の蓋然性の判定に第1、第2の複数のしきい値を用いることで誤判定を防止できる。
刈り払い作業中は、原則的に、基本モードに基づいてエンジン制御が行われる。そして、作業中、作業者がスロットルレバーを操作することによってエンジン回転数が上記「作業開始回転数」よりも高い状態が維持される。作業している最中にエンジン回転数が低下したことに伴って、制御ユニットが、エンジン回転数が第1しきい値よりも小さくなったことを知り、その後、第2しきい値よりも小さくなったことを知ったら、「エンジンが減速している」と判定し、また、「エンジンストール発生の蓋然性がある」と判定してエンジン制御を基本モードから活性化モードに切り替える。具体的には、活性化モードでは、基本モードでの点火時期に比べて例えば5°進角させた点火時期でエンジン制御が実行される。これによりエンジン回転数を「限界回転数」よりも高い状態を維持させることができる。その結果、エンジンストール発生を防止できる(図3)。したがって、例えば刈り刃に草が絡み付く現象が発生したとしても、これによりエンジンストールが発生するのを未然に防止できる。
本発明の作用効果、本発明の他の目的は、後に説明する本発明の好ましい実施例の詳しい説明から明らかになろう。
刈払機に搭載された単気筒2サイクル空冷エンジンが無負荷運転のときの回転数の変動を示す図である。 本発明の好適な実施例で採用した第1、第2のしきい値を説明するため図である。 図2に図示の第1、第2しきい値を使ってエンジン制御を基本モードから活性化モードに切り替えたときの作用効果を説明するための図である。 本発明が適用可能な刈払機の概要図である。 第1実施例のエンジン制御(点火時期制御)を実行するための全体系統を示すブロック図である。 第1実施例で実行される点火時期制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図6のフローチャートを実行する上で採用された制御マップ(基本マップと活性化マップ)を示す図である。 図7に図示の制御マップに含まれる活性化マップの変形例を示す図である。 活性化モードでの点火時期をノッキング限界又はMBTに設定可能であることを説明するための図である。 図7又は図8に図示の制御マップに含まれる活性化マップの変形例を示す図である。 図10に図示の制御マップに含まれる活性化マップの変形例を示す図である。 図11に図示の制御マップに含まれる活性化マップの変形例を示す図である。 図12に図示の制御マップに含まれる活性化マップの変形例を示す図である。 図11に図示の制御マップに含まれる活性化マップの変形例を示す図である。 図10に図示の制御マップに含まれる基本マップの変形例を示す図である。 図7又は図8に図示の制御マップに含まれる基本マップの変形例を示す図である。 図12に図示の制御マップに含まれる基本マップの変形例を示す図である。 図13に図示の制御マップに含まれる基本マップの変形例を示す図である。 図11に図示の制御マップに含まれる基本マップの変形例を示す図である。 図14に図示の制御マップに含まれる基本マップの変形例を示す図である。 活性化モードでのエンジン制御において、その点火時期を基本マップに基づいて演算により求めることを説明するための図である。 第2実施例のエンジン制御(スロットル弁開度制御)を実行するための全体系統を示すブロック図である。 第2実施例で実行されるスロットル弁開度制御の一例を説明するためのフローチャートである。 第3実施例のエンジン制御(空燃比制御)を実行するための全体系統を示すブロック図である。 第3実施例で実行される空燃比制御の一例を説明するためのフローチャートである。 第4実施例のエンジン制御(排気ポートの開度制御)を実行するための全体系統を示すブロック図である。 第4実施例で実行される排気ポートの開度制御の一例を説明するためのフローチャートである。 作業者が操作するモード切換えスイッチによりエンジン制御が基本モードから活性化モードに切換えが可能であることを説明するためのフローチャートである。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図4は、本発明を適用したエンジン駆動式刈払機100を示す。携帯式の刈払機100は、駆動部2と、作業部を構成する回転する刈り刃4と、駆動部2と刈り刃4とを連結する動力伝達シャフト6とを有する。動力伝達シャフト6は、その一端が駆動部2に連結され、他端が刈り刃4に連結されている。駆動部2は、典型的には、気化器付き2サイクル内燃エンジン8を含み、エンジン8は空冷単気筒エンジンである。エンジン8(気化器)には燃料タンク10から燃料が供給される。
動力伝達シャフト6は操作管14によって包囲されている。操作管14にはハンドル16が脱着可能に取り付けられている。ハンドル16は操作管14を横断して延び、ハンドル16の左右の端部に夫々グリップ18が取り付けられている。すなわち、ハンドル16は右グリップ18Rと左グリップ18Lとを有し、作業者は、左右の手で各グリップ18R、18Lを把持して刈払機100を操作する。
右グリップ18Rには、エンジン出力を手動で制御するためのスロットルレバー20が取り付けられている。スロットルレバー20は、周知のようにエンジン出力制御弁であるスロットル弁と、典型的にはワイヤWによって機械的に連係されている。作業者が、操作部であるスロットルレバー20を操作することによりスロットル弁の開度を制御してエンジン出力を制御することができる。
第1実施例(図5)
図5は、刈払機100に搭載された第1実施例の制御システム40の全体概要を示す。第1実施例の制御システム40は、制御ユニット42を含む。制御ユニット42は、マイクロコンピュータ44、制御プログラムを記憶したメモリ46を含む。制御システム40は、点火プラグ48に関連した点火回路50を更に有し、制御ユニット42によって点火プラグ48の点火時期が制御される。
制御ユニット42には、エンジン回転数センサ52からの信号が入力される。エンジン回転数センサ52はエンジン8の回転数(rpm)を検出する機能を有している。また、一つの実施態様として、例えばモード切換えスイッチ54から制御ユニット42に点火時期制御モードを変更する指令信号が入力される。
刈払機100は、作業中にエンジン8がストールする恐れが発生したときにはエンジン8を活性化する処理が実行される。このエンジン活性化処理に関する複数の制御例を図6〜図21を参照して説明する。
図6〜図21は、作業中のエンジンストール発生を未然に防止できる活性化手段を構成する点火時期を進角させる制御を説明するための図である。図6は、エンジン8を活性化するためにマップに基づいて点火時期を進角させるためのフローチャートである。エンジン8が起動すると、直ちに、図6に示す処理が実行される。点火時期の制御は、その制御マップとして2種類のマップ(図7)がメモリ46に記憶されている。一つのマップは、点火時期の基本的な制御を行うために用いられる。これを「基本モードのエンジン制御」と呼ぶ。他のマップは、エンジンストール発生の蓋然性があると判定されたときに用いられる。これを「活性化モードのエンジン制御」と呼ぶ。
図6に図示のフローチャートは、作業者がスロットルレバー20を操作してエンジン回転数を高め、そして作業を開始している状態での制御手順を示している。このことを前提として、刈り払い作業中は、基本モードに基づいて点火時期の制御がおこなわれ実行される(ステップS1)。点火時期制御において第1、第2のしきい値が用意されている。エンジン回転数は、常時、エンジン回転数センサ52(図5)によって監視されている。検出したエンジン回転数が第1しきい値、具体的には例えば6,000rpmよりも低くなったか否かの判別が行われ(ステップS2)、YESであれば減速の可能性があると判断して次のステップS3に進む。
ステップS3において、検出したエンジン回転数が第2しきい値、具体的には例えば5,300rpmよりも低くなったか否かの判別が行われる。このステップS3でYESと判定されたときには、エンジンストール発生の蓋然性があると判断して次のステップS4に進む。そして、ステップS4において、点火時期の制御が基本モードから活性化モードに切り替えられる。この活性化モードでの制御は、エンジン8のサイクルが所定回数(例えば100ないし300回、この実施例では200回)に達するまで継続される(ステップS5)。そして、ステップS6において、点火時期の制御が活性化モードから基本モードに復帰される。
ステップS5の変形例として、エンジン8のn回のサイクルの代わりに時間(例えば1乃至3秒、この実施例では2秒)であってもよい。この活性化モードに基づく点火時期制御によってエンジン発生トルクが増大するため、エンジンストール発生を未然に防止できる。
図7を参照して、メモリ46に記憶されている2つのマップ、つまり点火時期の制御を行うために用いられる2つのマップを説明する。図7において実線Bmは基本マップを示し、破線Amは活性化マップを示す。点火時期の制御において、基本モードでは、基本マップBmに基づく制御が実行される。他方、活性化モードでは、活性化マップAmに基づく制御が実行される。
図7を参照して、数値「5,300rpm」は前述した「限界回転数」を意味しており、この5,300rpmはエンジンの個体差によって変化するのは勿論である。数値「5,300rpm」(「限界回転数」)は図6のステップS3の第2しきい値に対応している。第2しきい値は、エンジン制御を基本モードから活性化モードに切り替えるポイントであり、この切り替えポイントで活性化マップAmが始まっている。なお、図6、図7に示す数値「6,000rpm」は「作業開始回転数」を意味している。この6,000rpmはエンジンの個体差によって変化するのは勿論である。したがって、数値「6,000rpm」は「作業開始回転数」の一例に過ぎない。ここに、第1しきい値と第2しきい値との差は700rpmである。
第1しきい値の設定に関し、変形例として、第1しきい値の設定を「作業開始回転数」に基づかないで、第2しきい値に少なくとも600rpm加えた値を設定してもよい。
図7に図示の基本マップBmは「作業開始回転数」(6,000rpm)からエンジン回転数が高くなるに従って徐々に進角する特性を有している。この基本マップBmの特性と同じ特性が活性化マップAmに与えられており、活性化マップAmはエンジン回転数が高くなるに従って徐々に進角する特性を有している。その結果、活性化マップAmによって設定される点火時期は基本マップBmとの対比で低速回転数側にシフトした点火時期であり、この低速回転数側にシフトした点火時期は、エンジン回転数が高くなるに従って徐々に進角の度合いが高くなる。
図8は図7に図示の活性化マップAmの変形例である。図8の活性化マップAmを使った点火時期制御においても、図6のステップS3の第2しきい値は「5300rpm」に設定される。図8の活性化マップAmにあっては、点火時期マップの始点つまり基本マップBmからの分岐点が「5,000rpm」である。これにより、すなわち、活性化マップAmでの点火時期マップの始点つまり基本マップBmからの分岐点(5,000rpm)が、基本モードから活性化モードへの切り替えポイント(5,300rpm)よりも相対的に低いエンジン回転数に設定されている。これにより、基本モードから活性化モードに切り替えられたとき、比較的大きな進角の点火時期から不活性モードのエンジン制御を開始させることができる。
図7、図8を参照して説明した基本モードから活性化モードへの切り替えに伴う点火時期の相対的な進角に関し、活性化モードへ切り替えるポイントが刈払機100では比較的低回転の「5,000rpm」、「5,300rpm」であり、進角する値も小さいため活性化モードへの切り替え(点火時期の進角)に伴うショックは比較的小さい。
上述したように図7の制御マップ(活性化マップAm)に比べて、図8の制御マップでは、相対的に低い回転数で基本モードの点火時期から活性化モードの点火時期が設定されている。その結果、図8に図示の活性化マップAmによって設定される点火時期は、第2しきい値において、図7に図示の活性化マップAmによって設定される点火時期よりも相対的に大きく進角した点火時期が設定されることになる。これにより、図8に図示の活性化マップAmに基づく活性化モードのエンジン制御において、基本マップBmから活性化マップAmへの切り替えに伴うエンジン発生トルクの増大効果が図7の場合よりも大きくなる。
図7、図8を参照して基本マップBmに基づいて活性化マップAmを設定した制御例を上述した。図9は、活性化モードで設定する点火時期に関し、この点火時期をノッキング限界又はMBT(Minimum advance for the Best Torque)に基づいて設定することを説明するための図である。活性化モードでの点火時期を極端に進角させてノッキング限界又はMBTの点火時期に設定してもよい。これにより、エンジン8は、活性化モードに入った途端に、その運転状態において最大トルクを発生することができる。上記の「活性化モードでの点火時期をノッキング限界又はMBTに基づいて設定する」とは、ノッキング限界又はMBTの点火時期と等しい点火時期を設定するだけでなく、ノッキング限界又はMBTの点火時期よりも若干遅角した点火時期を設定してよい、という意味を含む。ノッキング限界又はMBTの点火時期に基づいて設定される点火時期を「限界点火時期」と呼ぶ。
図10は、点火時期制御に採用可能な制御マップの他の例を説明するための図であり、上述した図7、図8の制御マップの変形例でもある。図10を参照して、基本マップBmは、図7、図8と同様に、高回転領域では低回転領域に比べて進角した点火時期(「最大進角」)が設定されている。図10から分かるように、活性化マップAmは、基本モードから活性化モードへの切り替えポイント(5,000rpm又は5,300rpm)からそれよりも高い回転数まで上記の「最大進角」が設定される。したがって、基本モードから活性化モードに切り替えられた途端に、点火時期を典型的には極限まで大きく進角した点火時期が設定される。これにより、基本マップBmから活性化マップAmへ切り替えた途端に、エンジン発生トルクの大きな増大効果を得ることができる。
図11に図示の制御マップは、上記の図10に図示の活性化マップAmの変形例を示す図である。図11に図示の活性化マップAmにあっては、基本モードから活性化モードへのエンジン制御の切り替えポイント(5,000rpm又は5,300rpm)において、先ず、上記「限界点火時期」が設定される。次いで、この切り替えポイントからエンジン回転数が高くなるほど「最大進角」に接近した進角が設定される。
図12に図示の制御マップは、上記図11に図示の活性化マップAmの変形例を示す図である。図12に図示の制御マップにあっては、活性化マップAmが、基本モードのエンジン制御から活性化モードのエンジン制御への切り替えポイント(5,000rpm又は5,300rpm)から高回転領域まで「限界点火時期」が設定される。
図13に図示の制御マップは、上記図12に図示の活性化マップAmの変形例を示す図である。図13に図示の制御マップにあっては、活性化マップAmが、基本モードのエンジン制御から活性化モードのエンジン制御への切り替えポイント(5,000rpm又は5,300rpm)から「限界点火時期」が設定されるポイントまで回転数が高くなるほど徐々に進角の度合いを高めた点火時期が設定される。
図14に図示の制御マップは、上記図11に図示の活性化マップAmの変形例を示す図である。図14に図示の制御マップにあっては、活性化マップAmが、基本モードから活性化モードへの切り替えポイント(5,000rpm又は5,300rpm)から「限界点火時期」が設定されるポイントまで回転数が高くなるほど徐々に進角の度合いを高めた点火時期が設定される。
図15〜図20は、本発明に含まれる点火時期制御に採用可能な制御マップの更なる他の例を説明するための図である。これら図15〜図20に図示の制御マップは、上述した図7、図8、図10〜図14に図示の制御マップに含まれる基本マップBmの変形例でもある。すなわち、図7、図8、図10などに図示の基本マップBmは「作業開始回転数」(例えば6,000rpm)からエンジン回転数が高くなるに従って徐々に進角する特性を有していた。これに対して、図15〜図20に図示の基本マップBmは「限界回転数」(例えば5,000rpm又は5,300rpm)よりも低い回転数(例えば4000rpm)からエンジン回転数が高くなるに従って徐々に進角する特性を有している。
図15に図示の活性化マップAmは図10に図示の活性化マップAmに対応している。図16に図示の活性化マップAmは図7又は図8に図示の活性化マップAmに対応している。図17に図示の活性化マップAmは図12に図示の活性化マップAmに対応している。図18に図示の活性化マップAmは図13に図示の活性化マップAmに対応している。図19に図示の活性化マップAmは図11に図示の活性化マップAmに対応している。図20に図示の活性化マップAmは図14に図示の活性化マップAmに対応している。
図21は、活性化モード制御での点火時期を活性化マップAmに基づいて設定するのではなく、基本マップBmから演算により活性化モード制御での点火時期を求めることを説明するための図である。図21を参照して、低下するエンジン回転数が5,300rpm又は5,000rpmよりも低くなったら、点火時期制御が基本モード制御から活性化モード制御に切り替えられる。この活性化モード制御では、基本マップBmから求められる点火時期に対して所定の進角度を加えた点火時期が設定される。変形例として、基本マップBmから求められる点火時期に対して所定の割合(%)を掛けた補正進角を求め、この補正進角を基本マップBmから求められる点火時期に加えた点火時期を設定してもよい。
図22以降の図面は、刈払機100に搭載された他の実施例の制御システムを説明するための図である。これら他の実施例の説明において、上述した第1実施例に含まれる要素と同じ要素には同じ参照符号を付すことによりその説明を省略する。
第2実施例(図22、図23)
図22は、刈払機100に搭載された第2実施例の制御システム60の全体概要を示す。第2実施例の制御システム60は、エンジン8に組み付けられた気化器102に含まれるスロットル弁104がアクチュエータ106によって駆動される刈払機100に適用される。すなわち、電子制御式のスロットル弁104が採用された刈払機100に第2実施例の制御システム60が適用される。刈払機100は、従来から周知なように、エアクリーナ108でろ過した空気は気化器102を通過する過程で燃料を含む混合気になる。気化器102で生成された混合気はエンジン本体110に供給される。気化器102は、ロータリバルブ式気化器であってもよいし、バタフライバルブ式気化器であってもよい。電子式のスロットル弁104を備えた刈払機100は、作業者がスロットルレバー20を操作すると、これに対応して、スロットル弁104を駆動するためにアクチュエータ106が動作する。
第2実施例では、作業中にエンジン回転数が低下してエンジンストール発生の蓋然性があると判断したとき、スロットル弁104の開度補正が実行される。この補正により、スロットル弁104は基本開度よりも大きな開度まで開かれる。スロットル開度を大きくする補正を実行することにより、エンジン発生トルクは増大する。第2実施例において、エンジンストール発生の蓋然性を判断するために第1実施例で説明した第1、第2しきい値が採用されている。
図23は第2実施例のエンジン制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、作業者がスロットルレバー20を操作してエンジン回転数を高め、そして作業を開始している状態での制御手順を示している。このことを前提として、刈り払い作業中は基本マップに基づいてスロットル開度が制御される(ステップS11)。エンジン回転数が第1しきい値よりも低くなり(ステップS12)、その後、第2しきい値よりも低くなったときには(ステップS13)、例えば刈払う草の負荷によりエンジンストール発生の蓋然性があると判断してステップS14に進む。そして、ステップS14において、スロットル開度の補正が実行される。これにより、エンジン制御が基本モードから活性化モードに切り替わる。このスロットル開度の補正は、エンジン8のサイクルが所定回数(例えば100ないし300回、この実施例では200回)に達するまで継続され(ステップS15)、その後、ステップS16において、スロットル開度補正が解除されて通常のエンジン制御に戻る。つまり活性化モードのエンジン制御から基本モードのエンジン制御に復帰する。
スロットル開度を大きくする上記の補正において、一定の補正量を基本スロットル開度に加えるようにしてもよいし、基本スロットル開度に対して一定の割合(%)を掛けることにより求めた補正量であってもよい。最適な補正量は実験により求めるのがよい。ステップS14では、補正によりスロットル開度を大きくするようにしたが、これに代えて、第1実施例と同様に、活性化モードでのスロットル開度マップを用意し、このマップに基づいて活性化モードでのスロットル開度を設定してもよい。
なお、補正によるスロットル開度の増加はガバナー機構によってスロットル弁104を直接的に開いてもよいし、電磁弁により開閉される補助通路を吸気通路に設け、そして、この補助通路を開くことによりスロットル開度の増加補正を実行するようにしてもよい。
第3実施例(図24、図25)
図24は、刈払機100に搭載された第3実施例の制御システム62の全体概要を示す。第3実施例の制御システム62は、エンジン本体110に供給する燃料の量を調整する手段112を有している。
第3実施例では、作業中にエンジン回転数が低下してエンジンストール発生の蓋然性があると判断したとき、エンジン本体110に供給する燃料の量を増加して、混合気の空燃比をリーン側に補正する。この燃料増量補正によりエンジン発生トルクは増大する。空燃比をリーン側に補正する補正量は実験により求めるのがよい。第3実施例においても、エンジンストール発生の蓋然性を判断するために第1実施例で説明した第1、第2のしきい値が採用されている。
図25は、第3実施例のエンジン制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、作業者がスロットルレバー20を操作してエンジン回転数を高め、そして作業を開始している状態での制御手順を示している。このことを前提として、刈り払い作業中は基本マップに基づいて混合気の空燃比が制御される(ステップS21)。エンジン回転数が第1しきい値よりも低くなり(ステップS22)、その後、第2しきい値よりも低くなったときには(ステップS23)、エンジン8の減速によりエンジンストール発生の蓋然性があると判断してステップS24に進む。そして、ステップS24において、エンジン本体110に供給する空燃比をリーン側にする燃料供給量の増量補正が実行される。すなわち、エンジン制御が基本モードから活性化モードに切り替わる。この燃料増量補正は、エンジン8のサイクルが所定回数(例えば100ないし300回、この実施例では200回)に達するまで継続され(ステップS25)、次いでステップS26において、燃料増量補正が解除されて通常のエンジン制御に戻る。活性化モードのエンジン制御から基本モードのエンジン制御に復帰する(ステップS21)。
活性化モードにおいて増量する燃料の補正量は、一定の補正量であってもよいし、基本的な燃料供給量に対して一定の割合(%)を掛けることにより求めた補正量であってもよい。一定の最適な補正量又は最適な増量割合は実験により求めるのがよい。ステップS24では、基本燃料供給量を補正して活性化モードでの増量した燃料をエンジン8(気化器)に供給するようにしたが、これに代えて、第1実施例と同様に、マップにより活性化モードでの燃料供給量を設定してもよい。
第4実施例(図26、図27)
図26は、刈払機100に搭載された第4実施例の制御システム64の全体概要を示す。エンジン8は、サイレンサ114に通じる排気システムに、この排気システムの通路有効断面積を調整する手段116を有している。典型的には、エンジン8は、エンジン本体110の排気ポートの開度を「通常開度」と、この通常開度よりも大きい「拡大開度」とに切り替えるバルブ116を有し、この排気ポート開度調整バルブ116はアクチュエータ118を介して電子制御される。第4実施例の制御システム64は、この種のエンジンの制御に適用される。
第4実施例では、作業中にエンジン回転数が低下してエンジンストール発生の蓋然性があると判断したとき、排気ポート開度調整バルブ116の開度を「通常開度」から「拡大開度」に設定して排気システムの通路有効断面積を拡大する。これにより、エンジン発生トルクは実質的に増大する。第4実施例においても、エンジンストール発生の蓋然性を判断するために第1実施例で説明した第1、第2しきい値が採用されている。
図27は第4実施例のエンジン制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、作業者がスロットルレバー20を操作してエンジン回転数を高め、そして作業を開始している状態での制御手順を示している。このことを前提として、刈り払い作業中は、基本的には、エンジン本体110の排気ポートは「通常開度」に設定されている(ステップS31)。エンジン回転数が第1しきい値よりも低くなり(ステップS32)、更に第2しきい値よりも低くなったときには(ステップS33)、エンジンストール発生の蓋然性があると判断してステップS34に進む。そして、ステップS34において、エンジン本体110の排気ポートに設置された開度調整バルブ116の開度が「通常開度」から「拡大開度」への切り替えが実行される。これにより、エンジン8の制御が基本モードから活性化モードに切り替えられてエンジン発生トルクが実質的に増大する。この「拡大開度」は、エンジン8のサイクルが所定回数(例えば100ないし300回、この実施例では200回)に達するまで継続され(ステップS35)、次いで、開度調整バルブ116の開度が「拡大開度」から「通常開度」に戻される(ステップS31)。すなわち、エンジン8の制御が活性化モードから基本モードに復帰する。
第4実施例において、エンジン本体110の排気ポートに開度調整バルブ116を設けた例を参照して説明したが、変形例として、エンジン本体110の吸気ポートに開度調整バルブを設け、この開度調整バルブを開け閉めするようにしてもよい。この変形例においても、基本モードでは「通常開度」が設定され、この「通常開度」は開度調整バルブを閉じることにより設定できる。他方、活性化モードでは「拡大開度」が設定され、この「拡大開度」は開度調整バルブを開けることにより設定できる。
第5実施例(図28)
図28は、刈払機100に搭載された第5実施例のエンジン制御例を説明するためのフローチャートである。第5実施例は、図5に図示のモード切換えスイッチ54を搭載した刈払機に対して好適に適用される。モード切換えスイッチ54は作業者によって操作される。
エンジン8が起動されると直ぐに図28に図示のフローチャートに基づく制御が実行される。エンジン8は、基本的には、通常モードで制御される(ステップS41)。作業者がモード切換えスイッチ54を操作して、このスイッチ54を「ON」すると(ステップS42)、エンジン制御のモードの切り替えが実行されて通常モードのエンジン制御から活性化モードのエンジン制御に変更される(ステップS43)。活性化モードでは、(1)前述した点火時期を進角させる、(2)スロットル弁の開度を大きくする、(3)空燃比をリーンにする、(4)排気ポート又は吸気ポートを「拡大開度」に設定する制御が実行される。この活性化モードで実施可能な上記(1)ないし(4)は単独で行ってもよいし、複数を組み合わせて行ってもよい。
この活性化モードでのエンジン制御は、作業者がモード切換えスイッチ54を「OFF」するまで継続される(ステップS44)。すなわち、作業者がモード切換えスイッチ54を「OFF」すると、エンジン制御は活性化モードから通常モードに復帰する(ステップS41)。
作業者は、刈り払い作業を開始する前又は作業中において、草が刈り刃4に絡みついてエンジンストールが発生する可能性や蓋然性を感じたときにモード切換えスイッチ54を「ON」することでエンジンストールの発生を未然に防止できる。
100 エンジン駆動式刈払機
4 刈り刃
8 内燃エンジン
20 作業者が操作するスロットルレバー
42 点火時期を制御するための制御ユニット
48 点火プラグ
52 エンジン回転数センサ
60 スロットル弁の開度を制御するための制御システム
104 スロットル弁
62 空燃比を制御するための制御システム
112 エンジンに供給する燃料の量を調整する手段
64 エンジンの排気ポートの開度を拡大するための制御システム
116 排気ポート開度調整バルブ
54 エンジンの制御モードを切り替えるための手動のモード切換えスイッチ

Claims (11)

  1. 内燃エンジンと、
    該内燃エンジンによって駆動される刈り刃と、
    前記内燃エンジンを制御する制御ユニットと、
    前記内燃エンジンを活性化する活性化装置とを有し、
    前記制御ユニットは、作業中にエンジンが失速してエンジンストールが発生する蓋然性があると判断したときに前記活性化装置によって前記内燃エンジンが発生するトルクを増大させることを特徴とするエンジン駆動式刈払機。
  2. 前記内燃エンジンの回転数を検出する回転数センサを更に有し、
    前記制御ユニットが、値の異なる第1、第2のしきい値を有し、
    前記第1しきい値は前記第2しきい値よりも相対的に大きな値を有し、
    前記制御ユニットは、前記回転数センサが検出したエンジン回転数が前記第1しきい値よりも小さくなり、その後、第2のしきい値よりも小さくなったときにエンジンが失速してエンジンストールが発生する蓋然性があると判断する、請求項1に記載のエンジン駆動式刈払機。
  3. 前記第2しきい値が、エンジンストールを発生しない下限のエンジン回転数である限界回転数に基づいて設定される、請求項2に記載のエンジン駆動式刈払機。
  4. 前記限界回転数が4500〜6500rpmの範囲内の数値である、請求項3に記載のエンジン駆動式刈払機。
  5. 前記第1しきい値が、前記刈り刃で草を刈り払うことのできるエンジン回転数の下限値である作業開始回転数に基づいて設定されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載のエンジン駆動式刈払機。
  6. 前記第2しきい値が前記第1しきい値に少なくとも600rpm加えた値に設定されている、請求項3に記載のエンジン駆動式刈払機。
  7. 前記活性化装置が、前記内燃エンジンの点火時期を進角する装置である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジン駆動式刈払機。
  8. 前記活性化装置が、前記内燃エンジンの点火時期を進角する装置、前記内燃エンジンの排気ポートの開度を拡大する装置、前記内燃エンジンの吸気ポートの開度を拡大する装置、前記内燃エンジンの出力を制御するスロットル弁の開度を大きくする装置、前記内燃エンジンに供給する混合気の空燃比をリーンにする装置の群から選ばれた少なくとも一つの装置である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジン駆動式刈払機。
  9. 前記活性化装置による前記内燃エンジンの活性化が所定時間継続される、請求項2〜8のいずれか一項に記載のエンジン駆動式刈払機。
  10. 点火プラグを備えた内燃エンジンと、
    該内燃エンジンによって駆動される刈り刃と、
    前記内燃エンジンの回転数を検出する回転数センサと、
    前記点火プラグの点火時期を制御する制御ユニットとを有し、
    前記制御ユニットは、刈り払い作業を開始できる下限値の作業開始回転数に基づいて設定された第1しきい値と、エンジン回転数が低下したとしてもエンジンストール発生に至らない下限値である限界回転数に基づいて設定された第2しきい値とに基づいて、作業中にエンジン回転数が低下して前記第1しきい値よりもエンジン回転数が低くなり、その後、第2しきい値よりもエンジン回転数が低くなったときに前記点火時期を進角し、この進角を前記エンジンの所定のサイクル数又は所定時間継続することを特徴とするエンジン駆動式刈払機。
  11. 内燃エンジンと、
    該内燃エンジンによって駆動される刈り刃と、
    前記内燃エンジンを制御する制御ユニットと、
    前記内燃エンジンを活性化する活性化装置と、
    該活性化装置の動作をON/OFFするために作業者が操作するスイッチとを有し、
    該スイッチがONされたときに、前記活性化装置によって前記内燃エンジンが発生するトルクを増大させ、
    該スイッチがOFFされたときに、前記活性化装置の動作を停止することを特徴とするエンジン駆動式刈払機。
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