JP2019210362A - 磁性部材成形用の樹脂組成物、磁性部材、コイル、磁性部材の製造方法および磁性部材成形用キット - Google Patents

磁性部材成形用の樹脂組成物、磁性部材、コイル、磁性部材の製造方法および磁性部材成形用キット Download PDF

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【課題】耐熱性が良好な磁性部材成形用の樹脂組成物。【解決手段】トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)と、磁性体粒子(C)とを含む、磁性部材成形用の樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性部材成形用の樹脂組成物、磁性部材、コイル、磁性部材の製造方法および磁性部材成形用キットに関する。
樹脂成形技術を応用して、電気・電子分野におけるコイル(用途や目的により、リアクトル、インダクタ等と呼ばれることもある)の、磁性コアや外装部材などの磁性部材を製造しようとする試みが知られている。
特許文献1には、コイルを型に配置してから、ポッティング材として、軟磁性粉末と樹脂との混合材料を注型して硬化させることにより、コイル、磁性コア(内側コアMi)およびこれらを収容する外装部材(外側コアMo)が一体化されたリアクトルを得ることができると記載されている(特に、段落0071、図3等参照)。また、特許文献1には、外装部材は、大気圧或いは所定の低圧下でポッティング材を注型・硬化することにより得られることが記載されている(特に、段落0045等参照)。
特許文献2には、軟磁性粉末と、この軟磁性粉末を分散した状態で内包する樹脂とを含有する磁性材料であって、軟磁性粉末が、平均粒子径Dが50〜500μmの粗粒粉末と、平均粒子径Dが0.1〜30μmの微粒粉末とを含む磁性材料が記載されている。また、特許文献2には、これら2種の微粒粉末を、熱可塑性樹脂であるナイロンと混合し溶融させ、そして射出成形法により金型に注入して成形品を得たことが記載されている。
特許文献3には、p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル基を3個以上含む多官能エポキシ樹脂と、p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル基を2個有する二官能性エポキシ樹脂と、無機絶縁被膜処理した金属磁性粉末とを含む圧粉磁心用樹脂組成物が記載されている。
特開2014−75596号公報 国際公開第2016/043025号 特開平9−102409号公報
電気・電子分野におけるコイルは、電流により高熱となる場合がある。よって、コイルの磁性コアや外装部材などの磁性部材には、耐熱性が求められる。
また、樹脂成形技術を応用して磁性部材を製造しようとする場合、当然ながら、成形性が良好な樹脂組成物が求められる。また、樹脂組成物の保存性やハンドリング性の観点から、耐ブロッキング性が良好であること(粒子状の樹脂組成物が、保存中に塊状になりにくいこと)も求められる。
しかし、本発明者らの知見によると、従来の磁性部材成形用の樹脂組成物において、これら、(1)耐熱性が良好な磁性部材を形成可能であること、(2)成形性が良好であること、および、(3)耐ブロッキング性が良好であること、の全てを満足することは難しかった。
例えば、溶融しやすい(溶融時に比較的低粘度となる)樹脂を用いて樹脂組成物を構成すれば、成形性を良好としやすい。しかし、樹脂の溶融性のしやすさは、裏を返すと樹脂の耐熱性が低いということである。また、溶融しやすい樹脂は、常温で完全に固体とは言えない(わずかだが流動性がある)場合があり、ブロッキングを起こしやすい傾向にある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明は、耐熱性が良好な磁性部材を形成可能であり、成形性が良好で、かつ、耐ブロッキング性が良好な、磁性部材成形用の樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の2種のエポキシ樹脂を併用することが、上記課題の解決に密接に関係していることを見出した。そして、以下に提供される発明を完成させた。
本発明によれば、
磁性部材成形用の樹脂組成物であって、
トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、
以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、
フェノール系硬化剤(B)と
磁性体粒子(C)と
を含む樹脂組成物
が提供される。
Figure 2019210362
一般式(a2−1)中、
Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
lは、0〜3の整数である。
Figure 2019210362
一般式(a2−2)中、
2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
また、本発明によれば、
上記の樹脂組成物により成形された磁性部材
が提供される。
また、本発明によれば、
上記の磁性部材を、磁性コアまたは外装部材として備えるコイル
が提供される。
また、本発明によれば、
トランスファー成形装置を用いて、上記の樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、前記溶融物が硬化した磁性部材を得る、磁性部材の製造方法
が提供される。
また、本発明によれば、
トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、
以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、
フェノール系硬化剤(B)とを含み、
磁性体粒子(C)と混合して磁性部材を成形するために用いられる樹脂組成物
が提供される。
Figure 2019210362
一般式(a2−1)中、
Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
lは、0〜3の整数である。
Figure 2019210362
一般式(a2−2)中、
2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
また、本発明によれば、
上記の樹脂組成物と、磁性体粒子(C)とを混合して混合物を得る混合工程と、
前記混合物を溶融して金型に注入し、成形する成形工程と
を含む、磁性部材の製造方法
が提供される。
また、本発明によれば、
トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)とを含む第一成分と、
磁性体粒子(C)を含む第二成分と
からなる、磁性部材成形用のキット
が提供される。
Figure 2019210362
一般式(a2−1)中、
Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
lは、0〜3の整数である。
Figure 2019210362
一般式(a2−2)中、
2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
本発明によれば、耐熱性が良好な磁性部材を形成可能であり、成形性が良好で、かつ、耐ブロッキング性が良好な、磁性部材成形用の樹脂組成物が提供される。
磁性コアを備えるコイルを模式的に示す図である。 磁性コアを備えるコイル(図1のものとは別の態様)を模式的に示す図である。 一体型インダクタを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、磁性部材成形用の樹脂組成物であって、
トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、
以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、
フェノール系硬化剤(B)と
磁性体粒子(C)と
を含む。
Figure 2019210362
一般式(a2−1)中、
Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
lは、0〜3の整数である。
Figure 2019210362
一般式(a2−2)中、
2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
エポキシ樹脂(A1)は、そのトリアリールメタン骨格(芳香環を含む3次元的な骨格)により、比較的剛直であり、溶融しにくい(溶融時には比較的高粘度である)が、成形品としたときの耐熱性の観点では有利と考えられる。
一方、エポキシ樹脂(A2)は、エポキシ樹脂(A1)と比較して、耐熱性は幾分低いが、溶融しやすい(溶融時には比較的低粘度である)と考えられる。
これら、性質の異なる2種のエポキシ樹脂を併用することで、磁性部材を形成した時の良好な耐熱性、良好な成形性および良好な耐ブロッキング性の三性能が鼎立されると考えられる。
なお、上記説明は推測を含む。また、上記説明により本発明が限定的に解釈されるものでもない。
本実施形態の樹脂組成物が含むまたは含んでもよい成分について説明する。
(エポキシ樹脂(A1))
本実施形態の樹脂組成物は、トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)(単に「エポキシ樹脂(A1)」とも表記する)を含む。
「トリアリールメタン骨格を有する」とは、具体的には、メタン(CH)の4つの水素原子のうちの3つが芳香環で置換された部分構造を含む。ここでの「芳香環」は、ベンゼン環やナフタレン環などのベンゼン系芳香環であってもよいし、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等の複素芳香環であってもよい。また、3つの芳香環は、同一のものであっても異なっていてもよい。
ただし、コストの観点や、成形物(磁性部材)の機械特性などの観点からは、芳香環は、ベンゼン環やナフタレン環などのベンゼン系芳香環であることが好ましい。また、3つの芳香環は同一であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A1)は、好ましくは、以下一般式(a1)で表される構造単位を有する。一般式(a1)で表される構造単位が2つ以上連なることで、トリアリールメタン骨格(トリフェニルメタン骨格)が構成される。
エポキシ樹脂(A1)として、一般式(a1)で表される構造単位を有するものを用いることで、特に、磁性部材を形成したときの良好な耐熱性の効果をより確実に得ることができる。
Figure 2019210362
一般式(a1)において、
11は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
12は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
iは、0〜3の整数であり、
jは、0〜4の整数である。
11およびR12の1価の置換基としては、1価の有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基等を挙げることができる。
1価の有機基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシル基などを挙げることができる。1価の有機基の炭素数は、例えば1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜6である。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基の例としては、アリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基の例としては、エチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基の例としては、メチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基の例としては、トリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基の例としては、トリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の例としては、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基の例としては、エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
iおよびjは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1である。
一態様として、iおよびjはともに0である。つまり、一態様として、一般式(a1)中のベンゼン環の全ては、1価の置換基としては、明示されたグリシジルオキシ基以外の置換基を有しない。
エポキシ樹脂(A1)の数平均分子量は、特に限定されないが、典型的には200〜700程度である。なお、数平均分子量は、通常、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
(エポキシ樹脂(A2))
本実施形態の樹脂組成物は、以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)(単に「エポキシ樹脂(A2)」とも表記する)を含む。
Figure 2019210362
一般式(a2−1)中、
Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
lは、0〜3の整数である。
Figure 2019210362
一般式(a2−2)中、
2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
一般式(a2−1)におけるCyが含む脂環構造は、特に限定されず、単環構造であっても多環構造であってもよい。溶融時の適度な粘度や、得られる磁性部材の機械物性などの観点からは、多環構造を含むことが好ましい。
Cyの炭素数は、典型的には5〜20、好ましくは6〜18、より好ましくは6〜15である。
脂環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロドデカン環などの単環の脂環(3〜15員、好ましくは5〜6員程度のシクロアルカン環等)を挙げることができる。
また、デカリン環(パーヒドロナフタレン環)、パーヒドロインデン環(ビシクロ[4.3.0]ノナン環)、パーヒドロアントラセン環、パーヒドロフルオレン環、パーヒドロフェナントレン環、パーヒドロアセナフテン環、パーヒドロフェナレン環、ノルボルナン環(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環)、イソボルナン環、アダマンタン環、ビシクロ[3.3.0]オクタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン環などの、多環の脂環(橋架け炭素環)も挙げることができる。なお、「多環」とは、好ましくは2〜4環程度のことをいう。
Cyは、例えばこれらの単環または多環の脂環から2つの水素原子を除いた2価の基であることができる。
Cyが含む脂環構造は、置換基を有していてもいなくてもよい。例えば、脂環構造中の水素原子の1つ以上が、任意の置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えば、一般式(a1)におけるR11およびR12の1価の置換基として説明したものを挙げることができる。
また、Cyは、カルボニル構造(=O)などを含んでいてもよい。
なお、Cyは、脂環構造そのものであってもよいし、脂環構造とその他の構造を有していてもよい。例えば、脂環構造は、直接(単結合により)ベンゼン環に結合していてもよいし、任意の連結基を介してベンゼン環に結合していてもよい。
後者の場合をより具体的に説明すると、一般式(a2−1)の−Cy−の部分は、−Cy’−L−と表すことができる。ここで、Cy’は脂環(具体例としては前掲の単環または多環の脂環)、Lは2価の連結基である。Lの2価の連結基としては、アルキレン基(例えば炭素数1〜6)、シクロアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、これらの2つ以上が連結した基などを挙げることができる。
一般式(a2−1)におけるR21の1価の置換基の具体例としては、一般式(a1)におけるR11およびR12の1価の置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(a2−1)において、lは、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1である。
一態様として、lは0である。つまり、一態様として、一般式(a2−1)中のベンゼン環は、1価の置換基としては、明示されたグリシジルオキシ基以外の置換基を有しない。
一般式(a2−2)におけるR22およびR23の1価の置換基の具体例としては、一般式(a1)におけるR11およびR12の1価の置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。ここで、R22およびR23の1価の置換基としては、アルキル基が好ましく、直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(a2−2)におけるpおよびqは、それぞれ独立に、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2である。
なお、溶融時の適度な流動性の観点などから、2つのRがメチル基である場合には、pおよびqは好ましくは0であり、2つのRが水素原子である場合には、pおよびqは好ましくは1または2である。
一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算値)は、特に限定されないが、例えば200〜400である。
(エポキシ樹脂の量について)
エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)の量比を適切に調整することで、耐熱性、成形性および耐ブロッキング性の鼎立をより高度なレベルで実現することができる。
具体的には、エポキシ樹脂(A1)が有するエポキシ基のモル数をMとし、エポキシ樹脂(A2)が有するエポキシ基のモル数をMとしたとき、M/Mの値は、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.6〜1.4、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
なお、M/Mの値は、エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)の分子量やエポキシ当量などから、モル計算により求めることができる。
樹脂組成物中の、エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)の合計量は、樹脂組成物全体を基準として、例えば0.1〜20質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%である。
樹脂組成物中の、エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)の合計量は、樹脂組成物全体を基準として、例えば1〜30体積%であり、好ましくは5〜25体積%である。
このような数値範囲とすることにより、成形性を一層向上させることができ、得られる硬化物(磁性部材)の機械特性や磁気特性を一層向上させることができる。
(フェノール系硬化剤(B))
本実施形態の樹脂組成物は、フェノール系硬化剤(B)を含む。
フェノール系硬化剤(B)は、フェノール性ヒドロキシ基を含み、エポキシ樹脂(A1)および/またはエポキシ樹脂(A2)と反応しうるものである限り、特に限定されない。フェノール系硬化剤(B)は、低分子であっても高分子であってもよい。
フェノール系硬化剤(B)は、好ましくは、ビフェニル骨格およびノボラック骨格からなる群より選ばれるいずれかの骨格を含む。フェノール系硬化剤(B)がこれらの骨格のいずれかを含むことで、特に磁性部材の耐熱性を高めることができる。
「ビフェニル骨格」とは、2つのベンゼン環が単結合を介して連結された骨格のことを言う。より具体的には以下一般式(BP)で表される骨格である。
Figure 2019210362
一般式(BP)において、
およびRは、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
rおよびsは、それぞれ独立に、0〜4であり、
*は、他の原子団と連結していることを表す。
およびRの1価の置換基の具体例としては、一般式(a1)におけるR11およびR12の1価の置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。
rおよびsは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1である。一態様として、rおよびsはともに0である。
ビフェニル骨格を有するフェノール系硬化剤(B)として、具体的には以下一般式(BP1)で表される構造単位を有するものを挙げることができる。
Figure 2019210362
一般式(BP1)において、
およびRの定義および具体例は、一般式(BP)と同様であり、
rおよびsの定義および好ましい範囲は、一般式(BP)と同様であり、
は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
tは、0〜3の整数である。
の1価の置換基の具体例としては、一般式(a1)におけるR11およびR12の1価の置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。
tは、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1である。
ノボラック骨格を有するフェノール系硬化剤(B)として、具体的には以下一般式(N)で表される構造単位を有するものを挙げることができる。
Figure 2019210362
一般式(N)において、
は、1価の置換基を表し、
uは、0〜3の整数である。
の1価の置換基の具体例としては、一般式(a1)におけるR11およびR12の1価の置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。
uは、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1であり、更に好ましくは0である。
フェノール系硬化剤(B)が高分子またはオリゴマーである場合、フェノール系硬化剤(B)の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算値)は、特に限定されないが、例えば200〜800程度である。
樹脂組成物中のフェノール系硬化剤(B)の含有量は、樹脂組成物全体を基準として、例えば0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
また、樹脂組成物中のフェノール系硬化剤(B)の含有量は、樹脂組成物全体を基準として、例えば、1〜30体積%、好ましくは5〜25体積%である。
フェノール系硬化剤(B)の量を適切に調整することにより、成形性を一層向上させることができ、得られる硬化物(磁性部材)の機械特性や磁気特性を向上させることができる。
(磁性体粒子(C))
本実施形態の樹脂組成物は、磁性体粒子(C)を含む。
磁性体粒子(C)としては、本実施形態の樹脂組成物を用いて作製した成形物(磁性部材)が磁性を示す限りにおいて、任意のものを用いることができる。
磁性体粒子(C)は、好ましくは、Fe、Cr、Co、Ni、AgおよびMnからなる群より選択される1種または2種以上の元素を含む。磁性体粒子(C)がこれらの元素のいずれかを含むことで、磁気特性をより高めることができる。
特に、磁性体粒子(C)としてFeを85質量%以上含むものを用いることで、磁気特性を一層高めることができる。
磁性体粒子(C)は、結晶材料であってもよく、アモルファス材料であってもよく、これらが混在した材料であってもよい。また、磁性体粒子(C)としては、1種の化学組成からなるものを用いてもよいし、異なる化学組成のものを2種以上併用してもよい。
特に、磁性体粒子(C)としては、鉄基粒子を含むものが好ましい。なお、鉄基粒子とは、鉄原子を主成分とする(化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い)粒子のことを言い、より具体的には化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い鉄合金のことをいう。
鉄基粒子としてより具体的には、軟磁性を示し、鉄原子の含有率が85質量%以上である粒子(軟磁性鉄高含有粒子)を用いることができる。なお、軟磁性とは、保磁力が小さい強磁性のことを指し、一般的には、保磁力が800A/m以下である強磁性のことを軟磁性という。
このような粒子の構成材料としては、構成元素としての鉄の含有率が85質量%以上である金属含有材料が挙げられる。このように構成元素としての鉄の含有率が高い金属材料は、透磁率や磁束密度等の磁気特性が比較的良好な軟磁性を示す。このため、成形されたとき、良好な磁気特性を示しうる樹脂組成物が得られる。
上記の金属含有材料の形態としては、例えば、単体の他、固溶体、共晶、金属間化合物のような合金等が挙げられる。このような金属材料で構成された粒子を用いることにより、鉄に由来する優れた磁気特性、すなわち、高透磁率や高磁束密度等の磁気特性を有する樹脂組成物を得ることができる。
また、上記の金属含有材料は、構成元素として鉄以外の元素を含んでいてもよい。鉄以外の元素としては、例えば、B、C、N、O、Al、Si、P、S、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
上記の金属含有材料の具体例としては、例えば、純鉄、ケイ素鋼、鉄−コバルト合金、鉄−ニッケル合金、鉄−クロム合金、鉄−アルミニウム合金、カルボニル鉄、ステンレス鋼、またはこれらのうちの1種もしくは2種以上を含む複合材料等が挙げられる。入手性などの観点からカルボニル鉄を好ましく用いることができる。
上記では鉄基粒子を中心に説明したが、もちろん、磁性体粒子(C)はそれ以外の粒子であってもよい。例えば、Ni基軟磁性粒子、Co基軟磁性粒子等を含む磁性体粒子であってもよい。
また、磁性体粒子(C)には表面処理が施されていてもよい。例えば、表面をカップリング剤で処理したり、プラズマ処理したりすることが挙げられる。このような表面処理により、磁性体粒子(C)の表面に官能基を結合させることが可能である。官能基は、これらの粒子表面の一部または全面を被覆することができる。
このような官能基としては、下記一般式(1)で表される官能基を挙げることができる。
*−O−X−R ・・・(1)
[式中、Rは、有機基を表し、Xは、Si、Ti、Al、またはZrであり、*は、磁性体粒子を構成する原子の1つである。]
上記官能基は、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等の公知のカップリング剤による表面処理によって形成された残基であるが、シラン系カップリング剤およびチタン系カップリング剤からなる群より選択されるカップリング剤の残基であることが好ましい。これにより、磁性体粒子(C)を樹脂組成物に配合して樹脂組成物としたとき、その流動性をより高めることができる。
カップリング剤で表面処理する場合、その方法としては、磁性体粒子(C)をカップリング剤の希釈溶液に浸漬したり、磁性体粒子(C)にカップリング剤を直接噴霧したりする方法が挙げられる。
カップリング剤の使用量は、磁性体粒子(C)100質量部に対して、例えば、0.05〜1質量部であるのが好ましく、0.1〜0.5質量部であるのがより好ましい。
カップリング剤と磁性体粒子(C)を反応させるときの溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、このときのカップリング剤の使用量は、溶媒100質量部に対して、0.1〜2質量部が好ましく、0.5〜1.5質量部がより好ましい。
カップリング剤と磁性体粒子(C)との反応時間(例えば希釈溶液への浸漬時間等)は、1〜24時間であることが好ましい。
また、上述したような官能基を結合させる際には、磁性体粒子(C)に対する表面処理の一環として、あらかじめプラズマ処理を施してもよい。例えば、酸素プラズマ処理を施すことにより、磁性体粒子(C)の表面にOH基が生じて、酸素原子を介した磁性体粒子(C)とカップリング剤の残基との結合が容易になる。これにより、より強固に官能基を結合させることができる。
ここでのプラズマ処理は、酸素プラズマ処理であるのが好ましい。これにより、磁性体粒子(C)の表面に対して効率よくOH基を修飾することができる。
酸素プラズマ処理の圧力は、特に限定されないが、100〜200Paであることが好ましく、120〜180Paであることがより好ましい。
酸素プラズマ処理における処理ガスの流量は、特に限定されないが、1000〜5000mL/分であることが好ましく、2000〜4000mL/分であることがより好ましい。
酸素プラズマ処理の出力は、特に限定されないが、100〜500Wであることが好ましく、200〜400Wであることがより好ましい。
酸素プラズマ処理の処理時間は、上述の各種条件に応じて適宜設定されるが、5〜60分であることが好ましく、10〜40分であることがより好ましい。
また、酸素プラズマ処理を施す前に、さらにアルゴンプラズマ処理を施すようにしてもよい。これにより、磁性体粒子(C)の表面にOH基を修飾するための活性点を形成することができるので、OH基の修飾をより効率よく行うことができる。
アルゴンプラズマ処理の圧力は、特に限定されないが、10〜100Paであることが好ましく、15〜80Paであることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理における処理ガスの流量は、特に限定されないが、10〜100mL/分であることが好ましく、20〜80mL/分であることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理の出力は、100〜500Wであることが好ましく、200〜400Wであることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理の処理時間は、5〜60分であることが好ましく、10〜40分であることがより好ましい。
なお、磁性体粒子(C)とカップリング剤の残基とが酸素原子を介して結合していることは、例えばフーリエ変換赤外分光光度計によって確認することができる。
また、上述したような表面処理は、樹脂組成物中に含まれるすべての粒子に施されてもよく、一部の粒子のみに施されてもよい。
また、上述した表面処理の下地には、別のコート処理が施されてもよい。かかるコート処理としては、例えば、シリコーン樹脂のような樹脂コートの他、シリカコート等が挙げられる。このようなコート処理が施されることにより、磁性体粒子(C)の絶縁性をより高めることができる。このようなコート処理は、必要に応じて施されればよく、省略されてもよい。このコート処理は、上述した表面処理の下地としてではなく、単独で施されていてもよい。
磁性体粒子(C)は、別観点として、真円(真球)に近い形状であることが好ましい。これにより、粒子同士の摩擦が少なくなり、流動性を一層高めることができると考えられる。
具体的には、以下で定義される「真円度」を、磁性体粒子(C)の任意の10個以上(好ましくは50個以上)について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。
真円度の定義:磁性体粒子(C)の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
流動性の更なる向上や、高充填による磁性性能の向上の観点などから、磁性体粒子の粒径は適宜調整されることが好ましい。
例えば、磁性体粒子の、体積基準におけるメジアン径D50は、好ましくは0.5〜75μm、より好ましくは0.75〜65μm、さらに好ましくは1〜60μmである。粒径(メジアン径)を適切に調整することで、成形時の流動性を更に良好にしたり、磁性性能を更に向上させたりすることができる。
なお、メジアン径D50は、例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により得ることができる。具体的には、HORIBA社製の粒子径分布測定装置「LA−950」により、磁性体粒子を乾式で測定することで粒子径分布曲線を得、この分布曲線を解析することでD50を求めることができる。
樹脂組成物中の磁性体粒子の含有量は、樹脂組成物全体を基準として、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは93質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。樹脂組成物中の磁性体粒子の含有量の上限については、現実的に樹脂組成物の流動性を確保する点などから、例えば99質量%以下である。磁性体粒子の含有量を十分多くすることで、磁気性能(透磁率や鉄損など)を一層向上させることができる。
また、体積基準において、樹脂組成物中の磁性体粒子の含有量は、樹脂組成物全体を基準として、好ましくは60体積%以上、より好ましくは70体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上である。これの上限については、現実的に樹脂組成物の流動性を確保する点などから、例えば95体積%以下である。
(硬化促進剤(D))
本実施形態の樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含んでもよい。これにより、樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂の硬化反応を促進させるものであれば任意のものを用いることができる。例えば、公知のエポキシ硬化触媒を用いることができる。
具体的には、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類(イミダゾール系硬化促進剤);1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン等が例示されるアミジンや3級アミン、アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物などを挙げることができる。
硬化促進剤(D)を用いる場合、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
硬化促進剤(D)を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.8質量%である。このような数値範囲とすることにより、十分に硬化性向上の効果が得られる。
(離型剤(E))
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤(E)を含んでもよい。これにより、成形時の樹脂組成物の離型性を高めることができる。
離型剤(E)としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックスや酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤(E)を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物全体を基準として、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%である。これにより、離型性向上の効果を確実に得ることができる。
(非磁性体粒子(F))
本実施形態の樹脂組成物は、流動性の調整などの観点で、非磁性を示す非磁性体粒子(F)を含んでもよい。非磁性体粒子(F)は、例えば、粒子径分布曲線における累積50%値が3μm以下の粒子を用いることができる。なお、本明細書において、非磁性とは、強磁性を有さないことを指す。
非磁性体粒子(F)を含む樹脂組成物は、成形時においてより高い流動性を示すとともに、成形時におけるエポキシ樹脂の染み出しがさらに抑制される。このため、樹脂組成物の成形性がより良好になり、磁性体粒子(C)の充填性と均一性とをさらに高めることができる。よって、成形体においてとりわけ良好な磁気特性が得られると考えられる。
また、エポキシ樹脂の染み出しが抑制されることによって、成形時における樹脂バリ等の発生が抑制される。加えて、エポキシ樹脂の染み出しに伴って樹脂組成物の成分バランスが崩れてしまい成形体の機械的特性が低下するのを防止することができる。したがって、成形不良の少ない成形体が得られる。
非磁性体粒子(F)の構成材料としては、例えば、セラミックス材料、ガラス材料等が挙げられる。このうち、セラミックス材料を含むものが好ましく用いられる。このような非磁性体粒子(F)は、エポキシ樹脂との親和性が高いため、樹脂組成物の流動性を維持することができる。
上記セラミックス材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、カルシア等の酸化物系セラミックス材料、窒化ケイ素、窒化アルミニウムのような窒化物系セラミックス材料、炭化ケイ素、炭化ホウ素のような炭化物系セラミックス材料等が挙げられる。
また、セラミックス材料は、特にシリカを含むのが好ましい。シリカは、エポキシ樹脂との親和性が高く、絶縁性が高いため、非磁性体粒子(F)の構成粒子として有用である。
非磁性体粒子(F)の構成材料の真比重は、1.0〜6.0であるのが好ましく、1.2〜5.0であるのがより好ましく、1.5〜4.5であるのがさらに好ましい。このような非磁性体粒子(F)は、比重が小さいため、エポキシ樹脂の溶融物とともに流動し易い。このため、成形時においてエポキシ樹脂の溶融物が成形型の隙間等に向かって流動するとき、その溶融物とともに非磁性体粒子(F)が流れ易くなる。その結果、隙間が非磁性体粒子(F)によって塞がれ、エポキシ樹脂の染み出しをより確実に抑制することができる。なお、成形型の隙間とは、例えば、トランスファー成形機のプランジャーとシリンダーとの隙間(クリアランス)等が挙げられる。
非磁性体粒子(F)の、体積基準の粒子径分布曲線における累積50%値は、特に限定されないが、典型的には3μm以下であり、好ましくは0.1〜2.8μmであり、より好ましくは0.5〜2.5μmである。このような粒子径は、非磁性体粒子(F)がエポキシ樹脂の染み出し経路を埋めるのに必要な粒子径であって、かつ、エポキシ樹脂の溶融物とともに流れ易い粒子径である。
非磁性体粒子(F)の、体積基準の粒子径分布曲線における累積50%値は、3μm以下であってかつ磁性体粒子(C)のD50より小さければ好ましいが、その差が5μm以上であるとより好ましく、10〜100μmであるのがさらに好ましく、15〜60μmであるのが特に好ましい。
非磁性体粒子(F)に含まれる非磁性粒子の平均真円度(この定義は、磁性体粒子(C)におけるものと同じである)は特に限定されないが、0.50〜1であるのが好ましく、0.75〜1であるのがより好ましい。真円度がこの範囲内であることにより、非磁性体粒子(F)自体の転がりを活かして樹脂組成物の流動性を確保できる一方、非磁性体粒子(F)が隙間等に詰まり易くなって熱硬化性樹脂の染み出しを抑制し易くなる。すなわち、樹脂組成物の流動性と、熱硬化性樹脂の染み出しの抑制と、を両立させることができる。
非磁性体粒子(F)を用いる場合、その量は、樹脂組成物全体を基準として、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜5質量%である。これにより、流動性が一層高く、また、エポキシ樹脂の染み出しをより確実に抑制可能な樹脂組成物が得られる。
(その他の樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)以外の任意の樹脂(その他の樹脂)を含んでもよい。具体的には、エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)に該当しない熱硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂を含んでもよい。
エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)に該当しない熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A2)に該当しないエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂(オキセタン化合物)、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
その他の樹脂を用いる場合は、1種を単独で用いてもよいし、異なる2種以上を併用してもよい。また、同種の樹脂であっても異なる重量平均分子量の2種以上を併用してもよい。さらに、ある樹脂と、そのプレポリマーとを併用してもよい。
その他の樹脂を用いる場合、その量は、樹脂組成物全体を基準として、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜5質量%である。これにより、流動性や成形性の調整効果を十分に得られると考えられる。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物は、上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。例えば、低応力剤、カップリング剤、密着助剤、着色剤、酸化防止剤、耐食剤、染料、顔料、難燃剤等を含んでもよい。
低応力剤としては、ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン化合物が挙げられる。低応力剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
カップリング剤としては、上述の、磁性体粒子の表面処理に用いられるカップリング剤を用いることができるが、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物がその他の成分を含む場合、その量は、樹脂組成物全体を基準として、例えば0.001〜10質量%の範囲で適宜調整される。
(樹脂組成物の性状や製造方法など)
本実施形態の樹脂組成物は、室温25℃において固形であってよい。
本実施形態の樹脂組成物の性状は、粉末状、顆粒状またはタブレット状等とすることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、まず(1)各成分をミキサーを用いて混合し、(2)その後、ロールを用いて、120℃前後で5分程度混練することにより混練物を得、(3)そして得られた混練物を冷却後粉砕することにより製造することができる。(以上により、粉末状の樹脂組成物を得ることができる。)
なお、必要に応じて粉末状の樹脂組成物を打錠し、顆粒状やタブレット状にしてもよい。これにより、トランスファー成形等の樹脂成形に適する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物を室温(25℃)で固形とすることにより、搬送性や保管性をより高めることが可能である。
<磁性部材の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、例えばトランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、プレス成形法等の各種成形法により、所望の形状に成形される。
これらの方法の中でも、本実施形態の樹脂組成物は、トランスファー成形法による成形に適している。つまり、トランスファー成形装置を用いて、上述の樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、その溶融物が硬化した磁性部材を得ることができる。成形物は、電気・電子デバイス中の磁性部品などとして好適に用いることができる。より具体的には、成形物は、コイル(用途や目的により、リアクトルやインダクタなどとも呼ばれる)の磁性コアなどとして好適に用いられる。
トランスファー成形については、公知のトランスファー成形装置を適宜用いるなどして行うことができる。具体的には、まず、予熱した樹脂組成物を、トランスファー室とも言われる加熱室に入れて溶融し、溶融物を得る。その後、その溶融物をプランジャーで金型に注入し、そのまま保持して溶融物を硬化させる。これにより、所望の成形物を得ることができる。
トランスファー成形は、成形品の寸法の制御性や、形状自由度の向上などの点で、他の成形法に比べて好ましい。
トランスファー成形における各種条件は、任意に設定することができる。例えば、予熱の温度は60〜100℃、溶融の際の加熱温度は150〜250℃、金型温度は150〜200℃、金型に樹脂組成物の溶融物を注入する際の圧力は1〜20MPaの間で適宜調整することができる。
<磁性部材およびコイル>
本実施形態の樹脂組成物により形成された磁性部材(本実施形態の樹脂組成物を硬化させて形成した磁性部材)、および、その磁性部材を磁性コアまたは外装部材として備えるコイルの態様について説明する。
(第1の態様)
図1(a)および図1(b)は、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアを備えるコイル100(リアクトル)を模式的に示した図である。
図1(a)は、上面から見たコイル100の概要を示す。図1(b)は、図1(a)におけるA−A’断面視における断面図を示す。
コイル100は、図1に示されるように、巻線10および磁性コア20を備えることができる。磁性コア20は、空芯コイルである巻線10の内部に充填されている。図1(a)に示す一対の巻線10は、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20は、図1(b)に示す1対の巻線10の内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20と巻線10とは一体化した構造を有することができる。
なお、コイル100は、巻線10と磁性コア20との間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
コイル100において、巻線10および磁性コア20は、外装部材30(封止部材)で封止されていてもよい。例えば、筐体(ケース)中に巻線10および磁性コア20を収容し、そこに液状樹脂を導入し、必要に応じて液状樹脂を硬化することにより、巻線10および磁性コア20の周囲に外装部材30を形成してもよい。このとき巻線10は、巻線の端部を外装部材30の外部に引き出した不図示の引き出し部を有していてもよい。
巻線10は、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した巻線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線の断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20の断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20は、例えば本実施形態の樹脂組成物のトランスファー成形品で構成されるため、所望の形状を有することが可能である。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた磁性コア20を実現できる。すなわち、この磁性コア20を備えるコイル100は、量産適性が良好であり、また、鉄損が小さいことなどが期待される。また、機械的特性に優れた磁性コア20を実現できるため、コイル100の耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、コイル100は、昇圧回路用や大電流用のリアクトルとして用いることができる。
(第2の態様)
上記のコイルとは別の態様として、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された外装部材を備えるコイル(インダクタ)の概要を、図2を参照しつつ説明する。
図2(a)は、コイル100Bの上面からみたコイルの概要を示す。図2(b)は、図2(a)におけるB−B’断面視における断面図を示す。
コイル100Bは、図2に示されるように、巻線10Bおよび磁性コア20Bを備えることができる。磁性コア20Bは、空芯コイルである巻線10Bの内部に充填されている。図2(a)に示される一対の巻線10Bは、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20Bは、図2(b)に示される1対の巻線10Bの内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20Bと巻線10Bとは、それぞれ個別に作成し、組み合わせた組合せ構造を有することができる。
なお、コイル100Bは、巻線10Bと磁性コア20Bとの間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
コイル100Bにおいて、巻線10Bおよび磁性コア20Bは、外装部材30B(封止部材)で封止されている。例えば、巻線10Bに充填された磁性コア20Bを金型に配置し、本実施形態の樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形することにより、当該樹脂組成物を硬化させて、巻線10Bおよび磁性コア20Bの周囲に外装部材30Bを形成することができる。このとき巻線10Bは、巻線の端部を外装部材30Bの外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
巻線10Bは、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した導線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線10Bの断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20Bの断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20Bは、例えば、磁性粉とバインダーとで構成された圧粉鉄芯を用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた外装部材30Bを実現できるため、磁性コア20Bを備えるコイル100Bにおいては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30Bを実現できるため、コイル100Bの耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。
(第3の態様)
更に別の態様として、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアと外装部材を備える一体型インダクタの概要を、図3を参照しつつ説明する。
図3(a)は、一体型インダクタ100Cの上面からみた構造体の概要を示す。図3(b)は、図3(a)におけるC−C’断面視における断面図を示す。
一体型インダクタ100Cは、図3に示されるように、巻線10Cおよび磁性コア20Cを備えることができる。磁性コア20Cは、空芯コイルである巻線10のC内部に充填されている。巻線10Cおよび磁性コア20Cは、外装部材30C(封止部材)で封止されている。磁性コア20Cおよび外装部材30Cは、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成することができる。磁性コア20Cおよび外装部材30Cは、シームレスの一体部材として形成されていてもよい。
一体型インダクタ100Cの製造方法としては、例えば、巻線10Cを金型に配置し、本実施形態の樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形をする。これにより、樹脂組成物を硬化させて、巻線10C中に充填された磁性コア20Cおよびこれらの周囲に外装部材30Cを一体的に形成することができる。このとき、巻線10Cは、巻線の端部を外装部材30Cの外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
巻線10Cは、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した導線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線10Cの断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20Cの断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20Cは、本実施形態の樹脂組成物のトランスファー成形品で構成されるため、所望の形状を有することが可能である。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた磁性コア20Cおよび外装部材30Cを実現できるため、これらを有する一体型インダクタ100Cにおいては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30Cを実現できるため、一体型インダクタ100Cの耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、一体型インダクタ100Cは、昇圧回路用や大電流用のインダクタとして用いることができる。
(磁性部材に関する補足)
本実施形態の磁性部材(本実施形態の樹脂組成物の硬化物)は、前述のとおり、耐熱性が良好である。具体的には、熱機械分析装置を用いて、測定温度範囲0℃〜400℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定されるガラス転移温度が、好ましくは160℃以上、より好ましくは165℃以上である。
<磁性体粒子と混合して磁性部材を成形するために用いられる樹脂組成物>
上記では、「エポキシ樹脂(A1)と、エポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)と、磁性体粒子(C)」の4成分を含む樹脂組成物や、その樹脂組成物を用いて得られる磁性部材(硬化物)の実施形態について説明した。
一方、別の実施形態として、
(1)まず、「エポキシ樹脂(A1)と、エポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)」の3成分を含む(磁性体粒子(C)を含まない)樹脂組成物を調製しておき、
(2)その後、その樹脂組成物を磁性体粒子(C)と混合して混合物を得、
(3)そして、その混合物を溶融して金型に注入し、成形する
という工程により、磁性部材(硬化物)を得ることもできる。
なお、(2)の混合物を得るタイミングは、例えば、(3)の成形工程の直前とすることができる。
上記(1)の樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A1)と、エポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)とを含む「磁性体粒子(C)と混合して磁性部材を成形するために用いられる樹脂組成物」と表現することができる。この樹脂組成物における、エポキシ樹脂(A1)、エポキシ樹脂(A2)およびフェノール系硬化剤(B)の具体的態様については、前述のものと同様である。
なお、上記(1)の樹脂組成物は、その他の任意成分を含んでもよい。任意成分としては、前述したように、離型剤、非磁性体粒子、その他の樹脂、低応力剤、カップリング剤、密着助剤、着色剤、酸化防止剤、耐食剤、染料、顔料、難燃剤等を挙げることができる。または、これらの任意成分については、上記(2)の混合物を得るときに添加されてもよい。
上記(2)の混合工程は、例えば、上記の樹脂組成物と、磁性体粒子(C)とを、ミキサーを用いて混合し、その後、ロールを用いて、120℃前後で5分程度混練することにより混練物を得、そして得られた混練物を冷却後粉砕する工程とすることができる。
なお、磁性体粒子(C)の具体的態様や、混合物中の磁性体粒子の量などについては、上述の<樹脂組成物>の項で説明された磁性体粒子(C)の具体的態様と同様とすることができる。
上記(3)の成形工程の具体的な態様については、上記<磁性部材の製造方法>の記載を参考とすることができる。
<キット>
更に別の実施形態として、エポキシ樹脂(A1)と、エポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)とを含む第一成分と、磁性体粒子(C)を含む第二成分とからなる磁性部材成形用キットにより、磁性部材(硬化物)を得ることができる。
このキットにおいて、第一成分と第二成分は、通常、使用直前までは互いに接触しない状態となっている。例えば、第一成分と第二成分はそれぞれ別々の容器に入れられている。
第一成分は、通常、磁性体粒子を含まない。また、第二成分は、通常、エポキシ樹脂(A1)、エポキシ樹脂(A2)およびフェノール系硬化剤(B)を含まない。
第一成分におけるエポキシ樹脂(A1)、エポキシ樹脂(A2)およびフェノール系硬化剤(B)の具体的態様については、前述のものと同様である。
第二成分における磁性体粒子(C)の具体的態様については、前述のものと同様である。
第一成分および/または第二成分は、その他の任意成分を含んでもよい。任意成分としては、前述したように、離型剤、非磁性体粒子、エポキシ樹脂とは異なる樹脂、低応力剤、カップリング剤、密着助剤、着色剤、酸化防止剤、耐食剤、染料、顔料、難燃剤等を挙げることができる。
キットの第一成分と第二成分を混合して混合物を得、そして、その混合物を溶融して金型に注入し、成形することで、磁性部材(硬化物)を得ることができる。
混合、溶融、金型注入等の具体的方法および態様については、上記<樹脂組成物>、<磁性体粒子と混合して磁性部材を成形するために用いられる樹脂組成物>、<磁性部材の製造方法>などの記載を参照されたい。
<参考形態>
上記では、エポキシ樹脂として、特定の構造を有するエポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)を併用することを中心に、本発明の実施形態を説明した。
一方、さきに説明したように、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)の併用は、溶融しにくい(溶融時には比較的高粘度である)エポキシ樹脂と、それよりは溶融しやすい(溶融時には比較的低粘度である)エポキシ樹脂の併用、と捉えることもできる。
つまり、本実施形態の樹脂組成物は、例えば以下[参考形態]のように表現することもできる。
[参考形態]
150℃での溶融粘度が50mPa・s以上であるエポキシ樹脂(A1´)と、
150℃での溶融粘度が40mPa・s以下であるエポキシ樹脂(A2´)と、
フェノール系硬化剤(B)と
磁性体粒子(C)と
を含む、磁性部材成形用の樹脂組成物。
ここで、溶融粘度の測定温度を「150℃」としているのは、硬化剤を含まないエポキシ樹脂だけで溶融粘度を測定すると、粘度が極めて低く測定され、樹脂固有の粘度を的確に評価できない場合があるためである。なお、測定装置としては、エム.エス.ティー.エンジニアリング株式会社などのICIコーンプレート粘度計を使用することができる。
エポキシ樹脂(A1´)の具体例としては、前述のエポキシ樹脂(A1)を挙げることができる。
エポキシ樹脂(A2´)の具体例としては、前述のエポキシ樹脂(A2)を挙げることができる。
エポキシ樹脂(A1´)の150℃での溶融粘度は、より好ましくは50〜200mPa・s、さらに好ましくは70〜180mPa・s、特に好ましくは90〜160mPa・s、とりわけ好ましくは100〜150mPa・sである。
エポキシ樹脂(A2´)の150℃での溶融粘度は、より好ましくは0.1〜40mPa・s、さらに好ましくは0.5〜35mPa・s、特に好ましくは1〜30mPa・sである。
[参考形態]におけるフェノール系硬化剤(B)および磁性体粒子(C)の具体的態様は、上記<樹脂組成物>の欄で説明したものと同様である。その他、[参考形態]の樹脂組成物が更に含んでもよい任意成分、[参考形態]の樹脂組成物を用いた磁性部材の製造方法なども前述の記載と同様である。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<樹脂組成物の調製>
各実施例のそれぞれについて、次のようにして樹脂組成物を調製した。まず、表1に記載の各成分を、記載の量準備し、ミキサーを用いて混合した。次いで、得られた混合物をロール混練した。その後、冷却、粉砕してパウダー状の樹脂組成物を得た。
表1に記載の各成分の量は、質量部である。
表1に記載の原料成分は、具体的には以下である。なお、エポキシ樹脂の150℃での溶融粘度は、ICIコーンプレート粘度計による測定値である。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂A1−1:以下化学式で表されるエポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、品番E1032H60、25℃で固形、150℃での溶融粘度:130mPa・s)
Figure 2019210362
エポキシ樹脂A2−1:以下化学式で表されるエポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、品番YL6810、25℃で固形、150℃での溶融粘度:3mPa・s)
Figure 2019210362
エポキシ樹脂A2−2:以下化学式で表されるエポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YSLV−80、25℃で固形、150℃での溶融粘度:3mPa・s)
Figure 2019210362
エポキシ樹脂A2−3:以下化学式で表されるエポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP7200、25℃で固形、150℃での溶融粘度:24mPa・s)
Figure 2019210362
(フェノール系硬化剤)
フェノール樹脂A:以下化学式で表されるノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、品番PR−HF−3、25℃で固形)
Figure 2019210362
フェノール樹脂B:以下化学式で表されるビフェニル構造を有するフェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851、25℃で固形)
Figure 2019210362
(硬化触媒)
硬化触媒A:イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PZ−PW)
(離型剤)
離型剤A:合成ワックス(クラリアントケミカルズ株式会社製、WE−4)
(磁性体粒子)
磁性体粒子A:アモルファス磁性粉(エプソンアトミックス株式会社製、KUAMET6B2、メジアン径D50:50μm、Fe88質量%)
磁性体粒子B:合金鋼粉末(大同特殊鋼株式会社製、DAPMSC5、メジアン径D50:10μm、Fe91質量%)
磁性体粒子C:カルボニル鉄粉(BASF社製、CIP−HQ、メジアン径D50:2μm、Fe99質量%)
<性能評価>
各樹脂組成物について、以下の評価を行った。
(耐熱性:ガラス転移温度)
樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片(磁性部材)を作製した。
得られた試験片に対して、熱機械分析装置(セイコーインスツル社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、ガラス転移温度(℃)を測定した。
ガラス転移温度が大きいことは、試験片(磁性部材)中の樹脂の分子運動が抑制されていることを意味する。つまり、ガラス転移温度が大きいほど、耐熱性は良好である。
(成形性)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、50Φの円盤成形品を2個、10mm×80mm×4mmtの成形品を4個作製した。
これらの成形品すべてを問題なく得られたものを○(良好)、1つでも未充填となったものを×(不良)とした。
(耐ブロッキング性)
一定時間冷蔵保管したパウダー状の樹脂組成物を、常温に戻した。これを目視で確認し、ブロッキングが観察されなかったものを○(良好)、観察されたものを×(不良)とした。
(比透磁率)
樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、直径16mmΦ、高さ32mmの円柱状成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して、比透磁率評価用試験片を作製した。得られた円柱状成形品に対して直流交流磁化特性試験装置(メトロン技研株式会社製「MTR−1488」)を用いて、B−H初磁化曲線をH=0〜100kA/mの範囲で測定し、B−H初磁化曲線のB/Hの最大値を比透磁率とした。
(線膨張係数)
上記の熱機械分析装置によるガラス転移温度の測定結果を利用して、50〜70℃における平均線膨張係数α(ppm/℃)と、270〜290℃における平均線膨張係数α(ppm/℃)を求めた。
(機械物性:曲げ強度および曲げ弾性率)
樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、幅10mm、厚み4mm、長さ80mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。そして、試験片の25℃における曲げ強度(MPa)および25℃における曲げ弾性率(GPa)を、JIS K 6911に準拠して測定した。
各樹脂組成物の組成と評価結果を下表にまとめて示す。
なお、「エポキシ樹脂」の欄には、エポキシ樹脂(A1)が有するエポキシ基のモル数をMとし、エポキシ樹脂(A2)が有するエポキシ基のモル数をMとしたときの、M/Mの値についても記載している。
Figure 2019210362
表1に示されるとおり、実施例1〜4の樹脂組成物(特定のエポキシ樹脂2種と、フェノール系硬化剤と、磁性体粒子とを含む樹脂組成物)は、耐熱性、成形性および耐ブロッキング性の3つの性能全てについて良好であった。
一方、比較例1〜6の樹脂組成物(エポキシ樹脂を1種のみ含む)の評価では、3つの性能のうち少なくとも1つについて望ましくない結果が得られた。
また、実施例1〜4の樹脂組成物を用いて得られた硬化物の、比透磁率、線膨張係数、曲げ強度や曲げ弾性率などは特段悪い値では無かった。つまり、実施例1〜4の樹脂組成物を用いて得られた硬化物は、磁性部材として十分に使用可能であることが示された。
10 巻線
20 磁性コア
30 外装部材
100 コイル
10B 巻線
20B 磁性コア
30B 外装部材
100B コイル
10C 巻線
20C 磁性コア
30C 外装部材
100C 一体型インダクタ

Claims (14)

  1. 磁性部材成形用の樹脂組成物であって、
    トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、
    以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、
    フェノール系硬化剤(B)と
    磁性体粒子(C)と
    を含む樹脂組成物。
    Figure 2019210362
    一般式(a2−1)中、
    Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
    21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    lは、0〜3の整数である。
    Figure 2019210362
    一般式(a2−2)中、
    2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
    22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(A1)が、以下一般式(a1)で表される構造単位を有する樹脂組成物。
    Figure 2019210362
    一般式(a1)中、
    11は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    12は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    iは、0〜3の整数であり、
    jは、0〜4の整数である。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、
    前記フェノール系硬化剤(B)が、ビフェニル骨格およびノボラック骨格からなる群より選ばれるいずれかの骨格を含む樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(A1)が有するエポキシ基のモル数をMとし、
    前記エポキシ樹脂(A2)が有するエポキシ基のモル数をMとしたとき、
    /Mの値が0.5〜1.5である樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    樹脂組成物全体に対する前記磁性体粒子(C)の含有量が90質量%以上である樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    前記磁性体粒子(C)が、Fe、Cr、Co、Ni、AgおよびMnからなる群より選択される1種以上の元素を含む樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    前記磁性体粒子(C)が、Feを85質量%以上含む樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    前記磁性体粒子(C)の、体積基準におけるメジアン径D50が0.5〜75μmである樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物により成形された磁性部材。
  10. 請求項9に記載の磁性部材を、磁性コアまたは外装部材として備えるコイル。
  11. トランスファー成形装置を用いて、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、前記溶融物が硬化した磁性部材を得る、磁性部材の製造方法。
  12. トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、
    以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、
    フェノール系硬化剤(B)とを含み、
    磁性体粒子(C)と混合して磁性部材を成形するために用いられる樹脂組成物。
    Figure 2019210362
    一般式(a2−1)中、
    Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
    21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    lは、0〜3の整数である。
    Figure 2019210362
    一般式(a2−2)中、
    2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
    22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
  13. 請求項12に記載の樹脂組成物と、磁性体粒子(C)とを混合して混合物を得る混合工程と、
    前記混合物を溶融して金型に注入し、成形する成形工程と
    を含む、磁性部材の製造方法。
  14. トリアリールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(A1)と、以下一般式(a2−1)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂および以下一般式(a2−2)で表される構造のエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種のエポキシ樹脂(A2)と、フェノール系硬化剤(B)とを含む第一成分と、
    磁性体粒子(C)を含む第二成分と
    からなる、磁性部材成形用キット。
    Figure 2019210362
    一般式(a2−1)中、
    Cyは脂環構造を含む2価の有機基を表し、
    21は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    lは、0〜3の整数である。
    Figure 2019210362
    一般式(a2−2)中、
    2つのRはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、
    22は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    23は、複数ある場合はそれぞれ独立に、1価の置換基を表し、
    pおよびqは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
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