JP2019210333A - 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 - Google Patents
繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019210333A JP2019210333A JP2018105606A JP2018105606A JP2019210333A JP 2019210333 A JP2019210333 A JP 2019210333A JP 2018105606 A JP2018105606 A JP 2018105606A JP 2018105606 A JP2018105606 A JP 2018105606A JP 2019210333 A JP2019210333 A JP 2019210333A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- cellulose
- microfiber cellulose
- microfiber
- composite resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
Description
原料繊維を解繊して平均繊維幅0.1μm以上のマイクロ繊維セルロースとし、
このマイクロ繊維セルロースと樹脂とをスクリューを有する多軸混練機で脱気しながら複合し、
前記スクリューの周速を所定値以下として前記マイクロ繊維セルロースの平均繊維長を0.01mm以上とする、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
前記所定値が140m/分である、
請求項1に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
前記解繊をリファイナーで行う、
請求項1又は請求項2に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
前記複合に先立って、前記マイクロ繊維セルロースを濃縮する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
前記複合に先立って又は前記複合に際して前記マイクロ繊維セルロースを多塩基酸で変性する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
前記複合に先立って又は前記複合に際して多塩基酸を添加し、当該多塩基酸を含有するマイクロ繊維セルロース複合樹脂を得る、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
前記複合に先立って前記マイクロ繊維セルロースを濃縮し、
この濃縮に先立って又は前記濃縮に際して、前記マイクロ繊維セルロースに樹脂粉末を添加する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
原料繊維としては、例えば、植物由来の繊維、動物由来の繊維、微生物由来の繊維等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。ただし、植物繊維であるパルプ繊維を使用するのが好ましい。原料繊維がパルプ繊維であると、安価であり、また、サーマルリサイクルの問題を避けることができる。
原料繊維は化学的手法によって、前処理するのが好ましい。微細化(解繊)処理に先立って化学的手法によって前処理することで、微細化処理の回数を大幅に減らすことができる。結果、繊維が千切れるのを可及的に防ぐことができ、また、微細化処理のエネルギーを大幅に削減することができる。
微細化処理は、例えば、ビーター、高圧ホモジナイザー、高圧均質化装置等のホモジナイザー、グラインダー、摩砕機等の石臼式摩擦機、単軸混練機、多軸混練機、ニーダーリファイナー等を使用して原料繊維を叩解することによって行うことができ、リファイナーを使用して行うことが好ましい。
微細化処理して得られたマイクロ繊維セルロースは、必要により水系媒体中に分散して分散液とすることができる。水系媒体は、全量が水であるのが特に好ましいが、一部が水と相溶性を有する他の液体である水系媒体も好ましく使用することができる。他の液体としては、炭素数3以下の低級アルコール類等を使用することができる。
マイクロ繊維セルロース及び樹脂と混練する多塩基酸としては、シュウ酸類、フタル酸類、マロン酸類、コハク酸類、グルタル酸類、アジピン酸類、酒石酸類、グルタミン酸類、セバシン酸類、ヘキサフルオロケイ酸類、マレイン酸類、イタコン酸類、シトラコン酸類、クエン酸類等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。だだし、フタル酸、フタル酸塩類及びこれら(フタル酸類)の誘導体の少なくともいずれか1種以上であるのが好ましい。
マイクロ繊維セルロースには、セルロースナノファイバー、ミクロフィブリルセルロース、ミクロフィブリル状微細繊維、微少繊維セルロース、ミクロフィブリル化セルロース、スーパーミクロフィブリルセルロース等と称される各種微細繊維の中から1種又は2種以上を含ませることができ、また、これらの微細繊維が含まれていてもよい。また、これらの微細繊維を更に微細化した繊維をも含ませることもでき、また、含まれていてもよい。ただし、全原料繊維中におけるマイクロ繊維セルロースの割合が10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上となるようにする必要がある。
マイクロ繊維セルロース及び樹脂(混練物)は、必要により再度混練処理を行った後、所望の形状に成形する。なお、混練物に変性マイクロ繊維セルロースが分散していても、成形加工性に優れている。
明細書中の用語は、特に断りのない限り、以下のとおりである。
固形分濃度0.01〜0.1質量%のマイクロ繊維セルロースの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t−ブタノール20mlで3回溶媒置換する。次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍又は30000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の幅を目視で計測する。そして、計測値の中位径を平均繊維径とする。
上記平均繊維径の場合と同様にして、各繊維の長さを目視で計測する。計測値の中位長を平均繊維長とする。
フィブリル化率と平均繊維長は、バルメット社製の繊維分析計「FS5」によって測定する。
上記平均繊維長を平均繊維幅(径)で除した値である。
JIS−K0131(1996)の「X線回折分析通則」に準拠して、X線回折法により測定した値である。なお、マイクロ繊維セルロースは、非晶質部分と結晶質部分とを有し、結晶化度は、マイクロ繊維セルロース全体における結晶質部分の割合を意味することになる。
JIS−P8215(1998)に準拠して測定する。なお、パルプ粘度が高いほどマイクロ繊維セルロースの重合度が高いことを意味する。
JIS P8121−2:2012に準拠して測定した値である。
固形分濃度2.75重量%のマイクロ繊維セルロース(解繊にリファイナーを使用)水分散液365gに、フタル酸7g及びポリプロピレン粉末83gを添加し、105℃で加熱乾燥し混合物を得た。当該混合物の含水率は、10%未満であった。当該混合物を180℃、スクリューの周速は、1m/sの条件で二軸混練機にて混練し、繊維状セルロース複合樹脂を得た。得られた複合樹脂をペレッターで2mm径、2mm長の円柱状にカットし、180℃で直方体試験片(長さ59mm、幅9.6mm、厚さ3.8mm)に射出成形した。得られた成形物について、表1に、曲げ試験の試験結果を示した。なお、曲げ試験の評価方法は、次のとおりである。
曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に準拠して測定した。表中には、評価結果を以下の基準で示した。
樹脂自体の曲げ弾性率を1として複合樹脂の曲げ弾性率(倍率)が1.5倍以上の場合 :○
樹脂自体の曲げ弾性率を1として複合樹脂の曲げ弾性率(倍率)が1.5倍未満の場合:×
解繊の程度(セルロース繊維の平均繊維幅、平均繊維長、及びフィブリル化率)、セルロース繊維、薬品、及び樹脂の配合割合、薬品の種類、混錬の際のスクリューの周速を表1に示すように変化させて試験を行った。結果は、表1に示した。なお、多塩基酸は混練直前に添加することとした。
表1から、スクリューの周速が重要なファクターになること、ただし、混合するセルロース繊維がCNFの場合は妥当しないことが分かる。
Claims (7)
- 原料繊維を解繊して平均繊維幅0.1μm以上のマイクロ繊維セルロースとし、
このマイクロ繊維セルロースと樹脂とをスクリューを有する多軸混練機で脱気しながら複合し、
前記スクリューの周速を所定値以下として前記マイクロ繊維セルロースの平均繊維長を0.01mm以上とする、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。 - 前記所定値が140m/分である、
請求項1に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。 - 前記解繊をリファイナーで行う、
請求項1又は請求項2に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。 - 前記複合に先立って、前記マイクロ繊維セルロースを濃縮する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。 - 前記複合に先立って又は前記複合に際して前記マイクロ繊維セルロースを多塩基酸で変性する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。 - 前記複合に先立って又は前記複合に際して多塩基酸を添加し、当該多塩基酸を含有するマイクロ繊維セルロース複合樹脂を得る、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。 - 前記複合に先立って前記マイクロ繊維セルロースを濃縮し、
この濃縮に先立って又は前記濃縮に際して、前記マイクロ繊維セルロースに樹脂粉末を添加する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018105606A JP7128660B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018105606A JP7128660B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019210333A true JP2019210333A (ja) | 2019-12-12 |
JP7128660B2 JP7128660B2 (ja) | 2022-08-31 |
Family
ID=68844747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018105606A Active JP7128660B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7128660B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024080299A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | 旭化成株式会社 | セルロース繊維、及び該セルロース繊維を用いた製品 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011047084A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 有機化繊維、樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2012201852A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | セルロース配合フィルム及びセルロース配合フィルムの製造方法 |
JP2014193959A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Oji Holdings Corp | 植物繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2015168914A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-09-28 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 |
JP2016030881A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | 株式会社日進製作所 | オリゴエステル化竹繊維の製造方法、オリゴエステル化竹繊維強化熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 |
JP2016064501A (ja) * | 2014-05-22 | 2016-04-28 | 国立大学法人九州工業大学 | バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法 |
JP2016094541A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
JP2019001938A (ja) * | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 第一工業製薬株式会社 | 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 |
JP2019147861A (ja) * | 2018-02-26 | 2019-09-05 | Dic株式会社 | 組成物および成形体、並びにこれらの製造方法 |
-
2018
- 2018-05-31 JP JP2018105606A patent/JP7128660B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011047084A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 有機化繊維、樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2012201852A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | セルロース配合フィルム及びセルロース配合フィルムの製造方法 |
JP2014193959A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Oji Holdings Corp | 植物繊維含有樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2015168914A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-09-28 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースコンポジットシートの製造方法 |
JP2016064501A (ja) * | 2014-05-22 | 2016-04-28 | 国立大学法人九州工業大学 | バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法 |
JP2016030881A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | 株式会社日進製作所 | オリゴエステル化竹繊維の製造方法、オリゴエステル化竹繊維強化熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 |
JP2016094541A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
JP2019001938A (ja) * | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 第一工業製薬株式会社 | 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 |
JP2019147861A (ja) * | 2018-02-26 | 2019-09-05 | Dic株式会社 | 組成物および成形体、並びにこれらの製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024080299A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | 旭化成株式会社 | セルロース繊維、及び該セルロース繊維を用いた製品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7128660B2 (ja) | 2022-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7323277B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂 | |
WO2020262344A1 (ja) | セルロース繊維複合再生樹脂及びその製造方法 | |
WO2020090711A1 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP7267983B2 (ja) | 繊維状セルロース含有物及びその製造方法、繊維状セルロース乾燥体及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP7128660B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 | |
JP6799565B2 (ja) | 繊維状セルロース及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP6796111B2 (ja) | 繊維状セルロース含有物及びその製造方法、繊維状セルロース乾燥体及びその製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP2021037769A5 (ja) | ||
JP7121576B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及び繊維状セルロース含有物の製造方法、並びに繊維状セルロース複合樹脂 | |
JP7139155B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP7220534B2 (ja) | 繊維状セルロースの製造方法、及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 | |
JP2020012021A5 (ja) | ||
JP2019210332A5 (ja) | ||
WO2020195908A1 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに樹脂の補強材 | |
JP7252187B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂の製造方法 | |
JP7179495B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
JP2020158700A5 (ja) | ||
JP2021036054A5 (ja) | ||
JP7236841B2 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法 | |
WO2020195909A1 (ja) | 繊維状セルロース複合樹脂及びその製造方法、並びに樹脂の補強材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210524 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220422 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220617 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220805 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220819 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7128660 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |