JP2019001938A - 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維の切断を抑制しながらセルロース繊維を解繊することができる解繊セルロース繊維の製造方法を提供する。また、機械的強度に優れる樹脂組成物を簡易に得ることができる樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】セルロース原料100質量部に対して、シリコーン系界面活性剤を0.01〜50質量部添加し、機械的に解繊する、解繊セルロース繊維の製造方法である。また、セルロース原料とシリコーン系界面活性剤と水系樹脂を水中で混合することによりセルロース原料に含まれるセルロース繊維を表面処理し、表面処理したセルロース繊維を熱可塑性樹脂と溶融混練することにより、解繊セルロース繊維と熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を得る方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、解繊セルロース繊維の製造方法に関する。また、解繊セルロース繊維を含む樹脂組成物の製造方法に関する。
セルロース繊維に対して解繊処理を施すことにより、セルロースナノファイバー(セルロース微細繊維ともいう。)などの解繊セルロース繊維を得ることが知られており、解繊セルロース繊維は、化粧品、食品、樹脂添加物等の工業原料として用いられる。
解繊セルロース繊維を得る方法において、解繊処理工程でせん断力が高まると繊維が切れやすくなる。実際に、セルロース繊維を酸処理し解繊処理を行うと短繊維化することが知られている(例えば、特許文献1)。その一方で、疎水変性したパルプを樹脂と混練することにより当該混練工程でセルロース繊維を解繊する方法が知られており、この混練により得られたセルロース微細繊維が短く切断されると補強効果に劣ることから、繊維の切断を抑制するために混練条件(解繊条件)を調整することが検討されている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、特許文献1には繊維長を保つ方法の記載はない。また、非特許文献1には繊維の切断を抑制することは開示されているものの、添加剤を添加して繊維長を保つ方法の記載はない。
一方、特許文献2には、セルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂を含む分散液にノニオン界面活性剤を添加することが開示されている。しかしながら、予め解繊し染色したセルロースナノファイバーに、熱可塑性樹脂とともにノニオン界面活性剤を添加し混合することにより、分散性を向上することを意図したものであり、界面活性剤により繊維の切断を抑制しつつ解繊を促進することは開示されていない。
特開2015−025141号公報 特開2013−166818号公報
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成23−24年度成果報告書、「4.3 化学修飾パルプを用いたCNF強化自動車用樹脂材料部材化プロセスの開発」pp67−72
本発明は、一実施形態において、繊維の切断を抑制しながらセルロース繊維を解繊することができる解繊セルロース繊維の製造方法を提供することを目的とする。
他の実施形態において、機械的強度に優れる樹脂組成物を簡易に得ることができる樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、セルロース原料を特定の解繊助剤と共に解繊処理することにより、繊維の切断を抑制しつつセルロース繊維を解繊できることを見出した。すなわち、本発明の一実施形態に係る解繊セルロース繊維の製造方法は、セルロース原料100質量部と、シリコーン系界面活性剤0.01〜50質量部を混合し、機械的に解繊するものである。
他の実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、セルロース原料とシリコーン系界面活性剤と水系樹脂を水中で混合することによりセルロース原料に含まれるセルロース繊維を表面処理し、表面処理したセルロース繊維を熱可塑性樹脂と溶融混練することにより、解繊セルロース繊維と熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を得るものである。
上記解繊セルロース繊維の製造方法によれば、繊維の切断を抑制しながら解繊することができ、そのため、繊維長の大きい解繊セルロース繊維を得ることができる。
上記樹脂組成物の製造方法によれば、解繊セルロース繊維を含むことで機械的強度に優れる樹脂組成物を簡易に製造することができる。
実施例2−1の繊維解繊度試験で得られた電子顕微鏡写真である。 比較例2−1の繊維解繊度試験で得られた電子顕微鏡写真である。
[解繊セルロース繊維の製造方法]
第1実施形態は、セルロース原料にシリコーン系界面活性剤を添加して機械的に解繊する、解繊セルロース繊維の製造方法である。
(セルロース原料)
本実施形態において使用されるセルロース原料としては、セルロース繊維を含有する種々のセルロース原料が挙げられる。
セルロース原料の具体例としては、植物(例えば木材、綿、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ、再生パルプ、古紙)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌)、微生物産生物等を起源とするものが知られているが、本実施形態ではそのいずれも使用できる。これらの中で、植物由来パルプが好ましい原材料として挙げられる。
前記パルプとしては、植物原料を化学的、若しくは機械的に、又は両者を併用してパルプ化することで得られる、ケミカルパルプ(クラフトパルプ(KP)、亜硫酸パルプ(SP))、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドパルプ(CGP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、砕木パルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)が好ましいものとして挙げられる。
また、これらパルプをさらに化学的処理した化学変性パルプも使用できる。化学処理方法としては、エステル化、エーテル化、カルバメート化などのセルロース表面水酸基と反応させ共有結合を形成する方法のほか、セルロース表面に低分子有機化合物、オリゴマー、高分子化合物を水素結合、イオン結合、分子間力などで吸着させセルロース表面特性を改質する方法が挙げられる。
なお、セルロース原料には、セルロースだけでなく、セルロース以外の成分を含んでもよく、たとえばリグニンおよびヘミセルロースを化学変性したリグノセルロース含有パルプも使用できる。
以上のセルロース原料はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
セルロース原料としては、セルロースI型結晶を有しその結晶化度が40%以上であるものを用いることが好ましい。セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。セルロース原料のセルロースI型結晶化度の値は、50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上であり、80%以上でもよい。セルロースI型結晶化度の上限は、特に限定されないが、例えば、98%以下でもよく、95%以下でもよく、90%以下でもよい。
(界面活性剤)
本実施形態では、解繊助剤として界面活性剤を用いる。界面活性剤としては、高い解繊促進効果を有することから、疎水基がシリコーン鎖からなるシリコーン系界面活性剤を用いる。解繊助剤として、シリコーン系界面活性剤を用いることにより、セルロース原料に含まれるセルロース繊維を機械的に解繊する際に、繊維の切断を抑制しながら解繊することができる。また、化学修飾されたセルロース繊維についてはもちろんのこと、化学修飾されていないセルロース繊維についても、容易に解繊することができる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリジメチルシロキサンに対し、以下に挙げた各種有機基を導入した構造を有する変性シリコーンを用いることができる。本実施形態で好適な有機変性としては、例えば、アルキル基が導入されたアルキル変性、高級脂肪酸残基が導入された高級脂肪酸変性、ポリエーテル鎖が導入されたポリエーテル変性、フッ素が導入されたフッ素変性、アミノ基が導入されたアミノ変性、メルカプト基が導入されたメルカプト変性、エポキシ基が導入されたエポキシ変性、カルボキシル基が導入されたカルボキシル変性、メタクリル基が導入されたメタクリル変性、カルビノール基が導入されたカルビノール変性が挙げられる。このとき、一つのポリジメチルシロキサンに対して、置換基が二つ以上結合してもよく、一つのポリジメチルシロキサンに対して、構造が異なる2種以上の有機基が結合していてもよい。これら形態の変性シリコーンにおいて、繊維間の潤滑性が優れるという点から、高級脂肪酸変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、及びアミノポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、更に好ましくは、ポリエーテル変性シリコーンである。
ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーンオイルの側鎖及び/又は末端の炭化水素基を、ポリエーテル鎖で置換した構造を有するものである。ポリエーテル変性シリコーンのポリエーテル鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)鎖がブロック状又はランダムに付加したポリオキシアルキレン鎖が好適であり、シリコーン主鎖にポリエーテル基がグラフト結合した多鎖型誘導体、シリコーン鎖とポリエーテル鎖がブロック状に結合したブロック誘導体が好適に使用できる。
また、ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、信越化学工業株式会社製のKFシリーズ;KF−351、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−618、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYKシリーズ;BYK−302、BYK−307、BYK−330、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349が挙げられる。
(解繊セルロース繊維の製造方法)
本実施形態においては、セルロース原料に対して、上記シリコーン系界面活性剤を添加し混合した後、解繊処理することにより解繊セルロース繊維を得ることができる。
(1)前処理
セルロース原料として嵩密度が0.5kg/m以上のものを用いる場合、混合及び解繊処理に先立ち、前処理を行い、嵩密度を0.1〜0.5kg/mにすることが好ましい。
前処理方法としては、たとえば、綿状化処理を行い、セルロース原料を適度な嵩密度を有する綿状にすることができる。この綿状化処理を予め行うことにより、解繊をより効率的に行うことができる。綿状化処理としては、たとえばシート状の紙をシュレッダーで処理する方法が挙げられる。この手法で処理することで、繊維形状を損なうことなく嵩高い綿状のセルロース原料を得ることができる。
(2)混合処理
本実施形態においては、セルロース原料100質量部に対して、シリコーン系界面活性剤を0.01〜50質量部添加し、混合する。シリコーン系界面活性剤の添加量は、好ましくは、セルロース原料100質量部に対して0.1〜25質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。シリコーン系界面活性剤の添加量が、セルロース原料100質量部に対して、0.01質量部以上であれば、セルロース原料の解繊が可能となり、50質量部以下であれば、解繊セルロース繊維を効率よく製造することが可能となる。
セルロース原料には、シリコーン系界面活性剤とともに、水などの水性媒体を添加してもよい。水性媒体としては、水を必須成分とすることが好ましく、水性媒体中の水の比率は、例えば50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。水以外の媒体としては、低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール(IPA)等)、アセトン、メチルエチルケトン、グリコール又はそのエーテル誘導体(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ジメチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール等)、グリセリン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の水混和性有機溶剤が挙げられる。なお、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。水性媒体(好ましくは水)の使用量は、特に限定されず、例えば、セルロース原料100質量部に対して、100〜5000質量部でもよく、100〜2000質量部でもよい。
(3)解繊処理
解繊セルロース繊維を得るための解繊処理としては、セルロース原料を機械的に解繊するものであれば特に限定されない。好ましくは、機械的な解繊処理として、剪断処理を行うことである。
解繊処理を行う装置としては、例えば、リファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル(例えば、ロッキングミル、ボールミルなど)、石臼、グラインダー、振動ミル、サンドグラインダー等が挙げられる。これらの装置で処理することで、セルロース原料は、機械的に叩解されてフィブリル化され、解繊セルロース繊維が得られる。
(4)解繊セルロース繊維
本実施形態により得られる解繊セルロース繊維としては、平均繊維幅がナノメートルレベルのセルロースナノファイバーでもよいが、好ましくは、セルロース繊維を比較的低度に解繊することにより得られる数μmの平均繊維幅を持つマイクロファイバーである。
より詳細には、解繊セルロース繊維としては、平均繊維幅が10μm以下であることが好ましい。解繊セルロース繊維の平均繊維幅が10μm以下となれば、パルプ保有の物理的欠陥、たとえば、壁孔などを取り除くことができ、解繊セルロース繊維の強度を高めることができる。また、平均繊維幅の小さい、即ち細い解繊セルロース繊維であると、単位質量基準でより多数の解繊セルロース繊維を形成することができ、本数が増加することで、大きな表面積を保有することができる。以上の観点から、解繊セルロース繊維の平均繊維幅は、より好ましくは8μm以下であり、更に好ましくは5μm以下である。解繊セルロース繊維の平均繊維幅の下限は、ナノメーターレベル(例えば0.01μm以上)でもよいが、好ましくは0.1μm以上であり、この程度の解繊度とすることにより、繊維長を大きく維持することが容易となる。
解繊セルロース繊維の平均繊維長は20μm以上であることが好ましい。本実施形態によれば、繊維の切断を抑制して繊維長を保ったままセルロース繊維を解繊することができ、解繊セルロース繊維の繊維強度を保つことができる。そのため、例えば、解繊セルロース繊維を樹脂に配合したときに、樹脂に対する補強効果を高めることができる。以上の観点から、解繊セルロース繊維の平均繊維長は、より好ましくは40μm以上であり、更に好ましくは80μm以上である。解繊セルロース繊維の平均繊維長の上限は、特に限定されないが、例えば1000μm以下でもよく、500μm以下でもよく、200μm以下でもよく、100μm以下でもよい。
一実施形態において、解繊セルロース繊維は、平均繊維長が20μm以上であり、かつ、平均繊維幅が1μm以上10μm以下でもよい。
本実施形態によれば、セルロース原料を特定の解繊助剤とともに解繊処理することにより、繊維の切断を抑制しながら解繊を促進することができ、すなわち、解繊セルロース繊維の平均繊維長を保ちつつ、解繊を短時間で行うことができる。そのため、繊維長の大きい解繊セルロース繊維を、効率的に生産することができる。
本実施形態に係る解繊セルロース繊維の用途は特に限定されず、セルロースナノファイバーと同様の用途に用いることができ、例えば、化粧品、食品、樹脂添加物等の工業原料として用いることができる。
[解繊セルロース繊維を含む樹脂組成物の製造方法]
第2実施形態は、セルロース原料とシリコーン系界面活性剤と水系樹脂を水中で混合することによりセルロース繊維を表面処理し、表面処理したセルロース繊維を熱可塑性樹脂と溶融混練する、樹脂組成物の製造方法である。第2実施形態は、上述した第1実施形態の応用例であり、セルロース原料及びシリコーン系界面活性剤としては、第1実施形態と同様のものを用いることができる。また、得られる解繊セルロース繊維の平均繊維幅、平均繊維長等の性状についても第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
(水系樹脂)
水系樹脂はセルロース繊維を表面処理するために用いられるものであり、水系樹脂で表面処理することにより、繊維−樹脂間の界面における接着の役割を担い、複合材料の機械的強度を向上させることができる。
水系樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも水系ポリウレタン樹脂を用いることが、複合材料の機械的強度を増加させる点から好ましい。水系ポリウレタン樹脂としては、得られた樹脂組成物についての曲げ強度や曲げ弾性率といった機械的強度の観点から、芳香族環式構造を有するものが好ましく用いられる。
水系ポリウレタン樹脂としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、第一工業製薬社製の商品名:スーパーフレックスで表されるもの等が挙げられる。
(熱可塑性樹脂)
解繊セルロース繊維による補強対象の樹脂としては熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、ナイロン樹脂、ビニルエーテル樹脂、ポリスルホン系樹脂、トリアセチル化セルロース、ジアセチル化セルロース等のセルロース系樹脂等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上が組み合わされて用いられ得る。これらの中でも、ウッドプラスチックとして、木粉などの木質材料と混合されて強度を高め易い点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンや、ポリスチレンが好ましい。また、構造部材等の汎用性の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリアミド樹脂が好ましい。また、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンの共重合樹脂)は、その一成分であるポリアクリロニトリルとセルロース系材料の相溶性パラメーターが近接していることから相容性に優れるという点で、好ましい。熱可塑性樹脂としては、上記例示された樹脂の中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びABS樹脂からなる群から選択される少なくとも一種が好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
ポリプロピレンとしては、マレイン酸変性ポリプロピレンを併用することが、上記曲げ弾性率及び曲げ強度といった強度の観点から、好ましい。
(セルロース原料の表面処理)
熱可塑性樹脂との混合に先立ち、セルロース原料に含まれるセルロース繊維の表面処理を行う。
表面処理は、セルロース原料とシリコーン系界面活性剤と水系樹脂を水中で混合することにより行う。すなわち、セルロース原料とシリコーン系界面活性剤と水性樹脂と水を混合することにより、セルロース繊維を水系樹脂及びシリコーン系界面活性剤で表面処理することができる。混合方法としては、公知の方法を用いることができ、混合に使用する装置としては、特に限定されないが、たとえばプラネタリーミキサー、ボール型攪拌機、自転公転ミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
水系樹脂の使用量は、セルロース繊維表面全体を覆うという観点から、セルロース原料100質量部に対し、0.01〜100質量部であることが好ましく、1〜80質量部であることがより好ましく、5〜50質量部であることがさらに更に好ましい。
シリコーン系界面活性剤の添加量は、好ましくは、セルロース原料100質量部に対して0.1〜25質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。シリコーン系界面活性剤の添加量が、セルロース原料100質量部に対して、0.1質量部以上であれば、セルロース繊維の解繊が可能となり、25質量部以下であれば、解繊セルロース繊維を効率よく製造することが可能となる。
水の使用量は、特に限定されないが、セルロース繊維表面を均一に処理するという観点から、セルロース原料100質量部に対し、10〜10000質量部が好ましく、50〜5000質量部がより好ましく、100〜3000質量部がより好ましい。
表面処理に際しては、上記成分の他に、粉状又は粒状の熱可塑性樹脂を添加し混合してもよい。セルロース原料を含む水分散体中に粉状ないし粒状の熱可塑性樹脂を加えることにより、水に溶けない粉状ないし粒状の熱可塑性樹脂がセルロース繊維間に介在して、セルロース繊維の凝集を抑えることができ、表面処理及びその後の熱可塑性樹脂との溶融混練処理の作業性を向上することができる。この段階で添加する粉状ないし粒状の熱可塑性樹脂の量としては、特に限定されず、セルロース原料100質量部に対して、50〜1000質量部でもよく、80〜500質量部でもよい。
上記で混合した混合物を脱水(即ち、水を除去)することにより、水系樹脂及びシリコーン系界面活性剤で表面処理されたセルロース繊維が得られる。脱水方法は、特に限定されないが、加熱処理(加熱により乾燥する処理)が好ましい。加熱温度は、セルロース繊維の熱分解を抑制する観点から、好ましくは30〜160℃、より好ましくは40〜150℃である。
(熱可塑性樹脂との溶融混練処理)
表面処理したセルロース繊維と熱可塑性樹脂との複合化は、熱可塑性樹脂の溶融及びセルロース繊維の解繊を行うという観点から、溶融混練を用いることが好ましい。表面処理したセルロース繊維を熱可塑性樹脂と溶融混練することにより、シリコーン系界面活性剤が解繊助剤として作用して、混練時の剪断力によりセルロース繊維が解繊されるとともに熱可塑性樹脂中に分散化されて、解繊セルロース繊維と熱可塑性樹脂が複合化される。溶融混練に使用する装置としては、特に限定されないが、二軸押出機が好ましい。
熱可塑性樹脂の使用量は、特に限定されず、例えば、セルロース原料100質量部に対して10〜10000質量部でもよく、100〜5000質量部でもよい。ここでいう熱可塑性樹脂の使用量には、上記表面処理の際に粉状ないし粒状の熱可塑性樹脂を添加する場合、当該粉状ないし粒状の熱可塑性樹脂の量も含まれる。
なお、樹脂組成物には、上記各成分に加え、例えば、消泡剤、防腐剤、充填剤、着色剤、可塑剤、レベリング剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消臭剤等の各種添加剤を任意に配合してもよい。
(成形加工)
以上により得られる第2実施形態に係る樹脂組成物は、公知慣用の樹脂成形体の成型方法を用いて、所望の形状の樹脂成形体に成型され得る。このような成型としては、例えば圧縮成型、射出成型、押出成型、発泡成型等が挙げられる。成型の条件は熱可塑性樹脂の成型条件を必要に応じて適宜調節して適応すればよい。
樹脂組成物の用途としては、特に限定されず、家電部品、電子部品、自動車部品などの様々な樹脂部材に用いることができる。
以下、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。測定方法については以下の通りである。
(1)セルロースI型結晶化度
セルロース原料のサンプルのX線回折強度をX線回折法にて測定し、その測定結果からSegal法を用いて下記式により算出した。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100
式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。また、サンプルのX線回折強度の測定を、株式会社リガク製の「RINT2200」を用いて以下の条件にて実施した:
X線源:Cu/Kα−radiation
管電圧:40Kv
管電流:30mA
測定範囲:回折角2θ=5〜35°
X線のスキャンスピード:10°/min。
(2)セルロース原料の繊維長及び繊維幅
光学顕微鏡観察で50本のセルロース繊維の繊維長及び繊維幅を測定しそれぞれ平均値を算出した。
(3)解繊セルロース繊維の平均繊維長
光学顕微鏡観察で50本の解繊セルロース繊維の繊維長を測定し平均値を算出した。平均繊維長が20μm未満の場合には「−」、20μm以上40μm未満の場合には「+」、40μm以上80μm未満の場合には「++」、80μm以上の場合には「+++」と評価した。なお、解繊していない繊維、つまりパルプ本体については測定の対象外とした。
(4)解繊セルロース繊維の平均繊維幅
光学顕微鏡観察で50本の解繊セルロース繊維の繊維幅を測定し平均値を算出した。なお、解繊していない繊維、つまりパルプ本体については測定の対象外とした。
1.解繊セルロース繊維の製造
[製造例1(綿状セルロース原料の調製)]
セルロース含有原料として、嵩密度1.0kg/mのシート状の木材パルプ(針葉樹クラフトパルプ:NBKP)をカッターにかけチップ状パルプにした後、シュレッダーにかけて、嵩密度0.15kg/mの綿状のパルプを得た。
[実施例1−1]
製造例1で得られた綿状のパルプ(繊維長3mm、繊維幅35μm、セルロースI型結晶化度86%)1.2gと、シリコーン系界面活性剤水溶液(側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、信越化学株式会社製「KF−354L」、濃度0.3質量%)2.0gを混合した後、蒸留水22.8gを混合し、その混合物全量をロッキングミル(株式会社セイワ技研製「RM−05」、容器容量:100mL)に投入し、ビーズ(直径:0.5mm、材質:ジルコニア)100gを充填(充填率30%)して、65Hzの条件で30分間粉砕を行った。
[実施例1−2]
解繊助剤をシリコーン系界面活性剤水溶液(側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、信越化学株式会社製「KF−351」、濃度0.3質量%)0.4gに変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[実施例1−3]
解繊助剤の種類をシリコーン系界面活性剤(信越化学株式会社製「KF−351」)に変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[実施例1−4]
解繊助剤をシリコーン系界面活性剤水溶液(信越化学株式会社製「KF−351」、濃度0.3質量%)4.0gに変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[実施例1−5]
解繊助剤の種類をシリコーン界面活性剤(ポリエーテル変性シリコーン、ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK−349」)に変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[実施例1−6]
蒸留水の量を22.8gから0.4gに変えたこと以外は、実施例1−5と同様に粉砕処理を行った。
[実施例1−7]
解繊助剤の種類をシリコーン界面活性剤(側鎖型ジアミン変性シリコーン、信越化学株式会社製「KF−859」)に変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[実施例1−8]
解繊処理の種類をボールミル、媒体であるジルコニアビーズの直径を20mmに変えたこと以外は実施例1−5と同様に粉砕処理を行った。
[比較例1−1]
解繊助剤の種類をアニオン界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「ネオコールSW−C」)に変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[比較例1−2]
解繊助剤の種類をポリオキシアルキレントリデシルエーテル(第一工業製薬株式会社製、非イオン界面活性剤、ノイゲンTDX−80)に変えたこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[比較例1−3]
製造例1で得られた綿状のNBKP(平均長3mm、平均幅35μm、セルロースI型結晶化度86%)1.2gを、ジメチルスルホキシド(DMSO、22.8g)に浸した。この全量をロッキングミル(株式会社セイワ技研製「RM−05」、容器容量:100mL)に投入し、ビーズ(直径:0.5mm、材質:ジルコニア)100gを充填(充填率30%)して、65Hzの条件で30分間粉砕を行った。
[比較例1−4]
解繊助剤を用いないこと以外は、実施例1−1と同様に粉砕処理を行った。
[測定・評価]
実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−4について、得られた解繊セルロース繊維の平均繊維長及び平均繊維幅を測定するとともに、下記評価方法により繊維解繊度を評価した。
・繊維解繊度の評価:
繊維密度0.5mg/cmの試料について、倍率100倍、実視野2mm角(即ち、2mm×2mmの正方形)の光学顕微鏡観察で検出される繊維幅10μm以下の解繊セルロース繊維の本数を調べた。解繊セルロース繊維の本数が50本未満の場合には「×」、50本以上の場合には「○」と評価した。
結果は表1及び表2に示す通りである。比較例1−1では、解繊は進んでいたものの、解繊セルロース繊維の平均繊維長が短く、繊維長の切断を抑制することができなかった。比較例1−2〜1−4では、解繊セルロース繊維の平均繊維長が短く、繊維長の切断を抑制できなかっただけでなく、解繊が十分に進行していなかった。
これに対し、実施例1−1〜1〜8であると、解繊セルロース繊維の平均繊維長が長く、繊維長の切断を抑制することができ、このように繊維長の切断を抑制したものでありながら、解繊セルロース繊維の平均繊維幅は小さく、即ち、細長い解繊セルロース繊維が得られていた。しかも、解繊対象が化学修飾していないセルロース繊維でありかつ30分間という短時間の解繊処理でありながら、解繊が十分に進んでおり、効率的な解繊が可能であった。
2.解繊セルロース繊維を含む樹脂組成物の製造
[実施例2−1]
下記表3に示す組成(使用原料と配合部)に従って、綿状のパルプ(針葉樹クラフトパルプ、繊維長3mm、繊維幅35μm、セルロースI型結晶化度86%)20gに、水系ポリウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス820」、濃度30質量%)16.7g(有効成分として5g)、シリコーン系界面活性剤水溶液(側鎖型ポリエーテル変性シリコーン、信越化学株式会社製「KF−351」、濃度0.3質量%)33.3g(有効成分として0.1g)、及び水40gを添加し、さらに無水マレイン酸変性ポリプロピレン(東洋紡株式会社製「PMAH1000P」、粉状)10gとポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製「J105P」、粒状)24gとを添加して、ボール型攪拌機で混合した。得られた混合物を、80℃で6時間加熱乾燥して水を除去することにより、表面処理されたセルロース繊維と熱可塑性樹脂との混合物を得た。
得られた繊維/樹脂混合物に、さらにポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製「MA04A」、ペレット状)41gを混合し、二軸押出機(株式会社テクノベル製「KZW15−60MG」)によって溶融混練して、ペレット状の樹脂組成物成形体を得た。二軸押出機のシリンダー温度は、上流側から順に140℃、150℃、160℃、170℃、170℃、170℃、170℃、170℃に設定した。
得られた樹脂組成物成形体を、射出成型機(日精樹脂工業株式会社製「NPX7」)に投入し、厚さ4mm、幅10mm、長さ80mmの平板型の金型に注入し、樹脂成形体(試験片)を得た(成型温度180℃〜185℃、金型温度30℃)。
[実施例2−2]
解繊助剤をシリコーン系界面活性剤水溶液(ポリエーテル変性シリコーン、ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK−349」)に変えたこと以外は、実施例2−1と同様に調製した。
[比較例2−1]
解繊助剤を用いず、また水系ポリウレタン樹脂(有効成分として5g)の代わりにポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製「J105P」)を5g増量したこと以外は、実施例2−1と同様に調製した。
[比較例2−2]
ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製「MA04A」)100gを二軸押出機(株式会社テクノベル社製「KZW15−60MG」)によって溶融混練して、ペレット状の成形体を得た。二軸押出機のシリンダー温度は、上流側から順に140℃、150℃、160℃、170℃、170℃、170℃、170℃、170℃に設定した。
得られた成形体を、射出成型機(日精樹脂工業株式会社製「NPX7」)に投入し、厚さ4mm、幅10mm、長さ80mmの平板型の金型に注入し、樹脂成形体(試験片)を得た(成型温度180℃〜185℃、金型温度30℃)。
[測定・評価]
実施例2−1,2−2及び比較例2−1,2−2で得られた樹脂成形体について曲げ弾性率及び曲げ強度を測定するとともに、繊維解繊度を評価し、更に、樹脂成形体に含まれる解繊セルロース繊維の平均繊維長及び平均繊維幅を測定した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・曲げ弾性率、曲げ強度の測定:
オートグラフ万能試験機(株式会社島津製作所製、ロードセル100kg)を用いて、試験速度10mm/min、支点間距離64mmで、JIS K7017(繊維強化プラスチック−曲げ特性の求め方)に準じて、曲げ弾性率及び曲げ強度(応力)を測定した。
・繊維解繊度の評価:
繊維解繊度は、樹脂成形体を溶媒にて溶出させて繊維を摘出し、顕微鏡観察を行うことで測定した。詳細には、樹脂成形体表面からカッターで成形体断片(幅1mm、長さ3mm、厚み50μm)を切り出し、トルエンで溶媒抽出を行った(還流下、3時間)。得られた繊維を凍結乾燥させた後、金蒸着を行い、走査型顕微鏡(SEM)観察を行った。倍率500倍、実視野0.2mm角(即ち、0.2mm×0.2mmの正方形)の走査型顕微鏡(SEM)観察で検出される未解繊のパルプ(繊維幅:20μm以上)の本数を調べた。パルプ本数が5本未満の場合には「○」、5本以上の場合には「×」と評価した。
・解繊セルロース繊維の平均繊維幅の測定:
上記繊維解繊度の評価において、走査型顕微鏡(SEM)観察で検出される解繊セルロース繊維50本の繊維幅を測定し平均値を算出した。なお、本測定において未解繊パルプについては測定の対象外とした。
・解繊セルロース繊維の平均繊維長の測定:
樹脂成形体を溶媒にて溶出させて繊維を摘出し、顕微鏡観察を行うことで測定した。詳細には、樹脂成形体表面からカッターで成形体断片(幅1mm、長さ3mm、厚み50μm)を切り出し、トルエンで溶媒抽出を行った(還流下、3時間)。得られた繊維をエタノールに分散させ超音波処理を行った。この分散液を銅版上に滴下しエタノールを蒸発させた後、金蒸着を行い、走査型顕微鏡(SEM)観察を行った。検出される解繊セルロース繊維50本の繊維長を測定し平均値を算出した。なお、本測定において未解繊パルプについては測定の対象外とした。
結果は表3に示す通りである。解繊助剤を使用しなかった比較例2−1では、セルロース繊維の解繊が不十分であり、比較例2−2に対して機械的強度の向上も小さいものであった。これに対し、実施例2−1,2−2であると、界面活性剤を含む系で熱可塑性樹脂とともに溶融混練することにより、セルロース繊維を簡易的に解繊することができ、機械的強度にも優れていた。
図1及び図2は、それぞれ実施例2−1及び比較例2−1についての走査型顕微鏡観察により得られたSEM画像であり、これらSEM画像から明らかなように、実施例2−1では比較例2−1よりも解繊が進んでおり、上記溶融混練処理により効率的な解繊がなされていることが分かる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (5)

  1. セルロース原料100質量部と、シリコーン系界面活性剤0.01〜50質量部を混合し、機械的に解繊する、解繊セルロース繊維の製造方法。
  2. 前記解繊セルロース繊維の平均繊維長が20μm以上、平均繊維幅が0.1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の解繊セルロース繊維の製造方法。
  3. 前記セルロース原料がセルロースI型結晶を有しその結晶化度が40%以上である、請求項1又は2に記載の解繊セルロース繊維の製造方法。
  4. 前記機械的な解繊処理が剪断処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の解繊セルロース繊維の製造方法。
  5. セルロース原料とシリコーン系界面活性剤と水系樹脂を水中で混合することによりセルロース原料に含まれるセルロース繊維を表面処理し、
    表面処理したセルロース繊維を熱可塑性樹脂と溶融混練することにより、解繊セルロース繊維と熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を得る、
    樹脂組成物の製造方法。
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