JP2019209697A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルを高密度に配置した場合であっても、圧力室が充分に振動し、信頼性の低下を抑制させることができる液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体が収容される圧力室の一面部を構成する振動膜と、該振動膜における前記圧力室の反対側に設けられた圧電膜と、前記振動膜に交差して連結しており、前記圧力室の側面部を構成する隔壁と、前記圧電膜及び振動膜の間にて、前記圧電膜によって覆われた第1電極と、前記圧電膜及び振動膜を前記圧力室の反対側から覆う第2電極とを備え、前記振動膜における前記隔壁との連結部分の厚みが前記振動膜の他部の厚みよりも薄いことを特徴とする液体吐出装置。【選択図】図7

Description

本発明は、液体(例えばインク)を記録媒体(例えば紙)に吐き出す液体吐出装置に関する。
従来、液体を収容する圧力室と、該圧力室の一面側に設けた圧電膜及び振動膜と、前記一面に対向する圧力室の他面に形成されたノズル開口とを備える液体噴射ヘッドが提案されている。圧力室は隔壁によって区画されている。
隔壁に対応する箇所において、圧電膜には溝が形成されており、圧電膜は区分けされている。区分けされた各圧電膜は各圧力室に対応する。圧電膜は圧力室の一面を変形させ、ノズル開口から液滴が吐き出される(例えば特許文献1参照)。
特開2014−184603号公報
近年、高精細な記録を実現するために、液体噴射ヘッドの高密度化が求められている。前記ヘッドを高密度化する場合、圧力室及びノズル開口等の幅寸法を小さくすることが必要である。ここで、振動膜の厚さを変更しない場合、圧力室の幅寸法に対する振動膜の厚さ寸法が大きく、振動膜が撓み難くなる。そのため圧電膜及び振動膜を薄くすることが望ましい。
しかし圧電膜を薄くした場合、液体噴射ヘッドの信頼性が低下するおそれがある。例えば、圧電膜の作製時に欠陥が生じると、その薄さから、圧電膜の修復が難しくなる。また薄くなることによって、圧電膜の許容電圧も小さくなるところ、液体噴射ヘッドへの印加電圧は、液体噴射ヘッドを取り付ける本体(例えばプリンタ)の仕様に応じて決定されるため、印加電圧を許容電圧以下に設定できない場合、圧電膜が高電圧によって破損するおそれがある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ノズルを高密度に配置した場合であっても、圧力室が充分に振動し、信頼性の低下を抑制させることができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液体吐出装置は、液体が収容される圧力室の一面部を構成する振動膜と、該振動膜における前記圧力室の反対側に設けられた圧電膜と、前記振動膜に交差して連結しており、前記圧力室の側面部を構成する隔壁と、前記圧電膜及び振動膜の間にて、前記圧電膜によって覆われた第1電極と、前記圧電膜及び振動膜を前記圧力室の反対側から覆う第2電極とを備え、前記振動膜における前記隔壁との連結部分の厚みが前記振動膜の他部の厚みよりも薄いことを特徴とする。
本発明においては、溝を形成する場合に、振動膜における隔壁との連結部分を薄く構成する。これにより、圧電膜及び振動膜全体を薄くせずとも、振動膜は撓みやすくなる。また第1電極を圧電膜で覆うことによって、第1電極と第2電極との間に圧電膜を位置させて、短絡を防止する。
本発明に係る液体吐出装置は、前記振動膜は、第1層と、該第1層における前記圧力室の反対側に設けられた第2層とを有し、前記第2層の少なくとも一部が前記第2層の他部よりも薄いか又は削除されていることを特徴とする。
本発明においては、第2層の少なくとも一部を薄くするか又は削除して、振動膜を撓みやすくする。また、例えば、第1層を二酸化シリコンによって構成し、第2層を酸化ジルコニウムによって構成した場合、第1層をエッチングのストップ層として利用し、第2層を薄くするか又は削除することができる。
本発明に係る液体吐出装置は、前記第2層の前記一部に対応する前記第1層の一部が前記第1層の他部よりも薄いことを特徴とする。
本発明においては、第1層も薄くして、振動膜をより撓み易くする。
本発明に係る液体吐出装置は、前記連結部分の少なくとも一部は前記隔壁よりも前記圧力室の内側に位置することを特徴とする。
本発明においては、振動膜の薄い部分又は削除された部分を隔壁よりも圧力室の内側に位置させることによって、振動膜を容易に振動させる。
本発明に係る液体吐出装置は、前記連結部分は所定方向に延びており、前記連結部分の長手方向における端部の幅が中央部の幅よりも狭いことを特徴とする。
本発明においては、他部分よりも薄い連結部分の側面を傾斜させて、例えば平面視菱形になるように、溝を形成する。幅の広い中央部において、振動膜を撓ませ幅の狭い端部において、振動膜の剛性を担保させる。
本発明に係る液体吐出装置は、前記連結部分の長手方向における端部の深さが中央部の深さよりも浅いことを特徴とする。
本発明においては、他部よりも薄い前記連結部分の端部の深さが中央部の深さよりも浅くなるように、連結部分の底面を傾斜させる。深さの大きい中央部において、振動膜を撓ませ、深さの浅い端部において、振動膜の剛性を担保させる。
本発明に係る液体吐出装置は、前記連結部分の底面及び側面は、前記連結部分の長手方向に交差する前記連結部分の幅方向にて、中央部の深さが端部の深さよりも大きくなるように、傾斜又は湾曲していることを特徴とする。
本発明においては、例えば、断面V状又はU状に連結部分を溝状に形成し、振動膜の剛性を担保しつつ、振動膜を撓ませる。
本発明に係る液体吐出装置は、前記連結部分の幅方向端部の傾きは、幅方向中央部における前記連結部分の底面又は側面の傾きよりも大きいことを特徴とする。
本発明においては、連結部分の底面が平坦である場合に比べて、連結部分の幅方向端部への応力集中を抑制することができる。
本発明に係る液体吐出装置は、前記連結部分は溝になっており、前記圧電膜における前記溝の傾きが前記振動膜における前記溝の傾きよりも大きいことを特徴とする。
本発明においては、圧電膜側での溝の傾きを振動膜側での溝の傾きよりも大きくして、溝の幅方向端部への応力集中を抑制する。
本発明に係る液体吐出装置にあっては、隔壁よりも圧力室の内側において、振動膜における隔壁との連結部分を薄く構成する。これにより、圧電膜及び振動膜全体を薄くせずとも、振動膜は撓みやすくなり、信頼性の低下が抑制される。また第1電極と第2電極との間に圧電膜を位置させて、短絡を防止することができる。
実施の形態1に係るプリンタを略示する平面図である。 図1に示すII−II線を切断線とした略示断面図である。 インクジェットヘッドの底面図である。 ヘッドユニットの平面図である。 図4のV線で囲った部分を略示する部分拡大図 図5に示すVI−VI線を切断線とした略示断面図である。 図5に示すVII−VII線を切断線とした略示断面図である。 実施の形態2に係るプリンタの圧電素子を略示する縦断面図である。 実施の形態3に係るプリンタの圧電素子を略示する縦断面図である。 図9のX線で囲った部分を略示する部分拡大図である。 実施の形態4に係るプリンタの圧電素子を略示する縦断面図である。 図11に示すXII−XII線を切断線とした略示断面図である。
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係るプリンタを示す図面に基づいて説明する。図1は、プリンタを略示する平面図である。
図1において、記録用紙100の搬送方向下流側をプリンタ1の前方、搬送方向上流側をプリンタ1の後方と定義する。また、記録用紙100が搬送される面(図1の紙面と平行な面)と平行で、且つ、前記搬送方向と直交する用紙幅方向を、プリンタ1の左右方向と定義する。尚、図の左側がプリンタ1の左方、図の右側がプリンタ1の右方である。さらに、記録用紙100の搬送面と直交する方向(図1の紙面に直交する方向)を、プリンタ1の上下方向と定義する。図1において、表側が上方、裏側が下方である。以下では、前後左右上下を適宜使用して説明する。
図1に示すように、プリンタ1は、筐体2と、プラテン3と、四つのインクジェットヘッド4(液体吐出装置)と、二つの搬送ローラ5、6と、制御装置7とを備える。
プラテン3は筐体2内に平置きされている。プラテン3の上面には、記録用紙100が載置される。四つのインクジェットヘッド4は、プラテン3の上方にて前後方向(搬送方向)に並設されている。二つの搬送ローラ5、6は、プラテン3に対して後側(搬送方向上流側)と前側(下流側)にそれぞれ配置されている。二つの搬送ローラ5、6は、図示しないモータによってそれぞれ駆動され、プラテン3上の記録用紙100を前方へ搬送する。
制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリ、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備える。また制御装置7は、PC等の外部装置9とデータ通信可能に接続されており、外部装置9から送信された印刷データに基づいて、プリンタ1の各部を制御する。
例えば制御装置7は、搬送ローラ5、6を駆動するモータを制御して、搬送ローラ5、6に記録用紙100を搬送方向に搬送させつつ、インクジェットヘッド4を制御して記録用紙100に向けてインクを吐出させる。これにより、記録用紙100に画像が印刷される。
筐体2には、複数のヘッド保持部8が取り付けられている。複数のヘッド保持部8は、プラテン3の上方で、且つ、二つの搬送ローラ5、6の間の位置において、前後に並設されている。ヘッド保持部8によって、インクジェットヘッド4がそれぞれ保持される。
四つのインクジェットヘッド4は、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを吐出するものである。各インクジェットヘッド4には、図示しないインクタンクから、対応する色のインクが供給される。
図2は、図1に示すII−II線を切断線とした略示断面図、図3は、インクジェットヘッド4の底面図である。図2及び図3に示すように、各インクジェットヘッド4は、用紙幅方向に長い矩形板状のホルダ10と、該ホルダ10に取り付けられた複数(本実施例においては九つ)のヘッドユニット11とを備えている。
各ヘッドユニット11の下面は、複数のノズル24が形成されたインク吐出面14となっている。各ヘッドユニット11の複数のノズル24は、インクジェットヘッド4の長手方向である、用紙幅方向(配列方向)に沿って並設されており、2列のノズル列を構成している。
九つのヘッドユニット11は、配列方向に沿って並んで配置されている。九つのヘッドユニット11は、搬送方向において前側と後側に交互に分かれて配置されている。前側に配置された四つのヘッドユニット11と後側に配置された五つのヘッドユニット11との間で、左右(配列方向)の位置がずれている。換言すれば、九つのヘッドユニット11が配列方向に沿って千鳥状に配置されることで、四つのヘッドユニットからなる前側のユニット列と、五つのヘッドユニットからなる後側のユニット列とが構成されている。なお本実施形態では、複数のヘッドユニット11が、搬送方向と直交する方向(用紙幅方向)に沿って並設されているが、搬送方向とは90度以外の角度で交差する方向に沿って、いわば斜めに、複数のヘッドユニット11が配列されていてもよい。
図1及び図2に示すように、リザーバ12が複数のヘッドユニット11の上方に設けられている。なお図3では、リザーバ12の図示を省略した。
リザーバ12は、インクタンク(図示略)にチューブ16を介して接続されており、インクタンクから供給されたインクが一時的に貯留される。リザーバ12の下部は複数のヘッドユニット11に接続されており、リザーバ12から各ヘッドユニット11にインクが供給される。
図4は、ヘッドユニット11の平面図、図5は、図4のV線で囲った部分を略示する部分拡大図、図6は、図5に示すVI−VI線を切断線とした略示断面図である。
ヘッドユニット11は、流路基板20、ノズルプレート21、圧電アクチュエータ22、カバー部材23及びCOF50(Chip On Film)を備えている。なお図5では、圧電アクチュエータ22の構成を理解しやすくするため、圧電アクチュエータ22の上方に位置するカバー部材23の図示は省略されている。
流路基板20はシリコン単結晶の基板によって構成されている。流路基板20には、搬送方向に長い矩形状の複数の圧力室26が形成されている。図4に示すように、複数の圧力室26は用紙幅方向(配列方向)に並設され、搬送方向に二列に並んだ圧力室列を構成している。流路基板20には、複数の圧力室26を覆う振動膜30が形成されている。
振動膜30は、シリコンの流路基板20の表面の一部を酸化、又は、窒化することによって形成された、二酸化シリコン(SiO2 )又は窒化シリコン(SiNx )を含む膜である。振動膜30の、各圧力室26の内側の端部と重なる部分には、連通孔30aが形成されている。
ノズルプレート21は流路基板20の下面に接合されている。ノズルプレート21には、上下に貫通した複数のノズル24が形成されている。複数のノズル24は複数の圧力室26にそれぞれ連なる。
図4に示すように、各ノズル24は、対応する圧力室26に上下に重なって配置されている。複数のノズル24は、複数の圧力室26に対応して用紙幅方向(配列方向)に配列され、搬送方向に並ぶ2列のノズル列を構成している。2列のノズル列の間では、配列方向におけるノズル24の位置が、各ノズル列における配列ピッチPの半分(P/2)だけずれている。ノズルプレート21の材質は特に限定されるものではないが、流路基板20と同様に、シリコン単結晶の基板とすることができる。あるいは、合成樹脂製のものを採用してもよい。
圧電アクチュエータ22は、複数の圧力室26内のインクに、ノズル24から吐出させるための吐出エネルギーを付与するものである。図4〜図6に示すように、圧電アクチュエータ22は、振動膜30の上面において、複数の圧力室26にそれぞれ対応して配置された複数の圧電素子39を備えている。
以下、圧電素子39の構成について説明する。本実施形態では、振動膜30の上面に、下部電極31(第1電極)となる膜、圧電膜32となる膜、上部電極33(第2電極)となる膜を含む複数の薄膜を順次成膜していくことにより、複数の圧電素子39が形成されている。
振動膜30の上面には、複数の下部電極31が形成されている。複数の下部電極31は配列方向に並設されており、複数の圧力室26に対してそれぞれ設けられている。複数の下部電極31は、複数の圧電素子39に対する個別電極である。下部電極31の材質は特に限定はされないが、例えば、白金(Pt)で形成されている。
この下部電極31の上に、二つの圧力室列にそれぞれ対応して二つの圧電膜32が配置されている。圧電膜32は配列方向に長い矩形状をなし、対応する圧力室列を構成する複数の圧力室26に跨って配置されている。圧電膜32は、例えば、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料で構成されている。
圧電膜32の上面には、複数の圧力室26に跨るように配列方向に延びる、上部電極33が形成されている。上部電極33は、複数の圧電素子39に対する共通電極である。上部電極33は、例えば、白金(Pt)やイリジウム(Ir)などで形成されている。
以上の構成において、共通電極である上部電極33の1つの圧力室26に対向する部分と、個別電極である下部電極31、及び、圧電膜32の1つの圧力室26と対向する部分によって、1つの圧電素子39が構成されている。また、各圧電素子39において、圧電膜32の上部電極33と下部電極31とに挟まれた部分を、以下、特に活性部38と称する。
各圧電素子39の下部電極31には、配線35が接続されている。配線35は、アルミニウム(Al)、あるいは、金(Au)などで形成されている。配線35は、対応する圧電素子39の下部電極31から、搬送方向上流側(後方)に延びる。
図4に示すように、後述するカバー部材23から露出した流路基板20の後端部上面には、複数の配線35にそれぞれ接続された複数の駆動接点部46と、上部電極33と接続された二つのグランド接点部47とが設けられている。
流路基板20の後端部上面には、配線部材であるCOF50が接合されている。流路基板20側の複数の駆動接点部46は、COF50に形成された複数の配線55(図6参照)とそれぞれ電気的に接続されている。またCOF50にはグランド配線(図示省略)も形成されている。グランド接点部47はCOF50のグランド配線と電気的に接続されている。
COF50にはドライバIC51が実装されている。COF50は、プリンタ1の制御装置7(図1参照)に接続されており、ドライバIC51は、COF50上の配線を介して制御装置7と電気的に接続されている。ドライバIC51は、制御装置7から送られてきた制御信号に基づいて、圧電素子39を駆動するための駆動信号を生成して出力する。
駆動信号の波形形状は特に限定されるものではないが、例えば、低電位と高電位との間で電位を切り換える矩形パルス波形が挙げられる。ドライバIC51から出力された駆動信号は、COF50の配線55を介して駆動接点部46に入力され、さらに、配線35を介して圧電素子39の下部電極31に供給される。なお上部電極33は、グランド接点部47を介してCOF50のグランド配線と接続されており、上部電極33の電位は、常にグランド電位に維持されている。
図7は、図5に示すVII−VII線を切断線とした略示断面図である。圧力室26は、配列方向に並設された複数の隔壁25によって区画されている。配列方向における隔壁25間の寸法は、例えば7.35マイクロメートルである。隔壁25は搬送方向に延びている。隔壁25の上端部は振動膜20に連結しており、隔壁25の下端部はノズルプレート21に連結している。
配列方向において、隣り合う隔壁25の間に、圧電素子39及びノズル24が位置している。換言すれば、隔壁25によって区画された各圧力室26に、圧電素子39及びノズル24が配されている。
振動膜30は、圧力室26の上面部を構成する第1層301と、該第1層301の上側に設けられた第2層302とを備える。第1層301は、二酸化シリコン(SiO2 )又は窒化シリコン(SiNx )を含み、第2層302は、酸化ジルコニウム(ZrO2 )を含む。第1層301の厚みは、例えば1.5マイクロメートルであり、第2層302の厚みは、例えば0.5マイクロメートルである。
第2層302の上方に圧電膜32が設けられている。配列方向における圧電膜32の下面中央部と、配列方向における第2層302の上面中央部との間に、下部電極31が配置されている。圧電膜32は、下部電極31の上面及び配列方向両端部を覆う。圧電膜32の厚みは、例えば1マイクロメートルである。
配列方向に沿って隣り合う圧電素子39の間において、第1層301の上側には、第2層302及び圧電膜32に、前後方向に沿って延びた平面視矩形の溝34が形成されている。換言すれば、隔壁25の上端部及び振動膜30の連結部分において、溝34が形成されている。第2層302、圧電膜32及び溝34の上側に、上部電極33は形成されている。例えば溝34の幅(左右寸法)は30μmであり、溝34の長さ(前後寸法)は300μm程度である。
配列方向における下部電極31の両端部と上部電極33との間、及び上下方向における下部電極31と上部電極33との間に圧電膜32が設けられているので、下部電極31及び上部電極33の短絡が防止されている。
溝34は隔壁25の上側に位置し、配列方向において、隔壁25よりも左側及び右側に延びている。すなわち、溝34の幅(配列方向に沿った寸法)は、隔壁25の幅よりも大きい。
隔壁25から圧力室26の内側に亘って、第2層302は存在しないので、振動膜30の厚みは、隔壁25付近において、他の部分の厚みよりも薄い。そのため、振動膜30は撓み易くなる。
なお前記他の部分よりも薄くなるように、隔壁25付近に第2層302を形成してもよい。この場合、隔壁25付近における第2層302の薄い部分は、配列方向において隔壁25から圧力室26の内側に亘って形成される。
実施の形態1に係るプリンタ1のインクジェットヘッド4にあっては、溝34を形成する場合に、隔壁25よりも圧力室26の内側において、振動膜30と隔壁25との連結部分を薄く構成する。これにより、圧電膜32及び振動膜30の全体を薄くせずとも、振動膜30は撓みやすくなり、信頼性の低下が抑制される。また下部電極31と上部電極33との間に圧電膜32を位置させて、短絡を防止することができる。
また隔壁25付近において、第2層302を薄くするか又は削除して、振動膜30を撓みやすくする。また、例えば、第1層301を二酸化シリコン又は窒化シリコンによって構成し、第2層302を酸化ジルコニウムによって構成した場合、第1層301をエッチングのストップ層として利用し、第2層302を薄くするか又は削除することができる。
また振動膜30の薄い部分又は削除された部分を隔壁25よりも圧力室26の内側に位置させることによって、振動膜30を容易に振動させることができる。
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係るプリンタ1を示す図面に基づいて説明する。図8は、圧電素子39を略示する縦断面図である。なお図8の切断位置は図7に対応する。実施の形態2において、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
実施の形態2においては、隔壁25付近において、振動膜30の第1層301が他の部分よりも薄い。換言すれば、溝341は第1層301まで形成され、第1層301の薄い部分は、配列方向にて隔壁25から圧力室26の内側に亘り、左右に延びる。
第2層302のみならず、第1層301をも薄くしているので、振動膜30はより撓み易くなる。
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係るプリンタ1を示す図面に基づいて説明する。図9は、圧電素子39を略示する縦断面図、図10は、図9のX線で囲った部分を略示する部分拡大図である。なお図9の切断位置は図7に対応する。実施の形態3において、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
隣り合う圧電素子39の間に溝342が形成されている。溝342を配列方向に平行な面によって切断した場合に、溝342の断面形状はU状又はV状をなす。図10に示すように、圧電膜32における溝342の傾きb/aは、第2層302(振動膜30)における溝342の傾きd/cよりも大きい。例えば、傾きb/aは2であり、傾きd/cは1である。換言すれば、溝342の幅方向(配列方向)において、溝342の端部の傾きは、幅方向中央部における溝の底面又は側面の傾きよりも大きい。
実施の形態3においては、断面V状又はU状に溝342を形成し、振動膜30の剛性を担保しつつ、振動膜30を撓み易くさせる。また溝342の幅方向において、溝342の端部の傾きは、幅方向中央部における溝342の底面又は側面の傾きよりも大きいので、溝342の底面が平坦である場合に比べて、溝342の幅方向端部への応力集中を抑制することができる。また圧電膜32における溝342の傾きが振動膜30における溝342の傾きよりも大きいので、溝342の幅方向端部への応力集中を抑制することができる。
(実施の形態4)
以下本発明を実施の形態4に係るプリンタ1を示す図面に基づいて説明する。図11は、圧電素子39を略示する縦断面図、図12は、図11に示すXII−XII線を切断線とした略示断面図である。なお図11の切断位置は図7に対応する。実施の形態4において、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、隣り合う圧電素子39の間に溝343が形成されている。溝343は前後方向(搬送方向)に延びた平面視菱形状をなす。すなわち、溝34の長手方向における溝343の前端部又は後端部の幅(配列方向の寸法)が中央部の幅よりも狭くなるように、溝343の左右側面は傾斜している。溝343の上側において、上部電極33に開口33aが形成されている。すなわち開口33aによって、溝343は上部電極33によって覆われていない。なお溝343は、他の形状でもよく、例えば平面視楕円形又は六角形でもよい。
図12に示すように、前後方向において、前端部及び後端部の深さ(上下方向の寸法)が中央部の深さよりも浅くなるように、溝343の底面は傾斜している。
実施の形態4にあっては、溝343の前端部及び後端部の深さが中央部の深さよりも浅くなるように溝343の底面を傾斜させている。そのため、溝343が深い中央部において、振動膜30を撓ませ、浅い前端部及び後端部において、振動膜30の剛性を担保させることができる。
また溝343の左右側面を傾斜させて、例えば前後方向に延びた平面視菱形状になるように、溝343を形成する。そのため、溝343の幅の広い中央部において、振動膜30を撓ませ、溝343の幅の狭い前端部及び後端部において、振動膜30の剛性を担保させることができる。また溝343は上部電極33によって覆われていないので、溝343付近の厚みは他の部分よりも薄く、撓み易くなっている。
実施の形態4においては、溝343の左右側面及び底面を傾斜させているが、溝343の左右側面又は底面のいずれかを真っ直ぐ又は平坦に形成してもよい。
なお上述した各実施の形態におけるプリンタ1に左右方向に移動するキャリッジを設け、該キャリッジにインクジェットヘッド4を設けてもよい。実施の形態1〜3においても、実施の形態4と同様に、溝34、341、342の上側において、上部電極33を形成しなくてもよい。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
1 プリンタ
24 ノズル
25 隔壁
26 圧力室
30 振動膜
301 第1層
302 第2層
31 下部電極(第1電極)
32 圧電膜
33 上部電極(第2電極)
34、341、342、343 溝(連結部分)

Claims (7)

  1. 液体が収容される圧力室の一面部を構成する振動膜と、
    該振動膜における前記圧力室の反対側に設けられた圧電膜と、
    前記振動膜に交差して連結しており、前記圧力室の側面部を構成する隔壁と、
    前記圧電膜及び振動膜の間にて、前記圧電膜によって覆われた第1電極と、
    前記圧電膜及び振動膜を前記圧力室の反対側から覆う第2電極と
    を備え、
    前記隔壁の隣において、前記圧電膜及び振動膜に、前記隔壁に沿って延びる溝が形成さ
    れており、
    前記溝の底部における前記振動膜の厚みが前記振動膜の他部の厚みよりも薄く、
    前記溝の長手方向における端部の深さが中央部の深さよりも浅いこと
    を特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体が収容される圧力室の一面部を構成する振動膜と、
    該振動膜における前記圧力室の反対側に設けられた圧電膜と、
    前記振動膜に交差して連結しており、前記圧力室の側面部を構成する隔壁と、
    前記圧電膜及び振動膜の間にて、前記圧電膜によって覆われた第1電極と、
    前記圧電膜及び振動膜を前記圧力室の反対側から覆う第2電極と
    を備え、
    前記隔壁の隣において、前記圧電膜及び振動膜に、前記隔壁に沿って延びる溝が形成さ
    れており、
    前記溝の底部における前記振動膜の厚みが前記振動膜の他部の厚みよりも薄く、
    前記溝の底面及び側面は、前記溝の長手方向に交差する前記溝の幅方向にて、中央部の
    深さが端部の深さよりも大きくなるように、傾斜又は湾曲し、
    前記溝の幅方向端部の傾きは、幅方向中央部における前記溝の底面又は側面の傾きより
    も大きく、
    前記圧電膜における前記溝の側面の傾きが前記振動膜における前記溝の側面の傾きより
    も大きいこと
    を特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記溝の長手方向における端部の深さが中央部の深さよりも浅いこと
    を特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記振動膜は、
    第1層と、
    該第1層における前記圧力室の反対側に設けられた第2層と
    を有し、
    前記第2層の少なくとも一部が前記第2層の他部よりも薄いか又は削除されていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の液体吐出装置。
  5. 前記第2層の前記一部に対応する前記第1層の一部が前記第1層の他部よりも薄いこと
    を特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記溝の少なくとも一部は前記隔壁よりも前記圧力室の内側に位置すること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の液体吐出装置。
  7. 前記溝の長手方向における端部の幅が中央部の幅よりも狭いこと
    を特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の液体吐出装置。
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