JP2019207982A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】疎水化された表面を有する基板を処理する際にパーティクルの発生を抑制することができる基板処理方法および基板処理装置を提供する。【解決手段】疎水化された基板上面に向けてリンス液を供給することによって、基板Wの上面にリンス液膜が形成される(リンス液膜形成工程)。リンス液膜を保持する基板の上面に向けて、硫酸が供給されることによって、基板の上面に硫酸含有液膜が形成される(硫酸含有液膜形成工程)。硫酸含有液膜を保持する基板の上面に向けて、硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM液が供給される(SPM液供給工程)。【選択図】図4

Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象になる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等の基板が含まれる。
下記特許文献1には、基板の表面からレジストを除去するために、硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM液が基板に供給される基板処理方法が開示されている。
特開2015−82650号公報
基板の表面にフッ酸(HF)を供給し、基板上のフッ酸をリンス液によって洗い流した後に基板の表面にSPM液を供給する場合がある。基板の表面は、フッ酸が供給されることによって、疎水化される。疎水化された基板の表面にSPM液を供給すると、基板の表面が親水化される。疎水化された基板の表面がSPM液によって親水化される際に、基板の表面とSPM液とが激しく反応して気泡が発生する。気泡の発生に起因して基板の表面が露出し、露出した基板表面にパーティクルが発生するおそれがある。
このような課題は、基板上にフッ酸を供給する基板処理に限られず、予め疎水化された表面を有する基板を用いる基板処理においても生じる。
そこで、この発明の目的は、疎水化された表面を有する基板を処理する際にパーティクルの発生を抑制することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
この発明の一実施形態は、基板を水平に保持する基板保持工程と、前記基板の疎水化された上面に向けてリンス液を供給して、前記基板の前記上面にリンス液膜を形成するリンス液膜形成工程と、前記リンス液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、硫酸を供給して、前記硫酸を含有する硫酸含有液膜を前記基板の前記上面に形成する硫酸含有液膜形成工程と、前記硫酸含有液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM液を前記基板の前記上面に向けて供給するSPM液供給工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、基板の上面にリンス液膜が形成された状態で、SPM液よりも先に硫酸が基板の上面に向けて供給されて硫酸含有液膜が形成される。また、硫酸およびSPM液は基板の上面を親水化する液体であり、一般的に、硫酸は、疎水化された上面に対する反応性がSPM液よりも低い。そのため、反応性が比較的低い硫酸によって基板の上面の親水化がある程度進んだ後(硫酸含有液膜が形成された後)に、反応性が比較的高いSPM液によって基板の上面がさらに親水化される。つまり、基板の上面を段階的に親水化することができる。
そのため、リンス液膜が形成された基板の上面に硫酸を供給することなくSPM液を供給する場合と比較して、基板の上面とSPM液とを穏やかに反応させることができる。したがって、基板の上面とSPM液との反応に起因する気泡の発生を抑制することができる。その結果、疎水化された上面を有する基板を処理する際にパーティクルの発生を抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記硫酸含有液膜形成工程が、前記リンス液膜中のリンス液を硫酸で置換することによって、前記硫酸含有液膜を形成する工程を含む。そのため、リンス液膜が形成されてから硫酸含有液膜が形成されるまでの間において、基板の上面の露出を抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに前記基板を回転させる基板回転工程と、前記リンス液膜形成工程において前記基板の回転を減速させる回転減速工程とをさらに含む。
この方法によれば、基板の回転の減速によって、基板上のリンス液に作用する遠心力を低減できる。そのため、リンス液膜の厚みを増大させることができる。リンス液膜の厚みが増大されることによって、基板の上面が露出しにくくなる。したがって、基板の上面の露出に起因するパーティクルの発生を抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記基板の前記上面への硫酸の供給の開始よりも後に前記基板の回転を加速させる回転加速工程をさらに含む。そのため、基板の上面への硫酸の供給開始前には、充分な厚みのリンス液膜が維持されている。そのため、基板の上面への硫酸の供給が開始される前にリンス液膜が基板の上面から振り切られることを抑制できる。したがって、基板の上面が露出することを抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記回転加速工程が、前記基板上の前記リンス液を硫酸で置換し終える前に開始される。そのため、基板上の硫酸に作用する遠心力を増大させることができる。したがって、硫酸が基板の上面の全体に広がるまでの時間を短縮することができる。
この発明の一実施形態では、前記SPM液供給工程が、前記基板上の前記リンス液を硫酸に置換し終えた状態で開始される。そのため、基板の上面全体が硫酸によって親水化された状態で、基板の上面へのSPM液の供給が開始される。したがって、基板の上面とSPM液との反応による気泡の発生を基板の上面の全域において抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記硫酸含有液膜形成工程が、前記基板の前記上面に対向するノズルに硫酸を供給する硫酸供給管に介装された硫酸バルブを開くことによって前記ノズルから硫酸が吐出される硫酸吐出工程を含む。そして、前記SPM液供給工程が、前記硫酸吐出工程の実行によって前記硫酸バルブが開かれた状態で、前記ノズルに過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給管に介装された過酸化水素水バルブを開くことによって、前記SPM液が前記ノズルから吐出されるSPM液吐出工程を含む。
硫酸とSPM液とを別々のノズルから吐出する構成では、硫酸吐出工程からSPM液吐出工程に移行する際にノズルを移動させたり、複数のバルブ間で開閉タイミングを調節したりする必要がある。硫酸とSPM液とが共通のノズルから吐出される構成であれば、過酸化水素水バルブを開くだけで硫酸吐出工程からSPM液吐出工程に移行することができる。
そのため、硫酸吐出工程からSPM液吐出工程への切替を、所望のタイミングで簡単に行うことができる。硫酸吐出工程からSPM液吐出工程への切替が所望のタイミングで行われることによって、基板の上面への硫酸の過剰な供給に起因するコストの増大を抑制することができる。さらに、基板の上面への硫酸の供給が不足することに起因して基板の上面の親水化が不充分となることを抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記リンス液が前記基板の前記上面に供給される前に、前記基板の前記上面に向けてフッ酸を供給するフッ酸供給工程をさらに含む。そのため、液膜形成工程の開始前に、フッ酸によって基板の上面が確実に疎水化される。
この発明の一実施形態では、前記硫酸含有液膜形成工程において前記基板の前記上面に供給される硫酸の温度が、前記SPM液供給工程において前記基板の前記上面に供給される前記SPM液の温度よりも低い。そのため、硫酸と基板の上面との反応性を一層低減することができる。これにより、硫酸と基板の上面との反応性とSPM液と基板の上面との反応性との差を大きくすることができる。よって、基板の上面を確実に段階的に親水化することができる。
この発明の一実施形態では、前記硫酸含有液膜形成工程が、前記基板の前記上面の中央領域に硫酸を供給する中央供給工程を含む。そのため、硫酸を基板の上面の全体に均一に広げることができる。
この発明の一実施形態は、基板を水平に保持する基板保持ユニットと、リンス液を前記基板の上面に向けて供給するリンス液供給ユニットと、硫酸を前記基板の前記上面に向けて供給する硫酸供給ユニットと、硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM液を前記基板の前記上面に向けて供給するSPM液供給ユニットと、前記リンス液供給ユニット、前記硫酸供給ユニットおよび前記SPM液供給ユニットを制御するコントローラとを含む基板処理装置を提供する。
そして、前記コントローラが、前記基板の疎水化された前記上面に向けて前記リンス液供給ユニットから前記リンス液を供給することによって、前記基板の前記上面にリンス液膜を形成するリンス液膜形成工程と、前記リンス液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、前記硫酸供給ユニットから硫酸を供給して、硫酸を含有する硫酸含有液膜を前記基板の前記上面に形成する硫酸含有液膜形成工程と、前記硫酸含有液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、前記SPM液供給ユニットから前記SPM液を供給するSPM液供給工程とを実行するようにプログラムされている。
この構成によれば、基板の上面にリンス液膜が形成された状態で、SPM液よりも先に硫酸が基板の上面に向けて供給されて硫酸含有液膜が形成される。また、硫酸およびSPM液は基板の上面を親水化する液体であり、一般的に、硫酸は、疎水化された上面に対する反応性がSPM液よりも低い。そのため、反応性が比較的低い硫酸によって基板の上面の親水化がある程度進んだ後(硫酸含有液膜が形成された後)に、反応性が比較的高いSPM液によって基板の上面がさらに親水化される。つまり、基板の上面を段階的に親水化することができる。
そのため、リンス液膜が形成された基板の上面に硫酸を供給することなくSPM液を供給する場合と比較して、基板の上面とSPM液とを穏やかに反応させることができる。したがって、基板の上面とSPM液との反応に起因する気泡の発生を抑制することができる。その結果、疎水化された上面を有する基板を処理する際にパーティクルの発生を抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記コントローラが、前記硫酸含有液膜形成工程において、前記リンス液膜中のリンス液を硫酸で置換することによって、前記硫酸含有液膜を形成するようにプログラムされている。そのため、リンス液膜が形成されてから硫酸含有液膜が形成されるまでの間において、基板の上面の露出を抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに前記基板を回転させる基板回転ユニットをさらに含む。そして、前記コントローラが、前記基板回転ユニットに、前記基板を回転させる基板回転工程と、前記リンス液膜形成工程において前記基板回転ユニットに前記基板の回転を減速させる回転減速工程とを実行するようにプログラムされている。
この構成によれば、基板の回転の減速によって、基板上のリンス液に作用する遠心力を低減できる。そのため、リンス液膜の厚みを増大させることができる。リンス液膜の厚みが増大されることによって、基板の上面が露出しにくくなる。したがって、基板の上面の露出に起因するパーティクルの発生を抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記コントローラが、前記基板の前記上面への硫酸の供給の開始よりも後に、前記基板回転ユニットに前記基板の回転を加速させる回転加速工程を実行するようにプログラムされている。
そのため、基板の上面への硫酸の供給開始前には、充分な厚みのリンス液膜が維持されている。そのため、基板の上面への硫酸の供給が開始される前にリンス液膜が基板の上面から振り切られることを抑制できる。したがって、基板の上面が露出することを抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記コントローラが、前記基板上の前記リンス液を硫酸で置換し終える前に前記回転加速工程を開始するようにプログラムされている。そのため、基板上の硫酸に作用する遠心力を増大させることができる。したがって、硫酸が基板の上面の全体に広がるまでの時間を短縮することができる。
この発明の一実施形態では、前記コントローラが、前記基板上の前記リンス液を硫酸に置換し終えた状態で前記SPM含有液膜形成工程を開始するようにプログラムされている。そのため、基板の上面全体が硫酸によって親水化された状態で、基板の上面へのSPM液の供給が開始される。したがって、基板の上面とSPM液との反応による気泡の発生を基板の上面の全域において抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記硫酸供給ユニットが、前記基板の前記上面に対向するノズルと、前記ノズルに硫酸を供給する硫酸供給管と、前記硫酸供給管に介装された硫酸バルブとを含む。そして、前記SPM液供給ユニットが、前記硫酸供給ユニットと、前記ノズルに過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給管と、前記過酸化水素水供給管に介装された過酸化水素水バルブとを含む。そして、前記コントローラが、前記硫酸含有液膜形成工程において、前記硫酸バルブを開くことによって前記ノズルから硫酸を吐出させる硫酸吐出工程を実行し、かつ、前記SPM含有液膜形成工程において、前記硫酸吐出工程の実行によって前記硫酸バルブが開かれた状態で前記過酸化水素水バルブを開くことによって、前記SPM液が前記ノズルから吐出されるSPM液吐出工程を実行するようにプログラムされている。
硫酸とSPM液とを別々のノズルから吐出する構成では、硫酸吐出工程からSPM液吐出工程に移行する際にノズルを移動させたり、複数のバルブ間で開閉タイミングを調節したりする必要がある。硫酸とSPM液とが共通のノズルから吐出される構成であれば、過酸化水素水バルブを開くだけで硫酸吐出工程からSPM液吐出工程に移行することができる。
そのため、硫酸吐出工程からSPM液吐出工程への切替を、所望のタイミングで簡単に行うことができる。硫酸吐出工程からSPM液吐出工程への切替が所望のタイミングで行われることによって、基板の上面への硫酸の過剰な供給に起因するコストの増大を抑制することができる。さらに、基板の上面への硫酸の供給が不足することに起因して基板の上面の親水化が不充分となることを抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記基板の前記上面に向けてフッ酸を供給するフッ酸供給ユニットをさらに含む。そして、前記コントローラが、前記リンス液が前記基板の前記上面に供給される前に、前記フッ酸供給ユニットから前記基板の前記上面に向けてフッ酸を供給するフッ酸供給工程を実行するようにプログラムされている。そのため、液膜形成工程の開始前に、フッ酸によって基板の上面が確実に疎水化される。
この発明の一実施形態では、前記硫酸供給工程において前記基板の前記上面に供給される硫酸の温度が、前記SPM液供給工程において前記基板の前記上面に供給される前記SPM液の温度よりも低い。そのため、硫酸と基板の上面との反応性を一層低減することができる。これにより、硫酸と基板の上面との反応性とSPM液と基板の上面との反応性との差を大きくすることができる。よって、基板の上面を確実に段階的に親水化することができる。
この発明の一実施形態では、前記コントローラが、前記硫酸供給工程において、前記硫酸供給ユニットから前記基板の前記上面の中央領域に向けて硫酸を供給する中央供給工程を実行するようにプログラムされている。そのため、硫酸を基板の上面の全体に均一に広げることができる。
図1は、この発明の一実施形態にかかる基板処理装置のレイアウトを示す模式的な平面図である。 図2は、前記基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。 図3は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を示すブロック図である。 図4は、前記処理ユニットによる基板処理の一例を説明するための流れ図である。 図5Aは、前記基板処理の第1リンス液処理(ステップS2)の様子を説明するための模式図である。 図5Bは、前記第1リンス液処理の様子を説明するための模式図である。 図5Cは、前記基板処理の硫酸処理(ステップS3)の様子を説明するための模式図である。 図5Dは、前記硫酸処理の様子を説明するための模式図である。 図5Eは、前記基板処理のSPM液処理(ステップS4)の様子を説明するための模式図である。 図6は、前記基板処理を実行した後に基板の上面に発生するパーティクル数の測定した実験結果を示すグラフである。 図7は、基板処理の別の例における前記硫酸処理の様子を説明するための模式図である。 図8は、前記処理ユニットに備えられた硫酸供給ユニットおよびSPM液供給ユニットの変形例を説明するための模式図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態にかかる基板処理装置1のレイアウトを示す模式的な平面図である。
基板処理装置1は、シリコンウエハなどの基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、基板Wは、円板状の基板である。
基板処理装置1は、基板Wを処理液で処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリヤCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御するコントローラ3とを含む。
搬送ロボットIRは、キャリヤCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。処理ユニット2内で基板Wに供給される処理液には、フッ酸、リンス液、硫酸、SPM液等が挙げられる。
図2は、処理ユニット2の構成例を説明するための模式図である。処理ユニット2は、スピンチャック5と、処理カップ8と、対向部材6と、フッ酸供給ユニット9と、リンス液供給ユニット10と、SC1液供給ユニット11と、硫酸供給ユニット12と、SPM液供給ユニット13とを含む。
スピンチャック5は、基板Wを水平に保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに回転させる。スピンチャック5は、複数のチャックピン20と、スピンベース21と、回転軸22と、スピンモータ23とを含む。
スピンベース21は、水平方向に沿う円板形状を有している。スピンベース21の上面には、基板Wの周縁を把持する複数のチャックピン20が、スピンベース21の周方向に間隔を空けて配置されている。スピンベース21および複数のチャックピン20は、基板Wを水平に保持する基板保持ユニットに含まれる。基板保持ユニットは、基板ホルダともいう。
回転軸22は、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びている。回転軸22の上端部は、スピンベース21の下面中央に結合されている。スピンモータ23は、回転軸22に回転力を与える。スピンモータ23によって回転軸22が回転されることにより、スピンベース21が回転される。これにより、基板Wが回転軸線A1のまわりに回転される。回転軸22およびスピンモータ23は、回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる基板回転ユニットに含まれる。
対向部材6は、スピンチャック5に保持された基板Wに上方から対向する。対向部材6は、基板Wとほぼ同じ径またはそれ以上の径を有する円板状に形成されている。対向部材6は、スピンチャック5よりも上方でほぼ水平に配置されている。対向部材6は、基板Wの上面に対向する対向面6aを有する。
対向部材6において対向面6aとは反対側の面には、中空軸60が固定されている。対向部材6において平面視で回転軸線A1と重なる部分には、対向部材6を上下に貫通し、中空軸60の内部空間60aと連通する連通孔6bが形成されている。
対向部材6は、対向部材6の対向面6aと基板Wの上面との間の空間内の雰囲気を当該空間の外部の雰囲気から遮断する。そのため、対向部材6は、遮断板とも呼ばれる。
処理ユニット2は、対向部材6の昇降を駆動する対向部材昇降ユニット61をさらに含む。対向部材昇降ユニット61は、下位置から上位置までの任意の位置(高さ)に対向部材6を位置させることができる。下位置とは、対向部材6の可動範囲において、対向部材6の対向面6aが基板Wに最も近接する位置である。上位置とは、対向部材6の可動範囲において対向部材6の対向面6aが基板Wから最も離間する位置である。
対向部材昇降ユニット61は、たとえば、中空軸60を支持する支持部材(図示せず)に取り付けられたボールねじ機構(図示せず)と、それに駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。
処理カップ8は、チャンバ4内に収容されている(図1参照)。チャンバ4には、チャンバ4内に基板Wを搬入したり、チャンバ4内から基板Wを搬出したりするための出入口(図示せず)が形成されている。チャンバ4には、この出入口を開閉するシャッタユニット(図示せず)が備えられている。
フッ酸供給ユニット9は、基板Wの上面にフッ酸を供給するユニットである。フッ酸供給ユニット9は、フッ酸ノズル15、フッ酸供給管40およびフッ酸バルブ50を含む。フッ酸供給管40は、フッ酸ノズル15に接続されている。フッ酸供給管40は、フッ酸(HF:フッ化水素水)をフッ酸ノズル15に案内(供給)する。フッ酸バルブ50は、フッ酸供給管40に介装されている。フッ酸バルブ50が開かれると、フッ酸が、フッ酸ノズル15から基板Wの上面の中央領域に向けて連続的に吐出される。基板Wの上面の中央領域とは、基板Wの回転中心を含む領域のことである。
この実施形態では、フッ酸ノズル15は、チャンバ4内での位置が固定された固定ノズルであるが、フッ酸ノズル15は、水平方向および鉛直方向の少なくともいずれかに移動可能な移動ノズルであってもよい。また、フッ酸ノズル15は、この実施形態とは異なり、中空軸60の内部空間60aと対向部材6の連通孔6bとに挿通されていてもよい。
リンス液供給ユニット10は、基板Wの上面にリンス液を供給するユニットである。リンス液供給ユニット10は、リンス液ノズル16、リンス液供給管41およびリンス液バルブ51を含む。リンス液供給管41は、リンス液ノズル16に接続されている。リンス液供給管41は、リンス液をリンス液ノズル16に案内(供給)する。リンス液バルブ51は、リンス液供給管41に介装されている。リンス液バルブ51が開かれると、リンス液が、リンス液ノズル16から基板Wの上面の中央領域に向けて連続的に吐出される。
この実施形態では、リンス液ノズル16から吐出されるリンス液は、DIWである。リンス液としては、DIW以外にも、水を含有する液体を用いることができる。リンス液としては、DIW以外に、たとえば、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、アンモニア水および希釈濃度(たとえば、10ppm〜100ppm程度)の塩酸水等を用いることができる。
リンス液ノズル16は、中空軸60の内部空間60aと対向部材6の連通孔6bとに挿通されており、基板Wの上面の中央領域に対向している。リンス液ノズル16は、対向部材6とともに対向部材昇降ユニット61によって昇降される。リンス液ノズル16は、この実施形態とは異なり、中空軸60の内部空間60aと対向部材6の連通孔6bとに挿通されていないノズルであってもよい。
SC1液供給ユニット11は、基板Wの上面にSC1液を供給するユニットである。SC1液供給ユニット11は、SC1液ノズル17、SC1液供給管42およびSC1液バルブ52を含む。SC1液供給管42は、SC1液ノズル17に接続されている。SC1液供給管42は、SC1液(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)をSC1液ノズル17に案内(供給)する。SC1液バルブ52は、SC1液供給管42に介装されている。SC1液バルブ52が開かれると、SC1液が、SC1液ノズル17から連続的に吐出される。
処理ユニット2は、SC1液ノズル17を水平方向および鉛直方向に移動させる第1ノズル移動ユニット30をさらに含む。SC1液ノズル17は、第1ノズル移動ユニット30によって、中心位置と、ホーム位置(退避位置)との間で水平方向に移動される。
SC1液ノズル17は、中心位置に位置するとき、基板Wの上面の回転中心に対向し、基板Wの上面の中央領域に向けてSC1液を吐出することができる。基板Wの上面の回転中心とは、基板Wの上面における回転軸線A1との交差位置である。
SC1液ノズル17は、ホーム位置に位置するとき、基板Wの上面には対向せず、平面視において、処理カップ8の外方に位置する。SC1液ノズル17は、鉛直方向への移動によって、基板Wの上面に接近したり、基板Wの上面から上方に退避したりできる。
第1ノズル移動ユニット30は、たとえば、鉛直方向に沿う回動軸と、回動軸に結合されて水平に延びるアームと、回動軸を昇降させたり回動させたりする回動軸駆動ユニットとを含む。回動軸駆動ユニットは、回動軸を鉛直な回動軸線まわりに回動させることによってアームを揺動させる。さらに、回動軸駆動ユニットは、回動軸を鉛直方向に沿って昇降することにより、アームを上下動させる。SC1液ノズル17はアームに固定される。アームの揺動および昇降に応じて、SC1液ノズル17が水平方向および鉛直方向に移動する。
この実施形態とは異なり、SC1液ノズル17は、チャンバ4内(図1参照)での位置が固定された固定ノズルであってもよい。また、SC1液ノズル17は、中空軸60の内部空間60aと対向部材6の連通孔6bとに挿通されたノズルであってもよい。
硫酸供給ユニット12は、基板Wの上面に硫酸を供給するユニットである。硫酸供給ユニット12は、共通ノズル18、硫酸供給管43および硫酸バルブ53を含む。硫酸供給管43は、共通ノズル18に接続されている。硫酸供給管43は、共通ノズル18に硫酸(HSO)を案内(供給)する。硫酸バルブ53は、硫酸供給管43に介装されている。硫酸バルブ53が開かれると、硫酸が、共通ノズル18から連続的に吐出される。共通ノズル18から吐出される硫酸の温度は、たとえば、120℃〜190℃である。
共通ノズル18から吐出される硫酸(硫酸供給管43から共通ノズル18に供給される硫酸)は、たとえば、硫酸水溶液であり、硫酸以外の成分として、水が含まれていてもよい。共通ノズル18から吐出される硫酸の質量パーセント濃度は85%以上であることが好ましく、98%以下であることが好ましい。
SPM液供給ユニット13は、基板Wの上面にSPM液を供給するユニットである。SPM液供給ユニット13は、硫酸供給ユニット12、過酸化水素水供給管44および過酸化水素水バルブ54を含む。過酸化水素水供給管44は、硫酸供給管43とともに共通ノズル18に接続されている。過酸化水素水供給管44は、共通ノズル18に過酸化水素水(H)を案内(供給)する。過酸化水素水バルブ54は、過酸化水素水供給管44に介装されている。過酸化水素水バルブ54が開かれると、過酸化水素水が、共通ノズル18から連続的に吐出される。
硫酸バルブ53および過酸化水素水バルブ54の両方が開かれると、共通ノズル18内で硫酸と過酸化水素水とが混合されてSPM液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)が調製され、調整されたSPM液が共通ノズル18から連続的に吐出される。共通ノズル18から吐出されるSPM液の温度は、共通ノズル18から吐出される硫酸の温度よりも高く、たとえば、160℃〜220℃である。なお、共通ノズル18から吐出される硫酸の流量は、共通ノズル18から吐出されるSPM液の流量と比較して安定している。
処理ユニット2は、水平方向および鉛直方向に共通ノズル18を移動させる第2ノズル移動ユニット31をさらに含む。共通ノズル18は、第2ノズル移動ユニット31によって、中心位置と、ホーム位置(退避位置)との間で移動される。共通ノズル18は、中心位置に位置するとき、基板Wの上面の回転中心に対向し、基板Wの上面の中央領域に向けて硫酸やSPM液を吐出することができる。
共通ノズル18は、ホーム位置に位置するとき、基板Wの上面には対向せず、平面視において、処理カップ8の外方に位置する。共通ノズル18は、鉛直方向への移動によって、基板Wの上面に接近したり、基板Wの上面から上方に退避したりできる。
第2ノズル移動ユニット31は、第1ノズル移動ユニット30と同様の構成を有している。すなわち、第2ノズル移動ユニット31は、たとえば、鉛直方向に沿う回動軸と、回動軸および共通ノズル18に結合されて水平に延びるアームと、回動軸を昇降させたり回動させたりする回動軸駆動ユニットとを含む。
この実施形態とは異なり、共通ノズル18は、チャンバ4(図1参照)内での位置が固定された固定ノズルであってもよいし、中空軸60の内部空間60aと対向部材6の連通孔6bとに挿通されたノズルであってもよい。
図3は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を示すブロック図である。コントローラ3は、マイクロコンピュータを備え、所定の制御プログラムに従って基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。
具体的には、コントローラ3は、プロセッサ(CPU)3Aと、制御プログラムが格納されたメモリ3Bとを含む。コントローラ3は、プロセッサ3Aが制御プログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御を実行するように構成されている。とくに、コントローラ3は、搬送ロボットIR,CR、スピンモータ23、第1ノズル移動ユニット30、第2ノズル移動ユニット31、対向部材昇降ユニット61、バルブ50,51,52,53,54を制御するようにプログラムされている。
図4は、基板処理装置1による基板処理の一例を説明するための流れ図である。図4には、主として、コントローラ3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。
基板処理装置1によって実行される基板処理は、たとえば、基板Wの上面に形成されたレジストを除去するレジスト剥離工程である。具体的には、基板処理装置1による基板処理では、図4に示すように、フッ酸処理(ステップS1)、第1リンス液処理(ステップS2)、硫酸処理(ステップS3)、SPM液処理(ステップS4)、第2リンス液処理(ステップS5)、SC1液処理(ステップS6)、第3リンス液処理(ステップS7)、および乾燥処理(ステップS8)がこの順番で実行される。
基板処理では、まず、チャンバ4内に基板Wが搬入される。基板Wが搬入される際、対向部材6は上位置に位置し、SC1液ノズル17および共通ノズル18は、ホーム位置に位置している。未処理の基板Wは、搬送ロボットIR,CRによってキャリヤCから処理ユニット2に搬入され、チャックピン20に受け渡される。この後、基板Wは、搬送ロボットCRによって搬出されるまで、スピンチャック5のチャックピン20によって水平に保持される(基板保持工程)。
次に、搬送ロボットCRが処理ユニット2外に退避した後、フッ酸処理(ステップS1)が開始される。具体的には、スピンモータ23が、スピンベース21を回転させる。これにより、水平に保持された基板Wが回転する(基板回転工程)。そして、フッ酸バルブ50が開かれる。これにより、回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて、フッ酸ノズル15からフッ酸が供給(吐出)される(フッ酸供給工程)。フッ酸供給工程における基板Wの回転速度は、たとえば、1200rpmである。基板Wの上面に供給されたフッ酸は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。基板Wの上面は、フッ酸で処理されることによって疎水化される。
次に、一定時間のフッ酸処理(ステップS1)の後、第1リンス液処理(ステップS2)が実行される。第1リンス液処理では、基板W上のフッ酸がDIW(リンス液)で置換され、基板W上にDIWの液膜が形成される。図5Aおよび図5Bは、リンス液膜形成工程の様子を説明するための模式図である。
図5Aを参照して、第1リンス液処理では、まず、フッ酸バルブ50が閉じられる。そして、対向部材昇降ユニット61が上位置と下位置との間の処理位置に対向部材6を移動させる。そして、リンス液バルブ51が開かれる。これにより、回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて、リンス液ノズル16からDIWが供給(吐出)される(第1リンス液供給工程)。基板Wの上面に供給されたDIWは遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。その結果、基板Wの上面のフッ酸は、DIWによって置換される。
基板Wの上面へのDIWの供給が開始されてから所定時間が経過すると、スピンモータ23(図2参照)は、基板Wの回転を段階的に減速する(第1回転減速工程)。例として、基板Wの回転は、1200rpmから所定の回転数に減速された後、所定時間維持される。そして、基板Wの回転の減速と回転数の維持とが複数回繰り返される。そして、基板Wの回転は、最終的に10rpmに減速された後、10rpmで所定時間維持される。
図5Bに示すように、基板Wの回転が充分に減速された時点(たとえば、回転速度が10rpmになった時点)で、リンス液バルブ51が閉じられる。これにより、リンス液ノズル16から基板Wの上面へのDIWの供給が停止される。基板Wは、充分に低速度で回転しているため、基板Wの上面には、基板Wの上面のほぼ全体を覆うパドル状態のDIWのリンス液膜100が形成(保持)される(リンス液膜形成工程)。
パドル状態の液膜とは、基板W上の液に作用する遠心力が低減されることによって基板W上に形成される比較的厚い液膜のことである。そして、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を上位置に移動させる。
次に、リンス液膜100が基板Wの上面に形成された状態で硫酸処理(ステップS3)が実行される。図5Cおよび図5Dは、硫酸処理の様子を説明するための模式図である。
具体的には、図5Cに示すように、第2ノズル移動ユニット31が、共通ノズル18を、処理位置(たとえば、中心位置)に移動させる。そして、硫酸バルブ53が開かれる。これにより、基板Wの上面の中央領域に向けて、共通ノズル18から硫酸が供給(吐出)される(硫酸供給工程、硫酸吐出工程、中央供給工程)。基板Wの上面に供給された硫酸は遠心力によって基板Wの上面の周縁領域に位置するDIWを基板W外に押し出しながら、基板Wの上面に広がる。これにより、硫酸を含有する硫酸含有液膜101が基板Wの上面に形成される(硫酸含有液膜形成工程)。なお、基板Wの上面の周縁領域は、基板Wの上面の周縁部およびその周辺部を含む領域である。
硫酸含有液膜101は、リンス液膜100中のリンス液の少なくとも一部を硫酸で置換することによって形成される。すなわち、基板Wの上面のリンス液膜100中のリンス液の一部が硫酸で置換された液膜を硫酸含有液膜101といい(図5Cの状態)、基板Wの上面のリンス液膜100中のリンス液の全てが硫酸で置換された液膜も硫酸含有液膜101という(図5Dの状態)。基板Wの上面を均一に硫酸で処理するには、リンス液膜100内のリンス液を硫酸で置換完了することが好ましい。
基板Wの上面への硫酸の供給開始時において、基板Wが充分に低速度(たとえば、10rpm)で回転しているため、硫酸含有液膜101がパドル状態で維持されている。
そして、スピンモータ23(図2参照)は、基板Wの上面への硫酸の供給を開始した後で、かつ、基板W上のリンス液が硫酸で置換し終える前に、基板Wの回転を、たとえば400rpm以上1000rpm以下の所定の回転数にまで加速させる(回転加速工程)。これにより、図5Dに示すように、基板W上の硫酸は遠心力によって基板Wの上面の全体に広がる。硫酸処理の実行によって、基板Wの上面が親水化される。なお、この基板処理とは異なり、基板Wの上面の全体に硫酸が広がった後に、基板Wの回転を加速させてもよい。
基板Wの上面を硫酸で充分に親水化するためには、回転加速工程は、たとえば、基板Wの上面への硫酸の供給が開始されてから所定期間(たとえば、1秒間以上10秒間以内)経過したときに開始されればよい。
なお、基板Wの上面へ硫酸が供給されている間の全期間において、硫酸含有液膜101が分裂せずに維持される。回転加速工程の実行によって基板Wの回転が加速された後においても、硫酸含有液膜101のパドル状態は維持されないものの、硫酸含有液膜101が基板Wの上面の全域を覆った状態は維持される。
次に、一定時間の硫酸処理(ステップS3)の後、SPM液処理が(ステップS4)が実行される。図5Eは、SPM液処理の様子を説明するための模式図である。
SPM液処理では、基板W上のDIWを硫酸に置換し終えた状態で、過酸化水素水バルブ54が開かれる。図5Eに示すように、硫酸バルブ53が開かれた状態で過酸化水素水バルブ54が開かれるので、基板Wの上面に向けて共通ノズル18からSPM液が供給(吐出)される(SPM液供給工程、SPM液吐出工程)。
スピンモータ23は、基板Wの回転速度を硫酸供給工程のときの回転速度と同じ回転速度に維持する。スピンモータ23は、硫酸供給工程のときの回転速度と同じ回転速度に基板Wの回転速度を維持した後、基板Wの回転を、たとえば、150rpmまで減速させてもよい(第2回転減速工程)。第2回転減速工程の実行によって、基板Wの回転に起因するSPM液の基板W上の冷却を抑制することができる。
基板Wの上面に供給されたSPM液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。これにより、図5Eに示すように、SPM液を含有するSPM含有液膜102が基板Wの上面に形成される(SPM含有液膜形成工程)。
SPM含有液膜102は、硫酸含有液膜101内の硫酸の少なくとも一部をSPM液で置換することによって形成される。すなわち、基板Wの上面の硫酸含有液膜101内の硫酸の一部がSPM液で置換された液膜がSPM含有液膜102であり、基板Wの上面の硫酸含有液膜101内の硫酸の全てがSPM液で置換された液膜もSPM含有液膜102である。基板Wの上面を均一にSPM液で処理するには、硫酸含有液膜101内の硫酸をSPM液で置換完了することが好ましい。SPM液処理の実行によって、基板Wの上面が一層親水化される。
次に、図2および図4を参照して、一定時間のSPM液処理(ステップS4)の後、第2リンス処理(ステップS5)が実行される。
具体的には、硫酸バルブ53および過酸化水素水バルブ54が閉じられる。そして、第2ノズル移動ユニット31が、共通ノズル18をホーム位置に移動させる。そして、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を処理位置に移動させる。そして、リンス液バルブ51が開かれる。これにより、回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて、リンス液ノズル16からDIWが供給(吐出)される(第2リンス液供給工程)。基板Wの上面に供給されたDIWは遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。その結果、基板Wの上面のSPM液は、DIWによって置換される。
次に、一定時間の第2リンス液処理(ステップS5)の後、SC1液処理(ステップS6)が実行される。
具体的には、リンス液バルブ51が閉じられる。そして、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を上位置に移動させる。そして、第1ノズル移動ユニット30が、SC1液ノズル17を処理位置(たとえば、中心位置)に移動させる。そして、SC1液バルブ52が開かれる。これにより、回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて、SC1液ノズル17からSC1液が供給(吐出)される(SC1液供給工程)。基板Wの上面に供給されたSC1液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。基板Wの上面のDIWは、SC1液によって置換される。これにより、基板Wの上面がSC1液によって処理される。
次に、一定時間のSC1液処理(ステップS6)の後、第3リンス処理(ステップS7)が実行される。
具体的には、SC1液バルブ52が閉じられる。そして、第1ノズル移動ユニット30が、SC1液ノズル17をホーム位置に移動させる。そして、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を処理位置に移動させる。そして、リンス液バルブ51が開かれる。これにより、回転状態の基板Wの上面の中央領域に向けて、リンス液ノズル16からDIWが供給(吐出)される(第3リンス液供給工程)。基板Wの上面に供給されたDIWは遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。基板Wの上面のSC1液は、DIWによって置換される。
次に、一定時間の第3リンス処理(ステップS7)の後、基板Wの上面を乾燥させる乾燥処理(ステップS8)が実行される。
具体的には、リンス液バルブ51が閉じられる。そして、スピンモータ23が、高回転速度(たとえば3000rpm)で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上のリンス液に作用し、基板W上のリンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wからリンス液が除去され、基板Wが乾燥される。そして、基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、スピンモータ23が、スピンベース21による基板Wの回転を停止させる。
以下では、上述した基板処理を実行した後の基板Wの上面に付着するパーティクルの数(パーティクル数)を測定した結果について説明する。
この実験では、まず、基板の表面を疎水化するために、フッ化水素と水とを混合したフッ酸を用いた。また、レジストを除去するため、硫酸と過酸化水素水とを混合したSPM液を用いた。また、レジストを除去するため、過酸化水素水とアンモニア水と水とを混合したSC1液を用いた。
図6は、上述した基板処理を実行した後のパーティクル数の測定した実験結果を示すグラフである。この実験は、基板Wの上面への硫酸の供給を開始してから基板Wの回転を加速させるまでの時間(パドル状態維持時間t)を変化させて実行された。
詳しくは、パドル状態維持時間を0秒間とした基板処理(t=0)、パドル状態維持時間を0秒間よりも長く1秒間よりも短い時間とした基板処理(0<t<1)、パドル状態維持時間を1秒間とした基板処理(t=1)を実行した。さらに、パドル状態維持時間を1秒間よりも長い時間とした基板処理(t=2,t=3,t=5,t=7,t=10)も実行した。各基板処理は、5枚の基板Wに対して実行された。
図6の横軸は、パドル状態維持時間である。図6の縦軸は、パドル状態維持時間を0秒間とした基板処理(t=0)の後の基板W上のパーティクル数に対する、各基板処理後の基板W上のパーティクル数の割合(パーティクル割合)である。パーティクル数は、たとえば、パーティクルカウンタ(図示せず)で測定された。
図6に示すように、パドル状態維持時間を0秒間よりも長く1秒間よりも短い時間とした基板処理(0<t<1)によって、基板W上のパーティクル数は、パドル状態維持時間を0秒とした基板処理(t=0)後のパーティクル数の30%にまで減少した。パドル状態維持時間を1秒間とした基板処理(t=1)によって、基板W上のパーティクル数は、パドル状態維持時間を0秒とした基板処理(t=0)後のパーティクル数の10%にまで減少した。パドル状態維持時間を2秒間とした基板処理(t=2)、パドル状態維持時間を3秒間とした基板処理(t=3)、パドル状態維持時間を5秒間とした基板処理(t=5)、パドル状態維時間を7秒間とした基板処理(t=7)およびパドル状態維持時間を10秒間とした基板処理(t=10)によっても、基板W上のパーティクル数は、パドル状態維持時間を0秒とした基板処理(t=0)後のパーティクル数の10%にまで減少した。
このように、パドル状態維持時間を設定することで、基板処理後に基板W上に発生するパーティクルの数が低減された。さらに、パドル状態維持時間を1秒以上とすることで、基板処理後に基板W上に発生するパーティクルの数が顕著に低減された。
この実施形態では、基板Wの疎水化された上面にリンス液膜100が形成される(液膜形成工程)。そして、リンス液膜100を保持する基板Wの上面に向けて、硫酸が供給され、基板Wの上面に硫酸含有液膜101が形成される(硫酸含有液膜形成工程)。そして、硫酸含有液膜101を保持する基板Wの上面に向けてSPM液が供給される(SPM液供給工程)。
この実施形態によれば、基板Wの上面にリンス液膜100が形成された状態で、SPM液よりも先に硫酸が基板Wの上面に向けて供給される。また、硫酸およびSPM液は基板Wの上面を親水化する液体であり、一般的に、硫酸は、疎水化された上面に対する反応性がSPM液よりも低い。そのため、反応性が比較的低い硫酸によって基板Wの上面の親水化がある程度進んだ後(硫酸含有液膜形成工程の後)に、反応性が比較的高いSPM液によって基板Wの上面がさらに親水化される。つまり、基板Wの上面を段階的に親水化することができる。
そのため、リンス液膜100が形成された基板Wの上面に硫酸を供給することなくSPM液を供給する場合と比較して、基板Wの上面とSPM液とを穏やかに反応させることができる。したがって、基板Wの上面とSPM液との反応に起因する気泡の発生を抑制することができる。その結果、疎水化された上面を有する基板Wを処理する際にパーティクルの発生を抑制することができる。
また、この実施形態では、硫酸含有液膜形成工程において、リンス液膜100中のリンス液を硫酸で置換することによって、硫酸含有液膜101が形成される。そのため、リンス液膜100が形成されてから硫酸含有液膜101が形成されるまでの間において、基板Wの上面の露出を抑制できる。
また、この実施形態では、SPM含有液膜形成工程において、硫酸含有液膜101中の硫酸をSPM液で置換することによって、SPM含有液膜102が形成される。そのため、硫酸含有液膜101が形成されてからSPM含有液膜102が形成されるまでの間において、基板Wの上面の露出を抑制できる。また、リンス液膜形成工程の開始からSPM含有液膜形成工程の間において、基板Wの上面の露出を避けることができるので、基板Wの上面の露出に起因するパーティクルの発生を一層抑制できる。
また、この実施形態では、液膜形成工程において、基板Wの回転を減速させる(回転減速工程)。そのため、基板Wの回転の減速によって、基板W上のリンス液に作用する遠心力を低減できる。そのため、リンス液膜100の厚みを増大させることができる。すなわち、リンス液膜100をパドル状態にすることができる。リンス液膜100の厚みが増大されることによって、基板Wの上面が露出しにくくなる。したがって、基板Wの上面の露出に起因するパーティクルの発生を抑制できる。
また、この実施形態では、回転加速工程は、基板Wの上面への硫酸の供給の開始よりも後に開始される。そのため、基板Wの上面への硫酸の供給開始前には、充分な厚みの(パドル状態の)リンス液膜100が維持されている。そのため、基板Wの上面への硫酸の供給が開始される前にリンス液膜100が基板Wの上面から振り切られることを抑制できる。したがって、基板Wの上面が露出することを抑制できる。さらに、回転加速工程が、基板W上のDIW(リンス液)を硫酸で置換し終える前に開始される。そのため、基板W上の硫酸に作用する遠心力を増大させることができる。したがって、硫酸が基板Wの上面の全体に広がるまでの時間を短縮することができる。
また、この実施形態では、SPM含有液膜形成工程中のSPM液供給工程が、基板W上のリンス液を硫酸に置換し終えた状態で開始される。そのため、基板Wの上面全体が硫酸によって親水化された状態で、基板Wの上面へのSPM液の供給が開始される。したがって、基板Wの上面とSPM液との反応による気泡の発生を基板Wの上面の全域において抑制することができる。
また、この実施形態では、硫酸液膜形成工程中の硫酸供給工程において、硫酸バルブ53を開くことによって共通ノズル18から硫酸が吐出される(硫酸吐出工程)。そして、硫酸吐出工程の実行によって硫酸バルブ53が開かれた状態で、過酸化水素水バルブ54を開くことによって、共通ノズル18からSPM液が吐出される(SPM液吐出工程)。
この実施形態とは異なり硫酸とSPM液とを別々のノズルから吐出する構成では、硫酸供給工程からSPM液供給工程に移行する際にノズルを移動させたり、複数のバルブ間で開閉タイミングを調節したりする必要がある。一方、この実施形態のように、硫酸とSPM液とが共通ノズル18から吐出される構成であれば、過酸化水素水バルブ54を開くだけで硫酸供給工程からSPM液供給工程に移行することができる。
そのため、硫酸供給工程からSPM液供給工程への切替を、所望のタイミングで簡単に行うことができる。硫酸供給工程からSPM液供給工程への切替が所望のタイミングで行われることによって、基板Wの上面への硫酸の過剰な供給に起因するコストの増大を抑制することができる。さらに、基板Wの上面への硫酸の供給が不足することに起因して基板Wの上面の親水化が不充分となることを抑制することができる。
また、この実施形態では、リンス液が基板Wの上面に供給される前に、基板Wの上面に向けてフッ酸が供給される(フッ酸供給工程)。そのため、液膜形成工程の開始前に、フッ酸によって基板Wの上面が確実に疎水化される。
また、この実施形態では、硫酸含有液膜形成工程(硫酸供給工程)において基板Wの上面に供給される硫酸の温度が120℃〜190℃であり、SPM含有液膜形成工程(SPM液供給工程)において基板Wの上面に供給されるSPM液の温度が160℃〜220℃である。硫酸の温度は、SPM液の温度よりも低くすることが好ましい。そのように温度差ができるように硫酸の温度およびSPM液の温度を設定すると、硫酸と基板Wの上面との反応性を一層低減することができる。これにより、硫酸と基板Wの上面との反応性とSPM液と基板Wの上面との反応性との差を大きくすることができる。よって、基板Wの上面を確実に段階的に親水化することができる。
また、この実施形態では、基板Wの上面の中央領域に硫酸が供給される(中央供給工程)。そのため、硫酸を基板Wの上面の全体に均一に広げることができる。
また、共通ノズル18から吐出される硫酸の流量は、共通ノズル18から吐出されるSPM液の流量と比較して安定している。そのため、硫酸は、SPM液と比較して基板Wの上面の全体に均一に広がりやすい。そのため、SPM液供給工程の前に硫酸供給工程を実行することによって、基板Wの上面の全体が満遍なく親水化された状態でSPM液供給工程を開始することができる。
また、硫酸供給管43から共通ノズル18に供給される硫酸水溶液中の硫酸の質量パーセント濃度が、85%以上で、かつ、98%以下であれば、充分に硫酸の濃度が高いSPM液を共通ノズル18内で調整することができる。これにより、SPM液処理(ステップS4)において基板W上のレジストを良好に剥離することができる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
たとえば、上述の実施形態では、硫酸処理(ステップS3)において、硫酸供給工程は、共通ノズル18が中心位置に位置する状態で行われた。しかしながら、図7に示すように、上述の実施形態とは異なり、硫酸供給工程では、第2ノズル移動ユニット31が、共通ノズル18を中心位置と周縁位置との間で移動させてもよい(ノズル移動工程)。周縁位置とは、共通ノズル18から供給される硫酸やSPM液が基板Wの周縁領域R2に着液するときの共通ノズル18の位置である。
ノズル移動工程が実行されることによって、基板Wの上面において硫酸が供給される供給位置Pを、基板Wの上面の中央領域R1と基板Wの上面の周縁領域R2との間で移動させる供給位置移動工程が実行される。
また、上述の実施形態の基板処理では、硫酸処理(ステップS3)において、基板Wの上面への硫酸の供給が開始されてから、1秒間以上10秒間以下の期間が経過したときに(パドル状態維持時間が1秒間以上で10秒間以内となるように)基板Wの回転が加速された。これにより、基板処理後のパーティクル数が顕著に低減された。
しかしながら、上述の実施形態とは異なり、基板Wの上面への硫酸の供給の開始と、基板Wの回転の加速とが同時に実行されてもよい。また、パドル状態維持時間が0秒間よりも長く1秒間よりも短くなるように、基板Wの上面への硫酸の供給の開始直後に基板Wの回転が加速されてもよい。その場合、パドル状態維持時間が1秒間以上で10秒間以内である場合よりも硫酸による親水化が進まないが、基板Wの上面を充分に親水化することができる。
また、上述の実施形態では、共通ノズル18内で硫酸と過酸化水素水とが混合されてSPM液が調製されるように構成された例について説明した。しかしながら、上述の実施形態とは異なり、図8に示すように、共通ノズル18には、共通配管70が接続されており、共通配管70内で硫酸と過酸化水素水とが混合されるように構成されていてもよい。
共通配管70が設けられた構成では、共通配管70には、硫酸供給管43および過酸化水素水供給管44が接続されていて、共通配管70と共通ノズル18とに接続された接続配管71が設けられている。接続配管71には、共通バルブ72が介装されている。共通配管70、接続配管71および共通バルブ72は、硫酸供給ユニット12に含まれている。すなわち、共通配管70、接続配管71および共通バルブ72は、SPM液供給ユニット13にも含まれる。
また、上述の実施形態では、共通ノズル18は、硫酸およびSPM液のそれぞれを吐出できるように構成されていた。しかしながら、上述の実施形態とは異なり、硫酸を吐出するノズルと、SPM液を吐出するノズルとが別々に設けられていてもよい。
また、上述の実施形態では、フッ酸処理(ステップS1)によって、基板Wの上面が疎水化されるとした。しかしながら、上述の実施形態とは異なり、処理ユニット2には、上面が予め疎水化された基板Wが搬入されてもよい。処理ユニット2に搬入される基板Wの上面が疎水化されている場合には、処理ユニット2は、フッ酸処理が省略された基板処理を実行してもよい。
また、上述の実施形態では、リンス液膜形成工程において、リンス液としてDIWを用いたが、希釈した硫酸をDIWの代わりに用いてもよい。すなわち、基板Wの上面に希釈した硫酸の液膜を形成した後、硫酸を基板Wの上面に供給してもよい。
また、基板処理装置1による基板処理の一例を説明するための流れ図(図4)の第3リンス液処理(ステップS7)において、基板Wの上面にリンス液を供給した後、さらにIPA(イソプロピルアルコール)を基板Wの上面に供給し、リンス液をIPAで置換してもよい。また、リンス液をIPAで置換した後、撥水剤を基板Wの上面に供給してもよい。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
1 :基板処理装置
3 :コントローラ
9 :フッ酸供給ユニット
10 :リンス液供給ユニット
12 :硫酸供給ユニット
13 :SPM液供給ユニット
18 :共通ノズル(ノズル)
20 :チャックピン(基板保持ユニット)
21 :スピンベース(基板保持ユニット)
22 :回転軸(基板回転ユニット)
23 :スピンモータ(基板回転ユニット)
43 :硫酸供給管
44 :過酸化水素水供給管
53 :硫酸バルブ
54 :過酸化水素水バルブ
100 :リンス液膜
101 :硫酸含有液膜
102 :SPM含有液膜
A1 :回転軸線
W :基板

Claims (20)

  1. 基板を水平に保持する基板保持工程と、
    前記基板の疎水化された上面に向けてリンス液を供給して、前記基板の前記上面にリンス液膜を形成するリンス液膜形成工程と、
    前記リンス液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、硫酸を供給して、前記硫酸を含有する硫酸含有液膜を前記基板の前記上面に形成する硫酸含有液膜形成工程と、
    前記硫酸含有液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM液を供給するSPM液供給工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記硫酸含有液膜形成工程が、前記リンス液膜中のリンス液を硫酸で置換することによって、前記硫酸含有液膜を形成する工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに前記基板を回転させる基板回転工程と、
    前記リンス液膜形成工程において前記基板の回転を減速させる回転減速工程とをさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記基板の前記上面への硫酸の供給の開始よりも後に前記基板の回転を加速させる回転加速工程をさらに含む、請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記回転加速工程が、前記基板上の前記リンス液を硫酸で置換し終える前に開始される、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記SPM液供給工程が、前記基板上の前記リンス液を硫酸に置換し終えた状態で開始される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記硫酸含有液膜形成工程が、前記基板の前記上面に対向するノズルに硫酸を供給する硫酸供給管に介装された硫酸バルブを開くことによって前記ノズルから硫酸が吐出される硫酸吐出工程を含み、
    前記SPM液供給工程が、前記硫酸吐出工程の実行によって前記硫酸バルブが開かれた状態で、前記ノズルに過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給管に介装された過酸化水素水バルブを開くことによって、前記SPM液が前記ノズルから吐出されるSPM液吐出工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 前記リンス液が前記基板の前記上面に供給される前に、前記基板の前記上面に向けてフッ酸を供給するフッ酸供給工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記硫酸含有液膜形成工程において前記基板の前記上面に供給される硫酸の温度が、前記SPM液供給工程において前記基板の前記上面に供給される前記SPM液の温度よりも低い、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記硫酸含有液膜形成工程が、前記基板の前記上面の中央領域に硫酸を供給する中央供給工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 基板を水平に保持する基板保持ユニットと、
    リンス液を前記基板の上面に向けて供給するリンス液供給ユニットと、
    硫酸を前記基板の前記上面に向けて供給する硫酸供給ユニットと、
    硫酸と過酸化水素水との混合液であるSPM液を前記基板の前記上面に向けて供給するSPM液供給ユニットと、
    前記リンス液供給ユニット、前記硫酸供給ユニットおよび前記SPM液供給ユニットを制御するコントローラとを含み、
    前記コントローラが、前記基板の疎水化された前記上面に向けて前記リンス液供給ユニットから前記リンス液を供給することによって、前記基板の前記上面にリンス液膜を形成するリンス液膜形成工程と、前記リンス液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、前記硫酸供給ユニットから硫酸を供給して、硫酸を含有する硫酸含有液膜を前記基板の前記上面に形成する硫酸含有液膜形成工程と、前記硫酸含有液膜を保持する前記基板の前記上面に向けて、前記SPM液供給ユニットから前記SPM液を供給するSPM液供給工程とを実行するようにプログラムされている、基板処理装置。
  12. 前記コントローラが、前記硫酸含有液膜形成工程において、前記リンス液膜中のリンス液を硫酸で置換することによって、前記硫酸含有液膜を形成するようにプログラムされている、請求項11に記載の基板処理装置。
  13. 鉛直方向に沿う回転軸線のまわりに前記基板を回転させる基板回転ユニットをさらに含み、
    前記コントローラが、前記基板回転ユニットに、前記基板を回転させる基板回転工程と、前記リンス液膜形成工程において前記基板回転ユニットに前記基板の回転を減速させる回転減速工程とを実行するようにプログラムされている、請求項11または12に記載の基板処理装置。
  14. 前記コントローラが、前記基板の前記上面への硫酸の供給の開始よりも後に、前記基板回転ユニットに前記基板の回転を加速させる回転加速工程を実行するようにプログラムされている、請求項13に記載の基板処理装置。
  15. 前記コントローラが、前記基板上の前記リンス液を硫酸で置換し終える前に前記回転加速工程を開始するようにプログラムされている、請求項14に記載の基板処理装置。
  16. 前記コントローラが、前記基板上の前記リンス液を硫酸に置換し終えた状態で前記SPM液供給工程を開始するようにプログラムされている、請求項11〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  17. 前記硫酸供給ユニットが、前記基板の前記上面に対向するノズルと、前記ノズルに硫酸を供給する硫酸供給管と、前記硫酸供給管に介装された硫酸バルブとを含み、
    前記SPM液供給ユニットが、前記硫酸供給ユニットと、前記ノズルに過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給管と、前記過酸化水素水供給管に介装された過酸化水素水バルブとを含み、
    前記コントローラが、前記硫酸含有液膜形成工程において、前記硫酸バルブを開くことによって前記ノズルから硫酸を吐出させる硫酸吐出工程を実行し、かつ、前記SPM液供給工程において、前記硫酸吐出工程の実行によって前記硫酸バルブが開かれた状態で前記過酸化水素水バルブを開くことによって、前記SPM液が前記ノズルから吐出されるSPM液吐出工程を実行するようにプログラムされている、請求項11〜16のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  18. 前記基板の前記上面に向けてフッ酸を供給するフッ酸供給ユニットをさらに含み、
    前記コントローラが、前記リンス液が前記基板の前記上面に供給される前に、前記フッ酸供給ユニットから前記基板の前記上面に向けてフッ酸を供給するフッ酸供給工程を実行するようにプログラムされている、請求項11〜17のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  19. 前記硫酸含有液膜形成工程において前記基板の前記上面に供給される硫酸の温度が、前記SPM液供給工程において前記基板の前記上面に供給される前記SPM液の温度よりも低い、請求項11〜18のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  20. 前記コントローラが、前記硫酸含有液膜形成工程において、前記硫酸供給ユニットから前記基板の前記上面の中央領域に向けて硫酸を供給する中央供給工程を実行するようにプログラムされている、請求項11〜19のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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