JP2019207937A - 電子装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、熱可塑性樹脂を用いて筐体部材に形成したボスを、他方の筐体部材の取付け用の孔に挿通して、そのボスの先端部を熱かしめすることも考えられる。しかしながら、係るボス部分は、ねじに比して強度に劣り、又、ボスを挿通するための孔と当該ボスとの間に必要なクリアランスが、筐体部材のがたつきを招くことも想定される。このため、電子装置に外部から振動や衝撃が作用した際に、ボス部分の損傷を助長する虞があり、又、内部空間の電子部品を筐体部材でカバーする機能が損なわれる虞がある。
第1実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。図1に示す電子装置1は、例えば車両に搭載される電子制御装置である。電子装置1において外郭をなす筐体2は、全体として薄型の矩形箱状をなしており、その内部に回路基板3を収容している。
このうち、カバー11は、回路基板3を上面側から覆う第1筐体部材であり、例えば金属材料としてのアルミ材から形成されている。カバー11は、上壁部11aと周壁部11bとを一体に有し、下方が開放された矩形箱状をなす。カバー11の上壁部11aには、回路基板3におけるX方向の一端側に配されたコネクタ3aに合わせて、その一端側でコネクタ3aを露出させる前記開口部2aが形成されている。また、上壁部11aには、開口部2aからX方向の他端側へ離間した位置に、同X方向に延びY方向へ並ぶ複数の放熱フィン11cが配設されている。
このうち、回路基板3用の取付部14は、枠部10bのコーナー部分の内側に位置する。取付部14は、回路基板3を支持する支持面部14aと、その支持面部14aに立設されたボス14bとを有する。詳しい図示は省略するが、ボス14bは、回路基板3の挿通孔5に挿通された後に当該ボス14bの先端にて熱かしめされ、支持面部14aは、回路基板3を下面側から支持する。
なお、図示は省略するが、本体ケース10には例えば、Y方向の一端側と他側とに夫々外側へ張出す一対の固定部が設けられており、電子装置1は、車両に対し当該固定部で各々ねじ止めされて、底壁部10aが略水平となる向きで搭載される(底壁部10aが略鉛直となる向きでもよい)。
取付部15のボス17は、その板片15a上における中央部に配置され(図1参照)、被取付部12の挿通孔13に対応する柱状のボスである。また、図4(a)に示すように、ボス17は、熱かしめが行われることにより、その柱状部18の先端側に設けられた熱かしめ部19と、柱状部18の径方向外側へ突起するリブ20と、を一体に有する。
即ち、図2(a)、図3(b)(c)に示すように、リブ201p〜204pは、柱状部18の基端側から先端側まで延在する帯状のリブである。リブ201p〜204pは、柱状部18の周方向におけるリブ間距離で等間隔となるよう、柱状部18の周りに90度間隔で形成されている。また、リブ201p〜204pは、柱状部18の軸方向に対する法線方向へ各々突起する。
また、上記した4つのリブ201p〜204p相互間においても、中心軸線Oに対する対称性を有し、又、各々の突起長L1p〜L4pは、何れも同じ寸法に設定されている(L1p=L2p=L3p=L4p)。
つまり、リブ201p〜204pは各々のテーパ面21pも含め、中心軸線Oを対称軸として対称形状をなす。このため、電子装置1の組付け工程において、本体ケース10にカバー11を組み合わせるときに、挿通孔13の周縁100と各テーパ面21pとが当接することで(図3(a)(b)参照)、柱状部18に対して挿通孔13が同心円状をなすように位置合わせを行うことができる。
L1=(D0−D1)/2 …(1)
更に、熱かしめによりカバー11を取付け固定するため、固定用のねじ等が不要となることは勿論、本体ケース10がボス17を含め熱可塑性樹脂により一体成形されているため、製造コストを低減することが可能となり、本体ケース10を金属材料で形成した場合に比して軽量化も図りうる。
これによれば、柱状部18と挿通孔13内周面との間のクリアランスcを、リブ201〜204にて無くすことができ、カバー11の平面方向のがたつきを確実に防止することができる。
図5〜図8は、本発明の第2〜第4実施形態を示している。以下では、既述した実施形態と実質的に異なる点について述べることとする。
a+b+c=0 …(2)
また、クラッシュリブ231p〜233pとすることで、カバー11の平面方向のがたつきを確実に防止することができる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
ここで、図6において矢印を付けて表記する、リブ305の方向ベクトルをe、リブ306の方向ベクトルをf、リブ307の方向ベクトルをg、リブ308の方向ベクトルをhとする。
方向ベクトルe,f,g、hの大きさは、リブ305,306,307,308の突起長L5,L6,L7,L8に対応しており、柱状部18表面の基点から終点に向かう各々の線分の長さ(図6の太線矢印各々の線分長)を同じくする。また、XY平面において、方向ベクトルeとfのなす角、方向ベクトルfとgのなす角、方向ベクトルgとhのなす角、方向ベクトルhとeのなす角は、何れも90度である。それ故、方向ベクトルeとgが相互に180度反対方向を向き、方向ベクトルfとhも180度反対方向を向いて、方向ベクトルe,f,g、hの総和が0となる(e+f+g+h=0)。
また、リブ501,502の突起長に応じて、凹部131,132を凹ませることで、ボス17の柱状部51における外径D5を、挿通孔13内周面との間のクリアランスc(図4参照)が極力小さくなるように設定する、つまり上記実施形態の柱状部18に比して径大にすることが可能となる。それ故、柱状部51におけるリブ501,502を含めた外周長さと、その軸方向に垂直な断面積と、の双方を極力増大させることが可能となる。
ボス17及び挿通孔13は、上記したように4つずつ設ける構成に限るものではなく、夫々少なくとも1つ以上設ける構成であればよい。例えば、ボス17及び挿通孔13を1つずつ設けた場合でも、上記したリブ20,23,40,50の何れかを当該1つのボス17に形成することにより、そのリブと挿通孔13の内周面とが当接することで、カバー11の平面方向のがたつきを防止することができる。
ボス17の柱状部18,51は、小円柱状のものに限らず、Z方向に直交する断面が多角形の多角柱状とする等、柱状のものであればよい。
図8の凹部131,132の個数や形状も、リブの個数や形状に合わせて適宜変更してもよく、1条または複数条のリブに合わせて1条または複数条の凹部を形成してもよい。
また、リブ20,23は、クラッシュリブ20p,23から形成することなく、当初からリブ20,23の形態をなすように形成してもよい。
Claims (9)
- 電子部品(3b)が実装された回路基板(3)と、
内部に前記回路基板を収容する筐体(2)として相互に組み合わされる一対の筐体部材であって、少なくとも1つ以上の取付け用の挿通孔(13)が設けられた第1筐体部材(11)、並びに前記挿通孔に対応する少なくとも1つ以上の柱状のボス(17)が設けられた第2筐体部材(10)と、を備え、
前記ボスは、前記柱状をなして前記挿通孔に挿通される柱状部(18、51)と、その先端側に前記挿通孔よりも大きい外形となるように熱かしめされた熱かしめ部(19)とを有し、
前記ボスの柱状部には、当該柱状部の軸方向に対する法線方向へ突起するリブ(20,23,30,40,50)が、前記挿通孔の内周面と当接するように設けられている電子装置(1)。 - 前記リブは、1つの前記ボスに対して複数設けられており、当該ボスの柱状部の周方向におけるリブ間距離で等間隔となるように形成されている請求項1記載の電子装置。
- 前記リブは、1つの前記ボスに対して複数設けられており、当該複数のリブ相互間で当該ボスの柱状部表面からの突起長が同等である請求項1記載の電子装置。
- 前記リブは、1つの前記ボスに対して複数設けられており、当該ボスの柱状部において当該複数のリブ各々の前記法線方向へ突起する方向ベクトルの総和が0となるように形成されている請求項1記載の電子装置。
- 前記第2筐体部材には、複数の前記挿通孔に対応する複数の前記ボスが設けられており、
当該複数のボスにおける全てのリブは、当該全てのリブ各々の前記法線方向へ突起する方向ベクトルの総和が0となるように形成されている請求項1記載の電子装置。 - 前記第2筐体部材には、複数の前記挿通孔に対応する複数の前記ボスが設けられており、
前記リブは、当該複数のボス相互間で、前記柱状部の周方向において同じ位置となるように夫々のボスに形成されている請求項1記載の電子装置。 - 前記リブは、前記ボスの柱状部の基端側から前記熱かしめ部側にわたって延在する1条または複数条のリブである請求項1から6の何れか一項記載の電子装置。
- 前記挿通孔の縁部には、その挿通方向へ延在し且つ前記リブの形状に合わせて凹む1条または複数条の凹部(131,132)が設けられている請求項1から7の何れか一項記載の電子装置。
- 前記第2筐体部材は、前記ボスを含め熱可塑性樹脂により一体成形されている請求項1から8の何れか一項記載の電子装置。
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