JPWO2019198514A1 - モータ、およびポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明のモータの一つの態様は、中心軸を中心として回転するシャフトを有するロータと、ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、ロータおよびステータを収容するケースと、ケースに設けられるコネクタ部と、ケースの内部と外部とを繋ぐ呼吸孔を有するブリーザと、を備える。コネクタ部は、軸方向に延びる軸方向延伸部を有し、ブリーザは、軸方向延伸部の側面に設けられる。
Description
本発明は、モータ、およびポンプ装置に関する。
ケースの内部と外部とを繋ぐ呼吸孔を有するブリーザを備えるモータが知られる。例えば、特許文献1には、ブリーザとして通気パイプを備えるモータが記載される。
上記のようなモータにおいてブリーザは、例えば、ケースに設けられる。しかし、この場合、ブリーザを取り付ける構造を設けるために、ケースが大型化する場合があった。これにより、モータ全体が大型化する場合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みて、ブリーザを備えるモータであって、大型化することを抑制できる構造を有するモータ、およびそのようなモータを備えるポンプ装置を提供することを目的の一つとする。
本発明のモータの一つの態様は、中心軸を中心として回転するシャフトを有するロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、前記ロータおよび前記ステータを収容するケースと、前記ケースに設けられるコネクタ部と、前記ケースの内部と外部とを繋ぐ呼吸孔を有するブリーザと、を備える。前記コネクタ部は、軸方向に延びる軸方向延伸部を有する。前記ブリーザは、前記軸方向延伸部の側面に設けられる。
本発明のポンプ装置の一つの態様は、上記のモータと、前記モータによって駆動されるポンプ部と、を備える。
本発明の一つの態様によれば、ブリーザを備えるモータが大型化することを抑制できる。
各図においてZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す仮想軸である中心軸Jの軸方向は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向である。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方と直交する方向である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向と平行な方向を単に「軸方向Z」と呼び、X軸方向と平行な方向を「幅方向X」と呼び、Y軸方向と平行な方向を「突出方向Y」と呼ぶ。また、X軸方向の正の側を「幅方向一方側」と呼び、X軸方向の負の側を「幅方向他方側」と呼ぶ。また、特に断りのない限り、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1から図4に示す本実施形態のポンプ装置10は、例えば、オイルを送る電動オイルポンプである。図3に示すように、ポンプ装置10は、被取付体Bに取り付けられる。被取付体Bは、例えば、車両における駆動部の筐体である。被取付体Bは、凹部Baと、インポートBbと、図示しないアウトポートと、溝部Bcと、穴部Bdと、を有する。凹部Baは、被取付体Bの上側の面から下側に窪む。図示は省略するが、凹部Ba内側面は、軸方向Zに沿って視て、例えば、中心軸Jを中心とする円形状である。インポートBbは、凹部Baの底面に開口する。インポートBbは、中心軸Jに対して径方向にずれた位置に位置する。図示は省略するが、アウトポートは、インポートBbと異なる位置において、凹部Baの内側面に開口する。ポンプ装置10は、後述するポンプ部12によってインポートBbからオイルを吸入し、アウトポートからオイルを吐出する。
溝部Bcは、被取付体Bの上側の面のうち凹部Baよりも径方向外側の部分から下側に窪む。図示は省略するが、溝部Bcは、軸方向Zに沿って視て、凹部Baを囲む環状である。溝部Bcには、環状のOリングBeが嵌め込まれる。
穴部Bdは、被取付体Bの上側の面のうち凹部Baよりも径方向外側の部分から下側に窪む。本実施形態において穴部Bdは、被取付体Bの上側の面のうち溝部Bcよりも径方向外側の部分から下側に窪む。本実施形態において穴部Bdは、例えば、2つ設けられる。2つの穴部Bdは、中心軸Jを径方向に挟んで互いに反対側に位置する。
ポンプ装置10は、モータ11と、モータ11によって駆動されるポンプ部12と、を備える。ポンプ部12は、インナーロータ12aと、インナーロータ12aの径方向外側に位置するアウターロータ12bと、インナーロータ12aおよびアウターロータ12bを収容するポンプ室12cと、を有する。インナーロータ12aおよびアウターロータ12bは、ポンプギアであり、互いに噛み合う。
モータ11は、インナーロータ12aを回転させてポンプ部12を駆動する。図3および図4に示すように、モータ11は、ロータ13と、ステータ14と、ハウジング20と、バスバーホルダ30と、バスバー70と、ブリーザ50と、回路基板60と、インバータ61と、コンデンサ62と、カバー40と、を備える。
図1に示すように、本実施形態においては、ハウジング20とバスバーホルダ30における後述するバスバーホルダ本体部31とカバー40とによって、ケース15が構成される。すなわち、モータ11は、ハウジング20、バスバーホルダ本体部31およびカバー40を有するケース15を備える。図3に示すように、ケース15は、ロータ13、ステータ14、回路基板60、インバータ61およびコンデンサ62を収容する。
ロータ13は、シャフト13aと、ロータ本体部13bと、を有する。シャフト13aは、中心軸Jを中心として回転する。本実施形態においてシャフト13aは、中心軸Jを中心として軸方向Zに延びる円柱状である。シャフト13aの下側の端部には、インナーロータ12aが固定される。ロータ本体部13bは、シャフト13aの外周面に固定される。図示は省略するが、ロータ本体部13bは、ロータコアと、ロータマグネットと、を有する。
ステータ14は、ロータ13と径方向に隙間を介して対向する。ステータ14は、ロータ13の径方向外側に位置する。図示は省略するが、ステータ14は、ステータコアと、ステータコアに装着された複数のコイルと、を有する。
ハウジング20は、被取付体Bに固定される。ハウジング20は、ハウジング本体部21と、フランジ部22と、ポンプカバー部23と、を有する。図1および図3に示すように、ハウジング本体部21は、軸方向Zに延びる筒状である。より詳細には、ハウジング本体部21は、中心軸Jを中心とする円筒状であり、軸方向両側に開口する。図3に示すように、ハウジング本体部21は、ロータ13、ステータ14およびポンプ部12を収容する。ハウジング本体部21は、凹部Baに収容される。
フランジ部22は、ハウジング本体部21の上側の端部から径方向外側に突出する。フランジ部22は、被取付体Bの上側の面に固定される。フランジ部22の下側の面は、被取付体Bの上側の面と接触する。フランジ部22は、フランジ部本体22aと、取付部22bと、を有する。図1に示すように、フランジ部本体22aは、中心軸Jを中心とする略円環状である。図3に示すように、フランジ部本体22aの下側の面は、溝部Bcの上側の開口を閉塞する。フランジ部本体22aの下側の面には、OリングBeが接触する。これにより、OリングBeは、フランジ部22の下側の面と被取付体Bの上側の面との間を封止する。
取付部22bは、フランジ部本体22aから径方向外側に突出する。図2に示すように、本実施形態において取付部22bは、周方向に沿って3つ設けられる。各取付部22bは、ネジによって被取付体Bの上側の面に固定される。本実施形態においてハウジング本体部21とフランジ部22とは、同一の単一部材の一部である。
図3に示すように、ポンプカバー部23は、ハウジング本体部21の下側の端部にネジで固定される。ポンプカバー部23は、ポンプカバー部本体23aと、突出部23bと、を有する。ポンプカバー部本体23aは、中心軸Jを中心とする円板状である。ポンプカバー部本体23aは、ハウジング本体部21の下側の開口を閉塞する。突出部23bは、ポンプカバー部本体23aから下側に突出する。突出部23bは、軸方向両側に開口する円筒状である。突出部23bは、中心軸Jに対して径方向にずれた位置に位置する。
突出部23bは、インポートBbに挿入される。インポートBbから突出部23bの内部を介してポンプ部12にオイルが吸入される。突出部23bの外周面には、環状のOリング23cが装着される。Oリング23cは、突出部23bの外周面と、インポートBbの内周面との間を封止する。
ハウジング20は、ピン部24をさらに有する。ピン部24は、フランジ部22の下側の面から下側に突出する。本実施形態においてピン部24は、例えば、円柱状である。本実施形態においてピン部24は、例えば、2つ設けられる。2つのピン部24は、中心軸Jを径方向に挟んで互いに反対側に位置する。ピン部24は、それぞれ穴部Bdに嵌め合わされる。これにより、ハウジング20を被取付体Bに対して周方向および径方向に精度よく位置決めすることができる。したがって、ハウジング本体部21が凹部Ba内において周方向および径方向に移動すること、および突出部23bがインポートBb内において周方向および径方向に移動することを抑制できる。
バスバーホルダ30は、ハウジング20の上側に固定される。図4に示すように、バスバーホルダ30は、バスバー70を保持する。本実施形態においてバスバーホルダ30は、樹脂製である。バスバーホルダ30は、例えば、バスバー70をインサート部材としたインサート成形によって作られる。バスバーホルダ30は、バスバーホルダ本体部31と、コネクタ部32と、を有する。すなわち、モータ11は、バスバーホルダ本体部31と、コネクタ部32と、を備える。
バスバーホルダ本体部31は、底部31aと、環状部31bと、支持部31cと、を有する。すなわち、バスバーホルダ30は、底部31aと、環状部31bと、支持部31cと、を有する。底部31aは、径方向に拡がる略円板状である。図示は省略するが、底部31aの径方向外縁部は、フランジ部本体22aの上側の面とガスケットを介して接触する。環状部31bは、底部31aの径方向外縁部から上側に突出する環状である。環状部31bは、中心軸Jを囲む。環状部31bの径方向外側面は、ケース15の径方向外側面の一部である。すなわち、環状部31bは、ケース15の径方向外側面の一部を構成する。支持部31cは、環状部31bの径方向内側において底部31aから上側に突出する。図示は省略するが、支持部31cは、例えば、複数設けられる。
コネクタ部32には、例えば、ステータ14に電力を供給する外部電源が接続される。コネクタ部32は、環状部31bの径方向外側面に設けられる。すなわち、コネクタ部32は、ケース15に設けられる。図2に示すように、本実施形態においてコネクタ部32は、中心軸Jよりも幅方向他方側に位置する。図4に示すように、コネクタ部32は、突出方向延伸部32aと、軸方向延伸部32bと、端子固定部32gと、を有する。突出方向延伸部32aは、環状部31bから軸方向Zと直交する突出方向Yに延びる。すなわち、突出方向延伸部32aは、ケース15から突出方向Yに延びる。
なお、以下の説明では、バスバーホルダ本体部31とコネクタ部32との突出方向Yの相対位置関係において、コネクタ部32側、すなわちY軸方向の正の側を「突出方向外側」と呼び、バスバーホルダ本体部31側、すなわちY軸方向の負の側を「突出方向内側」と呼ぶ。
軸方向延伸部32bは、軸方向Zに延びる。本実施形態において軸方向延伸部32bは、突出方向延伸部32aの先端部、すなわち突出方向外側の端部から上側に延びる。軸方向延伸部32bは、接続凹部32cを有する。接続凹部32cは、軸方向延伸部32bの上側の端部から下側に窪む。接続凹部32cには、外部電源の端子が挿入される。
端子固定部32gは、軸方向延伸部32bの側面に設けられる。より詳細には、端子固定部32gは、軸方向延伸部32bの突出方向外側の面に設けられる。図1および図4に示すように、端子固定部32gは、上側に開口する開口部32iを有する角筒状である。図4に示すように、端子固定部32gは、開口部32iの内側面のうち突出方向外側の面から突出方向内側に突出する爪部32hを有する。端子固定部32gには、図示しない外部電源の端子に設けられた固定爪部が挿入される。固定爪部は、スナップフィットによって爪部32hに下側から引っ掛かる。これにより、外部電源の端子がコネクタ部32から抜けることが抑制され、外部電源の端子がコネクタ部32に固定される。
コネクタ部32は、連結穴部32dと、第1孔部32eと、第2孔部32fと、をさらに有する。連結穴部32dは、接続凹部32cの底面から下側に窪む。連結穴部32dは、底部を有する穴である。連結穴部32dの下側の端部は、突出方向Yに沿って視て、突出方向延伸部32aと重なる。第1孔部32eは、コネクタ部32の外側面に開口する。第1孔部32eは、軸方向延伸部32bの下側の端部における突出方向外側の面から連結穴部32dまでを突出方向Yに貫通する。第1孔部32eの内径は、突出方向内側に向かうに従って小さくなる。第1孔部32eの内周面は、テーパ面である。
第2孔部32fは、連結穴部32dの内側面から突出方向内側に窪み、突出方向延伸部32aの内部を通って環状部31bの径方向内側面まで突出方向Yに延びる。これにより、第2孔部32fは、連結穴部32dを介して第1孔部32eと繋がり、ケース15の内部まで延びる。
本実施形態においてバスバー70は、一部がバスバーホルダ30に埋め込まれて保持される。バスバー70は、細長い板状の部材である。バスバー70は、例えば、複数設けられる。バスバー70は、コネクタ部32を介してケース15の外部に露出する端子部71を有する。端子部71は、接続凹部32cの底面から上側に突出し、接続凹部32cの内部を介してケース15の外部に露出する。端子部71は、バスバー70の一方側の端部である。バスバー70は、端子部71を介して、コネクタ部32に接続される外部電源と電気的に接続される。図示は省略するが、バスバー70の他方側の端部は、ケース15の内部に露出し、回路基板60と接続される。
ブリーザ50は、コネクタ部32に設けられる。より詳細には、ブリーザ50は、軸方向延伸部32bの側面に設けられる。本実施形態においてブリーザ50は、軸方向延伸部32bの下側の端部における突出方向外側の面に設けられる。ブリーザ50は、突出方向Yに沿って視て、突出方向延伸部32aと重なる。ブリーザ50は、端子固定部32gの下側に位置する。ブリーザ50は、筒状部51と、大径部52と、を有する。
筒状部51は、突出方向Yに延び、突出方向両側に開口する円筒状である。筒状部51は、第1孔部32eに通される。筒状部51は、本体部51aと、突出爪部51bと、を有する。本体部51aは、第1孔部32eに通される部分である。本体部51aの突出方向内側の端部は、連結穴部32dの内部に挿入される。突出爪部51bは、筒状部51の径方向において、本体部51aの突出方向内側の端部から外側に突出する。突出爪部51bは、連結穴部32dの内側面に、スナップフィットによって突出方向内側から引っ掛けられる。これにより、筒状部51が第1孔部32eから抜けることを抑制でき、ブリーザ50がコネクタ部32から外れることを抑制できる。
大径部52は、筒状部51の突出方向外側の端部に繋がる。大径部52は、筒状部51よりも外径が大きい。大径部52は、ケース15の外部に位置する。大径部52は、中空の部分である。大径部52の内部は、筒状部51の内部と繋がる。図1に示すように、大径部52は、突出方向Yに沿って視て、円形状である。図4に示すように、大径部52は、底壁部52aと、周壁部52bと、天壁部52cと、を有する。
底壁部52aは、筒状部51の径方向において、筒状部51の突出方向外側の端部から外側に拡がる円環板状である。底壁部52aは、底壁部52aを突出方向Yに貫通する呼吸孔52eを有する。すなわち、ブリーザ50は、呼吸孔52eを有する。図示は省略するが、呼吸孔52eは、周方向に沿って複数設けられる。
周壁部52bは、底壁部52aの外周縁部から突出方向外側に突出する環状の壁部である。周壁部52bは、周壁部52bを筒状部51の径方向に貫通する呼吸孔52dを有する。すなわち、ブリーザ50は、呼吸孔52dを有する。図示は省略するが、呼吸孔52dは、筒状部51の中心軸を中心とする周方向に延びる。図示は省略するが、呼吸孔52dは、筒状部51の中心軸を中心とする周方向に沿って複数設けられる。天壁部52cは、周壁部52bの突出方向外側の端部に繋がる。
天壁部52cは、板面が突出方向Yを向く円板状である。天壁部52cの突出方向外側の端面は、ブリーザ50の突出方向外側の端部である。天壁部52cの突出方向外側の端面は、端子固定部32gの突出方向外側の端部よりも僅かに突出方向内側に位置する。
呼吸孔52d,52eは、ケース15の内部と外部とを繋ぐ。本実施形態において呼吸孔52d,52eは、大径部52に設けられ、第2孔部32fと連結穴部32dと筒状部51の内部と大径部52の内部とを介してケース15の内部と外部とを繋ぐ。このような呼吸孔52d,52eを有するブリーザ50が設けられるため、呼吸孔52d,52eを介して、ケース15の内部の空気を外部に抜くことができる。
また、例えば、ブリーザをバスバーホルダ本体部に設けるような場合、第1孔部を設けるためにバスバーホルダ本体部が軸方向Zに大型化しやすい。そのため、モータ全体が大型化しやすい。これに対して、本実施形態によれば、ブリーザ50がコネクタ部32に設けられるため、バスバーホルダ本体部31が軸方向Zに大型化することを抑制でき、モータ11全体が軸方向Zに大型化することを抑制できる。また、コネクタ部32は、軸方向延伸部32bを有するため、全体が突出方向Yに延びる場合に比べて、コネクタ部32を突出方向Yに小型化しやすい。これにより、モータ11全体を突出方向Yに小型化できる。したがって、ブリーザ50を備えるモータ11が大型化することを抑制できる。また、モータ11を備えるポンプ装置10が大型化することも抑制できる。
また、ブリーザ50の形状等が変更された場合であっても、ブリーザ50が取り付けられるコネクタ部32の形状のみを変更すればよく、バスバーホルダ本体部31等、ケース15の形状を変更する必要がない。そのため、ブリーザ50の形状等が変更された場合において、ポンプ装置10の設計変更が容易である。
また、例えば、カバーが板部材をプレス加工して作られるような場合、カバーの厚さが薄くなる。そのため、カバーに単純に孔を設けたのみでは、上述したブリーザ50のような形状のブリーザを取り付けにくい場合がある。このように、カバーにブリーザを取り付ける構造を持たせる場合、カバーの形状および製造方法の選択の幅が狭くなる虞がある。これに対して、本実施形態によれば、ブリーザ50がコネクタ部32に設けられるため、ブリーザ50によってカバー40の形状および製造方法が限定されることがなく、カバー40の形状および製造方法の選択の幅を大きくできる。
また、本実施形態によれば、ブリーザ50は、突出方向Yに沿って視て突出方向延伸部32aと重なる。そのため、第2孔部32fを直線状に設けやすく、呼吸孔52d,52eを介してケース15の内部と外部とを繋ぐことを容易にできる。
また、本実施形態によれば、ブリーザ50は、筒状部51が第1孔部32eに通されて取り付けられる。このような構成のブリーザ50をカバー40に設ける場合、上述したように、特にカバー40の形状および製造方法の選択の幅が狭くなりやすい。したがって、ブリーザ50が筒状部51を介して第1孔部32eに設けられるような構成において、ブリーザ50をコネクタ部32に設けることによる効果をより有用に得られる。
また、本実施形態によれば、ブリーザ50は、端子固定部32gの下側に位置する。言い換えると、ブリーザ50は、軸方向Zに沿って視て、端子固定部32gと重なる。そのため、軸方向延伸部32bから突出方向Yに突出する端子固定部32gの下側の空間をブリーザ50の配置空間として利用することができ、モータ11が突出方向Yに大型化することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、ブリーザ50の突出方向外側の端部は、端子固定部32gの突出方向外側の端部よりも突出方向内側に位置する。そのため、端子固定部32gを有するコネクタ部32に対してブリーザ50を設けても、ブリーザ50を設けたことによってモータ11の突出方向Yの寸法が大きくなることがない。したがって、モータ11が大型化することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、コネクタ部32は、樹脂製のバスバーホルダ30に設けられる。そのため、コネクタ部32を射出成形等により製造しやすく、ブリーザ50を取り付ける構造をより容易に設けることができる。
ブリーザ50には、Oリング53が装着される。本実施形態においてOリング53は、本体部51aの突出方向外側の端部に装着される。Oリング53は、本体部51aを囲む環状である。Oリング53は、本体部51aの外周面と第1孔部32eの内周面と底壁部52aの突出方向内側の面とに接触する。Oリング53は、筒状部51の外周面と第1孔部32eの内周面との間を封止する。これにより、第1孔部32eを介して水分等がケース15の内部に浸入することを抑制できる。
図3に示すように、回路基板60は、板面が軸方向Zを向く板状である。回路基板60は、ステータ14の上側に位置する。回路基板60は、複数の支持部31cによって下側から支持され、ネジによって複数の支持部31cにそれぞれ固定される。これにより、回路基板60は、バスバーホルダ30に保持される。回路基板60の上側の面は、環状部31bよりも上側に位置する。
図示は省略するが、回路基板60には、バスバー70と異なる他のバスバーが接続される。他のバスバーは、ステータ14の図示しないコイルから延びる導線と接続される。これにより、バスバー70は、他のバスバーおよび回路基板60を介して、ステータ14と電気的に接続される。
インバータ61は、回路基板60に取り付けられる。本実施形態においてインバータ61は、回路基板60の下側の面に取り付けられる。インバータ61は、複数のトランジスタ61aを有する。トランジスタ61aは、例えば、電界効果トランジスタである。インバータ61は、上述した回路基板60に接続される図示しない他のバスバーを介して、ステータ14と電気的に接続される。
コンデンサ62は、回路基板60の上側の面に取り付けられる電子部品である。コンデンサ62は、回路基板60を介してインバータ61と電気的に接続される。これにより、コンデンサ62は、回路基板60、インバータ61、および上述した図示しない他のバスバーを介して、ステータ14と電気的に接続される。
図2および図3に示すように、コンデンサ62は、軸方向Zと直交する方向に延びる円柱状である。コンデンサ62は、回路基板60から上側に突出する。図2に示すように、本実施形態においてコンデンサ62は、コンデンサ62aとコンデンサ62bとの2つが設けられる。コンデンサ62aは、幅方向Xに延びる。コンデンサ62bは、突出方向Yに延びる。コンデンサ62aとコンデンサ62bとは、幅方向Xに並んで配置される。コンデンサ62bは、突出方向Yに沿って視て、コネクタ部32と重なる。
図3に示すように、カバー40は、バスバーホルダ30の上側に固定される。本実施形態においてカバー40は、ダイカストによって作られる。カバー40は、カバー本体部40aと、複数のフィン44と、を有する。カバー本体部40aは、回路基板60の上側を覆う。図2に示すように、カバー本体部40aは、軸方向Zに沿って視て、略円形状である。カバー本体部40aは、基部41と、収容部42と、固定部43と、を有する。
基部41は、突出方向Yに長い角丸の略長方形状である。図3に示すように、基部41は、回路基板60のうちコンデンサ62が取り付けられる部分と異なる部分の上側を覆う部分である。基部41は、下側に突出する接触部41aを有する。接触部41aは、軸方向Zに沿って視て、インバータ61と重なる。
収容部42は、基部41よりも上側に突出し、コンデンサ62の上側を覆う部分である。収容部42の内部は、下側に開口し、ケース15の内部の一部を構成する。コンデンサ62の少なくとも一部は、収容部42の内部に収容される。
このように、カバー本体部40aのうちの一部のみを上側に突出させて収容部42とし、コンデンサ62の少なくとも一部を収容することで、カバー本体部40aを小型化することができる。そのため、コンデンサ62が比較的大きくなった場合であっても、カバー40が大型化することを抑制でき、モータ11が大型化することを抑制できる。したがって、モータ11の出力を大きくしても、モータ11が大型化することを抑制できる。また、これにより、ポンプ装置10が大型化することも抑制できる。
また、例えば、コンデンサを回路基板の下側の面に取り付ける場合には、回路基板全体が本実施形態の回路基板60よりも上側に位置する構成となりやすく、カバー本体部全体をより上側に位置させる必要が生じやすい。そのため、モータ全体がより大型化しやすい。これに対して、本実施形態によれば、コンデンサ62は、回路基板60の上側の面に取り付けられる。そのため、回路基板60の軸方向位置をより下側に位置させることができ、かつ、カバー本体部40aのうちコンデンサ62の上側を覆う部分のみを上側に突出させればよい。したがって、モータ11全体が大型化することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、収容部42に収容される電子部品は、コンデンサ62である。コンデンサ62は、回路基板60に実装される電子部品のうちでも特に大きくなりやすい。そのため、コンデンサ62を収容部42に収容することで、モータ11が大型化することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、カバー40は、ダイカストによって作られる。そのため、板部材をプレス加工してカバー40を作る場合に比べて、コンデンサ62を収容するために必要最低限の容積を有する収容部42を作りやすい。これにより、収容部42の大きさを小さくしやすく、モータ11全体が大型化することをより抑制できる。
本実施形態においては、コンデンサ62の下側の端部を除く全体が収容部42の内部に収容される。図2に示すように、収容部42は、カバー本体部40aのうち突出方向Yにおけるコネクタ部32側寄りの部分である。収容部42は、全体として幅方向Xに延びる。収容部42の幅方向一方側の端部は、基部41の幅方向一方側の端部よりも幅方向他方側に離れた位置に位置する。収容部42の幅方向他方側の端部は、基部41の幅方向他方側の端部と幅方向Xにおいて同じ位置に位置する。
収容部42は、第1収容部42aと、第2収容部42bと、を有する。第1収容部42aは、収容部42のうち幅方向一方側の部分である。第1収容部42aは、軸方向Zに沿って視て、幅方向Xに長い略長方形状である。第1収容部42aには、コンデンサ62aが収容される。第2収容部42bは、収容部42のうち幅方向他方側の部分である。第2収容部42bは、軸方向Zに沿って視て、突出方向Yに長い略長方形状である。第2収容部42bは、第1収容部42aよりも突出方向両側に突出する。第2収容部42bには、コンデンサ62bが収容される。
図3に示すように、固定部43は、基部41よりも下側に位置する部分である。固定部43は、環状部31bの上側の面にネジによって固定される。これにより、カバー40とバスバーホルダ30とが固定される。固定部43の軸方向Zの位置は、回路基板60の軸方向Zの位置とほぼ同じである。図2に示すように、固定部43は、基部41の幅方向両側と基部41の突出方向両側とにそれぞれ設けられる。4つの固定部43は、周方向に沿って設けられる。図示は省略するが、周方向に隣り合う固定部43同士は、互いに繋がる。これにより、4つの固定部43によって環状部31bの上側の面と固定される環状の固定部が構成される。4つの固定部43によって構成される環状の固定部は、例えば、ガスケットを介して環状部31bの上側の面と接触する。
複数のフィン44は、基部41の上側の面に位置する。そのため、複数のフィン44によって、回路基板60から基部41に伝わる熱を放出しやすい。これにより、回路基板60の熱をポンプ装置10の外部に逃がしやすくできる。また、上述したように、カバー本体部40aの一部のみを収容部42として突出させたことで、フィン44を設ける基部41の面積を比較的大きく確保することができる。そのため、基部41に設けられるフィン44の数を多くできる。したがって、複数のフィン44によって、より回路基板60の熱をポンプ装置10の外部に逃がしやすい。
複数のフィン44は、突出方向Yに直線状に延びる。複数のフィン44は、板面が幅方向Xを向く板状である。図3に示すように、複数のフィン44の上側の端部は、収容部42の上側の端部と軸方向Zにおいて同じ位置に位置する。そのため、モータ11およびポンプ装置10が軸方向Zに大型化することを抑制できる。なお、本明細書において「複数のフィンの上側の端部が、収容部の上側の端部と軸方向Zにおいて同じ位置に位置する」とは、複数のフィンの上側の端部が、収容部の上側の端部と軸方向Zにおいて略同じ位置に位置することも含む。図1および図2に示すように、複数のフィン44は、フィン44aと、フィン44bと、を含む。
フィン44aは、軸方向Zと直交する突出方向Yに延びて収容部42と繋がるフィン44である。フィン44aが収容部42と繋がることで、フィン44aを介して基部41と収容部42とが繋がる。これにより、カバー40の強度を向上させることができる。
フィン44aは、複数設けられる。複数のフィン44aは、収容部42を突出方向Yに挟む一対のフィン44aを幅方向Xに沿って5組含む。フィン44aにおける収容部42に繋がる側と逆側の端部は、カバー40の突出方向Yの端部まで延びる。一対のフィン44aのうち最も幅方向他方側に位置する一対のフィン44aは、基部41の幅方向他方側の端部に位置する。
フィン44bは、最も幅方向一方側に位置するフィン44である。フィン44bは、基部41の幅方向一方側の端部に位置する。フィン44bは、収容部42よりも幅方向一方側において突出方向Yに延びる。フィン44bは、収容部42と繋がらずに、カバー40の突出方向一方側の端部から突出方向他方側の端部まで延びる。
図3に示すように、ポンプ装置10は、回路基板60に設けられた放熱部材63をさらに備える。放熱部材63は、例えば、放熱シートである。放熱部材63は、回路基板60の上側の面のうち軸方向Zに沿って視てインバータ61と重なる部分と、基部41の下側の面と、に接触する。これにより、放熱部材63を介してインバータ61の熱を基部41に逃がすことができる。したがって、インバータ61の熱を好適に逃がすことができる。このように、本実施形態では、インバータ61が取り付けられる回路基板60の面が、コンデンサ62が取り付けられる回路基板60の面と反対側の面であるため、放熱部材63をコンデンサ62と同じ側の回路基板60の面に配置することができる。これにより、インバータ61の熱を、基部41を介して好適に放出できる。本実施形態においては、基部41に複数のフィン44が設けられるため、インバータ61の熱をより好適にポンプ装置10の外部に逃がすことができる。
本実施形態において放熱部材63は、基部41のうち下側に突出する接触部41aと接触する。そのため、基部41のうち接触部41a以外の部分の位置をある程度上側に位置させつつ、放熱部材63を基部41と接触させることができる。これにより、回路基板60の上側の面に取り付けられる他の電子部品の配置空間を確保しつつ、インバータ61の熱を逃がしやすくできる。
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。収容部に収容される電子部品は、ステータと電気的に接続される電子部品であれば、特に限定されず、コンデンサ以外の電子部品であってもよい。収容部に収容される電子部品は、例えば、インバータであってもよい。インバータは、回路基板の上側の面に取り付けられてもよい。放熱部材は、設けられなくてもよい。
カバーは、複数のフィンを有しなくてもよい。カバーは、板部材をプレス加工することによって作られてもよい。収容部は、複数設けられてもよい。収容部は、設けられなくてもよい。ハウジングは、ピン部を有しなくてもよい。コネクタ部は、ケースに設けられるならば、バスバーホルダ以外の部分に設けられてもよい。コネクタ部は、突出方向延伸部を有しなくてもよい。ブリーザの突出方向外側の端部は、端子固定部の突出方向外側の端部と突出方向Yにおいて同じ位置に位置してもよいし、端子固定部の突出方向外側の端部よりも突出方向外側に位置してもよい。ブリーザが設けられる位置は、軸方向延伸部の側面であれば、特に限定されない。ブリーザの構造は、ケースの内部と外部とを繋ぐ呼吸孔を有するならば、特に限定されない。
上述した実施形態のポンプ装置は、オイル以外の流体を送るポンプ装置であってもよい。上述した実施形態のポンプ装置の用途は、特に限定されない。上述した実施形態のモータの用途は、特に限定されず、ポンプ装置以外の機器に搭載されてもよい。本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
本出願は、2018年4月13日に出願された日本出願である特願2018−077978号に基づく優先権を主張し、当該日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
10…ポンプ装置、11…モータ、12…ポンプ部、13…ロータ、13a…シャフト、14…ステータ、15…ケース、30…バスバーホルダ、31b…環状部、32…コネクタ部、32a…突出方向延伸部、32b…軸方向延伸部、32e…第1孔部、32f… 第2孔部、32g…端子固定部、32i…開口部、50…ブリーザ、51…筒状部、52 …大径部、52d,52e…呼吸孔、70…バスバー、71…端子部、J…中心軸、Y… 突出方向、Z…軸方向
Claims (6)
- 中心軸を中心として回転するシャフトを有するロータと、
前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、
前記ロータおよび前記ステータを収容するケースと、
前記ケースに設けられるコネクタ部と、
前記ケースの内部と外部とを繋ぐ呼吸孔を有するブリーザと、
を備え、
前記コネクタ部は、軸方向に延びる軸方向延伸部を有し、
前記ブリーザは、前記軸方向延伸部の側面に設けられる、モータ。 - 前記コネクタ部は、前記ケースから軸方向と直交する突出方向に延びる突出方向延伸部を有し、
前記軸方向延伸部は、前記突出方向延伸部の先端部から軸方向一方側に延び、
前記ブリーザは、前記軸方向延伸部の軸方向他方側の端部に設けられ、前記突出方向に沿って視て前記突出方向延伸部と重なる、請求項1に記載のモータ。 - 前記コネクタ部は、
前記コネクタ部の外側面に開口する第1孔部と、
前記第1孔部と繋がり、前記ケースの内部まで延びる第2孔部と、
を有し、
前記ブリーザは、
前記第1孔部に通される筒状部と、
前記ケースの外部に位置し、前記筒状部よりも外径が大きい大径部と、
を有し、
前記呼吸孔は、前記大径部に設けられ、前記第2孔部と前記筒状部の内部とを介して前記ケースの内部と外部とを繋ぐ、請求項1または2に記載のモータ。 - 前記ステータと電気的に接続されるバスバーと、
前記バスバーを保持する樹脂製のバスバーホルダと、
をさらに備え、
前記バスバーホルダは、
前記ケースの径方向外側面の一部を構成する環状部と、
前記環状部の径方向外側面に設けられた前記コネクタ部と、
を有し、
前記バスバーは、前記コネクタ部を介して前記ケースの外部に露出する端子部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ。 - 前記コネクタ部は、前記軸方向延伸部の側面に設けられる端子固定部を有し、
前記端子固定部は、軸方向一方側に開口する開口部を有し、
前記ブリーザは、前記端子固定部の軸方向他方側に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載のモータ。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のモータと、
前記モータによって駆動されるポンプ部と、
を備えるポンプ装置。
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