JP2019206509A - 抗菌性材料、鮮度保持用材料及び抗菌性材料の製造方法 - Google Patents

抗菌性材料、鮮度保持用材料及び抗菌性材料の製造方法 Download PDF

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永井  直
森 直樹
Naoki Mori
直樹 森
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Masaki Shimizu
正樹 清水
伊東 祐一
Yuichi Ito
祐一 伊東
中山 勉伸
Benshin Nakayama
勉伸 中山
田中 邦彦
Kunihiko Tanaka
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Abstract

【課題】抗菌性を維持しつつ、基材の性質を有する抗菌性材料を提供する。【解決手段】基材と、前記基材の少なくとも一方の面に配置され、抗菌成分を含む島部と、を備え、前記基材の前記島部が配置された面における前記島部の被覆率が1%〜80%である、抗菌性材料。【選択図】なし

Description

本開示は、抗菌性材料、鮮度保持用材料及び抗菌性材料の製造方法に関する。
カット野菜、精肉、鮮魚及び加工食品等の生鮮食品、並びに、加工製品など鮮度が求められる商品は、プラスチックフィルムからなる袋等に入れられて流通している。これらの生鮮食品及び加工製品は、食品が腐敗して雑菌が増殖すると、悪臭が発生して、味覚が落ち、また衛生上の問題を生じるので、その商品価値が低下する。
ここで雑菌は精肉、鮮魚及び加工食品の各本体よりもドリップでより多く増殖するとされている(例えば非特許文献1参照)。
そのため、ドリップ中の雑菌増殖を抑制することは包装体内部の雰囲気を清浄に保ち、ひいては被包装物であるカット野菜、精肉、鮮魚本体及び加工食品の鮮度を保つこととなる。
更に近年、キャベツ、レタス等を2mm〜50mm程度にカットして、100ppm〜200ppmの次亜塩素酸水溶液に5分〜30分浸し、一般細菌を殺菌した後にフィルムで包装することで得られるカット野菜包装が、スーパーマーケット等で販売されたり、チェーンレストランで調理の手間を省くために利用されたりしている。
特許文献1にはラウリルジエタノールアミン及び/又はミリスチルジエタノ−ルアミンを抗菌剤として用いたフィルムが開示されている。
特許文献2にはモノグリセリン脂肪酸エステル等を抗菌剤として用いたキノコ類の包装用フィルムが開示されている。
特許文献3には、プロタミンを抗菌剤として用いた抗菌性物材及びその加工品が開示されている。
特許文献4には、(A)ε−ポリリジン及び/またはその塩、(B)pH緩衝能を有する電解質、及び(C)アミノ酸が配合された抗菌剤組成物が開示されている。
特開平11−158391号公報 特開2003−176384号公報 特開平8−231327号公報 特開2004−67586号公報
冷蔵生食用生鮮魚肉の魚肉細菌数とドリップ細菌数の相関性(福田翼、菱川直将、田原由美子、古下学、芝恒夫、共著)
しかしながら、特許文献1〜4に記載の抗菌性フィルムでは、抗菌性及びそれに基づく鮮度保持性が十分とは言い難く、また、より安全な抗菌剤を用いたフィルムが求められていた。
また、特許文献3及び特許文献4には、プロタミン又は抗菌剤組成物を容器、フィルム等に塗布して抗菌作用を持たせることが記載されている。しかしながら、特許文献3及び特許文献4の技術では、プロタミン又は抗菌剤組成物を容器、フィルム等の基材に塗布した場合、基材の性質、特にプロタミン等を塗布した面から基材の表面の性質が損なわれ、抗菌性と基材の性質との両立を図ることが困難となるおそれがある。
本開示は、抗菌性を維持しつつ、基材の性質を有する抗菌性材料及びその製造方法、並びに鮮度保持用材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に配置され、抗菌成分を含む島部と、を備え、前記基材の前記島部が配置された面における前記島部の被覆率が1%〜80%である、抗菌性材料。
<2> 前記島部の円相当径は、0.01mm〜10mmである、<1>に記載の抗菌性材料。
<3> 前記抗菌成分は、グアニジンに由来する構造、グルコサミンに由来する構造、及びアミノ酸に由来する構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する分子を含む、<1>又は<2>に記載の抗菌性材料。
<4> 前記被覆率は、5%〜50%である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の抗菌性材料。
<5> 前記島部が配置された面における前記抗菌成分の表面量は、0.2mg/m〜300mg/mである、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の抗菌性材料。
<6> 25℃にてセロハンテープによる剥離試験を行った際に、剥離前の前記島部に対する前記島部の剥離された部分の面積割合は35%以下である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の抗菌性材料。
<7> 前記島部は、バインダー成分を更に含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の抗菌性材料。
<8> 前記島部が配置された面における前記抗菌成分及び前記バインダー成分の合計量は、1mg/m〜8000mg/mである、<7>に記載の抗菌性材料。
<9> 前記島部は、防曇剤を更に含み、前記防曇剤の含有量は、前記抗菌成分、前記バインダー成分及び前記防曇剤の合計に対して0.1質量%〜20質量%である、<7>又は<8>に記載の抗菌性材料。
<10> 前記防曇剤は、ノニオン性又はカチオン性である、<9>に記載の抗菌性材料。
<11> 前記基材の前記島部が配置された面側からみたとき、前記島部の形状が、円形状又は多角形状である、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の抗菌性材料。
<12> 前記基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む高分子フィルムである、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の抗菌性材料。
<13> <1>〜<12>のいずれか1つに記載の抗菌性材料を備える、鮮度保持用材料。
<14> 物品の梱包に用いられる、<13>に記載の鮮度保持用材料。
<15> 前記基材の前記島部が配置された面が前記物品との対向面である、<14>に記載の鮮度保持用材料。
<16> 抗菌成分と、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合液とを含む抗菌性組成物を基材に付与する工程と、前記抗菌性組成物が付与された基材を乾燥する工程とを含み、前記基材の濡れ指数と、前記抗菌性組成物の表面張力との差(基材の濡れ指数−抗菌性組成物の表面張力)は、5mN/m〜9mN/mである抗菌性材料の製造方法。
本開示は、抗菌性を維持しつつ、基材の性質を有する抗菌性材料及びその製造方法、並びに鮮度保持用材料を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているもの(例えば厚さ100μm以下のもの)だけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているもの(例えば厚さ100μm以上のもの)をも包含する概念である。
また、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
〔抗菌性材料〕
本発明の一実施形態に係る抗菌性材料は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に配置され、抗菌成分を含む島部と、を備え、前記基材の前記島部が配置された面における前記島部の被覆率が1%〜80%である。
本実施形態の抗菌性材料は、基材の島部が配置された面における島部の被覆率が1%〜80%であることにより、抗菌性を維持しつつ、基材の性質(例えば、ヒートシール性)を有する。より具体的には、前述の被覆率が1%以上であることにより、抗菌性を維持することができ、前述の被覆率が80%以下であることにより、基材の性質を発揮することができる。また、被覆率が80%以下であることにより、基材の前面に抗菌成分を含む層を設けた場合、すなわち、被覆率が略100%の場合と比較して、抗菌成分の量を削減することができる。
本開示にて、前述の被覆率は、基材の島部が配置された面の投影面積(面積1)に対する島部の投影面積(面積2)の割合(面積2/面積1)を意味する。
前述の被覆率は、後述の実施例に記載されているように、鮮度保持用フィルムの島部が配置された面を撮影し、得られた写真中における基材の投影面積(島部の形成された領域と島部の形成されていない領域の合計)に対する島部の投影面積の合計の比率を求めて被覆率としてもよい。
また、島部が水性成分のみからなる場合、前述の被覆率は、島部が配置された側の表面を油性マジックペンで全面塗り、次いで油性マジックペンを塗った箇所を水で濡らしてこすり、油性マジックペンが残った箇所の面積(海部)から、算出してもよい。
前述の被覆率は、抗菌性を好適に維持し、かつ基材の性質を好適に発揮する観点から、3%〜70%であることが好ましく、5%〜50%であることがより好ましく、10%〜40%であることが更に好ましく、15%〜35%であることが特に好ましい。
<島部>
本実施形態の抗菌性材料は、基材の少なくとも一方の面に配置され、抗菌成分を含む島部を備える。島部は、基材の少なくとも一方の面に間隔を空けて複数配置されていることが好ましい。
(抗菌成分)
抗菌成分としては、特に限定されない。抗菌成分としては、カチオン性抗菌成分であってもよい。また、抗菌成分は、例えば、グアニジンに由来する構造、グルコサミンに由来する構造、及びアミノ酸に由来する構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する分子(以下、「分子A」とも称する)を含むことが好ましい。
分子Aとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分子Aは、グアニジンに由来する構造、グルコサミンに由来する構造、及びアミノ酸に由来する構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する抗菌性の化合物である。
分子Aは、グアニジンに由来する構造、グルコサミンに由来する構造、及びアミノ酸に由来する構造のいずれか一種の構造を有する化合物であってもよく、これらのうち2種以上の構造を有する化合物であってもよい。
分子Aは、グアニジンに由来する構造を有する化合物、グルコサミンに由来する構造を有する化合物、及びリジンに由来する構造を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
以下、グアニジンに由来する構造を有する化合物、グルコサミンに由来する構造を有する化合物、及びリジンに由来する構造を有する化合物についてそれぞれ説明する。
−グアニジンに由来する構造を有する化合物−
グアニジンに由来する構造としては、特に限定されず、例えば、下記式(G−1)により表される構造であることが好ましい。

式(G−1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、波線部は他の構造との結合部位を表す。
式(G−1)に含まれるR〜Rは、抗菌性の観点から、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、いずれもが水素原子であることがより好ましい。上記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
グアニジンに由来する構造を有する化合物は、グアニジンに由来する構造及びアミノ酸に由来する構造を有する化合物であることが好ましく、グアニジンに由来する構造を有するアミノ酸を有する化合物であることがより好ましく、アルギニンに由来する構造を有する化合物であることがさらに好ましく、アルギニンに由来する構成単位を含むペプチドであることが特に好ましい。上記アルギニンは、公知の置換基を有するアルギニンであってもよいが、無置換のアルギニンであることが好ましい。
上記アルギニンに由来する構造、及び、上記アルギニンに由来する構成単位には、グアニジンに由来する構造が含まれる。
本開示において、アミノ酸とは、1分子内にアミノ基(−NH)とカルボキシ基(‐COOH)とを有する化合物をいう。
本開示において、ペプチドとは、2個〜100個のアミノ酸分子がペプチド結合により連結してなる化合物をいう。
グアニジンに由来する構造を有する化合物は、プロタミン及びプロタミンの塩の少なくとも一方(以下、「プロタミン等」とも称する。)を含むことが好ましく、プロタミンの塩を含むことがより好ましい。また、グアニジンに由来する構造を有する化合物は、プロタミン及びプロタミンの塩の少なくとも一方であってもよく、好ましくはプロタミンの塩であってもよい。
プロタミン等としては特に制限はなく、魚類、鳥類、哺乳類等の精巣に存在する核タンパクを、DNAとタンパクに加水分解して得られる塩基性タンパク質;該塩基性タンパク質をさらに加水分解したプロタミン;これらの塩が挙げられる。プロタミンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩;例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、グルコン酸塩等の有機塩が挙げられる。
これらのプロタミン等の使用方法としては特に制限はなく、用途に応じて選択することが好ましい。プロタミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またプロタミン等は市販品であってもよい。
−グルコサミンに由来する構造を有する化合物−
グルコサミンに由来する構造を有する化合物としては、キトサン及びキトサンの塩が挙げられ、キトサンがより好ましい。以下、キトサン及びキトサンの塩の少なくとも一方を「キトサン等」と称する場合がある。なお、キトサンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩;例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、グルコン酸塩等の有機塩が挙げられる。
キトサン等としては特に制限はなく、例えば、カニ、エビ等の甲殻類の外骨格から得られるキチン(ポリ−β1−4−N−アセチルグルコサミン)を、濃アルカリ中での煮沸処理等により脱アセチル化して得られるもの、及びこれらの塩が挙げられる。
キトサン等は1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。またキトサン等は市販品であってもよい。
−リジンに由来する構造を有する化合物−
リジンに由来する構造を有する化合物としては、ポリリジン及びポリリジンの塩が挙げられ、ポリリジンが好ましい。以下、ポリリジン及びポリリジンの塩の少なくとも一方を「ポリリジン等」とも称する。なお、ポリリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩;例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、グルコン酸塩等の有機塩が挙げられる。
ポリリジン等としては特に制限はなく、例えば、発酵法により製造されるε−ポリリジン(ε−ポリ−L−リジン)、化学合成により製造されるα−ポリリジン(α−ポリ−L−リジン、α−ポリ−D−リジン)及びこれらの塩が挙げられる。
これらのポリリジン等は、用途に応じて選択することが好ましい。ポリリジン等は1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。またポリリジン等は市販品であってもよい。
分子Aとして、グアニジンに由来する構造、グルコサミンに由来する構造、及びアミノ酸に由来する構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物を1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
分子Aの重量平均分子量(Mw)は、500以上10000以下であることが好ましく、抗菌性及び抗菌維持性の観点から、1000以上9000以下であることがより好ましく、2000以上8000以下であることが更に好ましく、3000以上7000以下であることが特に好ましい。
なお、上記分子量及び分子量分布の測定は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法を用いて以下の条件で行う。
装置 :ビルドアップGPCシステム(東ソー株式会社)(デガッサー/SD−8022、ポンプ/DP−8020、オートサンプラー/AS−8021、カラムヒーター/CO−8020、示差屈折計/RI−8020)
移動相:0.1M NaNO水溶液
カラム:TSKgel G3000PWXL−CP(7.8mmID×30cm) 2本(東ソー株式会社)
流速 :1.0mL/分
試料 :移動相溶剤を用いて4mg/mL濃度の試料溶液を作成し、100μL注入
検出器:RI(示差屈折計)、polarity=(+)
温度 :40℃
分子量校正:標準ポリエチレンオキサイド(PEO)(アジレント・テクノロジー株式会社)
島部が配置された面における抗菌成分の表面量は、0.2mg/m〜300mg/mであることが好ましい。
「島部が配置された面における抗菌成分の表面量が、0.2mg/m〜300mg/mである」とは、抗菌性材料の表面の面積1mあたりの量に換算した場合の抗菌成分(好ましくは分子A)の表面量が0.2mg〜300mgであることを意味する。したがって、必ずしも抗菌性材料の表面の面積が1m以上であることに限定されない。
抗菌成分の表面量を0.2mg/m以上とすることで、抗菌剤としての機能が発現されやすくなる。
抗菌成分の表面量を300mg/m以下とすることで、べたつきが抑制される。これにより、操作性が向上する。
したがって、本実施形態によれば、抗菌性が高くかつ操作性が良好な抗菌性材料が得られる。
このような本実施形態の抗菌性材料を、例えば、物品の梱包に用いる、容器形状等への成形に用いる、又は容器形状等の成形体として用いることにより、物品(梱包される物品又は成形体に収納される物品)及び成形体が清浄に保たれ、特に物品が食品の場合はその食品の鮮度が保持される。また、抗菌成分(好ましくは分子A)は、比較的安全な抗菌剤であるとされているため安全性も確保されると期待される。
例えば、生鮮食品が梱包されたパッケージでは、パッケージ内面に生鮮食品から出たドリップが付着しやすい。野菜の場合は、断面から溶出されるドリップに加えて、呼吸に伴う蒸散によって生じた水分の凝集による結露が発生する。鮮魚、精肉の場合は、断面から溶出されるドリップの割合が大きいが、特に冷凍状態から解凍したときには冷凍時に水分膨張による細胞壁の破壊が起きるので上記ドリップの量は多くなる。
このドリップは多くの栄養を含むので菌が増殖しやすい。すなわち、ドリップはパッケージ内部で最も腐敗しやすいと考えられる。
したがって、本実施形態の抗菌性材料によれば、前述のような生鮮食品を梱包するパッケージに用いた場合にも、パッケージ内面で接触しているドリップ中の菌の増殖を抑制する効果を有する。
本実施形態の抗菌性材料において、抗菌成分の表面量は、抗菌性を高め、かつ操作性をより良好にする観点から、0.5mg/m〜200mg/mであることが好ましく、1.0mg/m〜150mg/mであることがより好ましく、3.0mg/m〜100mg/mであることが更に好ましく、5.0mg/m〜70mg/mであることが特に好ましく、10mg/m〜50mg/mであることがより一層好ましい。
本実施形態に係る抗菌性材料の「抗菌成分の表面量」は、表面洗浄法により抗菌性材料から測定することができる。
−表面洗浄法−
抗菌性材料の抗菌成分を含む表面を、水などで抽出した後、その抽出液を公知のLC(液体クロマトグラフィー)を用いて分析することで、抽出液中に含まれる抗菌成分を定量することができる。この定量値から抗菌性材料の「抗菌成分の表面量」(mg/m)を算出することができる。
LCを用いた分析条件は以下の通りである。
カラム・・・ODS系(4.6mm×25cm)
溶媒・・・KHPO+NaSOaq.(92質量%)+CHCN(8質量%)(pH 3.4)
カラム温度・・・40℃
検出器・・・UV(215nm)
島部の円相当径は、抗菌性を好適に維持し、かつ基材の性質を好適に発揮する観点から、0.01mm〜10mmであることが好ましく、0.1mm〜10mmであることがより好ましく、0.3mm〜8mmであることが更に好ましく、0.6mm〜5mmであることが特に好ましく、0.7mm〜3mmであることがより一層好ましい。
また、島部の円相当径は、抗菌性の維持及び外観の観点から、0.01mm〜0.15mmであってもよい。
島部の円相当径は、抗菌性材料の島部が配置された面を撮影し、得られた写真中の10個の島部の投影面積をそれぞれ測定し、投影面積から求めた円相当径の算術平均値を指す。
島部の高さ(抗菌性材料の島部が配置された面と直交する方向における島部の幅)は、抗菌性を高め、かつ操作性をより良好にする観点から、0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましく、1.5μm〜3μmであることが更に好ましい。
基材の島部が配置された面側からみたとき、島部の中心間距離(隣接する2つの島部の中心間距離)は、抗菌性を好適に維持し、かつ基材の性質を好適に発揮する観点から、0.1mm〜50mmであることが好ましく、0.5mm〜30mmであることがより好ましく、1mm〜20mmであることが更に好ましい。
基材の島部が配置された面側からみたときの島部の形状は、特に限定されず、島部の形成が容易であるため、円形状、三角形、四角形等の多角形状などであることが好ましい。基材に配置された複数の島部の形状は、同一であっても異なっていてもよく、抗菌性材料の生産性の観点から、同一であることが好ましい。
(バインダー成分)
島部は、バインダー成分を更に含むことが好ましい。島部がバインダー成分を含むことにより、基材から島部が剥離することが抑制され、抗菌性材料の抗菌性を好適に維持することができる。
バインダー成分としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体などが好ましい。
本実施形態の抗菌性材料は、25℃にてセロハンテープによる剥離試験を行った際に、剥離前の島部に対する島部の剥離された部分の面積割合は35%以下であることが好ましく、この条件を満たすことが可能なバインダー成分を用いて抗菌性材料を作製することが好ましい。また、前述の面積割合は、15%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。
なお、剥離試験の条件は、後述の実施例の通りである。
本実施形態の抗菌性材料において、島部が配置された面における抗菌成分及びバインダー成分の合計量は、1mg/m〜8000mg/mであることが好ましく、10mg/m〜5000mg/mであることがより好ましく、50mg/m〜3000mg/mであることが更に好ましく、100mg/m〜2000mg/mであることが特に好ましい。
本実施形態に係る抗菌性材料の「抗菌成分及びバインダー成分の合計量」は、表面洗浄法により抗菌性材料から測定することができる。
−表面洗浄法−
抗菌性材料の抗菌成分を含む表面を、水などで抽出した後、その抽出液を公知のLC(液体クロマトグラフィー)を用いて分析することで、抽出液中に含まれる抗菌成分を定量することができる。この定量値から抗菌性材料の「抗菌成分の表面量」(mg/m)を算出することができる。
また、抗菌性材料の抗菌成分を含む表面を、有機溶媒などで抽出した後、その抽出液を公知のLC(液体クロマトグラフィー)を用いて分析することで、抽出液中に含まれるバインダー成分を定量することができる。この定量値から抗菌性材料の「バインダー成分の表面量」(mg/m)を算出することができる。
以上により算出した抗菌成分の表面量とバインダー成分の表面量を合計し、抗菌成分及びバインダー成分の合計量を算出すればよい。
また、フィルム上に塗工した全成分の質量については、以下の拭取り法により求めることができる。
塗工フィルムを、10cm×10cmに3枚カットし、カットした塗工フィルムの質量w1を測定する。トルエンを染み込ませたキムタオルにて塗工膜を除去し、30分風乾し、風乾後のフィルムの質量w2を測定する。w2とw1の差を100倍することで、1m当たりの塗工量を算出する。3枚の平均値を塗工量とする。
−蛍光X線分析−
抗菌性材料における抗菌成分の表面量は、以下に示すように蛍光X線分析により求めてもよい。まず、抗菌性材料の一部を切り出し測定用サンプルを準備する。測定用サンプルについて、蛍光X線分析装置(リガク社製:ZSX PrimusII)を用いて、例えば、抗菌成分であるプロタミンのN原子に由来するX線強度(kcps)、プロタミン塩酸塩に由来の塩素原子に基づくX線強度(kcps)等を測定する。
上記X線強度と、抗菌成分であるプロタミンの表面量とは相関があるため、島部を構成する材料(高分子、プロタミン等)の配合比を変えて島部を形成したときの上記X線強度を予め測定しておくことで、そのX線強度から、抗菌成分であるプロタミンの表面量を算出することができる。
以下に、蛍光X線分析の測定条件の一例を示す。
−測定条件−
仕様 X線管:エンドウィンド型Rhターゲット4kW
1次X線フィルタ:4種(Al、Ti、Cu、Zr)
スペクトル:N−KA
ターゲット:Rh
印加電圧、電流:30kV、100mA
分光結晶:RX45
速度(deg/min):80〜350
時間(sec):0.5〜5
ピーク(deg):33.694
走査角度(deg):26.694〜40.694
ステップ(deg):0.05〜0.20
本実施形態の抗菌性材料において、前述の抗菌成分の表面量に対する前述のバインダー成分の表面量の比率(バインダー成分の表面量/抗菌成分の表面量)は、島部の脱離を好適に抑制し、かつ抗菌性を好適に維持する観点から、1〜1000であることが好ましく、5〜500であることがより好ましく、10〜100であることが更に好ましい。
(その他の成分)
島部は、本発明の目的を大きく損なわない範囲内において、抗菌成分及びバインダー成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、モノ若しくはジグリセライド、ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性樹脂;前述の抗菌成分以外の抗菌剤;及び防曇剤;等が挙げられる。
その他の成分は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
−防曇剤−
島部は、防曇性をより高める点から、更に防曇剤を含んでいてもよい。
防曇剤としては、特に限定されず、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、両性系の防曇剤が挙げられ、例えば、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、両性系の界面活性剤が挙げられる。防曇剤は、中でもノニオン系及びカチオン系の防曇剤が好ましく、ノニオン系の防曇剤がより好ましい。
防曇剤としては、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステル有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。防曇剤は、より具体的には、ジグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を含むことが好ましく、ジグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方であることがより好ましい。防曇剤は市販品であってもよい。
市販品の例としては、理研ビタミン株式会社製のリケマールA(シュガーエステル)、ポエム DL−100(ジグリセリンモノラウレート)、ポエム DO−100V(ジグリセリンモノオレート)等が挙げられる。
防曇剤の含有量は、抗菌成分、バインダー成分及び防曇剤の合計に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.2質量%〜15質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜10質量%であることが更に好ましく、0.5質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
本実施形態の抗菌性材料は、島部が配置された面上に防曇剤を含む層を備えていてもよい。防曇剤を含む層における防曇剤の表面量は、0.5mg/m〜50mg/mであることが好ましく、1.0mg/m〜30mg/mであることがより好ましく、2.0mg/m〜10mg/mであることが更に好ましい。また、島部が配置された面上に防曇剤を含む層を設けることで、抗菌性材料の耐水性が向上する傾向にある。
また、抗菌性材料の防曇剤を含む層を、有機溶媒などで抽出した後、その抽出液を公知のLC(液体クロマトグラフィー)を用いて分析することで、抽出液中に含まれる防曇剤を定量することができる。この定量値から抗菌性材料の「防曇剤の表面量」(mg/m)を算出することができる。
<基材>
本実施形態の抗菌性材料は、基材を備える。基材は高分子を含有することが好ましい。基材は、単層であっても複数層であってもよい。
(高分子)
高分子としては特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも称する)、エチレンプロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、セロハン、レーヨン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリル、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリウレタン、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ナイロンが挙げられる。これらの高分子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ポリエチレン−
ポリエチレンとしては、例えば、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンを使用することができる。
−ポリプロピレン−
ポリプロピレンとしては、例えば、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレンが挙げられる。アイソタクティックポリプロピレンは、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。
−ポリメチルペンテン−
ポリメチルペンテンとしては、例えば、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体;4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位と、を有する共重合体;が挙げられる。
−ポリエチレンテレフタレート(PET)−
ポリエチレンテレフタレート(PET)としては、テレフタル酸又はそのエステル誘導体を含む芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコールを含むジオールとから得られるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
PETとしては、容器形状等への成形性の観点から、非晶性ポリエチレンテレフタレート(A−PET)が好ましい。
−ポリスチレン−
ポリスチレンとしては、例えば、スチレン系単量体(例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン)の単独重合体;スチレン系単量体と、スチレン系単量体と共重合可能な単量体との共重合体(以下、「変性ポリスチレン」とも称する);が挙げられる。
スチレン系単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、ビニル単量体(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、ブタジエン)が挙げられる。
変性ポリスチレンとしては、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、アクリロニトリルーメタクリル酸メチル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンジエンゴム−スチレン共重合体(AES)が挙げられる。
(その他の成分)
基材は、本発明の目的を大きく損なわない範囲内において、高分子以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、分散剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料が挙げられる。
その他の成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分の含有量は、抗菌性材料の総量100質量%に対し、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態の抗菌性材料において、基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む高分子フィルムであることが好ましい。
また、本実施形態の抗菌性材料において、基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む容器形状の成形体であることも好ましい。
基材が容器形状の成形体である場合、基材はポリエチレンテレフタレート(PET)を含むことがより好ましい。
〔好ましい形態〕
本実施形態の抗菌性材料の好ましい形態として、具体的には、基材として高分子フィルム(以下、「基材フィルム」とも称する)を用いた抗菌性フィルム、基材として成形体を用いた抗菌性成形体、基材として不織布を用いた抗菌性不織布が挙げられる。
<抗菌性フィルム>
抗菌性フィルムとしては、例えば、包装用フィルム、包装用ラミネートフィルム、成形用フィルムが挙げられる。なお、抗菌性フィルムは、無延伸フィルム、一軸又は二軸延伸フィルムであってもよく、単層であっても、複数層(多層)で構成されていてもよい。
抗菌性フィルムとしては、基材が基材フィルムであることが好ましい。
基材フィルム(基材)に含まれる高分子としては、前述で例示した高分子が挙げられるが、中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子が好ましい。
抗菌性フィルムが包装用フィルムである場合には、基材フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含むことが好ましい。
抗菌性フィルムが成形用フィルムである場合には、基材フィルムは、容器形状等への成形性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むことが好ましい。
これらの高分子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
抗菌性フィルムが包装用フィルムの場合、包装用フィルムの厚さは、好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは10μm〜120μm、更に好ましくは15μm〜120μm、特に好ましくは20μm〜100μm、より一層好ましくは25μm〜100μmである。
なお、抗菌性フィルムが複数層の場合、抗菌性フィルムの平均厚さ(以下、単に「厚さ」とも称する)は、複数層全体の厚さである。
抗菌性フィルムの平均厚さの測定方法は、例えば、以下の通りである。すなわち、抗菌性フィルムを長さ100cm及び幅100cmとなるように切断した試験片の任意の5箇所の厚さを、株式会社ニコン製デジタル測長機DIGIMICRO STAND MS−11Cを用いて測定し、5箇所の厚さの平均値を抗菌性フィルムの平均厚さとする。
抗菌性フィルムが包装用ラミネートフィルムの場合、包装用ラミネートフィルムの態様としては、例えば、基材フィルムAと、基材フィルムAの上に配置されたシール層と、シール層の上に配置された抗菌成分を含む島部、とを備える態様が挙げられる。この態様の場合、基材フィルムA及びシール層が基材(基材フィルム)に該当する。
基材フィルムAの厚さの比率は、抗菌性フィルム全体の厚さに対して、好ましくは10%〜80%、より好ましくは20%〜50%である。
シール層の厚さは、好ましくは0.5μm〜3.0μmである。
上記態様の場合、シール層の上に抗菌成分を含む島部が配置されるため、基材における島部が配置された面が、物品(好ましくは生鮮食品)との対向面となることが好ましい。
抗菌性フィルムが成形用フィルムである場合、成形用フィルムの厚さは、成形体の用途に応じて選択することが好ましい。
特に、成形用フィルムが真空成形用フィルムである場合、真空成形用フィルムの厚さは、好ましくは50μm〜800μm、より好ましくは100μm〜700μm、更に好ましくは200μm〜600μmである。この場合、真空成形用フィルムの基材フィルムとしては、後述する(2)の態様の基材フィルム(PETを含むフィルム(好ましくはPETフィルム))が好ましい。
上記態様の場合、基材における島部が配置された面が、容器成形後に容器の内面となることが好ましい。すなわち、抗菌成分の表面量が0.2mg/m〜300mg/mである面が、物品(好ましくは生鮮食品)との対向面となることが好ましい。
抗菌性フィルムが容器成形用フィルムである場合の基材フィルムの好ましい態様としては、例えば以下の(1)〜(3)の態様が挙げられる。
(1)基材フィルムがポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテンからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含み、基材フィルム側にPETを含むフィルム(好ましくはPETフィルム)を貼り合わせた態様。
上記(1)の態様では、PETを含むフィルム(好ましくはPETフィルム)を貼り合わせたことにより、容器形状等への成形性に特に優れる。
(2)基材フィルムがPETを含む(好ましくはPETフィルムである)態様。
上記(2)の態様の基材フィルムでは、容器形状等への成形性に特に優れ、中でも真空(圧空)成形による容器形状への成形性に優れる。
なお、上記(2)の態様の基材フィルムを備える成形用フィルムは、基材フィルムとしてのPETを含むフィルム(好ましくはPETフィルム)に、抗菌成分を含む後述の抗菌性組成物を付与、好ましくはこの抗菌性組成物を所定のパターンで付与し、必要に応じて乾燥させることで得られる。
(3)基材フィルムが、抗菌成分を含む島部が配置された面側から順に、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテンからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含むフィルムと、PETを含むフィルム(好ましくはPETフィルム)とが積層された多層フィルムである態様。
上記(3)の態様の基材フィルムでは、容器形状等への成形性に特に優れる。
〔抗菌性材料の用途〕
本実施形態の抗菌性材料は、例えば、テープ、粘着テープ、マスキングテープ、マスキングフィルム、仮着性フィルム、プラスチック封筒、イージーオープン包装袋、自動包装フィルム、ショッピングバック、スタンディングバック、透明包装箱、建材、貼合用フィルム、農業用フィルム、鮮度保持用材料(食品包装資材、野菜包装資材、果物包装資材、精肉包装資材、魚介類等の水産物包装資材、加工食品包装資材などの包装資材;草花包装資材;食品、野菜(カット野菜等)、果物、精肉、水産物、加工食品などの容器;そば、ラーメン、弁当等の容器)、電子部品包装資材、機械部品包装資材、穀物包装資材、医療用フィルム、医療用テープ、細胞培養用パック等として幅広く利用される。
特に抗菌性材料が抗菌性不織布の場合、フィルター(空調、自動車、家電等)、食品用トレーマット、マスク、座席用シートカバー、テーブルクロス、カーペット等にも利用することができる。
本実施形態の抗菌性材料は、抗菌性が高いため、例えば生鮮食品(野菜、果物、精肉、鮮魚、加工食品等)、草花、及び加工製品の鮮度を保持するための抗菌性材料(例えば、抗菌性フィルム、抗菌性成形体、抗菌性不織布)として好適に用いることができる。これにより、生鮮食品及び加工製品の鮮度を保つことができる。
〔鮮度保持用材料〕
本実施形態の鮮度保持用材料は、本実施形態の抗菌性材料を備える。
すなわち、本実施形態の鮮度保持用材料は、本実施形態の抗菌性材料(例えば、抗菌性フィルム、抗菌性成形体、抗菌性不織布)を用いて得られる鮮度保持用材料である。これにより、抗菌性が高くかつ基材の性質を活かした(例えば操作性など)鮮度保持用材料が得られる。
上記実施形態の鮮度保持用材料は、物品の梱包に用いられることが好ましい。
特に本実施形態の鮮度保持用材料は、抗菌性が高い抗菌性材料を備えるため、例えば生鮮食品(野菜、果物、精肉、鮮魚、加工食品等)、草花及び加工製品の鮮度を保持するための包装資材(例えば包装袋)、容器として好適に用いることができる。
包装資材としての包装袋は、例えば抗菌性材料(例えば抗菌性フィルム)の抗菌作用を有する面(島部が配置された面)同士が対向するように、上記抗菌性材料を折り曲げ、又は抗菌性材料を少なくとも2つ以上重ね合わせた後、公知の方法により所定の部分を熱融着(ヒートシール)することで得ることができる。
本実施形態の鮮度保持用材料において、抗菌成分の表面量が0.2mg/m〜300mg/mである面は、物品との対向面であることが好ましい。
これにより、物品の表面が清浄に保たれ、特に物品が食品の場合はその鮮度が保持される。
〔抗菌性組成物〕
本実施形態の抗菌性組成物は、抗菌成分と、バインダー成分と、を含む。抗菌成分及びバインダー成分としては、前述の抗菌性材料にて説明した抗菌成分及びバインダー成分が挙げられる。
本実施形態の抗菌性組成物は、前述したその他の成分を含んでいてもよい。また、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合液と、抗菌成分、バインダー成分及びその他の成分とを混合して抗菌性組成物を調製してもよい。
有機溶媒としては、特に限定されず、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコールが挙げられる。
抗菌性組成物中における有機溶媒と水との質量比(有機溶媒/水)は、好ましくは0/100〜70/30、より好ましくは5/95〜60/40、更に好ましくは15/85〜50/50であり、特に好ましくは30/70〜50/50である。
また、本実施形態の抗菌性組成物は、基材の表面に付与することにより、被覆率が35%であり、かつ抗菌成分及びバインダー成分を含む島部を基材の表面に備える抗菌性材料を作製し、更に抗菌性材料について25℃にてセロハンテープによる剥離試験を行った際に、剥離前の島部に対する島部の剥離された部分の面積割合が35%以下であることが好ましい。また、前述の面積割合は、15%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。
本実施形態の抗菌性組成物において、抗菌成分の含有量は、抗菌成分、バインダー成分及び必要に応じて含まれる防曇剤の合計量に対して0.1質量%〜10.0質量%であることが好ましく、0.2質量%〜5.0質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜3.0質量%であることが更に好ましく、0.5質量%〜2.0質量%であることが特に好ましい。
本実施形態の抗菌性組成物において、バインダー成分(固形分)の含有量は、抗菌性組成物全量に対して5質量%〜49質量%であることが好ましく、10質量%〜45質量%であることがより好ましく、20質量%〜43質量%であることが更に好ましく、25質量%〜40質量%であることが特に好ましい。
本実施形態の抗菌性組成物は、防曇剤を含んでいてもよい。防曇剤の含有量は、抗菌成分、バインダー成分及び防曇剤の合計に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.2質量%〜15質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜10質量%であることが更に好ましく、0.5質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
本実施形態の抗菌性組成物の粘度は、抗菌性組成物を基材に付与した際のはじきを抑制し、形成される島部の外観を良好にする観点から、10mPa・s〜500mPa・sであることが好ましく、20mPa・s〜300mPa・sであることがより好ましく、25mPa・s〜250mPa・sであることが更に好ましく、30mPa・s〜200mPa・sであることが特に好ましい。
抗菌性組成物の粘度は、B型粘度計により測定される25℃、60回転/分における抗菌性組成物の粘度を意味する。
本実施形態の抗菌性組成物の粘度は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の増粘剤を添加して調整してもよい。
本実施形態の抗菌性組成物を用いて抗菌性材料を作製する方法としては、例えば、基材に所定のパターンで抗菌性組成物を付与する工程と、抗菌性組成物が付与された基材を乾燥する工程とを含んでいてもよい。
基材に所定のパターンで抗菌性組成物を付与する手法としては、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法等の各種印刷法を用いて、基材に所定のパターンで抗菌性組成物を付与する方法が挙げられる。抗菌性組成物が付与された基材を乾燥することにより、抗菌性組成物の付与パターンに対応した、島部を基材の表面に形成することができる。また、基材に抗菌性組成物を付与する条件を適宜変更することにより、島部の被覆率、島部の円相当径、島部の高さ、島部の中心間距離等を適宜調整することができる。
抗菌性組成物が付与された基材の乾燥温度としては特に限定されず、例えば、50℃〜120℃であってもよい。
また、抗菌性組成物が付与された基材について、乾燥時間、乾燥雰囲気、乾燥が行なわれる圧力は、抗菌性組成物の組成、塗布量等に応じて適宜選択することができる。
抗菌性組成物を付与する前の基材に対して表面処理を行ってもよい。なお、表面処理は、基材の表面全体に対して行ってもよいし、基材の少なくとも一部に対して行ってもよい。
基材に対する表面処理方法としては特に制限されず、コロナ処理、イトロ処理、オゾン処理、紫外線処理、薬品処理、高周波処理、グロー放電処理、プラズマ処理、レーザー処理などの表面活性化処理が挙げられる。
〔抗菌性材料の製造方法〕
また、抗菌成分と、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合液と、を含む抗菌性組成物を用いて本実施形態の抗菌性材料を製造してもよい。例えば、基材にこの抗菌性組成物を付与する工程と、抗菌性組成物が付与された基材を乾燥する工程とを含んでいてもよく、必要に応じて、基材を乾燥する工程の後に、抗菌性組成物が付与された面に防曇剤を含む防曇剤含有組成物を付与して防曇剤を含む層を形成してもよい。これにより、基材と、防曇剤とを含む層との間に、抗菌成分を含み、被覆率が1%〜80%の島部を有する抗菌性材料を製造することができる。
島部の被覆率は、この抗菌性組成物における抗菌成分の含有量を変更すること等により、適宜調節できる。
更に、被覆率が1%〜80%の島部を有する抗菌性材料を好適に製造する点から、基材の濡れ指数と、抗菌性組成物の表面張力との差(基材の濡れ指数−抗菌性組成物の表面張力)は、5mN/m〜9mN/mであることが好ましい。前述の抗菌性組成物の表面張力は、例えば、有機溶媒の種類、水と有機溶媒の混合比率等を変更することで適宜調節してもよい。
また、本実施形態の抗菌性材料の製造方法では、抗菌性組成物における抗菌成分の濃度は、抗菌成分と、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合液との全量に対して、0.01質量%〜0.5質量%であってもよく、0.03質量%〜3質量%であってもよく、0.05質量%〜2質量%であってもよい。
また、本実施形態の抗菌性材料の製造方法では、製造される抗菌性材料について、島部の被覆率が、1%〜30%であってもよく、3%〜20%であってもよく、5%〜10%であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、表1中の「−」は該当成分を未使用であること、又は、該当項目が未測定若しくは未評価であることを意味する。
<プロタミン(分子A)>
以下の実施例及び比較例では、抗菌成分として以下に示すプロタミンを用いた。なお、プロタミンの重量平均分子量は、既述の方法で測定した。
・プロタミン
性質 塩酸塩
メーカー マルハニチロ株式会社
プロタミン含有量 88.3質量%
強熱残分 11.4質量%
重量平均分子量 5800
塩基性基の当量 200g/eq
[実施例1]
(片面ヒートシールOPPフィルムの製造)
中間層と表面層の材料には、プロピレン単独重合体(融点(Tm):160℃、MFR:3g/10分(株式会社プライムポリマー社製)を用いた。
ヒートシール層の材料には、プロピレン・エチレン・ブテン3元ランダム共重合体(融点(Tm):138℃、MFR:7g/10分(株式会社プライムポリマー社製)を用いた。
前記材料を用いて表面層/中間層/ヒートシール層の3層を総厚み比が1/8/1となるように積層し、二軸延伸機を用いて、縦5倍、横10倍の二軸延伸を施すことにより、片面ヒートシール多層延伸ポリプロピレン系フィルム(以下、「片面ヒートシールOPPフィルム」とも称する)を製造した。なお、片面ヒートシールOPPフィルムの延伸温度は、縦延伸:100℃、横延伸:180℃、ヒートセット温度は180℃、セット時間は10秒であった。
片面ヒートシールOPPフィルムの厚さは30μmであった。
更に、片面ヒートシールOPPフィルムの両面に濡れ調(濡れ指数)38dynとなるようにコロナ処理を行った。濡れ指数の測定は、JIS K6768(1999)に準じて富士フイルム和光純薬株式会社製の濡れ張力試験用混合液(NO.38.0)が塗れるか塗れないかにより確認した。
(抗菌性組成物の調製)
抗菌成分である上記のプロタミン、バインダー成分であるEC−1800(エチレン酢酸ビニル共重合体含有、ジャパンコーティングレジン株式会社、固形分濃度50質量%)、防曇剤であるリケマールA(シュガーエステル、理研ビタミン株式会社)及び溶媒であるイソプロピルアルコール(IPA)と水との混合液を、表1に示す量で混合して、抗菌性組成物を調製した。
抗菌性組成物の粘度は、25℃、60回転/分の条件にてB型粘度計を用いて測定した。
<抗菌性材料の作製>
前述の調製した抗菌性組成物を版胴の凸部(樹脂製)にアニロックスロールを介して付着させ、単層OPPフィルムのコロナ処理面に凸部に付着した抗菌性組成物を転写し、単層OPPフィルムの表面に抗菌性組成物のパターンを形成した(フレキソ印刷法)。
次に、抗菌性組成物が付与された単層OPPフィルムの表面に、風速40m/分、120℃の温風を20秒吹き付けて抗菌性組成物を乾燥させた。これにより、単層OPPフィルム上に島部が配置された抗菌性材料(以下「鮮度保持用フィルム」ともいうが、抗菌性材料が一意的に鮮度保持用フィルムであることを意味しない)を作製した。
得られた鮮度保持用フィルムを用いて以下の評価を行った。なお、鮮度保持用フィルムの外観を目視で確認したところ透明であった。
<島部の円相当径>
島部の円相当径としては、鮮度保持用フィルムの島部が配置された面を撮影し、得られた写真中から無作為に選んだ10個の島部の投影面積をそれぞれ測定し、投影面積から求めた円相当径の算術平均値を求めた。
結果を表1に示す。
<島部の被覆率>
島部の被覆率としては、鮮度保持用フィルムの島部が配置された面を撮影し、得られた写真中における基材の投影面積(島部の形成された領域と島部の形成されていない領域の合計)に対する島部の投影面積の合計の比率を求め、被覆率とした。
結果を表1に示す。
<島部の高さ>
島部の高さは、接触式表面形状測定器Diktak3(Veeco社製)により求めた。
結果を表1に示す。
<ヒートシール強度の評価>
鮮度保持用フィルムを短冊状に切断したものを2枚、試験片として準備した。次に、準備した2枚の試験片を、島部が形成された面同士が対向するように重ね合わせた後、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業株式会社)を用いて、温度(ヒートシール温度、上部のみ)140℃、シール幅10mm、シール圧力0.1MPa、及びシール時間0.5秒の条件で、熱融着(ヒートシール)した。
次に、試験機から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断する。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ株式会社)を用いて、引張速度30mm/min、及び温度23℃の条件で、熱融着したフィルムのヒートシール面に対して90°の方向に引っ張り、剥離させ、剥離強度の最大値を測定した。そして、この最大値を上記「ヒートシール強度(単位:N/15mm)」とした。
結果を表1に示す。
<抗菌性試験(大腸菌)>
(評価サンプルの作製)
実施例1で得た鮮度保持用フィルムについて、JIS Z2801(2012)に準拠して、大腸菌(Escherichia coli)を用いて抗菌性試験を行った。鮮度保持用フィルムの表面の状態を保つためにアルコールによるふき取りは行わなかった。
1/500普通ブイヨン培地に、初期菌数として1.1E+5[CFU(colony forming unit)/g]に相当する規定数量の大腸菌(Escherichia coli、菌株名;NBRC−3972)の菌液を添加して、大腸菌を含むブイヨン培地(試験菌液)を調製した。
試験菌液を4cm角の鮮度保持用フィルムの表面に滴下し、別途準備したポリエチレンフィルムを試験菌液の上にかぶせた後、35℃で24時間培養を行い、評価サンプルを作製した。
培養後の評価サンプルの表面を10mLのSCDLP液体培地で洗浄し、試験菌液を含む洗浄液を回収した。SCDLP液体培地は以下の方法で調製したものを用いた。
精製水1000mLに対してカゼインペプトン17.0g、大豆ペプトン3.0g、塩化ナトリウム5.0g、りん酸水素二カリウム2.5g、グルコース2.5g及びレシチン1.0gを加え、混合溶解した後、非イオン界面活性剤7.0gを加えて溶解させた。pH6.8〜pH7.2(25℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液でpH調整し、高圧蒸気殺菌した。
回収した洗浄液を、普通寒天培地上に塗抹し、35℃で24時間培養して、普通寒天培地上に形成された大腸菌のコロニーの数(以下、「評価サンプルのコロニーの数」とも称する)をカウントした。
すなわち、顕微鏡下で大腸菌の菌数をカウントすることは困難なため、普通寒天培地上に形成された大腸菌のコロニーの数を目視によりカウントして、試験フィルム1枚あたりのコロニーの数を、大腸菌の生菌数(単位[CFU/枚])とした。
測定は3回ずつ行い、3回の平均値を評価に用いた。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
なお、AE+Xとは、A×10のX乗を表しており、1.1E+5とは、1.1×10を意味している。
<セロハンテープ剥離試験>
鮮度保持用フィルムの島部が配置された面にセロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製)を密着させ、手で急速に引っ張った。そして、剥離前の島部の合計面積に対する島部の剥離された部分の面積割合を求めた。具体的には、幅18mm、長さ50mmのセロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製)をドット塗工面に強く圧着させ、45度の角度で一気に剥した。これによる剥離部の面積割合を求めた。剥離試験の評価基準は以下の通りである。
結果を表1に示す。
−剥離試験の評価基準−
A:島部の剥がれなし
B:面積比5%以下の剥がれあり
C:面積比5%超15%以下の剥がれあり
D:面積比15%超35%以下の剥がれあり
E:面積比35%超65%以下の剥がれあり
F:面積比65%超の剥がれあり
<抗菌成分の表面量及びバインダー成分の表面量>
抗菌成分の表面量及びバインダー成分の表面量は、それぞれ前述の表面洗浄法により鮮度保持用フィルムから測定した。
結果を表1に示す。
[実施例2及び3]
実施例1にて調製した抗菌性組成物を用い、表1に示す島部の円相当径、被覆率及び島部の高さになるように、フレキソ印刷法により単層OPPフィルムの表面に抗菌性組成物のパターンを形成し、鮮度保持用フィルムを作製した。
実施例2及び3の鮮度保持用フィルムについても実施例1の鮮度保持用フィルムと同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1にて製造した単層OPPフィルムに抗菌性組成物を付与せずにヒートシール強度を測定し、かつ抗菌性評価を行った。
結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1にて製造した単層OPPフィルムの表面に表1に示す組成の抗菌性組成物をバーコーターを用いて塗布し、塗布膜を形成した(バーコート法)。
なお、表1中、MeOHはメタノールを表す。
次に、塗布膜に、風速40m/分、120℃の温風を20秒吹き付けて塗布液を乾燥させて、鮮度保持用フィルムを作製した。
なお、塗布膜の膜厚は、接触式表面形状測定器Diktak3(Veeco社製)により求めた。
比較例2の鮮度保持用フィルムについて、ヒートシール強度を測定し、かつ抗菌性評価を行い、更に、後述の碁盤目試験を行い、塗布膜の密着性を評価した。
結果を表1に示す。
<碁盤目試験>
まず、塗布膜に対し上からカッターにより1mm間隔で縦方向及び横方向にそれぞれ6本の切れ目を入れて1mm角四方の碁盤目25個を作製し、セロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製)を密着させ、手で急速に引っ張った。碁盤目試験の評価基準は以下の通りである。
−碁盤目試験の評価基準−
A:剥がれなし
B:5%以下の剥がれあり
C:5%超15%以下の剥がれあり
D:15%超35%以下の剥がれあり
E:35%超65%以下の剥がれあり
F:65%超の剥がれあり
表1に示すように、実施例1〜3では、ヒートシール強度が比較例2よりも高く、ヒートシール性に優れていた。また、実施例1〜3及び比較例1の結果から、実施例1〜3では、抗菌性が良好であった。
<ポリリジン(分子A)>
以下の実施例及び比較例では、抗菌成分として前述のプロタミンとともに以下のポリリジン(分子A)を用いた。
ポリリジンとして、ガードキープGK−900G(ポリリジン22.5質量%、グリセリン10質量%を含む水溶液、JNC株式会社)から、以下の方法により抽出精製したものを使用した。
まず、ガードキープGK−900G 1.93kgを3Lのフラスコに入れて減圧蒸留した。得られた粘稠液体745gに、室温でイソプロパノール2.5Lを加え一晩撹拌し、析出した白色粉末を減圧濾過したのち、イソプロパノールで洗浄(0.8L×3回)、減圧乾燥(80℃、4kPa、24時間)により、ポリリジンの白色粉末394gを得た。
<基材>
以下の実施例及び比較例では、基材として市販の厚さ30μmの防曇フィルム(OPP:NFHC#30 三井化学東セロ株式会社製、両面コロナ処理有り)を用いた。
また、濡れ張力試験用混合液を用いて防曇フィルムにおける抗菌性組成物の付与面について、濡れ指数を測定したところ39dyn(39mN/m)であった。
[実施例4]
(抗菌性組成物の調製)
抗菌成分である上記のプロタミン2.5g及びポリリジン2.5g、溶媒であるメタノールと水との混合液(メタノール:水=7:3、質量比)3995gを混合して、プロタミンとポリリジンとの質量比率が1:1かつ、抗菌剤濃度0.125%の抗菌性組成物を調製した。
また、実施例4にて調製した抗菌性組成物の表面張力を濡れ張力計(株式会社伊藤製作所、デュヌイ表面張力試験器)を用いて測定温度23.5℃にて測定したところ、32mN/mであった。
<抗菌性材料の作製>
前述の防曇フィルムの表面に、ラボコーター(格子型#200線のグラビアロール、正転方式)を用いて、塗工速度20m/分、乾燥速度70℃の条件で前述の調製した抗菌性組成物を付与し、乾燥させた。
これにより、防曇フィルム上に島部が配置された抗菌性材料(以下「鮮度保持用フィルム」ともいうが、抗菌性材料が一意的に鮮度保持用フィルムであることを意味しない)を作製した。
得られた鮮度保持用フィルムを用いて以下の評価を行った。なお、鮮度保持用フィルムの外観を目視で確認したところ透明であった。
作製した鮮度保持用フィルムについて、抗菌成分の表面量を前述の蛍光X線分析により求めたX線強度(kcps)の値から換算して求め、かつヒートシール強度を前述の実施例1と同様の方法により評価した。なお、作製した鮮度保持用フィルムについて、ヒートシール強度の評価温度を140℃だけでなく、135℃、145℃及び150℃についても同様に行った。
結果を表2に示す。なお、表2中の「−」はデータ無しであることを示す。
<抗菌性試験>
(抗菌性:直後)
前述のようにして調製した大腸菌を含むブイヨン培地(試験菌液)を、4cm角の鮮度保持用フィルムの島部が配置された表面に滴下し、滴下直後に前述と同様にして試験菌液を含む洗浄液を回収し、大腸菌の生菌数を求めた。
(抗菌性:水浸漬1h)
4cm角の鮮度保持用フィルムを25℃の水に1時間浸漬させた。次いで、水中から鮮度保持用フィルムを取り出し、ドライヤーを用いて乾燥させた後、前述のようにして調製した大腸菌を含むブイヨン培地(試験菌液)を、水浸漬後の鮮度保持用フィルムの島部が配置された表面に滴下し、滴下直後に前述と同様にして試験菌液を含む洗浄液を回収し、大腸菌の生菌数を求めた。
(抗菌性:実包8日)
作製した鮮度保持用フィルムを1700mm×1700mmにカットし、島部が配置された表面が内側になるように2枚を重ね、ヒートシーラーで袋の3方をヒートシールして袋を作製した。市販のカットレタスを作製した袋の中に70g入れ、残りの1方をヒートシールして密封し、カットレタスを入れた袋を5℃の冷蔵庫で保管した。8日後、袋の上部を切断してカットレタスを取り出し、袋の表面(フィルム)をドライヤーにより熱風で乾燥させた。
前述のようにして調製した大腸菌を含むブイヨン培地(試験菌液)を、乾燥させた袋から得た4cm角の鮮度保持用フィルムの表面に滴下し、別途準備したポリエチレンフィルムを試験菌液の上にかぶせた後、35℃で1週間培養を行い、評価サンプルを作製した。培養後の評価サンプルについて、前述と同様にして試験菌液を含む洗浄液を回収し、大腸菌の生菌数を求めた。
結果を表2に示す。
<島部の被覆率>
作製した鮮度保持用フィルムについて、抗菌性組成物が付与された側の表面を青色の油性マジックペンで全面塗り、次いで油性マジックペンを塗った箇所を水で濡らしたスポンジでこすることにより、青色が残っていない箇所と、青色が残った箇所を確認した。青色が残っていない箇所は、抗菌性組成物の付与及び乾燥により島部が形成され、水で濡らしたスポンジでこすることにより、島部が除去された箇所であると判断し、青色が残っている箇所は、島部が形成されていない海部と判断した。島部の被覆率は、青色が残った箇所の面積(海部)から、以下の式に基づき算出した。
島部の被覆率=[1−(海部の面積)/(表面の全面積)]×100
また、青色が残っていない箇所は不規則な位置かつ大きさが様々であったため、形成された島部も不規則な位置に様々な大きさであったことが推測される。
<水濡れ>
作製した鮮度保持用フィルムについて、前述と同様の条件にて145℃でヒートシールを行い、ヒートシールの内側部分に水滴を滴下し、ヒートシール部分が開くように鮮度保持用フィルムを引っ張ったとき、引っ掛かりがあるものを水濡れ性が良好と判断し、引っ掛かりがないものを水濡れ性が不良と判断した。
<表面固有抵抗値の測定>
シシド静電気株式会社製(スタチックオネストメータ;タイプH−0110)を用いて、鮮度保持用フィルムの島部が配置された側の表面の固有抵抗(表面固有抵抗値:Ω)を測定した。
常用対数換算した結果を表2に示す。
[実施例5]
(抗菌性組成物の調製)
抗菌成分である上記のプロタミン2.5g及びポリリジン2.5g、溶媒であるメタノールと水との混合液(メタノール:水=7:3、質量比)5995gを混合して、プロタミンとポリリジンとの質量比率が1:1かつ、抗菌剤濃度0.083%の抗菌性組成物を調製した。
また、実施例5にて調製した抗菌性組成物の表面張力を濡れ張力計(株式会社伊藤製作所、デュヌイ表面張力試験器)を用いて測定温度23.5℃にて測定したところ、31mN/mであった。
実施例5では、実施例4と同様にして鮮度保持用フィルムを作製し、同様の測定及び評価を行った。
結果を表2に示す。
[実施例6]
(抗菌性組成物の調製)
プロタミンとポリリジンの質量比率を1:1から7:3に変更したこと以外は、実施例4とそれぞれ同様にして抗菌性組成物を調製した。
実施例6では、実施例4と同様にして鮮度保持用フィルムを作製し、同様の測定及び評価を行った。
結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例4にて用いた防曇フィルムに抗菌性組成物を付与せずにヒートシール強度を測定し、かつ抗菌性評価を行った。
結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例4〜6では、ヒートシール強度が比較例2よりも高く、かつ比較例3と同程度に高く、ヒートシール性に優れていた。また、実施例4〜6及び比較例3の結果から、実施例4〜6では、抗菌性が良好であった。
更に、基材の濡れ指数と、抗菌性組成物の表面張力との差が7又は8であった実施例4〜実施例6では、鮮度保持用フィルムにて好適に島部を形成することができた。
[実施例7、8]
(防曇剤含有組成物の調製)
防曇剤であるリケマールA(シュガーエステル、40質量%、理研ビタミン株式会社)10g及び溶媒であるイソプロピルアルコール(IPA)3990gを混合して濃度0.1質量%の防曇剤含有組成物を調製した。
<防曇剤を含む層の形成>
実施例4、5にて作製した鮮度保持用フィルムについて、島部が配置された表面上にラボコーター(格子型#130線のグラビアロール、リバースキス方式)を用いて、塗工速度10m/分、乾燥速度70℃の条件で前述の防曇剤含有組成物を付与し、乾燥させた。
これにより、島部が配置された表面上に防曇剤を含む層を形成した。
<防曇剤の表面量>
防曇剤の表面量は、それぞれ前述の表面洗浄法により鮮度保持用フィルムから測定した。
結果を表3に示す。
防曇剤を含む層を形成した鮮度保持用フィルムについて、ヒートシール強度、抗菌性、水濡れ性及び表面固有抵抗値を前述の実施例4と同様の方法により評価した。
結果を表3に示す。なお、表3中の「−」はデータ無しであることを示す。
[実施例9]
(防曇剤含有組成物の調製)
防曇剤であるポエム DL−100(ジグリセリンモノラウレート、理研ビタミン株式会社)16g及び溶媒であるイソプロピルアルコール(IPA)3984gを混合して濃度0.4質量%の防曇剤含有組成物を調製した。
実施例9では、実施例7と同様にして鮮度保持用フィルムを作製し、同様の測定及び評価を行った。
結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例7〜9では、ヒートシール強度が比較例2よりも高く、ヒートシール性に優れていた。また、実施例7〜9及び比較例3の結果から、実施例7〜9では、抗菌性が良好であった。

Claims (16)

  1. 基材と、
    前記基材の少なくとも一方の面に配置され、抗菌成分を含む島部と、
    を備え、前記基材の前記島部が配置された面における前記島部の被覆率が1%〜80%である、抗菌性材料。
  2. 前記島部の円相当径は、0.01mm〜10mmである、請求項1に記載の抗菌性材料。
  3. 前記抗菌成分は、グアニジンに由来する構造、グルコサミンに由来する構造、及びアミノ酸に由来する構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する分子を含む、請求項1又は請求項2に記載の抗菌性材料。
  4. 前記被覆率は、5%〜50%である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の抗菌性材料。
  5. 前記島部が配置された面における前記抗菌成分の表面量は、0.2mg/m〜300mg/mである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の抗菌性材料。
  6. 25℃にてセロハンテープによる剥離試験を行った際に、剥離前の前記島部に対する前記島部の剥離された部分の面積割合は35%以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の抗菌性材料。
  7. 前記島部は、バインダー成分を更に含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の抗菌性材料。
  8. 前記島部が配置された面における前記抗菌成分及び前記バインダー成分の合計量は、1mg/m〜8000mg/mである、請求項6に記載の抗菌性材料。
  9. 前記島部は、防曇剤を更に含み、
    前記防曇剤の含有量は、前記抗菌成分、前記バインダー成分及び前記防曇剤の合計に対して0.1質量%〜20質量%である、請求項7又は請求項8に記載の抗菌性材料。
  10. 前記防曇剤は、ノニオン性又はカチオン性である、請求項9に記載の抗菌性材料。
  11. 前記基材の前記島部が配置された面側からみたとき、前記島部の形状が、円形状又は多角形状である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の抗菌性材料。
  12. 前記基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子を含む高分子フィルムである、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の抗菌性材料。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の抗菌性材料を備える、鮮度保持用材料。
  14. 物品の梱包に用いられる、請求項13に記載の鮮度保持用材料。
  15. 前記基材の前記島部が配置された面が前記物品との対向面である、請求項14に記載の鮮度保持用材料。
  16. 抗菌成分と、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合液とを含む抗菌性組成物を基材に付与する工程と、
    前記抗菌性組成物が付与された基材を乾燥する工程とを含み、
    前記基材の濡れ指数と、前記抗菌性組成物の表面張力との差(基材の濡れ指数−抗菌性組成物の表面張力)は、5mN/m〜9mN/mである抗菌性材料の製造方法。
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