(第1実施例)
実施例に係る浴槽洗浄システム2の構成について説明する。実施例に係る浴槽洗浄システム2は、例えば介護施設(図示省略)に設置されている。図1に示すように、浴槽洗浄システム2は、浴槽20を備えている。
浴槽20は、湯を貯えることができる。浴槽20では、浴槽洗浄システム2のユーザが入浴をすることができる。例えば介護施設の入所者が浴槽20で入浴をする。浴槽20は、例えばFRP(繊維強化プラスチック)やステンレスから形成されている。浴槽20は、底面21と、上面23と、内側面22とを備えている。
浴槽20の底面21は、横方向に延びている。底面21には、排水口24が形成されている。この排水口24は、浴槽20の内側面22の近傍に形成されている。排水口24には、排水栓25が設けられている。排水栓25は、排水口24を開閉する。排水栓25が閉状態になると、排水口24が閉鎖され、浴槽20に湯を貯えることができる。排水栓25が開状態になると、排水口24が開放され、浴槽20に貯えられている湯が排水口24から排水される。
また、浴槽20の底面21には、ノズル26(噴射装置の一例)が取り付けられている。このノズル26は、底面21の横方向の中央部に配置されている。ノズル26は、浴槽20を洗浄するための洗浄液と洗浄水を噴射可能に構成されている。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から内側面22に向けて洗浄液を噴射する。同様に、ノズル26は、内側面22に向けて洗浄水を噴射する。ノズル26には、後述する洗浄水路46が接続されている。洗浄水路46を通じてノズル26に洗浄液と洗浄水が供給される。
浴槽20の上面23は、横方向に延びている。上面23は、浴槽20に貯えられる湯の水面より上に位置している。浴槽20の内側面22は、縦方向に延びている。内側面22は、底面21と上面23の間に形成されている。浴槽洗浄システム2のユーザが浴槽20を使用すると、浴槽20の内側面22に汚れが付着することがある。例えば、介護施設の入所者が浴槽20で入浴をすることによって、浴槽20の内側面22に汚れが付着することがある。例えば、浴槽20の内側面22に皮脂汚れが付着する。皮脂汚れは、ユーザの皮脂に由来する汚れである。また、浴槽20の内側面22にユーザの髪の毛が付着する。
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、給湯路41と、給水路42と、混合路43とを備えている。
給湯路41の上流端部は、図示省略する給湯源に接続されている。給湯源から給湯路41に湯が供給されている。給湯路41の下流端部は、混合路43の上流端部に接続されている。給湯路41は、給湯源から供給された湯を混合路43に供給する。
給湯路41には、給湯サーボ51(混合割合調整手段の一例、流量調整手段の一例)が設けられている。給湯サーボ51は、給湯路41を開閉して、給湯路41を流れる湯の流量を調整する。給湯サーボ51の開度が調整されると、給湯路41を流れる湯の流量が調整される。また、給湯路41から混合路43に流れる湯の量が調整される。
また、給湯路41には、湯量センサ61と湯温サーミスタ71が設けられている。湯量センサ61は、給湯路41を流れる湯の流量を検出する。湯温サーミスタ71は、給湯路41を流れる湯の温度を検出する。給湯路41を流れる湯の温度は、例えば60℃である。
給水路42は、給湯路41と並列で配置されている。給水路42の上流端部は、図示省略する給水源に接続されている。給水源から給水路42に水が供給されている。給水路42の下流端部は、混合路43の上流端部に接続されている。給水路42は、給水源から供給された水を混合路43に供給する。
給水路42には、給水サーボ52(混合割合調整手段の一例、流量調整手段の一例)が設けられている。給水サーボ52は、給水路42を開閉して、給水路42を流れる水の流量を調整する。給水サーボ52の開度が調整されると、給水路42を流れる水の流量が調整される。また、給水路42から混合路43に流れる水の量が調整される。
また、給水路42には、水量センサ62と水温サーミスタ72が設けられている。水量センサ62は、給水路42を流れる水の流量を検出する。水温サーミスタ72は、給水路42を流れる水の温度を検出する。給水路42を流れる水の温度は、例えば15℃である。
混合路43は、給湯路41及び給水路42と直列に配置されている。混合路43では、給湯路41を流れた湯と給水路42を流れた水とが合流する。これによって、湯と水が混合される。上述した給湯サーボ51と給水サーボ52の開度が調整されることによって、混合路43で混合される湯と水の混合割合及び流量が調整される。
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、湯はり路44と、貯水路45と、貯水タンク31と、洗浄水路46と、排水路47とを備えている。
湯はり路44の上流端部は、混合路43の下流端部に接続されている。湯はり路44の下流端部には、湯はり口49が形成されている。湯はり口49は、浴槽20に向けて開口している。湯はり口49は、浴槽20の上面23より上側において浴槽20の内側に向けて開口している。湯はり路44は、混合路43で混合された湯を浴槽20に供給する。湯はり口49から浴槽20の内部に湯が供給される。
湯はり路44には、湯はり弁53が設けられている。湯はり弁53は、湯はり路44を開閉する。湯はり弁53が開状態になると、湯はり路44が開放され、湯はり路44を通じて浴槽20に湯が供給される。湯はり弁53が閉状態になると、湯はり路44が閉鎖され、浴槽20に湯が供給されなくなる。
また、湯はり路44には、湯はりサーミスタ73が設けられている。湯はりサーミスタ73は、湯はり路44を流れる湯の温度を検出する。湯はりサーミスタ73は、混合路43で湯と水が混合された後の湯の温度を検出する。
貯水路45は、湯はり路44と並列で配置されている。貯水路45の上流端部は、混合路43の下流端部に接続されている。貯水路45の下流端部は、貯水タンク31に接続されている。貯水路45は、混合路43で湯と水が混合された後の湯を貯水タンク31に供給する。貯水タンク31は、貯水路45によって供給された湯を貯える。なお、上述した給湯サーボ51が閉状態である場合は、給湯路41から混合路43に湯が供給されない。そのため、この場合は、混合路43で湯と水が混合されず、給水路42によって供給された水が、混合路43と貯水路45を通じて貯水タンク31に供給される。貯水タンク31は、貯水路45によって供給された水を貯える。以下では、貯水タンク31に貯えられている湯(または水)を洗浄水という。
貯水路45には、貯水弁54が設けられている。貯水弁54は、貯水路45を開閉する。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯(または水)が供給される。貯水弁54が閉状態になると、貯水路45が閉鎖され、貯水タンク31に湯(または水)が供給されなくなる。
また、貯水路45には、貯水サーミスタ74が設けられている。貯水サーミスタ74は、貯水路45を流れる湯(または水)の温度を検出する。貯水サーミスタ74は、混合路43で湯と水が混合された後の湯(または水)の温度を検出する。
洗浄水路46は、貯水タンク31と浴槽20の間に配置されている。洗浄水路46の上流端部は、貯水タンク31の底部に接続されている。洗浄水路46の下流端部は、浴槽20に取り付けられているノズル26に接続されている。洗浄水路46は、貯水タンク31に貯えられている洗浄水をノズル26に供給する。洗浄水路46は、湯はり路44と並列で配置されている。
洗浄水路46には、ポンプ32が設けられている。ポンプ32は、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水を圧送する。また、洗浄水路46には、洗浄水弁55が設けられている。洗浄水弁55は、洗浄水路46を開閉する。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46が開放され、洗浄水路46を通じてノズル26に洗浄水が供給される。洗浄水弁55が閉状態になると、洗浄水路46が閉鎖され、ノズル26に洗浄水が供給されなくなる。また、洗浄水路46には、混合器33が設けられている。混合器33については後述する。
排水路47は、洗浄水路46と並列で配置されている。排水路47の上流端部は、貯水タンク31の上部側面に接続されている。排水路47は、貯水路45の接続箇所より下側において貯水タンク31に接続されている。排水路47の下流端部には、出口48が形成されている。排水路47は、貯水タンク31に貯えられている余分な洗浄水を外部に排水する。出口48から洗浄水が排水される。
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、洗剤タンク12と洗剤路13を更に備えている。洗剤タンク12は、浴槽20を洗浄するための液体の洗剤を貯えている。洗剤タンク12は、洗浄水路46に設けられている混合器33より上側に配置されている。
洗剤路13の上流端部は、洗剤タンク12の底部に接続されている。洗剤路13の下流端部は、混合器33に接続されている。洗剤路13は、洗剤タンク12に貯えられている洗剤を混合器33に供給する。混合器33はベンチュリとなっており、洗浄水路46に洗浄水が流れることによって、洗剤タンク12に貯えられている洗剤が、洗剤路13を通じて、混合器33に導入される。混合器33に供給された洗剤は、洗浄水路46を流れる洗浄水と合流する。洗浄水と洗剤が混合器33で混合されて洗浄液が生成される。洗浄液は、浴槽20を洗浄するための洗剤と洗浄水が混合された液体である。生成された洗浄液は、洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。
洗剤路13には、第1洗剤弁14aと第2洗剤弁14bが設けられている。以下では、第1洗剤弁14aと第2洗剤弁14bをまとめて洗剤弁14という。洗剤弁14は、洗剤路13を開閉する。洗剤弁14が開状態になると、洗剤路13が開放され、洗剤路13を通じて混合器33に洗剤が供給される。混合器33で洗剤と洗浄水が混合される。この場合は、洗剤と洗浄水が混合された洗浄液が洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。一方、洗剤路13が閉状態になると、洗剤路13が閉鎖され、洗剤路13を通じて混合器33に洗剤が供給されなくなる。そのため、混合器33で洗剤と洗浄水が混合されない。この場合は、洗浄水のみが洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、リモコン200と制御装置100を備えている。リモコン200には、各種のスイッチが設けられている。例えば、リモコン200には、湯はりスイッチ201と、浴槽洗浄スイッチ202と、差し湯スイッチ204と、温度スイッチ203とが設けられている。湯はりスイッチ201は、浴槽20に湯はりをするためのスイッチである。浴槽洗浄スイッチ202は、浴槽20を洗浄するためのスイッチである。差し湯スイッチ204は、浴槽20に貯えられている湯に差し湯をするためのスイッチである。
温度スイッチ203は、湯はり設定温度、洗浄設定温度、及び、差し湯設定温度を設定するためのスイッチである。湯はり設定温度は、浴槽20に湯はりをするときに浴槽20に供給される湯の温度である。湯はり設定温度は、予め決められた温度範囲(例えば、33℃から48℃)においてユーザによって設定される。湯はり設定温度は、例えば40℃である。洗浄設定温度は、浴槽20を洗浄するときにノズル26に供給される湯の温度である。洗浄設定温度は、予め決められた温度範囲(例えば、33℃から50℃)においてユーザによって設定される。ユーザによって設定される洗浄設定温度は、湯はり設定温度より高温であっても低温であってもよい。洗浄設定温度は、例えば48℃である。差し湯設定温度は、浴槽20に差し湯をするときに浴槽20に供給される湯の温度である。差し湯設定温度は、予め決められた温度範囲(例えば、33℃から60℃)においてユーザによって設定される。差し湯設定温度は、湯はり設定温度よりも高温の設定(例えば、60℃)が可能である。ユーザによって設定される差し湯設定温度は、湯はり設定温度より高温であっても低温であってもよい。差し湯設定温度は、例えば60℃である。
制御装置100は、CPU(図示省略)とメモリ101を備えている。制御装置100のメモリ101には、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度の情報と、給水路42に設けられている給水サーボ52の開度の情報とが記憶される。制御装置100は、浴槽洗浄システム2の動作を制御する。制御の詳細については後述する。
次に、上記の浴槽洗浄システム2の動作について説明する。上記の浴槽洗浄システム2は、湯はり運転と浴槽洗浄運転を実行可能に構成されている。上記の浴槽洗浄システム2では、例えば、湯はり運転と浴槽洗浄運転が順に実行される。例えば、湯はり運転が実行された後に浴槽洗浄運転が実行され、その後に再び湯はり運転が実行される。湯はり運転と浴槽洗浄運転が実行される順は特に限定されるものではない。例えば、複数回の湯はり運転が連続で実行されもよいし、複数回の浴槽洗浄運転が連続で実行されもよい。
(湯はり運転)
次に、上記の浴槽洗浄システム2で実行される湯はり運転について説明する。湯はり運転は、浴槽20に湯はりをする運転である。上記の浴槽洗浄システム2では、図2に示すように、S101でリモコン200の湯はりスイッチ201がオンになると、湯はり指示信号がリモコン200から制御装置100に送信される。例えば、浴槽洗浄システム2が設置されている介護施設の介護士が、リモコン200の湯はりスイッチ201をオンにすると、湯はり運転処理が開始され、湯はり指示信号が制御装置100に送信される。
制御装置100は、湯はり指示信号を受信すると、続くS102で、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度を、前回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整する。また、制御装置100は、給水路42に設けられている給水サーボ52の開度を、前回の湯はり運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する。
前回の湯はり運転は、現在の湯はり運転より1回前に実行された湯はり運転である。例えば、複数回の湯はり運転が連続で実行された場合は、現在の湯はり運転の直前の湯はり運転が前回の湯はり運転に該当する。また、例えば、湯はり運転と浴槽洗浄運転が交互に実行された場合は、現在の湯はり運転の直前の浴槽洗浄運転の直前の湯はり運転が前回の湯はり運転に該当する。また、前回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度とは、制御装置100のメモリ101に記憶されている。これらの開度は、前回の湯はり運転が終了したときに制御装置100がメモリ101に記憶した開度である。
続いてS103では、制御装置100が、湯はり運転を開始する。具体的には、制御装置100が、湯はり路44に設けられている湯はり弁53を開状態にする。湯はり弁53が開状態になると、湯はり路44を通じて湯が流れるようになる。また、湯はり運転が開始されると、給湯路41を通じて湯が供給されると共に、給水路42を通じて水が供給される。給湯路41から供給された湯と、給水路42から供給された水とが、混合路43で混合される。給湯路41を流れる湯と給水路42を流れる水とが混合路43で合流し、湯と水が混合された後の湯が混合路43を流れる。混合路43で混合された後の湯は、湯はり路44を通じて浴槽20に供給される。湯はり路44の下流端部の湯はり口49から浴槽20に湯が供給される。このようにして湯はりが行われる。
また、S103では、制御装置100が、貯水路45に設けられている貯水弁54を閉状態にする。貯水弁54が閉状態になると、貯水路45が閉鎖され、貯水タンク31に湯(または水)が供給されなくなる。また、制御装置100が、洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を閉状態にする。洗浄水弁55が閉状態になると、洗浄水路46が閉鎖され、ノズル26に洗浄水が供給されなくなる。また、制御装置100が、洗浄水路46に設けられているポンプ32を停止させる。ポンプ32が停止すると、洗浄水が圧送されなくなる。
続いてS104では、制御装置100が、湯はりに関する所定の条件が成立したか否かを判断する。所定の条件は、例えば、給湯路41に設けられている湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上であるか否かである。所定の温度は、例えば、直前の湯はり運転または浴槽洗浄運転が終了したときの湯温サーミスタ71の検出温度マイナス5℃である。湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上である場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S104でYES)、S105に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S104でNOと判断して待機する。なお、湯はりに関する所定の条件は、例えば、湯はり運転が開始されてから所定の時間(例えば、30秒)が経過したか否かであってもよい。湯はり運転が開始されてから所定の時間(例えば、30秒)が経過した場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S104でYES)、S105に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S104でNOと判断して待機する。
続いてS105では、制御装置100が、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整する。給湯サーボ51の開度が調整されると、給湯路41を流れる湯の流量が調整される。また、給水サーボ52の開度が調整されると、給水路42を流れる水の流量が調整される。給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度が調整されると、混合路43を流れる湯の流量が調整される。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整することによって、混合路43で混合される湯と水の流量を調整する。すなわち、制御装置100は、湯と水の混合割合を調整する。制御装置100は、混合路43で混合された後の湯の温度が湯はり設定温度になるように、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する。制御装置100は、湯はり路44に設けられている湯はりサーミスタ73の検出温度が湯はり設定温度になるように、湯と水の混合割合を調整する。湯はり設定温度は、例えば40℃である。湯はり運転において、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯の流量(混合路43を流れる湯の流量)は、例えば20L/minである。なお、湯はり運転においては、迅速な湯はり運転の完了が所望されるため、混合路43を流れる湯の流量が可能な限り多くなるように(すなわち、最大流量となるように)湯と水の混合割合が調整される。具体的には、給湯サーボ51と給水サーボ52の一方の開度が全開にされ、他方の開度が調整されることによって、湯と水の混合割合が調整される。
続いてS106では、制御装置100が、湯はり運転が終了したか否かを判断する。湯はり運転は、例えば所定の湯量(例えば200リットル)の湯が浴槽20に供給されると終了する。あるいは、湯はり運転は、例えばリモコン200の湯はりスイッチ201がオフになると終了する。湯はり運転が終了した場合は、制御装置100がS106でYESと判断してS107に進む。そうでない場合は、制御装置100がS106でNOと判断して待機する。制御装置100は、湯はり運転が終了すると、その情報をメモリ101に記憶する。
続いてS107では、制御装置100が、今回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶する。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶することによって、今回の湯はり運転が終了したときの湯と水の混合割合をメモリ101に記憶する。また、制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶することによって、今回の湯はり運転が終了したときの混合路43を流れる湯の流量をメモリ101に記憶する。
続いてS108では、制御装置100が、リモコン200の湯はりスイッチ201がオンになるまで待機する。すなわち、制御装置100が、次回の湯はり運転が開始されるまで待機する。制御装置100は、次回の湯はり運転を開始する場合は、給湯サーボ51の開度を、今回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整し、給水サーボ52の開度を、今回の湯はり運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する(S102参照)。
湯はり運転では、前回の湯はり運転のときと同一の湯はり設定温度で湯はり運転を実行することが多く、給湯路41及び給水路42を流れる湯及び水の温度も前回の湯はり運転のときと略同一もしくは近いことが多い。
したがって、上記の構成によれば、湯はり運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合に調整し、所定の条件(例えば、給湯路41に設けられている湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上)が成立すると、混合路43で混合された後の湯の温度が湯はり設定温度になるように、湯と水の混合割合を調整するため、湯はり運転に適した温度(すなわち、湯はり設定温度)及び湯はり運転に適した流量(すなわち、最大流量)の湯を素早く浴槽20に供給することができる。
湯はり運転が実行された後に、浴槽洗浄システム2のユーザが浴槽20を使用すると、浴槽20の内側面22に汚れが付着することがある。例えば、介護施設の入所者が浴槽20で入浴をすることによって、浴槽20の内側面22に汚れが付着することがある。より詳細には、介護施設の入所者が浴槽20で入浴をした後に、浴槽20内の湯を排水すると、浴槽20の内側面22に皮脂汚れが付着することがある。また、浴槽20の内側面22に髪の毛が付着することがある。
(浴槽洗浄運転)
次に、上記の浴槽洗浄システム2で実行される浴槽洗浄運転について説明する。浴槽洗浄運転は、浴槽20を洗浄する運転である。上記の浴槽洗浄システム2では、図3に示すように、S201でリモコン200の浴槽洗浄スイッチ202がオンになると、洗浄指示信号がリモコン200から制御装置100に送信される。例えば、浴槽洗浄システム2が設置されている介護施設の介護士が、リモコン200の浴槽洗浄スイッチ202をオンにすると、浴槽洗浄運転処理が開始され、洗浄指示信号が制御装置100に送信される。
制御装置100は、洗浄指示信号を受信すると、続くS202で、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの開度に調整する。また、制御装置100は、給水路42に設けられている給水サーボ52の開度を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する。
前回の浴槽洗浄運転は、現在の浴槽洗浄運転より1回前に実行された浴槽洗浄運転である。例えば、複数回の浴槽洗浄運転が連続で実行された場合は、現在の浴槽洗浄運転の直前の浴槽洗浄運転が前回の浴槽洗浄運転に該当する。また、例えば、湯はり運転と浴槽洗浄運転が交互に実行された場合は、現在の浴槽洗浄運転の直前の湯はり運転の直前の浴槽洗浄運転が前回の浴槽洗浄運転に該当する。また、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度とは、制御装置100のメモリ101に記憶されている。これらの開度は、前回の浴槽洗浄運転が終了したときに制御装置100がメモリ101に記憶した開度である。
続いてS203では、制御装置100が、浴槽洗浄運転を開始する。浴槽洗浄運転では、例えば予備洗浄工程と、洗浄液噴射工程と、すすぎ工程とが実行される。制御装置100が、予備洗浄工程と、洗浄液噴射工程と、すすぎ工程とを順に実行する。制御装置100は、予備洗浄工程と洗浄液噴射工程のそれぞれを複数回実行してもよい。例えば、制御装置100は、予備洗浄工程→洗浄液噴射工程→予備洗浄工程→洗浄液噴射工程→すすぎ工程の順で各工程を実行してもよい。
また、S203では、制御装置100が、湯はり路44に設けられている湯はり弁53を閉状態にする。湯はり弁53が閉状態になると、湯はり路44が閉鎖され、浴槽20に湯が供給されなくなる。
次に、浴槽洗浄運転の予備洗浄工程について説明する。予備洗浄工程は、浴槽20の内側面22に洗浄水を噴射する工程である。予備洗浄工程では、制御装置100が、貯水路45に設けられている貯水弁54を開状態にする。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯(または水)が供給される。また、制御装置100が、洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46を通じて洗浄水が流れるようになる。また、制御装置100が、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。ノズル26に圧送された洗浄水は、ノズル26から浴槽20の内側面22に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から内側面22に向けて洗浄水を噴射する。洗浄水の噴射時間は、例えば40秒である。ノズル26から噴射された洗浄水は、浴槽20の内側面22に付着している皮脂汚れに浸透する。なお、浴槽20の内側面22に噴射される洗浄水は、浴槽20の内側面22に噴射される湯の一例である。
浴槽洗浄運転の予備洗浄工程は、待機工程を含んでいる。待機工程は、洗浄水と洗浄液を噴射せずに待機する工程である。予備洗浄工程の待機工程は、浴槽20の内側面22に向けて洗浄水が噴射された後に実行される。待機工程では、制御装置100が、洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を閉状態にする。また、制御装置100は、洗浄水路46に設けられているポンプ32を停止させる。また、制御装置100は、洗剤路13に設けられている洗剤弁14を閉状態にする。待機工程では、ノズル26から洗浄水と洗浄液が噴射されなくなる。予備洗浄工程の待機工程における待機時間は、例えば5秒である。予備洗浄工程の待機工程では、浴槽20の内側面22に付着している皮脂汚れに洗浄水が十分に浸透する。これによって、皮脂汚れが洗い流されやすくなる。
次に、浴槽洗浄運転の洗浄液噴射工程について説明する。洗浄液噴射工程は、浴槽20の内側面22に洗浄液を噴射する工程である。洗浄液噴射工程では、制御装置100が、洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。洗浄水弁55が開状態になると、貯水タンク31に貯えられている洗浄水が、洗浄水路46を通じて流れるようになる。また、洗浄液噴射工程では、制御装置100が、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。
また、洗浄液噴射工程では、制御装置100が、洗剤路13に設けられている洗剤弁14を開状態にする。洗剤弁14が開状態になると、洗剤路13を通じて洗剤が流れるようになる。そうすると、洗剤タンク12に貯えられていた洗剤が、洗剤路13を通じて洗浄水路46に供給される。洗浄水路46に供給された洗剤が、洗浄水路46を流れる洗浄水と合流する。これによって、洗浄水と洗剤が混合されて洗浄液が生成される。生成された洗浄液は、洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。ノズル26に供給された洗浄液は、ノズル26から浴槽20の内側面22に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から内側面22に向けて洗浄液を噴射する。洗浄液の噴射時間は、例えば1秒である。ノズル26から噴射された洗浄液は、浴槽20の内側面22に付着する。浴槽20の内側面22に付着した洗浄液は、その内側面22に付着している皮脂汚れや髪の毛に絡みつく。なお、浴槽20の内側面22に噴射される洗浄液は、浴槽20の内側面22に噴射される湯の一例である。
浴槽洗浄運転の洗浄液噴射工程は、待機工程を含んでいる。洗浄液噴射工程の待機工程は、浴槽20の内側面22に向けて洗浄液が噴射された後に実行される。洗浄液噴射工程の待機工程における待機時間は、例えば40秒である。洗浄液噴射工程の待機工程では、浴槽20の内側面22に付着している皮脂汚れに洗浄液が浸透する。洗浄液噴射工程の待機工程については、上述した予備洗浄工程の待機工程と同様であるので詳細な説明を省略する。
次に、浴槽洗浄運転のすすぎ工程について説明する。すすぎ工程は、浴槽20の内側面22に洗浄水を噴射する工程である。すすぎ工程では、制御装置100が、貯水路45に設けられている貯水弁54を開状態にする。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯(または水)が供給される。また、制御装置100が、洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46を通じて洗浄水が流れるようになる。また、制御装置100が、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。ノズル26に圧送された洗浄水は、ノズル26から浴槽20の内側面22に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から内側面22に向けて洗浄水を噴射する。洗浄水の噴射時間は、例えば90秒である。ノズル26から噴射された洗浄水は、浴槽20の内側面22に付着している洗浄液を洗い流す。そのときに、洗浄液が絡みついている皮脂汚れや髪の毛が洗い流される。なお、浴槽20の内側面22に噴射される洗浄水は、浴槽20の内側面22に噴射される湯の一例である。
図3に示すように、上記のS203で浴槽洗浄運転が開始された後のS204では、制御装置100が、浴槽洗浄に関する所定の条件が成立したか否かを判断する。S204の処理は、上記のS203で開始された浴槽洗浄運転における予備洗浄工程が実行されている間に実行される。S204における所定の条件は、例えば、給湯路41に設けられている湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上であるか否かである。所定の温度は、例えば、直前の湯はり運転または浴槽洗浄運転が終了したときの湯温サーミスタ71の検出温度マイナス5℃である。湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上である場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S204でYES)、S205に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S204でNOと判断して待機する。なお、浴槽洗浄に関する所定の条件は、例えば、浴槽洗浄運転が開始されてから所定の時間(例えば、30秒)が経過したか否かであってもよい。浴槽洗浄運転が開始されてから所定の時間(例えば、30秒)が経過した場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S204でYES)、S205に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S204でNOと判断して待機する。
続いてS205では、制御装置100が、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整する。S205の処理は、上記のS203で開始された浴槽洗浄運転における予備洗浄工程が実行されている間に実行される。給湯サーボ51の開度が調整されると、給湯路41を流れる湯の流量が調整される。また、給水サーボ52の開度が調整されると、給水路42を流れる水の流量が調整される。給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度が調整されると、混合路43を流れる湯の流量が調整される。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整することによって、混合路43で混合される湯と水の流量を調整する。すなわち、制御装置100は、湯と水の混合割合を調整する。制御装置100は、混合路43で混合された後の湯の温度が洗浄設定温度になるように、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する。制御装置100は、貯水路45に設けられている貯水サーミスタ74の検出温度が洗浄設定温度になるように、湯と水の混合割合を調整する。洗浄設定温度は、例えば浴槽洗浄に適した湯の温度(例えば48℃)である。また、本実施例では、浴槽洗浄運転における洗浄設定温度は、湯はり運転における湯はり設定温度より高温である。
制御装置100は、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する際に、混合路43で混合された後の湯の流量が浴槽洗浄に適した湯の流量になるように調整する。浴槽洗浄運転では、浴槽20の内側面22に洗浄水を噴射するために、洗浄水を適切な流量でノズル26に供給する必要がある。したがって、ポンプ32で洗浄水を圧送するときに適切な流量で洗浄水を圧送する必要がある。そのために、混合路43から貯水タンク31に供給される湯の流量を適切な流量にする必要がある。浴槽洗浄運転において、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯の流量(混合路43を流れる湯の流量)は、例えば5L/minである。浴槽洗浄運転において混合路43を流れる湯の流量(例えば5L/min)は、湯はり運転において混合路43を流れる湯の流量(例えば20L/min)より少ない。
続いてS206では、制御装置100が、浴槽洗浄運転が終了したか否かを判断する。浴槽洗浄運転は、例えば浴槽洗浄運転の各工程(予備洗浄工程、洗浄液噴射工程、すすぎ工程)が終了すると終了する。あるいは、浴槽洗浄運転は、例えばリモコン200の浴槽洗浄スイッチ202がオフになると終了する。浴槽洗浄運転が終了した場合は、制御装置100がS206でYESと判断してS207に進む。そうでない場合は、制御装置100がS206でNOと判断して待機する。制御装置100は、浴槽洗浄運転が終了すると、その情報をメモリ101に記憶する。
続いてS207では、制御装置100が、今回の浴槽洗浄運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶する。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶することによって、今回の浴槽洗浄運転が終了したときの湯と水の混合割合をメモリ101に記憶する。また、制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶することによって、今回の浴槽洗浄運転が終了したときの混合路43を流れる湯の流量をメモリ101に記憶する。
続いてS208では、制御装置100が、リモコン200の浴槽洗浄スイッチ202がオンになるまで待機する。すなわち、制御装置100が、次回の浴槽洗浄運転が開始されるまで待機する。制御装置100は、次回の浴槽洗浄運転を開始する場合は、給湯サーボ51の開度を、今回の浴槽洗浄運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整し、給水サーボ52の開度を、今回の浴槽洗浄運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する(S202参照)。
浴槽洗浄運転では、前回の浴槽洗浄運転のときと同一の洗浄設定温度で浴槽洗浄運転を実行することが多く、給湯路41及び給水路42を流れる湯及び水の温度も前回の浴槽洗浄運転のときと略同一もしくは近いことが多い。
したがって、上記の構成によれば、浴槽洗浄運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52での湯と水の混合割合を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの混合割合に調整し、所定の条件(例えば、給湯路41に設けられている湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上)が成立すると、混合路43で混合された後の湯の温度が洗浄設定温度になるように、湯と水の混合割合を調整するため、浴槽洗浄運転に適した温度(すなわち、洗浄設定温度)及び浴槽洗浄運転に適した流量(すなわち、湯はり運転での流量より少ない流量)の湯を素早く浴槽20に供給することができる。
以上、第1実施例に係る浴槽洗浄システム2について説明した。上述したように、浴槽洗浄システム2は、浴槽20と、浴槽20の内部に湯を供給するための湯はり口49と、浴槽20の内側面22に湯を噴射するためのノズル26とを備えている。また、浴槽洗浄システム2は、湯を供給する給湯路41と、水を供給する給水路42と、給湯路41から供給された湯と給水路42から供給された水とが混合された湯が流れる混合路43とを備えている。また、浴槽洗浄システム2は、給湯路41から供給された湯と給水路42から供給された水とが混合されるときの混合割合を調整する給湯サーボ51と給水サーボ52を備えている。また、浴槽洗浄システム2は、混合路43を流れた湯を湯はり口49に供給する湯はり路44と、混合路43を流れた湯をノズル26に供給する洗浄水路46と、洗浄水路46に洗剤を供給する洗剤路13とを備えている。浴槽洗浄システム2は、湯はり路44を通じて湯はり設定温度の湯を湯はり口49に供給して湯はり口49から浴槽20に湯を供給する湯はり運転を実行可能に構成されている(図2参照)。また、浴槽洗浄システム2は、洗浄水路46を通じて洗浄設定温度の湯をノズル26に供給してノズル26から浴槽20の内側面22に湯を噴射する浴槽洗浄運転を実行可能に構成されている(図3参照)。制御装置100は、湯はり運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合に調整する(図2のS102参照)。また、制御装置100は、浴槽洗浄運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの混合割合に調整する(図3のS202参照)。
この構成によれば、湯はり運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合に調整することによって、湯はり運転に適した混合割合にすることができる。そのため、湯はり運転で要求される温度の湯を素早く浴槽20に供給することができる。また、浴槽洗浄運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの混合割合に調整することによって、浴槽洗浄運転に適した混合割合にすることができる。そのため、浴槽洗浄運転で要求される温度の湯を素早くノズル26に供給することができる。以上より、上記の浴槽洗浄システム2によれば、湯はり運転と浴槽洗浄運転で要求される湯の温度が異なっていても、それぞれで要求される温度の湯を素早く供給することができる。
また、浴槽洗浄システム2は、混合路43を流れる湯の流量を調整する給湯サーボ51と給水サーボ52を備えている。制御装置100は、湯はり運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される混合路43を流れる湯の流量を、前回の湯はり運転が終了したときの流量に調整する(図2のS102参照)。また、制御装置100は、浴槽洗浄運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される混合路43を流れる湯の流量を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの流量に調整する(図3のS202参照)。
この構成によれば、湯はり運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯の流量を、前回の湯はり運転が終了したときの流量に調整することによって、湯はり運転に適した流量にすることができる。そのため、湯はり運転で要求される流量の湯を素早く浴槽20に供給することができる。また、浴槽洗浄運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯の流量を、前回の浴槽洗浄運転が終了したときの流量に調整することによって、浴槽洗浄運転に適した流量にすることができる。そのため、浴槽洗浄運転で要求される流量の湯を素早くノズル26に供給することができる。以上より、上記の浴槽洗浄システム2によれば、湯はり運転と浴槽洗浄運転で要求される湯の流量が異なっていても、それぞれで要求される流量の湯を素早く供給することができる。
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
(第2実施例)
第2実施例に係る浴槽洗浄システム2は、差し湯運転を実行可能に構成されている。差し湯運転は、湯はり運転が実行された後に、浴槽20に湯が貯えられている状態で実行される。差し湯運転は、浴槽20に貯えられている湯に差し湯をする運転である。差し湯運転は、湯はり運転での湯はり設定温度より高温の設定が可能な差し湯設定温度の湯を浴槽20に供給する運転である。例えば、湯はり設定温度が40℃であり、差し湯設定温度が60℃である。差し湯運転での差し湯設定温度が湯はり運転での湯はり設定温度より高温である場合には、高温の湯が浴槽20に供給されることによって浴槽20に貯えられている湯の温度が上昇する。一方、差し湯運転での差し湯設定温度が湯はり運転での湯はり設定温度より低温である場合には、低温の湯が浴槽20に供給されることによって浴槽20に貯えられている湯の温度が低下する。また、差し湯運転での差し湯設定温度が湯はり運転での湯はり設定温度と同じである場合には、浴槽20に貯えられている湯の温度が変化せずに湯量が増加する。上記の浴槽洗浄システム2では、複数回の差し湯運転が連続で実行されてもよい。
(第1の差し湯運転)
次に、第1の差し湯運転について説明する。上記の浴槽洗浄システム2では、図4に示すように、S301でリモコン200の差し湯スイッチ204がオンになると、差し湯指示信号がリモコン200から制御装置100に送信される。例えば、浴槽洗浄システム2が設置されている介護施設の入所者が、リモコン200の差し湯スイッチ204をオンにすると、第1の差し湯運転処理が開始され、差し湯指示信号が制御装置100に送信される。
制御装置100は、差し湯指示信号を受信すると、続くS302で、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度を、前回の差し湯運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整する。また、制御装置100は、給水路42に設けられている給水サーボ52の開度を、前回の差し湯運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する。
前回の差し湯運転は、現在の差し湯運転より1回前に実行された差し湯運転である。例えば、複数回の差し湯運転が連続で実行された場合、現在の差し湯運転の直前の差し湯運転が前回の差し湯運転に該当する。また、差し湯運転が実行され、その後に湯はり運転が実行され、更にその後に差し湯運転が実行された場合、湯はり運転の直前の差し湯運転が前回の差し湯運転に該当する。前回の差し湯運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度とは、制御装置100のメモリ101に記憶されている。これらの開度は、前回の差し湯運転が終了したときに制御装置100がメモリ101に記憶した開度である。
続いてS303では、制御装置100が、差し湯運転を開始する。具体的には、制御装置100が、湯はり路44に設けられている湯はり弁53を開状態にする。湯はり弁53が開状態になると、湯はり路44を通じて湯が流れるようになる。また、差し湯運転が開始されると、給湯路41を通じて湯が供給されると共に、給水路42を通じて水が供給される。給湯路41によって供給された湯と、給水路42によって供給された水とが、混合路43で混合される。給湯路41を流れる湯と給水路42を流れる水とが混合路43で合流し、湯と水が混合された後の湯が混合路43を流れる。混合路43で混合された後の湯は、湯はり路44を通じて浴槽20に供給される。湯はり路44の下流端部の湯はり口49から浴槽20に湯が供給される。このようにして差し湯が行われる。
第1の差し湯運転では、前回の差し湯運転が終了したときの差し湯設定温度が湯はり設定温度より高温である場合には、今回の差し湯運転が開始されたときに、水に対する湯の混合割合が、その前の湯はり運転での水に対する湯の混合割合より大きくなる。そのため、この場合には、今回の差し湯運転が開始されたときに浴槽20に供給される湯の温度が、その前の湯はり運転での湯はり設定温度より高温になる。湯はり設定温度より高温の湯が浴槽20に供給される。
また、第1の差し湯運転では、前回の差し湯運転が終了したときの差し湯設定温度が湯はり設定温度より低温である場合には、今回の差し湯運転が開始されたときに、水に対する湯の混合割合が、その前の湯はり運転での水に対する湯の混合割合より小さくなる。そのため、この場合には、今回の差し湯運転が開始されたときに浴槽20に供給される湯の温度が、その前の湯はり運転での湯はり設定温度より低温になる。湯はり設定温度より低温の湯が浴槽20に供給される。
図4に示すように、上記のS303で差し湯運転が開始された後のS304では、制御装置100が、差し湯に関する所定の条件が成立したか否かを判断する。所定の条件は、例えば、給湯路41に設けられている湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上であるか否かである。所定の温度は、例えば、直前の湯はり運転または浴槽洗浄運転あるいは差し湯運転が終了したときの湯温サーミスタ71の検出温度マイナス5℃である。湯温サーミスタ71の検出温度が所定の温度以上である場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S304でYES)、S305に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S304でNOと判断して待機する。なお、差し湯に関する所定の条件は、例えば、差し湯運転が開始されてから所定の時間(例えば、30秒)が経過したか否かであってもよい。差し湯運転が開始されてから所定の時間(例えば、30秒)が経過した場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S304でYES)、S305に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S304でNOと判断して待機する。
続いてS305では、制御装置100が、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整する。給湯サーボ51の開度が調整されると、給湯路41を流れる湯の流量が調整される。また、給水サーボ52の開度が調整されると、給水路42を流れる水の流量が調整される。給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度が調整されると、混合路43を流れる湯の流量が調整される。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整することによって、混合路43で混合される湯と水の流量を調整する。すなわち、制御装置100は、湯と水の混合割合を調整する。制御装置100は、混合路43で混合された後の湯の温度が差し湯設定温度になるように、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する。制御装置100は、湯はり路44に設けられている湯はりサーミスタ73の検出温度が差し湯設定温度になるように、湯と水の混合割合を調整する。差し湯設定温度は、例えば60℃である。差し湯運転において、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯の流量(混合路43を流れる湯の流量)は、例えば20L/minである。なお、差し湯運転においても、湯はり運転と同様に、迅速な差し湯運転の完了が所望されるため、混合路43を流れる湯の流量が可能な限り多くなるように湯と水の混合割合が調整される。具体的には、給湯サーボ51と給水サーボ52の一方の開度が全開にされ、他方の開度が調整されることによって、湯と水の混合割合が調整される。
続いてS306では、制御装置100が、差し湯運転が終了したか否かを判断する。差し湯運転は、例えば所定の湯量(例えば10リットル)の湯が浴槽20に供給されると終了する。あるいは、差し湯運転は、例えばリモコン200の差し湯スイッチ204がオフになると終了する。差し湯運転が終了した場合は、制御装置100がS306でYESと判断してS307に進む。そうでない場合は、制御装置100がS306でNOと判断して待機する。制御装置100は、差し湯運転が終了すると、その情報をメモリ101に記憶する。
続いてS307では、制御装置100が、今回の差し湯運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶する。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶することによって、今回の差し湯運転が終了したときの湯と水の混合割合をメモリ101に記憶する。また、制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶することによって、今回の差し湯運転が終了したときの混合路43を流れる流量をメモリ101に記憶する。
続いてS308では、制御装置100が、リモコン200の差し湯スイッチ204がオンになるまで待機する。すなわち、制御装置100が、次回の差し湯運転が開始されるまで待機する。制御装置100は、次回の差し湯運転を開始する場合は、給湯サーボ51の開度を、今回の差し湯運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整し、給水サーボ52の開度を、今回の差し湯運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する(S302参照)。
以上、第2実施例に係る浴槽洗浄システム2について説明した。上述したように、第2実施例に係る浴槽洗浄システム2は、浴槽20に湯が貯えられている状態において湯はり路44を通じて湯はり設定温度よりも高温の設定が可能な差し湯設定温度の湯を湯はり口49に供給して湯はり口49から浴槽20に湯を供給する差し湯運転を実行可能に構成されている。浴槽洗浄システム2の制御装置100は、差し湯運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の差し湯運転が終了したときの混合割合に調整する(図4のS302参照)。
この構成によれば、差し湯運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52での湯と水の混合割合を、前回の差し湯運転が終了したときの混合割合に調整することによって、差し湯運転に適した混合割合にすることができる。そのため、差し湯運転で要求される温度の湯を素早く供給することができる。
差し湯運転で浴槽20に供給される湯の量は、通常は、湯はり運転で浴槽20に供給される湯の量より少ない。したがって、差し湯運転が開始されてから終了するまでの時間は、湯はり運転でのそれに比べて短い。そのため、差し湯運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52での湯と水の混合割合を素早く差し湯運転に適した混合割合にしなければ、差し湯運転で要求される温度の湯を浴槽20に供給する前に差し湯運転が終了してしまうことが考えられる。すなわち、例えば湯はり運転での湯と水の混合割合から差し湯運転での湯と水の混合割合に調整するために時間を要する場合には、差し湯運転に適した混合割合になる前に差し湯運転が終了してしまうことが考えられる。上記の構成によれば、差し湯運転が開始される場合に給湯サーボ51と給水サーボ52での湯と水の混合割合を前回の差し湯運転が終了したときの混合割合に調整することによって、今回の差し湯運転が終了する前に、差し湯運転で要求される温度の湯を浴槽20に素早く供給することができる。その結果、差し湯運転を十分に機能させることができる。差し湯設定温度が湯はり設定温度より高温である場合には、浴槽20に貯えられている湯の温度を確実に上昇させることができる。
また、上記の浴槽洗浄システム2では、制御装置100が、差し湯運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される混合路43を流れる湯の流量を、前回の差し湯運転が終了したときの流量に調整する(図4のS302参照)。
この構成によれば、差し湯運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される流量を、前回の差し湯運転が終了したときの流量に調整することによって、差し湯運転に適した流量にすることができる。そのため、差し湯運転で要求される流量の湯を素早く浴槽20に供給することができる。
(第3実施例:第2の差し湯運転)
次に、第2の差し湯運転について説明する。以下の説明において、上述の第1の差し湯運転における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2の差し湯運転処理では、図5に示すように、制御装置100が、上記のS301の処理の後にS402の処理を実行する。S402では、制御装置100が、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度を、前回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整する。また、制御装置100は、S402で給水路42に設けられている給水サーボ52の開度を、前回の湯はり運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する。
前回の湯はり運転は、現在の差し湯運転より1回前に実行された湯はり運転である。例えば、湯はり運転が実行された直後に、浴槽20に湯が貯えられている状態で差し湯運転が連続で実行された場合、現在の差し湯運転の直前の湯はり運転が前回の湯はり運転に該当する。前回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度とは、制御装置100のメモリ101に記憶されている。これらの開度は、前回の湯はり運転が終了したときに制御装置100がメモリ101に記憶した開度である(図2のS107参照)。
続いてS303では、制御装置100が、差し湯運転を開始する。第2の差し湯運転では、差し湯運転が開始されたときに、水に対する湯の混合割合が、前回の湯はり運転が終了したときの水に対する湯の混合割合と同じである。そのため、第2の差し湯運転では、差し湯運転が開始されたときに浴槽20に供給される湯の温度が、前回の湯はり運転が終了したときの湯はり設定温度と同じ温度になる。湯はり設定温度の湯が浴槽20に供給される。
続いてS304では、制御装置100が、差し湯に関する所定の条件が成立したか否かを判断する。S304の処理は、湯はり設定温度の湯が浴槽20に供給されている間に実行される。制御装置100は、所定の条件が成立した場合はS305に進み(S304でYES)、そうでない場合は待機する(S304でNO)。
続いてS305では、制御装置100が、混合路43で混合された後の湯の温度が差し湯設定温度(例えば60℃)になるように、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する。
また、第2の差し湯運転では、制御装置100は、差し湯運転が終了した場合は(S306でYES)、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶せずに待機する(S308)。制御装置100は、リモコン200の差し湯スイッチ204がオンになるまで待機する。すなわち、制御装置100は、次回の差し湯運転が開始されるまで待機する。
以上、第3実施例に係る浴槽洗浄システム2について説明した。上述したように、第3実施例に係る浴槽洗浄システム2は、浴槽20に湯が貯えられている状態において湯はり路44を通じて湯はり設定温度よりも高温の設定が可能な差し湯設定温度の湯を湯はり口49に供給して湯はり口49から浴槽20に湯を供給する差し湯運転を実行可能に構成されている。浴槽洗浄システム2の制御装置100は、差し湯運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合に調整する(図5のS402参照)。
この構成によれば、差し湯運転が開始される場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52での湯と水の混合割合を、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合に調整することによって、差し湯運転が開始される当初に(具体的には、差し湯に関する所定の条件が成立するまでは)湯はり設定温度より高温の湯が浴槽20に供給されないようにすることができる。そのため、差し湯運転が開始されたときに、急に高温の湯が浴槽20に供給されることがないので、浴槽20で入浴をしているユーザが意図しない高温の湯によって不快を覚えることを防ぐことができる。
上記の浴槽洗浄システム2が例えば介護施設で使用される場合は、衛生上の理由等から、浴槽20で入浴をするユーザ(例えば介護施設の入所者)毎に浴槽20内の湯が入れ替えられ、ユーザ毎に湯はり運転が実行されることがある。この場合に、あるユーザが浴槽20で入浴をしているときに、他のユーザが以前に浴槽20で入浴をしたときの差し湯運転での差し湯設定温度が適用されると、現在のユーザが不快を覚えることがある。例えば、他のユーザが以前に浴槽20で入浴をしたときの差し湯運転での差し湯設定温度が高温(例えば、60℃)であり、現在のユーザが浴槽20で入浴をするときの差し湯運転での差し湯設定温度が湯はり設定温度と同程度(例えば、42℃)であるとする。この場合に、上述した第1の差し湯運転(第2実施例)のように、今回の差し湯運転を開始するときの湯と水の混合割合を、前回の差し湯運転が終了したときの混合割合に調整したとする。そうすると、この場合には、上記のS305で制御装置100が湯と水の混合割合を調整するまでは、現在のユーザが意図しない高温の湯が浴槽20に供給されることになる。すなわち、混合路43で混合された後の湯の温度が今回の差し湯設定温度(例えば、42℃)になるように湯と水の混合割合が調整されるまでは、前回の差し湯設定温度(例えば、60℃)の湯が浴槽20に供給されることになる。そのため、現在のユーザが不快を覚えることがある。
しかしながら、上記の構成によれば、今回の差し湯運転が開始されるときの湯と水の混合割合が、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合となる。すわなち、今回の差し湯運転が開始されるときに、混合路43で混合された後の湯の温度が差し湯設定温度(例えば、60℃)よりも低い湯はり設定温度(例えば、40℃)となる。したがって、現在のユーザが意図しない高温の湯が浴槽20に供給されることがないので、現在のユーザが不快を覚えることを防ぐことができる。
(第4実施例:第3の差し湯運転)
次に、第3の差し湯運転について説明する。以下の説明において、上述の第1の差し湯運転における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第3の差し湯運転処理では、図6に示すように、S301でリモコン200の差し湯スイッチ204がオンになると、制御装置100がS501の処理に進む。
S501では、制御装置100が、今回の差し湯運転の直前の運転(すなわち、最も近い時期に実行された運転)が湯はり運転と差し湯運転のうちの湯はり運転であったか否かを判断する。直前の運転に関する情報は、制御装置100のメモリ101に記憶されている。直前の運転が湯はり運転であった場合は、S501で制御装置100がYESと判断してS502に進む。そうでない場合は、S501で制御装置100がNOと判断してS503に進む。S501でNOの場合は、今回の差し湯運転の直前の運転が湯はり運転ではなく差し湯運転であった場合である。
S501では、制御装置100は、今回の差し湯運転の直前の運転から浴槽洗浄運転を除いたうえで判断する。すなわち、制御装置100は、今回の差し湯運転の直前の運転が仮に浴槽洗浄運転であったとしても、その浴槽洗浄運転は考慮せずに、今回の差し湯運転の直前の運転が湯はり運転であったか否かを判断する。したがって、制御装置100は、今回の差し湯運転の直前の運転が浴槽洗浄運転であり、その浴槽洗浄運転の直前の運転が湯はり運転であった場合は、S501でYESと判断する。一方、制御装置100は、今回の差し湯運転の直前の運転が浴槽洗浄運転であり、その浴槽洗浄運転の直前の運転が湯はり運転ではなく差し湯運転であった場合は、S501でNOと判断する。
S501でYESと判断した後のS502では、制御装置100が、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度を、前回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整する。また、制御装置100は、S402で給水路42に設けられている給水サーボ52の開度を、前回の湯はり運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する。前回の湯はり運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度とは、制御装置100のメモリ101に記憶されている。なお、上記の構成においては、浴槽洗浄運転の後に差し湯運転が実行される場合、必ず浴槽洗浄運転の後に湯はり運転を介して差し湯運転が実行されるため、差し湯運転の直前の運転は、湯はり運転もしくは差し雄運転のどちらか一方となる。
一方、S501でNOと判断した後のS503では、制御装置100が、給湯路41に設けられている給湯サーボ51の開度を、前回の差し湯運転が終了したときの給湯サーボ51の開度に調整する。また、制御装置100は、給水路42に設けられている給水サーボ52の開度を、前回の差し湯運転が終了したときの給水サーボ52の開度に調整する。前回の差し湯運転が終了したときの給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度とは、制御装置100のメモリ101に記憶されている。
続いてS303では、制御装置100が、差し湯運転を開始する。第3の差し湯運転では、上記のS502の処理が実行された場合は、差し湯運転が開始されたときに、水に対する湯の混合割合が、前回の湯はり運転が終了したときの水に対する湯の混合割合と同じである。そのため、上記のS502の処理が実行された場合は、差し湯運転が開始されたときに浴槽20に供給される湯の温度が、前回の湯はり運転が終了したときの湯はり設定温度と同じ温度になる。湯はり設定温度の湯が浴槽20に供給される。
一方、第3の差し湯運転では、上記のS503の処理が実行された場合は、前回の差し湯運転が終了したときの差し湯設定温度が湯はり設定温度より高温である場合には、今回の差し湯運転が開始されたときに、水に対する湯の混合割合が、前回の湯はり運転が終了したときの水に対する湯の混合割合より大きくなる。そのため、上記のS503の処理が実行された場合は、今回の差し湯運転が開始されたときに浴槽20に供給される湯の温度が、前回の湯はり運転が終了したときの湯はり設定温度より高温になる。湯はり設定温度より高温の湯が浴槽20に供給される。
また、第3の差し湯運転では、上記のS503の処理が実行された場合は、前回の差し湯運転が終了したときの差し湯設定温度が湯はり設定温度より低温である場合には、今回の差し湯運転が開始されたときに、水に対する湯の混合割合が、前回の湯はり運転が終了したときの水に対する湯の混合割合より小さくなる。そのため、上記のS503の処理が実行された場合は、今回の差し湯運転が開始されたときに浴槽20に供給される湯の温度が、前回の湯はり運転が終了したときの湯はり設定温度より低温になる。湯はり設定温度より低温の湯が浴槽20に供給される。
上記のS303の後のS304では、制御装置100が、差し湯に関する所定の条件が成立したか否かを判断する。制御装置100は、所定の条件が成立した場合はS305に進み(S304でYES)、そうでない場合は待機する(S304でNO)。
続いてS305では、制御装置100が、混合路43で混合された後の湯の温度が差し湯設定温度(例えば60℃)になるように、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する。 また、第3の差し湯運転では、差し湯運転が終了した場合は(S306でYES)、制御装置100が、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度をメモリ101に記憶する(S307)。その後、制御装置100は、リモコン200の差し湯スイッチ204がオンになるまで待機する(S308)。すなわち、制御装置100は、次回の差し湯運転が開始されるまで待機する。
以上、第4実施例に係る浴槽洗浄システム2について説明した。上述したように、第4実施例に係る浴槽洗浄システム2は、浴槽20に湯が貯えられている状態において湯はり路44を通じて湯はり設定温度よりも高温の設定が可能な差し湯設定温度の湯を湯はり口49に供給して湯はり口49から浴槽20に湯を供給する差し湯運転を実行可能に構成されている。浴槽洗浄システム2の制御装置100は、差し湯運転を開始する場合は、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、湯はり運転および差し湯運転のうち、最も近い時期に実行された運転が終了したときの混合割合に調整する(図6のS501、S502、S503参照)。
この構成によれば、差し湯運転が開始される場合は、湯はり運転および差し湯運転のうち、最も近い時期に実行された運転が湯はり運転であった場合には、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の湯はり運転が終了したときの混合割合に調整することによって、差し湯運転が開始される当初に高温の湯が浴槽20に供給されないようにすることができる。そのため、差し湯運転が開始されたときに、急に高温の湯が浴槽20に供給されることがないので、浴槽20で入浴をしているユーザが意図しない高温の湯によって不快を覚えることを防ぐことができる。
一方、最も近い時期に実行された運転が差し湯運転であった場合には、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、前回の差し湯運転が終了したときの混合割合に調整することによって、差し湯運転に適した混合割合にすることができる。そのため、差し湯運転で要求される温度の湯を素早く浴槽20に供給することができる。
上記の浴槽洗浄システム2が例えば介護施設で使用される場合は、衛生上の理由等から、浴槽20で入浴をするユーザ(例えば介護施設の入所者)毎に浴槽20内の湯が入れ替えられ、ユーザ毎に湯はり運転が実行されることがある。この場合に、あるユーザが浴槽20で入浴をしているときに、他のユーザが以前に浴槽20で入浴をしたときの差し湯運転での差し湯設定温度が適用されると、現在のユーザが不快を覚えることがある。例えば、他のユーザが以前に浴槽20で入浴をしたときの差し湯運転での差し湯設定温度が高温(例えば、60℃)であった場合は、現在のユーザが浴槽20で入浴をしているときの差し湯運転でその差し湯設定温度が適用されると、差し湯運転が開始されたときに急に高温の湯が浴槽20に供給されて現在のユーザが不快を覚えることがある。例えば、現在のユーザが低温の差し湯設定温度(例えば、42℃)を望んでいるにもかかわらず、高温の差し湯設定温度(例えば、60℃)で差し湯運転が開始されると、現在のユーザが不快を覚えることがある。しかしながら、上記の構成によれば、差し湯運転の直前の運転が湯はり運転であった場合に、湯はり設定温度より高温の湯が浴槽20に供給されないようにすることができる。そのため、例えば介護施設でユーザ毎に湯はり運転が実行される場合に、新しいユーザが浴槽20で入浴をしているときの差し湯運転の直前の運転が新しいユーザにおける湯はり運転であった場合には、湯はり設定温度より高温の湯が浴槽20に供給されないようにすることができる。新しいユーザが浴槽20で入浴をしているときに、他のユーザが以前に浴槽20で入浴をしたときの差し湯運転での差し湯設定温度が適用されることを防ぐことができる。したがって、新しいユーザが不快を覚えることを防ぐことができる。
一方、ユーザが浴槽20で入浴をしているとき複数回の差し湯運転が連続で実行される場合は、そのユーザでの差し湯運転の直前の運転が差し湯運転となる場合がある。この場合は、差し湯運転が開始される場合に、給湯サーボ51と給水サーボ52で調整される湯と水の混合割合を、直前の差し湯運転が終了したときの混合割合に調整することによって、そのユーザでの差し湯運転で要求される温度の湯を浴槽20に素早く供給することができる。その結果、差し湯運転を十分に機能させることができる。差し湯設定温度が湯はり設定温度より高温の場合には、浴槽20に貯えられている湯の温度を確実に上昇させることができる。ユーザが快適さを感じることができる。
(その他の実施例)
上記の実施例では、給湯路41に給湯サーボ51が設けられており、給水路42に給水サーボ52が設けられていたが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、図7に示すように、給湯路41に給湯サーボ51が設けられていなくてもよい。また、給水路42に給水サーボ52が設けられていなくてもよい。他の実施例では、給湯路41と給水路42の接続部分に混合弁59(混合割合調整手段の一例)が設けられている。混合弁59は、三方弁である。混合弁59は、給湯路41の下流端部と、給水路42の下流端部と、混合路43の上流端部とに接続されている。混合弁59は、給湯路41から供給された湯と給水路42から供給された水とを混合する。混合弁59で湯と水が混合された後の湯が混合路43を流れる。混合弁59は、湯と水を混合するときの混合割合を調整する。混合弁59の開度が調整されると、湯と水の混合割合が調整される。制御装置100は、湯と水の混合割合を調整するときに、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整することに代えて、混合弁59の開度を調整する。この構成によっても、湯はり運転と浴槽洗浄運転のそれぞれで要求される温度の湯を素早く供給することができる。
また、他の実施例では、図7に示すように、混合路43に混合サーボ58(流量調整手段の一例)が設けられている。混合サーボ58は、混合路43を開閉して、混合路43を流れる湯の流量を調整する。混合サーボ58の開度が調整されると、混合路43を流れる湯の流量が調整される。浴槽洗浄システム2の制御装置100は、湯はり運転と浴槽洗浄運転のそれぞれにおいて、混合サーボ58の開度を調整することによって混合路43を流れる湯の流量を調整する。制御装置100は、混合路43を流れる湯の流量を、湯はり運転と浴槽洗浄運転のそれぞれにおいて要求される流量に調整する。
また、他の実施例では、制御装置100が、湯はり運転が終了したときの混合サーボ58の開度と混合弁59の開度とをメモリ101に記憶してもよい。また、制御装置100が、湯はり運転を開始するときに、混合サーボ58の開度と混合弁59の開度のそれぞれを、メモリ101に記憶した開度に調整してもよい。この構成によれば、湯はり運転で要求される温度と流量の湯を素早く浴槽20に供給することができる。
また、他の実施例では、制御装置100が、浴槽洗浄運転が終了したときの混合サーボ58の開度と混合弁59の開度とをメモリ101に記憶してもよい。また、制御装置100が、浴槽洗浄運転を開始するときに、混合サーボ58の開度と混合弁59の開度のそれぞれを、メモリ101に記憶した開度に調整してもよい。この構成によれば、浴槽洗浄運転で要求される温度と流量の湯を素早くノズル26に供給することができる。
上記の実施例では、貯水タンク31が設けられていたが、これを省略することもできる。代わりに、洗浄水路46に逆止弁(図示省略)が設けられていてもよい。また、洗浄水路46にポンプ32が設けられていたが、これを省略することもできる。給水路42に接続されている給水源の水圧や、給湯路41に接続されている給湯源の水圧によって洗浄水を圧送する構成であってもよい。
また、更に他の実施例では、上記のS104での所定の条件が、湯はり路44に設けられている湯はりサーミスタ73の検出温度が湯はり設定温度以上であるか否かであってもよい。湯はりサーミスタ73の検出温度が湯はり設定温度以上である場合は、制御装置100は、所定の条件が成立したと判断して(S104でYES)、S105に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S104でNOと判断して待機する。
また、更に他の実施例では、上記で例示した複数の条件のうちのいずれか1個の条件が成立した場合に、S104で制御装置100が所定の条件が成立したと判断してもよい。
上記の実施例では、図6に示す第3の差し湯運転処理のS501において、直前の運転が湯はり運転か否かを判断する際に、浴槽洗浄運転を除いたうえで判断したが、直前の運転が湯はり運転もしくは浴槽洗浄運転か否かであってもよい。今回の差し湯運転の直前の運転が湯はり運転もしくは浴槽洗浄運転の場合、制御装置100は、S501でYESと判断してS502に進む。そうでない場合は、制御装置100は、S501でNOと判断してS503に進む。
上記の実施例では、洗浄設定温度がユーザによって設定されていたが、この構成に限定されるものではなく、洗浄設定温度が予め設定された固定値であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。