JP2019204928A - サセプタ、半導体の製造方法、及び半導体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶成長中のウエハ表面の温度分布の均一化を図ったサセプタ、半導体の製造方法、及び半導体の製造装置を提供する。【解決手段】ウエハ5を収容する凹状のポケット31を有し、ポケット31に収容したウエハ5上に、有機金属気相成長法により化合物半導体結晶を成長させるために用いられるサセプタ3であって、ポケット31は、その底面31aに、結晶成長中のウエハ表面の温度分布に応じた凹凸形状を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、サセプタ、半導体の製造方法、及び半導体の製造装置に関する。
従来、有機金属気相成長法(MOCVD)により、ウエハ上に化合物半導体結晶を成長させる半導体の製造装置(MOCVD装置)が知られている。例えば窒化物半導体の結晶成長には、縦型のMOCVD装置が一般に用いられている。
縦型のMOCVD装置で窒化物半導体を成長させる際には、ウエハとしてサファイア基板等を用い、当該ウエハをサセプタ(トレイ)のポケットに収容し、サセプタをリアクタ内に設置する。その後、サセプタの下方に配置されたヒータを加熱して所定の結晶成長温度とし、サセプタを高速で回転させつつリアクタ内に原料ガスを供給して、ウエハ上に窒化物半導体結晶を成長させる。
ところで、MOCVD装置では、ヒータとサセプタの相対的位置関係や、サセプタの形状や材質(熱伝導率)の影響、あるいは加熱・膜応力によるウエハの反りの影響等のため、結晶成長面(ウエハ表面)での温度分布が不均一になってしまうという課題がある。結晶成長中のウエハ表面の温度分布が一定でないと、例えばAlGaN系の窒化物半導体を成長させる際にアルミニウムとガリウムの組成比が不均一となり、半導体素子の特性(発光素子の場合、発光波長や発光強度)のばらつきが発生し、歩留り低下の原因となる。
ウエハの反りに対しては、サセプタのポケットの底面をコンケーブ(凹)形状やコンベックス(凸)形状にすることで、ウエハ表面の温度分布の均一化を図ることが提案されている。例えば特許文献1では、結晶成長中にウエハが凸状に反るため、サセプタのポケットの底面形状を凸球面状にすることで、ウエハ面内での結晶成長温度分布を低減することが提案されている。
特開2012−222284号公報
特許文献1に記載の方法では、ウエハの反りによる温度分布への影響は低減できるものの、ヒータとサセプタの位置関係等の装置毎の個体差に対応することができない。
特に、AlGaN系等の窒化物半導体の結晶成長においては、縦型MOCVD装置においてサセプタを毎分1000回転以上の高速で回転させて結晶成長を行うため、ウエハの反りよりも、サセプタとヒータの位置関係やウエハが受ける遠心力の影響等が大きくなる。そのため、特許文献1のように単にサセプタのポケットの底面形状を凸球面状にするだけでは、結晶成長中のウエハ表面の温度分布を十分に均一化することは困難であった。
そこで、本発明は、結晶成長中のウエハ表面の温度分布の均一化を図ったサセプタ、半導体の製造方法、及び半導体の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、ウエハを収容する凹状のポケットを有し、前記ポケットに収容したウエハ上に、有機金属気相成長法により化合物半導体結晶を成長させるために用いられるサセプタであって、前記ポケットは、その底面に、結晶成長中のウエハ表面の温度分布に応じた凹凸形状を有する、サセプタを提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、サセプタを用い、前記ポケットにウエハを収容し、前記サセプタを介してウエハを加熱しつつ原料ガスを供給することで、ウエハ上に化合物半導体結晶を成長させる工程を備えた、半導体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、窒化物半導体を成長させるために用いられる縦型の有機金属気相成長装置であって、前記サセプタを備えた、半導体の製造装置を提供する。
本発明によれば、結晶成長中のウエハ表面の温度分布の均一化を図ったサセプタ、半導体の製造方法、及び半導体の製造装置を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る半導体の製造装置を示す概略構成図である。 本実施の形態に係るサセプタを示す図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A線断面図である。 サセプタの製造方法を示すフローチャートである。 加工前サセプタの断面図である。 (a)は、加工前サセプタを用いて製造した発光ダイオードのウエハ上での発光波長分布の一例を示す図であり、(b)は発光波長毎のチップ数を示すグラフ図である。 (a)は、加工前サセプタを用いて製造した発光ダイオードのウエハ上での発光強度分布の一例を示す図であり、(b)は発光強度毎のチップ数を示すグラフ図である。 (a)は、本発明のサセプタを用いて製造した発光ダイオードのウエハ上での発光波長分布の一例を示す図であり、(b)は発光波長毎のチップ数を示すグラフ図である。 (a)は、本発明のサセプタを用いて製造した発光ダイオードのウエハ上での発光強度分布の一例を示す図であり、(b)は発光強度毎のチップ数を示すグラフ図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る半導体の製造装置を示す概略構成図である。図2は、本実施の形態に係るサセプタを示す図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A線断面図である。
本実施の形態に係る半導体の製造装置1は、縦型の有機金属気相成長装置(MOCVD装置)である。本実施の形態では、半導体の製造装置1を用いて、AlGaN系の窒化物半導体を成長させ、紫外光を照射する発光ダイオード(UV−LED)を製造する場合について説明する。
半導体の製造装置1は、原料ガスを導入する導入口2a、及び原料ガスを排出する排出口2bを有するリアクタ2と、リアクタ2内に収容されたサセプタ3と、サセプタ3の下部に配置されたヒータ4と、を備えている。
サセプタ3は、全体として略円板状に形成されており、その表面(上面)に、ウエハ5を収容する凹状のポケット31が形成されている。ここでは、サセプタ3の表面に、17個のポケット31が形成されている場合を示している。ただし、サセプタ3に形成されるポケット31の数はこれに限定されるものではなく、またポケット31の具体的な配置についても図示のものに限定されない。
各ポケット31は、平面視(上面視)で円形状に形成されている。本実施の形態に係るサセプタ3では、各ポケット31の底面形状が、結晶成長中のウエハ表面の温度分布が均一となるように凹凸形状に形成されている。ポケット31の具体的な形状については後述するが、本実施の形態では、ウエハ5底面と対向するポケット31の底面31aの距離(後述する溝31bの深さd)をポケット31内で変化させることで、結晶成長中のウエハ5表面(成長面)の温度、すなわち実質成長温度を制御している。ウエハ5としては、AlGaN系の窒化物半導体の結晶成長に適したサファイア基板、あるいは窒化アルミニウム(AlN)基板等を用いることができる。
すなわち、本実施の形態に係るサセプタ3では、ポケット31は、その底面31aに、結晶成長中のウエハ表面の温度分布に応じた凹凸形状を有している。ウエハ表面の温度分布は、ポケット31にウエハ5を収容して化合物半導体結晶を成長させた発光ダイオードの発光波長分布に基づいて決定されるとよい。溝31は、ウエハ表面の温度分布における最も温度が低い位置を基準とし、温度が高い位置ほど深くなるように形成される。ウエハ表面の温度分布の求め方や溝5の具体的な形状の詳細については、後述する。
サセプタ3の裏面(下面)の中心部には、軸取付孔32が形成されており、この軸取付孔32に回転軸33が取り付けられている。回転軸33は、サセプタ3と相対回転不能に取り付けられており、サセプタ3と共に回転する。図示していないが、回転軸33には、回転軸33及びサセプタ3を回転させる回転装置が取り付けられている。サセプタ3は、結晶成長中に、例えば毎分1000回転以上の高速で回転される。
リアクタ2の導入口2aは、リアクタ2の上面であって、かつサセプタ3の回転中心と鉛直方向に対向する位置に形成されている。リアクタ2の排出口2bは、リアクタ2の下面近傍の側面から側方に開口するように形成されている。
(サセプタの製造方法の説明)
次に、サセプタの製造方法について説明する。図3は、サセプタの製造方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、サセプタ3を製造する際には、まず、ステップS1にて、加工前のサセプタを用いて結晶成長した際の、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定する温度分布推定工程を行う。本実施の形態では、温度分布推定工程では、ステップS11の仮製造工程と、ステップS12の推定工程とを順次行う。
ステップS11の仮製造工程では、図4に示す加工前サセプタ30を用い、加工前サセプタ30のポケット31にウエハ5を収容して化合物半導体結晶(ここではAlGaN系窒化物半導体結晶)を成長させ、発光ダイオードを形成する。本実施の形態では、最終的に発光ダイオード(UV−LED)を製造するため、仮製造工程では同じ製造工程にて発光ダイオードを仮に製造するとよい。
その後、ステップS12の推定工程では、ステップS11にて仮製造した各発光ダイオードの発光波長を測定し、ウエハ5上での発光波長分布を求める。その後、求めた発光波長分布を基に、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定する。
AlGaN系の窒化物半導体を用いた発光ダイオードでは、成長温度が変化すると、窒化物半導体結晶中のアルミニウムとガリウムの組成比が変化し、発光波長が変化する。よって、仮製造した発光ダイオードの発光波長の分布を求めることで、ウエハ5上のアルミニウムとガリウムの組成比の分布を求めることが可能となり、この組成比の分布から、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定することができる。本発明者らが検討したところ、製造した発光ダイオードにおけるアルミニウムの組成比と結晶成長中のウエハ5表面の温度とは、ほぼ比例関係にあることがわかった。なお、結晶成長中のウエハ5表面の温度が低いほど、窒化物半導体中のアルミニウム組成比が小さくなり、発光ダイオードの発光波長は長くなる。
加工前サセプタ30を用いて製造した発光ダイオードのウエハ5上での発光波長分布の一例を図5(a)に示す。また、波長毎のチップ数を示すグラフ図を図5(b)に示す。図5(a),(b)では、発光波長(中心波長、ピーク波長)が285nmの発光ダイオードを製造する場合を示しており、図5(b)において破線で囲まれた範囲は、合格となる発光波長の範囲を表している。図5(b)に示すように、加工前サセプタ30を用いた場合、発光波長が比較的長い発光ダイオードの数が多くなり、歩留まり悪化のおそれがある。
さらに、加工前サセプタ30を用いて製造した発光ダイオードの発光強度(出力パワー)の分布を図6(a)に示す。また、発光強度毎のチップ数を示すグラフ図を図6(b)に示す。なお、図6(a),(b)では、100mAの駆動電流を供給した際の発光強度を示している。図6(b)に破線で示す範囲は合格となる発光強度の範囲を示しており、ここでは100mAの駆動電流を供給した際の発光強度が4200μW以上のものを合格としている。図6(b)に示すように、加工前サセプタ30を用いた場合、発光強度が4200μW未満となるものが多くなり、歩留まり悪化のおそれがある。
図3に戻り、ステップS1で結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定した後、ステップS2のポケット加工工程を行う。ポケット加工工程では、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を均一とすべく、温度分布推定工程で推定した温度分布に応じた凹凸形状にポケット31の底面形状を加工する。
ポケット31の底面31aがウエハ5から離れるほど、結晶成長中のウエハ5表面の温度は低くなる。よって、推定した温度分布において温度が高い位置ではポケット31の底面31aをウエハ5から離し、かつ温度が低い位置ではポケット31の底面31aをウエハ5に近づけるように、ポケット31の底面形状を凹凸形状に加工することで、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を均一にすることが可能になる。
ステップS2のポケット加工工程では、仮製造工程で使用した加工前サセプタ30を用い、その加工前サセプタ30のポケット31の底面形状を加工することが望ましい。これにより、加工前サセプタ30の製造ばらつき等の影響を受けてしまうことを抑制でき、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布の均一性をより向上できる。
本実施の形態では、ポケット加工工程では、ウエハ5表面の温度分布における最も温度が低い位置を基準として、温度が高い位置ほど深くなるようにポケット31の底面31aに溝31bを形成する。溝31bの形状(深さd)は、推定した温度分布に応じて決定され、推定した温度分布で温度が高い場所ほど、深い溝31bが形成されることになる。ウエハ5表面の温度分布における最も温度が低い位置では、溝31bは形成されず、加工前サセプタ30におけるポケット31の底面位置のままとなる。なお、図2(b)における破線は、加工前サセプタ30におけるポケット31の底面位置を表しており、溝31bの深さdとは、加工前サセプタ30におけるポケット31の底面位置を基準(d=0)として、回転軸33の軸方向に沿った方向の深さを表している。
本実施の形態では、結晶成長中のウエハ5表面の温度が、推定した温度分布における最も低い温度に統一されることになる。このため、ステップS11の仮製造工程では、温度分布における最も低い温度が結晶成長に最適な温度となるように、結晶成長中の温度調整を行うとよい。なお、結晶成長中の温度調整は、ヒータ4を制御すること(例えばヒータ4に供給する電流を制御すること)により行うことができる。
本発明者らが検討したところ、溝31bの深さdと、結晶成長中のウエハ5表面の温度とは、ほぼ比例関係にあることがわかった。より具体的には、ポケット加工工程では、ウエハ5表面の温度分布における最も低い温度をTmin(℃)としたとき、ウエハ5表面の温度分布において温度T(℃)である位置の溝31bの深さd(μm)が、下式(1)
d=(T−Tmin)×a ・・・(1)
但し、aは10以上15以下の定数
を満たすように、ポケット31の底面形状を加工するとよい。
なお、上述のように、AlGaN系窒化物半導体を形成する場合には、アルミニウムの組成比と結晶成長中のウエハ5表面の温度とがほぼ比例関係にあるため、ステップS12の推定工程にて温度分布を求める代わりにアルミニウム組成比の分布を求め、ステップS2のポケット加工工程にてアルミニウム組成比から溝31bの深さdを決定するようにしてもよい。この場合、アルミニウム組成比の分布において最も小さいアルミニウム組成比をxmin(%)とすると、アルミニウム組成比がx(%)である位置の溝31bの深さdは、下式(2)
d=(x−xmin)×b ・・・(2)
但し、bは15以上25以下の定数
を満たすように決定するとよい。
ポケット31の底面形状の加工は、ミルと呼ばれる研削装置を用いて行うとよい。ミルは、回転軸の先端部に様々な形状の研削用のアタッチメントを取り付け可能に構成されており、適宜なアタッチメントを選択して研削加工を行うことで、ポケット31を所望の底面形状に加工することができる。
本実施の形態では、6つのポケット31を有するサセプタ3を用いているが、各ポケット31は回転対称の位置に形成されており、サセプタ3の回転中心から各ポケット31までの距離は等しくされているため、全てのポケット31で結晶成長中のウエハ5表面の温度分布はほぼ等しくなる。よって、ステップS1の温度分布推定工程は1つのポケット31に対して行えばよい。また、ステップS2のポケット加工工程では、全てのポケット31の底面形状を同じ形状(サセプタ3の回転中心に対して回転対称となる形状)に形成するとよい。ただし、これに限らず、全てのポケット31に対して温度分布を推定し、当該温度分布に応じた底面形状に各ポケット31を加工してもよく、各ポケット31の底面形状が異なっていてもよい。
ステップS2で各ポケット31の底面形状を加工すると、本実施の形態に係るサセプタ3が得られる。本実施の形態に係る半導体の製造方法では、得られたサセプタ3を半導体の製造装置1にセットして、MOCVD法によりウエハ5上に窒化物半導体結晶を成長させる。つまり、本実施の形態に係る半導体の製造方法では、ステップS2のポケット加工工程で底面形状を加工したポケット31にウエハ5を収容し、ヒータ4によりサセプタ3を介してウエハ5を加熱しつつ導入口2aより原料ガスを供給することで、ウエハ5上にAlGaN系の窒化物半導体結晶を成長させる。この際の製造条件は、ステップS11の仮製造工程と同じ条件とする。
以上により得られた発光ダイオードのウエハ5上での発光波長分布を図7(a)に示す。また、波長毎のチップ数を示すグラフ図を図7(b)に示す。図5と図7とを比較すればわかるように、本実施の形態に係るサセプタ3を用いて製造された発光ダイオードは、その周縁部を除くほぼ全ての領域において、発光波長が合格範囲に含まれており、歩留まりが良好である。
さらに、製造した発光ダイオードの発光強度(出力パワー)の分布を図8(a)に示す。また、発光強度毎のチップ数を示すグラフ図を図8(b)に示す。なお、図8(a),(b)では、100mAの駆動電流を供給した際の発光強度を示している。図6と図8とを比較すれば分かるように、本実施の形態に係るサセプタ3を用いて製造された発光ダイオードは、発光強度が4200μW未満の不合格品が減少し、発光強度が4200μW以上の合格品が増加しており、歩留まりが良好である。また、本実施の形態に係るサセプタ3を用いて製造された発光ダイオードには、5500μW以上の非常に大きい発光強度を有するものが多く、図6(b)の場合と比較して発光強度が大きく向上している。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るサセプタの製造方法では、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定する温度分布推定工程と、温度分布推定工程で推定した温度分布に応じた凹凸形状にポケット31の底面形状を加工するポケット加工工程と、を備えている。
半導体の製造装置1では、メーカ毎、型毎、あるいは個体毎にヒータ4の配置や特性、サセプタの形状や材質等が異なっているため、サセプタ3の形状(ポケット31の底面形状)を画一的に決定しても十分な効果が得られない場合が多い。本実施の形態のように、実際の製造時のウエハ5表面の温度分布を推定し、その温度分布に応じた底面形状にポケット31を加工することで、現在使用している半導体の製造装置1に最適なポケット形状を有するサセプタ3が得られることになる。
得られたサセプタ3を用いて半導体の製造を行うことにより、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を均一にすることが可能になる。結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を均一にすることにより、化合物半導体結晶中の組成比(ここでは、アルミニウムとガリウムの組成比)やドーピング濃度のばらつきを抑えることが可能となり、製造する半導体素子の特性(ここでは発光ダイオードの発光波長や発光強度)のばらつきを抑え、歩留まりを向上させることが可能になる。
なお、窒化物半導体の製造用の縦型MOCVD装置においては、サセプタ3を毎分1000回転以上の高速回転で回転させるため、サセプタ3が薄く形成され軽量化が図られており、サセプタ3の熱容量が小さくなっているため、結晶成長中にウエハ5表面で温度分布が発生し易い構造となっている。また、窒化物半導体は結晶成長温度が1000℃を超える場合もあり、GaAs系半導体等と比較して結晶成長温度が高い。そのため、窒化物半導体を製造する際には、GaAs系半導体等を製造する場合と比較して、結晶成長中にウエハ5表面で温度分布が発生しやすい。本発明を適用することで、このような窒化物半導体の製造用の縦型MOCVD装置においても、結晶成長中のウエハ5表面の温度を均一にし、歩留まりを向上することができる。つまり、本発明を、窒化物半導体の製造用の縦型MOCVD装置に適用した場合に、特に顕著な効果が得られる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]ウエハ(5)を収容する凹状のポケット(31)を有し、前記ポケット(31)に収容したウエハ(5)上に、有機金属気相成長法により化合物半導体結晶を成長させるために用いられるサセプタ(3)であって、前記ポケット(31)は、その底面(31a)に、結晶成長中のウエハ表面の温度分布に応じた凹凸形状を有する、サセプタ。
[2]前記温度分布は、前記ポケット(31)に前記ウエハ(5)を収容して化合物半導体結晶を成長させた発光ダイオードの発光波長分布に基づいて決定される、[1]に記載のサセプタ。
[3]前記ポケットは、その底面に、前記ウエハ(5)表面の温度分布における最も温度が低い位置を基準とし、温度が高い位置ほど深くなる溝(31b)を有する、[1]または[2]に記載のサセプタの製造方法。
[4]前記ウエハ(5)表面の温度分布における最も低い温度をTmin(℃)とすると、前記ウエハ(5)表面の温度分布において温度T(℃)である位置の前記溝(31b)の深さd(μm)が、下式
d=(T−Tmin)×a
但し、aは10以上15以下の定数
を満たす、[3]に記載のサセプタ。
[5]縦型の有機金属気相成長装置に用いられ、窒化物半導体を成長させるために用いられる、[1]乃至[4]の何れか1項に記載のサセプタ。
[6][1]乃至[5]の何れか1項に記載のサセプタを用い、前記ポケット(31)にウエハ(5)を収容し、前記サセプタ(3)を介してウエハ(5)を加熱しつつ原料ガスを供給することで、ウエハ(5)上に化合物半導体結晶を成長させる工程を備えた、半導体の製造方法。
[7]窒化物半導体を成長させるために用いられる縦型の有機金属気相成長装置であって、[1]乃至[5]の何れか1項に記載のサセプタ(3)を備えた、半導体の製造装置(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、AlGaN系の窒化物半導体を製造する場合を説明したが、これに限らず、本発明は、例えばInGaN系の窒化物半導体にも適用可能であり、窒化物半導体以外のGaAs系半導体にも適用可能である。
また、上記実施の形態では、縦型のMOCVD装置に適用する場合を説明したが、これに限らず、本発明は、横型のMOCVD装置にも適用可能である。
さらに、上記実施の形態では、発光ダイオードを製造する場合について説明したが、これに限らず、本発明は、発光ダイオード以外の半導体の製造にも適用可能である。また、発光ダイオード以外の半導体を製造する場合であっても、仮製造工程で発光ダイオードを仮に製造してもよい。つまり、仮製造工程で製造する半導体と、実際に製造する半導体とが異なっていてもよい。
また、上記実施の形態では、温度分布推定工程において、発光ダイオードを仮に製造しその発光波長分布から結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定したが、結晶成長中のウエハ5表面の温度分布を推定する方法はこれに限定されない。例えば、リアクタ2内に取り付けたパイロメータや熱電対等の温度センサの検出結果を基に、ウエハ5表面の温度分布を推定してもよい。
1…半導体の製造装置
2…リアクタ
2a…導入口
2b…排出口
3…サセプタ
4…ヒータ
5…ウエハ
30…加工前サセプタ
31…ポケット
31a…底面
31b…溝
32…軸取付孔
33…回転軸

Claims (7)

  1. ウエハを収容する凹状のポケットを有し、前記ポケットに収容したウエハ上に、有機金属気相成長法により化合物半導体結晶を成長させるために用いられるサセプタであって、
    前記ポケットは、その底面に、結晶成長中のウエハ表面の温度分布に応じた凹凸形状を有する、
    サセプタ。
  2. 前記温度分布は、前記ポケットに前記ウエハを収容して化合物半導体結晶を成長させた発光ダイオードの発光波長分布に基づいて決定される、
    請求項1に記載のサセプタ。
  3. 前記ポケットは、その底面に、前記ウエハ表面の温度分布における最も温度が低い位置を基準とし、温度が高い位置ほど深くなる溝を有する、
    請求項1または2に記載のサセプタ。
  4. 前記ウエハ表面の温度分布における最も低い温度をTmin(℃)とすると、前記ウエハ表面の温度分布において温度T(℃)である位置の前記溝の深さd(μm)が、下式
    d=(T−Tmin)×a
    但し、aは10以上15以下の定数
    を満たす、
    請求項3に記載のサセプタ。
  5. 縦型の有機金属気相成長装置に用いられ、窒化物半導体を成長させるために用いられる、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載のサセプタ。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のサセプタを用い、
    前記ポケットにウエハを収容し、前記サセプタを介してウエハを加熱しつつ原料ガスを供給することで、ウエハ上に化合物半導体結晶を成長させる工程を備えた、
    半導体の製造方法。
  7. 窒化物半導体を成長させるために用いられる縦型の有機金属気相成長装置であって、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載のサセプタを備えた、
    半導体の製造装置。
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