JP2019199660A - 金属粒子担持セルロース繊維 - Google Patents

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皓章 安井
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Abstract

【課題】本発明は、十分な消臭機能を有すると共に安全性の高い繊維、具体的には金属粒子含有セルロース繊維を提供することを目的とする。【解決手段】カルボキシメチル化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属粒子を担持してなる金属粒子担持セルロース繊維。前記カルボキシメチル化セルロース繊維に対する前記金属粒子の含有量を2〜60mg/gとすることで優れた効果を発現する。【選択図】なし

Description

本発明は、金属粒子を担持したセルロース繊維に関する。
消臭機能を有する繊維に関して、種々の検討が行われている。セルロース繊維の内部にゼオライトを担持させると共にゼオライト内にAg,Cu等を担持させることで消臭機能を付与した繊維(商品名セルガイア(登録商標)、特許文献1)、酸化セルロース繊維(TEMPO酸化セルロース繊維)に金属粒子を担持した金属担持セルロース繊維(特許文献2)などが開示されている。
特許第4149066号公報 特開2015−43940号公報
しかしながら、特許文献1に記載の繊維は、ゼオライトがセルロース繊維内に物理的に担持されているため、ゼオライトが脱落しやすく、十分に消臭機能が発現しない問題があるとともに、繊維の形状(径、長さ)のコントロールすることができない問題を有する。
また、特許文献2に記載の繊維は、消臭機能を有する成分の脱落はなく、その形状をコントロールすることは可能であるが、繊維に残留する薬品が安全性に影響する懸念がある。
そこで、本発明は、十分な消臭機能を有すると共に安全性の高い繊維、具体的には金属粒子含有セルロース繊維を提供することを目的とする。
本発明は以下の(1)~(2)を提供する。
(1)カルボキシメチル化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属粒子を担持してなる金属粒子担持セルロース繊維。
(2)前記カルボキシメチル化セルロース繊維に対する前記金属粒子の含有量が2〜60mg/gである(1)のセルロース繊維。
本発明によれば、十分な消臭機能を有すると共に安全性の高い繊維、具体的には金属粒子担持セルロース繊維を提供すること目的とする。
なお、本発明のセルロース繊維の用途は特に限定されるものではなく、各種シート(紙、フィルムなど)、各種樹脂、各種化粧品の添加剤などに利用することができる。
[CM化セルロース繊維]
本発明において、カルボキシメチル化セルロース繊維とは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基の一部がカルボキシメチル基とエーテル結合した構造を有する。カルボキシメチル化セルロースは、塩の形態をとる場合もあり、カルボキシメチル化セルロースの塩としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩などの金属塩などが挙げられる。
カルボキシメチル化セルロース繊維は、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、得られたマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)と反応させることにより製造することができる。
本発明において、CM化セルロース繊維中の無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.10以上であることがさらに好ましい。当該置換度の上限は、0.50以下が好ましく、0.40以下がより好ましい。く、0.35以下が更に好ましい。従って、カルボキシメチル基置換度は、0.01〜0.50が好ましく、0.05〜0.40がより好ましく、0.10〜0.35がさらに好ましい。
[CM化パルプ]
本発明において、CM化パルプとは繊維径1μm以上の繊維と定義する。繊維径の上限は特に限定されないが、通常100μm程度である。当該CM化パルプの繊維長は、特に限定されないが、通常0.1〜10mm程度である。繊維径及び繊維長は光学顕微鏡やマイクロスコープ等を用いて、各繊維を観察して求められる。
[CM化セルロースナノファイバー(CM化CNF)]
本発明において、CM化CNFは繊維径1μm未満の化学セルロース繊維と定義する。化学変性セルロースナノファイバーの平均繊維径は、特に限定されないが、長さ加重平均繊維径は、通常2〜980nm程度であり、好ましくは2〜100nm、さらに好ましくは2〜20である。CM化CNFの平均繊維長は、特に限定されないが、長さ加重平均繊維長は、好ましくは50〜2000nmである。長さ加重平均繊維径および長さ加重平均繊維長(以下、単に「平均繊維径」、「平均繊維長」ともいう)は、原子間力顕微鏡(AFM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各繊維を観察して求められる。変性セルロースナノファイバーの平均アスペクト比は、10以上である。上限は特に限定されないが、1000以下である。平均アスペクト比は、下記の式1により算出できる。
(式1)
平均アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
[セルロース系原料]
本発明においてセルロースとは、D−グルコピラノース(単に「グルコース残基」、「無水グルコース」ともいう。)がβ−1,4結合で連なった構造の多糖を意味する。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース、微細セルロース、非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。本発明では、これらのセルロースのいずれも、マーセル化セルロースの原料として用いることができる。
天然セルロースとしては、晒パルプまたは未晒パルプ(晒木材パルプまたは未晒木材パルプ);リンター、精製リンター;酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等が例示される。晒パルプ又は未晒パルプの原料は特に限定されず、例えば、木材、木綿、わら、竹、麻、ジュート、ケナフ等が挙げられる。また、晒パルプ又は未晒パルプの製造方法も特に限定されず、機械的方法、化学的方法、あるいはその中間で二つを組み合せた方法でもよい。製造方法により分類される晒パルプ又は未晒パルプとしては例えば、メカニカルパルプ(サーモメカニカルパルプ(TMP)、砕木パルプ)、ケミカルパルプ(針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)等の亜硫酸パルプ、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)等のクラフトパルプ)等が挙げられる。さらに、製紙用パルプの他に溶解パルプを用いてもよい。溶解パルプとは、化学的に精製されたパルプであり、主として薬品に溶解して使用され、人造繊維、セロハンなどの主原料となる。
再生セルロースとしては、セルロースを銅アンモニア溶液、セルロースザンテート溶液、モルフォリン誘導体など何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸されたものが例示される。 微細セルロースとしては、上記天然セルロースや再生セルロースをはじめとする、セルロース系素材を、解重合処理(例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等)して得られるものや、前記セルロース系素材を、機械的に処理して得られるものが例示される。
[カルボキシメチル化]
カルボキシメチル化方法は特に限定されないが、以下を例示することができる。
<カルボキシメチル化の例1>
セルロース原料を溶媒中でマーセル化し、その後溶媒中でエーテル化する方法が挙げられる。当該反応(マーセル化、エーテル化)に使用される溶媒としては、例えば、水、アルコール(例えば低級アルコール)およびこれらの混合溶媒が挙げられる。低級アルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノールが挙げられる。混合溶媒における低級アルコールの混合割合は、通常は60重量%以上または95重量%以下であり、60〜95重量%であることが好ましい。溶媒の量は、セルロース原料に対し通常は3重量倍である。当該量の上限は特に限定されないが20重量倍である。従って、溶媒の量は3〜20重量倍であることが好ましい。
マーセル化は通常、前述のセルロース原料とマーセル化剤を混合して行う。マーセル化剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が挙げられる。マーセル化剤の使用量は、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5倍モル以上が好ましく、1.0倍モル以上がより好ましく、1.5倍モル以上であることがさらに好ましい。当該量の上限は、通常20倍モル以下であり、10倍モル以下が好ましく、5倍モル以下がより好ましい、従って、マーセル化剤の使用量0.5〜20倍モルが好ましく、1.0〜10倍モルがより好ましく、1.5〜5倍モルがさらに好ましい。
マーセル化の反応温度は、通常0℃以上であり、好ましくは10℃以上であり、上限は通常70℃以下、好ましくは60℃以下である。従って、反応温度は通常0〜70℃、好ましくは10〜60℃である。反応時間は、通常15分以上、好ましくは30分以上である。当該時間の上限は、通常8時間以下、好ましくは7時間以下である。従って、反応時間は、通常は15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間である。
エーテル化反応は通常、カルボキシメチル化剤をマーセル化後に反応系に追加して行う。カルボキシメチル化剤としては例えば、モノクロロ酢酸ナトリウムが挙げられる。カルボキシメチル化剤の添加量は、セルロース原料のグルコース残基当たり通常は0.05倍モル以上が好ましく、0.5倍モル以上がより好ましく、0.8倍モル以上であることがさらに好ましい。当該量の上限は、通常10.0倍モル以下であり、5倍モル以下が好ましく、3倍モル以下がより好ましい、従って、当該量は好ましくは0.05〜10.0倍モルであり、より好ましくは0.5〜5倍モルであり、さらに好ましくは0.8〜3倍モルである。反応温度は通常30℃以上、好ましくは40℃以上であり、上限は通常90℃以下、好ましくは80℃以下である。従って反応温度は通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃である。反応時間は、通常30分以上であり、好ましくは1時間以上であり、その上限は、通常は10時間以下、好ましくは4時間以下である。従って反応時間は、通常は30分〜10時間であり、好ましくは1時間〜4時間である。カルボキシメチル化反応の間必要に応じて、反応液を撹拌してもよい。
上記カルボキシメチル化(例1)の方法においては、CM化セルロース繊維のカルボキシメチル置換度を、0.01以上0.3未満とすることが好ましく、0.05以上0.30未満とすることがこのましく、0.1以上0.3未満とすることが更に好ましい。カルボキシメチル置換度が0.01未満であると担持させる金属イオンの効果が十分発現する。一方、0.3未満とすることで 本発明で製造されるカルボキシメチル化セルロースは、水に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持される。すなわち、カルボキシメチル化セルロースの水分散体を電子顕微鏡で観察すると、繊維状の物質を観察することができ、カルボキシメチル化セルロースをX線回折で測定した際にセルロースI型結晶のピークを観測することができる。なお、 本発明のカルボキシメチル化セルロース繊維におけるセルロースの結晶化度は、結晶I型が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
<カルボキシメチル化の例2>
原料として前述のセルロースを用い、マーセル化剤(アルカリ)を添加することによりマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を得る。本発明では、このマーセル化反応における溶媒に水を主として用い、次のカルボキシメチル化の際に有機溶媒と水との混合溶媒を使用する方法が挙げられる。
溶媒に水を主として用いる(水を主とする溶媒)とは、水を50質量%より高い割合で含む溶媒をいう。水を主とする溶媒中の水は、好ましくは55質量%以上あり、より好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。特に好ましくは水を主とする溶媒は、水が100質量%(すなわち、水)である。マーセル化時の水の割合が多いほど、カルボキシメチル化セルロースを解繊して得られるセルロースナノファイバー分散体の透明度が高まる。水を主とする溶媒中の水以外の(水と混合して用いられる)溶媒としては、後段のカルボキシメチル化の際の溶媒として用いられる有機溶媒が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に50質量%未満の量で添加してマーセル化の際の溶媒として用いることができる。水を主とする溶媒中の有機溶媒は、好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは0質量%である。
マーセル化剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられ、これらのうちいずれか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。マーセル化剤は、これに限定されないが、これらのアルカリ金属水酸化物を、例えば、1〜60質量%、好ましくは2〜45質量%、より好ましくは3〜25質量%の水溶液として反応器に添加することができる。マーセル化剤の使用量は、一実施形態において、セルロース100g(絶乾)に対して0.1モル以上2.5モル以下であることが好ましく、0.3モル以上2.0モル以下であることがより好ましく、0.4モル以上1.5モル以下であることがさらに好ましい。
マーセル化の際の水を主とする溶媒の量は、原料の撹拌混合が可能な量であればよく特に限定されないが、セルロース原料に対し、1.5〜20質量倍が好ましく、2〜10質量倍であることがより好ましい。
マーセル化処理は、発底原料(セルロース)と水を主とする溶媒とを混合し、反応器の温度を0〜70℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜40℃に調整して、マーセル化剤の水溶液を添加し、15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、より好ましくは30分〜3時間撹拌することにより行う。これによりマーセル化セルロース(アルカリセルロース)を得る。
マーセル化の際のpHは、9以上が好ましく、これによりマーセル化反応を進めることができる。該pHは、より好ましくは11以上であり、更に好ましくは12以上であり、13以上でもよい。pHの上限は特に限定されない。
マーセル化は、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することができる反応機を用いて行うことができ、従来からマーセル化反応に用いられている各種の反応機を用いることができる。例えば、2本の軸が撹拌し、上記各成分を混合するようなバッチ型攪拌装置は、均一混合性と生産性の両観点から好ましい。
マーセル化セルロースに対し、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)を添加することにより、カルボキシメチル化セルロースを得る。本発明では、このカルボキシメチル化反応における溶媒として、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる。マーセル化の際は水を主とする溶媒として用い、カルボキシメチル化の際には水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、解繊した際に非常に高い透明度を有するセルロースナノファイバー分散体とすることができるカルボキシメチル化セルロースを経済的に得ることができる。
カルボキシメチル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさという点でモノクロロ酢酸、またはモノクロロ酢酸ナトリウムが好ましい。カルボキシメチル化剤は、セルロースの無水グルコース単位当たり、0.5〜1.5モルの範囲で添加することが好ましい。上記範囲の下限はより好ましくは0.6モル以上、さらに好ましくは0.7モル以上であり、上限はより好ましくは1.3モル以下、さらに好ましくは1.1モル以下である。カルボキシメチル化剤は、これに限定されないが、例えば、5〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%の水溶液として反応器に添加することができるし、溶解せず、粉末状態で添加することもできる。
マーセル化剤とカルボキシメチル化剤のモル比(マーセル化剤/カルボキシメチル化剤)は、カルボキシメチル化剤としてモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムを使用する場合では、0.9〜2.45が一般的に採用される。その理由は、0.9未満であるとカルボキシメチル化反応が不十分となる可能性があり、未反応のモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムが残って無駄が生じる可能性があること、及び2.45を超えると過剰のマーセル化剤とモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムによる副反応が進行してグリコール酸アルカリ金属塩が生成する恐れがあるため、不経済となる可能性があることにある。
カルボキシメチル化反応におけるセルロース原料の濃度は、特に限定されないが、カルボキシメチル化剤の有効利用率を高める観点から、1〜40%(w/v)であることが好ましい。
カルボキシメチル化剤を添加するのと同時に、あるいはカルボキシメチル化剤の添加の前または直後に、反応器に有機溶媒または有機溶媒の水溶液を適宜添加し、又は減圧などによりマーセル化処理時の水以外の有機溶媒等を適宜削減して、水と有機溶媒との混合溶媒を形成する。本発明では、この水と有機溶媒との混合溶媒下で、カルボキシメチル化反応を進行させる。有機溶媒の添加または削減のタイミングは、マーセル化反応の終了後からカルボキシメチル化剤を添加した直後までの間であればよく、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチル化剤を添加する前後30分以内が好ましい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に添加してカルボキシメチル化の際の溶媒として用いることができる。これらのうち、水との相溶性が優れることから、炭素数1〜4の一価アルコールが好ましく、炭素数1〜3の一価アルコールがさらに好ましい。
カルボキシメチル化の際の混合溶媒中の有機溶媒の割合は、水と有機溶媒との総和に対して有機溶媒が20〜99質量%であることが好ましく、30〜99質量%であることがより好ましく、40〜99質量%であることがさらに好ましく、45〜99質量%であることがさらに好ましい。
カルボキシメチル化の際の反応媒(セルロースを含まない、水と有機溶媒等との混合溶媒)は、マーセル化の際の反応媒よりも、水の割合が少ない(言い換えれば、有機溶媒の割合が多い)ことが好ましい。本範囲を満たすことで、得られるカルボキシメチル化セルロースの結晶化度を維持しながらカルボキシメチル置換度を高くしやすくなり、解繊した際に透明度の高いセルロースナノファイバー分散体となるカルボキシメチル化セルロースを、より効率的に得ることができるようになる。また、カルボキシメチル化の際の反応媒が、マーセル化の際の反応媒よりも水の割合が少ない(有機溶媒の割合が多い)場合、マーセル化反応からカルボキシメチル化反応に移行する際に、マーセル化反応終了後の反応系に所望の量の有機溶媒を添加するという簡便な手段でカルボキシメチル化反応用の混合溶媒を形成させることができるという利点も得られる。
水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、マーセル化セルロースにカルボキシメチル化剤を投入した後、温度を好ましくは10〜40℃の範囲で一定に保ったまま15分〜4時間、好ましくは15分〜1時間程度撹拌する。マーセル化セルロースを含む液とカルボキシメチル化剤との混合は、反応混合物が高温になることを防止するために、複数回に分けて、または、滴下により行うことが好ましい。カルボキシメチル化剤を投入して一定時間撹拌した後、必要であれば昇温して、反応温度を30〜90℃、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃として、30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化(カルボキシメチル化)反応を行い、カルボキシメチル化セルロースを得る。
カルボキシメチル化の際には、マーセル化の際に用いた反応器をそのまま用いてもよく、あるいは、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することが可能な別の反応器を用いてもよい。
反応終了後、残存するアルカリ金属塩を鉱酸または有機酸で中和してもよい。また、必要に応じて、副生する無機塩、有機酸塩等を含水メタノールで洗浄して除去し、乾燥、粉砕、分級してカルボキシメチル化セルロース又はその塩としてもよい。乾式粉砕で用いる装置としてはハンマーミル、ピンミル等の衝撃式ミル、ボールミル、タワーミル等の媒体ミル、ジェットミル等が例示される。湿式粉砕で用いる装置としてはホモジナイザー、マスコロイダー、パールミル等の装置が例示される。
上記カルボキシメチル化(例2)の方法においては、CM化セルロース繊維のカルボキシメチル置換度を、0.01以上0.5未満とすることが好ましく、0.05以上0.4未満とすることがこのましく、0.1以上0.35未満とすることが更に好ましい。カルボキシメチル置換度が0.01未満であると担持させる金属イオンの効果が十分発現する。一方、0.5未満とすることで 本発明で製造されるカルボキシメチル化セルロースは、水に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持される。すなわち、カルボキシメチル化セルロースの水分散体を電子顕微鏡で観察すると、繊維状の物質を観察することができ、カルボキシメチル化セルロースをX線回折で測定した際にセルロースI型結晶のピークを観測することができる。なお、 本発明のカルボキシメチル化セルロース繊維におけるセルロースの結晶化度は、結晶I型が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
また、カルボキシメチル化(例2)の方法で得られたCM化セルロース繊維を原料とした金属イオン含有CM化CNFは、固形分1%(w/v)の水分散体とした際の波長660nmの光の透過率が60%以上の透明性を有する。
なお、セルロースの結晶性は、マーセル化剤の濃度と処理時の温度、並びにカルボキシメチル化の度合によって制御できる。マーセル化及びカルボキシメチル化においては高濃度のアルカリが使用されるために、セルロースのI型結晶がII型に変換されやすいが、アルカリ(マーセル化剤)の使用量を調整するなどして変性の度合いを調整することによって、所望の結晶性を維持させることができる。
[カルボキシメチル化置換度、結晶化度の測定]
カルボキシメチル置換度DS値)の測定方法は以下の通りである:
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振盪して、カルボキシメチル化セルロースの塩(CMC)をH−CMC(水素型カルボキシメチル化セルロース)に変換する。その絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1N−NaOHを100mL加え、室温で3時間振盪する。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N−H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS値)を算出する。
A=[(100×F’−0.1N−H2SO4(mL)×F)×0.1]/(H−CMCの絶乾質量(g))
カルボキシメチル置換度=0.162×A/(1−0.058×A)
F’:0.1N−H2SO4のファクター
F:0.1N−NaOHのファクター。
カルボキシメチル化セルロースのセルロースI型の結晶化度の測定方法は、以下の通りである:
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10゜〜30゜の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6゜の002面の回折強度と2θ=18.5゜のアモルファス部分の回折強度から次式により算出する。
Xc=(I002c―Ia)/I100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6゜、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5゜、アモルファス部分の回折強度。
[解繊(ナノ解繊)]
CM化パルプを解繊することでCM化CNFが得られる。解繊処理は1回行ってもよく、複数回行ってもよい。
解繊に用いる装置は、特に限定されないが、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの方式の装置が挙げられ、高圧または超高圧ホモジナイザーが好ましく、湿式の、高圧または超高圧ホモジナイザーがより好ましい。これらの装置は、CM化パルプに強力なせん断力を印加することができるので好ましい。せん断速度は1000sec-1以上が好ましい。これにより、凝集構造が少なく、均一にナノファイバー化することができる。CM化パルプに印加する圧力は、好ましくは1MPa以上であり、より好ましくは50MPa以上であり、さらに好ましくは100MPa以上である。
解繊は、通常、分散体中で行う。分散体は、通常、水分散液等の水系分散体である。分散に先立ち、必要に応じて予備処理を行ってもよい。予備処理としては、例えば、混合、撹拌、乳化が挙げられ、公知の装置(例えば、高速せん断ミキサー)を用いて行えばよい。
解繊をCM化パルプに対して行う場合、CM化パルプの固形分濃度は、下限は、通常は0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。これにより処理する化学変性パルプの量に対し液量が適量となり効率的である。上限は、通常10質量%以下であり、好ましくは6質量%以下である。これにより、流動性を保持することができる。
[金属担持セルロース繊維]
CM化セルロース繊維に対し、金属化合物を含む水溶液を接触させることで、CM化セルロース繊維のカルボキシル基(−COOH)由来のカルボキシレート基(−COO−)に、金属化合物が配位結合あるいは水素結合、金属化合物由来の金属イオンがイオン結合している金属化合物を含有するセルロース繊維が得られる。なお、この金属化合物を含有するセルロース繊維は、金属化合物が分子レベルでカルボキシル基またはカルボキシレート基と結合していると考えられるため、金属ナノ粒子は形成されていない。
金属化合物水溶液とは、金属塩または有機金属化合物の水溶液である。金属塩の例には、錯体(錯イオン)、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩が含まれる。金属塩
は水溶性であることが好ましい。
金属化合物の接触方法に関しては、予め調製したセルロース繊維の分散液と金属化合物水溶液を混合してもよく、セルロース繊維を含む分散液を基材の上に塗布して膜とし、当該膜に金属化合物水溶液を滴下して含浸させてもよい。このとき、膜は基板上に固定されたままであってもよいし、基板から剥離された状態であってもよい。
金属化合物水溶液の濃度は特に限定されることはなく、所望の機能が発現できるように適宜調整してよい。
また、金属化合物を接触させる時間は適宜調整してよい。接触させる際の温度は特に限定され
ないが20〜40℃が好ましい。また、接触させる際の液のpHは2.5〜13が好まし
い。
次に、上記で得られた金属化合物含有セルロース繊維中の金属化合物を還元することによって金属粒子をセルロース繊維中に生成さることができる。この機構は明らかでないが、以下のように推察される。還元反応により金属化合物含有セルロース繊維中の金属化合物または金属化合物由来のイオンは還元されて金属となる。このとき、生成した金属は、CM化セルロース繊維の表面に担持される。同様に生成した近隣の金属同士は一体化するので、粒子が成長してナノ粒子が形成される。一方、セルロース繊維の近傍に存在するもののCM化セルロース繊維と結合せずに存在していた金属化合物等も還元されて金属を生成する。この金属は、速やかにセルロース繊維表面の金属と一体化して金属粒子を形成する。
還元反応は、公知の方法で行ってよいが、金属化合物を還元しつつ、金属化合物と酸基との結合を開裂しないように行うことが好ましい。このような還元方法の例には、水素による気相還元法、および水素化ホウ素ナトリウム水溶液などの還元剤を用いた液相還元法が含まれる。気相還元における時間、温度等の条件は適宜調整されるが、例えば50〜60℃で1〜3時間程度反応すればよい。気相還元反応は、酸化セルロース繊維が水や溶媒を含んでいない状態で行うことが好ましい。還元反応においては、膜は基板上に固定されたままであってもよいし、基板から剥離された状態であってもよい。液相還元の場合は、上記分散液から膜を得て、これを乾燥してあるいは乾燥しないまま還元反応に供することができる。また、分散液を乾燥することなく液相還元反応に供することもできる。液相還元における反応温度は4〜40℃が好ましく、室温がより好ましい。
金属粒子は、セルロース繊維表面に存在する酸基を接点としてセルロース繊維表面に担持されている。すなわち、金属粒子は、セルロース繊維表面に存在する酸基を介してセルロース繊維表面に固定されている。固定化に係る化学結合は、配位結合、水素結合、またはイオン結合が好ましい。結合の状態は、X線光電子分光分析もしくは赤外分光分析により解析できる。
金属粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡像またはX線回折から求められる。本発明においては、金属粒子の平均粒子径は透過型電子顕微鏡像から求めた場合に、平均粒子径が1〜50nmの範囲にあることが好ましい。具体的に平均粒子径は、セルロース繊維の透過型電子顕微鏡像を準備し、その像から、複数の金属粒子の一次粒子の円相当径を求め、これらの値を平均して求められる。
金属粒子として、所望の機能を付与することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、消臭効果を付与するためには、AU、Pt、Ag及びCuの群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。また、セルロース繊維の酸基のすべてに金属粒子が結合しなくてもよく、残存した酸基が臭い成分であるアンモニアを中和することにより、消臭機能が発揮される。
金属担持セルロース繊維の金属粒子の量は特に限定されるものではないが、カルボキシメチル化セルロース繊維に対して金属粒子の含有量が2mg/g以上とすることが好ましい金属イオンの含有量が少ないと消臭機能が発現しない。一方、上限は特に限定されないが、消臭機能がサチレートすることから60mg/g以下とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
<実施例1>
パルプを混ぜることが出来る撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙株式会社製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシルメチル化したパルプを得た。
次にこのカルボキシルメチル化したパルプ分散液の固形分を1%(w/v)、pHを9に調整し、濃度1.0mmol/g(CM化パルプ1g当たり)になるように金属塩(AgNO3)水溶液を加えて15分撹拌した。
更に、還元剤を添加して、カルボキシルメチル化したパルプにAgナノ粒子を担持させた。CM化パルプに対する金属粒子の担持量は18.1mg/gであった。
その後、水で洗浄した金属粒子を担持させたCM化パルプを固形分1%(w/v)の水分散液に調整し、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより解繊し、カルボキシメチル化セルロース繊維の水分散液を得た。得られた繊維は、平均繊維径が15nm、アスペクト比が50であった。
[実施例2]
金属塩水溶液としてCuCl2水溶液を用い、カルボキシルメチル化したパルプ分散液の固形分を1%(w/v)、pHを8.5に変更した以外は実施例1と同様にして、CM化パルプに対する金属粒子の担持量は30.5mg/gの金属イオン含有セルロース繊維を得た。また解繊して得られた繊維は、平均繊維径が15nm、アスペクト比が50であった。
[実施例3]
下記のCM化セルロース繊維(パルプ)を用いた以外は実施例1と同様にして金属粒子担持セルロース繊維を得た。得られた金属担持セルロース繊維(CNF)の金属粒子の担持量は18.1mg/g、分散体(1%(w/v))の波長660nmの光の透過率は88%、セルロースナノファイバーの平均繊維径は3.2nm、アスペクト比は60セルロースI型の結晶化度は66%であった。
回転数を150rpmに調節した二軸ニーダーに、水130部と、水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものとを加え、広葉樹パルプ(日本製紙(株)製、LBKP)を100℃60分間乾燥した際の乾燥質量で100部仕込んだ。35℃で80分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に撹拌しつつイソプロパノール(IPA)230部と、モノクロロ酢酸ナトリウム60部を添加し、30分間撹拌した後、70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、50%である。反応終了後、pH7になるまで酢酸で中和、洗浄して、して、カルボキシメチル置換度は0.31のカルボキシメチル化パルプを得た。
なお、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー(金属イオン含有CNFを含む)を固形分1%(w/v)の水分散体とした際の、波長660nmの光の透過率(セルロースナノファイバーの透明度)の測定方法は、以下の通りである:
セルロースナノファイバー分散体(固形分1%(w/v)、分散媒:水)を調製し、U
V−VIS分光光度計UV−1800(島津製作所製)を用い、光路長10mmの角型セ
ルを用いて、660nm光の透過率を測定する。
[実施例4]
下記のCM化セルロース繊維(パルプ)を用いた以外は実施例1と同様にして金属粒子担持セルロース繊維を得た。得られた金属担持セルロース繊維(CNF)の金属粒子の担持量は18.1mg/g、分散体(1%(w/v))の波長660nmの光の透過率は79%、セルロースナノファイバーの平均繊維径は3.5nm、アスペクト比は38セルロースI型の結晶化度は73%であった。
IPAの添加量を変えることによりカルボキシメチル化反応時の反応液中のIPAの濃度を30%とした以外は実施例4と同様にして、カルボキシメチル置換度は0.24のカルボキシメチル化パルプを得た。
[実施例5]
下記のCM化セルロース繊維(パルプ)を用いた以外は実施例1と同様にして金属粒子担持セルロース繊維を得た。得られた金属担持セルロース繊維(CNF)の金属粒子の担持量は18.1mg/g、分散体(1%(w/v))の波長660nmの光の透過率は32%、セルロースナノファイバーの平均繊維径は3.1nm、アスペクト比は39セルロースI型の結晶化度は66%であった。
マーセル化反応時の溶媒を水10%、IPA90%とし、カルボキシメチル化反応時にも同じ組成の溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を実施例1と同様にして解繊し、カルボキシメチル化置換度0.29のカルボキシメチル化パルプの分散体を得た。
[比較例1]
金属担持ゼオライト高密度結晶化パルプ(商品名セルガイア(登録商標))を用いた以外は実施例1と同様に評価した。なお、金属担持ゼオライト高密度結晶化パルプの金属イオン含有量は0.4mg/gであった。
<消臭効果>
乾燥した上記の金属粒子含有CM化CNFを0.03gが入ったコック付きガスバッグに、アンモニア水溶液(アンモニア水2mL:水2mL)の飽和ガスを1.2mL注射器で挿入し、さらにエアーポンプにて空気を1.5L充填した。上記飽和ガスは、アンモニア水溶液が入っている密閉容器の気相から採取した。飽和ガス及び空気を充填後のガスバッグ中のアンモニアガス濃度は80〜90ppmであった。次に、検知管に吸引器とゴムチューブを繋ぎ、ゴムチューブをガスバッグに繋いだ。そして、空気を充填してから50分経過後のガスバッグ内のアンモニアガス濃度を測定した。
◎: 残存濃度が初期の1/5以下
○: 残存濃度が初期の1/5を超え1/4以下
×: 残存濃度が初期の1/4を超え1/3以下
また、試験片1gに対して5gの割合で精製水を滴下した後、同様に評価して湿潤状態の
消臭効果を評価した。評価が◎か○であれば、実用上問題はない。
Figure 2019199660

Claims (2)

  1. カルボキシメチル化セルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属粒子を担持してなる金属粒子担持セルロース繊維。
  2. 前記カルボキシメチル化セルロース繊維に対する前記金属粒子の含有量が2〜60mg/gである請求項1記載のセルロース繊維。
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