JP2019197785A - プリント配線板 - Google Patents

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竜也 坂本
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Abstract

【課題】電気信号が通る信号導体に対するノイズの干渉を抑制することが可能な有底穴接地導体を有するプリント配線板を提供する。【解決手段】第1絶縁基板11と、信号導体2と、第2面接地導体31と、第1有底穴接地導体41とを備える。信号導体2は第1絶縁基板11の一方の面である第1面1aに線状に設けられる。第2面接地導体31は、第1絶縁基板11の他方の面である第2面1bにおいて信号導体2と対応する位置に存在する線分を含む範囲に設けられ接地される。第1有底穴接地導体41は、信号導体2の両側に信号導体2と決められた間隔を有して信号導体方向に連続して第2面接地導体31が露出するように第1絶縁基板11に設けられた第1有底穴51の内部に、信号導体方向に連続して第1面1aから第2面1bまで存在し、かつ第2面接地導体31と信号導体方向に連続して接続するように設けられる。【選択図】図1

Description

この発明はプリント配線板に関し、特に信号導体への絶縁基板を介して伝播する信号の干渉を防ぐ構成を有するプリント配線板に関するものである。
複数の電気回路ブロックを有するプリント配線板では、回路間の干渉を防ぐために、プリント配線板を構成する絶縁基板を貫通して裏面の接地導体と接続する接地ビア導体が形成される。この接地ビア導体が、互いに隣り合う1対の回路間に設置される。当該接地ビア導体は、一定のピッチで配置され、ピッチが狭ければ狭いほど、高周波信号の干渉に対して効果的である。特に外部からの干渉にクリティカルに影響する高周波信号間のアイソレーションのためには、接地ビア導体の微小化および狭ピッチ化が要求されている。
具体例として、たとえば国際公開第2007/069789号公報(特許文献1)においては、半導体素子が収容されている樹脂絶縁層上に、他の樹脂絶縁層と導体回路とが形成され、当該半導体素子と導体回路とが、接地ビア導体としてのシールドビアを介して電気的に接続されている多層プリント配線板が開示されている。多層プリント配線板においては、半導体素子を収容する凹部を囲んだ樹脂絶縁層に、あるいは凹部の内壁面に電磁シールド層を形成し、その凹部内に半導体素子を内蔵する構成である。電磁シールド層は、樹脂絶縁層の表面において凹部を囲むように、かつ、樹脂絶縁層の表面から凹部の底面の接地された下部金属層まで形成されている。
また他の具体例として、たとえば特開2013−254759号公報(特許文献2)においては、外部から基板表面に伝搬したノイズが基板の端部にて回折して層間絶縁膜へ侵入し内層の信号配線へ干渉することを抑制するために、以下の構成を示している。すなわち、信号配線の基板の端部側の周囲にGNDリングを設けている。信号配線を囲むGNDリングと面状の接地された基板GNDとを接続するGNDビアが、決められた間隔で千鳥状に設けられている。
国際公開第2007/069789号公報 特開2013−254759号公報
国際公開第2007/069789号公報においては、半導体素子の周囲全体を取り囲むシールドビアにより、半導体素子に対する外部ノイズの干渉を防ぐことはできるが、プリント配線板における電気信号が通る信号導体に対するノイズの干渉を防ぐ思想について開示されていない。
また特開2013−254759号公報においては、信号導体を囲み、絶縁体の基板を貫通するGNDビアは、たとえば千鳥状など信号導体の外周に沿う方向に関して間欠的にしか形成されていない。また信号導体の周囲全体を取り囲むGNDリングは、基板厚み方向に関して間欠的にしか形成されていない。このためGNDビアおよびGNDリングの当該間欠部分(隙間)からノイズの漏れが発生する恐れがある。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、電気信号が通る信号導体に対するノイズの干渉を抑制することが可能なプリント配線板を提供することである。
本発明に係るプリント配線板は、第1絶縁基板と、信号導体と、第2面接地導体と、第1有底穴接地導体とを備える。信号導体は第1絶縁基板の一方の面である第1面に線状に設けられる。第2面接地導体は、第1絶縁基板の他方の面である第2面において信号導体と対応する位置に仮想的に存在する線分を含む範囲に設けられ接地される。第1有底穴接地導体は、信号導体の両側に信号導体と決められた間隔を有して信号導体に沿う方向である信号導体方向に連続して第2面接地導体が露出するように第1絶縁基板に設けられた第1有底穴の内部に、信号導体方向に連続して第1面から第2面まで存在し、かつ第2面接地導体と信号導体方向に連続して接続するように設けられる。
本発明によれば、信号導体は外部からの干渉をより確実に抑制することができる。
本発明の実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 実施の形態1の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 実施の形態1の第3例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 実施の形態1の第4例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 図1〜図4の各例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図の一例である。 図1〜図4の各例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図の、図5とは異なる他の例である。 実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第2例に係るプリント配線板の製造方法の、図24に続く工程としての第1工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第2例に係るプリント配線板の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第2例に係るプリント配線板の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第3例に係るプリント配線板の製造方法の、図27に続く工程としての第1工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第3例に係るプリント配線板の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第4例に係るプリント配線板の製造方法の、図24に続く工程としての第1工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の第4例に係るプリント配線板の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。 図5と同様の構成であるが第1面接地導体を備えていないプリント配線板の構成を示す概略平面図である。 図6と同様の構成であるが第1面接地導体を備えていないプリント配線板の構成を示す概略平面図である。 本発明の実施の形態2の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図である。 実施の形態2の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 実施の形態2の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図である。 実施の形態2の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態3の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 実施の形態3の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例または第2例に係るプリント配線板の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図に基づいて説明する。なお説明の便宜のため、各図にはX方向、Y方向、Z方向を示している。Z方向は、プリント配線板の厚み方向である。Y方向は、信号導体が延在する方向である。X方向は、信号導体と直交する方向である。図1は実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。図2は実施の形態1の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。図3は実施の形態1の第3例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。図4は実施の形態1の第4例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。図5は図1〜図4の各例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図の一例である。図6は図1〜図4の各例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図の他の例である。なお図5および図6中のA−A線に沿う部分の概略断面図が、図1〜図4の各図に相当する。また図1〜図6の各図は、プリント配線板のうち特に信号導体およびそれに隣接する領域のみが示されており、他の領域は図示省略されている。
図1および図5を参照して、本実施の形態の第1例に係るプリント配線板110の構造について説明する。プリント配線板110は、ビルドアップ基板である。コア基板の最も表面側の基板であるコア表層基板20の図における上側に、第1絶縁基板11がビルドアップ(積層)されている。なお、コア表層基板20の上に積層された表層基板の上に、さらに基板を積層する場合でもよい。
第1絶縁基板11は、図における上側の一方の面である第1面1aと、他方の面である第2面1bとを有している。第2面1bは、コア表層基板20の図における上面と接する。図1において、第2面1bは、第1絶縁基板11に関して第1面1aとはZ方向の反対側に存在する。第1絶縁基板11の第1面1aに、信号導体2、第1有底穴接地導体41と、第1面接地導体71が設けられ、第2面1bには、第2面接地導体31が設けられている。第1面1aおよび第2面1bはここでは一例として、XY平面に沿うように配置される。第1絶縁基板11はたとえば一般公知の樹脂材料により形成される絶縁性の部材である。信号導体2は、第1絶縁基板11の第1面1a側に、たとえばY方向に沿って線状に設けられた導体薄膜である。図5および図6に示す範囲では、信号導体2は、X方向に関する幅がその全体においてほぼ等しく、平面視において細長い長方形状を有している。信号導体2はたとえば銅により形成されている。信号導体2は、たとえば高周波の電気信号が通る部材である。
第2面接地導体31は、第1絶縁基板11の第2面1b側に形成される導体部材である。第2面接地導体31は接地電位を有している。第2面接地導体31は、第2面1b側の大部分に形成されている。第2面接地導体31はたとえば銅の薄膜により形成されている。第2面接地導体31は、第1絶縁基板11の第2面1bにおいて、信号導体2と対応する位置に存在する線分を含む範囲に設けられている。言い換えれば第2面接地導体31は、第1絶縁基板11の第2面1bにおいて、信号導体2と平面視において重なる位置、すなわち信号導体2と対向する位置に仮想的に存在する、信号導体2と同様のY方向に延びる線状の部材すなわち線分を含むように設けられている。ただし第2面接地導体31は上記の信号導体2と重なる領域に限らず、平面視における信号導体2の線分を含む範囲に限らず、その範囲を含めかつその周囲の領域も含むように形成されている。第2面接地導体31は、信号導体2と平面視において重なる領域からその周囲の領域まで連続するように第2面1b側を拡がっている。第2面接地導体31は、少なくとも信号導体2と対向する位置に仮想的に存在する、信号導体2と同様のY方向に延びる線状の部材すなわち線分を含むように設けられていればよい。
なお、第1絶縁基板11の第1面1aは、第1面1aに設けられた第1面接地導体71および信号導体2も含む。第1絶縁基板11の第2面1bは、第2面接地導体31も含む。一般に基板の面は、その面に設けられた導体も含む。なお、第2面接地導体31は、コア表層基板20の上面に設けられていると考えることもできる。第2面接地導体31がコア表層基板20の上面に設けられていると考える場合は、第2面接地導体31はコア表層基板20の上面に含まれる。
第1面接地導体71は、第1絶縁基板11の第1面1a側に形成される導体部材である。第1面接地導体71は、のちで説明する第1有底穴接地導体41により第2面接地導体31に接続されており、接地電位を有している。第1面接地導体71は、第1面1aにおいて信号導体2の両側に形成されている。すなわち第1面接地導体71は第1面1a側において信号導体2の延びる方向に交差するX方向に関する一方側と他方側との双方において、信号導体2と決められた間隔を有するように形成されている。より具体的には、第1面接地導体71は、第1面1a側において、信号導体2からX方向に関してある間隔内の領域を除く領域のほぼ全体に形成されている。すなわち第1面接地導体71は、信号導体2に沿うY方向に連続して設けられている。
図7〜図12を参照して、実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の場合で第1有底穴接地導体41の製造方法を説明する。第1有底穴接地導体41は、第1有底穴51の側面に設けられた導体である。図7〜図12は、実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造工程を示す概略断面図である。図7は加工前の状態である。第1絶縁基板11の第1面1aおよび第2面1bには、一面に導体層が設けられている。第1面1aの導体を第1面導体25と呼ぶ。第2面1bには、第2面接地導体31が設けられている。図7〜図12では、図における左右方向の全範囲に第2面接地導体31が存在するが、第1有底穴51に対応する部分だけに第2面接地導体31を設けてもよい。
第1有底穴51に対応する部分の第1面導体25をエッチングにより除くと、図8に示す状態となる。エッチングにより第1絶縁基板11が露出している箇所にレーザ光(例えば炭酸ガスレーザ)を照射して、第2面接地導体31が露出するように、第1有底穴51を設ける。具体的には、第1有底穴51は、信号導体2の延在するY方向と平面視において交差するX方向に関する一方向すなわち図1の左側、およびX方向に関する他方向すなわち図1の右側の両側に形成されている。第1有底穴51は、X方向に関して、信号導体2と決められた間隔を有するように形成されている。第1有底穴51は、信号導体2に沿う方向である信号導体方向すなわちY方向に連続して第1絶縁基板11に設けられている。図1の信号導体2の左側および右側の第1有底穴51の双方は、信号導体2からのX方向に関する距離、およびX方向に関する幅がほぼ等しいことが好ましい。第1有底穴51はY方向に延びる全体において、第1絶縁基板11の第1面1aから第2面1bまで存在するようにZ方向に延びている。さらに、レーザ照射により発生するスミア(樹脂残渣)を除去するデスミア処理を実施して、図9に示す状態になる。
樹脂である第1有底穴51の側面へ銅めっきをするために無電解銅めっきを実施すると、図10に示す状態になる。無電解めっきにより第1有底穴51の側面には表面に第1有底穴接地導体41の一部になる銅層ができているので、電解銅めっきを実施して第1有底穴51の側面および第1面1aの上の第1面導体25上の銅層を厚くする。電解銅めっき処理後の状態が、図11である。プリント配線板110が有する第1有底穴接地導体41は、第1有底穴51の内面から決められた厚さで設けられる。
銅層を残すべき箇所である信号導体2、第1有底穴接地導体41および第1面接地導体71に対応する部分に、保護レジストをプリント(印刷)する。エッチングにより保護レジストが設けられていない部分の銅層を除去する。保護レジストを除去した後が、図12に示す状態である。こうして、信号導体2および第1面接地導体71を含む回路パターンが第1面1aにできる。
第1有底穴接地導体41は、第1絶縁基板11における信号導体2の両側に形成されている第1有底穴51の内部に形成されている。
第1有底穴接地導体41は、第1有底穴51の内部に配置された導体である。すなわち第1有底穴接地導体41は、第1有底穴51と同様に、信号導体方向であるY方向に連続して第1面1aから第2面1bまで存在するようにZ方向に延びている。第1有底穴接地導体41は、第2面接地導体31と信号導体方向に連続して接続するように設けられている。図1においては、第1有底穴接地導体41は、第1有底穴51のY方向に延びる壁面上を、Y方向に関して連続するように形成されている。
以上の構成を有することにより、第1面接地導体71および第2面接地導体31はいずれも、Y方向に関して連続するように、第1有底穴接地導体41と接続されている。第1面接地導体71および第2面接地導体31はいずれも接地電位を有している。したがってこれらに挟まれるように接続される第1有底穴接地導体41も接地電位を有している。すなわち第1面接地導体71、第1有底穴接地導体41および第2面接地導体31は互いに電気的に接続され、かつ互いに同電位とされている。
第1有底穴接地導体41が接地電位を有し、かつ信号導体2と並ぶように配置されている。このため信号導体2は、少なくともその延びるY方向に交差するX方向に関しては、第2面接地導体31を含む接地電位の第1有底穴接地導体41により囲まれた構造となる。したがって信号導体2は、少なくともX方向に関して、第1有底穴接地導体41の外側から第1絶縁基板11を介して電気信号が漏れることを抑制することができる。また信号導体2から、少なくともX方向に関して第1有底穴接地導体41の外側へ、第1絶縁基板11を介して電気信号が漏れることを抑制することもできる。つまり第1有底穴接地導体41は信号導体2に対する、不要な電気信号の遮蔽効果を有する。したがって第1有底穴接地導体41により、電気信号の品質の劣化および他の信号導体への干渉を抑制することができる。
図1に示す本実施の形態の第1例のプリント配線板110においては、第1有底穴接地導体41は、第1絶縁基板11の第1有底穴51の内壁面上を信号導体2の延びるY方向に沿って延び、かつ第1面1aから第2面1bまで延びる構成である。そして第1有底穴51の内部のうち、第1有底穴接地導体41よりも内側の領域は空洞となっている。図1における第1有底穴接地導体41は、以下のように形成される。たとえばレーザ加工により、第1絶縁基板11を構成する絶縁性の樹脂材料を昇華させて除去することで第1有底穴51を形成する。樹脂材料は、第1面1aから第2面接地導体31が露出するまで除去する。したがってここでレーザ加工により形成された第1有底穴51はレーザビアホールである。その後、第1有底穴51のY方向に延びる壁面に、Y方向に関して連続し、かつ第1面1aから第2面接地導体31に接続するまで連続するように、銅のめっき膜が形成される。なお、第1有底穴51の形成後にその内側面を覆う第1有底穴接地導体41と同時に銅のめっき膜として形成されてもよい。
図2を参照して、本実施の形態においては、第2例のプリント配線板120のように、第1有底穴接地導体41は基本的に図1と同様の構成を有するが、第1有底穴51の内部のうち、第1有底穴接地導体41よりも内側の領域は絶縁樹脂81により充填されていてもよい。言い換えれば、第1有底穴51の内部は、第1有底穴接地導体41および絶縁樹脂81により充填されてもよい。図2における第1有底穴接地導体41は、以下のように形成される。図1の第1有底穴接地導体41と同様の加工がされた後、樹脂埋め法により第1有底穴51の内部が、第1有底穴接地導体41を覆うように絶縁樹脂81で充填される。
図13〜図15を参照して、図2に示す第2例のプリント配線板120の製造工程を説明する。図13〜図15は、実施の形態1の第2例に係るプリント配線板の製造工程を示す概略断面図である。図13を参照して、図7〜図11に示す実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造工程と同様の処理がなされた後、第1有底穴51の内部に絶縁樹脂81が充填される。第1有底穴51からはみ出る絶縁樹脂81を研磨して除くと、図14に示す状態になる。
銅層を残すべき箇所である信号導体2、第1面接地導体71および絶縁樹脂81に対応する部分に、保護レジストをプリント(印刷)する。エッチングにより保護レジストが設けられていない部分の銅層を除去する。保護レジストを除去した後が、図15に示す状態である。こうして、信号導体2および第1面接地導体71を含む回路パターンが第1面1aにできる。
また図3を参照して、本実施の形態においては、第3例のプリント配線板130のように、第1有底穴接地導体41は基本的に図2と同様の構成を有するが、第1有底穴51の内部を第1絶縁基板11の第1面1a側から覆う有底穴接地導体被覆膜61をさらに有していてもよい。有底穴接地導体被覆膜61も、銅の薄膜により形成されている。図3における第1有底穴接地導体41は、図2と同様に第1有底穴51の内部が絶縁樹脂81で充填された後、第1有底穴51を上方から覆うように第1面1a側に銅のめっき膜としての有底穴接地導体被覆膜61が形成される。有底穴接地導体被覆膜61は、絶縁樹脂81を覆う樹脂保護導体層である。有底穴接地導体被覆膜61があることで、絶縁樹脂81が保護される。
図16〜図17を参照して、図3に示す第3例のプリント配線板130の製造工程を説明する。図16〜図17は、実施の形態1の第3例に係るプリント配線板の製造工程を示す概略断面図である。図16を参照して、図7〜図11に示す実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造工程と同様の処理、および図13〜図14に示す同第2例に係るプリント配線板の製造工程と同様の処理がなされた後、第1面1a側全体を銅めっきして、絶縁樹脂81の上側に有底穴接地導体被覆膜61を含む銅層を設ける。有底穴接地導体被覆膜61を蓋めっき層とも呼ぶ。有底穴接地導体被覆膜61を含む銅層を設けた状態が図16である。
銅層を残すべき箇所である信号導体2、有底穴接地導体被覆膜61および第1面接地導体71に対応する部分に、保護レジストをプリント(印刷)する。エッチングにより保護レジストが設けられていない部分の銅層を除去する。保護レジストを除去した後が、図17に示す状態である。こうして、信号導体2、有底穴接地導体被覆膜61および第1面接地導体71を含む回路パターンが第1面1aにできる。
また図4を参照して、本実施の形態においては、第4例のプリント配線板140のように、第1有底穴接地導体41は基本的に図3と同様の構成を有するが、第1有底穴51の内部のうち、第1有底穴接地導体41よりも内側の領域は、たとえばいわゆるフィルドめっきである有底穴充填導体91により充填されていてもよい。有底穴充填導体91は、たとえば銅の薄膜をめっきにより形成することを繰り返して設ける。言い換えれば、第1有底穴51の内部は、第1有底穴接地導体41および、第3導体膜としての有底穴充填導体91により充填されてもよい。なお、有底穴充填導体91も第1有底穴51の内部に存在するので、有底穴充填導体91も第1有底穴接地導体の一部と考えることができる。
図18〜図19を参照して、図3に示す第4例のプリント配線板140の製造工程を説明する。図18〜図19は、実施の形態1の第4例に係るプリント配線板の製造工程を示す概略断面図である。図18を参照して、図7〜図11に示す実施の形態1の第1例に係るプリント配線板の製造工程と同様の処理がなされた後、フィルドめっき工程により第1有底穴51の内部に有底穴充填導体91を形成させる。こうして、図18に示す状態になる。
銅層を残すべき箇所である信号導体2、有底穴充填導体91および第1面接地導体71に対応する部分に、保護レジストをプリント(印刷)する。エッチングにより保護レジストが設けられていない部分の銅層を除去する。保護レジストを除去した後が、図19に示す状態である。こうして、信号導体2、有底穴充填導体91および第1面接地導体71を含む回路パターンが第1面1aにできる。
なお図1に示すように、図1〜図4の何れのプリント配線板110〜140においても、信号導体2から第1面接地導体71までの第1面1aに沿う左右方向の間隔aは、第1面1aから第2面1bまでの第1絶縁基板11のZ方向の厚みbの3倍以上であることが好ましい。信号導体2から第1面接地導体71までの間隔aをこのように広く確保することにより、第1有底穴接地導体41による電気信号の遮蔽効果を高めることができる。ただし上記の距離aは、信号導体2を伝搬する電気信号の動作周波数に応じた距離となる。
また図1〜図4の何れのプリント配線板110〜140においても、第1有底穴接地導体41による電気信号の遮蔽効果を確保することができる。なお図2のプリント配線板120は、たとえばプリント配線板130,140に比べて少ない工程数で形成でき、第1有底穴51内に形成された導体の信頼性をプリント配線板110よりも高くできる。図3、図4のプリント配線板130,140は、絶縁基板の積層数が増えた場合でも平面視における同じ個所に第1有底穴接地導体41を設けることにより各層間を電気的に接続することができる。さらに図4のプリント配線板140は、第1有底穴51内が有底穴充填導体91で充填されるため、第1有底穴51内に形成された導体の信頼性を図1〜図3よりも高めることができる。
以上の構成を有することにより、図1および図2においては、第1有底穴51の内部の第1有底穴接地導体41は、Y方向に延びる第1有底穴51の全体において、第1面接地導体71および第2面接地導体31と、電気的に接続され接地電位となっている。同様に、図3においては、第1有底穴51の内部の第1有底穴接地導体41は、Y方向に延びる第1有底穴51の全体において、有底穴接地導体被覆膜61、第1面接地導体71および第2面接地導体31と、電気的に接続され接地電位となっている。図4においては、第1有底穴51の内部の第1有底穴接地導体41および有底穴充填導体91は、Y方向に延びる第1有底穴51の全体において、第1面接地導体71および第2面接地導体31と、電気的に接続され接地電位となっている。
図5および図6を参照して、図1〜図4の各例のプリント配線板110〜140はいずれも、平面図としては図5および図6のプリント配線板100として説明可能である。図5を参照して、図1〜図4の第1有底穴51は、たとえば円形の平面形状を有する穴が複数、部分的に重なるようにY方向に連続することにより、全体として1つの細長い第1有底穴51として形成されてもよい。この場合、第1有底穴51は、その側面が個々の円形状の穴同士が重なる部分においてそのX方向の幅が小さくなるようにくびれた形状を有する。あるいは図6を参照して、図1〜図4の第1有底穴51は、図5のようなくびれた形状を有さず、Y方向の端部を除きその全体において同じ幅を有するようにその側面が直線状に延びる形状であってもよい。なお図5および図6の何れにおいても、第1有底穴51の内部の態様は図1〜図4のすべてを適用可能であるが、図5および図6においては単純に第1有底穴51内に第1有底穴接地導体41が形成された態様として図示している。
一般的にこの第1有底穴51は、レーザ加工により形成されてもよいが、ドリル加工または他の方法により形成されてもよい。いずれにせよ第1有底穴51は、平面視において信号導体2とX方向に決められた間隔を有しY方向に連続して、信号導体2と並ぶように配置される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。たとえば信号導体2と並ぶ第1有底穴接地導体41を形成するための第1有底穴51が、信号導体2の延びる方向に対して連続しておらず間欠的に形成されている場合を考える。この場合は、信号導体2の一部は、そこから信号導体2の延びるY方向に交差するX方向に第1有底穴接地導体41が配置されないことになる。これにより、当該第1有底穴接地導体41が配置されない領域においては、絶縁層を介して電気信号の漏れが発生する場合がある。この電気信号の漏れは、信号品質の劣化、および他の信号への干渉を引き起こす。また第1有底穴接地導体41が第1絶縁基板11の厚み方向の一部、すなわち第1面1aから第2面1bに至るまでの領域の一部のみに設置される場合についても同様である。すなわち厚み方向について第1有底穴接地導体41が設置されない領域においては、第1絶縁基板11を介して電気信号の漏れが発生する場合がある。この電気信号の漏れは、電気信号の品質の劣化、および他の信号導体への干渉を引き起こす。また、第1絶縁基板11を介して信号導体2へ外部ノイズが干渉する。
そこで本実施の形態においては、第1有底穴接地導体41は信号導体方向に連続して第1面1aから第2面1bまで存在し、第2面接地導体31と信号導体方向に連続して接続するように設けられている。言い換えれば信号導体方向および厚み方向の何れについても、隙間のないように連続して第1有底穴接地導体41が設置される。また第2面1bにおいて信号導体2と対応する位置に存在する線分を含むように、つまり信号導体2と重なる第2面1b側の領域を含むように、第2面接地導体31が設けられている。このため信号導体2に電気信号が伝搬する際に、信号導体2の周囲は、少なくとも信号導体2の幅方向に関して第1有底穴接地導体41の壁に囲まれ、信号導体2の下において第2面接地導体31の壁に囲まれる。したがって、第1絶縁基板11を介した電気信号の漏れを抑制することができる。このため当該電気信号の漏れに起因する電気信号の品質の劣化、および他の信号導体への干渉を抑制することができる。また、第1絶縁基板11を介して信号導体2へ外部ノイズが干渉するのを抑制できる。
図1〜図6に示すように、本実施の形態においては基本的に、第1面1aにおいて信号導体2のX方向両側に信号導体2と決められた間隔を有して信号導体2に沿う方向に連続して設けられ、第1有底穴接地導体41と接続した第1面接地導体71を備えている。これにより、信号導体2を外側から電気的に遮蔽する効果をいっそう高めることができる。ただし図20および図21を参照して、これらは図5および図6と同様の構成であるが、第1面接地導体71を備えていない構成の例を示している。図20および図21のように第1面接地導体71を備えていなくても、第1有底穴接地導体41が信号導体方向に連続して第1面1aから第2面1bまで存在し、第2面接地導体31と信号導体方向に連続して接続することにより、信号導体2からの信号の漏れ、および信号導体2への干渉を防止するという作用効果を奏することができる。なお図20および図21においては、X方向に関して信号導体2から第1有底穴接地導体41までの第1面1aに沿う方向の間隔が、第1面1aから第2面までの第1絶縁基板11の厚みの3倍以上となることが好ましい。
実施の形態2.
図22は実施の形態2の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図である。図23は図22中のXXIII−XXIII線に沿う部分の構成を示す概略断面図である。図24は実施の形態2の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略平面図である。図25は図24中のXXV−XXV線に沿う部分の構成を示す概略断面図である。なお図22および図24の何れにおいても、第1有底穴51の内部の態様は図1〜図4のすべてを適用可能であるが、図22および図24においては単純に第1有底穴51内に第1有底穴接地導体41が形成された態様として図示している。
図22および図23を参照して、本実施の形態の第1例のプリント配線板200は、基本的に実施の形態1のプリント配線板100と同様の構成を有している。このため実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし本実施の形態においては、Y方向に沿って延びる信号導体2が、X方向に関して複数並んでいる。一例として図22および図23においては、2個の信号導体2がX方向に関して互いに間隔をあけて隣接するように配置されている。隣接する2個の信号導体2の間に、当該2本の信号導体2の各々から決められた間隔を有して設けられた1個の第1面接地導体71が備えられている。
すなわち2本の信号導体2のそれぞれは、両者の間に挟まれた1個の第1面接地導体71を共有している。2本の信号導体2のうち一方の信号導体2の両側の第1有底穴接地導体41を形成するための第1有底穴51は、当該信号導体2の第1面接地導体71も貫通するように形成されている。2本の信号導体2のうち他方の信号導体2の両側の第1有底穴接地導体41を形成するための第1有底穴51についても同様である。このように実施の形態2は、複数の信号導体2が並ぶ場合を対象とする。
プリント配線板200においては、2本の信号導体2のそれぞれが、そのX方向に関する両側に、実施の形態1と同様に1対の、信号導体2に沿うY方向に連続するように第1面1aから第2面1bまで存在する第1有底穴接地導体41を有している。また第1有底穴接地導体41は、第2面接地導体31とY方向に連続して接続するように設けられている。
図24および図25を参照して、本実施の形態の第2例のプリント配線板201は、基本的にプリント配線板100,200と同様の構成を有しているためこれらと同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。図24および図25においては、図22および図23と同様に、2個の信号導体2がX方向に関して互いに間隔をあけて隣接するように配置されている。ただし図24および図25では、隣接する2個の信号導体2の間に、2個の信号導体2の各々から決められた間隔を有して設けられた1個の第1有底穴接地導体41を備えている。
すなわち2本の信号導体2のそれぞれは、両者の間に挟まれた1個の第1有底穴接地導体41を共有している。プリント配線板201には、3つの第1有底穴接地導体41が形成されている。具体的には、2本の信号導体2のうち一方の信号導体2のみに隣接する第1有底穴接地導体41と、2本の信号導体2の双方が共有する第1有底穴接地導体41と、2本の信号導体2のうち他方の信号導体2のみに隣接する第1有底穴接地導体41とである。なお第1有底穴接地導体41はプリント配線板100,200のそれと同様の構成を有している。
なお図23および図25における第1有底穴接地導体41の態様は図1における第1有底穴接地導体41と同様であるが、図2〜図4のそれぞれにおける第1有底穴接地導体41と同様のものを図23および図25に適用することも可能である。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態は、実施の形態1と同様の作用効果の他に、以下の作用効果を奏する。
実施の形態1で述べたように、信号導体2への不要な電気信号の進入を抑制し遮蔽効果を高める観点から、信号導体2から第1面接地導体71までの図1に示す距離aを大きくすることが好ましい。またこれに伴い、複数の信号導体2を有する場合には、これらの間の距離を大きくすることが好ましい。しかし本実施の形態においては、隣り合う信号導体2の間で、第1面接地導体71および第1有底穴接地導体41を共有する。これにより、図1に示す距離aなどを確保しつつ、隣り合う信号導体2の間の距離を小さくすることができる。これによりプリント配線板200,201のサイズを小さくし、これを用いる半導体装置などの小型化に貢献することができる。
実施の形態3.
図26は実施の形態3の第1例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。図27は実施の形態3の第2例に係るプリント配線板の構成を示す概略断面図である。本実施の形態においても基本的にプリント配線板100,200,201と同様の構成を有しているためこれらと同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。図26は実施の形態2における図23に対応し、図27は実施の形態2における図25に対応する。すなわち図26における本実施の形態の第1例のプリント配線板300は、図23のプリント配線板200と同様の第1絶縁基板11およびそこに形成された信号導体2、第1有底穴51、第1有底穴接地導体41などを有している。ただしプリント配線板300においては、第1絶縁基板11の第1面1a側すなわち上側に、第2絶縁基板12が積層されている。具体的には、第2絶縁基板12は第1絶縁基板11と同部材によりなり、一方の面である第3面1cと、他方の面であり第3面1cと反対側の第4面1dとを有している。第3面1cは、第2絶縁基板12のうち第1絶縁基板11が存在しない側の面すなわち第2絶縁基板12の上側の面である。第4面1dは、第1面1aと接触する面である。第1面1aには既に回路パターンが設けられているので、第4面1dには絶縁樹脂のみを設ける。第2絶縁基板12には、第2有底穴52と、第2有底穴接地導体42と、第3面接地導体72とが主に形成されている。
なお第1面1aに設けられた信号導体2や第1面接地導体71などの導体の上に樹脂材料が積層される。しかし第1面1aにおいて導体が存在しない領域、たとえば信号導体2に隣接する領域13は、樹脂材料が充填される。
第3面接地導体72は第1面接地導体71と同部材によりなる。第3面接地導体72は、第1絶縁基板11の第1面1a側に線状に設けられた信号導体2と対応する位置に存在する線分を少なくとも含む範囲に設けられている。言い換えれば第3面接地導体72は、第2絶縁基板12の第3面1cにおいて、信号導体2と平面視において重なる位置、すなわち信号導体2と対向する位置に仮想的に存在する、信号導体2と同様のY方向に延びる線状の部材すなわち線分を含む範囲に設けられている。ただし第3面接地導体72は第2面接地導体31と同様、上記の信号導体2と重なる領域に限らず、その範囲を含めかつその周囲の領域も含むように形成されている。第3面接地導体72は、後で説明する第2有底穴接地導体42により第1面接地導体71と接続され接地電位を有している。
第1絶縁基板11に設けられた第1有底穴51と対応する位置に、第2絶縁基板12には第2有底穴52が設けられている。第1有底穴51には、第1有底穴接地導体41および有底穴充填導体91を設ける。第2有底穴52にも、第2有底穴接地導体42および有底穴充填導体92を設ける。その結果、第1有底穴接地導体41と対応する位置には、第2有底穴接地導体42が形成されている。すなわち第1有底穴接地導体41と平面視において重なる位置に、第2有底穴接地導体42が形成されている。第2有底穴接地導体42および有底穴充填導体92は、第2絶縁基板12に形成された第2有底穴52の内部に設けられる。第2有底穴接地導体42は第1有底穴接地導体41と同部材によりなる。第2有底穴52は、第1有底穴51と同様に、信号導体2に沿う方向すなわちY方向に連続して、第3面1cおよび第2絶縁基板12を貫通するように設けられている。第2有底穴接地導体42は、第1有底穴接地導体41と同様に、信号導体方向であるY方向に連続して第3面1cから第1面1aまで存在するようにZ方向に延びている。第2有底穴接地導体42は、その下側に、第1有底穴接地導体41の上側の面を覆う有底穴接地導体被覆膜61が存在する。すなわち有底穴接地導体被覆膜61は、第1有底穴接地導体41および第2有底穴接地導体42の両者を接続する。一方、第2有底穴接地導体42および有底穴充填導体92は第2有底穴52の内部を第2絶縁基板12の第3面1c側から覆う有底穴接地導体被覆膜63により覆われる。これは有底穴接地導体被覆膜61と同部材によりなる。
第2有底穴52の内部の第2有底穴接地導体42は、信号導体方向に連続して設けられ、第1有底穴接地導体41の特に有底穴接地導体被覆膜61、および第3面接地導体72と接続される。
図28〜図35を参照して、図26または図27のプリント配線板300,400の製造工程を説明する。図28〜図35は、実施の形態3に係るプリント配線板の製造工程を示す概略断面図である。図28が第2絶縁基板12を積層する前の状態である。図29に、積層準備の状態を示す。第1面1aの図における上側に第3面導体26およびプリプレグ27を重ねる。プリプレグ27は、繊維状補強材に硬化剤などの添加物を混合した熱硬化性樹脂を均等に含浸させ、加熱または乾燥させて半硬化状態にした強化プラスチック成形材料である。積層して加熱して樹脂を硬化させると図30の状態になる。図30では、プリプレグ27が硬化して第2絶縁基板12となる。
図30に対して、図31〜図35の処理を実施して、図26または図27に示すプリント配線板300,400が得られる。なお図31〜図35の処理は、図8〜図11および図18の処理に準ずる。
なお図26の第2有底穴接地導体42は、第1有底穴接地導体41と同様に、その内側の領域が有底穴充填導体92により充填されている。有底穴充填導体92は有底穴充填導体91と同部材によりなる。したがって図26においては図4と同様の第1有底穴接地導体41および第2有底穴接地導体42が示されている。しかしこれに限らず、図26において図1〜図3と同様の第1有底穴接地導体41および第2有底穴接地導体42が適用されてもよい。
図26におけるプリント配線板300の信号導体2および第1面接地導体71の配置関係は、図23のプリント配線板200のそれらと同様である。これに対し、図27におけるプリント配線板301の信号導体2および第1面接地導体71の配置関係は、図25のプリント配線板201のそれらと同様である。すなわち図26のプリント配線板300は2本の信号導体2の間にて第1面接地導体71および第3面接地導体72が共有される。これに対し、図27のプリント配線板301は2本の信号導体2の間にて第1有底穴接地導体41および第2有底穴接地導体42が共有される。この点においてのみ、図27のプリント配線板301はプリント配線板300と構成上異なるが、他の点においては基本的に同一である。このため図27において図26と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態は、実施の形態1,2と同様の作用効果の他に、以下の作用効果を奏する。本実施の形態においては第1絶縁基板11の図における上に、これに付属する部材とほぼ同様の部材が付属された第2絶縁基板12が積層されている。このような構成を有する本実施の形態のプリント配線板300,301はいわゆるビルドアップ構造を有している。そして第2有底穴接地導体42は、第1有底穴接地導体41と平面的に重なる位置に配置される。これにより、図26および図27に示すように、断面図において、1対の第1有底穴接地導体41および第2有底穴接地導体42の積層構造と、それら1対の間に挟まれる第2面接地導体31および第3面接地導体72により、接地電位の導体層の循環経路cが形成される。この循環経路cに囲まれるように信号導体2が配置されることとなる。これにより、信号導体2は、上下左右いずれの方向からも接地された導体層に囲まれることとなる。したがって本実施の形態においては、信号導体2は外部の電気信号などから完全に遮蔽されることになる。このため第1絶縁基板11などを介した電気信号の漏れをいっそう抑制することができ、当該電気信号の漏れに起因する電気信号の品質の劣化、および他の信号導体への干渉をいっそう抑制することができる。
以上に述べた各実施の形態の各例に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a 第1面、1b 第2面、1c 第3面、1d 第4面、2 信号導体、11 第1絶縁基板、12 第2絶縁基板、13 信号導体に隣接する領域、20 コア表層基板、25 第1面導体、26 第3面導体、27 プリプレグ、31 第2面接地導体、41 第1有底穴接地導体、42 第2有底穴接地導体、51 第1有底穴、52 第2有底穴、61,63 有底穴接地導体被覆膜、71 第1面接地導体、72 第3面接地導体、81 絶縁樹脂、91,92 有底穴充填導体、100,110,120,130,140,200,201,300,301 プリント配線板。

Claims (10)

  1. 第1絶縁基板と、
    前記第1絶縁基板の一方の面である第1面に線状に設けられた信号導体と、
    前記第1絶縁基板の他方の面である第2面において前記信号導体と対応する位置に仮想的に存在する線分を含む範囲に設けられ接地された第2面接地導体と、
    前記信号導体の両側に前記信号導体と決められた間隔を有して前記信号導体に沿う方向である信号導体方向に連続して前記第2面接地導体が露出するように前記第1絶縁基板に設けられた第1有底穴の内部に、前記信号導体方向に連続して前記第1面から前記第2面まで存在し、かつ前記第2面接地導体と前記信号導体方向に連続して接続するように設けられた第1有底穴接地導体とを備えたプリント配線板。
  2. 前記第1面において前記信号導体の両側に前記信号導体と決められた間隔を有して前記信号導体に沿う方向に連続して設けられ前記第1有底穴接地導体と接続した第1面接地導体を備えた請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 隣接する2個の前記信号導体の間に、2個の前記信号導体の各々から決められた間隔を有して設けられた1個の前記第1有底穴接地導体を備えた請求項1に記載のプリント配線板。
  4. 隣接する2個の前記信号導体の間に、2個の前記信号導体の各々から決められた間隔を有して設けられた1個の前記第1面接地導体を備えた請求項2に記載のプリント配線板。
  5. 前記第1絶縁基板の前記第1面側に積層された第2絶縁基板と、
    前記第2絶縁基板の前記第1絶縁基板が存在しない側の面である第3面において前記信号導体と対応する位置に仮想的に存在する線分を含む範囲に設けられ接地された第3面接地導体と、
    前記第1絶縁基板に設けられた前記第1有底穴接地導体と対応する位置に、前記信号導体に沿う方向に連続して前記第2絶縁基板に設けられた第2有底穴の内部に、前記信号導体方向に連続して前記第3面から前記第1面まで存在し、かつ前記第1有底穴接地導体および前記第3面接地導体と前記信号導体方向に連続して接続するように設けられた第2有底穴接地導体とを備えた請求項1から請求項4までの何れか1項に記載のプリント配線板。
  6. 前記第1有底穴接地導体は、前記第1有底穴の内部に充填される、請求項1から請求項5までの何れか1項に記載のプリント配線板。
  7. 前記第1有底穴接地導体は前記第1有底穴の内面に決められた厚さで設けられ、前記第1有底穴の内部は絶縁樹脂により充填される、請求項1から請求項6までの何れか1項に記載のプリント配線板。
  8. 前記第1面側に、前記絶縁樹脂を覆う樹脂保護導体層を設けた請求項7に記載のプリント配線板。
  9. 前記信号導体と前記第1有底穴接地導体との間隔は、前記第1絶縁基板の厚みの3倍以上である、請求項1または請求項3に記載のプリント配線板。
  10. 前記信号導体と前記第1面接地導体との間隔は、前記第1絶縁基板の厚みの3倍以上である、請求項2または請求項4に記載のプリント配線板。
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