JP2019196030A - 液圧制御ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、鞍乗り型車両において装置を搭載可能な空間を節約することができる液圧制御ユニットを得るものである。【解決手段】本発明に係る液圧制御ユニットでは、制御装置は、鞍乗り型車両に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントの動作を制御するブレーキ制御部を含み、当該ブレーキ制御部は、基体に保持されたケース内に収容されている。さらに、制御装置は、当該鞍乗り型車両のサスペンションの減衰力を制御するサスペンション制御部を含み、当該サスペンション制御部は、ケース内にブレーキ制御部と共に収容されている。【選択図】図3

Description

この開示は、鞍乗り型車両において装置を搭載可能な空間を節約することができる液圧制御ユニットに関する。
従来、モータサイクル等の鞍乗り型車両用のブレーキシステムは、鞍乗り型車両の車輪を制動する制動力を制御するための液圧制御ユニットを備えている。具体的には、液圧制御ユニットは、基体と、当該基体に組み込まれ、鞍乗り型車両に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネント(例えば、制御弁等)とを含む液圧制御機構を備えている。また、液圧制御ユニットには、液圧制御機構のコンポーネントの動作を制御する制御装置が設けられており、当該制御装置は、基体に保持されたケースに収容されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2018−008674号公報
ところで、従来の鞍乗り型車両には、液圧制御ユニットの制御装置以外の様々な他の制御装置が搭載されている。例えば、他の制御装置として、鞍乗り型車両のサスペンションの減衰力を制御する制御装置がある。当該制御装置は、液圧制御ユニットの制御装置を収容するケースとは別のケースに収容された状態で、鞍乗り型車両において液圧制御ユニットと異なる位置に搭載されている。このように、鞍乗り型車両に様々な制御装置が別々に搭載されることは、鞍乗り型車両において装置を搭載可能な空間のうち制御装置を搭載するために用いられる空間を増大させる一因となっている。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗り型車両において装置を搭載可能な空間を節約することができる液圧制御ユニットを得るものである。
本発明に係る液圧制御ユニットは、鞍乗り型車両用のブレーキシステムの液圧制御ユニットであって、基体と、当該基体に組み込まれ、前記鞍乗り型車両に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントと、を含む液圧制御機構と、前記コンポーネントの動作を制御するブレーキ制御部を含む制御装置と、前記ブレーキ制御部を収容する状態で前記基体に保持されたケースと、を備え、前記制御装置は、前記鞍乗り型車両のサスペンションの減衰力を制御するサスペンション制御部を含み、前記サスペンション制御部は、前記ケース内に前記ブレーキ制御部と共に収容されている。
本発明に係る液圧制御ユニットでは、制御装置は、鞍乗り型車両に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントの動作を制御するブレーキ制御部を含み、当該ブレーキ制御部は、基体に保持されたケース内に収容されている。さらに、制御装置は、当該鞍乗り型車両のサスペンションの減衰力を制御するサスペンション制御部を含み、当該サスペンション制御部は、ケース内にブレーキ制御部と共に収容されている。それにより、上記コンポーネントの動作を制御する制御装置とサスペンションの減衰力を制御する制御装置とが鞍乗り型車両に別々に搭載されることを抑制することができる。よって、鞍乗り型車両において装置を搭載可能な空間を節約することができる。
本発明の実施形態に係るブレーキシステムが搭載されるモータサイクルの概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る液圧制御ユニットをケース側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る液圧制御ユニットを液圧制御機構の基体側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る制御装置を液圧制御機構の基体側から見た斜視図である。
以下に、本発明に係る液圧制御ユニットについて、図面を用いて説明する。なお、以下では、二輪のモータサイクル用のブレーキシステムの液圧制御ユニットについて説明しているが、本発明に係る液圧制御ユニットは、二輪のモータサイクル以外の他の鞍乗り型車両(例えば、バギー車又は三輪のモータサイクル等)のブレーキシステムに適用されてもよい。なお、鞍乗り型車両は、ドライバが跨って乗車する車両を意味する。また、以下では、前輪制動機構及び後輪制動機構が、それぞれ1つずつである場合を説明しているが、前輪制動機構及び後輪制動機構の少なくとも一方が複数であってもよい。また、以下では、各制動機構に主流路、副流路及び供給流路が設けられている場合を説明しているが、各制動機構の流路から供給流路が省略されていてもよい。
また、以下で説明する構成等は一例であり、本発明に係る液圧制御ユニットは、そのような構成等である場合に限定されない。
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
<液圧制御ユニットの構成>
本発明の実施形態に係る液圧制御ユニット5の構成について説明する。
液圧制御ユニット5は、鞍乗り型車両の車輪を制動する制動力を制御するためのものである。本実施形態では、液圧制御ユニット5は、鞍乗り型車両としてのモータサイクル100のブレーキシステム10に設けられる。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るブレーキシステム10の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液圧制御ユニット5を備えるブレーキシステム10が搭載されるモータサイクル100の概略構成を示す模式図である。図2は、本発明の実施形態に係るブレーキシステム10の概略構成を示す模式図である。
図1及び図2に示されるように、ブレーキシステム10は、モータサイクル100に搭載される。モータサイクル100は、胴体1と、胴体1に旋回自在に保持されているハンドル2と、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている前輪3と、胴体1に回動自在に保持されている後輪4と、フロントサスペンション15と、リアサスペンション16とを備える。
フロントサスペンション15及びリアサスペンション16は、モータサイクル100のサスペンションの一例に相当し、胴体1と車輪との間に介在する。具体的には、フロントサスペンション15は、ハンドル2と前輪3とを接続するフロントフォーク17に設けられ、当該フロントサスペンション15の軸方向に沿って伸縮可能になっている。また、リアサスペンション16は、胴体1に搖動可能に支持され後輪4を旋回自在に保持するスイングアーム18と胴体1とを接続し、当該リアサスペンション16の軸方向に沿って伸縮可能になっている。各サスペンションの作動油の流路には、各サスペンションの減衰特性(具体的には、各サスペンションのストローク速度に対する減衰力の特性)を制御するための制御弁が設けられている。
ブレーキシステム10は、第1ブレーキ操作部11と、少なくとも第1ブレーキ操作部11に連動して前輪3を制動する前輪制動機構12と、第2ブレーキ操作部13と、少なくとも第2ブレーキ操作部13に連動して後輪4を制動する後輪制動機構14とを備える。また、ブレーキシステム10は、液圧制御ユニット5を備え、前輪制動機構12の一部及び後輪制動機構14の一部は、当該液圧制御ユニット5に含まれる。液圧制御ユニット5は、前輪制動機構12によって前輪3に付与される制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に付与される制動力を制御する機能を担うユニットである。
第1ブレーキ操作部11は、ハンドル2に設けられており、ドライバの手によって操作される。第1ブレーキ操作部11は、例えば、ブレーキレバーである。第2ブレーキ操作部13は、胴体1の下部に設けられており、ドライバの足によって操作される。第2ブレーキ操作部13は、例えば、ブレーキペダルである。
前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれは、ピストン(図示省略)を内蔵しているマスタシリンダ21と、マスタシリンダ21に付設されているリザーバ22と、胴体1に保持され、ブレーキパッド(図示省略)を有しているブレーキキャリパ23と、ブレーキキャリパ23に設けられているホイールシリンダ24と、マスタシリンダ21のブレーキ液をホイールシリンダ24に流通させる主流路25と、ホイールシリンダ24のブレーキ液を逃がす副流路26と、マスタシリンダ21のブレーキ液を副流路26に供給する供給流路27とを備える。
主流路25には、込め弁(EV)31が設けられている。副流路26は、主流路25のうちの、込め弁31に対するホイールシリンダ24側とマスタシリンダ21側との間をバイパスする。副流路26には、上流側から順に、弛め弁(AV)32と、アキュムレータ33と、ポンプ34とが設けられている。主流路25のうちの、マスタシリンダ21側の端部と、副流路26の下流側端部が接続される箇所との間には、第1弁(USV)35が設けられている。供給流路27は、マスタシリンダ21と、副流路26のうちのポンプ34の吸込側との間を連通させる。供給流路27には、第2弁(HSV)36が設けられている。
込め弁31は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。弛め弁32は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。第1弁35は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。第2弁36は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。
込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33、ポンプ34、第1弁35及び第2弁36は、モータサイクル100に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントに相当し、液圧制御ユニット5に含まれる。また、これらのコンポーネントの動作は、液圧制御ユニット5の制御装置52によって制御される。それにより、前輪制動機構12によって前輪3に付与される制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に付与される制動力が制御される。制御装置52は、上記のコンポーネントの動作を、例えば、モータサイクル100の走行状態に応じて制御する。
例えば、通常状態、つまり、後述されるABS動作又は自動制動動作等が実行されない状態では、制御装置52によって、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖され、第1弁35が開放され、第2弁36が閉鎖される。その状態で、第1ブレーキ操作部11が操作されると、前輪制動機構12において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が前輪3のロータ3aに押し付けられて、前輪3に制動力が付与される。また、第2ブレーキ操作部13が操作されると、後輪制動機構14において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が後輪4のロータ4aに押し付けられて、後輪4に制動力が付与される。
ABS動作は、例えば、車輪(具体的には、前輪3又は後輪4)にロック又はロックの可能性が生じた場合に実行され、当該車輪に付与される制動力をドライバによるブレーキ操作部(具体的には、第1ブレーキ操作部11又は第2ブレーキ操作部13)の操作によらずに減少させる動作である。例えば、ABS動作が実行されている状態では、制御装置52によって、込め弁31が閉鎖され、弛め弁32が開放され、第1弁35が開放され、第2弁36が閉鎖される。その状態で、制御装置52によってポンプ34が駆動されることにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が減少し、車輪に付与される制動力が減少する。
自動制動動作は、例えば、モータサイクル100の旋回時等にモータサイクル100の姿勢を安定化する必要性が生じた場合に実行され、車輪(具体的には、前輪3又は後輪4)に付与される制動力をドライバによるブレーキ操作部(具体的には、第1ブレーキ操作部11又は第2ブレーキ操作部13)の操作によらずに生じさせる動作である。例えば、自動制動動作が実行されている状態では、制御装置52によって、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖され、第1弁35が閉鎖され、第2弁36が開放される。その状態で、制御装置52によってポンプ34が駆動されることにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、車輪を制動する制動力が生じる。
ここで、図3〜図5を参照して、本発明の実施形態に係る液圧制御ユニット5のより詳細な構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る液圧制御ユニット5をケース53側から見た斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係る液圧制御ユニット5を液圧制御機構51の基体51a側から見た斜視図である。図5は、本発明の実施形態に係る制御装置52を液圧制御機構51の基体51a側から見た斜視図である。
図3〜図5に示されるように、液圧制御ユニット5は、基体51a及び当該基体51aに組み込まれモータサイクル100に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントを含む液圧制御機構51と、当該コンポーネントの動作を制御する制御装置52と、基体51aに保持されているケース53とを備える。
基体51aは、例えば、略直方体形状を有し、金属材料によって形成されている。液圧制御機構51の基体51aの内部には、具体的には、主流路25、副流路26及び供給流路27が形成されており、込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33、ポンプ34、第1弁35及び第2弁36が、モータサイクル100に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントとして組み込まれている。基体51aの外面には、各流路と連通している複数のポート61が形成されており、各ポート61には、マスタシリンダ21又はホイールシリンダ24と接続されているブレーキ液管が取り付けられる。
なお、基体51aは、1つの部材によって形成されていてもよく、複数の部材によって形成されていてもよい。また、基体51aが複数の部材によって形成されている場合、各コンポーネントは、互いに異なる部材に分かれて設けられていてもよい。
制御装置(ECU)52は、基体51aに組み込まれているコンポーネントの動作を制御するブレーキ制御部52aを含む。さらに、制御装置52は、モータサイクル100のサスペンションの減衰力を制御するサスペンション制御部52bを含む。
ブレーキ制御部52aの一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、ブレーキ制御部52aの一部又は全ては、例えば、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
具体的には、ブレーキ制御部52aは、基体51aに組み込まれているコンポーネントの動作を制御することによって、前輪制動機構12によって前輪3に付与される制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に付与される制動力を制御することができる。例えば、ブレーキ制御部52aは、上記のコンポーネントにモータサイクル100の走行状態に応じて、上述したように、ABS動作又は自動制動動作等の各動作を実行させる。
サスペンション制御部52bの一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、サスペンション制御部52bの一部又は全ては、例えば、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
具体的には、サスペンション制御部52bは、フロントサスペンション15及びリアサスペンション16の制御弁の動作を制御することによって、フロントサスペンション15及びリアサスペンション16の減衰特性を制御する。それにより、フロントサスペンション15及びリアサスペンション16の減衰力を制御することができる。なお、フロントサスペンション15及びリアサスペンション16の双方について減衰力の制御が行われてもよく、一方についてのみ減衰力の制御が行われてもよい。
上記のサスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、互いに通信可能になっており、通信により得られる情報に基づいて各制御を実行する。
ここで、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、サスペンションの減衰力の制御及び制動力の制御の各制御をより適切に実行する観点では、互いに協調して各制御を実行することが好ましい。例えば、ブレーキ制御部52aが上述したモータサイクル100の姿勢を安定化するための自動制動動作を基体51aに組み込まれているコンポーネントに動作させる際に、サスペンション制御部52bがフロントサスペンション15及びリアサスペンション16の減衰力をモータサイクル100の姿勢が安定化されるように制御する場合がある。そのような場合に、サスペンション制御部52bは、ブレーキ制御部52aによる制動力の制御がモータサイクル100の姿勢に与える影響に基づいてサスペンションの減衰力の制御を行い、一方で、ブレーキ制御部52aは、サスペンション制御部52bによるサスペンションの減衰力の制御がモータサイクル100の姿勢に与える影響に基づいて制動力の制御を行うことが好ましい。このような協調制御は、例えば、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aに1つのマイコンを共用させることによって実現される。
また、サスペンション制御部52bとブレーキ制御部52aとの間では、各制御部間の通信を高速化する観点では、シリアル通信によって通信が行われることが好ましい。例えば、シリアル通信は、SPI通信であることがより好ましい。
また、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、モータサイクル100において装置を搭載可能な空間をより効果的に節約する観点では、例えば図3〜図5に示されるように、同一の基板63に搭載されることが好ましい。なお、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、互いに異なる基板に搭載されていてもよく、その場合、各基板は、例えば、フレキシブルケーブル等によって通信可能に接続される。
ケース53は、ブレーキ制御部52aを収容する状態で基体51aに保持されている。さらに、ケース53内には、サスペンション制御部52bが、ブレーキ制御部52aと共に収容されている。
例えば、ケース53は、一端側に開口を有する中空の略四角筒形状を有しており、樹脂によって形成される。ケース53は、当該ケース53の開口が基体51aに塞がれた状態で、基体51aに保持されている。例えば、ケース53は、基体51aに直接的に保持されていてもよく、他の部材を介して間接的に保持されていてもよい。ケース53内には、制御装置52の基板63が収容されている。上述したように、基板63にはサスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aが搭載されている。ゆえに、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aがケース53内に共に収容されている状態となっている。
液圧制御ユニット5は、図4及び図5に示されるように、当該液圧制御ユニット5の外部の装置である複数の外部装置と接続されるケーブルが取り付けられるコネクタ部7をさらに備える。また、コネクタ部7は、当該複数の外部装置の各々と当該ケーブルを介してそれぞれ接続される複数のピン62を含む。
例えば、コネクタ部7は、ケース53の外面に設けられ、ケース53の外側に延びて形成される筒状部53aを含み、複数のピン62は、筒状部53a内に位置し、筒状部53aの延在方向に沿って延在している。また、複数のピン62の一端部は、制御装置52の基板63と接続されており、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、各ピン62を介して、各ピン62と対応する外部装置と通信可能になっている。それにより、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、外部装置との通信により得られる各種情報を各制御に用いることができる。
ここで、モータサイクル100において装置を搭載可能な空間をより効果的に節約する観点では、複数のピン62のうちの一部のピン62は、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aによって共用されることが好ましい。
例えば、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aによって共用される一部のピン62には、電源と接続されるピン、イグニッションスイッチの信号が入力されるピン、ブレーキライトスイッチの信号が入力されるピン、グランドと接続されるピン、CAN通信のデータを転送するピン及びセンサの検出信号が入力されるピンの少なくとも1つが含まれる。
なお、上記のイグニッションスイッチの信号は、具体的には、アクセサリーやイグニッションオン等のイグニッションスイッチの切り替え状態を示す信号である。また、上記のブレーキライトスイッチの信号は、具体的には、ドライバによりブレーキレバーが握られているか否かを示す信号である。また、上記のセンサは、例えば、車輪の回転速度を検出するセンサ又は慣性計測装置(IMU)等を含む。なお、慣性計測装置は、3軸のジャイロセンサ及び3方向の加速度センサを備え、ロール角、ピッチ角及びヨー角の角速度及び角加速度を検出するセンサである。
<液圧制御ユニットの効果>
本発明の実施形態に係る液圧制御ユニット5の効果について説明する。
液圧制御ユニット5では、制御装置52は、鞍乗り型車両としてのモータサイクル100に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントの動作を制御するブレーキ制御部52aを含み、当該ブレーキ制御部52aは、基体51aに保持されたケース53内に収容されている。さらに、制御装置52は、モータサイクル100のサスペンションの減衰力を制御するサスペンション制御部52bを含み、当該サスペンション制御部52bは、ケース53内にブレーキ制御部52aと共に収容されている。それにより、上記コンポーネントの動作を制御する制御装置とサスペンションの減衰力を制御する制御装置とがモータサイクル100に別々に搭載されることを抑制することができる。ゆえに、モータサイクル100において制御装置を搭載するために用いられる空間を削減することができる。よって、モータサイクル100において装置を搭載可能な空間を節約することができる。
さらに、液圧制御ユニット5では、上述したように、上記コンポーネントの動作を制御する制御装置とサスペンションの減衰力を制御する制御装置とがモータサイクル100に別々に搭載されることを抑制することができるので、モータサイクル100において各装置間を接続するケーブルの総数を低減することができる。
好ましくは、液圧制御ユニット5では、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、互いに協調して各制御を実行する。それにより、サスペンション制御部52bは、ブレーキ制御部52aによる制動力の制御がモータサイクル100に与える影響に基づいてサスペンションの減衰力の制御を行うことができる。一方、ブレーキ制御部52aは、サスペンション制御部52bによるサスペンションの減衰力の制御がモータサイクル100に与える影響に基づいて制動力の制御を行うことができる。ゆえに、サスペンションの減衰力の制御及び制動力の制御の各制御をより適切に実行することができる。
好ましくは、液圧制御ユニット5では、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aは、同一の基板63に搭載される。ここで、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aが互いに異なる基板に搭載される場合、各基板間を接続するケーブルを介して各制御部間で通信を行う必要性が生じる。一方、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aを同一の基板63に搭載した場合、各制御部間での通信をこのようなケーブルを介さずに行うことができる。よって、モータサイクル100において装置を搭載可能な空間をより効果的に節約することができる。さらに、各制御部間の通信におけるノイズを低減することができる。
好ましくは、液圧制御ユニット5では、サスペンション制御部52bとブレーキ制御部52aとの間では、シリアル通信によって通信が行われる。ここで、ブレーキ制御部52aを含む一の制御装置とサスペンション制御部52bを含む他の制御装置とがモータサイクル100に別々に搭載される場合、サスペンション制御部52bとブレーキ制御部52aとの間でCAN通信によって通信を行う必要性が生じる。一方、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aを液圧制御ユニット5の制御装置52に設け、共に液圧制御ユニット5のケース53内に収容した場合、サスペンション制御部52bとブレーキ制御部52aとの間の通信経路を短縮することができるので、各制御部間での通信においてノイズを生じにくくすることができる。よって、サスペンション制御部52bとブレーキ制御部52aとの間でシリアル通信によって通信を行うことができる。ゆえに、各制御部間の通信を高速化することができる。
好ましくは、液圧制御ユニット5では、上記のシリアル通信は、SPI通信である。それにより、各制御部間の通信をより効果的に高速化することができる。
好ましくは、液圧制御ユニット5では、複数の外部装置と接続されるケーブルが取り付けられるコネクタ部7の複数のピン62のうちの一部のピン62は、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aによって共用される。それにより、コネクタ部7に設けられるピン62の総数を低減することができる。ゆえに、液圧制御ユニット5の部品数を低減し、液圧制御ユニット5を小型化することができる。よって、モータサイクル100において装置を搭載可能な空間をより効果的に節約することができる。
好ましくは、液圧制御ユニット5では、サスペンション制御部52b及びブレーキ制御部52aによって共用される一部のピン62には、電源と接続されるピン、イグニッションスイッチの信号が入力されるピン、ブレーキライトスイッチの信号が入力されるピン、グランドと接続されるピン、CAN通信のデータを転送するピン及びセンサの検出信号が入力されるピンの少なくとも1つが含まれる。それにより、コネクタ部7に設けられるピン62の総数を適切に低減することができる。
本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態の全て又は一部が組み合わされてもよく、また、各実施の形態の一部のみが実施されてもよい。
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、3a ロータ、4 後輪、4a ロータ、5 液圧制御ユニット、7 コネクタ部、10 ブレーキシステム、11 第1ブレーキ操作部、12 前輪制動機構、13 第2ブレーキ操作部、14 後輪制動機構、15 フロントサスペンション、16 リアサスペンション、17 フロントフォーク、18 スイングアーム、21 マスタシリンダ、22 リザーバ、23 ブレーキキャリパ、24 ホイールシリンダ、25 主流路、26 副流路、27 供給流路、31 込め弁、32 弛め弁、33 アキュムレータ、34 ポンプ、35 第1弁、36 第2弁、50 液圧制御ユニット、51 液圧制御機構、51a 基体、52 制御装置、52a ブレーキ制御部、52b サスペンション制御部、53 ケース、53a 筒状部、61 ポート、62 ピン、63 基板、100 モータサイクル。

Claims (12)

  1. 鞍乗り型車両(100)用のブレーキシステム(10)の液圧制御ユニット(5)であって、
    基体(51a)と、当該基体(51a)に組み込まれ、前記鞍乗り型車両(100)に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントと、を含む液圧制御機構(51)と、
    前記コンポーネントの動作を制御するブレーキ制御部(52a)を含む制御装置(52)と、
    前記ブレーキ制御部(52a)を収容する状態で前記基体(51a)に保持されたケース(53)と、
    を備え、
    前記制御装置(52)は、前記鞍乗り型車両(100)のサスペンション(15、16)の減衰力を制御するサスペンション制御部(52b)を含み、
    前記サスペンション制御部(52b)は、前記ケース(53)内に前記ブレーキ制御部(52a)と共に収容されている、
    液圧制御ユニット。
  2. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)は、互いに協調して各制御を実行する、
    請求項1に記載の液圧制御ユニット。
  3. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)は、同一の基板(63)に搭載される、
    請求項1又は2に記載の液圧制御ユニット。
  4. 前記サスペンション制御部(52b)と前記ブレーキ制御部(52a)との間では、シリアル通信によって通信が行われる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット。
  5. 前記シリアル通信は、SPI通信である、
    請求項4に記載の液圧制御ユニット。
  6. 前記液圧制御ユニット(5)の外部の装置である複数の外部装置と接続されるケーブルが取り付けられるコネクタ部(7)をさらに備え、
    前記コネクタ部(7)は、前記複数の外部装置の各々と前記ケーブルを介してそれぞれ接続される複数のピン(62)を含み、
    前記複数のピン(62)のうちの一部のピン(62)は、前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット。
  7. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される前記一部のピン(62)には、電源と接続されるピンが含まれる、
    請求項6に記載の液圧制御ユニット。
  8. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される前記一部のピン(62)には、イグニッションスイッチの信号が入力されるピンが含まれる、
    請求項6又は7に記載の液圧制御ユニット。
  9. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される前記一部のピン(62)には、ブレーキライトスイッチの信号が入力されるピンが含まれる、
    請求項6〜8のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット。
  10. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される前記一部のピン(62)には、グランドと接続されるピンが含まれる、
    請求項6〜9のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット。
  11. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される前記一部のピン(62)には、CAN通信のデータを転送するピンが含まれる、
    請求項6〜10のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット。
  12. 前記サスペンション制御部(52b)及び前記ブレーキ制御部(52a)によって共用される前記一部のピン(62)には、センサの検出信号が入力されるピンが含まれる、
    請求項6〜11のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット。
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