JP2019195303A - キシラナーゼ及びその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たなキシラナーゼの提供。【解決手段】下記(A)または(B)のアミノ酸配列を有し、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチド:(A)ある特定のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、(B)前記ある特定のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。該ポリペプチドをキシランに作用させる、キシロオリゴ糖の製造方法。【選択図】なし
Description
キシラナーゼに関する技術が開示される。
キシランは広く天然に存在する多糖の1つであり、農産廃棄物や木質などのリグノセルロースの主要構成成分である。その構造は、キシロースを単位とするβ−1,4結合により重合した主鎖を有する高分子多糖である。キシランは、天然には、キシロース残基のO−2またはO−3あるいはその両方で、4−O−メチルグルクロニル側鎖、アラビノフラノシル側鎖やアセチル側鎖などの残基やキシロース、アラビノース、ガラクトース、グルコースなどからなるオリゴ糖側鎖が結合されたヘテロキシランとして存在し、その主要な構造に基づいて、グルクロノキシラン、アラビノグルクロノキシラン、アラビノキシランなどに分類される。広葉樹材はグルクロノキシランを、イネ科草本はアラビノグルクロノキシランを主に含む。アラビノキシランは、ムギ、エンバク、コメ、アワ、トウモロコシ、ソルガムのような穀物やタケノコなどの植物に分布している。
キシラナーゼは、キシランを加水分解する酵素群の総称であり、その作用様式によって、エンド型キシラナーゼ、エキソ型キシラナーゼ、β-キシロシダーゼなどに大別される。エンド型キシラナーゼは、立体構造及びアミノ酸配列の疎水性クラスター解析に基づいて、現在少なくとも8つのグリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリーに分けられる(非特許文献1)。
近年、リグノセルロース処理における酵素の利用という観点から、エンド型キシラナーゼの有用性が注目されている。エンド型キシラナーゼ活性を示すGH10およびGH11キシラナーゼは、アルコール燃料用リグノセルロースの酵素分解、飼料中の糖を遊離させるための酵素処理、セルロース製造時にパルプを溶解させるための酵素処理、木材パルプ漂白における酵素処理などに使用されている(特許文献1)。
GH10およびGH11キシラナーゼは、キシランからのキシロオリゴ糖の製造にも用いられる。キシロオリゴ糖は、キシロースが2〜10個程度、β−1,4結合した構造を持つ糖の総称であり、ラクトバチルス種およびビフィズス菌種等の腸内有用菌の栄養源となるプレバイオティクな性質を示すため、食品用ならびに家畜の飼料の添加剤としての用途がある(特許文献2)。
最近、GH30に分類されるキシラナーゼが新しく定義され(非特許文献2)、新たな酵素資源として注目されている。GH30キシラナーゼは、一般的に一次構造中の保存された領域がグルクロノキシランの4−O−メチルグルクロニル側鎖を認識してキシランを切断するため、グルクロノキシラナーゼと呼ばれる。一方で、4−O−メチルグルクロニル側鎖を認識せずに、様々なキシランに対してエンド型キシラナーゼ活性を有するGH30キシラナーゼが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、キシランに対する分解活性は、一般的なGH10およびGH11エンド型キシラナーゼに比べて著しく低い。加えてGH30ファミリーの一次構造からはエンド型キシラナーゼ活性を有する酵素の存在を容易に推測出来ないため、公知のデータベースを用いた場合においても、産業上の有効利用に充分な活性を有するエンド型のGH30キシラナーゼが得難いという問題があった。
Curr Protein Pept Sc 19 (1):48-67.
FEBS Lett 584 (21):4435-4441.
Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 70 (Pt 11):2950-2958.
新たなキシラナーゼの提供が1つの課題である。
下記に代表される発明が提供される。
項1.
下記(A)または(B)のアミノ酸配列を有し、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチド:
(A)配列番号4のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列
(B)配列番号4のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。
項2.
エンド型キシラナーゼ活性が4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するキシラン及びアラビノフラノシル側鎖を有するキシランを基質とする、項1に記載のポリペプチド。
項3.
配列番号4のアミノ酸配列における下記のアミノ酸残基が保存されている、項1又は2に記載のポリペプチド:
6位のアスパラギン、12位のグルタミン、16位のグリシン、18位のグリシン、20位のセリン、22位のアラニン、23位のフェニルアラニン、24位のグリシン、45位のフェニルアラニン、52位のグリシン、55位のイソロイシン、57位のアルギニン、58位のアスパラギン、60位のイソロイシン、67位のイソロイシン、69位のプロリン、72位のプロリン、75位のプロリン、81位のチロシン、87位のアスパラギン酸、90位のグルタミン、97位のアラニン、106位のチロシン、107位のアラニン、108位のアスパラギン酸、109位のアラニン、110位のトリプトファン、112位のアラニン、113位のプロリン、116位のメチオニン、117位のリジン、118位のトレオニン、126位のグリシン、129位のシステイン、130位のグリシン、133位のグリシン、136位のシステイン、140位のアスパラギン酸、141位のトリプトファン、142位のアルギニン、143位のグルタミン、144位のアラニン、145位のチロシン、146位のアラニン、149位のロイシン、150位のバリン、151位のグルタミン、152位のチロシン、156位のチロシン、160位のグリシン、167位のグリシン、170位のアスパラギン、171位のグルタミン酸、172位のプロリン、189位のアラニン、192位のフェニルアラニン、196位のロイシン、203位のアラニン、211位のシステイン、212位のシステイン、213位のアスパラギン酸、216位のグリシン、227位のロイシン、230位のアラニン、231位のグリシン、235位のチロシン、240位のトレオニン、242位のヒスチジン、244位のチロシン、246位のセリン、251位のプロリン、261位のトレオニン、262位のグルタミン酸、273位のトレオニン、274位のトリプトファン、278位のグリシン、282位のグルタミン酸、283位のグリシン、286位のトリプトファン、287位のアラニン、295位のバリン、300位のセリン、305位のトリプトファン、328位のセリン、332位のトリプトファン、333位のアラニン、334位のフェニルアラニン、335位のアラニン、339位のアルギニン、342位のアルギニン、343位のプロリン、347位のアルギニン、356位のアスパラギン、364位のアスパラギン、375位のアスパラギン、387位のグリシン、396位のチロシン、399位のアスパラギン酸、及び428位のトレオニン、並びに、25位のフェニルアラニン、26位のグリシン、42位のアスパラギン、43位のチロシン、61位のアラニン、62位のアラニン、98位のアルギニン、99位のアラニン、124位のアスパラギン、125位のグリシン、164位のアスパラギン酸、165位のフェニルアラニン、178位のチロシン、179位のアスパラギン酸、180位のセリン、204位のグリシン、205位のロイシン、206位のセリン、207位のトレオニン、208位のグリシン、209位のイソロイシン、243位のトリプトファン、256位のロイシン、257位のアルギニン、258位のバリン、259位のトリプトファン、260位のグルタミン酸、263位のチロシン、264位のアラニン、265位のアスパラギン酸、266位のロイシン、267位のアスパラギン酸、268位のアスパラギン酸、269位のアラニン、292位のグルタミン、293位のグリシン、294位のバリン、296位のグルタミン酸、306位のイソロイシン、307位のグリシン、308位のアラニン、310位のセリン、311位のアスパラギン、312位のセリン、313位のアスパラギン、314位のアラニン、及び315位のアラニン。
項4.
配列番号4のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する、項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド。
項5.
項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
項6.
項5に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
項7.
項5に記載のポリヌクレオチドまたは項6に記載の発現ベクターが組み込まれた宿主細胞。
項8.
項7に記載の宿主細胞を培養することを含む、項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法。
項9.
項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを含む組成物。
項10.
セルラーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ガラクツロン酸リアーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−アラビノフラノシダーゼ、α−グルクロニダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、及びフェルラ酸エステラーゼからなる群より選択される一種以上の酵素を更に含む、項9に記載の組成物。
項11.
項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド、或いは、項9または10に記載の組成物を、キシランに作用させることを含む、キシロオリゴ糖の製造方法。
項12.
キシランが、4−O−メチルグルクロニル側鎖、ガラクトシル側鎖、アラビノフラノシル側鎖、及びアセチル側鎖からなる群より選択される一種以上の側鎖を有する、項11に記載の方法。
項13.
更にリグノセルロースを含む、項9または10に記載の組成物。
項14.
飼料である、項13に記載の組成物。
項1.
下記(A)または(B)のアミノ酸配列を有し、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチド:
(A)配列番号4のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列
(B)配列番号4のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。
項2.
エンド型キシラナーゼ活性が4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するキシラン及びアラビノフラノシル側鎖を有するキシランを基質とする、項1に記載のポリペプチド。
項3.
配列番号4のアミノ酸配列における下記のアミノ酸残基が保存されている、項1又は2に記載のポリペプチド:
6位のアスパラギン、12位のグルタミン、16位のグリシン、18位のグリシン、20位のセリン、22位のアラニン、23位のフェニルアラニン、24位のグリシン、45位のフェニルアラニン、52位のグリシン、55位のイソロイシン、57位のアルギニン、58位のアスパラギン、60位のイソロイシン、67位のイソロイシン、69位のプロリン、72位のプロリン、75位のプロリン、81位のチロシン、87位のアスパラギン酸、90位のグルタミン、97位のアラニン、106位のチロシン、107位のアラニン、108位のアスパラギン酸、109位のアラニン、110位のトリプトファン、112位のアラニン、113位のプロリン、116位のメチオニン、117位のリジン、118位のトレオニン、126位のグリシン、129位のシステイン、130位のグリシン、133位のグリシン、136位のシステイン、140位のアスパラギン酸、141位のトリプトファン、142位のアルギニン、143位のグルタミン、144位のアラニン、145位のチロシン、146位のアラニン、149位のロイシン、150位のバリン、151位のグルタミン、152位のチロシン、156位のチロシン、160位のグリシン、167位のグリシン、170位のアスパラギン、171位のグルタミン酸、172位のプロリン、189位のアラニン、192位のフェニルアラニン、196位のロイシン、203位のアラニン、211位のシステイン、212位のシステイン、213位のアスパラギン酸、216位のグリシン、227位のロイシン、230位のアラニン、231位のグリシン、235位のチロシン、240位のトレオニン、242位のヒスチジン、244位のチロシン、246位のセリン、251位のプロリン、261位のトレオニン、262位のグルタミン酸、273位のトレオニン、274位のトリプトファン、278位のグリシン、282位のグルタミン酸、283位のグリシン、286位のトリプトファン、287位のアラニン、295位のバリン、300位のセリン、305位のトリプトファン、328位のセリン、332位のトリプトファン、333位のアラニン、334位のフェニルアラニン、335位のアラニン、339位のアルギニン、342位のアルギニン、343位のプロリン、347位のアルギニン、356位のアスパラギン、364位のアスパラギン、375位のアスパラギン、387位のグリシン、396位のチロシン、399位のアスパラギン酸、及び428位のトレオニン、並びに、25位のフェニルアラニン、26位のグリシン、42位のアスパラギン、43位のチロシン、61位のアラニン、62位のアラニン、98位のアルギニン、99位のアラニン、124位のアスパラギン、125位のグリシン、164位のアスパラギン酸、165位のフェニルアラニン、178位のチロシン、179位のアスパラギン酸、180位のセリン、204位のグリシン、205位のロイシン、206位のセリン、207位のトレオニン、208位のグリシン、209位のイソロイシン、243位のトリプトファン、256位のロイシン、257位のアルギニン、258位のバリン、259位のトリプトファン、260位のグルタミン酸、263位のチロシン、264位のアラニン、265位のアスパラギン酸、266位のロイシン、267位のアスパラギン酸、268位のアスパラギン酸、269位のアラニン、292位のグルタミン、293位のグリシン、294位のバリン、296位のグルタミン酸、306位のイソロイシン、307位のグリシン、308位のアラニン、310位のセリン、311位のアスパラギン、312位のセリン、313位のアスパラギン、314位のアラニン、及び315位のアラニン。
項4.
配列番号4のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する、項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド。
項5.
項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
項6.
項5に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
項7.
項5に記載のポリヌクレオチドまたは項6に記載の発現ベクターが組み込まれた宿主細胞。
項8.
項7に記載の宿主細胞を培養することを含む、項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法。
項9.
項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを含む組成物。
項10.
セルラーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ガラクツロン酸リアーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−アラビノフラノシダーゼ、α−グルクロニダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、及びフェルラ酸エステラーゼからなる群より選択される一種以上の酵素を更に含む、項9に記載の組成物。
項11.
項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド、或いは、項9または10に記載の組成物を、キシランに作用させることを含む、キシロオリゴ糖の製造方法。
項12.
キシランが、4−O−メチルグルクロニル側鎖、ガラクトシル側鎖、アラビノフラノシル側鎖、及びアセチル側鎖からなる群より選択される一種以上の側鎖を有する、項11に記載の方法。
項13.
更にリグノセルロースを含む、項9または10に記載の組成物。
項14.
飼料である、項13に記載の組成物。
新たなキシラナーゼが提供される。好適な一実施形態において、キシランから効率的にキシロオリゴ糖を製造する手段が提供される。
1.ポリペプチド
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、(A)配列番号4のアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は(B)配列番号4のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列、を有することが好ましい。
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、(A)配列番号4のアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は(B)配列番号4のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列、を有することが好ましい。
エンド型キシラナーゼ活性を有することは、ポリペプチドをキシランに作用させて、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、及びキシロヘキサオースを生産することを測定することによって確認できる。これら全てのキシロオリゴ糖を生産する必要はなく、例えば、キシロビオース、キシロトリオース、及び/又はキシロテトラオースを生産することに基づいて、エンド型キシラナーゼ活性を確認してもよい。
ポリペプチドは、4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するキシラン及びアラビノフラノシル側鎖を有するキシランの両方を基質としてエンド型キシラナーゼ活性を示すことが好ましい。4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するキシランとしては、例えば、Beechwoodキシラン及びBirchwoodキシランを挙げることができる。アラビノフラノシル側鎖を有するキシランとしては、小麦アラビノキシランを挙げることができる。ポリペプチドは、これらのいずれを基質とした場合も効率的にキシロビオース、キシロトリオース及びキシロテトラオース等のキシロオリゴ糖(特に、キシロビオース及びキシロトリオース)を生産する活性を有することが好ましい。
(A)のアミノ酸配列の配列番号4のアミノ酸配列との同一性は、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上であることが好ましい。一層好ましくは95%以上、より一層好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上である。
アミノ酸配列の同一性は、市販の又は電気通信回線(インターネット)を通じて利用可能な解析ツールを用いて算出することができ、例えば、
ClustalW ver2.1 Pairwise Alignment(http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/index.php?lang=ja)を使用し、デフォルトのパラメータを用いて算出することができる。また、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いることにより、算出することができる。
ClustalW ver2.1 Pairwise Alignment(http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/index.php?lang=ja)を使用し、デフォルトのパラメータを用いて算出することができる。また、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いることにより、算出することができる。
(B)のポリペプチドに関し、「数個」とは、例えば、50個以下、45個以下、30個以下、25個以下、20個以下、15個以下、10個以下、5個以下、3個以下、又は2個以下である。キシラナーゼ活性の有無は、例えば、ソモギ-ネルソン法等の公知に手法を用いて確認することができる。
1又は数個のアミノ酸残基が置換されている場合、置換の種類は、特に制限されないが、ポリペプチドの高次構造、表現形又は特性に顕著な負の影響を与えないという観点から保存的アミノ酸置換が好ましい。「保存的アミノ酸置換」とは、あるアミノ酸残基を、同様の性質の側鎖を有するアミノ酸残基に置換することをいう。アミノ酸残基はその側鎖によって塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)のように、同様の性質を有するファミリーに分類することができる。よって、アミノ酸置換は、置換前のアミノ酸残基と同一の上記カテゴリーに属する他のアミノ酸残基間で置換されることが好ましい。
配列番号4のアミノ酸配列を有するポリペプチドの高次構造、表現形又は特性に顕著な負の影響を与えないという観点から、(A)及び(B)のアミノ酸配列は、配列番号4のアミノ酸配列におけるGH30キシラナーゼに特徴的なアミノ酸残基及び/又はXyn30Cに特徴的なアミノ酸残基が保存されていることが好ましい。保存されているとは、あるアミノ酸残基が、(A)又は(B)のアミノ酸配列において、配列番号4における位置と同等の位置に存在することを意味する。
配列番号4のアミノ酸配列におけるGH30キシラナーゼに特徴的なアミノ酸残基とは、6位のアスパラギン、12位のグルタミン、16位のグリシン、18位のグリシン、20位のセリン、22位のアラニン、23位のフェニルアラニン、24位のグリシン、45位のフェニルアラニン、52位のグリシン、55位のイソロイシン、57位のアルギニン、58位のアスパラギン、60位のイソロイシン、67位のイソロイシン、69位のプロリン、72位のプロリン、75位のプロリン、81位のチロシン、87位のアスパラギン酸、90位のグルタミン、97位のアラニン、106位のチロシン、107位のアラニン、108位のアスパラギン酸、109位のアラニン、110位のトリプトファン、112位のアラニン、113位のプロリン、116位のメチオニン、117位のリジン、118位のトレオニン、126位のグリシン、129位のシステイン、130位のグリシン、133位のグリシン、136位のシステイン、140位のアスパラギン酸、141位のトリプトファン、142位のアルギニン、143位のグルタミン、144位のアラニン、145位のチロシン、146位のアラニン、149位のロイシン、150位のバリン、151位のグルタミン、152位のチロシン、156位のチロシン、160位のグリシン、167位のグリシン、170位のアスパラギン、171位のグルタミン酸、172位のプロリン、189位のアラニン、192位のフェニルアラニン、196位のロイシン、203位のアラニン、211位のシステイン、212位のシステイン、213位のアスパラギン酸、216位のグリシン、227位のロイシン、230位のアラニン、231位のグリシン、235位のチロシン、240位のトレオニン、242位のヒスチジン、244位のチロシン、246位のセリン、251位のプロリン、261位のトレオニン、262位のグルタミン酸、273位のトレオニン、274位のトリプトファン、278位のグリシン、282位のグルタミン酸、283位のグリシン、286位のトリプトファン、287位のアラニン、295位のバリン、300位のセリン、305位のトリプトファン、328位のセリン、332位のトリプトファン、333位のアラニン、334位のフェニルアラニン、335位のアラニン、339位のアルギニン、342位のアルギニン、343位のプロリン、347位のアルギニン、356位のアスパラギン、364位のアスパラギン、375位のアスパラギン、387位のグリシン、396位のチロシン、399位のアスパラギン酸、及び428位のトレオニンである。
配列番号4のアミノ酸配列におけるXyn30Cに特徴的なアミノ酸残基とは、25位のフェニルアラニン、26位のグリシン、42位のアスパラギン、43位のチロシン、61位のアラニン、62位のアラニン、98位のアルギニン、99位のアラニン、124位のアスパラギン、125位のグリシン、164位のアスパラギン酸、165位のフェニルアラニン、178位のチロシン、179位のアスパラギン酸、180位のセリン、204位のグリシン、205位のロイシン、206位のセリン、207位のトレオニン、208位のグリシン、209位のイソロイシン、243位のトリプトファン、256位のロイシン、257位のアルギニン、258位のバリン、259位のトリプトファン、260位のグルタミン酸、263位のチロシン、264位のアラニン、265位のアスパラギン酸、266位のロイシン、267位のアスパラギン酸、268位のアスパラギン酸、269位のアラニン、292位のグルタミン、293位のグリシン、294位のバリン、296位のグルタミン酸、306位のイソロイシン、307位のグリシン、308位のアラニン、310位のセリン、311位のアスパラギン、312位のセリン、313位のアスパラギン、314位のアラニン、及び315位のアラニンである。
一実施形態において、上記配列番号4のアミノ酸配列におけるGH30キシラナーゼに特徴的なアミノ酸残基のうち、1個以上、5個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、50個以上、60個以上、70個以上、80個以上90個以上、又は95個以上が保存されていることが好ましい。一実施形態において、上記配列番号4のアミノ酸配列におけるXyn30Cに特徴的なアミノ酸残基のうち、1個以上、5個以上、10個以上、15個以上、20個以上、30個以上、40個以上、又は45個以上が保存されていることが好ましい。
配列番号4の171位のグルタミン酸及び262位のグルタミン酸は活性部位を構成すると考えられる。よって、(A)及び(B)のポリペプチドは、これらのアミノ酸残基を保存していることが好ましい。
(A)及び(B)のアミノ酸配列は、そのC末端にリンカー配列及びセルロース結合モジュールに相当するアミノ酸配列を有していてもよい。リンカー配列及びセルロース結合モジュールに相当するアミノ酸配列としては、各々配列番号3のアミノ酸配列における第456位〜第486位のアミノ酸配列及び第487位〜第524位のアミノ酸配列を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。例えば、リンカー配列及びセルロース結合モジュールに相当するアミノ酸配列は、配列番号3のアミノ酸配列における第456位〜第486位のアミノ酸配列及び第487位〜第524位のアミノ酸配列と60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は95%以上の同一性を有するアミノ酸配列であってもよい。
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、キシランからキシロオリゴ糖を効率的に生産する特性を有することが好ましい。キシロオリゴ糖とは、2個〜10個程度のキシロースが結合したオリゴ糖である。一実施形態において、好ましいキシロオリゴ糖は、キシロビオース及びキシロトリオースである。一実施形態において、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、それを一定時間キシランに作用させることにより、キシロースよりも、キシロビオース及びキシロトリオースを多く生産することが好ましい。エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、キシロビオース及びキシロトリオースに対する基質特異性が他のキシロオリゴ糖に対する特異性よりも低いことが好ましい。例えば、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、後述する実施例4と同じ条件で小麦アラビノキシランに24時間作用させた場合に、精製されるキシロースとキシロビオースの比率(重量比)が、キシロース:キシロビオース=1:2〜1:8、好ましくは1:3〜1:6である。また、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、後述する実施例4と同じ条件で小麦アラビノキシランに24時間作用させた場合に、精製されるキシロースとキシロトリオースの比率(重量比)が、キシロース:キシロトリオース=1:2〜1:5、好ましくは1:2〜1:4である。ここで、キシランは、4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するキシラン及び/又はアラビノフラノシル側鎖を有するキシランであることが好ましい。
一実施形態において、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、至適活性温度が約55℃であることが好ましい。至適活性温度が約55℃であるとは、55℃におけるエンド型キシラナーゼ活性が50℃及び60℃におけるエンド型キシラナーゼ活性よりも高いことを意味する。一実施形態において、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、55℃以下の温度で安定であることが好ましい。55℃以下の温度で安定であるとは、55℃以下の温度の緩衝液中に24時間保持しても失活しないことを意味する。一実施形態において、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、至適pHが3.5〜4.5であることが好ましい。至適pHが3.5〜4.5であるとは、pH3.5〜4.5でのエンド型キシラナーゼ活性がpH3及び5における同活性よりも高いことを意味する。一実施形態において、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、pH2〜5.7で安定であることが好ましい。pH2〜5.7で安定であるとは、pH2〜5.7の緩衝液中で30分保持しても失活しないことを意味する。
一実施形態において、ポリペプチドは、小麦アラビノキシランを基質とした場合の比活性が25U/mg以上、30U/mg以上、35U/mg以上、40U/mg以上、又は45U/mg以上であることが好ましい。一実施形態において、ポリペプチドは、Birchwoodキシランを基質とした場合の比活性が15U/mg以上、20U/mg以上、又は25U/mg以上であることが好ましい。一実施形態において、ポリペプチドは、Beechwoodキシランを基質とした場合の比活性が20U/mg以上、25U/mg以上、30U/mg以上、又は35U/mg以上であることが好ましい。ここで比活性は、後述する実施例の3(1)に記載する方法・条件で測定されるものであり、1Uは、1分間に1μmolの還元糖を遊離する酵素量である。
上述のポリペプチドは、後述するポリヌクレオチドを利用して、遺伝子工学的な手法で製造することができる。同ポリペプチドは、配列番号4に示されるアミノ酸配列の情報に基づいて、一般的なタンパク質の化学合成法(例えば、液相法及び固相法)を用いて製造することも可能である。
2.ポリヌクレオチド
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は特に制限されない。一実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号1又は2の塩基配列或いはこれらのリンカー及びCBM1をコードする領域以外の塩基配列と一定以上の同一性を有する塩基配列を有することが好ましい。一定以上の同一性とは、例えば、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。配列番号1はイントロンを含む塩基配列であり、配列番号2はイントロンを含まない塩基配列である。
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は特に制限されない。一実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号1又は2の塩基配列或いはこれらのリンカー及びCBM1をコードする領域以外の塩基配列と一定以上の同一性を有する塩基配列を有することが好ましい。一定以上の同一性とは、例えば、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。配列番号1はイントロンを含む塩基配列であり、配列番号2はイントロンを含まない塩基配列である。
塩基配列の同一性は、市販の又は電気通信回線(インターネット)を通じて利用可能な解析ツールを用いて算出することができ、例えば、FASTA、BLAST、PSI−BLAST、SSEARCH等のソフトウェアを用いて計算される。具体的には、BLAST検索に一般的に用いられる主な初期条件は、以下の通りである。即ち、Advanced BLAST 2.1において、プログラムにblastnを用い、各種パラメータはデフォルト値に設定して検索を行うことにより、ヌクレオチド配列の相同性の値(%)を算出することができる。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、単離された状態で存在するポリヌクレオチドであることが好ましい。ここで「単離されたDNA」とは、天然状態において共存するその他の核酸やタンパク質等の成分から分離された状態であることをいう。但し、天然状態において隣接する核酸配列(例えばプロモーター領域の配列やターミネーター配列など)など一部の他の核酸成分を含んでいてもよい。cDNA分子など遺伝子工学的手法によって調製されるDNAの場合の「単離された」状態では、好ましくは、細胞成分や培養液などを実質的に含まない。同様に、化学合成によって調製されるDNAの場合の「単離されたDNA」は、好ましくは、dNTPなどの前駆体(原材料)や合成過程で使用される化学物質等を実質的に含まないことを意味する。一実施形態において、ポリヌクレオチドはcDNAであることが好ましい。
ポリヌクレオチドは、配列番号1又は2の塩基配列に基づいて、化学的なDNAの合成法(例えば、フォスフォアミダイト法)や遺伝子工学的手法を用いて容易に取得することができる。
3.ベクター
ベクターは、上記ポリヌクレオチドを発現可能な様式で含むことが好ましい。ベクターの種類は、宿主細胞の種類を考慮して適宜選択することができる。例えば、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター(アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター等)等を挙げることができる。
ベクターは、上記ポリヌクレオチドを発現可能な様式で含むことが好ましい。ベクターの種類は、宿主細胞の種類を考慮して適宜選択することができる。例えば、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター(アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター等)等を挙げることができる。
大腸菌で発現可能なベクターとしては、例えば、pUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG298、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218、pQE、及びpET等を挙げることができる。酵母で発現可能なベクターとしては、例えば、pBR322、pJDB207、pSH15、pSH19、pYepSec1、pMFa、pYES2、pHIL、pPIC、pAO815、及びpPink等を挙げることが出来る。昆虫で発現可能なベクターとしては、例えば、pAc、pVL、及びpFastbac等を挙げることが出来る。
宿主細胞として真核細胞を使用する場合は、発現ベクターとして、発現しようとするポリヌクレオチドの上流にプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部位及び転写終了配列等を保有するものを使用することができ、更に必要により複製起点、エンハンサー、及び/又は選択マーカーを有していてもよい。
4.形質転換体
形質転換体は、上記ベクターで形質転換されているものが好ましい。形質転換体中において、ベクターは、宿主細胞中において自律的に存在してもゲノム中に相同組換え的または非相同組換え的に組み込まれて存在してもよい。形質転換に使用する宿主細胞は、上記ポリペプチドを産生できる限り特に制限されず、原核細胞及び真核細胞のいずれでもよい。具体的には、エシェリヒア・コリ等のエシェリヒア属細菌(例えば、HB101、MC1061、JM109、CJ236、MV1184等)、コリネバクテリウム・グルタミカム等のコリネ型細菌、ストレプトミセス属細菌等の放線菌、バチルス・サブチリス等のバチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、スタフィロコッカス属細菌等の原核細胞;サッカロミセス属、ピシア属及びクルイベロマイセス属等の酵母、アスペルギルス属、ペニシリウム属、タラロマイセス属、トリコデルマ属、ハイポクレア属及びアクレモニウム属等の真菌細胞;ドロソフィラS2、スポドプテラSf9、カイコ培養細胞等の昆虫細胞;並びに植物細胞等を挙げることができる。枯草菌、酵母、真菌、放線菌等のタンパク質分泌能を利用して、ポリペプチドを培地中に生産させることもできる。
形質転換体は、上記ベクターで形質転換されているものが好ましい。形質転換体中において、ベクターは、宿主細胞中において自律的に存在してもゲノム中に相同組換え的または非相同組換え的に組み込まれて存在してもよい。形質転換に使用する宿主細胞は、上記ポリペプチドを産生できる限り特に制限されず、原核細胞及び真核細胞のいずれでもよい。具体的には、エシェリヒア・コリ等のエシェリヒア属細菌(例えば、HB101、MC1061、JM109、CJ236、MV1184等)、コリネバクテリウム・グルタミカム等のコリネ型細菌、ストレプトミセス属細菌等の放線菌、バチルス・サブチリス等のバチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、スタフィロコッカス属細菌等の原核細胞;サッカロミセス属、ピシア属及びクルイベロマイセス属等の酵母、アスペルギルス属、ペニシリウム属、タラロマイセス属、トリコデルマ属、ハイポクレア属及びアクレモニウム属等の真菌細胞;ドロソフィラS2、スポドプテラSf9、カイコ培養細胞等の昆虫細胞;並びに植物細胞等を挙げることができる。枯草菌、酵母、真菌、放線菌等のタンパク質分泌能を利用して、ポリペプチドを培地中に生産させることもできる。
組換え発現ベクターの宿主細胞内への導入方法は、従来の慣用的に用いられている方法により行うことができる。例えば、コンピテントセル法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、リポソーム融合法等の種々の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
形質転換体は、ポリペプチドを産生可能であるため、ポリペプチドを製造するために用いることが可能であり、また形質転換体の状態で、キシランを含む試料からキシロース及び/又はキシロオリゴ糖を製造するために使用することもできる。
5.形質転換体を用いたポリペプチドの製造方法
上記形質転換体を培養し、培養物からエンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを回収することにより、上述のポリペプチドを製造することができる。培養は、宿主に適した培地を用いて継代培養又はバッチ培養を行うことができる。また、培養は、形質転換体の内外に生産されたポリペプチドの活性を指標にして、適当量得られるまで実施することができる。
上記形質転換体を培養し、培養物からエンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを回収することにより、上述のポリペプチドを製造することができる。培養は、宿主に適した培地を用いて継代培養又はバッチ培養を行うことができる。また、培養は、形質転換体の内外に生産されたポリペプチドの活性を指標にして、適当量得られるまで実施することができる。
培地としては、宿主細胞の種類に応じて慣用される各種のものを適宜選択利用でき、培養も宿主細胞の生育に適した条件下で実施できる。例えば、大腸菌の培養にはLB培地などの栄養培地や、M9培地などの最少培地に炭素源、窒素源、ビタミン源等を添加した培地を用いることができる。
培養条件は宿主の種類に応じて適宜設定することができる。通常、16〜42℃、好ましくは25〜37℃で5〜168時間、好ましくは8〜72時間培養される。宿主に依存して、振盪培養と静置培養のいずれも可能であるが、必要に応じて攪拌及び/又は通気を行ってもよい。遺伝子発現のために誘導型プロモーターを用いる場合は、培地にプロモーター誘導剤を添加して培養を行うこともできる。
培養上清からのポリペプチドの精製又は単離は、公知の手法を適宜組み合わせて行うことができる。例えば、硫酸アンモニウム沈殿、エタノール等の溶媒沈殿、透析、限外濾過、酸抽出、及び各種クロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過クロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等)等を用いた手法が挙げられる。アフィニティークロマトグラフィーに用いる担体としては、例えば、ポリペプチドに対する抗体を結合させた担体や、ポリペプチドにペプチドタグを付加した場合は、このペプチドタグに親和性のある物質を結合した担体を利用することもできる。
ポリペプチドが宿主の細胞内に蓄積される場合は、形質転換細胞を破砕し、破砕物の遠心上清から上記と同様にしてポリペプチドを精製又は単離することができる。例えば、培養終了後、遠心により集菌した菌体を菌体破砕用バッファー(20〜100mM Tris−HCl(pH8.0)、5mM EDTA)に懸濁し、超音波破砕し、破砕処理液を10000〜15000rpmで10〜15分間遠心して上清を得ることができる。遠心後の沈殿は、必要に応じて塩酸グアニジウム又は尿素などで可溶化したのち更に精製することもできる。
6.ポリペプチドを用いたキシロオリゴ糖の製造方法
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを、キシランを含む試料(例えば、バイオマス資源)に接触させることにより、キシランを分解し、キシロース及び/又はキシロオリゴ糖を含む糖液を製造することができる。また、キシランを含む試料として、バイオマス資源を使用する場合は、上述のポリペプチドに加えて、他のセルラーゼ等の酵素を併用し、より効率的に糖液を製造することが好ましい。上述のエンド型キシラナーゼは、キシロビオース及びキシロトリオースに対する基質特異性が低く、キシランからキシロースよりもキシロオリゴ糖を効率的に生産するため、キシロオリゴ糖を高濃度で含有する糖液の生産が可能である。
エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを、キシランを含む試料(例えば、バイオマス資源)に接触させることにより、キシランを分解し、キシロース及び/又はキシロオリゴ糖を含む糖液を製造することができる。また、キシランを含む試料として、バイオマス資源を使用する場合は、上述のポリペプチドに加えて、他のセルラーゼ等の酵素を併用し、より効率的に糖液を製造することが好ましい。上述のエンド型キシラナーゼは、キシロビオース及びキシロトリオースに対する基質特異性が低く、キシランからキシロースよりもキシロオリゴ糖を効率的に生産するため、キシロオリゴ糖を高濃度で含有する糖液の生産が可能である。
キシランを含む試料の種類は、本発明のポリペプチドによって分解可能である限り特に制限されないが、例えば、バガス、木材、ふすま、麦わら、稲わら、イネ科もしくはマメ科等の牧草、コーンコブ、ササ、パルプ、もみがら、小麦フスマ、大豆粕、大豆オカラ、コーヒー粕、コメ糠等を挙げることができる。
キシランを含む試料からキシロース及び/又はキシロオリゴ糖を含む糖液を製造する方法は、公知の手法に従って行うことができる。利用するバイオマス資源は、乾燥物でも、湿潤物でもよいが、処理効率を高めるために予め100〜10000μmサイズに粉砕されていることが好ましい。粉砕はボールミル、振動ミル、カッターミル、ハンマーミル等の装置を用いて行うことができる。そして、粉砕したバイオマス資源は、水、蒸気もしくはアルカリ溶液などに浸漬して60〜200℃の間で高温処理もしくは高温高圧処理を施して、酵素処理効率をさらに高めることもできる。例えば、アルカリ処理は、苛性ソーダやアンモニア等を用いて行うことができる。このような前処理がされたバイオマス試料を水性媒体中に懸濁し、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドと他のセルラーゼを加え、攪拌しながら加温して、バイオマス資源を分解または糖化することができる。
ポリペプチドを水溶液中でキシランを含む試料に接触させる場合は、反応液のpHおよび温度等の条件は、ポリペプチドが失活しない範囲であればよい。例えば、上述の至適温度及び至適pH付近の条件を採用することが効率的に試料を分解し、糖液を得るという観点から好ましい。
キシロース及び/又はキシロオリゴ糖を含有する糖液は、そのまま利用しても良く、水分を除去して乾燥物として使用しても良く、目的に応じて、更に化学反応又は酵素反応によって異性化又は分解することも可能である。糖液又はその分画物は、例えば、発酵法によりメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ブタンジオール等のアルコールの原料として使用することができる。
7.ポリペプチドを含む組成物
組成物は、上記ポリペプチドを含むことが好ましい。そのような組成物は、キシランから効率的にキシロオリゴ糖を生産するために使用することができる。また、組成物は、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドに加えて、任意の他の物質を含みえる。他の物質は、例えば、他の酵素であってもよい。他の酵素としては、例えば、セルラーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ガラクツロン酸リアーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−アラビノフラノシダーゼ、α−グルクロニダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、及びフェルラ酸エステラーゼからなる群より選択される一種以上であり得る。これらの他の酵素の一種以上との組み合わせでエンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを含むことにより、効率的にバイオマスを糖化することができる。
組成物は、上記ポリペプチドを含むことが好ましい。そのような組成物は、キシランから効率的にキシロオリゴ糖を生産するために使用することができる。また、組成物は、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドに加えて、任意の他の物質を含みえる。他の物質は、例えば、他の酵素であってもよい。他の酵素としては、例えば、セルラーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ガラクツロン酸リアーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−アラビノフラノシダーゼ、α−グルクロニダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、及びフェルラ酸エステラーゼからなる群より選択される一種以上であり得る。これらの他の酵素の一種以上との組み合わせでエンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを含むことにより、効率的にバイオマスを糖化することができる。
組成物に含まれる他の物質は上述のキシランを含む試料(例えば、リグノセルロース)であってもよい。エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチド及びキシランを含む試料を含む組成物は、家畜などの飼料として有用である。
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
1.GH30タンパク質遺伝子の同定
タラロマイセス・セルロリティカスCF−2612株を特開2008−271927に記載の方法に従い、セルロースパウダーを炭素源として培養した。培養液を遠心し、上澄み液を得た。上澄み液中には種々のセルラーゼやキシラナーゼを含む糖化酵素が含まれる。上澄み液(酵素液)をトリプシン処理した後、LC−MS/MS分析を行い、分析により得られた全てのMS/MSスペクトルのプロダクトイオン測定データをMASCOT Server (http://www.matrixscience.com)を用いてタラロマイセス・セルロリティカスのゲノムデータを対象に検索を行うことにより、酵素液中に存在するタンパク質の網羅的な同定を行った。その結果、機能未知のGH30ファミリーに相当するタンパク質のペプチド断片が同定された。ゲノム情報より、同ペプチド断片を含むタンパク質をコードする遺伝子(Xyn30C)は1845bpであり(配列番号1)、Xyn30C遺伝子を含むゲノム配列から、イントロンに相当する部分を除いた本酵素のポリペプチドをコードする遺伝子配列1572bpを決定した(配列番号2)。配列番号2に基づいて推定される524アミノ酸残基からなるXyn30Cのポリペプチド配列(配列番号3)を決定した。
タラロマイセス・セルロリティカスCF−2612株を特開2008−271927に記載の方法に従い、セルロースパウダーを炭素源として培養した。培養液を遠心し、上澄み液を得た。上澄み液中には種々のセルラーゼやキシラナーゼを含む糖化酵素が含まれる。上澄み液(酵素液)をトリプシン処理した後、LC−MS/MS分析を行い、分析により得られた全てのMS/MSスペクトルのプロダクトイオン測定データをMASCOT Server (http://www.matrixscience.com)を用いてタラロマイセス・セルロリティカスのゲノムデータを対象に検索を行うことにより、酵素液中に存在するタンパク質の網羅的な同定を行った。その結果、機能未知のGH30ファミリーに相当するタンパク質のペプチド断片が同定された。ゲノム情報より、同ペプチド断片を含むタンパク質をコードする遺伝子(Xyn30C)は1845bpであり(配列番号1)、Xyn30C遺伝子を含むゲノム配列から、イントロンに相当する部分を除いた本酵素のポリペプチドをコードする遺伝子配列1572bpを決定した(配列番号2)。配列番号2に基づいて推定される524アミノ酸残基からなるXyn30Cのポリペプチド配列(配列番号3)を決定した。
Xyn30Cの分泌シグナル配列(第1位〜第22位)は、Signal−P Serverを用いて決定した。更に、Xyn30Cのポリペプチド配列は、第456位〜第486位にリンカー配列を有し、第487位〜第524位にセルロース結合モジュール1(CBM1)を有することが判明した。シグナル配列は、タンパク質の分泌生産に必要であり、菌体外へ分泌後に切断される。分泌シグナル配列を除いたタンパク質の理論上の分子量およびpI値は、それぞれ52673Daおよび4.43と見積もられた。リンカー配列及びCBM1の配列は、セルロースとの結合において機能し、セルロース近傍のキシランの分解促進に効果を持つが、触媒機能とは直接関係ないと推測され、欠失されても酵素の触媒活性は維持される。Xyn30Cのアミノ酸配列(配列番号3)からシグナルペプチド、リンカー配列及びCBM1の配列を除いたアミノ酸配列を配列番号4とする。
2.GH30タンパク質の発現と精製
Xyn30C遺伝子のN末端配列およびC末端配列がコードされる遺伝子配列から、以下の2種類のオリゴヌクレオチドプライマー(プライマー1,プライマー2)を作成した。
プライマー1:ATTGTTAACAAGATGTGGAGTCTGAAATCGAATTCCAC(配列番号5)
プライマー2:AATCCTGCAGGCTAAGCAGGAAGACACTGCGAATAG(配列番号6)
Xyn30C遺伝子のN末端配列およびC末端配列がコードされる遺伝子配列から、以下の2種類のオリゴヌクレオチドプライマー(プライマー1,プライマー2)を作成した。
プライマー1:ATTGTTAACAAGATGTGGAGTCTGAAATCGAATTCCAC(配列番号5)
プライマー2:AATCCTGCAGGCTAAGCAGGAAGACACTGCGAATAG(配列番号6)
タラロマイセス・セルロリティカスCF−2612株のゲノムDNAを鋳型としてプライマー1および2を用いて配列番号1を含む約1.9KbのXyn30C遺伝子断片を増幅した。本遺伝子をHpaIおよびSbfIで切断し、pANC202(J.Ind.Microbiol. Biotechnol.2013,40(8):823−830)のEcoRV−SbfI間に導入し、グルコアミラーゼプロモーターの支配下にてXyn30C遺伝子を発現させる発現プラスミドpANC251を得た。本プラスミドを、プロトプラスト−PEG法を用いて、アクレモニウム(現タラロマイセス)・セルロリティカスのウラシル要求性YP−4株(J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2013,40(8):823−830)の染色体に、非相同的に組み込んだ。
Xyn30C遺伝子を組み込んだ形質転換株は、文献(J.Ind.Microbiol. Biotechnol.2013,40(8):823−830)に記載されるデンプンを炭素源とする液体培地で30℃、120時間しんとう培養することによって組換えXyn30Cを菌体外に分泌生産した。培養液を遠心した上澄み液を用いて、Xyn30Cの精製を行った。先ず、上澄み液は20mM 2−(N−morpholino)ethanesulfonic acid(MES)緩衝液(pH6.5)で平衡化したHiprep26/10脱塩カラム(GEヘルスケア製)で脱塩された。脱塩溶液は、同緩衝液で平衡化したSource15Q陰イオン交換カラム(GEヘルスケア製)に供され、非吸着画分として回収された。得られた画分は、最終濃度1.0Mになるように硫酸アンモニウムを加えられ、1.0M硫酸アンモニウムを含む20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)で平衡化したSource15Phe疎水性相互作用カラム(GEヘルスケア製)に供された。Xyn30Cは、硫酸アンモニウムを含まない20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にてグラジエント溶出された。得られた画分は、20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)で置換され、同緩衝液で平衡化したSource15S陽イオン交換カラム(GEヘルスケア製)に供された。Xyn30Cは、0.5M塩化ナトリウムを含む20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)にてグラジエント溶出され、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動分析によって電気泳動的に単一であることが確認された(図1)。分子量既知のタンパク質マーカーとの泳動度の比較によって、Xyn30Cの分子量は、約54.2kDaと見積もられた。
3.Xyn30Cの酵素学的諸性質
(1)基質特異性
各種基質に対するXyn30Cの酵素活性を調べた。50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)に上記で得た0.002mg/mlの精製Xyn30C及び10mg/mlの各種基質を加え(各々最終濃度)、45℃で酵素反応を開始した。反応開始後30分の時点で遊離した還元糖濃度をジニトロサリチル酸法(Methods Enzymol.160:87−112)によって定量し、酵素1mgあたりの酵素活性(比活性)を算出した。酵素活性1Uは、1分間に1μmolの還元糖を遊離する酵素量である。測定結果を表1に示す。酵素のタンパク質濃度の測定は、PierceTM BCA Protein Assay Kit (Thermo Fisher製)を用いて行った。タンパク質濃度定量用の標準物質としては、濃度既知のウシ血清アルブミン(Thermo Fisher製)を使用した。
(1)基質特異性
各種基質に対するXyn30Cの酵素活性を調べた。50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)に上記で得た0.002mg/mlの精製Xyn30C及び10mg/mlの各種基質を加え(各々最終濃度)、45℃で酵素反応を開始した。反応開始後30分の時点で遊離した還元糖濃度をジニトロサリチル酸法(Methods Enzymol.160:87−112)によって定量し、酵素1mgあたりの酵素活性(比活性)を算出した。酵素活性1Uは、1分間に1μmolの還元糖を遊離する酵素量である。測定結果を表1に示す。酵素のタンパク質濃度の測定は、PierceTM BCA Protein Assay Kit (Thermo Fisher製)を用いて行った。タンパク質濃度定量用の標準物質としては、濃度既知のウシ血清アルブミン(Thermo Fisher製)を使用した。
4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するBeechwoodキシラン(Megazyme社製 Code:P-XYLNBE)およびBirchwoodキシラン(Sigma-Aldrich社製 Code:X0502)、ならびにアラビノフラノシル側鎖を有する小麦アラビノキシラン(Megazyme社製 Code:P-WAXYRS)の両方に対して酵素活性を示すことから、Xyn30Cは、GH30キシラナーゼにおいて通常観察されるグルクロノキシラナーゼではなく、エンド型キシラナーゼであることが示された。
(2)至適pH
Xyn30Cの至適pHを調べた。McIlvaine緩衝液にてpHを調整し、上記精製酵素(Xyn30C)を10mg/mlのBeechwoodキシランと共に45℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、相対酵素活性を算出した。相対酵素活性とpHとの関係を図2に示す。図2から明らかなように、Xyn30Cは、pH3.5〜4.5のときに最大の活性を示すと共に、約pH2.5〜5.0においても活性を有していた。
Xyn30Cの至適pHを調べた。McIlvaine緩衝液にてpHを調整し、上記精製酵素(Xyn30C)を10mg/mlのBeechwoodキシランと共に45℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、相対酵素活性を算出した。相対酵素活性とpHとの関係を図2に示す。図2から明らかなように、Xyn30Cは、pH3.5〜4.5のときに最大の活性を示すと共に、約pH2.5〜5.0においても活性を有していた。
(3)pH安定性
Xyn30CのpH安定性を調べた。McIlvaine緩衝液にてpHを調整し、上記精製酵素(Xyn30C)を45℃で30分処理後、これらを希釈し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて10mg/mlのBeechwoodキシランと共に45℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、残存酵素活性を算出した。残存酵素活性とpHとの関係を図3に示す。図3から明らかなように、Xyn30CはpH2.3〜5.7の範囲で安定であり、pH2.0においても高い安定性を有していた。
Xyn30CのpH安定性を調べた。McIlvaine緩衝液にてpHを調整し、上記精製酵素(Xyn30C)を45℃で30分処理後、これらを希釈し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて10mg/mlのBeechwoodキシランと共に45℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、残存酵素活性を算出した。残存酵素活性とpHとの関係を図3に示す。図3から明らかなように、Xyn30CはpH2.3〜5.7の範囲で安定であり、pH2.0においても高い安定性を有していた。
(4)至適温度
Xyn30Cの至適温度(作用最適温度)を調べた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて10mg/mlのBeechwoodキシランを上記精製酵素と共に40〜60℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、相対酵素活性を算出した。相対酵素活性と温度との関係を図4に示す。図4から明らかなように、Xyn30Cの至適温度は55℃であったが、約45〜60℃の範囲において高い活性を有していた。
Xyn30Cの至適温度(作用最適温度)を調べた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて10mg/mlのBeechwoodキシランを上記精製酵素と共に40〜60℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、相対酵素活性を算出した。相対酵素活性と温度との関係を図4に示す。図4から明らかなように、Xyn30Cの至適温度は55℃であったが、約45〜60℃の範囲において高い活性を有していた。
(5)温度安定性
Xyn30Cの熱安定性を調べた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて上記精製酵素を40〜60℃にて24時間処理した後、同緩衝液中にて10mg/mlBeechキシランと共に45℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、残存酵素活性を算出した。残存酵素活性と温度との関係を図5に示す。図5から明らかなように、Xyn30Cは、50℃以下の範囲で安定であったが、55℃においても高い安定性を有していた。また、Xyn30Cの変性温度(Tm値)は、タンパク質を5秒間ずつ加温しながら測定した結果、Tm値64℃と見積もられた。
Xyn30Cの熱安定性を調べた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて上記精製酵素を40〜60℃にて24時間処理した後、同緩衝液中にて10mg/mlBeechキシランと共に45℃で30分処理後に生成した還元糖濃度を定量し、残存酵素活性を算出した。残存酵素活性と温度との関係を図5に示す。図5から明らかなように、Xyn30Cは、50℃以下の範囲で安定であったが、55℃においても高い安定性を有していた。また、Xyn30Cの変性温度(Tm値)は、タンパク質を5秒間ずつ加温しながら測定した結果、Tm値64℃と見積もられた。
4.Xyn30Cによる小麦アラビノキシランの分解特性
10mg/mlの小麦アラビノキシランに対し、基質1gあたり2mgの精製Xyn30Cを混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて50℃で0.5、1、3、6、12、並びに24時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖量の経時変化をパルスアンペロメトリ検出器と陰イオン交換法を組合せたHPAEC−PAD法によって定量した。定量に用いる標準物質としては、キシロース、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、並びにキシロヘキサオース(Megazyme社製)を用いた。図6に反応時間ごとに生成したキシロース並びにキシロオリゴ糖の濃度を示した。反応液中でキシロース及びキシロオリゴ糖が経時的に蓄積され、小麦アラビノキシランは反応後24時間で約16%糖化された。糖化液中のキシロースならびにキシロオリゴ糖の濃度は、キシロース0.16mg/ml、キシロビオース0.64mg/ml、キシロトリオース0.33mg/ml、キシロテトラオース0.011mg/mlと見積もられた。
10mg/mlの小麦アラビノキシランに対し、基質1gあたり2mgの精製Xyn30Cを混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて50℃で0.5、1、3、6、12、並びに24時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖量の経時変化をパルスアンペロメトリ検出器と陰イオン交換法を組合せたHPAEC−PAD法によって定量した。定量に用いる標準物質としては、キシロース、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、並びにキシロヘキサオース(Megazyme社製)を用いた。図6に反応時間ごとに生成したキシロース並びにキシロオリゴ糖の濃度を示した。反応液中でキシロース及びキシロオリゴ糖が経時的に蓄積され、小麦アラビノキシランは反応後24時間で約16%糖化された。糖化液中のキシロースならびにキシロオリゴ糖の濃度は、キシロース0.16mg/ml、キシロビオース0.64mg/ml、キシロトリオース0.33mg/ml、キシロテトラオース0.011mg/mlと見積もられた。
5.Xyn30CとAbf62Aによる小麦アラビノキシランの分解特性
10mg/mlの小麦アラビノキシランに対し、基質1gあたり2mgのXyn30Cと2mgのタラロマイセス・セルロリティカス由来α-アラビノフラノシダーゼ(Abf62A)を混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて50℃で0.5、1、3、6、12、並びに24時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖量の経時変化を、実施例4と同様にHPAEC−PAD法によって定量した。その結果、実施例4と同様に反応液中でキシロース単糖及びキシロオリゴ糖が経時的に蓄積された(図7)。キシロオリゴ糖への糖化はXyn30C単体での酵素処理よりも迅速に進み、六糖以下のキシロオリゴ糖量の増加は、反応開始後3時間でほぼ頭打ちになった。反応後3時間で小麦アラビノキシランは約31%糖化された。糖化液中のキシロースならびにキシロオリゴ糖の濃度は、キシロース0.065mg/ml、キシロビオース0.68mg/ml、キシロトリオース0.91mg/ml、キシロテトラオース0.54mg/ml、キシロペンタオース0.12mg/ml、キシロヘキサオース0.048mg/mlだった。反応後24時間では、小麦アラビノキシランは約33%糖化された。糖化液中の組成は、キシロース0.23mg/ml、キシロビオース1.4mg/ml、キシロトリオース0.93mg/ml、キシロテトラオース0.032mg/mlだった。Xyn30CにAbf62Aを添加することで、アラビノキシランから効率的にキシロオリゴ糖を生産できた。
10mg/mlの小麦アラビノキシランに対し、基質1gあたり2mgのXyn30Cと2mgのタラロマイセス・セルロリティカス由来α-アラビノフラノシダーゼ(Abf62A)を混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて50℃で0.5、1、3、6、12、並びに24時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖量の経時変化を、実施例4と同様にHPAEC−PAD法によって定量した。その結果、実施例4と同様に反応液中でキシロース単糖及びキシロオリゴ糖が経時的に蓄積された(図7)。キシロオリゴ糖への糖化はXyn30C単体での酵素処理よりも迅速に進み、六糖以下のキシロオリゴ糖量の増加は、反応開始後3時間でほぼ頭打ちになった。反応後3時間で小麦アラビノキシランは約31%糖化された。糖化液中のキシロースならびにキシロオリゴ糖の濃度は、キシロース0.065mg/ml、キシロビオース0.68mg/ml、キシロトリオース0.91mg/ml、キシロテトラオース0.54mg/ml、キシロペンタオース0.12mg/ml、キシロヘキサオース0.048mg/mlだった。反応後24時間では、小麦アラビノキシランは約33%糖化された。糖化液中の組成は、キシロース0.23mg/ml、キシロビオース1.4mg/ml、キシロトリオース0.93mg/ml、キシロテトラオース0.032mg/mlだった。Xyn30CにAbf62Aを添加することで、アラビノキシランから効率的にキシロオリゴ糖を生産できた。
6.Xyn30CによるBeechwoodキシランの分解特性
10mg/mlのBeechwoodキシランに対し、基質1gあたり2mgのXyn30Cを混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて50℃で3時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖の量を、実施例4と同様にHPAEC−PAD法によって定量した(図8)。その結果、反応液中のBeechwoodキシランは、約48%が糖化された。糖化液中のキシロースならびにキシロオリゴ糖の濃度は、キシロース0.58mg/ml、キシロビオース9.8mg/ml、キシロトリオース14mg/ml、キシロテトラオース9.0mg/ml、キシロペンタオース2.2mg/ml、キシロヘキサオース0.54mg/mlだった。
10mg/mlのBeechwoodキシランに対し、基質1gあたり2mgのXyn30Cを混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて50℃で3時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖の量を、実施例4と同様にHPAEC−PAD法によって定量した(図8)。その結果、反応液中のBeechwoodキシランは、約48%が糖化された。糖化液中のキシロースならびにキシロオリゴ糖の濃度は、キシロース0.58mg/ml、キシロビオース9.8mg/ml、キシロトリオース14mg/ml、キシロテトラオース9.0mg/ml、キシロペンタオース2.2mg/ml、キシロヘキサオース0.54mg/mlだった。
7.Xyn30Cによる水熱処理稲わらの可溶性画分の分解特性
Xyn30Cを用いて、バイオマスからのキシロオリゴ糖生産を試みた。バイオマスとして稲わらを使用した。乾燥後にカッターミルにて3mm以下に粉砕した稲わら12gを120mlの蒸留水と混合し、オートクレーブにて160℃、1時間処理した。遠心分離により、液体を20ml回収した。稲わら水熱処理液に含まれる糖組成を分析したところ、キシランに相当する多糖が、1ml中に4.32mg含まれていた。基質1gあたり2mgのXyn30Cを混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて終濃度3.46mg/mlのキシラン相当を含む水熱処理液を50℃で3時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。また、コントロールとして酵素を混合しない反応液も調製した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖の量を、実施例4と同様にHPAEC−PAD法によって定量した。その結果、Xyn30C処理は、キシロース単糖をほとんど増加させることなく、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、及びキシロヘキサオースを合わせたキシロオリゴ糖の濃度を0.47mg/mlから1.7mg/mlに増加させ、バイオマス水熱処理液からのキシロオリゴ糖製造に有効であることが分かった(表2)。
Xyn30Cを用いて、バイオマスからのキシロオリゴ糖生産を試みた。バイオマスとして稲わらを使用した。乾燥後にカッターミルにて3mm以下に粉砕した稲わら12gを120mlの蒸留水と混合し、オートクレーブにて160℃、1時間処理した。遠心分離により、液体を20ml回収した。稲わら水熱処理液に含まれる糖組成を分析したところ、キシランに相当する多糖が、1ml中に4.32mg含まれていた。基質1gあたり2mgのXyn30Cを混合し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中にて終濃度3.46mg/mlのキシラン相当を含む水熱処理液を50℃で3時間処理した後、99℃で5分間インキュベートすることにより反応を停止した。また、コントロールとして酵素を混合しない反応液も調製した。反応液中に含まれるキシロース及びキシロオリゴ糖の量を、実施例4と同様にHPAEC−PAD法によって定量した。その結果、Xyn30C処理は、キシロース単糖をほとんど増加させることなく、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、及びキシロヘキサオースを合わせたキシロオリゴ糖の濃度を0.47mg/mlから1.7mg/mlに増加させ、バイオマス水熱処理液からのキシロオリゴ糖製造に有効であることが分かった(表2)。
8.既報のエンド型GH30キシラナーゼとの比較
Penicillium oxalicum由来のGH30キシラナーゼ(P241M1、US2014−0289905 A1、WO2013/067964)とXyn30Cは、62%の同一性を有する。P241M1は、AZCL−キシランに作用して可溶性のAZCLを遊離する活性が定性的に検出されたが、酵素活性(U)やキシランに対する主生成物を始めとする酵素化学的な知見は明らかにされていない。
Penicillium oxalicum由来のGH30キシラナーゼ(P241M1、US2014−0289905 A1、WO2013/067964)とXyn30Cは、62%の同一性を有する。P241M1は、AZCL−キシランに作用して可溶性のAZCLを遊離する活性が定性的に検出されたが、酵素活性(U)やキシランに対する主生成物を始めとする酵素化学的な知見は明らかにされていない。
Penicillium oxalicum由来のGH30キシラナーゼ(P2241KZ)は、小麦アラビノキシランから還元糖を遊離することが示されているが、酵素活性(U)やキシランに作用させた場合に生じる主生成物を始めとする酵素化学的な知見は明らかにされていない(US2014−0289905 A1、WO2013/067964 A1)。P2241KZとXyn30Cは、44%の同一性を有する。
Bispora sp.由来のGH30キシラナーゼXYLD(UniPort ID: D6MYS9)は、エンド型キシラナーゼ活性を示す(Appl Microbiol Biotechnol 86 (6):1829−1839)。キシラナーゼXYLDをBeechwoodキシランに作用させた場合に生じる主要分解産物の組成は、キシロース(65%)およびキシロビオース(26.7%)である。これは、Xyn30CをBeechwoodキシランに作用させた場合の結果(図8:主要分解産物の殆どがキシロオリゴ糖であり、分解産物中のキシロース含量は約1%)と大きく異なる。キシラナーゼXYLDとXyn30Cは、39%の同一性を有する。
Clostridium papyrosolvensのGH30キシラナーゼCpXyn30A(UniPort ID: F1TBY8)は、Sweetgum woodグルクロノキシラン(1.1U/mg)ならびに小麦アラビノキシラン(1.7U/mg)の両方に対してエンドキシラナーゼ活性を示し、キシロオリゴ糖を生成することが報告されている(Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 70 (Pt 11):2950−2958)。Xyn30Cは、CpXyn30Aに比べて約30倍以高い比活性を小麦アラビノキシランに対して示した(表1)。CpXyn30AとXyn30Cは、21%の同一性を有する。
以上のように、Xyn30Cは、既報のGH30キシラナーゼと一次構造が大きく異なり、主としてキシロオリゴ糖を生成する高いエンド型キシラナーゼ活性を有する特徴を有する。
Claims (14)
- 下記(A)または(B)のアミノ酸配列を有し、エンド型キシラナーゼ活性を有するポリペプチド:
(A)配列番号4のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列
(B)配列番号4のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有するアミノ酸配列。 - エンド型キシラナーゼ活性が4−O−メチルグルクロニル側鎖を有するキシラン及びアラビノフラノシル側鎖を有するキシランを基質とする、請求項1に記載のポリペプチド。
- 配列番号4のアミノ酸配列における下記のアミノ酸残基が保存されている、請求項1又は2に記載のポリペプチド:
6位のアスパラギン、12位のグルタミン、16位のグリシン、18位のグリシン、20位のセリン、22位のアラニン、23位のフェニルアラニン、24位のグリシン、45位のフェニルアラニン、52位のグリシン、55位のイソロイシン、57位のアルギニン、58位のアスパラギン、60位のイソロイシン、67位のイソロイシン、69位のプロリン、72位のプロリン、75位のプロリン、81位のチロシン、87位のアスパラギン酸、90位のグルタミン、97位のアラニン、106位のチロシン、107位のアラニン、108位のアスパラギン酸、109位のアラニン、110位のトリプトファン、112位のアラニン、113位のプロリン、116位のメチオニン、117位のリジン、118位のトレオニン、126位のグリシン、129位のシステイン、130位のグリシン、133位のグリシン、136位のシステイン、140位のアスパラギン酸、141位のトリプトファン、142位のアルギニン、143位のグルタミン、144位のアラニン、145位のチロシン、146位のアラニン、149位のロイシン、150位のバリン、151位のグルタミン、152位のチロシン、156位のチロシン、160位のグリシン、167位のグリシン、170位のアスパラギン、171位のグルタミン酸、172位のプロリン、189位のアラニン、192位のフェニルアラニン、196位のロイシン、203位のアラニン、211位のシステイン、212位のシステイン、213位のアスパラギン酸、216位のグリシン、227位のロイシン、230位のアラニン、231位のグリシン、235位のチロシン、240位のトレオニン、242位のヒスチジン、244位のチロシン、246位のセリン、251位のプロリン、261位のトレオニン、262位のグルタミン酸、273位のトレオニン、274位のトリプトファン、278位のグリシン、282位のグルタミン酸、283位のグリシン、286位のトリプトファン、287位のアラニン、295位のバリン、300位のセリン、305位のトリプトファン、328位のセリン、332位のトリプトファン、333位のアラニン、334位のフェニルアラニン、335位のアラニン、339位のアルギニン、342位のアルギニン、343位のプロリン、347位のアルギニン、356位のアスパラギン、364位のアスパラギン、375位のアスパラギン、387位のグリシン、396位のチロシン、399位のアスパラギン酸、及び428位のトレオニン、並びに、25位のフェニルアラニン、26位のグリシン、42位のアスパラギン、43位のチロシン、61位のアラニン、62位のアラニン、98位のアルギニン、99位のアラニン、124位のアスパラギン、125位のグリシン、164位のアスパラギン酸、165位のフェニルアラニン、178位のチロシン、179位のアスパラギン酸、180位のセリン、204位のグリシン、205位のロイシン、206位のセリン、207位のトレオニン、208位のグリシン、209位のイソロイシン、243位のトリプトファン、256位のロイシン、257位のアルギニン、258位のバリン、259位のトリプトファン、260位のグルタミン酸、263位のチロシン、264位のアラニン、265位のアスパラギン酸、266位のロイシン、267位のアスパラギン酸、268位のアスパラギン酸、269位のアラニン、292位のグルタミン、293位のグリシン、294位のバリン、296位のグルタミン酸、306位のイソロイシン、307位のグリシン、308位のアラニン、310位のセリン、311位のアスパラギン、312位のセリン、313位のアスパラギン、314位のアラニン、及び315位のアラニン。 - 配列番号4のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチドまたは請求項6に記載の発現ベクターが組み込まれた宿主細胞。
- 請求項7に記載の宿主細胞を培養することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを含む組成物。
- セルラーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ガラクツロン酸リアーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−アラビノフラノシダーゼ、α−グルクロニダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、及びフェルラ酸エステラーゼからなる群より選択される一種以上の酵素を更に含む、請求項9に記載の組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド、或いは、請求項9又は10に記載の組成物を、キシランに作用させることを含む、キシロオリゴ糖の製造方法。
- キシランが、4−O−メチルグルクロニル側鎖、ガラクトシル側鎖、アラビノフラノシル側鎖、及びアセチル側鎖からなる群より選択される一種以上の側鎖を有する、請求項11に記載の方法。
- 更にリグノセルロースを含む、請求項9又は10に記載の組成物。
- 飼料である、請求項13に記載の組成物。
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