JP2019192597A - 固体電解質層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示は、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることが可能な、固体電解質層の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示は、全固体電池に用いられる固体電解質層の製造方法であって、比表面積が6m2/g以下の硫化物固体電解質粒子を準備する準備工程と、上記硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散し、スラリーを調製する調製工程と、上記スラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得る塗工乾燥工程と、を有する、固体電解質層の製造方法を提供する。【選択図】図1
Description
本開示は、固体電解質層の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に代えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れる。このような固体電解質層に用いられる固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。
特許文献1には、固体電解質粒子および結着剤を含むスラリーを、正極層および/または負極層の上に塗布して固体電解質層を形成する工程を有し、上記スラリーの粘度が、10〜500mPa・sである、全固体二次電池の製造方法が開示されている。
固体電解質層を形成する方法としては、例えば固体電解質粒子を分散媒に分散させてスラリーを調製し、その後、当該スラリーを塗工し乾燥させて固体電解質層を得る方法が挙げられる。このとき用いられるスラリーは、コストの低減や乾燥時間の短縮といった観点から、分散媒量の削減が求められている。換言すると、スラリーの固形分率を高めることが求められている。一方、スラリーの固形分率を高めると、スラリーの粘度が急増する場合がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることが可能な、固体電解質層の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本開示においては、全固体電池に用いられる固体電解質層の製造方法であって、比表面積が6m2/g以下の硫化物固体電解質粒子を準備する準備工程と、上記硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散し、スラリーを調製する調製工程と、上記スラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得る塗工乾燥工程と、を有する、固体電解質層の製造方法を提供する。
本開示によれば、硫化物固体電解質粒子の比表面積を6m2/g以下とすることにより、スラリーに含まれる分散媒量を減らすことが可能であり、塗工に適した粘度を有するスラリーを用いて固体電解質層を製造することができる。
本開示における固体電解質層の製造方法は、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができるという効果を奏する。
以下、本開示における固体電解質層の製造方法について、詳細に説明する。
本開示における固体電解質層の製造方法は、全固体電池に用いられる固体電解質層の製造方法であって、比表面積が6m2/g以下の硫化物固体電解質粒子を準備する準備工程と、上記硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散し、スラリーを調製する調製工程と、上記スラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得る塗工乾燥工程と、を有する、製造方法である。
本開示によれば、硫化物固体電解質粒子の比表面積を6m2/g以下とすることにより、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができる。具体的な理由としては、以下のことが推測される。スラリーの粘度は、例えば、硫化物固体電解質粒子の粒径を管理することにより調整することができる。しかしながら、硫化物固体電解質粒子の粒径を管理した場合であっても、スラリーの粘度が急増してしまうことがある。このような課題が生じる理由は明らかではないが、次のようなことが考えられる。すなわち、硫化物固体電解質粒子が比較的軟らかい性質を有するため、硫化物固体電解質粒子を加工する過程で、硫化物固体電解質粒子の形状が球状ではなく、板状や扁平形状になる場合がある。この場合、硫化物固体電解質粒子の粒径に対して、硫化物固体電解質粒子の比表面積が大きくなり、スラリーを形成した際に、スラリーの粘度が急増すると考えられる。
これに対し、本開示における固体電解質層の製造方法においては、硫化物固体電解質粒子の比表面積を6m2/g以下とすることにより、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができる。これにより、スラリーの粘度を塗工に適した範囲にしつつ、スラリーの固形分率を高めることができる。また、スラリーに含まれる分散媒量を減らすことができ、分散媒量の増加によるコストの増加を抑え、塗工したスラリーを乾燥させる乾燥時間を短縮することができる。
本開示において製造される固体電解質層は、全固体電池に用いられる部材である。ここで、「全固体電池」は、通常、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層および負極集電体をこの順に有する電池である。このような全固体電池としては、例えばリチウムイオン電池が挙げられる。全固体電池は一次電池あってもよく、二次電池であってもよいが、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、角型が挙げられる。
以下、本開示における固体電解質層の製造方法の各工程について説明する。
1.準備工程
準備工程は、比表面積が6m2/g以下の硫化物固体電解質粒子を準備する工程である。なお、本項で説明する硫化物固体電解質粒子は、準備工程における硫化物固体電解質粒子(原材料)に関する記載である。
準備工程は、比表面積が6m2/g以下の硫化物固体電解質粒子を準備する工程である。なお、本項で説明する硫化物固体電解質粒子は、準備工程における硫化物固体電解質粒子(原材料)に関する記載である。
硫化物固体電解質粒子の比表面積は、6m2/g以下である。具体的には、硫化物固体電解質粒子の比表面積は、例えば5m2/g以下であり、4m2/g以下であってもよい。硫化物固体電解質粒子の比表面積が上記上限を有することで、スラリー中の硫化物固体電解質粒子の固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができる。したがって、結果としてスラリー中の分散媒量を減らすことができるため、スラリーの良好な塗工が可能であり、また、用いられる分散媒量が減ることによるコストの削減、および後述する塗工乾燥工程における乾燥時間の短縮を図ることが可能である。一方、硫化物固体電解質粒子の比表面積は、例えば0m2/gより大きく、1m2/g以上であってもよい。
硫化物固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、例えば0.01μm以上であり、0.1μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、例えば50μm以下であり、30μm以下であってもよく、20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。また、硫化物固体電解質粒子の平均粒径(D90)は、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、3μm以上であってもよく、4μm以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質粒子の平均粒径(D90)は、例えば50μm以下であり、30μm以下であってもよく、20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。なお、上記平均粒径(D50、D90)については、例えば粒度分布計により決定することができる。また、硫化物固体電解質粒子の形状としては、例えば、真球状や楕円球状等の球状の他、板状や扁平形状等が挙げられる。固体電解質粒子は、得られる固体電解質層の絶縁性およびイオン伝導性の観点から、扁平形状であることが好ましい。
硫化物固体電解質粒子は、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、常温(25℃)におけるLiイオン伝導度は、例えば1×10−4S/cm以上であり、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
硫化物固体電解質粒子としては、例えば、Li2S−P2S5、Li2S−P2S5−LiBr−LiI、Li2S−P2S5−LiI、Li2S−P2S5−LiCl、Li2S−P2S5−LiBr、Li2S−P2S5−Li2O、Li2S−P2S5−Li2O−LiI、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−LiBr、Li2S−SiS2−LiCl、Li2S−SiS2−B2S3−LiI、Li2S−SiS2−P2S5−LiI、Li2S−B2S3、Li2S−P2S5−ZmSn(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、Li2S−GeS2、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−LixMOy(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)が挙げられる。
硫化物固体電解質粒子は、Li元素、P元素およびS元素を有するイオン伝導体を有することが好ましい。上記イオン伝導体は、通常、Liカチオンと、PおよびSを含むアニオン構造とから構成される。中でも、上記イオン伝導体は、PS4 3−構造をアニオン構造の主体(50mol%以上)として含有することが好ましい。中でも、PS4 3−構造の割合は、イオン伝導体の全アニオン構造に対して、例えば、60mol%以上であり、70mol%以上であってもよく、80mol%以上であってもよく、90mol%以上であってもよい。なお、PS4 3−構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
硫化物固体電解質粒子は、通常、上記イオン伝導体を主体として有する。硫化物固体電解質粒子における上記イオン伝導体の割合は、例えば、65mol%以上であり、70mol%以上であってもよく、75mol%以上であってもよい。また、硫化物固体電解質粒子は上記イオン伝導体のみから構成されていてもよく、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、LiIを挙げることができる。LiIの割合は、例えば5mol%以上であり、10mol%以上であってもよく、20mol%以上であってもよい。一方、LiIの割合は、例えば35mol%以下であり、30mol%以下であってもよい。
硫化物固体電解質粒子は、Li2Sと、P(リン)の硫化物と、LiIとを含有する原料組成物を非晶質化してなるもの(硫化物ガラス)であってもよく、さらに結晶化させたもの(ガラスセラミックス)であってもよい。Li2Sは、不純物が少ないことが好ましい。副反応を抑制することができるからである。一方、P(リン)の硫化物としては、例えば、P2S3およびP2S5を挙げることができる。なお、P(リン)の硫化物の代わりに、単体Pおよび単体Sを用いてもよい。
硫化物固体電解質粒子を準備する方法としては、所望の硫化物固体電解質粒子を得ることができる方法であればよく、特に限定されない。例えば、非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、メカニカルミリング法や溶融急冷法等が挙げられるが、中でもメカニカルミリング法が好ましい。常温での処理が可能となり、製造工程の簡略化を図ることができるためである。メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、ボールミル、ビーズミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でも、ボールミルやビーズミルが好ましく、ボールミルの中では遊星型ボールミルが好ましい。
2.調製工程
調製工程は、硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散し、スラリーを調製する工程である。
調製工程は、硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散し、スラリーを調製する工程である。
硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散する方法としては、硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散させることで、スラリーが得られる方法であればよい。具体的には、硫化物固体電解質粒子を分散媒に添加した後、所定の時間撹拌する方法が挙げられる。撹拌方法としては、例えば、ディゾルバー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、バイブレーターミル、高速インペラーミル、超音波ホモジナイザー、振とう機等の一般的な方法を採用することができる。
本工程で調製されるスラリーは、後述する塗工乾燥工程において塗工できる程度の粘度を有することが好ましい。スラリーの粘度(せん断速度38s−1)は、例えば1000cp以下であり、800cp以下であってもよく、600cp以下であってもよく、500cp以下であってもよく、400cp以下であってもよい。一方、スラリーの粘度は、例えば100cp以上であり、150cp以上であってもよく、200cp以上であってもよい。スラリーの粘度が上記範囲内であることにより、後述する塗工工程において、スラリーを基材上に良好に塗工することができる。
上述したスラリーの粘度は、スラリーの固形分率により調整することができる。そのため、スラリーの固形分率は、スラリーの粘度に応じて適宜設定することができ、上述した粘度を達成することができる程度に設定することが好ましい。具体的なスラリーの固形分率は、例えば、30質量%であり、35質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよく、45質量%以上であってもよく、50質量%以上であってもよい。一方、スラリーの固形分率は、例えば、70質量%以下であり、65質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよく、55質量%以下であってもよい。本開示においては、硫化物固体電解質粒子の比表面積が6m2/g以下であることにより、スラリーの固形分率を、従来よりも増加させることができる。具体的には、従来よりも15質量%程度増加させることができる。そのため、スラリー中の分散媒量を減らすことができ、コストの削減および後述する塗工乾燥工程における乾燥時間の短縮を図ることが可能となる。なお、従来よりもスラリーの固形分率が増加するという結果は、後述する実施例から明らかである。
本工程で用いられる分散媒(溶媒)としては、硫化物固体電解質粒子を分散させることができる分散媒であればよく、一般的なスラリーに用いられる分散媒を採用することができる。具体的な分散媒としては、例えば、フッ素系の分散媒、塩素系の分散媒、飽和炭化水素系分散媒、芳香族系分散媒等が挙げられる。スラリーは、硫化物固体電解質粒子と分散媒とを含んでいればよく、必要に応じてその他の材料を含んでいてもよい。
3.塗工乾燥工程
塗工乾燥工程は、スラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得る工程である。
塗工乾燥工程は、スラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得る工程である。
スラリーを基材上に塗工する方法は、特に限定されない。具体的な塗工方法としては、例えば、ドクターブレード法、ダイコート法、グラビアコート法、スプレー塗工法、静電塗工法、バー塗工法等の一般的な方法が挙げられる。塗工されたスラリーを乾燥する方法としては、例えば、温風・熱風乾燥、赤外線乾燥、減圧乾燥、誘電加熱乾燥等の一般的な方法が挙げられる。また、乾燥工程における雰囲気としては、例えば、Arガス雰囲気および窒素ガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気、大気雰囲気、真空等が挙げられる。また、本工程は、必要に応じて得られた固体電解質層を圧縮してもよい。固体電解質層を圧縮することにより、高密度の固体電解質層が得られ、イオン伝導性の向上および固体電解質層の薄膜化による容量増加を図ることができる。
本工程で得られる固体電解質層の厚みは、例えば、0.1μm以上1000μm以下であり、0.1μm以上300μm以下であってもよい。
本工程で用いられる基材としては、例えば、金属箔、フッ素系樹脂シート等の剥離可能な部材、および、電極活物質層等が挙げられる。基材が電極活物質層である場合には、正極活物質層または負極活物質層上に直接スラリーを塗工することが可能となる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本開示をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(準備工程)
出発原料としては、硫化リチウム(Li2S)および五硫化リン(P2S5)を用いた。まず、これらの粉末を、Li2S:P2S5=75:25のモル比となるように秤量し、メノウ乳鉢で混合した。次に、この混合物2gを45mlのジルコニアポットに投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下)4gを投入し、所定の条件で処理して微粒化した。さらに、Li2Oを6mol%添加後、メカニカルミリングを行った。得られた試料を焼成し、硫化物固体電解質粒子A(硫化物ガラス、Li2S−Li2O−P2S5)を得た。なお、処理の詳細については表1に示し、硫化物固体電解質粒子Aの詳細については、表2に示す。
(準備工程)
出発原料としては、硫化リチウム(Li2S)および五硫化リン(P2S5)を用いた。まず、これらの粉末を、Li2S:P2S5=75:25のモル比となるように秤量し、メノウ乳鉢で混合した。次に、この混合物2gを45mlのジルコニアポットに投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下)4gを投入し、所定の条件で処理して微粒化した。さらに、Li2Oを6mol%添加後、メカニカルミリングを行った。得られた試料を焼成し、硫化物固体電解質粒子A(硫化物ガラス、Li2S−Li2O−P2S5)を得た。なお、処理の詳細については表1に示し、硫化物固体電解質粒子Aの詳細については、表2に示す。
(調製工程)
得られた硫化物固体電解質粒子Aと分散媒とを混合し、スラリーを得た。なお、スラリーの固形分率等については、表3に示す。
得られた硫化物固体電解質粒子Aと分散媒とを混合し、スラリーを得た。なお、スラリーの固形分率等については、表3に示す。
(塗工乾燥工程)
得られたスラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得た。
得られたスラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得た。
[実施例2]
準備工程において微粒化の処理を行わずに硫化物固体電解質粒子Bを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
準備工程において微粒化の処理を行わずに硫化物固体電解質粒子Bを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
[比較例1]
準備工程において硫化物固体電解質粒子Cを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
準備工程において硫化物固体電解質粒子Cを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
[比較例2]
準備工程において硫化物固体電解質粒子Dを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
準備工程において硫化物固体電解質粒子Dを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
[評価]
実施例1、2および比較例1、2で得られたスラリーの粘度を測定した。なお、スラリーの固形分率を、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%に調整した結果を図1に示す。また、スラリーの固形分率を30質量%〜70質量%に調整した結果を図2に示す。表2および図1、2の結果から、硫化物固体電解質粒子の比表面積が6m2/g以下であることにより、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができた。換言すると、スラリーの粘度を塗工に適した粘度に維持しつつ、固形分率を高めることができた。また、表2に示すように、実施例1および比較例2を比較したところ、硫化物固体電解質粒子の平均粒径は実施例1に比べて比較例2の方が小さく設計されているものの、実施例1に比べて比較例2の方が、比表面積が大きい。そのため、図1、2に示すように、比較例2に比べて実施例1の方が、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができた。
実施例1、2および比較例1、2で得られたスラリーの粘度を測定した。なお、スラリーの固形分率を、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%に調整した結果を図1に示す。また、スラリーの固形分率を30質量%〜70質量%に調整した結果を図2に示す。表2および図1、2の結果から、硫化物固体電解質粒子の比表面積が6m2/g以下であることにより、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができた。換言すると、スラリーの粘度を塗工に適した粘度に維持しつつ、固形分率を高めることができた。また、表2に示すように、実施例1および比較例2を比較したところ、硫化物固体電解質粒子の平均粒径は実施例1に比べて比較例2の方が小さく設計されているものの、実施例1に比べて比較例2の方が、比表面積が大きい。そのため、図1、2に示すように、比較例2に比べて実施例1の方が、スラリーの固形分率を高めた場合であっても、スラリーの粘度の急増を抑えることができた。
Claims (1)
- 全固体電池に用いられる固体電解質層の製造方法であって、
比表面積が6m2/g以下の硫化物固体電解質粒子を準備する準備工程と、
前記硫化物固体電解質粒子を分散媒中に分散し、スラリーを調製する調製工程と、
前記スラリーを基材上に塗工し、乾燥させて固体電解質層を得る塗工乾燥工程と、
を有する、固体電解質層の製造方法。
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