JP2019192364A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性能と通電性能を両立することができる燃料電池スタックを提供することである。【解決手段】燃料電池スタック10は、上部エンドプレート22、絶縁層52、集電断熱部40および複数の発電セルが積層されてなる。集電断熱部は、空孔が形成された導電性材料からなる空孔層41と、空孔層の少なくとも発電セル側に固着した導電性材料からなる薄板42と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池スタックに関する。
燃料電池スタックは、発電セルを複数積層し、その積層方向の端部にエンドプレートおよび集電板を配置して構成されている。燃料電池スタックの積層方向の端部では、エンドプレートや集電板等の構成部材に熱が奪われるため、起動時等に端部付近の発電セルを所望の温度まで昇温することができずに発電性能が低下する可能性がある。
例えば、下記特許文献1には、端部付近の放熱を抑制するために集電板と発電セルとの間に断熱部材を設けた燃料電池スタックが開示されている。
特許第5608713号公報
しかしながら、上記特許文献1の燃料電池スタックでは、断熱部材が配置されることによって発電セルと集電板との間の接触抵抗が高くなり導電性能が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、断熱性能と通電性能を両立することができる燃料電池スタックを提供することである。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池スタックは、エンドプレート、絶縁層、集電断熱部および複数の発電セルを積層してなる。前記集電断熱部は、空孔が形成された導電性材料からなる空孔層と、前記空孔層の少なくとも前記発電セル側に固着した導電性材料からなる薄板と、を有する。
本発明に係る燃料電池スタックによれば、集電断熱部は、空孔層を有することによって、積層方向の伝熱面積および熱容量が小さくなるため、断熱性能を向上できる。また、空孔層および薄板は、導電性材料からなり、互いに固着されているため、導電性能を確保することができる。これにより、燃料電池スタックは、断熱性能と通電性能を両立することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックを示す分解斜視図である。 図1に示す燃料電池スタックの分解斜視図である。 図1の3−3線に沿う燃料電池スタックの部分断面図である。 反応ガスの流れを説明するための図であり、セルユニットをカソード側から見た平面図であるである。 図2に示す集電断熱部の構成を説明するための斜視図である。 図2に示す集電断熱部の部分斜視図である。 集電断熱部の空孔層および薄板を示す平面図である。 図6の一点鎖線で囲んだ部分8Aを拡大して示す空孔層の斜視図である。 図7に示す反応領域に配置された空孔層を示す平面図である。 空孔層の空孔率と、積層方向の伝熱量および面方向の通電抵抗との関係を示すグラフである。 空孔層の高さと、積層方向の伝熱量および面方向の通電抵抗との関係を示すグラフである。 図1に示すセルユニットの分解斜視図である。 図10に示すメタルサポートセルアッセンブリーの分解斜視図である。 変形例1に係る集電断熱部を示す平面図である。 変形例2に係る集電断熱部を示す平面図である。 変形例3に係る集電断熱部の構成を説明するための斜視図である。 図14の15−15線に沿う集電断熱部の部分断面図である。 図14に示す第1空孔層の平面図である。 図14に示す第2空孔層の平面図である。 変形例4に係る空孔層の平面図である。 変形例5に係る燃料電池スタックの部分断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜図11を参照して、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタック10について説明する。本実施形態の燃料電池スタック10は、電解質として例えば、安定化ジルコニアなどの酸化物イオン導電体を用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に用いられる。
以下の説明の便宜のため、XYZ直交座標系を図中に示す。X軸およびY軸は水平方向、Z軸は上下方向にそれぞれ平行な軸を示す。
図1は、実施形態に係る燃料電池スタック10を示す斜視図である。図1に示すように、燃料電池スタック10は、複数のセルユニット100が上下方向Zに積層された積層体11と、積層体11を上下方向から挟み込むように積層された下部エンドプレート21および上部エンドプレート22と、を有する。
以下、図中にZ軸で示す燃料電池スタック10の上下方向を「積層方向」とも称する。X軸およびY軸で示す水平方向をセルユニット100の面に沿う「面方向」とも称する。面方向は、積層方向に直交する方向に相当する。また、セルユニット100は、積層方向Zからの平面視において略長方形状を有する。Y軸は、平面視におけるセルユニット100の長手方向に平行な軸を示し、X軸は、平面視におけるセルユニット100の短手方向に平行な軸を示す。
図2は、図1に示す燃料電池スタック10の分解斜視図である。図3は、図1の3−3線に沿う燃料電池スタック10の部分断面図である。図2に示すように、セルユニット100の積層体11の積層方向Zの下端と下部エンドプレート21との間には、集電板30および絶縁層51が配置されている。図2および図3に示すように、セルユニット100の積層体11の積層方向Zの上端と上部エンドプレート22との間には、集電断熱部40および絶縁層52が配置されている。
セルユニット100の積層体11、下部エンドプレート21、上部エンドプレート22、集電板30、集電断熱部40および絶縁層51、52は、エアシェルター(図示せず)の内部に収容される。エアシェルターは、カソードガスCGが外部に漏れないように封止する機能を有する。これにより、燃料電池スタック10は、セルユニット100の外側とエアシェルターとの間をカソードガスCGが流通するオープンカソード構造として構成されている。
図4は、反応ガスの流れを説明するため図であり、セルユニット100をカソード側から見た平面図である。図4に示すように、燃料電池スタック10は、アノードガス(燃料ガス)AGを流通させるアノードガス流入口10a、10b、10cおよびアノードガス流出口10d、10eと、カソードガス(酸化剤ガス)CGを流通させるカソードガス流入口10f、10gおよびカソードガス流出口10h、10i、10jと、を有している。以下、アノードガス流入口10a、10b、10cおよびアノードガス流出口10d、10eをマニホールド部10a〜10eと称する。
図4中に破線矢印で示すように、アノードガスAGは、アノードガス流入口10a、10b、10cから流入し、セルユニット100のアクティブエリア12を通ってアノードガス流出口10d、10eに向かって流れる。図4中に実線矢印で示すように、カソードガスCGは、カソードガス流入口10f、10gから流入し、セルユニット100のアクティブエリア12を通ってカソードガス流出口10h、10i、10jに向かって流れる。ここで、アクティブエリア12とは、セルユニット100のうち発電に寄与する領域である。
燃料電池スタック10の起動時において、カソードガスCGは、加熱された高温の状態で燃料電池スタック10に供給される。これにより、カソードガスCGは、セルユニット100のアクティブエリア12を起動に必要な温度まで昇温させることができる。
図4に示すように、マニホールド部10a〜10eの周囲にはガスの流れを制限する複数のマニホールド用シール部13が配置されている。マニホールド用シール部13は、耐熱性およびシール性を有する材料から形成される。このような材料としては、例えば、バーミキュライト(蛭石)を主原料とするサーミキュライト(登録商標)などが挙げられる。
(下部エンドプレート21、上部エンドプレート22)
図2に示すように、下部エンドプレート21および上部エンドプレート22は、セルユニット100の積層体11を上下から保持する。
下部エンドプレート21には、マニホールド部10a〜10eを構成するアノード用開口部21a、21b、21c、21d、21eが形成されている。また、下部エンドプレート21には、カソードガス流入口10f、10gおよびカソードガス流出口10h、10i、10jを構成するカソード用開口部21f、21g、21h、21i、21jがさらに形成されている。
(集電板30)
集電板30は、導電性材料で構成されて集電機能を有する。集電板30、電力を取り出す端子(図示せず)を介して外部機器と接続されて電力の入出力を行う。図2に示すように、集電板30は、セルユニット100と同様の外形形状を有し、マニホールド部10a〜10eを構成するアノード用開口部が形成されている。
(集電断熱部40)
図5〜図7を参照して、集電断熱部40について説明する。図5は、図2に示す集電断熱部40の構成を説明するための斜視図である。図6は、図2に示す集電断熱部40の部分斜視図である。図7は、集電断熱部40の空孔層41および薄板42を示す平面図である。
図5および図6に示すように、集電断熱部40は、空孔41hが形成された導電性材料からなる空孔層41と、空孔層41に固着した導電性材料からなる2枚の薄板42、43と、電流を取り出す電流取出し部44(図3を参照)と、を有している。図5および図6に示すように、集電断熱部40は、空孔層41を2枚の薄板42、43によって積層方向Zの両側から挟持したサンドイッチ構造を有している。集電断熱部40は、サンドイッチ構造によって高い剛性を有する。
集電断熱部40は、空孔層41を有するため、積層方向Zの伝熱面積および熱容量が小さくなるため、断熱性能を向上できる。また、空孔層41および薄板42、43は、導電性材料からなり、互いに固着されているため、導電性能を確保することができる。その結果、集電断熱部40は、集電機能と断熱機能の両方を兼ね備えることができる。なお、空孔層41の断熱性能および通電性能の制御については後述において詳細に説明する。
図6に示すように、空孔層41は、複数の開口部41aを備えるハニカム構造を有している。開口部41aには、積層方向Zに貫通した空孔41hが形成されている。空孔層41は、ハニカム構造によって積層方向Zの剛性が高く構成されている。
図7に示すように、本実施形態の空孔層41は、薄板42の一部に配置されている。本実施形態では、空孔層41は、同一面内においてマニホールド部10a〜10eの周囲に配置されたマニホールド用シール部13(図4を参照)と積層方向Zに重なるシール領域45、および発電セル111(アクティブエリア12)と積層方向Zに重なる反応領域46のみに配置される。
空孔層41をシール領域45および反応領域46のみに配置することによって、空孔層41の体積を低減することができる。これにより、集電断熱部40の熱容量を低減し、断熱性能をさらに向上することができる。
シール領域45に配置された空孔層41の空孔41hの形状は、反応領域46に配置された空孔層41の空孔41hの形状と異なる。図7に示すように、シール領域45に配置された空孔層41の空孔41hを比較的小さくすることによって、剛性を向上させることができる。その結果、マニホールド用シール部13の変形や破損を抑制し、シール機能を確保することができる。また、反応領域46に配置された空孔層41の空孔41hを比較的大きく形成することによって空孔率を高めることができる。これにより、反応領域46の断熱性能を向上させることができる。
薄板42、43は、空孔層41の積層方向Zの端部に固着されている。ここで、本明細書中、「固着」には、ろう付け、溶接、拡散接合等による接合方法が含まれるものと定義する。製造容易性の観点から、上記接合方法の中では、ろう付けが好ましく用いられ得る。なお、本明細書中、「薄板」とは、板厚0.1〜0.3mm程度の薄い板のことを意味する。
空孔層41および薄板42、43の形成材料は、導電性を有する限りにおいて特に限定されないが、例えば、金属材料を用いることができる。
電流取出し部44は、図3および図7に示すように、空孔層41に連結され、面方向Y(積層方向Zに交差する方向)から電流を取り出す。面方向Yから電流を取り出すことによって、通電方向を面方向Yに設定することができる。これにより、積層方向Zの断熱性能を向上させるとともに面方向Yの通電性能を向上させるように設計することができる。さらに、上部エンドプレート22に電流を積層方向Zに取り出すための孔をあける必要がないため、積層方向Zのスタッキング荷重が抜けることを抑制することができる。
電流取出し部44は、図7に示すように、空孔層41の側面に面接触して導電接合されている。また、図3に示すように、電流取出し部44は、薄板42に接触しないように配置されている。これにより、発電セル111側の薄板42からの伝熱経路が空孔層41を通るように設計することができる。空孔層41は、電流取出し部44よりも断熱性が高いため、空孔層41を通る伝熱経路とすることによって、断熱性能をさらに向上させることができる。
また、図7に示すように、電流取出し部44は、空孔層41と同一面内において反応領域46よりもカソードガスCGの流れ方向の下流側(図4を参照)に配置される。これにより、カソードガスCGの流れ方向の上流側から薄板42を介して伝わった熱が電流取出し部44に奪われることを抑制して熱損失を抑えることができる。
図7に示すように、集電断熱部40には、カソードガスCGの流れを制限するカソードガス用シール部60が配置されている。図7に示すように、カソードガス用シール部60は、集電断熱部40のうちカソードガス流入口10f、10gに対向する部分のみに配置され、カソードガスCGが空孔層41に流れ込むことを防止する。これにより、カソードガスCGの熱が集電断熱部40に奪われることを防止することができる。また、図7に示すように、カソードガス用シール部60を集電断熱部40のうちカソードガス流入口10f、10gに対向する部分のみに配置することによって製造コストを削減することができる。
カソードガス用シール部60は、耐熱性およびシール性を有する材料から形成される。カソードガス用シール部60の形成材料は、マニホールド用シール部13と同様の材料を使用することができる。
(空孔層41の断熱性能および通電性能の制御)
次に、空孔層41の断熱性能および通電性能の制御について説明する。
一般的に、時間に依存しない定常状態の場合、伝熱量Qは、以下の式で表される。
伝熱量Q[W]=−λ×A×dT/dk・・・(式1)
ここで、λは、熱伝導率、Aは、伝熱方向に直交する断面積(以下、「伝熱面積」と称する。)、dT/dkは、伝熱方向の温度勾配である。なお、熱は高温側から低温側へ流れるためdT/dk<0となる。
また、時間に依存する非定常状態の場合では、以下の式が成り立つ。
dT/dt=h×A/(C×m)×ΔT・・・(式2)
ここで、dT/dtは、単位時間当たりの温度変化、hは、熱伝達率、Cは、定圧比熱、mは、伝熱対象物の質量である。
上記(式1)および(式2)に示すように、定常状態および非定常状態のいずれの場合においても伝熱し易さの指標となる伝熱量Q(またはdT/dt)は、伝熱面積Aおよび熱伝導率λ(または熱伝達率h)に比例する。
また、物体の電気抵抗Rは、以下の式で表される。
電気抵抗R[Ω]=ρ×L/A・・・(式3)
ここで、ρは、電気抵抗率、Lは、通電対象物の長さ、Aは、通電方向に直交する断面積(以下、「通電面積」と称する。)である。
上記(式3)に示すように、電気抵抗Rは、通電面積Aに反比例する。
上記のように、伝熱量Qは、伝熱面積Aに比例する。一方で、電気抵抗Rは、通電面積Aに反比例する。したがって、伝熱方向と通電方向が同じ方向の場合、断熱性能と通電性能はトレードオフの関係になる。すなわち、断熱性能を確保する観点からは、伝熱面積を小さくして伝熱量を減らす方が好ましい。一方で、通電性能を確保する観点からは、通電面積を大きくして電気抵抗を小さくする方が好ましい。
図8A〜図9Bを参照して、本実施形態に係る空孔層41の断熱性能および通電性能の制御について説明する。なお、空孔層41は、主に断熱性能および通電性能に寄与する反応領域46に配置されたもののみを考慮する。図8Aは、図6の一点鎖線で囲んだ部分8Aを拡大して示す空孔層41の斜視図である。図8Bは、図7に示す一の反応領域46に配置された空孔層41を示す平面図である。
図8Aを参照して、開口部41aの積層方向Zに沿う長さを高さHとし、開口部41aの面方向XYの最大長さを最大幅Wとする。開口部41aの最大幅Wは、図8Bに示すように空孔層41を積層方向Zから平面視した際の空孔41hの最大幅に相当する。
熱が積層方向Zに伝熱する場合、伝熱面積Aは、空孔層41の積層方向Zに直交する断面積である。本実施形態では、空孔層41は、複数の開口部41aを備えるハニカム構造を有しているため、空孔層41の積層方向Zの伝熱面積Aは、空孔層41の空孔率を用いて以下の式で表される。
=全体面積A×(1−空孔率)・・・(式4)
例えば、空孔率が0.8〜0.95の場合、空孔層41の積層方向Zの伝熱面積Aは、以下の式で表される。
=全体面積A×(1−0.8〜0.95)=0.05〜0.2A・・・(式5)
上記(式5)より、空孔層41は、空孔41hを有することによって伝熱面積Aを低減できることが分かる。
ここで、図8Bに示すように、略長方形の反応領域46の長手方向Yに沿う長さをLとし、反応領域46の短手方向Xに沿う長さをLとした場合、反応領域46の面積は、(L×L)となる。本実施形態では、図7に示すように、2つの反応領域46が並列に配置されているため、全体面積Aは、2×(L×L)となる。
さらに、空孔層41の積層方向Zの伝熱面積Aは、図8Aに示すように、開口部41aの板厚t、開口部41aの周長Lおよび開口部41aの数nを用いて以下の式で表される。
=板厚t×開口部の周長L×開口部の数n・・・(式6)
上記(式1)に(式4)を代入して、空孔層41の積層方向Zの伝熱量Qは、以下の式で表される。
伝熱量Q[W]=−λ×(全体面積A×(1−空孔率))×dT/H・・・(式7)
ここで、Hは、空孔層41の高さである。
また、面方向Yに通電する場合、通電面積Aは、面方向Yに直交する断面積である。空孔層41の面方向Yの通電面積Aは、空孔層41の空孔率との関係で以下の式で表される。
=L×(1−空孔率)×H・・・(式8)
上記(式3)に(式8)を代入して、空孔層41の面方向Yの電気抵抗Rは、以下の式で表される。
電気抵抗R[Ω]=ρ×L/(L×(1−空孔率)×H)・・・(式9)
図9Aは、上記(式7)および(式9)から得られた空孔層41の空孔率と、積層方向Zの伝熱量および面方向Yの通電抵抗との関係を示すグラフである。図9Aに示すように、空孔率を低減させると図9A中に実線で示すように積層方向Zの伝熱量が増加してしまう。これにより、空孔層41の断熱性能が低下する。一方で、空孔率を増加させると図9A中に破線で示すように面方向Yの通電抵抗が増加してしまう。これにより、空孔層41の通電性能が低下する。すなわち、断熱性能は、空孔率が高い方が高くなり、通電性能は、空孔率が低い方が高くなる。図9Aの結果を基に、断熱性能と通電性能を両立させることのできる空孔率を選択することによって最適な設計をすることができる。
図9Bは、上記(式7)および(式9)をから得られた空孔層41の高さHと、積層方向Zの伝熱量および面方向Yの通電抵抗との関係を示すグラフである。図9Bに示すように、空孔層41の高さHを増加させると積層方向Zの伝熱量および面方向Yの通電抵抗が低下する。この結果から、空孔層41の高さHを増加させると断熱性能および通電性能を向上できることが分かる。
以上説明した図9Aおよび図9Bの結果から、本実施形態のように伝熱方向を積層方向Z、通電方向を面方向Yに設定することによって、断熱性能と通電性能を両立する制御を比較的容易に行うことができる。
本実施形態では、断熱性能と通電性能を両立する制御の一つとして、開口部41aの高さHは、開口部41aの最大幅Wよりも大きくなる(H>W)ように設計する。これにより、空孔層41の高さHが比較的高くなるため、積層方向Zの断熱性能および面方向Yの通電性能を向上させることができる。また、開口部41aの最大幅Wを比較的小さくすることによって、開口部41aの空孔41hが小さくなるため空孔層41の空孔率を低くすることができる。これにより、面方向Yの通電性能を向上させることができる。
(絶縁層51、52)
図2に示すように、絶縁層51は、下部エンドプレート21と、集電板30との間に配置されて両者を絶縁する。絶縁層52は、上部エンドプレート22と、集電断熱部40との間に配置されて両者を絶縁する。
絶縁層51は、下部エンドプレート21と同様の外形形状を有し、マニホールド部10a〜10eを構成するアノード用開口部、およびカソードガス流入口10f、10g、カソードガス流出口10h、10i、10jを構成するカソード用開口部が形成されている。絶縁層52は、上部エンドプレート22および集電断熱部40の薄板42、43と同様の外形形状を有し、開口部を備えない板状部材からなる。
絶縁層51、52は、表面に絶縁コートを施した金属等の導電性材料によって形成してもよいし、マイカやセラミック等の絶縁材料によって形成してもよい。燃料電池スタック10の強度を確保する観点からは、絶縁層51、52は、曲げや引張に強い金属に絶縁コートを施して形成することが好ましい。
(セルユニット100)
図10は、セルユニット100の分解斜視図である。図10に示すように、セルユニット100は、メタルサポートセルアッセンブリー110と、メタルサポートセル110Mとの間にガスが流通するための流路部121を区画形成するセパレータ120と、ばね部130と、集電補助層140と、を積層して構成される。
図11は、メタルサポートセルアッセンブリー110の分解斜視図である。図11に示すように、メタルサポートセルアッセンブリー110は、長手方向Yに沿って複数(本実施形態では、2つ)並べて配置したメタルサポートセル(Metal−Supported Cell:MSC)110Mと、メタルサポートセル110Mの外周を保持するセルフレーム113と、を有する。
図11に示すように、メタルサポートセル110Mは、発電セル111と、発電セル111を上下方向の一方側から支持する金属製のメタルサポート部112と、を有する。メタルサポートセル110Mは、電解質支持型セルや電極支持型セルに比べて機械的強度、急速起動性等に優れる。
図3を参照して、燃料電池スタック10は、メタルサポートセルアッセンブリー110、セパレータ120、ばね部130および集電補助層140の各構成部材間を接合した接合部150をさらに有する。ここで、本明細書中、「接合」とは、ろう付け、溶接、焼結接合等の材質的結合、接着等の化学的結合、ボルト締め、リベット締め、かしめ等の機械的結合を広く含むものと定義する。
(発電セル111)
発電セル111は、図11に示すように、電解質111Eの両側に一対の電極であるアノード111Aおよびカソード111Cを配置して構成される。
電解質111Eは、カソード111Cからアノード111Aに向かって酸化物イオンを伝導させつつ、ガスと電子を通過させない性質を有する。電解質111Eの形成材料は、例えば、イットリア、酸化ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、スカンジウム等をドープした安定化ジルコニアなどの固体酸化物セラミックスが挙げられる。
アノード111Aは、燃料極であって、アノードガス(例えば水素)と酸化物イオンを反応させて、アノードガスの酸化物を生成するとともに電子を取り出す。アノード111Aは、還元雰囲気に耐性を有し、アノードガスを透過させ、電気(電子およびイオン)伝導度が高く、アノードガスを酸化物イオンと反応させる触媒作用を有する。アノード111Aの形成材料は、例えば、ニッケル等の金属、イットリア安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導体を混在させたものが挙げられる。
カソード111Cは、酸化剤極であって、カソードガス(例えば空気に含まれる酸素)と電子を反応させて、酸素分子を酸化物イオンに変換する。カソード111Cは、酸化雰囲気に耐性を有し、カソードガスを透過させ、電気(電子およびイオン)伝導度が高く、酸素分子を酸化物イオンに変換する触媒作用を有する。カソード111Cの形成材料は、例えば、ランタン、ストロンチウム、マンガン、コバルト等からなる酸化物が挙げられる。
(メタルサポート部112)
メタルサポート部112は、図11に示すように、発電セル111をアノード111Aの側から支持するものである。メタルサポート部112は、ガス透過性および電子伝導性を有する多孔質の金属である。メタルサポート部112の形成材料は、例えば、ニッケルやクロムを含有する耐食合金や耐食鋼、ステンレス鋼などが挙げられる。
(セルフレーム113)
セルフレーム113は、図11に示すように、メタルサポートセル110Mを周囲から保持するものである。セルフレーム113は、長手方向Yに沿って並べて配置された複数(本実施形態では、2つ)の開口部113Hを有する。セルフレーム113の開口部113Hには、メタルサポートセル110Mが配置される。メタルサポートセル110Mの外周は、セルフレーム113の開口部113Hの内縁に接合される。セルフレーム113の形成材料は、例えば、表面に絶縁コートを施した金属等の導電性材料が挙げられる。
セルフレーム113は、図10および図11に示すように、マニホールド部10a〜10eを構成するアノード用開口部113a、113b、113c、113d、113eを有している。
(セパレータ120)
図10に示すように、セパレータ120は、メタルサポートセル110Mの発電セル111と対向する領域に流路部121を有する。図3に示すように、流路部121は、発電セル111との間にガスの流路を区画形成する凹凸形状を有している。セパレータ120の形成材料は、例えば、金属が挙げられる。セパレータ120の流路部121以外の領域には、絶縁処理が施されている。
図10に示すように、セパレータ120の流路部121は、凹凸形状が短手方向Xに延在するように略直線状に形成されている。これにより、流路部121に沿って流れるガスの流れ方向は、短手方向Xとなる。
セパレータ120には、マニホールド部10a〜10eを構成するアノード用開口部120a、120b、120c、120d、120eが形成されている。
(集電補助層140)
集電補助層140は、ガスを通す空間を形成しつつ面圧を均等にして、メタルサポートセル110Mとセパレータ120との電気的な接触を補助する。集電補助層140は、例えば、金網状のエキスパンドメタルから形成することができる。
以上説明した本実施形態に係る燃料電池スタック10の作用効果を説明する。
本実施形態に係る燃料電池スタック10は、上部エンドプレート22(エンドプレートに相当)、絶縁層52、集電断熱部40および複数の発電セル111が積層されてなる。集電断熱部40は、空孔41hが形成された導電性材料からなる空孔層41と、空孔層41の少なくとも発電セル111側に固着した導電性材料からなる薄板42と、を有する。
上記燃料電池スタック10によれば、集電断熱部40は、空孔層41を有することによって、積層方向Zの伝熱面積および熱容量が小さくなるため、断熱性能を向上できる。また、空孔層41および薄板42、43は、導電性材料からなり、互いに固着されているため、導電性能を確保することができる。これにより、燃料電池スタックは、断熱性能と通電性能を両立することができる。さらに、集電断熱部40が集電機能と断熱機能の両方を兼ね備えるため、集電板とは別に断熱部材を設ける場合に比べて、積層方向Zの厚みを低減して燃料電池スタック10の小型化を図ることができる。
また、空孔41hの少なくとも一部は、積層方向Zに貫通する。空孔層41は、積層方向Zに貫通した空孔41hが形成された開口部41aを有する。開口部41aの空孔41hの大きさ等の形状を制御することによって、集電断熱部40の断熱性能(放熱量)を制御することができる。
また、開口部41aの高さHは、開口部41aの最大幅Wよりも大きい。これにより、空孔層41の高さHが比較的高くなるため、積層方向Zの断熱性能および面方向Yの通電性能を向上させることができる。また、開口部41aの面方向Yの最大幅Wを比較的小さくすることによって、開口部41aの空孔41hが小さくなるため空孔層41の空孔率を低下させることができる。これにより、面方向Yの通電性能を向上させることができる。
また、集電断熱部40は、空孔層41に連結され、面方向Y(積層方向に交差する方向)から電流を取り出す電流取出し部44をさらに有する。面方向Yから電流を取り出すことによって、通電方向を面方向Yに設定することができる。これにより、積層方向Zの断熱性能を向上させるとともに面方向Yの通電性能を向上させるように設計することができる。
また、電流取出し部44は、薄板42に接触しないように配置されるため、伝熱経路が空孔層41を通るように設計することができる。これにより、断熱性能をさらに向上させることができる。
また、電流取出し部44は、空孔層41と同一面内において発電セル111と積層方向Zに重なる反応領域46よりもカソードガスCG(反応ガス)の流れ方向の下流側に配置される。これにより、カソードガスCGの流れ方向の上流側から薄板42を介して伝わった熱が電流取出し部44に奪われることを抑制して熱損失を抑えることができる。
また、空孔層41には、同一面内において、形状が異なる複数の空孔41hが形成される。空孔層41の空孔41hの形状を調整することによって、剛性、断熱性、通電性などの特性を必要な領域に付与することができる。
また、燃料電池スタック10は、アノードガス(反応ガス)の流れを制限するマニホールド用シール部13(シール部に相当)をさらに有する。空孔層41は、同一面内において、マニホールド用シール部13と積層方向Zに重なるシール領域45および発電セル111と積層方向Zに重なる反応領域46に配置される。シール領域45に配置された空孔層41の空孔41hの形状は、反応領域46に配置された空孔層41の空孔41hの形状と異なる。例えば、シール領域45に配置された空孔層41の空孔41hを比較的小さくすることによって、剛性を向上させることができる。その結果、マニホールド用シール部13の変形や破損を抑制し、シール機能を確保することができる。また、反応領域46に配置された空孔層41の空孔41hを比較的大きく形成することによって空孔率を高めることができるため、断熱性能を向上させることができる。
また、空孔層41は、シール領域45および反応領域46のみに配置されるため、集電断熱部40の熱容量を低減することができる。
次に、集電断熱部の変形例について説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
<変形例1>
図12は、変形例1に係る集電断熱部を示す平面図である。前述した実施形態では、反応領域46に配置された空孔層41の複数の空孔41hの形状は略同一に形成されていたが(図7を参照)、図12に示すように、変形例1に係る集電断熱部の空孔層241は、反応領域46内に配置された空孔層241の複数の空孔の形状が異なるように構成されている。また、空孔層241は、反応領域46のみに配置されている。
変形例1では、空孔層241は、同一面内において反応領域46に対して電流取出し部44が配置された側は、他方側と空孔の形状が異なるように構成されている。具体的には、空孔層241は、同一面内に2つ配置された反応領域46のそれぞれにおいて、第1空孔層241aおよび第2空孔層241bを有する。第2空孔層241bは、第1空孔層241aよりも電流取出し部44側に配置される。第1空孔層241aは、第2空孔層241bよりも空孔率が高くなるように形成されている。第2空孔層241bには、電流取出し部44が連結される。
図9Aを用いて説明したように、断熱性能は、空孔率が高い方が高くなり、通電性能は、空孔率が低い方が高くなる。したがって、第1空孔層241aの断熱性能は、第2空孔層241bよりも高くなる。一方で、第2空孔層241bの通電性能は、第1空孔層241aよりも高くなる。
上記の構成によれば、電流取出し部44側の第1空孔層241aがより高い断熱性能を有するため、カソードガスCGの上流側に配置される第1空孔層241aにおいてより確実に伝熱量を低減することができる。すなわち、面方向XYの伝熱経路の上流側で熱の移動を抑制することができる。また、電流取出し部44が連結される第2空孔層241bがより高い通電性能を有するため、集電断熱部の集電機能を向上させることができる。
また、カソードガス用シール部160は、集電断熱部の外周のうち、カソードガスCGの上流側から電流取出し部44が配置された位置までを囲むように配置されている。このように配置することによって、カソードガスCGがカソードガス流入口10f、10gから空孔層241に流れ込むことをより確実に防止することができる。また、カソードガス用シール部160は、電流取出し部44が配置された位置からカソードガスCGの下流側には配置されていないため電流取出し部44の取り出し口を確保することができる。
以上説明したように変形例1に係る空孔層241は、同一面内において反応領域46に対して電流取出し部44が配置された側は、他方側と空孔の形状が異なるように構成されている。これにより、同一面内で空孔層241の空孔の形状を調整することによって、集電断熱部はより効果的に断熱性能および通電性能を発揮することができる。
なお、同一面内に配置された空孔の形状が異なる空孔層は、2つに限定されず、3つ以上とすることができる。
<変形例2>
図13は、変形例2に係る集電断熱部を示す平面図である。変形例2に係る集電断熱部は、カソードガス用シール部260は、電流取出し部44が配置された部分を除く集電断熱部の外周の全周に配置されている点で前述した変形例1と異なる。これにより、カソードガスCGが空孔層41に流れ込むことをより確実に防止することができる。
<変形例3>
図14は、変形例3に係る集電断熱部の構成を説明するための斜視図である。図15は、図14の15−15線に沿う集電断熱部の部分断面図である。図14および図15に示すように、変形例3に係る集電断熱部の空孔層341は、積層方向Zに積層された複数の層を有し、複数の層の空孔の形状はそれぞれ異なる点で前述した実施形態と異なる。
図14および図15に示すように、空孔層341は、積層方向Zに積層された第1空孔層341aおよび第2空孔層341bを有する。第1空孔層341aは、発電セル111側の薄板42に隣接して配置され、第2空孔層341bは、上部エンドプレート22側の薄板43に隣接して配置される。
図16Aは、図14および図15に示す第1空孔層341aの平面図である。図16Bは、図14および図15に示す第2空孔層341bの平面図である。図16Aおよび図16Bに示すように、第1空孔層341aは、第2空孔層341bよりも空孔率が高く形成されている。
上記の構成によれば、発電セル111側の空孔率が高い第1空孔層341aがより高い断熱性能を有するため、第1空孔層341aから上部エンドプレート22側への伝熱量をより確実に低減することができる。すなわち、積層方向Zの伝熱経路の上流側で熱の移動を抑制することができる。また、空孔率が低い第2空孔層341bがより高い通電性能を有するため、集電断熱部の通電性能を確保することができる。これにより、集電断熱部は、断熱性能および通電性能をより確実に両立することができる。
以上説明したように、変形例3に係る集電断熱部の空孔層341は、積層方向Zに積層された複数の層341a、341bを有し、複数の層341a、341bの空孔の形状はそれぞれ異なる。複数の層341a、341bの空孔の形状を調整することによって、集電断熱部はより効果的に断熱性能および通電性能を発揮することができる。
なお、積層方向Zに積層された複数の層は、2層に限定されず、3層以上とすることができる。
<変形例4>
図17は、変形例4に係る空孔層441の平面図である。変形例4に係る空孔層441は、空孔441hの少なくとも一部に充填剤441aを含有する点で前述した実施形態と異なる。
充填剤441aは、熱伝導率が比較的低い材料であれば特に限定されないが、例えば、フュームドシリカ等を用いることができる。充填剤441aを空孔441h内に配置することによって、空孔441h内の空気が対流して伝熱することを抑制し、断熱性能を向上させることができる。
充填剤441aは、空孔層441の積層方向Zの発電セル111側に設けることが好ましい。これにより、空孔層441の発電セル111側がより高い断熱性能を有するため、空孔層441のうち充填剤441aが充填された部位から上部エンドプレート22側への伝熱量をより確実に低減することができる。すなわち、積層方向Zの伝熱経路の上流側で熱の移動を抑制することができる。
なお、充填剤441aにカーボンブラック等の導電材料を添加することによって導電性を備えるように形成することもできる。これによって、空孔層441の通電性能をさらに向上させることができる。
<変形例5>
図18は、変形例5に燃料電池スタックの部分断面図である。変形例5に燃料電池スタックの集電断熱部540は、上部エンドプレート22側の薄板を備えず、薄板42が発電セル111側のみに設けられている点で前述した実施形態と異なる。
図18に示すように、集電断熱部540の空孔層41の上部エンドプレート22側には、絶縁層52が固着されている。これにより、集電断熱部540と上部エンドプレート22との間を絶縁するとともに、集電断熱部540の剛性を向上させることができる。さらに、集電断熱部540の部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る燃料電池スタックを説明したが、本発明は実施形態および変形例において説明した内容のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、空孔層は、発泡金属で形成されてもよい。発泡金属としては、独立発泡または連続発泡のいずれであってもよい。通電性能および断熱性能を高める観点から、独立発泡がより好ましい。
また、空孔層は、同一面内において、シール領域および反応領域以外の領域に配置してもよい。この場合、シール領域、反応領域およびその他の領域の空孔層の空孔の形状を異なるように形成してもよい。
また、絶縁層は、エンドプレートまたは集電断熱部の薄板に絶縁材料をコーティングして形成してもよい。
また、前述した実施形態およびその変形例では、燃料電池スタックは、オープンカソード構造として説明したが、セルユニット内にカソード用のマニホールド部を形成したクローズドカソード構造として構成してもよい。
また、前述した実施形態およびその変形例において、燃料電池スタックは、固体酸化物形燃料電池(SOFC、Solid Oxide Fuel Cell)として説明したが、固体高分子膜形燃料電池(PEMFC、Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)、リン酸形燃料電池(PAFC、Phosphoric Acid Fuel Cell)または溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC、Molten Carbonate Fuel Cell)として構成してもよい。
また、実施形態およびその変形例において説明した燃料電池スタックの各構成は、特許請求の範囲に記載された発明と矛盾することのない限りにおいて適宜組み合わせることができ、明細書において説明した組み合わせのみに限定されることはない。
また、実施形態およびその変形例において説明した燃料電池スタックの各部の構造や部材の配置等は適宜変更することができ、図示により説明した付加的な部材の使用の省略や、その他の付加的な部材の使用等も適宜に行い得る。
10 燃料電池スタック、
21 下部エンドプレート、
22 上部エンドプレート(エンドプレート)、
30 集電板、
40、540 集電断熱部、
41、241、341、441 空孔層、
41a 開口部、
41h、441h 空孔、
441a 充填剤、
42 (発電セル側の)薄板、
43 (上部エンドプレート側の)薄板、
44 電流取出し部、
45 シール領域、
46 反応領域、
51、52 絶縁層、
60、160、260 カソードガス用シール部、
100 セルユニット、
110 メタルサポートセルアッセンブリー、
110M メタルサポートセル、
111 発電セル、
112 メタルサポート部、
113 セルフレーム、
130 ばね部、
140 集電補助層、
150 接合部、
AG アノードガス、
CG カソードガス、
H 空孔層の高さ、
W 開口部の面方向の最大幅、
X 短手方向(面方向、積層方向に交差する方向)、
Y 長手方向(面方向、積層方向に交差する方向)、
Z 積層方向。

Claims (10)

  1. エンドプレート、絶縁層、集電断熱部および複数の発電セルを積層した燃料電池スタックであって、
    前記集電断熱部は、
    空孔が形成された導電性材料からなる空孔層と、
    前記空孔層の少なくとも前記発電セル側に固着した導電性材料からなる薄板と、を有する、燃料電池スタック。
  2. 前記空孔の少なくとも一部は、積層方向に貫通し、
    前記空孔層は、積層方向に貫通した前記空孔が形成された開口部を有する、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記開口部の高さは、前記開口部の最大幅よりも大きい、請求項2に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記集電断熱部は、前記空孔層に連結され、積層方向に交差する方向から電流を取り出す電流取出し部をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記電流取出し部は、前記薄板に接触しないように配置される、請求項4に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記電流取出し部は、前記空孔層と同一面内において前記発電セルと積層方向に重なる反応領域よりもガスの流れ方向の下流側に配置される、請求項4または請求項5に記載の燃料電池スタック。
  7. 前記空孔層には、同一面内において、形状が異なる複数の前記空孔が形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  8. 反応ガスの流れを制限するシール部をさらに有し、
    前記空孔層は、同一面内において、前記シール部と積層方向に重なるシール領域および前記発電セルと積層方向に重なる反応領域に配置され、
    前記シール領域に配置された前記空孔層の前記空孔の形状は、前記反応領域に配置された前記空孔層の前記空孔の形状と異なる、請求項7に記載の燃料電池スタック。
  9. 前記空孔層は、前記シール領域および前記反応領域のみに配置される、請求項8に記載の燃料電池スタック。
  10. 前記空孔層は、積層方向に積層された複数の層を有し、
    前記複数の層の前記空孔の形状はそれぞれ異なる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
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