JP2021182524A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性の高いサポートセルを有する固体酸化物形燃料電池を提供する。【解決手段】固体酸化物形燃料電池は、アノード層30とカソード層50との間に電解質層40を挟持した電解質電極接合体20(単セル)の両面のそれぞれにサポート層61、62を配置したサポートセル10を有する。サポートセルは、電解質層の一部が露出しセルフレーム70を接合する接合面94が形成されたセル外周部91と、セル外周部よりも中央側のセル本体部92と、を有する。そして、サポートセルの厚み方向の断面において、セル本体部は、セル本体部における厚みの中心線O2に対して対称な積層構造を有し、セル外周部は、セル外周部における厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有する。【選択図】図6B

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関する。
従来から、アノード層とカソード層との間に電解質層を挟持した単セルにサポート層を配置したサポートセルが固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell。以下、単に「SOFC」という。)に適用されている。サポート層は、セラミックスまたは金属により構成され、ガス透過性を有する。金属より構成されたサポート層を有するメタルサポートセル(MSC:Metal−Supported Cell)は、機械的強度、急速起動性等に優れている。
薄いセラミックスから形成された電解質層は、製造時や運転時にかかる応力によって破損しやすいという問題がある。また、SOFCでは、電極層の燃料極(アノード層)と酸化剤極(カソード層)とのそれぞれにアノードガスとカソードガスとを分配する必要があり、これらのガスが混合しないようなシール性が求められる。
SOFCにおけるメタルサポートセルアッセンブリーは、メタルサポートセルと、メタルサポートセルの周囲を囲曉して保持するセルフレームと、を有する。例えば、下記特許文献1には、メタルサポートセルのサポート層とセルフレームの端部とを接合したメタルサポートセルアッセンブリーが開示されている。サポート層とセルフレームとは、半田、ろう付け、あるいはガラスシールによって接合される。特許文献1のメタルサポートセルアッセンブリーは、メタルサポートセルの電解質層とセルフレームとは接触していない。
米国特許第8287673号明細書
特許文献1に記載されたメタルサポートセルアッセンブリーは、セルフレームの端部にサポート層が接合されている。このため、接合強度が不十分になると接合部分に剥離が生じる可能性があり、ガスリークを招く虞がある。
また、サポートセルは、製造するときに焼成などの熱処理が行われるため、熱処理に伴って変形する恐れがある。信頼性の高いサポートセルを有する固体酸化物形燃料電池を提供するためには、熱処理時のサポートセルの収縮に伴う応力状態を考慮することが必要となる。
そこで、本発明の目的は、信頼性の高いサポートセルを有する固体酸化物形燃料電池を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、アノード層とカソード層との間に電解質層を挟持した単セルの両面のそれぞれにサポート層を配置したサポートセルを有する固体酸化物形燃料電池である。前記サポートセルは、前記電解質層の一部が露出しセルフレームを接合する接合面が形成されたセル外周部と、前記セル外周部よりも中央側のセル本体部と、を有する。そして、前記サポートセルの厚み方向の断面において、前記セル本体部は、前記セル本体部における厚みの中心線に対して対称な積層構造を有し、前記セル外周部は、前記セル外周部における厚みの中心線に対して対称な積層構造を有する。
本発明によれば、サポートセルの厚み方向の断面において、セル本体部およびセル外周部は、それぞれの厚みの中心線に対して対称な積層構造を有することから、面内方向の熱収縮が制御され、サポートセルの曲げ変形が相殺される。電解質層を露出させた接合面が平坦化されるため、セルフレームとサポートセルとの間の接合強度を向上でき、信頼性の高いサポートセルを有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
燃料電池スタックを示す分解斜視図である。 図1に示すセルユニットの分解斜視図である。 図2に示すサポートセルアッセンブリーを示す分解斜視図である。 実施形態に係る燃料電池スタックを示す断面図である。 図2のA−A線に沿うサポートセルアッセンブリーを示す部分断面図である。 図5に示すサポートセルを示す断面図である。 図6Aに示すサポートセルの要部を拡大して示す断面図である。 図6Aに示すサポートセルの上面図である。 図6Aに示すサポートセルの下面図である。 図6Aに示すサポートセルに作用する曲げが相殺される様子を示す模式図である。 対比例のサポートセルの要部を拡大して示す断面図である。 対比例のサポートセルに曲げ変形が生じた状態を示す模式図である。 異種材料からなる2層を積層したワークを焼結するときに生じる応力を説明するために用いる説明図である。 ワークの厚み方向の断面において、ワークにおける厚みの中心線に対して非対称な積層構造を有する状態を示す模式図である。 図10Bに示すワークに曲げ変形が生じた状態を示す模式図である。 ワークの厚み方向の断面において、ワークにおける厚みの中心線に対して対称な積層構造を有する場合に曲げ変形が抑えられるメカニズムを説明するために用いる説明図である。 図11Aに続く説明図である。 図11Bに続く説明図である。 図11Cに続く説明図である。 変形例1に係る燃料電池スタックを示す断面図である。 図12に示すサポートセルアッセンブリーを示す部分断面図である。 図13に示すサポートセルを示す断面図である。 図14Aに示すサポートセルの要部を拡大して示す断面図である。 図14Aに示すサポートセルの上面図である。 図14Aに示すサポートセルの下面図である。 変形例1のサポートセルに曲げが作用する様子を示す模式図である。 変形例1のサポートセルを適用したサポートセルアッセンブリーにおける作用を説明する模式図である。 変形例2のサポートセルに曲げが作用する様子を示す模式図である。 変形例2のサポートセルを適用したサポートセルアッセンブリーにおける作用を説明する模式図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図を参照しつつ、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)について説明する。以下の説明の便宜のため、XYZ直交座標系を図中に示す。X軸およびY軸は水平方向、Z軸は上下方向にそれぞれ平行な軸を示す。
図1は、実施形態に係る燃料電池スタック1を示す分解斜視図である。図1に示すように、燃料電池スタック1は、複数のセルユニット1Uを上下方向に積層して構成される。以下、図中にZ軸で示す燃料電池スタック1の上下方向を「積層方向」とも称する。また、セルユニット1Uを構成する各層の面方向は、XY面方向に相当する。
図2は、セルユニット1Uの分解斜視図である。図2に示すように、セルユニット1Uは、サポートセルアッセンブリー1A、ガスの流路を区画形成する流路部121を備えるセパレータ120を積層して構成される。
図3は、サポートセルアッセンブリー1Aの分解斜視図である。図4は、燃料電池スタック1を示す断面図、図5は、図2のA−A線に沿うサポートセルアッセンブリー1Aを示す部分断面図である。図3、図4、および図5に示すように、サポートセルアッセンブリー1Aは、サポートセル10と、サポートセル10の周囲を囲曉して保持するセルフレーム70と、を有する。
図6Aは、サポートセル10を示す断面図、図6Bは、サポートセル10の要部を拡大して示す断面図である。図7Aは、サポートセル10の上面図、図7Bは、サポートセル10の下面図である。
図6Aおよび図6Bにも示すように、サポートセル10は、アノード層30とカソード層50との間に電解質層40を挟持した電解質電極接合体20(単セルに相当する)の両面のそれぞれにサポート層(アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62)が配置されたサンドイッチ構造を有する。サポートセル10は、アノード側サポート層61、アノード層30、電解質層40、カソード層50、およびカソード側サポート層62を積層して構成される。アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62は、X方向およびY方向に沿う長さを違えている。図示例では、カソード側サポート層62の長さは、アノード側サポート層61の長さに比べて短い。アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62の長さを違えることによって、電解質層40の一部が露出した構造となる。電解質層40が露出した部分は、セルフレーム70を接合する接合面94を形成する。以下、アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62を一対のサポート層61、62と称することもある。アノード層30およびカソード層50を総称して電極層30、50と称することもある。
電解質層40は、アノード層30を介してアノード側サポート層61に固着されている。カソード側サポート層62は、カソード層50に固着されている。サンドイッチ構造のサポートセル10は、一対のサポート層61、62が電解質電極接合体20を支持する。サポートセル10は、電解質支持型セルや電極支持型セルに比べて機械的強度、急速起動性等に優れるためSOFCに好適に使用することができる。
サポートセル10は、電解質層40を露出させた個所に形成されたセルフレーム70との第1接合層81を有する。サポートセル10はさらに、セルフレーム70の端部71とカソード側サポート層62の端部63とを接合する第2接合層82を有する。セルフレーム70および電解質層40は、緻密でありガス遮蔽性を有する。このため、セルフレーム70および電解質層40を接合することによって、ガスのシール機能を確保できる。
次に、カソード層50、電解質層40、アノード層30、一対のサポート層61、62、セルフレーム70、セパレータ120、第1接合層81、第2接合層82について説明する。
(カソード層50)
カソード層50は、酸化剤極であって、カソードガス(例えば空気に含まれる酸素)と電子を反応させて、酸素分子を酸化物イオンに変換する。カソード層50は、酸化雰囲気に耐性を有し、カソードガスを透過させるガス透過性および電気(電子およびイオン)伝導度が高い。さらに、カソード層50は、酸素分子を酸素イオンに変換する触媒機能を有する。
カソード層50の形成材料は、例えば、ランタン、ストロンチウム、マンガン、コバルト等からなる酸化物が挙げられる。
(電解質層40)
電解質層40は、アノードガスとカソードガスを分離する機能を有する。電解質層40は、カソード層50からアノード層30に向かって酸化物イオンを通過させつつ、ガスと電子を通過させない。酸素イオンが発電の伝導体である場合には、電解質層40は、酸素イオンの伝導性が高い材料から形成されることが好ましい。
電解質層40は、アノードガスやカソードガスを遮蔽し、高いイオン伝導性を発現するために、緻密に構成される。電解質層40の緻密度は、ガス遮蔽性を有する限りにおいて特に限定されないが、90%以上あることが好ましく、96%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。
電解質層40の形成材料は、特に限定されないが、例えば、希土類酸化物(例えば、Y、Sc、Gd、Sm、Yb、Nd等から選択される1種または2種以上)をドープした安定化ジルコニア、セリア系固溶体、ペロブスカイト型酸化物(例えば、SrCeO、BaCeO、CaZrO、SrZrO等)等の固体酸化物セラミックスなどが挙げられる。
(アノード層30)
アノード層30は、燃料極であって、アノードガス(例えば水素)と酸化物イオンを反応させて、アノードガスの酸化物を生成するとともに電子を取り出す。アノード層30は、還元雰囲気に耐性を有し、アノードガスを透過させるガス透過性および電気(電子およびイオン)伝導度が高い。さらに、アノード層30は、アノードガスを酸化物イオンと反応させる触媒機能を有する。アノード層30の形成材料としては、例えば、NiやFe等の金属や、該金属と上記電解質層40の形成材料として挙げたセラミックスとのサーメットなどが挙げられる。
アノード層30は、複数の空孔が形成された多孔体である。アノード層30内の空孔には、触媒が含浸される。アノード層30の触媒としては、例えば、NiやCu等の金属触媒を用いることができる。
(サポート層(アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62))
図3、図4、図5、図6A、および図6Bに示すように、サンドイッチ構造のサポートセル10は、アノード側サポート層61が電解質電極接合体20をアノード層30の側から支持し、カソード側サポート層62が電解質電極接合体20をカソード層50の側から支持する。アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62が電解質電極接合体20をサンドイッチ構造で支持することによって、電解質電極接合体20の機械的強度を向上させて破損を抑制することができる。
図4、図5、図6A、および図6Bに示すように、カソード側サポート層62は、図において上部外周に切り欠き部68aを有する。切り欠き部68aは、セルフレーム70を支持する支持面68bと、支持面68bの内方端部から図において上方に立ち上がる縦壁68cとによって形成される。
サポート層は、金属またはセラミックスにより構成できる。要求される強度などに応じて、サポート層の材質の選択の自由度が増す。サポートセル10は、一対のサポート層61、62をともに金属により構成する形態、または、一対のサポート層61、62をともにセラミックスにより構成する形態を有することができる。実施形態のサポートセル10は、アノード側サポート層61およびカソード側サポート層62がともに金属により構成されている。
金属により構成されたサポート層(「金属サポート層」ともいう)は、ガス透過性および電子伝導性を有する多孔質の金属から形成される。金属サポート層を形成する材料としては、高酸化性および高耐熱性を備える金属材料であれば特に限定されないが、例えば、フェライト系ステンレス鋼が挙げられる。フェライト系ステンレス鋼としては、SUS410、SUS420、SUS430、SUS440等のSUS400系が挙げられる。特に、Crofer(登録商標)22合金(ThyssenKrupp・VDM社製)、ZMG(登録商標)232G10(日立金属株式会社製)、ITM(Plansee社製)、SanergyHT(Sandvik社製)などが好適に用いられる。
なお、金属サポート層は、上記の材料から形成する場合に限られず、例えば、微小な通孔を有するエキスパンドメタルから形成することができる。
(セルフレーム70)
セルフレーム70は、図3、図4、および図5に示すように、サポートセル10を周囲から保持するものである。図3に示すように、セルフレーム70は、開口部70Hを有する。セルフレーム70の開口部70Hに、サポートセル10が配置される。図4および図5に示すように、サポートセル10の電解質層40は、セルフレーム70の下面に第1接合層81によって面接合される。セルフレーム70の開口部70Hの内縁(セルフレーム70の端部71)は、カソード側サポート層62の端部63に第2接合層82によって接合される。
セルフレーム70は、ガスを透過させない緻密な金属材料、例えば、ステンレスから形成される。セルフレーム70の緻密度は、ガス遮蔽性を有する限りにおいて特に限定されないが、90%以上あることが好ましく、96%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。セルフレーム70の表面は、絶縁処理が施されている。
セルフレーム70は、図3に示すように、アノードガスが流通するアノードガス流入口70aおよびアノードガス流出口70bと、カソードガスが流通するカソードガス流入口70cおよびカソードガス流出口70dと、を有している。
(セパレータ120)
図2および図4に示すように、セパレータ120の流路部121は、凹凸形状が一方向(Y方向)に延在するように略直線状に形成されている。したがって、流路部121に沿って流れるガスの流れ方向は、Y方向となる。
図2に示すように、セパレータ120は、アノードガスが流通するアノードガス流入口125aおよびアノードガス流出口125bと、カソードガスが流通するカソードガス流入口125cおよびカソードガス流出口125dと、を有している。
(第1接合層81)
第1接合層81は、カソード側サポート層62の支持面68bに支持されたセルフレーム70と露出した電解質層40との間に配置されている。第1接合層81は、ガラスシールから形成される。これによって、カソード層50の端部が封止され、ガスシール性が担保される。
(第2接合層82)
第2接合層82は、セルフレーム70とカソード側サポート層62との間に配置されている。第2接合層82はさらに、セルフレーム70の表面に向けて伸びて配置される形状を有する。セルフレーム70の端部71は、カソード側サポート層62の支持面68bと第2接合層82とによって囲まれる。第2接合層82の材料は、ろう材またはガラスを使用できる。変形例4では、第2接合層82の材料は、ろう材を使用する。ろう材の主元素は、例えば、アルミニウム、銅、銀、またはニッケルである。
[サポートセル10の積層構造]
図6A、図6B、図7A、および図7Bに示すように、サポートセル10は、電解質層40の一部が露出しセルフレーム70を接合する接合面94が形成されたセル外周部91と、セル外周部91よりも中央側のセル本体部92と、を有する。サポートセル10の厚み方向の断面において、セル本体部92は、セル本体部92における厚みの中心線O2に対して対称な積層構造を有する。さらに、サポートセル10の厚み方向の断面において、セル外周部91は、セル外周部91における厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有する。
サポートセル10は、セル本体部92とセル外周部91との間に配置されるセル中間部93をさらに有する。セル中間部93では、接合面94が形成された側のサポート層は、セルフレーム70の端部71を接合する切り欠き部68aを有する。サポートセル10の厚み方向の断面において、セル中間部93は、セル中間部93における厚みの中心線O3に対して対称な積層構造を有する。
セル外周部91は、接合面94が形成されたアノード層30またはカソード層50とは反対極側に配置された付加層95を有する。付加層95を配置することによって、セル外周部91は、セル外周部91における厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有することができる。
ここで、厚みの中心線O1、O2に対して対称な積層構造を有するようにしたのは、厚みの中心線O1、O2を境界にして分離した仮想的な2層のそれぞれに応力を同じように作用させることを意図したものである。このため、付加層95を形成する材料は特に限定されず、付加層95を形成する層の個数も限定されるものではない。ただし、付加層95は、電解質電極接合体20(単セル)を構成する層(アノード層30、電解質層40、カソード層50)と同じ層から形成することができる。厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有するセル外周部91を容易に構築できるからである。
具体的には、付加層95は、カソード層50またはアノード層30と同じ第1層95aと、電解質層40と同じ第2層95bとから形成することができる。セル外周部91は、アノード側サポート層61を中心とした対称な積層構造を有する。このように構成することによって、厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有するセル外周部91を容易に構築できる。
電解質層40の一部を露出させた接合面94は、アノード層30の側またはカソード層50の側のいずれかに配置でき、限定されない。実施形態のサポートセル10は、接合面94がカソード層50の側に配置される。したがって、付加層95は、接合面94が形成されたカソード層50とは反対極側であるアノード層30の側に配置される。
セル本体部92は、カソード側サポート層62、カソード層50、電解質層40、アノード層30、およびアノード側サポート層61が積層されている。カソード層50およびアノード層30の厚さ寸法はほぼ等しい。セル本体部92におけるカソード側サポート層62およびアノード側サポート層61の厚さ寸法はほぼ等しい。セル本体部92における厚みの中心線O2は、電解質層40の中心線となる。
セル中間部93は、セル本体部92と同様に、カソード側サポート層62、カソード層50、電解質層40、アノード層30、およびアノード側サポート層61が積層されている。ただし、セル中間部93は切り欠き部68aを有するため、セル中間部93におけるカソード側サポート層62の厚さは、セル本体部92におけるカソード側サポート層62の厚さよりも小さい。セル中間部93におけるカソード側サポート層62およびセル中間部93およびセル外周部91におけるアノード側サポート層61の厚さ寸法はほぼ等しい。セル中間部93における厚みの中心線O3は、電解質層40の中心線となる。
セル外周部91は、露出させた電解質層40、アノード層30、アノード側サポート層61、および付加層95が積層されている。付加層95は、アノード側サポート層61の側から、アノード層30と同じ第1層95a、および電解質層40と同じ第2層95bが積層されている。セル外周部91における厚みの中心線O1は、アノード側サポート層61の中心線となる。
サポートセル10の製造においては、まず、グリーンシートを準備する。グリーンシートは、ラミネートフィルムに各層のインクを塗工後、貼り合わせを行った状態のシートである。グリーンシートにおける各層は、バインダーおよび溶媒によってつながれているだけである。
次に、グリーンシートを脱脂する。焼成前に大気雰囲気で昇温(例えば、600℃)することによって、各層に含まれる、バインダーおよび溶媒を飛ばす。脱脂工程においては、化学収縮が大きく生じる。
次に、還元焼成する。脱脂後、還元雰囲気中で加熱し(例えば、1250℃)、焼結を行う。還元焼成工程においては、熱収縮が大きく生じる。還元焼成後、アノード層30へ触媒溶液を含浸させる。
図8は、実施形態のサポートセル10に作用する曲げが相殺される様子を示す模式図である。図9Aは、対比例のサポートセル200の要部を拡大して示す断面図、図9Bは、対比例のサポートセル200に曲げ変形が生じた状態を示す模式図である。
図9Aに示すように、対比例のサポートセル200は、サポートセル200の厚み方向の断面において、セル本体部292は、セル本体部292における厚みの中心線O2に対して対称な積層構造を有する。セル外周部291は、電解質層40、アノード層30、およびアノード側サポート層61を積層した構造を有する。したがって、サポートセル200の厚み方向の断面において、セル外周部291は、セル外周部291における厚みの中心線O1に対して非対称な積層構造を有する。
図9Bに示すように、対比例のサポートセル200は、焼成などの熱処理に伴って、非対称な積層構造のセル外周部291に曲げ(矢印201)が発生する。このため、符号202によって示される部位において電解質層40に曲げ応力が集中する。その結果、電解質層40を露出させた接合面294が平坦面にならず、セルフレーム70とサポートセル200との間の接合強度が低下し、ガスシール性が低下する恐れがある。
一方、図8に示すように、実施形態のサポートセル10においては、サポートセル10の厚み方向の断面において、セル本体部92、セル中間部93およびセル外周部91は、それぞれの厚みの中心線O2、O3、O1に対して対称な積層構造を有する。セル本体部92、セル中間部93およびセル外周部91のそれぞれにおいて、面内方向の熱収縮が制御され、サポートセル10の曲げ変形(矢印96、97)が相殺される。その結果、電解質層40を露出させた接合面94が平坦化されるため、セルフレーム70とサポートセル10との間の接合強度が向上し、ガスシール性が向上する。これによって、信頼性の高いサポートセル10を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
次に、厚みの中心線に対して非対称な積層構造を有するワークに曲げが発生する現象を、模式的な図を参照しつつ説明する。図10Aは、異種材料からなる2層301、302を積層したワーク300を焼結するときに生じる応力を説明するために用いる説明図、図10Bは、ワーク300の厚み方向の断面において、ワーク300における厚みの中心線に対して非対称な積層構造を有する状態を示す模式図、図10Cは、図10Bに示すワーク300に曲げ変形が生じた状態を示す模式図である。
図10Aに示すように、ワーク300は、第1の材料から形成されたA層301と、第2の材料から形成されたB層302とが積層されている。ここで、第1の材料の収縮量よりも、第2の材料の収縮量が大きいとする。収縮量は、焼成時の化学変化による収縮や、温度変化による熱収縮などの総和である。第1の材料は第2の材料からの強い収縮を受けるため、A層301には圧縮応力(矢印303)が作用する。一方、第2の材料には第1の材料からの反力を受けるため、B層302には引張応力(矢印304)が作用する。
図10Bおよび図10Cに示すように、2層301、302の応力状態が厚さ方向で対称でない場合には、それぞれの応力(A層301には圧縮応力(矢印303)、B層302には引張応力(矢印304))を緩和する方向に変形(曲げ)が生じる(図10Cの矢印305)。
次に、厚みの中心線に対して対称な積層構造を有するワークが曲げ変形を抑えるメカニズムを、模式的な図を参照しつつ説明する。図11A、図11B、図11C、および図11Dは、ワーク310の厚み方向の断面において、ワーク310における厚みの中心線O4に対して対称な積層構造を有する場合に曲げ変形が抑えられるメカニズムを説明するために用いる説明図である。
図11Aに示すように、第1の材料、第2の材料の収縮に伴う応力状態は対称でないとする。図11Bに示すように、上下2層に分割して考えると、上述したようにそれぞれ曲げ変形が起きる(矢印311、312)。図11Cに示すように、実際は接合されているため、お互いの変形を打ち消し合う。ワーク300の右側に矢印311、312によって示した変形が互いに相殺され、左側に矢印311、312によって示した変形が互いに相殺される。図11Dに示すように、面内方向の収縮のみが現れ、曲げ変形が生じることがない。
以上説明したように、実施形態の固体酸化物形燃料電池は、アノード層30とカソード層50との間に電解質層40を挟持した電解質電極接合体20(単セル)の両面のそれぞれにサポート層61、62を配置したサポートセル10を有する。サポートセル10は、電解質層40の一部が露出しセルフレーム70を接合する接合面94が形成されたセル外周部91と、セル外周部91よりも中央側のセル本体部92と、を有する。サポートセル10の厚み方向の断面において、セル本体部92は、セル本体部92における厚みの中心線O2に対して対称な積層構造を有し、セル外周部91は、セル外周部91における厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有する。
このように構成することによって、セル本体部92およびセル外周部91のそれぞれにおいて、面内方向の熱収縮が制御され、サポートセル10の曲げ変形が相殺される。その結果、電解質層40を露出させた接合面94が平坦化されるため、セルフレーム70とサポートセル10との間の接合強度が向上し、ガスシール性が向上する。これによって、信頼性の高いサポートセル10を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
サポートセル10は、セル本体部92とセル外周部91との間に配置されるセル中間部93をさらに有する。セル中間部93は、接合面94が形成された側のサポート層62がセルフレーム70の端部71を接合する切り欠き部68aを有する。サポートセル10の厚み方向の断面において、セル中間部93は、セル中間部93における厚みの中心線O3に対して対称な積層構造を有する。このように構成することによって、セル中間部93においても面内方向の熱収縮が制御され、サポートセル10の曲げ変形が相殺される。その結果、接合面94の平坦化が維持され、信頼性の高いサポートセル10を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
セル外周部91は、接合面94が形成されたアノード層30またはカソード層50とは反対極側に配置された付加層95を有する。このように付加層95を配置することによって、セル外周部91は、セル外周部91における厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有することができる。
付加層95は、電解質電極接合体20(単セル)を構成する層(アノード層30、電解質層40、カソード層50)と同じ層から形成することができる。このように構成することによって、厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有するセル外周部91を容易に構築できる。
付加層95は、カソード層50またはアノード層30と同じ第1層95aと、電解質層40と同じ第2層95bとから形成され、セル外周部91は、アノード側サポート層61を中心とした対称な積層構造を有する。このように構成することによって、厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有するセル外周部91を容易に構築できる。
接合面94はカソード層50の側に配置され、付加層95はアノード層30の側に配置される。このように構成することによって、セルフレーム70をカソード層50の側に接合した信頼性の高いサポートセル10を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
(変形例1)
図12は、変形例1に係る燃料電池スタック1を示す断面図、図13は、サポートセルアッセンブリー1Aを示す部分断面図である。図14Aは、サポートセル11を示す断面図、図14Bは、サポートセル11の要部を拡大して示す断面図である。図15Aは、サポートセル11の上面図、図15Bは、サポートセル11の下面図である。図16Aは、変形例1のサポートセル11に曲げが作用する様子を示す模式図、図16Bは、変形例1のサポートセル11を適用したサポートセルアッセンブリー1Aにおける作用を説明する模式図である。なお、上述した実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
変形例1は、図14Bに示されるように、サポートセル11の厚み方向の断面において、セル中間部103が、セル中間部103における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する点において、上述した実施形態のサポートセル10と相違する。
図12に示すように、変形例1に係る燃料電池スタック1は、サポートセルアッセンブリー1Aとセパレータ120との間に集電補助層130が積層される。集電補助層130は、ガスを通す空間を形成しつつ面圧を均等にして、サポートセル11とセパレータ120との電気的な接触を補助する。集電補助層130は、例えば、金網状のエキスパンドメタル等によって形成することができる。
図13、図14A、図14B、図15A、および図15Bに示すように、変形例1に係るサポートセル11は、実施形態に係るサポートセル10と同様に、電解質層40の一部が露出しセルフレーム70を接合する接合面94が形成されたセル外周部91と、セル外周部91よりも中央側のセル本体部92と、を有する。サポートセル11の厚み方向の断面において、セル本体部92は、セル本体部92における厚みの中心線O2に対して対称な積層構造を有する。さらに、サポートセル11の厚み方向の断面において、セル外周部91は、セル外周部91における厚みの中心線O1に対して対称な積層構造を有する。
変形例1のサポートセル11は、セル本体部92とセル外周部91との間に配置されるセル中間部103をさらに有する。セル中間部103は、接合面94が形成された側のサポート層がセルフレーム70の端部71を接合する切り欠き部68aを有する。そして、サポートセル11の厚み方向の断面において、セル中間部103は、セル中間部103における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。
セル外周部91およびセル中間部103は、接合面94が形成されたアノード層30またはカソード層50とは反対極側に配置された付加層95を有する。変形例1のサポートセル11は、実施形態のサポートセル10と同様に、接合面94はカソード層50の側に配置され、付加層95はアノード層30の側に配置される。
セル本体部92は、カソード側サポート層62、カソード層50、電解質層40、アノード層30、およびアノード側サポート層61が積層されている。カソード層50およびアノード層30の厚さ寸法はほぼ等しい。セル本体部92におけるカソード側サポート層62およびアノード側サポート層61の厚さ寸法はほぼ等しい。セル本体部92における厚みの中心線O2は、電解質層40の中心線となる。
セル中間部103は、カソード側サポート層62、カソード層50、電解質層40、アノード層30、アノード側サポート層61、および付加層95が積層されている。付加層95は、アノード側サポート層61の側から、アノード層30と同じ第1層95a、および電解質層40と同じ第2層95bが積層されている。セル中間部103は切り欠き部68aを有するため、セル中間部103におけるカソード側サポート層62の厚さは、セル本体部92におけるカソード側サポート層62の厚さよりも小さい。アノード側サポート層61の厚さ寸法は、セル本体部92、セル中間部103、およびセル外周部91のすべての領域においてほぼ等しい。このように、サポートセル11の厚み方向の断面において、セル中間部103は、セル中間部103における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。セル中間部103における厚みの中心線O3は、図示例にあっては、アノード層30とアノード側サポート層61との界面近傍となる。
セル外周部91は、露出させた電解質層40、アノード層30、アノード側サポート層61、および付加層95が積層されている。付加層95は、アノード側サポート層61の側から、アノード層30と同じ第1層95a、および電解質層40と同じ第2層95bが積層されている。セル外周部91における厚みの中心線O1は、アノード側サポート層61の中心線となる。
変形例1のサポートセル11は、セル中間部103において、アノード側サポート層61の厚さを薄くしていない。このため、変形例1のサポートセル11は、実施形態のサポートセル10に比べて、セル中間部103の機械的強度を向上させることができる。
図14A、図14B、および図16Aに示すように、セル中間部103は、セル外周部91の積層構造を、カソード側の外周端からサポートセル11の中心に向かってカソード側サポート層62の切り欠き部68aにおける縦壁68cまでオフセットした構造を有する。図14Aに示される矢印104はカソード側の外周長さ(アクティブエリア)を表し、図14Aおよび図14Bに示される矢印105はオフセット長を表している。
セル中間部103は、全体として見れば非対称な積層構造を有するが(図14B)、対称な積層構造を有する部位106と、非対称な積層構造を有する部位107とを積層した構造と見ることができる(図16A)。対称な積層構造を有する部位106は、セル外周部91の積層構造をオフセットしていることから、セル外周部91と同様に、電解質層40、アノード層30、アノード側サポート層61、付加層95の第1層95a(アノード層30と同じ)、および付加層95の第2層95b(電解質層40と同じ)が積層されている。非対称な積層構造を有する部位107は、カソード側サポート層62およびカソード層50が積層されている。非対称な積層構造を有する部位107は、対称な積層構造を有する部位106に対して、収縮が相対的に大きくなる。収縮が大きい部位は引張応力が作用し、収縮が小さい部位は圧縮応力が作用する。
図16Aに示すように、変形例1のサポートセル11においては、サポートセル11の厚み方向の断面において、セル中間部103は、セル中間部103における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。このため、図中矢印108によって示される方向の曲げモーメントが発生する。サポートセル11の厚み方向の断面において、セル本体部92およびセル外周部91は、それぞれの厚みの中心線O2、O1に対して対称な積層構造を有する。セル本体部92およびセル外周部91のそれぞれにおいて、面内方向の熱収縮が制御され、曲げ変形が相殺される。その結果、電解質層40を露出させた接合面94が平坦化されるため、セルフレーム70とサポートセル11との間の接合強度が向上し、ガスシール性が向上する。
図16Bに示すように、変形例1のサポートセル11においては、非対称な積層構造を有するセル中間部103によって曲げモーメント(矢印108)が発生する。この曲げモーメントは、セル外周部91をセルフレーム70に向けて締め付ける方向(矢印109)に作用する。したがって、電解質層40を露出させた接合面94の平坦化を維持しつつ、セル外周部91をセルフレーム70に圧縮させることができる。これによって、より信頼性の高いサポートセル11を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
図12および図13に示すように、変形例1に係るサポートセルアッセンブリー1Aは、第1接合層81、電解質層40、アノード層30、アノード側サポート層61、付加層95の側面をまたいで覆うように、絶縁層140が配置されている。絶縁層140は、例えば、アルミナ、ジルコニア、あるいはシリカのいずれかを主材料とし、コーティングによって形成される。絶縁層140は、付加層95における緻密な電解質層40と同じ第2層95bに接続されるため、アノード側の端部とカソード側の端部との間の絶縁距離が長くなる。これによって、絶縁信頼性を高めることができる。
以上説明したように、変形例1の固体酸化物形燃料電池のサポートセル11は、セル本体部92とセル外周部91との間に配置されるセル中間部103をさらに有する。セル中間部103は、接合面94が形成された側のサポート層62がセルフレーム70の端部71を接合する切り欠き部68aを有する。サポートセル11の厚み方向の断面において、セル中間部103は、セル中間部103における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。
このように構成することによって、セル中間部93をセル中間部93における厚みの中心線O3に対して対称な積層構造を有するようにする場合に比べて、セル中間部103の機械的強度を向上させることができる。サポートセル11の厚み方向の断面において、セル本体部92およびセル外周部91は、それぞれの厚みの中心線O2、O1に対して対称な積層構造を有する。セル本体部92およびセル外周部91のそれぞれにおいて、面内方向の熱収縮が制御され、曲げ変形が相殺される。その結果、電解質層40を露出させた接合面94が平坦化されるため、セルフレーム70とサポートセル11との間の接合強度が向上し、ガスシール性が向上する。これによって、信頼性の高いサポートセル11を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
セル外周部91およびセル中間部103は、接合面94が形成されたアノード層30またはカソード層50とは反対極側に配置された付加層95を有する。このように構成することによって、セル中間部103には、セル外周部91の積層構造がオフセットされた対称な積層構造を有する部位106が形成される。非対称な積層構造を有するセル中間部103によって曲げモーメントが発生するが、この曲げモーメントによって、セル外周部91をセルフレーム70に向けて締め付ける方向に作用させることができる。したがって、電解質層40を露出させた接合面94の平坦化を維持しつつ、セル外周部91をセルフレーム70に圧縮させることができる。これによって、より信頼性の高いサポートセル11を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
(変形例2)
図17Aは、変形例2のサポートセル12に曲げが作用する様子を示す模式図、図17Bは、変形例2のサポートセル12を適用したサポートセルアッセンブリー1Aにおける作用を説明する模式図である。なお、上述した実施形態および変形例1と共通する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
変形例2は、変形例1と同様に、サポートセル12の厚み方向の断面において、セル中間部113が、セル中間部113における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。変形例2は、セル中間部113に、セル外周部91の積層構造をオフセットさせた対称な積層構造が形成されていない点において、上述した変形例1のサポートセル11と相違する。
変形例2のサポートセル12は、変形例1と同様に、セル中間部113において、アノード側サポート層61の厚さを薄くしていない。このため、変形例2のサポートセル12も、実施形態のサポートセル10に比べて、セル中間部113の機械的強度を向上させることができる。
セル中間部113は、全体として見れば非対称な積層構造を有するが、対称な積層構造を有する部位116と、非対称な積層構造を有する部位117とを積層した構造とみることができる(図17A)。対称な積層構造を有する部位116は、実施形態のセル中間部93と同様に、接合面94が形成された薄いカソード側サポート層62、カソード層50、電解質層40、アノード層30、アノード側サポート層61のうち切り欠き部68aの深さに相当する部位が積層されている。非対称な積層構造を有する部位117は、アノード側サポート層61のうち切り欠き部68aの深さに相当する部位を除いた残余の部位である。非対称な積層構造を有する部位117は、対称な積層構造を有する部位116に対して、収縮が相対的に大きくなる。収縮が大きい部位は引張応力が作用し、収縮が小さい部位は圧縮応力が作用する。
図17Aに示すように、変形例2のサポートセル12においても、サポートセル12の厚み方向の断面において、セル中間部113は、セル中間部113における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。このため、図中矢印118によって示される方向の曲げモーメントが発生する。サポートセル12の厚み方向の断面において、セル本体部92およびセル外周部91は、それぞれの厚みの中心線O2、O1に対して対称な積層構造を有する。セル本体部92およびセル外周部91のそれぞれにおいて、面内方向の熱収縮が制御され、曲げ変形が相殺される。その結果、電解質層40を露出させた接合面94が平坦化されるため、セルフレーム70とサポートセル11との間の接合強度が向上し、ガスシール性が向上する。これによって、信頼性の高いサポートセル11を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
図17Bに示すように、変形例2のサポートセル12においては、非対称な積層構造を有するセル中間部113によって曲げモーメント(矢印118)が発生する。この曲げモーメントは、セル外周部91をセルフレーム70から離す方向(矢印119)に作用する。したがって、変形例1に比べると、セル外周部91の電解質層40の損傷を抑制する効果は若干低下する。
変形例1および変形例2はともに、セル中間部103、113は、セル中間部103、113における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。ただし、セル外周部91の積層構造をオフセットさせるか(変形例1、図16A)、あるいはセル外周部91の積層構造をオフセットさせないか(変形例2、図17A)によって、発生する曲げモーメントの方向を逆方向にすることができる。すなわち、セル本体部92とセル外周部91との間に、非対称な積層構造を有するセル中間部103、113であって、特定の方向の曲げモーメントを発生させることができるセル中間部103、113を介装できる。曲げモーメントをどのように適用するかによって、セル外周部91の積層構造をオフセットさせる、あるいはオフセットさせないかを選択すればよい。
以上説明したように、変形例2の固体酸化物形燃料電池のサポートセル12は、変形例1と同様に、サポートセル12の厚み方向の断面において、切り欠き部68aを有するセル中間部113は、セル中間部113における厚みの中心線O3に対して非対称な積層構造を有する。このように構成することによって、セル中間部93をセル中間部93における厚みの中心線O3に対して対称な積層構造を有するようにする場合に比べて、セル中間部113の機械的強度を向上させることができる。サポートセル12の厚み方向の断面において、セル本体部92およびセル外周部91は、それぞれの厚みの中心線に対して対称な積層構造を有する。セル本体部92およびセル外周部91のそれぞれにおいて、面内方向の熱収縮が制御され、曲げ変形が相殺される。その結果、電解質層40を露出させた接合面94が平坦化されるため、セルフレーム70とサポートセル11との間の接合強度が向上し、ガスシール性が向上する。これによって、信頼性の高いサポートセル11を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
また、変形例1および変形例2から明らかなように、セル本体部92とセル外周部91との間に、非対称な積層構造を有するセル中間部103、113であって、特定の方向の曲げモーメントを発生させることができるセル中間部103、113を介装できる。
1 燃料電池スタック、
1A サポートセルアッセンブリー、
1U セルユニット、
10、11、12 サポートセル、
20 電解質電極接合体(単セル)、
30 アノード層、
40 電解質層、
50 カソード層、
61 アノード側サポート層、
62 カソード側サポート層、
68a 切り欠き部、
68b 支持面、
68c 縦壁、
70 セルフレーム、
81 第1接合層、
82 第2接合層、
91 セル外周部、
92 セル本体部、
93 セル中間部、
94 接合面、
95 付加層、
95a 第1層、
95b 第2層、
103 セル中間部、
106 セル中間部において対称な積層構造を有する部位、
107 セル中間部において非対称な積層構造を有する部位、
113 セル中間部、
116 セル中間部において対称な積層構造を有する部位、
117 セル中間部において非対称な積層構造を有する部位、
120 セパレータ、
140 絶縁層、
O1 セル外周部における厚みの中心線、
O2 セル本体部における厚みの中心線、
O3 セル中間部における厚みの中心線。

Claims (8)

  1. アノード層とカソード層との間に電解質層を挟持した単セルの両面のそれぞれにサポート層を配置したサポートセルを有する固体酸化物形燃料電池であって、
    前記サポートセルは、前記電解質層の一部が露出しセルフレームを接合する接合面が形成されたセル外周部と、前記セル外周部よりも中央側のセル本体部と、を有し
    前記サポートセルの厚み方向の断面において、前記セル本体部は、前記セル本体部における厚みの中心線に対して対称な積層構造を有し、前記セル外周部は、前記セル外周部における厚みの中心線に対して対称な積層構造を有する、固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記サポートセルは、前記セル本体部と前記セル外周部との間に配置されるセル中間部をさらに有し、
    前記セル中間部は、前記接合面が形成された側の前記サポート層が前記セルフレームの端部を接合する切り欠き部を有し、
    前記サポートセルの厚み方向の断面において、前記セル中間部は、前記セル中間部における厚みの中心線に対して対称な積層構造を有する、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記サポートセルは、前記セル本体部と前記セル外周部との間に配置されるセル中間部をさらに有し、
    前記セル中間部は、前記接合面が形成された側の前記サポート層が前記セルフレームの端部を接合する切り欠き部を有し、
    前記サポートセルの厚み方向の断面において、前記セル中間部は、前記セル中間部における厚みの中心線に対して非対称な積層構造を有する、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記セル外周部は、前記接合面が形成された前記アノード層または前記カソード層とは反対極側に配置された付加層を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 前記セル外周部および前記セル中間部は、前記接合面が形成された前記アノード層または前記カソード層とは反対極側に配置された付加層を有する、請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記付加層は、前記単セルを構成する層と同じ層から形成される、請求項4または請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池。
  7. 前記付加層は、前記カソード層または前記アノード層と同じ第1層と、前記電解質層と同じ第2層とから形成され、
    前記セル外周部は、前記サポート層を中心とした対称な積層構造を有する、請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池。
  8. 前記接合面は前記カソード層の側に配置され、前記付加層は前記アノード層の側に配置される、請求項4〜7のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
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