JP7210509B2 - 電気化学反応セルスタック - Google Patents
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Description
A-1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図4は、図1のIV-IVの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図5以降についても同様である。
一対のエンドプレート104,106は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えばステンレス等の導電材料により形成されている。一対のエンドプレート104,106の中央付近には、それぞれ、Z軸方向に貫通する孔32,34が形成されている。Z軸方向視で、一対のエンドプレート104,106のそれぞれに形成された孔32,34の内周線は、後述する各単セル110の少なくとも一部を内包している。各ボルト22およびナット24による締結によって生じるZ軸方向の圧縮力は、主として各発電単位102の周縁部(後述する各単セル110より外周側の部分)に作用する。なお、上側エンドプレート104は、特許請求の範囲におけるエンド部材に相当する。エンドプレート104,106の具体的構成については後述する。
一対のターミナルプレート410,420は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えばステンレス等の導電材料により形成されている。上側ターミナルプレート410の中央付近には、Z軸方向に貫通する孔412が形成されている。Z軸方向視で、上側ターミナルプレート410に形成された孔412の内周線は、後述する各単セル110を内包している。Z軸方向視で、一対のターミナルプレート410,420のそれぞれの一方側(X軸正方向側)の端部は、発電ブロック103から側方に張り出している。本実施形態では、上側ターミナルプレート410の張り出し部分は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側ターミナルプレート420の張り出し部分は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
上端プレート220は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えばステンレス等の導電材料により形成されている。上端プレート220は、発電ブロック103の上側に配置されており、発電ブロック103における上端に位置するインターコネクタ190に電気的に接続されている。本実施形態では、上端プレート220とインターコネクタ190とは、後述の燃料極側集電部材144と同一構造の接続部材を介して電気的に接続されている。下端プレート189は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えばステンレス等の導電材料により形成されている。
末端セパレータ210は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔211が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。末端セパレータ210の板厚は、比較的薄く、例えば0.05mm以上、0.2mm以下程度である。末端セパレータ210における貫通孔211を取り囲む部分(以下、「貫通孔周囲部」という。)は、上端プレート220の周縁部における上側の表面に例えば溶接により接合されている。末端セパレータ210は、上端プレート220と発電ブロック103との間の空間と燃料電池スタック100の外部空間とを区画する。
下端プレート189は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えば絶縁材料により形成されている。下端プレート189の周縁部は、下側ターミナルプレート420と下側エンドプレート106との間に挟み込まれており、これにより、各マニホールド161,162,171,172のシール性と、下側ターミナルプレート420と下側エンドプレート106との絶縁性とが確保されている。
絶縁部200は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔が形成されたフレーム状の部材であり、例えば絶縁材料により形成されている。絶縁部200は、上側エンドプレート104と末端セパレータ210との間に挟み込まれており、これにより、各マニホールド161,162,171,172のシール性と、上側エンドプレート104と末端セパレータ210との絶縁性とが確保されている。なお、絶縁部200の具体的構成については後述する。
図5は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図6は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図7は、図4に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図2および図5に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス供給マニホールド161に供給され、酸化剤ガス供給マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通流路132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図6に示すように、燃料ガス供給マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス供給マニホールド171に供給され、燃料ガス供給マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通流路142を介して、燃料室176に供給される。
エンドプレート104,106の詳細構成について説明する。
図2から図4に示すように、上側エンドプレート104は、平面部310と、凸部320と、隆起部330と、を含んでいる。平面部310は、Z軸方向視で燃料極側フレーム140に重なり、かつ、Z軸方向に垂直な面方向(XY平面に平行な方向)に沿っている。平面部310は、所定の領域(例えば締結部材(ボルト22)が挿入される2つ以上のボルト孔109同士をつなぐ領域)を有して面方向に平行な平坦部分である。具体的には、平面部310のZ軸方向視での形状は、全体として、矩形枠状である。Z軸方向視で、平面部310の内周部(孔32の輪郭線)は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の孔141の輪郭線の内周側に位置している。Z軸方向視で、平面部310の外周部は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の外周部と同じ位置、または、該外周部の外周側に位置している。すなわち、Z軸方向視で、平面部310の外周側が燃料極側フレーム140に重なっており、平面部310の内周側が燃料極側フレーム140より内側に張り出している。なお、上述したボルト孔109を構成する孔は、平面部310におけるZ軸方向回りの周縁部に形成されている。燃料極側フレーム140は、特許請求の範囲におけるフレーム部材に相当し、孔141は、特許請求の範囲におけるフレーム貫通孔に相当する。
図2から図4に示すように、下側エンドプレート106は、平面部510と、凸部520と、を含んでいる。平面部510は、Z軸方向視で燃料極側フレーム140に重なり、かつ、Z軸方向に垂直な面方向(XY平面に平行な方向)に沿っている。平面部510は、所定の領域(例えば締結部材(ボルト22)が挿入される2つ以上のボルト孔109同士をつなぐ領域)を有して面方向に平行な平坦部分である。具体的には、平面部510のZ軸方向視での形状は、全体として、矩形枠状である。Z軸方向視で、平面部510の内周部(孔34の輪郭線)は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の孔141の輪郭線の内周側に位置している。Z軸方向視で、平面部510の外周部は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の外周部と同じ位置、または、該外周部の外周側に位置している。すなわち、Z軸方向視で、平面部510の外周側が燃料極側フレーム140に重なっており、平面部310の内周側が燃料極側フレーム140より内側に張り出している。なお、上述したボルト孔109を構成する孔は、平面部510におけるZ軸方向回りの周縁部に形成されている。
絶縁部200の詳細構成について説明する。図2から図4に示すように、絶縁部200は、第1の絶縁体201と、第2の絶縁体202と、を備えている。第1の絶縁体201と第2の絶縁体202とは、例えばマイカシートや、バーミキュライトシート、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。第1の絶縁体201および第2の絶縁体202のそれぞれのZ軸方向視での形状は、全体として、矩形枠状である。
Z軸方向視で、第1の絶縁体201の内周部は、全周にわたって、末端セパレータ210の外側部217より内周側まで延出している。Z軸方向視で、第1の絶縁体201の外周部は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の外周部と同じ位置、または、該外周部の外周側に位置している。すなわち、Z軸方向視で、第1の絶縁体201の外周側が燃料極側フレーム140に重なっており、第1の絶縁体201の内周側が燃料極側フレーム140より内側に張り出している。第1の絶縁体201は、上側エンドプレート104の下面全体を覆っている。
Z軸方向視で、第2の絶縁体202の内周部は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の内周部と同じ位置、または、該内周部の内周側であって、かつ、第1の絶縁体201の内周部より外周側に位置している。Z軸方向視で、第2の絶縁体202の外周部は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の外周部と同じ位置、または、該外周部の外周側に位置している。すなわち、上側エンドプレート104に最も近い第1の絶縁体201だけが、末端セパレータ210の外側部217より内周側に延出している。これにより、不要に多くの絶縁部を使用することなく、末端セパレータ210と上側エンドプレート104との間に介在する第1の絶縁体201を末端セパレータ210から離間させることにより、末端セパレータ210の自由な変位が確保されている。
(エンドプレート104,106の剛性)
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100では、各エンドプレート104,106は、3mm以下の薄板により形成されている。このため、従来の厚板のエンド部材を備える形態に比べて、燃料電池スタック100全体の軽量化を図ることができる。また、燃料電池スタック100全体の熱容量を低減できるため、燃料電池スタック100の温度制御の応答遅れに起因する燃料電池スタック100の起動と停止の動作遅れを抑制することができる。ただし、このような薄板のエンド部材を備える構成では、エンド部材の剛性が低いため、空気極側フレーム130等のコンプレッションシール部材からの反発力に起因してエンド部材が変形しやすい。
本実施形態では、上側エンドプレート104の剛性の向上のために104の面方向の幅が広く確保されており、Z軸方向視で、上側エンドプレート104(平面部310)の内周側が燃料極側フレーム140より内側に張り出している。このため、部材間の熱膨張差に起因して変化する末端セパレータ210と上側エンドプレート104とが接触して短絡しやすい。これに対して、本実施形態では、上側エンドプレート104と末端セパレータ210との間に第1の絶縁体201が介在しており、Z軸方向視で、第1の絶縁体201の内周部は、全周にわたって、末端セパレータ210の外側部217より内周側まで延出している。これにより、部材間の熱膨張差に起因して末端セパレータ210が変化しても、上側エンドプレート104と末端セパレータ210とが短絡することを抑制することができる。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
Claims (4)
- 電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記空気極に面する空気室と前記燃料極に面する燃料室との一方のガス室を構成するフレーム貫通孔が形成されたフレーム部材と、前記単セルの前記第1の方向の一方側に配置されたインターコネクタと、を備える電気化学反応単位が、前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、
セパレータ貫通孔が形成され、前記セパレータ貫通孔を取り囲む貫通孔周囲部が前記電気化学反応ブロックにおける前記第1の方向の前記一方側の端に位置する前記インターコネクタに電気的に接続されるとともに周縁部が前記フレーム部材側に接合される末端セパレータと、
前記電気化学反応ブロックにおける前記第1の方向の前記一方側に位置し、前記第1の方向視で一部が前記フレーム部材に重なるように配置されたエンド部材と、
を備える電気化学反応セルスタックにおいて、
前記エンド部材には、少なくとも前記電気化学反応ブロック側に開口する空間が形成され、前記第1の方向視で、前記空間の輪郭線は、前記フレーム部材における前記フレーム貫通孔の輪郭線の内周側に位置しており、
前記末端セパレータは、前記貫通孔周囲部を含む内側部と、前記内側部より外周側に位置する外側部と、前記内側部と前記外側部とを連結し、かつ、前記内側部と前記外側部との両方に対して、前記第1の方向に突出している連結部と、を備え、
前記第1の方向視で、前記エンド部材における前記空間の輪郭線は、前記末端セパレータの前記外側部より内周側に位置しており、
さらに、前記エンド部材と前記フレーム部材との間に配置されるとともに、前記第1の方向視で前記末端セパレータの前記外側部より内周側まで延出している絶縁体を備える、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタック。 - 請求項1に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
前記末端セパレータの前記連結部と前記絶縁体とは、前記第1の方向において離間している、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタック。 - 請求項2に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
前記末端セパレータにおける前記連結部と前記絶縁体との離間距離は、0.5mm以上である、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタック。 - 請求項2に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
さらに、前記第1の方向において互いに隣り合う前記電気化学反応単位の前記フレーム部材同士の間に配置されたシール部材を備え、
前記末端セパレータにおける前記連結部と前記絶縁体との離間距離は、前記シール部材の前記第1の方向の長さより長い、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタック。
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