JP6890040B2 - 電気化学反応セルスタック - Google Patents

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Description

本明細書によって開示される技術は、電気化学反応セルスタックに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCは、一般に、燃料電池スタックの形態で利用される。燃料電池スタックは、複数の燃料電池発電単位(以下、「発電単位」という)が所定の方向(以下、「第1の方向」という)に並べて配置された積層体(以下、「発電ブロック」という)と、発電ブロックに対して上記第1の方向の一方側および他方側に配置された2枚の平板状部材(例えば、エンドプレート)とを備える。各発電単位は、燃料電池単セル(以下、「単セル」という)と、単セルの周囲に配置された金属部材(例えば、フレーム部材)とを備える。単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで上記第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む。
燃料電池スタックを構成する発電ブロックには、複数のマニホールドが形成されている。例えば、発電ブロックには、各単セルの燃料極に面する燃料室へガスを供給するための燃料極側ガス供給マニホールドと、各燃料室から排出されたガスを発電ブロックの外部に排出するための燃料極側ガス排出マニホールドと、が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−207509号公報
燃料電池スタックを構成する各単セルの外縁における各位置において、発電ブロックの外縁までの距離が異なる場合がある。例えば、燃料極側ガス供給マニホールドや燃料極側ガス排出マニホールドは、単セルの外縁から発電ブロックの外縁までの範囲に形成される。そのため、上記第1の方向視で、燃料極側ガス供給マニホールド(の図心)と燃料極側ガス排出マニホールド(の図心)とを結ぶ仮想直線(以下、「第1の仮想直線」という)に平行であり、かつ、単セルの中心を通る仮想直線(以下、「第2の仮想直線」という)上における単セルの外縁の位置では、第2の仮想直線に直交し、かつ、単セルの中心を通る仮想直線(以下、「第3の仮想直線」という)上における単セルの外縁の位置と比べて、単セルの外縁から発電ブロックの外縁までの距離が長くなることがある。このような構成では、上記第2の仮想直線上の位置では、上記第3の仮想直線上の位置と比べて、単セルより外側に位置する金属部材の熱容量が大きくなる。すなわち、このような構成では、単セルより外側に位置する金属部材の熱容量に異方性が存在する。
上記のような熱容量に異方性が存在する構成では、燃料電池スタックの起動時に、単セルの各領域における昇温速度が不均一になる。具体的には、単セルの外縁に近い領域の内、上記第2の仮想直線に重なる領域付近では昇温速度が遅くなり、反対に、上記第3の仮想直線に重なる領域付近では昇温速度が早くなる。燃料電池スタックの起動時に単セルの各領域における昇温速度が不均一になると、単セルの性能が低下するおそれがある。例えば、発電開始タイミングが早すぎると、単セルにおける一部の領域では過度に低い温度で発電が行われることとなるため、単セルの空気極の分解現象が発生して単セルの性能が低下するおそれがある。一方、発電開始タイミングが遅すぎると、単セルにおける一部の領域では過度に高い温度で発電が行われることとなるため、空気極に含まれる元素と電解質層に含まれる元素とが反応することにより生成される高抵抗物質(例えば、SrZrO)の生成量が過度に多くなって、やはり単セルの性能が低下するおそれがある。
なお、このような課題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)の構成単位である電解セル単位(電解単セルと金属部材とを備える構成)が複数並べて配置された積層体(以下、「電解ブロック」という)と、電解ブロックの一方側および他方側に配置された平板状部材とを備える電解セルスタックにも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解単セルとをまとめて電気化学反応単セルと呼び、燃料電池発電単位と電解セル単位とをまとめて電気化学反応単位と呼び、発電ブロックと電解ブロックとをまとめて電気化学反応ブロックと呼び、燃料電池スタックと電解セルスタックとをまとめて電気化学反応セルスタックと呼ぶ。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応セルスタックは、電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記単セルの周囲に配置された金属部材と、をそれぞれ備える複数の電気化学反応単位が前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、前記電気化学反応ブロックに対して前記第1の方向の一方側に配置された第1の平板状部材と、前記電気化学反応ブロックに対して前記第1の方向の他方側に配置された第2の平板状部材と、を備える電気化学反応セルスタックにおいて、前記電気化学反応ブロックには、各前記単セルの前記燃料極に面する燃料室へガスを供給するための燃料極側ガス供給マニホールドと、各前記燃料室から排出されたガスを外部に排出するための燃料極側ガス排出マニホールドと、が形成されており、前記第1の方向視で、前記燃料極側ガス供給マニホールドの図心と前記燃料極側ガス排出マニホールドの図心とを結ぶ第1の仮想直線に平行であり、かつ、前記単セルの中心を通る第2の仮想直線上における前記単セルの外縁から前記電気化学反応ブロックの外縁までの距離は、前記第2の仮想直線に直交し、かつ、前記単セルの中心を通る第3の仮想直線上における前記単セルの外縁から前記電気化学反応ブロックの外縁までの距離より長く、前記第1の平板状部材および前記第2の平板状部材のそれぞれは、前記第1の方向視で、前記第3の仮想直線に重なると共に前記第2の仮想直線に重ならず、かつ、前記電気化学反応ブロックの外縁より外側に突出した2つの突出部を有する。本電気化学反応セルスタックでは、第1の方向視で、燃料極側ガス供給マニホールドの図心と燃料極側ガス排出マニホールドの図心とを結ぶ第1の仮想直線に平行であり、かつ、単セルの中心を通る第2の仮想直線上における単セルの外縁から電気化学反応ブロックの外縁までの距離が、第2の仮想直線に直交し、かつ、単セルの中心を通る第3の仮想直線上における単セルの外縁から電気化学反応ブロックの外縁までの距離より長い。このような構成では、上記第2の仮想直線上の位置では、上記第3の仮想直線上の位置と比べて、単セルより外側に位置する金属部材の熱容量が大きくなる。すなわち、電気化学反応ブロックにおいて、単セルより外側に位置する部分の熱容量に異方性が存在する。しかしながら、本電気化学反応セルスタックでは、第1の平板状部材および第2の平板状部材のそれぞれが、第1の方向視で、第3の仮想直線に重なると共に第2の仮想直線に重ならず、かつ、電気化学反応ブロックの外縁より外側に突出した2つの突出部を有する。これらの突出部が、第3の仮想直線上の近辺における単セルより外側に位置する熱容量として機能することにより、上述した熱容量の異方性を緩和することができる。従って、本電気化学反応セルスタックによれば、熱容量の異方性に起因して単セルの各領域における昇温速度が不均一になることを抑制することができ、その結果、各単セルの性能低下を抑制することができ、ひいては、電気化学反応セルスタックの性能低下を抑制することができる。
(2)上記電気化学反応セルスタックにおいて、さらに、前記第1の平板状部材の前記突出部と、前記第2の平板状部材の前記突出部とを締結する締結部材を備える構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、2つの平板状部材の突出部間を締結する締結部材を備えるため、2つの平板状部材による電気化学反応ブロックの押圧力の均一性(バランス)を向上させることができ、例えば、ガスシール性を向上させることができる。
(3)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記第1の方向視で、前記第1の平板状部材および前記第2の平板状部材が有する各前記突出部は、前記単セルの全体と対向する構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、各突出部によって、単セルの全体にわたって単セルより外側に位置する熱容量の異方性を効果的に緩和することができ、単セルの性能低下を効果的に抑制することができ、ひいては、電気化学反応セルスタックの性能低下を効果的に抑制することができる。
(4)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記電気化学反応ブロックには、さらに、各前記単セルの前記空気極に面する空気室へガスを供給するための空気極側ガス供給マニホールドと、各前記空気室から排出されたガスを外部に排出するための空気極側ガス排出マニホールドと、が形成されており、前記第1の方向視で、前記空気極側ガス供給マニホールドと前記空気極側ガス排出マニホールドとの内の、前記第3の仮想直線の一方側に位置する一方のマニホールドの図心から前記第3の仮想直線の他方側に位置する他方のマニホールドの図心へ向かう第1のベクトルと、前記燃料極側ガス供給マニホールドと前記燃料極側ガス排出マニホールドとの内の、前記第3の仮想直線の前記一方側に位置する一方のマニホールドの図心から前記第3の仮想直線の前記他方側に位置する他方のマニホールドの図心へ向かう第2のベクトルと、のなす角は、0度以上、90度未満である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックでは、空気極側ガス供給(または排出)マニホールドの図心から空気極側ガス排出(または供給)マニホールドの図心へ向かう第1のベクトルと、燃料極側ガス供給(または排出)マニホールドの図心から燃料極側ガス排出(または供給)マニホールドの図心へ向かう第2のベクトルと、のなす角が、0度以上、90度未満である。すなわち、本電気化学反応セルスタックは、第1の方向視での各マニホールドの配置に偏りがある構成である。そのため、第1の方向視で、第1の仮想直線に平行であり、かつ、単セルの中心を通る第2の仮想直線上における単セルの外縁から電気化学反応ブロックの外縁までの距離が、第2の仮想直線に直交し、かつ、単セルの中心を通る第3の仮想直線上における単セルの外縁から電気化学反応ブロックの外縁までの距離より長い構成を採用することにより、装置の小型化による起動性の向上等を実現している。一方、このような構成では、上記第2の仮想直線上の位置では、上記第3の仮想直線上の位置と比べて、単セルより外側に位置する金属部材の熱容量が大きくなり、単セルより外側に位置する部分の熱容量に異方性が存在することとなる。しかしながら、本電気化学反応セルスタックでは、第1の平板状部材および第2の平板状部材のそれぞれが、上述した2つの突出部を有するため、熱容量の異方性を緩和することができる。従って、本電気化学反応セルスタックによれば、熱容量の異方性に起因して単セルの各領域における昇温速度が不均一になることを抑制することができ、その結果、各単セルの性能低下を抑制することができ、ひいては、電気化学反応セルスタックの性能低下を抑制することができる。
(5)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記単セルは、燃料電池単セルであることを特徴とする構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、各単セルの発電性能の低下を抑制することができ、ひいては、電気化学反応セルスタックの発電性能の低下を抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、その製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図4および図5のVI−VIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 図4および図5のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 上側のエンドプレート104の構成を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.装置構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1(および後述する図6,7)のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1(および後述する図6,7)のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、「発電単位」という)102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体(以下、「発電ブロック101」という)を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図1に示すように、燃料電池スタック100を構成する各層(各発電単位102、エンドプレート104,106)のZ軸方向回りの外周の4つの角部周辺には、各層を上下方向に貫通する孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる4つのボルト孔109を構成している。各ボルト孔109にはボルト22が挿入されており、各ボルト22および図示しないナットによって燃料電池スタック100は締結されている。
また、図1から図3に示すように、各発電単位102のZ軸方向回りの外周辺の付近には、各発電単位102を上下方向に貫通する孔が形成されており、各発電単位102に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、複数の発電単位102から構成される集合体(発電ブロック101)全体にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために各発電単位102に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。
図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の付近に位置する連通孔108は、発電ブロック101の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102の後述する空気室166に供給する共用ガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の付近に位置する連通孔108は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを発電ブロック101の外部へと排出する共用ガス流路である酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態の燃料電池スタック100には、酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス排出マニホールド162が、それぞれ1つのみ存在している。また、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。酸化剤ガス導入マニホールド161は、特許請求の範囲における空気極側ガス供給マニホールドに相当し、酸化剤ガス排出マニホールド162は、特許請求の範囲における空気極側ガス排出マニホールドに相当する。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周を構成する辺の内、上述した酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の連通孔108は、発電ブロック101の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102の後述する燃料室176に供給する共用ガス流路である燃料ガス導入マニホールド171として機能し、上述した酸化剤ガス導入マニホールド161として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の連通孔108は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを発電ブロック101の外部へと排出する共用ガス流路である燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態の燃料電池スタック100には、燃料ガス導入マニホールド171および燃料ガス排出マニホールド172が、それぞれ1つのみ存在している。また、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。燃料ガス導入マニホールド171は、特許請求の範囲における燃料極側ガス供給マニホールドに相当し、燃料ガス排出マニホールド172は、特許請求の範囲における燃料極側ガス排出供給マニホールドに相当する。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、平板形状の導電性部材であり、例えばステンレス等の金属により形成されている。一方のエンドプレート104は、発電ブロック101の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、発電ブロック101の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって発電ブロック101が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。図2および図3に示すように、下側のエンドプレート106には、4つの流路用貫通孔107が形成されている。4つの流路用貫通孔107は、それぞれ、酸化剤ガス導入マニホールド161、酸化剤ガス排出マニホールド162、燃料ガス導入マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。なお、エンドプレート104,106の厚さは、発電単位102の厚さより厚いことが好ましい。一対のエンドプレート104,106の一方は、特許請求の範囲における第1の平板状部材に相当し、一対のエンドプレート104,106の他方は、特許請求の範囲における第2の平板状部材に相当する。エンドプレート104,106の構成については、後に詳述する。
(ガス通路部材27等の構成)
図2および図3に示すように、燃料電池スタック100は、さらに、下側のエンドプレート106に対して発電ブロック101とは反対側(すなわち、下側)に配置された4つのガス通路部材27を備える。4つのガス通路部材27は、それぞれ、酸化剤ガス導入マニホールド161、酸化剤ガス排出マニホールド162、燃料ガス導入マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172と上下方向に重なる位置に配置されている。各ガス通路部材27は、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107に連通する孔が形成された本体部28と、本体部28の側面から分岐した筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。なお、各ガス通路部材27の本体部28とエンドプレート106との間には、絶縁シート26が配置されている。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。また、図6は、図4および図5のVI−VIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図であり、図7は、図4および図5のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。
図4および図5に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ軸方向回りの周縁部には、上述した各マニホールド161,162,171,172として機能する連通孔108を構成する孔や、各ボルト孔109を構成する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
電解質層112は、Z方向視で略矩形の平板形状部材であり、緻密な層である。電解質層112は、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。空気極114は、Z方向視で電解質層112より小さい略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。空気極114は、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、Z方向視で電解質層112と略同一の大きさの略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。燃料極116は、例えば、Niと酸化物イオン伝導性セラミックス粒子(例えば、YSZ)とからなるサーメットにより形成されている。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。
空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形のガス室用孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。
図4〜図6に示すように、空気極側フレーム130のガス室用孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する孔である。図6に示すように、Z軸方向視で、ガス室用孔131の外形線は略矩形である。ガス室用孔131は、X軸方向に互いに対向する第1の内面IP1および第2の内面IP2を有する。ガス室用孔131の外形線の内、第1の内面IP1により構成される部分および第2の内面IP2により構成される部分は、Y軸方向に略平行な直線状部分を有している。また、図4および図6に示すように、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161を構成する連通孔108に連通すると共に空気室166を構成するガス室用孔131の第1の内面IP1に開口する酸化剤ガス供給連通流路132と、酸化剤ガス排出マニホールド162を構成する連通孔108に連通すると共に空気室166を構成するガス室用孔131の第2の内面IP2に開口する酸化剤ガス排出連通流路133とが形成されている。本実施形態では、空気極側フレーム130に、3本の酸化剤ガス供給連通流路132と、3本の酸化剤ガス排出連通流路133とが形成されている。
燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形のガス室用孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。
図4,図5および図7に示すように、燃料極側フレーム140のガス室用孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する孔である。図7に示すように、Z軸方向視で、ガス室用孔141の外形線は略矩形である。ガス室用孔141は、X軸方向に互いに対向する第3の内面IP3および第4の内面IP4を有する。ガス室用孔141の外形線の内、第3の内面IP3により構成される部分および第4の内面IP4により構成される部分は、Y軸方向に略平行な直線状部分を有している。また、図5および図7に示すように、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171を構成する連通孔108に連通すると共に燃料室176を構成するガス室用孔141の第3の内面IP3に開口する燃料ガス供給連通流路142と、燃料ガス排出マニホールド172を構成する連通孔108に連通すると共に燃料室176を構成するガス室用孔141の第4の内面IP4に開口する燃料ガス排出連通流路143とが形成されている。本実施形態では、燃料極側フレーム140に、1本の燃料ガス供給連通流路142と、1本の燃料ガス排出連通流路143とが形成されている。
なお、本実施形態の発電ブロック101を構成する各発電単位102において、セパレータ120と、燃料極側フレーム140と、インターコネクタ150とは、単セル110の周囲に配置された金属製の部材であり、特許請求の範囲における金属部材に相当する。
図4〜図6に示すように、空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、本実施形態では、空気極側集電体134とインターコネクタ150とは一体の部材として形成されている。すなわち、該一体の部材の内の、上下方向(Z軸方向)に直交する平板形の部分がインターコネクタ150として機能し、該平板形の部分から空気極114に向けて突出するように形成された複数の凸部である集電体要素135が空気極側集電体134として機能する。また、空気極側集電体134とインターコネクタ150との一体部材は、導電性のコートによって覆われていてもよく、空気極114と空気極側集電体134との間には、両者を接合する導電性の接合層が介在していてもよい。
図4,5,7に示すように、燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2,4,6に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29、本体部28、および、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通流路132を介して、空気室166に供給される。また、図3,5,7に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29、本体部28、および、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通流路142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGに含まれる酸素と燃料ガスFGに含まれる水素との電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2,4,6に示すように、酸化剤ガス排出連通流路133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107、酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3,5,7に示すように、燃料ガス排出連通流路143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107、燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.発電ブロック101の詳細構成:
図6に示すように、本実施形態の発電ブロック101を構成する各発電単位102の空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向は、おおよそ、Z軸方向視で、酸化剤ガス導入マニホールド161の図心C1から酸化剤ガス排出マニホールド162の図心C2に向かう方向であると言える。また、図7に示すように、各発電単位102の燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向は、おおよそ、Z軸方向視で、燃料ガス導入マニホールド171の図心C3から燃料ガス排出マニホールド172の図心C4に向かう方向であると言える。図7に示すように、本実施形態の発電ブロック101(燃料電池スタック100)は、各発電単位102の空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向と燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向とがおおよそ反対方向(おおよそ互いに対向する方向)となる、いわゆるカウンターフロータイプのSOFCである。
ここで、図7に示すように、Z軸方向視で、燃料ガス導入マニホールド171の図心C3と燃料ガス排出マニホールド172の図心C4とを結ぶ仮想直線を、第1の仮想直線VL1といい、第1の仮想直線VL1に平行であり、かつ、単セル110の中心P1を通る仮想直線を、第2の仮想直線VL2といい、第2の仮想直線VL2に直交し、かつ、単セル110の中心P1を通る仮想直線を、第3の仮想直線VL3という。なお、本実施形態では、第2の仮想直線VL2は、第1の仮想直線VL1と一致する。このとき、酸化剤ガス排出マニホールド162および燃料ガス導入マニホールド171は、第3の仮想直線VL3に対して一方側(X軸負方向側)に位置し、酸化剤ガス導入マニホールド161および燃料ガス排出マニホールド172は、第3の仮想直線VL3に対して他方側(X軸正方向側)に位置する。
また、酸化剤ガス導入マニホールド161と酸化剤ガス排出マニホールド162との内の、第3の仮想直線VL3の上記一方側に位置する一方のマニホールド(酸化剤ガス排出マニホールド162)の図心(図心C2)から、第3の仮想直線VL3の上記他方側に位置する他方のマニホールド(酸化剤ガス導入マニホールド161)の図心(図心C1)へ向かうベクトルを、第1のベクトルVE1という。また、燃料ガス導入マニホールド171と燃料ガス排出マニホールド172との内の、第3の仮想直線VL3の上記一方側に位置する一方のマニホールド(燃料ガス導入マニホールド171)の図心(図心C3)から、第3の仮想直線VL3の上記他方側に位置する他方のマニホールド(燃料ガス排出マニホールド172)の図心(図心C4)へ向かうベクトルを、第2のベクトルVE2という。本実施形態では、第1のベクトルVE1と第2のベクトルVE2とのなす角θ(ただし、0度≦θ≦180度)は、0度以上、90度未満となっている。このように、カウンターフロータイプの構成では、第1のベクトルVE1と第2のベクトルVE2とのなす角θが比較的小さくなる。
このように、本実施形態の発電ブロック101はカウンターフロータイプであるため、Z軸方向視での各マニホールドの配置に偏りがある。具体的には、X軸方向における単セル110(図7において破線で位置を示す)の両外側に、各マニホールド161,162,171,172が配置される一方、Y軸方向における単セル110の両外側には、マニホールドは配置されない。そのため、本実施形態では、Y軸方向における単セル110の両外側に位置する金属部材(燃料極側フレーム140、セパレータ120、および、インターコネクタ150)の幅を小さくして、装置の小型化による起動性の向上等を実現している。
一方、本実施形態では、そのような構成を採用しているため、単セル110の外縁(単セル110を構成する各層の内、Z軸方向視で最も外側に位置する層の外縁であり、本実施形態では、燃料極116の外縁)における各位置において、発電単位102(発電ブロック101)の外縁までの距離に有意な差が存在している。具体的には、図7に示すように、Z軸方向視で、第2の仮想直線VL2上における単セル110の外縁から発電単位102(発電ブロック101)の外縁までの距離L1は、第3の仮想直線VL3上における単セル110の外縁から発電単位102(発電ブロック101)の外縁までの距離L2より長い。このような構成では、上記第2の仮想直線VL2上の位置では、上記第3の仮想直線VL3上の位置と比べて、単セル110より外側に位置する金属部材(燃料極側フレーム140、セパレータ120、インターコネクタ150)の熱容量が大きくなる。すなわち、このような構成の発電ブロック101では、単セル110より外側に位置する部分の熱容量に異方性が存在する。
A−4.エンドプレート104,106の詳細構成:
図8は、上側のエンドプレート104の構成を示す説明図である。図8には、上側のエンドプレート104のXY断面構成が示されている。また、図8には、単セル110および発電単位102(発電ブロック101)の外周線が破線で示されている。下側のエンドプレート106のXY断面構成も、流路用貫通孔107(図2,3参照)が形成されている点を除き、図8に示された上側のエンドプレート104のXY断面構成と同様である。また、図6および図7には、エンドプレート104,106の外周線が破線で示されている。
図1,6〜8に示すように、エンドプレート104,106は、Z軸方向視で発電単位102(発電ブロック101)と略同一の略矩形部分である基部103と、基部103からそれぞれY軸正方向側およびY軸負方向側に突出した2つの突出部105とを有している。すなわち、図7に示すように、各突出部105は、Z軸方向視で、上記第3の仮想直線VL3に重なると共に上記第2の仮想直線VL2に重ならず、かつ、発電単位102(発電ブロック101)の外縁より外側に突出している。また、2つの突出部105は、Z軸方向視で、第2の仮想直線VL2を挟んで互いに反対側に位置している。なお、本実施形態では、各突出部105は、基部103のY軸正方向側およびY軸負方向側の各辺における両端付近を除く部分から突出するように形成されている。
図7に示すように、X軸方向におけるエンドプレート104,106の各突出部105の幅Lx0は、下記の式(1)を満たすことが好ましく、下記の式(2)を満たすことがさらに好ましい。すなわち、X軸方向における各突出部105の幅Lx0は、X軸方向における単セル110の幅Lx1の1/2以上であることが好ましく、X軸方向における発電単位102の全幅(すなわち、Lx1+Lx2+Lx3)以下であることが好ましく、X軸方向における単セル110の幅Lx1と、単セル110の外縁から発電単位102の外縁までの平均距離(すなわち、1/2(Lx2+Lx3))と、の和以下であることがさらに好ましい。
1/2・Lx1 ≦ Lx0 ≦ Lx1+Lx2+Lx3 ・・・(1)
1/2・Lx1 ≦ Lx0 ≦ Lx1+1/2(Lx2+Lx3) ・・・(2)
ただし、
Lx1:単セル110のX軸方向における幅
Lx2:X軸負方向側における単セル110の外縁から発電単位102の外縁までの距離
Lx3:X軸正方向側における単セル110の外縁から発電単位102の外縁までの距離
また、エンドプレート104,106の各突出部105について、Y軸正方向側またはY軸負方向側における単セル110の外縁から突出部105の先端までの距離Ly0は、下記の式(3)を満たすことが好ましい。すなわち、Y軸方向における単セル110の外縁から突出部105の先端までの距離Ly0は、単セル110の外縁から発電単位102の外縁までの平均距離の1/2(すなわち、1/2×1/2(Lx2+Lx3))以上であることが好ましく、単セル110の外縁から発電単位102の外縁までの平均距離の3/2(すなわち、3/2×1/2(Lx2+Lx3))以下であることが好ましい。
1/2×1/2(Lx2+Lx3) ≦ Ly0 ≦ 3/2×1/2(Lx2+Lx3) ・・・(3)
例えば、Lx1=130mmとし、Lx2=Lx3=35mmとすると、上記式(1)〜(3)は、それぞれ、下記の式(1)’、(2)’、(3)’になる。
65mm ≦ Lx0 ≦ 200mm ・・・(1)’
65mm ≦ Lx0 ≦ 165mm ・・・(2)’
17.5mm ≦ Ly0 ≦ 52.5mm ・・・(3)’
なお、図7に示すように、Z軸方向視で、各突出部105は、単セル110の全体(単セル110の角部が面取りされている場合には、面取り部を除く部分の全体)と対向するように(Y軸方向において単セル110の全体と重なるように)形成されていることが好ましい。例えば、Lx1=130mmとすると、Z軸方向視で、突出部105が単セル110の全体と対向するためには、突出部105の幅Lx0は130mm以上であることが必要である。また、例えば、Lx1=130mmとし、単セル110の両端20mmの部分が面取りされているとすると、Z軸方向視で、突出部105が単セル110における面取り部を除く部分の全体と対向するためには、突出部105の幅Lx0は90mm以上であることが必要である。ただし、単セル110の角部が面取りされている場合であっても、各突出部105が、面取り部を含む単セル110の全体と対向するように形成されていてもよい。
また、エンドプレート104,106の各突出部105のX軸方向における略中央部には、ボルト孔111が形成されている。上側のエンドプレート104におけるY軸正方向側の突出部105に形成されたボルト孔111と、下側のエンドプレート106におけるY軸正方向側の突出部105に形成されたボルト孔111には、1本のボルト22が挿入されており、該ボルト22と図示しないナットとによって両突出部105が締結されている。同様に、上側のエンドプレート104におけるY軸負方向側の突出部105に形成されたボルト孔111と、下側のエンドプレート106におけるY軸負方向側の突出部105に形成されたボルト孔111には、1本のボルト22が挿入されており、該ボルト22と図示しないナットとによって両突出部105が締結されている。すなわち、本実施形態の燃料電池スタック100は、上述した各層(各発電単位102、エンドプレート104,106)のZ軸方向回りの外周の4つの角部周辺に形成されたボルト孔109に挿入されたボルト22と、エンドプレート104,106の2つの突出部105に形成されたボルト孔111に挿入されたボルト22との、合計6本のボルト22により締結されている。突出部105のボルト孔111に挿入されたボルト22は、特許請求の範囲における締結部材に相当する。
A−5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100は、発電ブロック101と、発電ブロック101に対してZ軸方向の一方側に配置された平板状部材であるエンドプレート104と、発電ブロック101に対してZ軸方向の他方側に配置された平板状部材であるエンドプレート106とを備える。発電ブロック101は、複数の発電単位102がZ軸方向に複数並べて配置された構成を有する。各発電単位102は、電解質層112と電解質層112を挟んでZ軸方向に互いに対向する空気極114および燃料極116とを含む単セル110と、単セル110の周囲に配置された金属製の各部材(燃料極側フレーム140、セパレータ120、インターコネクタ150)とを備える。発電ブロック101には、各単セル110の燃料極116に面する燃料室176へ燃料ガスFGを供給するための燃料ガス導入マニホールド171と、各燃料室176から排出された燃料オフガスFOGを外部に排出するための燃料ガス排出マニホールド172とが形成されている。また、Z軸方向視で、燃料ガス導入マニホールド171の図心C3と燃料ガス排出マニホールド172の図心C4とを結ぶ第1の仮想直線VL1に平行であり、かつ、単セル110の中心P1を通る第2の仮想直線VL2上における単セル110の外縁から発電ブロック101の外縁までの距離L1は、第2の仮想直線VL2に直交し、かつ、単セル110の中心P1を通る第3の仮想直線VL3上における単セル110の外縁から発電ブロック101の外縁までの距離L2より長い。また、エンドプレート104,106のそれぞれは、Z軸方向視で、第3の仮想直線VL3に重なると共に第2の仮想直線VL2に重ならず、かつ、発電ブロック101の外縁より外側に突出した2つの突出部105を有する。本実施形態の燃料電池スタック100は、上記構成を有するため、以下に説明するように、燃料電池スタック100の性能低下を抑制することができる。
上述したように、本実施形態の燃料電池スタック100では、Z軸方向視で、燃料ガス導入マニホールド171の図心C3と燃料ガス排出マニホールド172の図心C4とを結ぶ第1の仮想直線VL1に平行であり、かつ、単セル110の中心P1を通る第2の仮想直線VL2上における単セル110の外縁から発電ブロック101の外縁までの距離L1が、第2の仮想直線VL2に直交し、かつ、単セル110の中心P1を通る第3の仮想直線VL3上における単セル110の外縁から発電ブロック101の外縁までの距離L2より長い。そのため、上記第2の仮想直線VL2上の位置では、上記第3の仮想直線VL3上の位置と比べて、単セル110より外側に位置する金属部材(燃料極側フレーム140、セパレータ120、インターコネクタ150)の熱容量が大きくなる。すなわち、本実施形態の発電ブロック101では、単セル110より外側に位置する部分の熱容量に異方性が存在する。このような熱容量に異方性が存在する構成では、燃料電池スタック100の起動時に、単セル110の各領域における昇温速度が不均一になるおそれがある。具体的には、単セル110の外縁部の内、上記第2の仮想直線VL2に重なる領域付近では昇温速度が遅くなり、反対に、上記第3の仮想直線VL3に重なる領域付近では昇温速度が早くなるおそれがある。単セル110の各領域における昇温速度が不均一であると、単セル110の性能が低下するおそれがある。例えば、単セル110の各領域における昇温速度が不均一である場合において、発電開始タイミングが早すぎると、単セル110における一部の領域では過度に低い温度で発電が行われるため、単セル110の空気極114の分解現象が発生して単セル110の性能が低下するおそれがある。一方、発電開始タイミングが遅すぎると、単セル110における一部の領域では過度に高い温度で発電が行われるため、空気極114に含まれる元素と電解質層112に含まれる元素とが反応することにより生成される高抵抗物質(例えば、SrZrO)の生成量が過度に多くなって、やはり単セル110の性能が低下するおそれがある。
しかしながら、本実施形態の燃料電池スタック100では、エンドプレート104,106のそれぞれが、Z軸方向視で、上記第3の仮想直線VL3に重なると共に上記第2の仮想直線VL2に重ならず、かつ、発電ブロック101の外縁より外側に突出した2つの突出部105を有する。これらの突出部105が、上記第3の仮想直線VL3上の近辺における単セル110より外側に位置する熱容量として機能することにより、上述した熱容量の異方性を緩和することができる。従って、本実施形態の燃料電池スタック100によれば、熱容量の異方性に起因して単セル110の各領域における昇温速度が不均一になることを抑制することができ、その結果、各単セル110の性能低下を抑制することができ、ひいては、燃料電池スタック100の性能低下を抑制することができる。
なお、略直方体状の発電ブロック101を加熱する際には、3面が合わさる角部が最も加熱されやすく、2面が合わさる辺部が2番目に加熱されやすい。発電ブロック101の角部は、単セル110からの距離が比較的遠いため、該角部が加熱されやすいことによる単セル110への影響は小さい。一方、発電ブロック101の8つの辺部の内、Z軸方向視で図7に示す第3の仮想直線VL3に重なる4つの辺部は、単セル110からの距離が比較的近いため、該4つの辺部が加熱されやすいことによる単セル110の昇温速度の不均一への影響は大きい。本実施形態の燃料電池スタック100では、エンドプレート104,106に突出部105を設けることにより、該4つの辺部の近くの熱容量を大きくすることができるため、単セル110の各領域における昇温速度の不均一を効果的に抑制することができ、その結果、各単セル110の性能低下を効果的に抑制することができ、ひいては、燃料電池スタック100の性能低下を効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態の燃料電池スタック100では、発電ブロック101に、さらに、各単セル110の空気極114に面する空気室166へ酸化剤ガスOGを供給するための酸化剤ガス導入マニホールド161と、各空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGを外部に排出するための酸化剤ガス排出マニホールド162と、が形成されている。また、Z軸方向視で、酸化剤ガス導入マニホールド161と酸化剤ガス排出マニホールド162との内の、第3の仮想直線VL3の一方側に位置する一方のマニホールド(酸化剤ガス排出マニホールド162)の図心(図心C2)から第3の仮想直線VL3の他方側に位置する他方のマニホールド(酸化剤ガス導入マニホールド161)の図心(図心C1)へ向かう第1のベクトルVE1と、燃料ガス導入マニホールド171と燃料ガス排出マニホールド172との内の、第3の仮想直線VL3の上記一方側に位置する一方のマニホールド(燃料ガス導入マニホールド171)の図心(図心C3)から第3の仮想直線VL3の上記他方側に位置する他方のマニホールド(燃料ガス排出マニホールド172)の図心(図心C4)へ向かう第2のベクトルVE2と、のなす角は、0度以上、90度未満である。すなわち、本実施形態の燃料電池スタック100は、Z軸方向視での各マニホールドの配置に偏りがある構成である。そのため、上述した距離L1が距離L2より長い構成を採用することによって装置の小型化による起動性の向上等を実現しつつ、2つの突出部105の存在によって熱容量の異方性を緩和することができる。その結果、各単セル110の性能低下を抑制することができ、ひいては、燃料電池スタック100の性能低下を抑制することができる。
また、本実施形態の燃料電池スタック100では、Z軸方向視で、エンドプレート104,106のそれぞれが有する各突出部105が、単セル110の全体と対向している。そのため、本実施形態の燃料電池スタック100によれば、突出部105によって、単セル110の全体にわたって単セル110の外縁と発電ブロック101の外縁との間の熱容量の異方性を効果的に緩和することができ、各単セル110の性能低下を効果的に抑制することができ、ひいては、燃料電池スタック100の性能低下を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の燃料電池スタック100は、一方のエンドプレート104の突出部105と他方のエンドプレート106の突出部105とを締結するボルト22を備える。発電ブロック101において、Z軸方向視で上記第3の仮想直線VL3と重なる側の縁部は幅が小さいため、該縁部にボルト22用の孔を設けることは困難である。そのため、該縁部付近では、2つのエンドプレート104,106による発電ブロック101の押圧力が小さくなりやすい。しかしながら、本実施形態の燃料電池スタック100は、2つのエンドプレート104,106の突出部105間を締結するボルト22を備えるため、2つのエンドプレート104,106による発電ブロック101の押圧力の均一性(バランス)を向上させることができ、例えば、ガスシール性を向上させることができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における燃料電池スタック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、マニホールド161,162,171,172は、それぞれ1つのみ存在しているが、マニホールド161,162,171,172の少なくとも1つが複数存在するとしてもよい。なお、あるマニホールド(例えば、酸化剤ガス導入マニホールド161)が複数存在する場合には、該マニホールドの図心(例えば、図心C1)は、複数のマニホールドを1つの集合体と見たときの該集合体の図心であるものとする。また、必ずしも発電ブロック101にマニホールド161,162が形成されている必要はない。
また、上記実施形態では、エンドプレート104,106は例えば金属により形成されるとしているが、エンドプレート104,106は金属以外の導電性材料により形成されてもよい。また、上記実施形態では、エンドプレート104,106が、それぞれプラス側、マイナス側の出力端子として機能するとしているが、発電ブロック101とエンドプレート104および/またはエンドプレート106との間にターミナルプレートを設け、該ターミナルプレートが出力端子として機能するとしてもよい。
また、上記実施形態では、各発電単位102の空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向を、Z軸方向視で、酸化剤ガス導入マニホールド161の図心C1から酸化剤ガス排出マニホールド162の図心C2に向かう方向として特定しており、各発電単位102の燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向を、Z軸方向視で、燃料ガス導入マニホールド171の図心C3から燃料ガス排出マニホールド172の図心C4に向かう方向として特定しているが、両ガスの主たる流れ方向の特定方法はこれに限られない。例えば、空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向を、酸化剤ガス供給連通流路132のガス室用孔131の第1の内面IP1への開口の中点から、酸化剤ガス排出連通流路133のガス室用孔131の第2の内面IP2への開口の中点に向かう方向として特定してもよく、燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向を、燃料ガス供給連通流路142のガス室用孔141の第3の内面IP3への開口の中点から、燃料ガス排出連通流路143のガス室用孔141の第4の内面IP4への開口の中点に向かう方向として特定してもよい。このような特定方法を採用した場合にでも、上記実施形態と同様に規定した第1のベクトルVE1と第2のベクトルVE2とのなす角が0度以上、90度未満であれば、上記実施形態と同様の構成(例えば、エンドプレート104,106が突出部105を有する構成)を採用することにより、燃料電池スタック100の性能低下を抑制することができる。
また、上記実施形態では、第1のベクトルVE1と第2のベクトルVE2とのなす角が0度以上、90度未満である構成の内、両ガスの流れ方向がおおよそ反対方向(おおよそ互いに対向する方向)となるカウンターフロータイプのSOFCを例に用いて説明したが、本願発明は、両ガスの流れ方向がおおよそ同一方向(おおよそ互いに平行な方向)となるコフロータイプのSOFCにも同様に適用可能である。また、第1のベクトルVE1と第2のベクトルVE2とのなす角は、0度以上、70度以下であることがより好ましく、0度以上、50度以下であることが一層好ましい。
また、本発明は、第1のベクトルVE1と第2のベクトルVE2とのなす角が0度以上、90度未満である構成に限られず、上記なす角が90度以上である構成にも同様に適用可能である。
また、上記実施形態では、Z軸方向視での発電単位102(発電ブロック101)の形状が略矩形であるが、他の形状であってもよい。上記実施形態では、ボルト孔109が、各マニホールド用の連通孔108とは独立して設けられているが、独立したボルト孔109を設けず、各マニホールド用の連通孔108がボルト孔としても用いられるとしてもよい。また、上記実施形態において、発電ブロック101に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は発電ブロック101に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解セル単位を複数備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電ブロック101を電解ブロックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セル単位および電解セルスタックにおいても、上記実施形態と同様の構成(例えば、エンドプレート104,106が突出部105を有する構成)を採用することにより、電解セルスタックの性能低下を抑制することができる。
22:ボルト 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 101:発電ブロック 102:燃料電池発電単位 103:基部 104:エンドプレート 105:突出部 106:エンドプレート 107:流路用貫通孔 108:連通孔 109:ボルト孔 110:単セル 111:ボルト孔 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム 131:ガス室用孔 132:酸化剤ガス供給連通流路 133:酸化剤ガス排出連通流路 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:ガス室用孔 142:燃料ガス供給連通流路 143:燃料ガス排出連通流路 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室

Claims (5)

  1. 電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記単セルの周囲に配置された金属部材と、をそれぞれ備える複数の電気化学反応単位が前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、
    前記電気化学反応ブロックに対して前記第1の方向の一方側に配置された第1の平板状部材と、
    前記電気化学反応ブロックに対して前記第1の方向の他方側に配置された第2の平板状部材と、
    を備える電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記電気化学反応ブロックには、各前記単セルの前記燃料極に面する燃料室へガスを供給するための燃料極側ガス供給マニホールドと、各前記燃料室から排出されたガスを外部に排出するための燃料極側ガス排出マニホールドと、が形成されており、
    前記第1の方向視で、前記燃料極側ガス供給マニホールドの図心と前記燃料極側ガス排出マニホールドの図心とを結ぶ第1の仮想直線に平行であり、かつ、前記単セルの中心を通る第2の仮想直線上における前記単セルの外縁から前記電気化学反応ブロックの外縁までの距離は、前記第2の仮想直線に直交し、かつ、前記単セルの中心を通る第3の仮想直線上における前記単セルの外縁から前記電気化学反応ブロックの外縁までの距離より長く、
    前記第1の平板状部材および前記第2の平板状部材のそれぞれは、前記第1の方向視で、前記第3の仮想直線に重なると共に前記第2の仮想直線に重ならず、かつ、前記電気化学反応ブロックの外縁より外側に突出した2つの突出部を有することを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  2. 請求項1に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、さらに、
    前記第1の平板状部材の前記突出部と、前記第2の平板状部材の前記突出部とを締結する締結部材を備えることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記第1の方向視で、前記第1の平板状部材および前記第2の平板状部材が有する各前記突出部は、前記単セルの全体と対向することを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記電気化学反応ブロックには、さらに、各前記単セルの前記空気極に面する空気室へガスを供給するための空気極側ガス供給マニホールドと、各前記空気室から排出されたガスを外部に排出するための空気極側ガス排出マニホールドと、が形成されており、
    前記第1の方向視で、前記空気極側ガス供給マニホールドと前記空気極側ガス排出マニホールドとの内の、前記第3の仮想直線の一方側に位置する一方のマニホールドの図心から前記第3の仮想直線の他方側に位置する他方のマニホールドの図心へ向かう第1のベクトルと、前記燃料極側ガス供給マニホールドと前記燃料極側ガス排出マニホールドとの内の、前記第3の仮想直線の前記一方側に位置する一方のマニホールドの図心から前記第3の仮想直線の前記他方側に位置する他方のマニホールドの図心へ向かう第2のベクトルと、のなす角は、0度以上、90度未満であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記単セルは、燃料電池単セルであることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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