JP2019169240A - 電気化学反応セルスタックの運転方法および電気化学反応システム - Google Patents

電気化学反応セルスタックの運転方法および電気化学反応システム Download PDF

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Abstract

【課題】運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を低減する。【解決手段】電気化学反応セルスタックは、電解質層と、電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、をそれぞれ有する複数の単セルを備える。電気化学反応セルスタックには、各単セルの空気極に面する空気室に空気を供給する空気供給流路が形成されている。電気化学反応セルスタックの運転方法は、各単セルの空気極において、第1の部分の温度T1と、第1の部分より空気供給流路における空気室との接続箇所に近い第2の部分の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各単セルに電気化学反応を生じさせる運転工程を備える。【選択図】図10

Description

本明細書によって開示される技術は、電気化学反応セルスタックの運転方法に関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCは、一般に、所定の方向に並べて配置された複数の燃料電池単セル(以下、単に「単セル」という)を備える燃料電池スタックの形態で利用される。各単セルは、固体酸化物を含む電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む。
燃料電池スタックには、各単セルの空気極に面する空気室に酸化剤ガスとしての空気を供給するための空気供給流路(例えば、マニホールドと、該マニホールドと空気室とを接続する連通流路と、から構成される流路)が形成されている。燃料電池スタックの発電運転中には、空気供給流路を介して、空気室に空気が供給される(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−153709号公報
燃料電池スタックの発電運転中に空気供給流路を介して空気室に供給される空気には、種々の汚染物質(例えば、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、硫黄(S)、塩素(Cl)、クロム(Cr)、リン(P))が含まれる。該汚染物質が空気極に付着すると、空気極の性能が低下する(具体的には、空気極の抵抗が増大する)被毒と呼ばれる現象が起こる。そのため、燃料電池スタックの発電運転を長時間行うと、空気極の被毒に起因して、発電性能が劣化する。従来、燃料電池スタックにおいて、運転を長時間行うことに伴う性能の劣化の程度を効果的に低減することができない、という課題がある。
なお、このような課題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)の構成単位である電解単セルを複数備える電解セルスタックにも共通の問題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解単セルとをまとめて電気化学反応単セルと呼び、燃料電池スタックと電解セルスタックとをまとめて電気化学反応セルスタックと呼ぶ。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応セルスタックの運転方法は、固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、をそれぞれ有する複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックであって、各前記電気化学反応単セルの前記空気極に面する空気室に空気を供給する空気供給流路が形成された電気化学反応セルスタックの運転方法において、各前記電気化学反応単セルの前記空気極において、第1の部分の温度T1と、前記第1の部分より前記空気供給流路における前記空気室との接続箇所に近い第2の部分の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各前記電気化学反応単セルに電気化学反応を生じさせる運転工程を備える。本電気化学反応セルスタックの運転方法では、空気極における第1の部分の温度T1と第2の部分の温度T2との間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上とされる。すなわち、被毒による性能劣化が生じやすい第2の部分は、比較的低温とされ、その結果、電気抵抗が比較的高くなる。そのため、第2の部分において被毒による性能劣化が生じても、電気化学反応単セル(電気化学反応セルスタック全体)の性能への影響は小さい。一方、第1の部分は、比較的高温とされ、その結果、電気抵抗が比較的低くなるが、この第1の部分では被毒による性能劣化が生じにくい。従って、本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
(2)上記電気化学反応セルスタックの運転方法において、前記運転工程において、前記第2の部分の温度T2は、640℃以下である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、第2の部分の温度T2が640℃以下と非常に低くされるため、被毒による性能劣化が生じやすい第2の部分の電気抵抗が非常に高くなる。そのため、第2の部分において被毒による性能劣化が生じても、電気化学反応単セル全体(電気化学反応セルスタック全体)の性能への影響は非常に小さくなる。従って、本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を非常に効果的に低減することができる。
(3)上記電気化学反応セルスタックの運転方法において、前記運転工程において、空気利用率は、40%以上である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、空気利用率が40%以上と比較的高くされるため、空気供給流路を介して空気室に供給される空気の流量が比較的小さくなり、空気極に付着する汚染物質の量が比較的少なくなる。従って、本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を極めて効果的に低減することができる。
(4)上記電気化学反応セルスタックの運転方法において、各前記電気化学反応単セルは、平板型の電気化学反応単セルである構成としてもよい。平板型の電気化学反応単セルは、円筒型等の他のタイプと比べて、セル面内の温度差がつきやすい。そのため、本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、空気極における第1の部分の温度T1と第2の部分の温度T2との間の温度差ΔTを容易に130℃以上とすることができ、運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
(5)上記電気化学反応セルスタックの運転方法において、前記電気化学反応セルスタックは、さらに、複数の前記電気化学反応単セルに対応して設けられた複数のセパレータであって、各前記セパレータには貫通孔が形成され、各前記セパレータは、各前記セパレータにおける前記貫通孔を取り囲む部分である貫通孔周囲部が前記電気化学反応単セルの周縁部と接合されることによって、前記空気室と前記燃料極に面する燃料室とを区画する、複数のセパレータを備え、各前記セパレータは、前記貫通孔周囲部を含み、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行な第1の平坦部と、前記第2の方向に略平行な第2の平坦部と、前記第1の方向における位置が前記第1の平坦部および前記第2の平坦部とは異なる部分を含み、前記第1の平坦部と前記第2の平坦部とを連結する連結部と、を備える構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックの運転方法では、セパレータの連結部が第2の方向に容易に伸び縮みするバネのように機能し、セパレータが連結部の位置で第2の方向に変形しやすい。従って、本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、空気極における第1の部分の温度T1と第2の部分の温度T2との間の温度差ΔTを130℃以上とすることによって各部材の熱膨張差が大きくなっても、セパレータの連結部の存在により、電気化学反応単セルにかかる応力を緩和することができ、電気化学反応単セルにクラックや割れが発生することを抑制することができる。
(6)上記電気化学反応セルスタックの運転方法において、各前記電気化学反応単セルにおいて、前記第1の方向視での前記空気極の面積は、130cm以上である構成としてもよい。空気極の面積が130cm以上と比較的大きいと、セル面内の温度差がつきやすい。そのため、本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、空気極における第1の部分の温度T1と第2の部分の温度T2との間の温度差ΔTを容易に130℃以上とすることができ、運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
(7)上記電気化学反応セルスタックの運転方法において、各前記電気化学反応単セルは、燃料電池単セルである構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックの運転方法によれば、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック全体としての発電性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
(8)本明細書に開示される電気化学反応システムは、固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、をそれぞれ有する複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックであって、各前記電気化学反応単セルの前記空気極に面する空気室に空気を供給する空気供給流路が形成された電気化学反応セルスタックと、各前記電気化学反応単セルにおける電気化学反応を制御する制御部と、を備える電気化学反応システムにおいて、前記制御部は、各前記電気化学反応単セルの前記空気極において、第1の部分の温度T1と、前記第1の部分より前記空気供給流路における前記空気室との接続箇所に近い第2の部分の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各前記電気化学反応単セルに電気化学反応を生じさせる、ことを特徴とする。本電気化学反応システムでは、空気極における第1の部分の温度T1と第2の部分の温度T2との間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上とされる。すなわち、被毒による性能劣化が生じやすい第2の部分は、比較的低温とされ、その結果、電気抵抗が比較的高くなる。そのため、第2の部分において被毒による性能劣化が生じても、電気化学反応単セル(電気化学反応セルスタック全体)の性能への影響は小さい。一方、第1の部分は、比較的高温とされ、その結果、電気抵抗が比較的低くなるが、この第1の部分では被毒による性能劣化が生じにくい。従って、本電気化学反応システムによれば、運転を長時間行うことに伴う電気化学反応セルスタック全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、電気化学反応セルスタックを備える電気化学反応システム(燃料電池システムまたは電解セルシステム)、それらの運転方法や制御方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 図4のVI−VIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 図4のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 セパレータ120の一部分(図4のPx部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。 本実施形態における燃料電池システム10の構成を概略的に示す説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.装置構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1(および後述する図6,7)のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1(および後述する図6,7)のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。また、本明細書では、Z軸に直交する方向を面方向という。面方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、「発電単位」という)102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ軸回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。
各連通孔108には上下方向に延びるボルト22が挿通されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。なお、図2および図3に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成するエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成するエンドプレート106の下側表面との間には、絶縁シート26が介在している。ただし、後述のガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24とエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ軸回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102に供給するガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)と、そのボルト22Bが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、空気が使用される。また、本実施形態では、酸化剤ガス導入マニホールド161への酸化剤ガスOGの導入のために、ブロワ(図示せず)が用いられる。また、酸化剤ガスOGが酸化剤ガス導入マニホールド161に導入される前に、熱交換(例えば、燃料電池スタック100から排出された酸化剤オフガスOOGと燃料オフガスFOGとを燃焼させたときに発生する熱との熱交換)を利用して、酸化剤ガスOGの予加熱が行われるとしてもよい。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ軸回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)と、そのボルト22Dが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。また、図2に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Bの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。また、図3に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Dの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、燃料ガス排出マニホールド172を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。また、図6は、図4のVI−VIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図であり、図7は、図4のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。
図4および図5に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ軸回りの周縁部には、上述したボルト22が挿通される連通孔108に対応する孔が形成されている。なお、上述したように、燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)発電単位102を備えているため、燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)単セル110を備えていると言える。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、平板型の単セルであり、また、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
電解質層112は、Z軸方向視で略矩形の平板形状部材であり、緻密な層である。電解質層112は、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。このように、本実施形態の単セル110は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。空気極114は、Z軸方向視で電解質層112より小さい略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。空気極114は、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。本実施形態では、Z軸方向視での空気極114の面積は、比較的大きく、より具体的には130cm以上である。燃料極116は、Z軸方向視で電解質層112と略同一の大きさの略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。燃料極116は、例えば、Niと酸化物イオン伝導性セラミックス粒子(例えば、YSZ)とからなるサーメットにより形成されている。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。図8は、セパレータ120の一部分(図4のPx部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。セパレータ120における貫通孔121を取り囲む部分(以下、「貫通孔周囲部122」という)は、単セル110における上下方向の一方側(図面中の上側)の表面の周縁部に対向している。なお、本実施形態では、空気極114はZ軸方向視における大きさが電解質層112より小さいため、セパレータ120における貫通孔周囲部122は、単セル110における上側の表面の内、電解質層112により構成された表面に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、単セル110(電解質層112)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画される。
接合部124に対して空気室166側には、ガラスを含むガラスシール部125が配置されている。ガラスシール部125は、セパレータ120の貫通孔周囲部122の表面と、単セル110(本実施形態では単セル110を構成する電解質層112)の表面との両方に接触するように形成されている。ガラスシール部125により、空気室166と燃料室176との間のガスリーク(クロスリーク)が効果的に抑制される。
なお、本実施形態では、接合部124が、セパレータ120と単セル110とが対向する領域から空気室166側にはみ出すように形成されており、ガラスシール部125は、接合部124における上記はみ出した箇所に接するように形成されている。すなわち、接合部124の一部は、ガラスシール部125により覆われている。また、本実施形態では、ガラスシール部125が、セパレータ120における単セル110に対向する側とは反対側(上側)の表面を覆っており、ガラスシール部125と接合部124とがセパレータ120を挟んでZ軸方向に互いに対向している。
セパレータ120は、貫通孔周囲部122を含むと共にZ軸方向(上下方向)に直交する方向(すなわち、面方向)に略平行な第1の平坦部126と、第1の平坦部126より外周側に位置すると共に面方向に略平行な第2の平坦部127とを備える。第1の平坦部126と第2の平坦部127とのZ軸方向における位置は、互いに略同一である。
セパレータ120は、さらに、第1の平坦部126の端部と第2の平坦部127の端部とを連結する連結部128を備える。本実施形態では、連結部128は、第1の平坦部126および第2の平坦部127の位置から燃料室176側(下側)に突出するように湾曲した形状を有している。すなわち、連結部128における燃料室176側(下側)は凸部となり、連結部128における空気室166側(上側)は凹部となる。このように、連結部128は、Z軸方向における位置が第1の平坦部126および第2の平坦部127とは異なる部分を含む。なお、連結部128は、Z軸方向視で、貫通孔121を取り囲むように形成されている。また、セパレータ120における連結部128は、例えば、プレス加工により形成される。セパレータ120の連結部128は、上述した構成であるため、面方向に容易に伸び縮みするバネのように機能する。そのため、本実施形態のセパレータ120は、連結部128を備えない構成と比較して、連結部128の位置で面方向に変形しやすい。
図6に示すように、空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形のガス室用孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。
図6に示すように、空気極側フレーム130のガス室用孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する孔である。ガス室用孔131は、X軸方向に互いに対向する第1の内面IP1および第2の内面IP2を有する。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161を構成する連通孔108に連通すると共にガス室用孔131の第1の内面IP1に開口する酸化剤ガス供給連通流路132と、酸化剤ガス排出マニホールド162を構成する連通孔108に連通すると共にガス室用孔131の第2の内面IP2に開口する酸化剤ガス排出連通流路133とが形成されている。このような構成では、酸化剤ガスOGは、酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132を介して空気室166に供給される。酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132により構成される流路は、特許請求の範囲における空気供給流路に相当する。
図7に示すように、燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形のガス室用孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。
図7に示すように、燃料極側フレーム140のガス室用孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する孔である。ガス室用孔141は、Y軸方向に互いに対向する第3の内面IP3および第4の内面IP4を有する。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171を構成する連通孔108に連通すると共にガス室用孔141の第3の内面IP3に開口する燃料ガス供給連通流路142と、燃料ガス排出マニホールド172を構成する連通孔108に連通すると共にガス室用孔141の第4の内面IP4に開口する燃料ガス排出連通流路143とが形成されている。
図6に示すように、空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134は、導電性のコートによって覆われていてもよく、空気極114と空気極側集電体134との間には、両者を接合する導電性の接合層が介在していてもよい。また、空気極側集電体134は、インターコネクタ150と一体の部材として構成されていてもよい。
図7に示すように、燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
(燃料電池システム10の構成)
本実施形態の燃料電池スタック100は、燃料電池システム10を構成している。図9は、本実施形態における燃料電池システム10の構成を概略的に示す説明図である。燃料電池システム10は、上述した燃料電池スタック100と、制御部200とを備える。制御部200は、例えば、CPUとメモリとを備えるコンピュータにより構成され、以下に説明する燃料電池スタック100の動作(燃料電池スタック100における発電反応等)を制御する。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2、図4および図6に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通流路132を介して、空気室166に供給される。また、図3、図5および図7に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通流路142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGに含まれる酸素と燃料ガスFGに含まれる水素との電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2、図4および図6に示すように、酸化剤ガス排出連通流路133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3、図5および図7に示すように、燃料ガス排出連通流路143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.燃料電池スタック100の運転方法:
次に、本実施形態における燃料電池スタック100の運転方法について説明する。なお、燃料電池スタック100の運転は、制御部200によって制御される。以下の説明では、図6に示すように、燃料電池スタック100を構成する各単セル110の空気極114において、酸化剤ガス供給連通流路132における空気室166との接続箇所P0から比較的離れている部分を第1の部分P1とし、第1の部分P1より該接続箇所P0に近い部分を第2の部分P2とする。このとき、制御部200は、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2(ただし、T1>T2)との間の温度差ΔT(=T1−T2)が大きくなるように、具体的には温度差ΔTが130℃以上となるように、各単セル110における発電反応を生じさせる。換言すれば、本実施形態における燃料電池スタック100の運転方法は、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTが130℃以上となるように、各単セル110に発電反応を生じさせる運転工程を備える。
上述した燃料電池スタック100の運転方法(空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTが130℃以上となるような運転方法)は、例えば、以下の(1)〜(4)の少なくとも1つにより実現可能である。
(1)酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132を介して空気室166に供給する酸化剤ガスOG(空気)の流速を速くする。酸化剤ガスOGの流速が速いと、酸化剤ガス導入マニホールド161に導入された酸化剤ガスOGが空気極114における第2の部分P2に到達するまでの酸化剤ガスOGの温度上昇が小さくなるため、第2の部分P2に到達したときの酸化剤ガスOGの温度が低くなり、その結果、第2の部分P2の温度T2が低くなる。一方、単セル110における発電反応は発熱反応であるため、酸化剤ガスOGが空気極114における第2の部分P2から第1の部分P1に移動する間に、酸化剤ガスOGの温度は急激に上昇する。そのため、第1の部分P1に到達したときの酸化剤ガスOGの温度が高くなり、その結果、第1の部分P1の温度T1が高くなる。従って、酸化剤ガスOGの流速を速くすると、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTが大きくなる。なお、酸化剤ガスOGの流速は、ブロワの駆動力を大きくしたり、酸化剤ガス供給連通流路132の空気室166に面する開口面積を小さくしたりすることにより、速くすることができる。
(2)酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132を介して空気室166に供給する酸化剤ガスOG(空気)の流量を大きくする。酸化剤ガスOGの流量が大きいと、酸化剤ガスOGの熱容量が大きくなり、酸化剤ガス導入マニホールド161に導入された酸化剤ガスOGが空気極114における第2の部分P2に到達するまでの酸化剤ガスOGの温度上昇が小さくなるため、第2の部分P2に到達したときの酸化剤ガスOGの温度が低くなり、その結果、第2の部分P2の温度T2が低くなる。一方、単セル110における発電反応は発熱反応であるため、酸化剤ガスOGが空気極114における第2の部分P2から第1の部分P1に移動する間に、酸化剤ガスOGの温度は急激に上昇する。そのため、第1の部分P1に到達したときの酸化剤ガスOGの温度が高くなり、その結果、第1の部分P1の温度T1が高くなる。従って、酸化剤ガスOGの流量を大きくすると、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTが大きくなる。
(3)酸化剤ガス導入マニホールド161に導入する酸化剤ガスOGの温度を下げる。例えば、酸化剤ガスOGを酸化剤ガス導入マニホールド161に導入する前に熱交換を利用した酸化剤ガスOGの予加熱を行う場合には、熱交換経路を短くしたり熱交換時間を短くしたりすることにより、酸化剤ガスOGの温度上昇を抑制する。このようにすると、空気極114における第2の部分P2に到達したときの酸化剤ガスOGの温度が低くなり、その結果、第2の部分P2の温度T2が低くなる。一方、単セル110における発電反応は発熱反応であるため、酸化剤ガスOGが空気極114における第2の部分P2から第1の部分P1に移動する間に、酸化剤ガスOGの温度は急激に上昇する。そのため、第1の部分P1に到達したときの酸化剤ガスOGの温度が高くなり、その結果、第1の部分P1の温度T1が高くなる。従って、酸化剤ガス導入マニホールド161に導入する酸化剤ガスOGの温度を下げると、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTが大きくなる。
(4)発電運転時の電流量を大きくする。単セル110における発電に伴う発熱量は、電流の2乗に比例する。そのため、発電運転時の電流量を大きくすると、発熱量は電流量の2乗に比例して大きくなる。ここで、空気極114における第2の部分P2の温度T2は、第1の部分P1の温度T1より低いため、第2の部分P2では、第1の部分P1と比較して、抵抗が高く、電流密度が小さくなる。そのため、発電運転時の電流量を大きくすると、第1の部分P1での発熱量と第2の部分P2での発熱量との差が大きくなるため、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTが大きくなる。
なお、燃料電池スタック100の発電運転の際には、空気極114における第2の部分P2の温度T2が640℃以下とされることが好ましい。また、燃料電池スタック100の発電運転の際には、空気利用率が40%以上とされることが好ましい。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100は、固体酸化物を含む電解質層112と、電解質層112を挟んでZ軸方向に互いに対向する空気極114および燃料極116と、をそれぞれ有する複数の単セル110を備える。また、燃料電池スタック100には、各単セル110の空気極114に面する空気室166に酸化剤ガスOGとしての空気を供給する酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132が形成されている。また、本実施形態における燃料電池スタック100の運転方法は、各単セル110の空気極114において、第1の部分P1の温度T1と、第1の部分P1より酸化剤ガス供給連通流路132における空気室166との接続箇所P0に近い第2の部分P2の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各単セル110に発電反応を生じさせる運転工程を備える。
ここで、燃料電池スタック100の発電運転の際には、各単セル110の空気極114に面する空気室166に、酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132を介して酸化剤ガスOGとしての空気が供給される。酸化剤ガスOGとしての空気には、種々の汚染物質(例えば、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、硫黄(S)、塩素(Cl)、クロム(Cr)、リン(P))が含まれる。該汚染物質が空気極114に付着すると、空気極114の性能が低下する(具体的には、空気極114の抵抗が増大する)被毒と呼ばれる現象が起こる。空気極114において、酸化剤ガス供給連通流路132における空気室166との接続箇所P0に近い第2の部分P2では、接続箇所P0から離れている第1の部分P1と比較して、酸化剤ガスOGに含まれる汚染物質が付着しやすいため、被毒による性能劣化が生じやすい。
しかしながら、本実施形態における燃料電池スタック100の運転方法では、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上とされる。すなわち、被毒による性能劣化が生じやすい第2の部分P2は、比較的低温とされ、その結果、電気抵抗が比較的高くなって電流密度が比較的低くなる。そのため、第2の部分P2において被毒による性能劣化が生じても、単セル110全体(燃料電池スタック100全体)の性能への影響は小さい。一方、第1の部分P1は、比較的高温とされ、その結果、電気抵抗が比較的低くなって電流密度が比較的高くなるが、この第1の部分P1では被毒による性能劣化が生じにくい。従って、本実施形態における燃料電池スタック100の運転方法によれば、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
なお、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各単セル110は、平板型の単セル110である。平板型の単セル110は、円筒型等の他のタイプと比べて、セル面内の温度差がつきやすい。そのため、本実施形態の燃料電池スタック100の運転方法によれば、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTを容易に130℃以上とすることができ、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
また、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各単セル110の空気極114の面積は、130cm以上である。空気極114の面積が130cm以上と比較的大きいと、セル面内の温度差がつきやすい。そのため、本実施形態の燃料電池スタック100の運転方法によれば、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTを容易に130℃以上とすることができ、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
また、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各単セル110のセパレータ120は、貫通孔周囲部122を含み、Z軸方向に直交する面方向に略平行な第1の平坦部126と、面方向に略平行な第2の平坦部127と、Z軸方向における位置が第1の平坦部126および第2の平坦部127とは異なる部分を含み、第1の平坦部126と第2の平坦部127とを連結する連結部128と、を備える。そのため、セパレータ120の連結部128が面方向に容易に伸び縮みするバネのように機能し、セパレータ120が連結部128の位置で面方向に変形しやすい。従って、本実施形態の燃料電池スタック100の運転方法によれば、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔTを130℃以上とすることによって各部材の熱膨張差が大きくなっても、セパレータ120の連結部128の存在により、単セル110にかかる応力を緩和することができ、単セル110にクラックや割れが発生することを抑制することができる。
また、燃料電池スタック100の発電運転の際には、空気極114における第2の部分P2の温度T2が640℃以下とされることが好ましい。第2の部分P2の温度T2が640℃以下と非常に低くされると、被毒による性能劣化が生じやすい第2の部分P2の電気抵抗が非常に高くなって電流密度が非常に低くなる。そのため、第2の部分P2において被毒による性能劣化が生じても、単セル110全体(燃料電池スタック100全体)の性能への影響は非常に小さくなる。従って、第2の部分P2の温度T2を640℃以下とすれば、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を非常に効果的に低減することができる。
また、燃料電池スタック100の発電運転の際には、空気利用率が40%以上とされることが好ましい。空気利用率が40%以上と比較的高くされると、酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132を介して空気室166に供給される酸化剤ガスOGの流量が比較的小さくなり、空気極114に付着する汚染物質の量が比較的少なくなる。従って、空気利用率を40%以上とすれば、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を極めて効果的に低減することができる。
A−5.性能評価:
上述した燃料電池スタック100の運転方法について、以下の通り、性能評価を行った。図10は、性能評価結果を示す説明図である。性能評価では、異なる条件で燃料電池スタック100を運転したときの、燃料電池スタック100の初期状態からの性能劣化の程度について評価を行った。
具体的には、図10に示すように、上述した空気極114における第1の部分P1の温度T1および第2の部分P2の温度T2を種々変更して(その結果、温度差ΔT(=T1−T2)が種々変更された条件で)、燃料電池スタック100の発電運転を行った。図10に示すように、サンプル番号が小さいほど、温度差ΔTが大きくなっている。なお、各サンプルにおける空気利用率は、サンプルS1から順に、40%、42%、44%、46%、47%、48%、50%とした。
サンプル毎に設定された上記条件で、4000時間の発電運転を行い、初期状態からの抵抗増加量ΔR(ただし、1000時間運転あたり)を測定した。抵抗増加量ΔRが10mΩcm以下である場合に合格(〇)と判定し、抵抗増加量ΔRが10mΩcmを越える場合に不合格(×)と判定した。
図10に示すように、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との温度差ΔTが130℃以上であるサンプルS1,S2では、抵抗増加量ΔRが10mΩcm以下であったため、合格(〇)と判定された。一方、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との温度差ΔTが130℃未満であるサンプルS3〜S7では、抵抗増加量ΔRが10mΩcmを越えたため、不合格(×)と判定された。
このように、本性能評価によれば、空気極114における第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、燃料電池スタック100の発電運転を行うと、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減できることが確認された。
なお、合格(〇)と判定されたサンプルS1,S2では、空気極114における第2の部分P2の温度T2が640℃以下と非常に低くされている。このように、本性能評価によれば、第2の部分P2の温度T2が640℃以下となるように、燃料電池スタック100の発電運転を行うと、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減できることが確認された。
また、合格(〇)と判定されたサンプルS1,S2では、空気利用率が40%以上と比較的高くされている。このように、本性能評価によれば、空気利用率が40%以上となるように、燃料電池スタック100の発電運転を行うと、発電運転を長時間行うことに伴う燃料電池スタック100全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減できることが確認された。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における単セル110、発電単位102、燃料電池スタック100または燃料電池システム10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、燃料電池スタック100がガラスシール部125を備えているが、燃料電池スタック100がガラスシール部125を備えないとしてもよい。また、上記実施形態では、セパレータ120が、Z軸方向における位置が第1の平坦部126および第2の平坦部127とは異なる部分を含む連結部128を備えているが、セパレータ120が連結部128を備えないとしてもよい。
また、上記実施形態では、Z軸方向視での空気極114の面積が130cm以上であるとしているが、空気極114の面積は任意に変形可能である。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる単セル110の個数は、あくまで一例であり、単セル110の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。
また、上記実施形態における100の運転方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、空気極114における第2の部分P2の温度T2が640℃以下とされているが、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との温度差ΔTが130℃以上である限りにおいて、第2の部分P2の温度T2は任意に変更可能である。また、上記実施形態では、空気利用率が40%以上とされているが、第1の部分P1の温度T1と第2の部分P2の温度T2との温度差ΔTが130℃以上である限りにおいて、空気利用率は任意に変更可能である。
また、図6に示す空気極114における第1の部分P1および第2の部分P2の位置は、あくまで一例であり、第2の部分P2が第1の部分P1より空気供給流路(酸化剤ガス導入マニホールド161および酸化剤ガス供給連通流路132により構成される流路)における空気室166との接続箇所P0に近い限りにおいて、空気極114における第1の部分P1および第2の部分P2の位置は任意に変更可能である。
また、上記実施形態では、燃料電池スタック100は、平板型の単セル110を複数備える構成であるが、本発明は、他のタイプ(例えば円筒型)の単セルを複数備える燃料電池スタックにも同様に適用可能である。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解単セルや、複数の電解単セルを備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号公報に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セル単位および電解セルスタックにおいても、上記実施形態に、空気極114において、第1の部分の温度T1と、第1の部分より空気供給流路における空気室との接続箇所に近い第2の部分の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各電解単セルに電気化学反応を生じさせる運転を行うことにより、運転を長時間行うことに伴う電解セルスタック全体としての性能の劣化の程度を効果的に低減することができる。
10:燃料電池システム 22:ボルト 24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 102:燃料電池発電単位 104:エンドプレート 106:エンドプレート 108:連通孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:貫通孔 122:貫通孔周囲部 124:接合部 125:ガラスシール部 126:第1の平坦部 127:第2の平坦部 128:連結部 130:空気極側フレーム 131:ガス室用孔 132:酸化剤ガス供給連通流路 133:酸化剤ガス排出連通流路 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:ガス室用孔 142:燃料ガス供給連通流路 143:燃料ガス排出連通流路 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 200:制御部 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス IP1:第1の内面 IP2:第2の内面 IP3:第3の内面 IP4:第4の内面 OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス P0:接続箇所 P1:第1の部分 P2:第2の部分

Claims (8)

  1. 固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、をそれぞれ有する複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックであって、各前記電気化学反応単セルの前記空気極に面する空気室に空気を供給する空気供給流路が形成された電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    各前記電気化学反応単セルの前記空気極において、第1の部分の温度T1と、前記第1の部分より前記空気供給流路における前記空気室との接続箇所に近い第2の部分の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各前記電気化学反応単セルに電気化学反応を生じさせる運転工程を備える、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  2. 請求項1に記載の電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    前記運転工程において、前記第2の部分の温度T2は、640℃以下である、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    前記運転工程において、空気利用率は、40%以上である、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    各前記電気化学反応単セルは、平板型の電気化学反応単セルである、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    前記電気化学反応セルスタックは、さらに、
    複数の前記電気化学反応単セルに対応して設けられた複数のセパレータであって、各前記セパレータには貫通孔が形成され、各前記セパレータは、各前記セパレータにおける前記貫通孔を取り囲む部分である貫通孔周囲部が前記電気化学反応単セルの周縁部と接合されることによって、前記空気室と前記燃料極に面する燃料室とを区画する、複数のセパレータを備え、
    各前記セパレータは、
    前記貫通孔周囲部を含み、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行な第1の平坦部と、
    前記第2の方向に略平行な第2の平坦部と、
    前記第1の方向における位置が前記第1の平坦部および前記第2の平坦部とは異なる部分を含み、前記第1の平坦部と前記第2の平坦部とを連結する連結部と、
    を備える、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    各前記電気化学反応単セルにおいて、前記第1の方向視での前記空気極の面積は、130cm以上である、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックの運転方法において、
    各前記電気化学反応単セルは、燃料電池単セルである、
    ことを特徴とする電気化学反応セルスタックの運転方法。
  8. 固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、をそれぞれ有する複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックであって、各前記電気化学反応単セルの前記空気極に面する空気室に空気を供給する空気供給流路が形成された電気化学反応セルスタックと、
    各前記電気化学反応単セルにおける電気化学反応を制御する制御部と、
    を備える電気化学反応システムにおいて、
    前記制御部は、各前記電気化学反応単セルの前記空気極において、第1の部分の温度T1と、前記第1の部分より前記空気供給流路における前記空気室との接続箇所に近い第2の部分の温度T2(ただし、T1>T2)と、の間の温度差ΔT(=T1−T2)が130℃以上となるように、各前記電気化学反応単セルに電気化学反応を生じさせる、
    ことを特徴とする電気化学反応システム。
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