JP2019003794A - 電気化学反応セルスタック - Google Patents

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Abstract

【課題】集電部材からの反力により発生する単セルの応力集中の低減が可能な電気化学反応スタックの提供。【解決手段】単セル110と、集電部材134,144,150と、セパレータ120と、セパレータと集電部材との間に配置されたフレーム部材130,140とを備える電気化学反応単位が、第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、平板状の第1の部材と、複数の締結部材と、を備え、第1の部材が、締結部材が挿入された孔が形成され、第1の方向視で全周に亘ってフレーム部材に重なる環状の外周部105を有し、外周部より内側の第1の方向の寸法D1が、外周部の第1の方向の寸法D2より小さく、第1の方向に直交する1つ以上の第2の方向で、外周部の互いに対向する一対の第1の内周面間の距離L2Xが、フレーム部材に形成された貫通孔を構成する互いに対向する一対の第2の内周面間の距離L5Xより長い電気化学反応セルスタック。【選択図】図4

Description

本明細書に開示される技術は、電気化学反応セルスタックに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物を含む電解質層を備える固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCの構成単位である燃料電池単セル(以下、単に「単セル」という)は、電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向(以下、「第1の方向」という)に互いに対向する空気極および燃料極とを含む。
SOFCは、一般に、電気化学反応単位が、第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックを備える燃料電池スタックの形態で利用される。電気化学反応単位は、例えば、単セルと、空気極の表面に接触する平板状の集電部材と、貫通孔が形成され、貫通孔を取り囲む部分が単セルの周縁部と接合され、空気極に面する空気室と燃料極に面する燃料室とを区画するセパレータと、セパレータと集電部材との間に配置され、空気室を構成する貫通孔が形成されたフレーム部材と、を備える。燃料電池スタックは、さらに、電気化学反応ブロックにおける第1の方向の上記一方側の端に位置する単セルの前記集電部材に対して第1の方向の該一方側に配置された平板状部材(エンドプレート)と、平板状部材と電気化学反応ブロックにおける少なくともフレーム部材とにわたって形成された複数の孔のそれぞれに挿入された複数の締結部材と、を備え、該複数の締結部材で締結されている。
このような燃料電池スタックでは、上記第1の方向視で、燃料電池スタックの周縁側が複数の締結部材で締結されていることによって、中央側に位置する単セルが集電部材側に湾曲するように変形することがある。そこで、この単セルの変形に伴う集電部材の変形を許容するために、従来から、平板状部材の集電部材側の表面に凹所を形成し、該凹所内に弾性部材と導電性部材とからなる接続部材を配置する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2016−66415号公報
上述の従来の構成では、平板状部材の凹部の内径とフレーム部材に形成された貫通孔の内径とは同一であり、かつ、平板状部材の凹部の内周面とフレーム部材に形成された貫通孔とは第1の方向視で全周にわたって互いに重なっている。このため、単セルに接触する集電部材は、単セル(電気化学反応ブロック)からの押圧力を受けることによって、フレーム部材に形成された貫通孔の内径と同じ幅の範囲内で第1の方向に変形し、変形した集電部材の反力によって単セルの周縁部に応力がかかり、例えば単セルが損傷するおそれがある。
なお、このような問題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)の構成単位である電解単セルが第1の方向に複数並べて配置された電解セルブロックを備える電解セルスタックにも共通の問題である。本明細書では、燃料電池スタックと電解セルスタックとをまとめて「電気化学反応セルスタック」という。また、このような問題は、SOFCやSOECに限らず、他のタイプの電気化学反応セルスタックにも共通の問題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応セルスタックは、電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記単セルに対して前記第1の方向の一方側に配置され、前記空気極と前記燃料極との一方である特定電極の表面に接触する平板状の集電部材と、貫通孔が形成され、前記貫通孔を取り囲む部分が前記単セルの周縁部と接合され、前記空気極に面する空気室と前記燃料極に面する燃料室とを区画するセパレータと、前記セパレータと前記集電部材との間に配置され、前記燃料室と前記空気室とのうちの前記特定電極に面する特定ガス室を構成する貫通孔が形成されたフレーム部材と、を備える電気化学反応単位が、前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、前記電気化学反応ブロックにおける前記第1の方向の前記一方側の端に位置する前記単セルの前記集電部材に対して前記第1の方向の前記一方側に配置された平板状の第1の部材と、前記第1の部材と前記電気化学反応ブロックにおける少なくとも前記フレーム部材とにわたって形成された複数の孔のそれぞれに挿入された複数の締結部材と、を備え、前記複数の締結部材で締結された電気化学反応セルスタックにおいて、前記第1の部材は、前記締結部材が挿入された前記孔が形成されるとともに前記第1の方向視で全周にわたって前記フレーム部材に重なる環状の外周部を有し、前記外周部より内側の前記第1の方向の寸法は、前記外周部の前記第1の方向の寸法より小さくなっており、前記第1の方向に直交する少なくとも1つの第2の方向において、前記外周部の互いに対向する一対の第1の内周面間の距離は、前記フレーム部材に形成された前記貫通孔を構成する互いに対向する一対の第2の内周面間の距離より長いことを特徴とする。本電気化学反応セルスタックによれば、第1の方向に直交する少なくとも1つの第2の方向において、第1の部材の外周部の互いに対向する一対の第1の内周面間の距離は、フレーム部材に形成された貫通孔を構成する一対の第2の内周面間の距離より長い。これにより、従来の構成に比べて、集電部材が変形可能な幅の範囲が広いため、単セルからの押圧力によって変形した集電部材の曲率が小さい。集電部材の曲率が小さい分だけ、変形した集電部材からの反力によって発生する単セルの応力集中を低減することができる。
(2)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記第2の方向において、前記外周部の前記一対の第1の内周面は、いずれも、前記フレーム部材の前記貫通孔より外側に位置する構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、第2の方向において外周部の互いに対向する一対の第1の内周面の一方がフレーム部材の貫通孔より内側に位置する構成に比べて、集電部材の反力が単セルの第2の方向の両側に略均等にかかるため、単セルの一方側の部分に応力が集中することを抑制することができる。
(3)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記電気化学反応ブロックの前記第1の方向視の形状が長方形状であり、少なくとも前記電気化学反応ブロックの長方形状の短辺方向において、前記外周部の前記一対の第1の内周面間の距離は、前記フレーム部材に形成された前記貫通孔の前記一対の第2の内周面間の距離より長い構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、特に単セルからの押圧力によって集電部材の曲率が大きくなり易い短辺方向において、集電部材からの反力によって発生する単セルの応力集中を低減することができる。
(4)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記フレーム部材は、絶縁体により形成されたシール部材であり、前記第2の方向において、前記外周部の前記一対の第1の内周面間の距離は、前記シール部材の一対の外周面間の距離より短い構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、第2の方向において、第1の部材における外周部の一対の第1の内周面間の距離はシール部材の一対の外周面間の距離より小さいため、シール部材に対する圧力低下に起因して集電部材とセパレータとの間のシール性が低下することを抑制することができる。
(5)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記外周部の前記一対の第1の内周面間の距離は、全周にわたって、前記フレーム部材に形成された前記貫通孔の前記一対の第2の内周面間の距離より長い構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、全周にわたって、第1の部材の外周部の一対の第1の内周面間の距離は、フレーム部材に形成された貫通孔の一対の第2の内周面間の距離より大きい。これにより、単セルの全周にわたって変形した集電部材からの反力によって発生する単セルの応力集中を低減することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、電気化学反応セルスタックとガス配管等とを備える電気化学反応モジュール、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における上側のエンドプレート104と互いに隣接する2つの発電単位102とのXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における上側のエンドプレート104と互いに隣接する2つの発電単位102とのYZ断面構成を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)発電単位102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当し、燃料電池スタック100は、特許請求の範囲における電気化学反応セルスタックに相当する。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。連通孔108は、特許請求の範囲における孔に相当する。
各連通孔108には上下方向に延びるボルト22が挿通されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。なお、図2および図3に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成するエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成するエンドプレート106の下側表面との間には、絶縁シート26が介在している。ただし、後述のガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24とエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。ボルト22およびナット24は、特許請求の範囲における締結部材に相当する。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102に供給するガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)と、そのボルト22Bが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)と、そのボルト22Dが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。また、図2に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Bの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。また、図3に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Dの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、燃料ガス排出マニホールド172を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。なお、上側のエンドプレート104は、特許請求の範囲における第1の部材に相当する。上側のエンドプレート104の詳細構成については後述する。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における上側のエンドプレート104と互いに隣接する2つの発電単位102とのXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における上側のエンドプレート104と互いに隣接する2つの発電単位102とのYZ断面構成を示す説明図である。
図4および図5に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿通される連通孔108に対応する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保するとともに、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。本実施形態では、燃料極116の厚さ(上下方向のサイズ)が空気極114や電解質層112の厚さより厚く、燃料極116が単セル110を構成する他の層を支持している。すなわち、本実施形態の単セル110は、燃料極支持型の単セルである。空気極114は、特許請求の範囲における特定電極に相当し、発電単位102は、特許請求の範囲における電気化学反応単位に相当し、複数の発電単位102は、特許請求の範囲における電気化学反応ブロックに相当する。
電解質層112は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、CaSZ(カルシア安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)により形成されている。燃料極116は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。また、接合部124に対して空気室166側には、ガラスを含むガラスシール部125が配置されている。ガラスシール部125は、セパレータ120の孔121の周囲部の表面と、単セル110(本実施形態では単セル110を構成する電解質層112)の表面との両方に接触するように形成されている。ガラスシール部125により、空気室166と燃料室176との間のガスリーク(クロスリーク)が効果的に抑制される。
図4および図5に示すように、セパレータ120は、上記孔121が形成されるとともに配列方向(上下方向)に直交する方向(面方向)に略平行な第1の平坦部126と、第1の平坦部126より外周側に位置するとともに面方向に略平行な第2の平坦部127とを備える。第1の平坦部126と第2の平坦部127との配列方向における位置は、互いに略同一である。
セパレータ120は、さらに、第1の平坦部126の端部と第2の平坦部127の端部とを連結する連結部128を備える。本実施形態では、連結部128は、第1の平坦部126および第2の平坦部127の位置から燃料室176側(下側)に突出するように湾曲した形状を有している。すなわち、連結部128における燃料室176側(下側)は凸部となり、連結部128における空気室166側(上側)は凹部となる。このように、連結部128は、配列方向における位置が第1の平坦部126および第2の平坦部127とは異なる部分を含む。なお、連結部128は、配列方向視で、孔121を取り囲むように形成されている。また、セパレータ120における連結部128は、例えば、プレス加工により形成される。
連結部128は、上述した構成であるため、面方向に容易に伸び縮みするバネのように機能する。そのため、本実施形態のセパレータ120は、連結部128を備えない構成と比較して、連結部128の位置で面方向に変形しやすい。そのため、発電による熱サイクルや製造時の溶接工程等によるヒートショック等によってセパレータ120を面方向に変形させる荷重がかかると、セパレータ120が主として連結部128の位置で面方向に変形し、その結果、上記荷重によってガラスシール部125や接合部124、単セル110の電解質層112に発生する応力が緩和される。ガラスシール部125や電解質層112は、ガラスやセラミックといった脆性部材で形成されているため、上記応力が過大になるとクラックが発生するおそれがあるが、本実施形態ではセパレータ120の連結部128の存在によりガラスシール部125や電解質層112に発生する応力が緩和されるため、ガラスシール部125や電解質層112にクラックが発生することを抑制することができる。なお、図4および図5に示すように、連結部128は、全周にわたって、燃料極側フレーム140の内側に位置している。このため、セパレータ120の連結部128の位置における変形が燃料極側フレーム140との干渉によって規制されることを抑制することができる。
空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。空気極側フレーム130は、特許請求の範囲におけるフレーム部材、シール部材に相当し、孔131は、特許請求の範囲における貫通孔に相当し、空気室166は、特許請求の範囲における特定ガス室に相当する。
燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として構成されていてもよい。また、空気極側集電体134が導電性のコートによって覆われていてもよく、また、空気極114と空気極側集電体134との間に両者を接合する導電性の接合層が介在していてもよい。空気極側集電体134および上側のインターコネクタ150は、特許請求の範囲における集電部材に相当する。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2および図4に示すように、酸化剤ガス排出連通孔133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3および図5に示すように、燃料ガス排出連通孔143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.上側のエンドプレート104の詳細構成:
図2から図5に示すように、本実施形態では、上側のエンドプレート104における発電単位102側の表面(下面)の中央部には、凹所104Aが形成されている。凹所104Aの上下方向視の開口形は、略矩形である。
具体的には、上側のエンドプレート104は、環状の外周部105と、外周部105より内側に位置する内周部107とを含む。外周部105は、上述の連通孔108が形成されるとともに上下方向視で全周にわたって空気極側フレーム130に重なっている。内周部107は、略平板状であり、外周部105の開口を塞ぐように形成されている。内周部107の上下方向の厚さD1は、外周部105の上下方向の厚さD2より薄い(図4参照)。内周部107における発電単位102側の表面(下面)は、外周部105における空気極側フレーム130との対向面(下面)より上側に位置する。一方、内周部107における発電単位102とは反対側の表面(上面)は、外周部105における空気極側フレーム130とは反対側の表面(上面)と上下方向において略同じ位置に位置する。
上側のエンドプレート104の凹所104A内、換言すれば、上側のエンドプレート104の内周部107と、最上位に位置する発電単位102に含まれる上側のインターコネクタ150との間には、上側集電体244が配置されている。図4および図5に示すように、上側集電体244は、上述した燃料極側集電体144と略同一の構成である。すなわち、上側集電体244は、インターコネクタ対向部245と、エンドプレート対向部246と、インターコネクタ対向部245とエンドプレート対向部246とをつなぐ連接部247とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。インターコネクタ対向部245は、上側のインターコネクタ150における空気極114とは反対側の表面(上面)に接触しており、エンドプレート対向部246は、上側のエンドプレート104の内周部107における上側のインターコネクタ150側の表面(下面)に接触している。上側集電体244は、このような構成であるため、上側のエンドプレート104と上側のインターコネクタ150(発電単位102)とを電気的に接続する。なお、インターコネクタ対向部245とエンドプレート対向部246との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー249が配置されている。そのため、上側集電体244が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、上側集電体244を介した上側のエンドプレート104と上側のインターコネクタ150との電気的接続が良好に維持される。
図4および図5に示すように、上下方向に直交する任意の方向(面方向)において、外周部105の互いに対向する一対の第1の内周面105A,105A間の距離(凹所104Aを構成する内周面間の距離)L2X,L2Yは、全周にわたって、空気極側フレーム130に形成された孔131を構成する一対の第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きい。なお、第1の内周面105A,105A間の距離は、上下方向において、上側のインターコネクタ150に最も近い位置における第1の内周面105A,105A間の距離である。第2の内周面間の距離L5X,L5Yは、上下方向において、上側のインターコネクタ150に最も近い位置における第2の内周面間の距離である。
また、上記面方向において、外周部105の上記一対の内周面105A,105Aは、いずれも、全周にわたって、空気極側フレーム130の孔131より外側に位置する。また、外周部105の第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、全周にわたって、空気極側フレーム130の一対の外周面間の距離(外径)L1X,L1Yより小さい。なお、本実施形態では、空気極側フレーム130の外周面間の距離L1X,L1Yは、エンドプレート104,106、セパレータ120や燃料極側フレーム140の一対の外周面間の距離(外径)と略同じであるが、それらのエンドプレート104等の一対の外周面間の距離(外径)より小さくてもよいし、大きくてもよい。なお、面方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。
また、空気極側フレーム130に形成された孔131の第2の内周面間の距離L5X,L5Yは、全周にわたって、セパレータ120の連結部128の内側端部間の距離L4X,L4Yより小さい。このため、連結部128における空気室166側の凹部は、全周にわたって、空気極側フレーム130によって塞がれている。これにより、空気室166内の酸化剤ガスOGが連結部128の凹部内に流れ込んでガス利用効率の悪化の原因になることを抑制することができる。また、空気極側フレーム130の孔131の第2の内周面間の距離L5X,L5Yは、全周にわたって、単セル110の一対の外周面間の距離(外径)L6X,L6Yより大きい。このため、上下方向視で、空気極側フレーム130と単セル110とは全周にわたって重なっていない。これにより、ボルト22等による締結力が空気極側フレーム130を介して単セル110にかかることによって単セル110が損傷することを抑制することができる。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100では、上下方向に直交する任意の方向において、上側のエンドプレート104における外周部105の互いに対向する一対の第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、全周にわたって、空気極側フレーム130に形成された孔131を構成する一対の第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きい。すなわち、上側のインターコネクタ150(空気極側集電体134)は、第2の内周面間の距離L5X,L5Yより長い第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yの範囲内で、上側のエンドプレート104の外周部105に規制されずに上方向に変形可能である。したがって、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yが第2の内周面間の距離L5X,L5Yと同じである構成に比べて、上側のインターコネクタ150が上方向に変形可能な面方向の幅の範囲が広いため、単セル110から所定の押圧力を受けたときに上方に湾曲した上側のインターコネクタ150の曲率が小さい。上側のインターコネクタ150の曲率が小さい分だけ、湾曲した上側のインターコネクタ150からの反力によって発生する単セル110の応力が小さい。その結果、例えば、該反力による単セル110の周縁部への応力を低減することができる。しかも、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、全周にわたって、第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きいため、単セル110の全周にわたって単セル110の周縁部への応力を低減することができる。
また、上記実施形態によれば、外周部105の一対の内周面105A,105Aは、いずれも、全周にわたって、空気極側フレーム130の孔131より外側に位置する。これにより、外周部105の一対の内周面105A,105Aの一方が空気極側フレーム130の孔131より内側に位置する構成に比べて、上側のインターコネクタ150からの反力が単セル110の両側に略均等にかかるため、単セル110の一方側の部分に応力が集中することを抑制することができる。
また、上記実施形態によれば、外周部105の第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、全周にわたって、空気極側フレーム130の外周面間の距離L1X,L1Yより小さい。これにより、シール部材として機能する空気極側フレーム130に対する圧力低下に起因して上側のインターコネクタ150とセパレータ120との間のシール性が低下することを抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における単セル110または燃料電池スタック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、第1の部材として、上側のエンドプレート104を例示したが、これに限らず、例えば下側のエンドプレート106でもあるとしてもよい。この場合、燃料極116は、特許請求の範囲における特定電極に相当し、燃料極側フレーム140は、特許請求の範囲におけるフレーム部材に相当し、燃料室176は、特許請求の範囲における特定ガス室に相当し、燃料極側集電体144は、特許請求の範囲における集電部材に相当する。また、第1の部材は、燃料電池スタック100の上下方向の末端に位置するエンドプレート104,106に限らず、末端より内側に位置する部材(例えばターミナル部材)でもよい。上記実施形態において、上側のエンドプレート104の外周部105と上側のインターコネクタ150との間に別の部材が介在するとしてもよい。要するに、集電部材(上側のインターコネクタ150)のうち、上下方向視で外周部105より内側に位置する部分が外周部に重なる部分よりも第1の方向(上方向)に変形し易い構成になっていればよい。
また、上記実施形態では、セパレータ120には連通孔108が形成されているとしたが、これに限らず、セパレータ120には連通孔108が形成されていないとしてもよい。また、上記実施形態では、空気極側フレーム130は、絶縁体により形成されているとしたが、これに限らず、例えば金属などの導電性材料により形成されているとしてもよい。
また、上記実施形態では、上側のエンドプレート104における発電単位102側の表面(下面)の中央部には、凹所104Aが形成されているとしたが、これに限らず、該下面に代えて、あるいは、該下面に加えて、発電単位102とは反対側の表面(上面)の中央部に凹所が形成されているとしてもよい。さらに、上記実施形態において、内周部107を含まず、外周部105の内周側が貫通孔であるとしてもよい。すなわち、特許請求の範囲における「前記外周部より内側の前記第1の方向の寸法」は、ゼロであることを含む。また、上記実施形態において、上側のエンドプレート104の凹所104A内に上側集電体244が配置されていないとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、全周にわたって、第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きいとしているが、これに限らず、上下方向に直交する少なくとも1つの方向において、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きいとしてもよい。このような構成でも、該少なくとも1つの方向において、上側のインターコネクタ150からの反力によって発生する単セル110の応力集中を低減することができる。特に、単セル110の上下方向視の形状が長方形状である場合、少なくとも、単セル110の短辺方向において、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yが第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きいことが好ましい。また、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yから第2の内周面間の距離L5X,L5Yを差し引いた値が、単セル110の長辺方向より短辺方向の方が大きいとしてもよい。これにより、特に単セル110からの押圧力によって曲率が大きくなり易い短辺方向において、上側のインターコネクタ150からの反力によって発生する単セル110の応力集中を低減することができる。
また、上記実施形態において、外周部105の一対の内周面105A,105Aの一方が空気極側フレーム130の孔131より内側に位置するとしてもよい。このような構成でも、第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yが第2の内周面間の距離L5X,L5Yより大きければ、上側のインターコネクタ150からの反力によって発生する単セル110の応力集中を低減することができる。
また、上記実施形態において、外周部105の第1の内周面105A,105A間の距離L2X,L2Yは、上下方向に直交する少なくとも1つの方向において、空気極側フレーム130の外周面間の距離L1X,L1Yより大きくてもよい。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる単セル110の個数は、あくまで一例であり、単セル110の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態では、燃料極116の厚さが空気極114や電解質層112の厚さより厚く、燃料極116が単セル110を構成する他の層を支持する燃料極支持型の単セル110を対象として説明したが、本発明は、空気極114の厚さが燃料極116や電解質層112の厚さより厚く、空気極114が単セル110を構成する他の層を支持する空気極支持型の単セル110にも適用可能である。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解単セルや、複数の電解単セルを備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号公報に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されるとともに、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解単セルにおいて水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解単セルにおいても、本発明を適用することにより上記効果を得ることができる。
22:ボルト 24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 102:発電単位 104,106:エンドプレート 104A:凹所 105:外周部 105A:内周面 107:内周部 108:連通孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 125:ガラスシール部 126:平坦部 127:平坦部 128:連結部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料ガス供給連通孔 143:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 244:上側集電体 245:インターコネクタ対向部 246:エンドプレート対向部 247:連接部 249:スペーサー D1,D2:厚さ FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス

Claims (5)

  1. 電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記単セルに対して前記第1の方向の一方側に配置され、前記空気極と前記燃料極との一方である特定電極の表面に接触する平板状の集電部材と、貫通孔が形成され、前記貫通孔を取り囲む部分が前記単セルの周縁部と接合され、前記空気極に面する空気室と前記燃料極に面する燃料室とを区画するセパレータと、前記セパレータと前記集電部材との間に配置され、前記燃料室と前記空気室とのうちの前記特定電極に面する特定ガス室を構成する貫通孔が形成されたフレーム部材と、を備える電気化学反応単位が、前記第1の方向に複数並べて配置された電気化学反応ブロックと、
    前記電気化学反応ブロックにおける前記第1の方向の前記一方側の端に位置する前記単セルの前記集電部材に対して前記第1の方向の前記一方側に配置された平板状の第1の部材と、
    前記第1の部材と前記電気化学反応ブロックにおける少なくとも前記フレーム部材とにわたって形成された複数の孔のそれぞれに挿入された複数の締結部材と、を備え、前記複数の締結部材で締結された電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記第1の部材は、前記締結部材が挿入された前記孔が形成されるとともに前記第1の方向視で全周にわたって前記フレーム部材に重なる環状の外周部を有し、前記外周部より内側の前記第1の方向の寸法は、前記外周部の前記第1の方向の寸法より小さくなっており、
    前記第1の方向に直交する少なくとも1つの第2の方向において、前記外周部の互いに対向する一対の第1の内周面間の距離は、前記フレーム部材に形成された前記貫通孔を構成する互いに対向する一対の第2の内周面間の距離より長いことを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  2. 請求項1に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記第2の方向において、前記外周部の前記一対の第1の内周面は、いずれも、前記フレーム部材の前記貫通孔より外側に位置することを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記電気化学反応ブロックの前記第1の方向視の形状が長方形状であり、
    少なくとも前記電気化学反応ブロックの長方形状の短辺方向において、前記外周部の前記一対の第1の内周面間の距離は、前記フレーム部材に形成された前記貫通孔の前記一対の第2の内周面間の距離より長いことを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記フレーム部材は、絶縁体により形成されたシール部材であり、
    前記第2の方向において、前記外周部の前記一対の第1の内周面間の距離は、前記シール部材の一対の外周面間の距離より短いことを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記外周部の前記一対の第1の内周面間の距離は、全周にわたって、前記フレーム部材に形成された前記貫通孔の前記一対の第2の内周面間の距離より長いことを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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