JP2019190795A - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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康太 武市
尾形 豪太
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【課題】蒸発器にて発揮される冷却能力を充分に向上させることのできるエジェクタ式冷凍サイクルを提供する。【解決手段】圧縮機11から吐出された冷媒をエジェクタ13のノズル13aへ流入させて、エジェクタ13のディフューザ部13dから流出した冷媒を放熱器14にて凝縮させる。放熱器14にて凝縮させた冷媒を高段側膨張弁15aにて減圧させて、気液分離器16にて気液分離する。そして、分離された気相冷媒をエジェクタ13の冷媒吸引口から吸引し、分離された液相冷媒を低段側膨張弁15bにて減圧させて蒸発器17にて蒸発させる。これにより、蒸発器17におけるエンタルピ差を拡大させるとともに、蒸発器17へ流入させる液相冷媒の流量を増加させて、蒸発器17にて発揮される冷却能力を充分に向上させる。【選択図】図1

Description

本発明は、エジェクタを備えるエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、特許文献1に、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が開示されている。この種の冷凍サイクル装置では、減圧部である膨張弁にて減圧された低圧冷媒を、蒸発器にて冷却対象流体と熱交換させる。そして、蒸発器にて低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、冷却対象流体を冷却している。つまり、蒸発器へ流入した低圧の液相冷媒の気化潜熱によって、冷却対象流体を冷却している。
従って、蒸発器にて発揮される冷却対象流体の冷却能力は、蒸発器の出口側冷媒のエンタルピから蒸発器の入口側冷媒のエンタルピを減算したエンタルピ差Δhと蒸発器を流通する冷媒の流量G(質量流量)との積算値Δh×Gによって定義することができる。そして、蒸発器にて発揮される冷却能力を向上させるためには、蒸発器へ流入させる冷媒のエンタルピを低下させることが有効である。
そこで、蒸発器へ流入させる冷媒のエンタルピを低下させる具体的な手段として、放熱器から流出した高圧冷媒と蒸発器から流出した低圧冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を採用する手段や、放熱器として凝縮した冷媒を過冷却する、いわゆるサブクール型の凝縮器を採用する手段も知られている。
特開2005−206014号公報
さらに、蒸発器にて発揮される冷却能力を向上させるためには、蒸発器へ流入させる冷媒のエンタルピを低下させることに加えて、蒸発器へ流入させる液相冷媒の流量を増加させることも有効である。
ところが、内部熱交換器やサブクール型の凝縮器を採用する手段では、膨張弁へ流入する冷媒のエンタルピを低下させることはできるものの、膨張弁にて冷媒を減圧させると蒸発器へ流入する冷媒の乾き度が上昇してしまう。そのため、内部熱交換器やサブクール型の凝縮器を採用する手段では、蒸発器へ流入させる液相冷媒の流量を増加させることができず、蒸発器にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができない。
本発明は、上記点に鑑み、蒸発器にて発揮される冷却能力を充分に向上させることのできるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機から吐出された吐出冷媒を減圧させるノズル部(13a)から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(13c)から冷媒を吸引し、噴射冷媒と冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部(13d)を有するエジェクタ(13)と、エジェクタから流出した冷媒を放熱させる放熱器(14)と、放熱器から流出した冷媒を減圧させる高段側減圧部(15a)と、放熱器から流出した冷媒を減圧させる低段側減圧部(15b)と、低段側減圧部にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(17)と、を備え、
高段側減圧部にて減圧された冷媒のうち少なくとも一部の気相冷媒が冷媒吸引口から吸引されるエジェクタ式冷凍サイクルである。
これによれば、高段側減圧部(15a)にて減圧された冷媒のうち少なくとも一部の気相冷媒をエジェクタ(13)の冷媒吸引口(13c)から吸引して循環させることができる。従って、低段側減圧部(15b)へ流入する冷媒のエンタルピを低下させることができるとともに、蒸発器(17)へ流入させる液相冷媒の流量を増加させることができる。その結果、蒸発器(17)にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができる。
ここで、本請求項における「高段側減圧部(15a)にて減圧された冷媒のうち少なくとも一部の気相冷媒」とは、高段側減圧部(15a)にて減圧された直後の気相冷媒に限定されない。高段側減圧部(15a)の出口側から冷媒吸引口(13c)へ至る冷媒流路にて気相冷媒となった冷媒も含む意味である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを作動させた際の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルにおける吐出圧力と冷却能力との関係を示すグラフである。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを作動させた際の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを作動させた際の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 他の実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。
(第1実施形態)
図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両走行用の駆動力を電動モータから得る電気自動車に搭載された車両用冷凍サイクル装置1に適用されている。車両用冷凍サイクル装置1は、電気自動車において、空調対象空間である車室内の空調を行うとともに、電動モータ等に電力を供給するバッテリ40の温度調整を行うものである。
バッテリ40は、二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)である。この種のバッテリ40は、充放電時に自己発熱する。さらに、バッテリ40は、低温になると出力が低下し易く、高温になると劣化が進行しやすい。このため、バッテリ40の温度は、バッテリ40の性能を充分に発揮可能な適正な温度範囲内に(本実施形態では、15℃以上、かつ、45℃以下)に維持されている必要がある。
エジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用冷凍サイクル装置1において、車室内あるいはバッテリ40へ向けて送風される送風空気を冷却する機能を果たす。従って、本実施形態の冷却対象流体は、送風空気である。
また、エジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、サイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
図1の全体構成図に示すエジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、ハウジングの内部に、固定容量型の圧縮機構および圧縮機構を回転駆動する電動モータを収容して構成された電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
圧縮機11の吐出口には、三方弁12の流入口側が接続されている。三方弁12は、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をエジェクタ13のノズル部13aへ流入させる冷媒回路と、吐出冷媒をバイパス通路12aへ流入させる冷媒回路とを切り替える冷媒回路切替部である。三方弁12は、制御装置50から出力される制御電圧によって、その作動が制御される電気式三方弁である。
バイパス通路12aは、吐出冷媒を、エジェクタ13を迂回させて後述する放熱器14の冷媒入口側へ導く冷媒通路である。
エジェクタ13は、圧縮機11から吐出された吐出冷媒を減圧させて噴射するノズル部13aを有し、冷媒減圧部としての機能を果たす。さらに、エジェクタ13は、ノズル部13aの冷媒噴射口から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、外部から冷媒を吸引して循環させる冷媒循環部としての機能を果たす。
これに加えて、エジェクタ13は、ノズル部13aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒との混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換し、混合冷媒を昇圧させるエネルギ変換部としての機能を果たす。
エジェクタ13は、ノズル部13aおよびボデー部13bを有している。ノズル部13aは、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る略円筒状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)で形成されている。ノズル部13aは、内部に形成された冷媒通路にて冷媒を等エントロピ的に減圧させるものである。
ノズル部13aの内部に形成された冷媒通路には、通路断面積を最も縮小させる喉部、および喉部から冷媒を噴射する冷媒噴射口へ向かうに伴って通路断面積が徐々に拡大する末広部が形成されている。つまり、本実施形態のノズル部13aは、ラバールノズルとして構成されている。
さらに、本実施形態では、ノズル部13aとして、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転時に、冷媒噴射口から噴射される噴射冷媒の流速が音速以上となるように設定されたものが採用されている。もちろん、ノズル部13aを先細ノズルで構成してもよい。
ボデー部13bは、略円筒状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。ボデー部13bは、内部にノズル部13aを支持固定する固定部材として機能するとともに、内部に冷媒を流通させる冷媒通路を形成するものである。より具体的には、ノズル部13aは、ボデー部13bの長手方向一端側の内部に収容されるように圧入にて固定されている。ボデー部13bは、樹脂にて形成されていてもよい。
ボデー部13bの外周面のうち、ノズル部13aの外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル部13aの冷媒噴射口と連通するように設けられた冷媒吸引口13cが形成されている。冷媒吸引口13cは、ノズル部13aから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって、後述する気液分離器16から流出した気相冷媒をエジェクタ13の内部へ吸引する貫通穴である。
ボデー部13bの内部には、吸引通路13eおよびディフューザ部13dが形成されている。吸引通路13eは、冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒をノズル部13aの冷媒噴射口側へ導く冷媒通路である。ディフューザ部13dは、吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部として機能する冷媒通路である。
より詳細には、吸引通路13eは、ノズル部13aの先細り形状の先端部周辺の外周側とボデー部13bの内周側との間の断面円環状の空間によって形成されている。吸引通路13eの通路断面積は、冷媒流れ下流側へ向かうに伴って縮小している。これにより、吸引通路13eを流通する吸引冷媒の流速を増速させて、ディフューザ部13dにて吸引冷媒と噴射冷媒が混合する際のエネルギ損失(いわゆる、混合損失)を減少させている。
ディフューザ部13dは、吸引通路13eの出口に連続するように配置された円錐台状に広がる冷媒通路である。ディフューザ部13dでは、通路断面積が冷媒流れ下流側に向かうに伴って拡大している。ディフューザ部13dは、このような通路形状によって、混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換する。
本実施形態では、ディフューザ部13dを形成するボデー部13bの内周壁面の軸方向断面形状が、複数の曲線を組み合わせた形状に形成されている。そして、ディフューザ部13dの通路断面積の広がり度合が冷媒流れ方向に向かうに伴って大きくなった後に再び小さくなっていることで、冷媒を等エントロピ的に昇圧させることができる。
つまり、三方弁12は、吐出冷媒をエジェクタ13のノズル部13aへ流入させる冷媒回路に切り替えることによって、エジェクタの冷媒吸引口から冷媒を吸引させる冷媒回路に切り替えている。また、三方弁12は、吐出冷媒をバイパス通路12aへ流入させる冷媒回路に切り替えることによって、エジェクタの冷媒吸引口から冷媒を吸引させない冷媒回路に切り替えている。
エジェクタ13のディフューザ部13dの出口には、放熱器14の冷媒入口側が接続されている。放熱器14は、高圧冷媒と冷却用送風機14aから送風された車室外空気(外気)とを熱交換させて、高圧冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮用熱交換器である。冷却用送風機14aは、制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器14の冷媒出口には、高段側膨張弁15aの入口側が接続されている。高段側膨張弁15aは、放熱器14から流出した冷媒を減圧させる高段側減圧部である。さらに、高段側膨張弁15aは、その下流側に流出させる冷媒の流量を調整する高段側流量調整部である。
より具体的には、高段側膨張弁15aは、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の開度を変化させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)とを有して構成される電気式の可変絞り機構である。高段側膨張弁15aは、制御装置50から出力される制御信号(制御パルス)によって、その作動が制御される。
高段側膨張弁15aは、絞り開度を全開にすることによって、冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能付きの可変絞り機構として構成されている。
高段側膨張弁15aの出口には、気液分離器16の入口側が接続されている。気液分離器16は、高段側膨張弁15aにて減圧された冷媒の気液を分離する気液分離部である。このような気液分離部としては、遠心力の作用によって冷媒の気液を分離する遠心分離方式のものや、衝突板に衝突させることによって流速を低下させた冷媒の気液を重力の作用によって分離する衝突板方式のもの等を採用することができる。
気液分離器16の気相冷媒出口には、エジェクタ13の冷媒吸引口13c側が接続されている。気液分離器16の液相冷媒出口には、低段側膨張弁15bの入口側に接続されている。
低段側膨張弁15bは、放熱器14にて放熱した冷媒のうち、気液分離器16にて分離された液相冷媒を減圧させる低段側減圧部である。さらに、低段側膨張弁15bは、その下流側に流出させる冷媒の流量を調整する低段側流量調整部である。低段側膨張弁15bの基本的構成は、高段側膨張弁15aと同様である。
低段側膨張弁15bの出口には、蒸発器17の冷媒入口側が接続されている。蒸発器17は、低段側膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒と送風機17aから送風された送風空気とを熱交換させて、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。蒸発器17の冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
送風機17aは、制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動送風機である。
送風機17aから送風された送風空気は、通風路切替装置18を介して、車室内あるいはバッテリ40が配置されたバッテリ室内へ送風される。通風路切替装置18は、蒸発器17を通過した送風空気を車室内へ導く車室側通風路とバッテリ室内へ導くバッテリ室側通風路とを切り替える通風路切替部である。
通風路切替装置18は、車室側通風路の入口部の通路面積とバッテリ室側通風路の入口部の通路面積とを変化させる通風路切替ドア18a、および通風路切替ドア18aを変位させる通風路切替ドア18a用の電動アクチュエータを有している。通風路切替ドア18a用の電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。制御装置50は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置50は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器11、12、14a、15a、15b、17a、18等の作動を制御する。
制御装置50の入力側には、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、蒸発器温度センサ、バッテリ温度センサといった制御用のセンサ群51が接続されている。そして、制御装置50には、制御用のセンサ群51の検出信号が入力される。
内気温センサは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。蒸発器温度センサは、蒸発器17における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。
バッテリ温度センサは、バッテリ40の温度であるバッテリ温度Tbatを検出するバッテリ40温度検出部である。バッテリ温度センサは、バッテリ40の複数の箇所の温度を検出する複数の温度センサで検出されており、これらの複数の温度センサの検出値の平均値をバッテリ温度Tbatとしている。または、これらの複数の温度センサの検出値の最大値をバッテリ温度Tbatとしてもよい。
さらに、制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル52が接続され、この操作パネル52に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が制御装置50へ入力される。操作パネル52に設けられた各種操作スイッチとしては、車室内の空調の実行あるいは停止を要求する空調スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている
ここで、本実施形態の制御装置50は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されたものである。そして、制御装置50のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。
例えば、制御装置50のうち、圧縮機11の作動を制御する構成は、圧縮機制御部を構成している。例えば、制御装置50のうち、三方弁12の作動を制御する構成は、冷媒回路切替制御部を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。上記の如く、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒回路を切り替えることができる。そして、エジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒回路を切り替えることによって、車室内の空調を行う空調モードの運転とバッテリ40の冷却を行う電池冷却モードの運転とを切り替えている。
空調モードは、車両走行中等に、操作パネル52の空調スイッチが投入(ON)されると実行される。空調モードは、バッテリ40が外部電源(例えば、商用電源)に接続されて充電されている際には実行されない。
電池冷却モードは、バッテリ40が外部電源に接続されて充電されている充電中であって、バッテリ温度センサによって検出されたバッテリ温度Tbatが予め定めた基準バッテリ温度KTbat以上となった際に実行される。基準バッテリ温度KTbatは、バッテリ40の適正な温度範囲の上限値よりも低い値に設定されている。
ここで、バッテリ40の充電中は、バッテリ40内を流れる電流が増加するので、バッテリ40の自己発熱量が増加する。特に、短時間で充電を完了させる急速充電時には、バッテリ40の自己発熱量が増大して、バッテリ40の温度が適正な温度範囲を超えて上昇してしまいやすい。
さらに、電池冷却モード時にエジェクタ式冷凍サイクル10に要求される冷却能力は、空調モード時にエジェクタ式冷凍サイクル10に要求される冷却能力よりも大きくなることが判っている。換言すると、バッテリ40の温度を適正な温度範囲内に維持するために必要な冷却能力は、車室内の空調を行うために必要な冷却能力よりも大きくなることが判っている。
(a)空調モード
空調モードでは、制御装置50が、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をバイパス通路12aへ流入させるように三方弁12の作動を制御する。
また、制御装置50は、高段側膨張弁15aを全開状態とし、低段側膨張弁15bを冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。より具体的には、制御装置50は、蒸発器17の出口側の冷媒の乾き度が予め定めた基準乾き度に近づくように、低段側膨張弁15bの絞り開度を調整する。また、制御装置50は、送風機17aから送風された送風空気が車室内へ導かれるように通風路切替装置18の作動を制御する。
従って、空調モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、図2のモリエル線図の太破線に示すように、圧縮機11から吐出された高温高圧の吐出冷媒(図2のa2点)が、バイパス通路12aを介して、放熱器14へ流入する。
放熱器14へ流入した冷媒は、冷却用送風機14aから送風された外気と熱交換して凝縮する。放熱器14にて凝縮した冷媒は、全開状態となっている高段側膨張弁15aを介して、気液分離器16へ流入する(図2のa2点→b2点)。
ここで、空調モードでは、吐出冷媒がエジェクタ13のノズル部13aへ供給されないので、エジェクタ13が吸引作用を発揮しない。このため、気液分離器16にて分離された気相冷媒が、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引されることはない。つまり、空調モード時の気液分離器16は、サイクルの余剰液相冷媒を蓄える受液器(レシーバ)として機能する。
気液分離器16から流出した液相冷媒は、低段側膨張弁15bにて等エンタルピ的に減圧されて(図2のb2点→c2点)、蒸発器17へ流入する。蒸発器17へ流入した低圧冷媒は、送風機17aから送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図2のc2点→d2点)。これにより、送風空気が冷却される。冷却された送風空気は、通風路切替装置18によって車室内へ導かれる。
蒸発器17から流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される(図2のc2点→d2点)。
従って、空調モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、実質的に、従来技術と同様の通常の蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。そして、車両用冷凍サイクル装置1では、エジェクタ式冷凍サイクル10の蒸発器17にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の空調を行うことができる。
(b)電池冷却モード
電池冷却モードでは、制御装置50が、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をエジェクタ13のノズル部13aへ流入させるように三方弁12の作動を制御する。
また、制御装置50は、高段側膨張弁15aを絞り状態とする。より詳細には、制御装置50は、予め定めた電池冷却モード用の基準絞り開度となるように高段側膨張弁15aの絞り開度を調整する。この基準絞り開度は、ノズル部13aの絞り特性に応じて、ノズル部13aから噴射される噴射冷媒の圧力と気液分離器16内の冷媒圧力が同等となるように決定されている。
また、制御装置50は、低段側膨張弁15bを絞り状態とする。より具体的には、制御装置50は、蒸発器17の出口側の冷媒の乾き度が予め定めた基準乾き度となるように、低段側膨張弁15bの絞り開度を調整する。また、制御装置50は、送風機17aから送風された送風空気がバッテリ室へ導かれるように通風路切替装置18の作動を制御する。
従って、電池冷却モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、図2のモリエル線図の太実線に示すように、冷媒の状態が変化する。図2では、空調モードにおける圧縮機11の回転数(吐出冷媒流量)、および電池冷却モードにおける圧縮機11の回転数(吐出冷媒流量)が同等となっている際の冷媒の状態の変化を示している。
電池冷却モードでは、圧縮機11の吐出口が、エジェクタ13のノズル部13aの入口側に接続されている。このため、電池冷却モードにおける圧縮機11の回転数が空調モードにおける圧縮機11の回転数と同等となっていても、電池冷却モードの吐出冷媒の圧力(図2のaa2点の圧力)は、空調モードの吐出冷媒の圧力(図2のa2点の圧力)よりも高くなる。
エジェクタ13のノズル部13aへ流入した吐出冷媒は、等エントロピ的に減圧されて噴射される(図2のaa2点→ab2点)。そして、この噴射冷媒の吸引作用によって、気液分離器16にて分離された気相冷媒(図2のcb2点)が、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される。
ノズル部13aから噴射された噴射冷媒および冷媒吸引口13cから吸引された吸引冷媒は、エジェクタ13のディフューザ部13dへ流入する(図2のab2点→ac2点、cb2点→ac2点)。ディフューザ部13dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する(図2のac2点→ad2点)。
ディフューザ部13dから流出した冷媒は、放熱器14へ流入する。放熱器14へ流入した冷媒は、冷却用送風機14aから送風された外気と熱交換して、放熱して凝縮する(図2のad2点→ba2点)。放熱器14から流出した冷媒は、高段側膨張弁15aにて等エンタルピ的に減圧される(図2のba2点→ca2点)。
高段側膨張弁15aにて減圧された冷媒は、気液分離器16へ流入する。気液分離器16へ流入した冷媒は、気相冷媒と液相冷媒に分離される(図2のca2点→cb2点、ca2点→cc2点)。
気液分離器16にて分離された気相冷媒(図2のcb2点)は、前述の如く、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される。そして、エジェクタ13のディフューザ部13d→放熱器14→気液分離器16→エジェクタ13の冷媒吸引口13cの順で循環する。気液分離器16にて分離された液相冷媒(図2のcc2点)は、低段側膨張弁15bへ流入して等エンタルピ的に減圧される(図2のcc2点→cd2点)。
低段側膨張弁15bにて減圧された冷媒は、蒸発器17へ流入する。蒸発器17へ流入した低圧冷媒は、送風機17aから送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図2のcd2点→da2点)。これにより、送風空気が冷却される。冷却された送風空気は、通風路切替装置18によってバッテリ室へ導かれる。蒸発器17から流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される(図2のda2点→aa2点)。
従って、電池冷却モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、蒸発器17にて送風空気を冷却することができ、車両用冷凍サイクル装置1では、冷却された送風空気をバッテリ室へ吹き出すことによって、バッテリ40の温度を調整することができる。
ここで、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、空調モード時に蒸発器17にて発揮される冷却能力と電池冷却モード時に蒸発器17にて発揮される冷却能力とを比較するために、図2に示すように、サイクル構成機器の仕様等が調整されている。つまり、それぞれの運転モード時に放熱器14から流出した冷媒の圧力、および、それぞれの運転モード時に蒸発器17から流出した冷媒の圧力が一致するように、サイクル構成機器の仕様等が調整されている。
より詳細には、圧縮機11の回転数が同等となっている際に、電池冷却モードの放熱器14から流出した冷媒の圧力(図2のba2点の圧力)と空調モードの放熱器14から流出した冷媒の圧力(図2のb2点の圧力)が同等となるように調整されている。同様に、圧縮機11の回転数が同等となっている際に、電池冷却モードの蒸発器17から流出した冷媒の圧力(図2のda2点の圧力)と空調モードの蒸発器17から流出した冷媒の圧力(図2のd2点の圧力)が同等となるように調整されている。
このような圧力の調整は、エジェクタ13のノズル部13aの減圧特性、ディフューザ部13dの昇圧特性、および低段側膨張弁15bの絞り開度の調整によって実現することができる。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、以上の如く作動するので、いずれの運転モードにおいても、蒸発器17にて送風空気を冷却することができる。従って、車両用冷凍サイクル装置1では、エジェクタ式冷凍サイクル10にて冷却された送風空気によって、車室内の空調あるいはバッテリ40の温度調整を行うことができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、電池冷却モード時に、高段側膨張弁15aにて減圧された冷媒のうち気液分離器16にて分離された気相冷媒をエジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引して循環させることができる。従って、蒸発器17にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができる。
このことをより詳細に説明すると、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、電池冷却モード時に、高段側膨張弁15aにて減圧させた冷媒を気液分離器16へ流入させ、気液分離器16にて分離された液相冷媒を低段側膨張弁15bへ流入させている。
これによれば、電池冷却モード時に、蒸発器17の出口側冷媒のエンタルピから蒸発器17の入口側冷媒のエンタルピを減算したエンタルピ差Δh_leを、従来技術と同様のサイクル構成となる空調モード時の蒸発器17におけるエンタルピ差よりも、図2の+Δhに相当する分拡大させることができる。
さらに、電池冷却モード時に、気液分離器16にて分離された気相冷媒をエジェクタ13に吸引させて循環させるので、蒸発器17へ流入する冷媒における液相冷媒の割合を空調モード時よりも増加させることができる。この際、空調モード時の圧縮機11の回転数と電池冷却モード時の圧縮機11の回転数が同等となっているので、蒸発器17を流通する冷媒の流量(質量流体)は運転モードによらず同等となる。
従って、蒸発器17へ流入する冷媒における液相冷媒の割合を増加させることで、蒸発器17へ流入する液相冷媒の流量を増加させることができる。
つまり、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、電池冷却モード時に、空調モード時よりも、蒸発器17におけるエンタルピ差Δh_leを拡大させることができるとともに、蒸発器17へ流入させる液相冷媒の流量を増加させることができる。その結果、蒸発器17にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができる。
さらに、本発明者らの検討によれば、図3に示すように、吐出冷媒の圧力の上昇に伴って、空調モードに対する電池冷却モードにおける冷却能力の向上率が高くなることも確認されている。これは、吐出冷媒の圧力の上昇に伴って、ノズル部13aへ流入する冷媒の圧力が上昇し、エジェクタ13の冷媒循環能力が向上するからである。
つまり、エジェクタ13の冷媒循環能力が向上すると、放熱器14を流通する冷媒の流量が増加するので、放熱器14における冷媒の放熱量が増加する。これにより、蒸発器17における冷媒の吸熱量を増加させることができる。従って、吐出冷媒の圧力の上昇に伴って、冷却能力の向上率が高くなる。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、気液分離器16を備え、気液分離器16の液相冷媒出口に低段側膨張弁15bの入口側を接続し、気液分離器16の気相冷媒出口にエジェクタ13の冷媒吸引口側を接続している。これによれば、極めて簡素な構成で、高段側膨張弁15aにて減圧された冷媒のうち気相冷媒をエジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引させることができる。
また、図2のモリエル線図からも明かなように、電池冷却モードのエジェクタ式冷凍サイクル10では、吐出冷媒の圧力が上昇する。このため、電池冷却モードでは、空調モードよりも、圧縮機11の消費動力が増大してしまう。これに対して、本実施形態では、冷媒回路切替部としての三方弁12を備えているので、空調モードと電池冷却モードとを適切に切り替えることで不必要なエネルギ消費を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図4の全体構成図に示すように、エジェクタ式冷凍サイクル10の構成を変更した例を説明する。なお、図4では、図示の明確化のため、制御装置50、制御用のセンサ群51、操作パネル52等を省略している。また、図4では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、内部熱交換器19を備えている。内部熱交換器19は、放熱器14の冷媒出口から流出して高段側膨張弁へ流入する冷媒と、気液分離器16の気相冷媒出口から流出してエジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される冷媒とを熱交換させる熱交換器である。
具体的には、内部熱交換器19は、放熱器14を流出した冷媒を流通させる高温側冷媒通路19aと、気液分離器16の気相冷媒出口から流出した冷媒を流通させる低温側冷媒通路19bとを有している。そして、内部熱交換器19では、高温側冷媒通路19aを流通する冷媒と低温側冷媒通路19bを流通する冷媒とを熱交換させる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、図5のモリエル線図を用いて、本実施形態の作動について説明する。なお、図5では、第1実施形態で説明した図2のモリエル線図に対してサイクル構成上同等の箇所の冷媒の状態を、図2と同一の符号(アルファベット)で示し、添字(数字)のみを図番に合わせて変更している。このことは、以下で説明する他のモリエル線図においても同様である。
(a)空調モード
空調モードでは、制御装置50が、第1実施形態と同様に、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をバイパス通路12aへ流入させるように三方弁12の作動を制御する。さらに、制御装置50は、第1実施形態と同様に、高段側膨張弁15a、低段側膨張弁15b、通風路切替装置18等の作動を制御する。
従って、空調モードでは、エジェクタ13が吸引作用を発揮しない冷媒回路に切り替えられる。このため、空調モードでは、気液分離器16の気相冷媒出口から流出した冷媒が、内部熱交換器19の低温側冷媒通路19bへ流入することはない。
放熱器14から流出した冷媒は、内部熱交換器19にて熱交換することなく、全開となっている高段側膨張弁15aを介して気液分離器16へ流入する。以降の作動は、第1実施形態と同様である。従って、空調モードでは第1実施形態と同様に作動する。
(b)電池冷却モード
電池冷却モードでは、制御装置50が、第1実施形態と同様に、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をエジェクタ13のノズル部13aへ流入させるように三方弁12の作動を制御する。さらに、制御装置50は、第1実施形態と同様に、高段側膨張弁15a、低段側膨張弁15b、通風路切替装置18等の作動を制御する。
従って、電池冷却モードでは、圧縮機11から吐出された吐出冷媒(図5のaa5点)が、エジェクタ13および放熱器14を介して内部熱交換器19の高温側冷媒通路19aへ流入する(図5のaa5点→ab5点→ac5点→ad5点→ba5点)。
内部熱交換器19の高温側冷媒通路19aへ流入した冷媒は、低温側冷媒通路19bを流通する冷媒と熱交換して、エンタルピを低下させる(図5のba5点→bb5点)。内部熱交換器19の高温側冷媒通路19aから流出した冷媒は、高段側膨張弁15aにて等エンタルピ的に減圧される(図5のbb5点→ca5点)。
また、内部熱交換器19の低温側冷媒通路19bでは、気液分離器16の気相冷媒出口から流出した気相冷媒のエンタルピが上昇する(図5のcb5点→ce5点)。内部熱交換器19の低温側冷媒通路19bから流出した冷媒は、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される(図5のce5点→ac5点)。その他の作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の電池冷却モードにおいても、第1実施形態と同様に、空調モードよりも蒸発器17におけるエンタルピ差Δh_leを拡大させることができるとともに、蒸発器17へ流入する液相冷媒の流量を増加させることができる。その結果、蒸発器17にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、内部熱交換器19を備えているので、気液分離器16へ流入する気液二相冷媒の乾き度が低下する。これによれば、気液分離器16にて分離される液相冷媒の流量、すなわち、蒸発器17へ流入させる液相冷媒の流量を増加させることができる。従って、より一層、蒸発器17にて発揮される冷却能力を向上させることができる。
これに加えて、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される気相冷媒の流量を減少させることができるので、エジェクタ13の昇圧性能を向上させることができる。従って、圧縮機11の冷媒吐出能力を低下させて、圧縮機11の消費動力を低減させることもできる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図6の全体構成図に示すように、エジェクタ式冷凍サイクル10の構成を変更した例を説明する。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、冷媒分配器20および補助蒸発器21を備えている。冷媒分配器20は、高段側膨張弁15aにて減圧された冷媒の流れを分岐する分岐部である。このため、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、第1実施形態で説明した気液分離器16が廃止されている。
より具体的には、冷媒分配器20は、内部に回転体形状の内部空間が形成された有底筒状のボデー部を有している。ボデー部の外周面には、高段側膨張弁15aにて減圧された冷媒を流入させる流入口が形成されている。この流入口は、冷媒をボデー部の内周面に沿って流入させるように形成されている。これにより、冷媒分配器20の内部空間へ流入した冷媒は、内部空間の中心軸周りに旋回する。
このため、冷媒分配器20の内部空間では、遠心分離方式の気液分離器と同様に、比較的乾き度の低い冷媒が内部空間の外周側に分布し、比較的乾き度の高い冷媒が内部空間の中心側に分布する。
さらに、ボデー部の外周面には、内部空間から冷媒を流出させる外周側冷媒出口が形成されている。また、ボデー部の底面であって、かつ、内部空間の中心軸上には、内部空間から冷媒を流出させる中心側冷媒出口が形成されている。従って、冷媒分配器20にて分岐されて外周側冷媒出口から流出する冷媒は、比較的乾き度の低い冷媒となり、中心側冷媒出口から流出する冷媒は、比較的乾き度の高い冷媒となる。
冷媒分配器20の中心側冷媒出口には、補助蒸発器21の冷媒入口側が接続されている。冷媒分配器20の外周側冷媒出口には、低段側膨張弁15bの入口側が接続されている。従って、中心側冷媒出口は、分岐部の一方の冷媒流出口であり、外周側冷媒出口は、分岐部の他方の冷媒流出口である。
補助蒸発器21は、蒸発器17よりも送風空気流れ上流側に配置されている。そして、冷媒分配器20の中心側冷媒出口から流出した比較的乾き度の高い冷媒と送風機17aから送風された送風空気とを熱交換させて、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
このため本実施形態の蒸発器17では、低段側膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒と送風機17aから送風されて補助蒸発器21を通過した送風空気とを熱交換させている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、図7のモリエル線図を用いて、本実施形態の作動について説明する。
(a)空調モード
空調モードでは、制御装置50が、第1実施形態と同様に、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をバイパス通路12aへ流入させるように三方弁12の作動を制御する。さらに、制御装置50は、第1実施形態と同様に、高段側膨張弁15a、低段側膨張弁15b、通風路切替装置18等の作動を制御する。
従って、空調モードでは、エジェクタ13が吸引作用を発揮しない冷媒回路に切り替えられる。このため、空調モードでは、冷媒分配器20の中心側冷媒出口から流出した冷媒が、補助蒸発器21へ流入することはない。
冷媒分配器20の外周側冷媒出口から流出した冷媒は、低段側膨張弁15bへ流入する。この際、低段側膨張弁15bへ流入する冷媒は、ほぼ飽和液相状態となっている。以降の作動は、第1実施形態と同様である。従って、空調モードでは、第1実施形態と同様に作動する。
(b)電池冷却モード
電池冷却モードでは、制御装置50が、第1実施形態と同様に、圧縮機11から吐出された吐出冷媒をエジェクタ13のノズル部13aへ流入させるように三方弁12の作動を制御する。さらに、制御装置50は、第1実施形態と同様に、高段側膨張弁15a、低段側膨張弁15b、通風路切替装置18等の作動を制御する。
従って、電池冷却モードでは、圧縮機11から吐出された吐出冷媒(図7のaa7点)が、エジェクタ13および放熱器14を介して高段側膨張弁15aへ流入して等エンタルピ的に減圧される。(図7のaa7点→ab7点→ac7点→ad7点→ba7点→ca7点)。高段側膨張弁15aから流出した冷媒の流れは、冷媒分配器20にて分岐される。
冷媒分配器20の中心側冷媒出口から流出した比較的乾き度の高い冷媒(図7のcb7点)は、補助蒸発器21へ流入する。補助蒸発器21へ流入した冷媒は、送風機17aから送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図2のcb7点→ce7点)。これにより、送風空気が冷却される。補助蒸発器21から流出した冷媒は、エジェクタ13の冷媒吸引口13cから吸引される(図2のce7点→ac7点)。
冷媒分配器20の外周側冷媒出口から流出した比較的乾き度の低い冷媒(図7のcc7点)は、低段側膨張弁15bへ流入して等エンタルピ的に減圧される。(図7のcc7点→cd7点)。
低段側膨張弁15bにて減圧された冷媒は、蒸発器17へ流入する。蒸発器17へ流入した低圧冷媒は、補助蒸発器21を通過した送風空気から吸熱して蒸発する(図7のcd7点→da7点)。これにより、送風空気がさらに冷却される。冷却された送風空気は、通風路切替装置18によってバッテリ室へ導かれる。蒸発器17から流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される(図7のda7点→aa7点)。
従って、本実施形態の電池冷却モードにおいても、第1実施形態と同様に、空調モードよりも蒸発器17におけるエンタルピ差Δh_leを拡大させることができるとともに、蒸発器17へ流入する液相冷媒の流量を増加させることができる。その結果、蒸発器17にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒分配器20と補助蒸発器21を備えているので、補助蒸発器21においても送風空気を冷却することができる。換言すると、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、電池冷却モード時に、蒸発器17を流通する冷媒の流量(質量流量)を変化させることなく、補助蒸発器21においても冷却能力を発揮することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、冷媒回路切替部としての三方弁12を備え、冷媒回路を切替可能に構成されたエジェクタ式冷凍サイクル10について説明したが、本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル10の冷却能力向上効果を得るために冷媒回路の切替は必須ではない。つまり、上述の実施形態で説明した電池冷却モードに相当する運転モードを実行可能であれば、蒸発器17にて発揮される冷却能力を充分に向上させることができる。
(2)上述の実施形態では、本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用冷凍サイクル装置に適用した例を説明したが、エジェクタ式冷凍サイクル10の適用はこれに限定されない。例えば、据え置き型の冷蔵冷凍装置、ショーケース、空調装置等に適用してもよい。さらに、第3実施形態で説明した補助蒸発器21および蒸発器17にて、それぞれ異なる冷却対象空間を、異なる温度帯で冷却するようにしてもよい。
(3)エジェクタ式冷凍サイクル10を構成する構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、圧縮機11として、プーリ、ベルト等を介してエンジン(内燃機関)から伝達された回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。この種のエンジン駆動式の圧縮機としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機等を採用することができる。
また、放熱器14として、圧縮機11吐出冷媒と外気とを熱交換させて圧縮機11吐出冷媒を凝縮させる凝縮部、この凝縮部から流出した冷媒の気液を分離するモジュレータ部、およびモジュレータ部から流出した液相冷媒と外気とを熱交換させて液相冷媒を過冷却する過冷却部を有して構成される、サブクール型の凝縮器を採用してもよい。
また、冷媒回路切替部として、複数の開閉弁等を組み合わせることによって、三方弁12と同様の機能を発揮する冷媒回路切替部を構成してもよい。
また、高段側膨張弁15aおよび低段側膨張弁15bとして、電気式の可変絞り機構を採用した例を説明したが、高段側膨張弁15aおよび低段側膨張弁15bはこれに限定されない。
例えば、低段側膨張弁15bとして、蒸発器17の出口側の冷媒の温度および圧力に応じて変形する変形部材(具体的には、ダイヤフラム)を有する感温部と、変形部材の変形に連動して絞り開度を変化させる機械的機構とを備える温度式膨張弁を採用してもよい。さらに、高段側膨張弁15aとして、固定絞り(具体的には、オリフィス、キャピラリチューブ)を採用してもよい。
また、本実施形態では、電池冷却モード時に低段側膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒を蒸発器17へ流入させる例を説明したが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、バッテリ冷却用の熱媒体を循環させる熱媒体循環回路30に、この熱媒体と低段側膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒とを熱交換させる水−冷媒熱交換器31(いわゆる、チラー)を配置する。
そして、蒸発器17と水−冷媒熱交換器31とを冷媒流れに対して並列的に接続し、第2三方弁12bによって、空調モード時には、低段側膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒を蒸発器17へ流入させる冷媒回路へ切り替え、電池冷却モード時には、低段側膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒を水−冷媒熱交換器31へ流入させる冷媒回路へ切り替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、エジェクタ13の冷媒吸引口13cへ吸引させる冷媒のエンタルピを上昇させる内部熱交換器19を採用した例を説明したが、さらに、蒸発器17へ流入する冷媒のエンタルピを低下させるための内部熱交換器を追加してもよい。具体的には、冷媒分配器20の外周側冷媒出口から流出した冷媒と、蒸発器17から流出した冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を追加してもよい。
(4)上述の実施形態では、冷媒としてR134aを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R600a、R1234yf、R410A、R404A、R32、R1234yfxf、R407C等を採用することができる。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
10 エジェクタ式冷凍サイクル
11 圧縮機
12 三方弁(冷媒回路切替部)
13 エジェクタ
14 放熱器
15a 高段側膨張弁(高段側減圧部)
15b 低段側膨張弁(低段側減圧部)
16 気液分離器
17 蒸発器
20 冷媒分配器(分岐部)
21 補助蒸発器

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された吐出冷媒を減圧させるノズル部(13a)から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒吸引口(13c)から冷媒を吸引し、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部(13d)を有するエジェクタ(13)と、
    前記エジェクタから流出した冷媒を放熱させる放熱器(14)と、
    前記放熱器から流出した冷媒を減圧させる高段側減圧部(15a)と、
    前記放熱器から流出した冷媒を減圧させる低段側減圧部(15b)と、
    前記低段側減圧部にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(17)と、を備え、
    前記高段側減圧部にて減圧された冷媒のうち少なくとも一部の気相冷媒が前記冷媒吸引口から吸引されるエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記高段側減圧部にて減圧された冷媒の気液を分離する気液分離部(16)を備え、
    前記気液分離部にて分離された液相冷媒が前記低段側減圧部へ供給され、
    前記気液分離部にて分岐された気相冷媒が前記冷媒吸引口から吸引される請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記放熱器の冷媒出口から流出した冷媒と、前記気液分離部にて分離された気相冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(19)を備える請求項1または2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記高段側減圧部にて減圧された冷媒の流れを分岐する分岐部(20)と、
    前記分岐部の一方の冷媒流出口から流出した冷媒を蒸発させる補助蒸発器(21)と、を備え、
    前記補助蒸発器の冷媒出口には、前記冷媒吸引口側が接続され、
    前記分岐部の他方の冷媒流出口には、前記低段側減圧部の入口側が接続されている請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記冷媒吸引口から冷媒を吸引させる冷媒回路と前記冷媒吸引口から冷媒を吸引させない冷媒回路とを切り替える冷媒回路切替部(12)と、を備える請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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