JP2012220162A - 冷凍サイクル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素などの気体を冷媒として用いた冷凍サイクル装置において、蒸発器での冷媒の比エンタルピ差を増大させ、超臨界冷凍サイクルの冷房や冷蔵および冷凍などの冷却用途での冷凍サイクルの性能や効率を向上させる。
【解決手段】二段圧縮二段膨張方式の超臨界冷凍サイクル装置において、
放熱器1と高段側膨張弁2との間の熱交換器3で、主流11を冷却し、分岐流12を加熱する。加熱後の気相になった分岐流12’と、高段側膨張弁2で減圧した後に気液分離器5内で自己蒸発した冷媒蒸気を、エジェクタ6で吸引して中間圧力まで昇圧して、気液分離器5内の冷媒圧力を中間圧力よりも低下させ、蒸発器1に流入する冷媒の比エンタルピを中間圧力よりも低い圧力での飽和液エンタルピまで低下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超臨界冷凍サイクルの蒸発器での冷凍効果(冷媒の比エンタルピ差)を拡大して、冷房や冷蔵および冷凍などの冷却用途での性能や効率の向上を図る冷凍サイクル方法に関するものである。
冷凍サイクルの冷媒として用いられるHFCなどのフロン冷媒は地球温暖化係数が大きいため、地球温暖化防止の観点から、温暖化係数の小さい代替冷媒を用いた冷凍サイクルの実用化が望まれており、給湯機などの加熱用途では二酸化炭素を利用した冷凍サイクルが実用化されている。
二酸化炭素を冷媒として用いる冷凍サイクルでは、二酸化炭素の臨界圧力が低いために、圧縮後の冷媒が超臨界状態になる。このような超臨界冷凍サイクルを冷却用途に用いる場合、夏季など放熱器での熱源(空気や水など)温度が高い場合には、蒸発器入口の冷媒の比エンタルピが大きくなるため、蒸発器での冷凍効果が低下し成績係数が大幅に低下する(特許文献1)。
このような超臨界冷凍サイクルの冷却用途における蒸発器での冷凍効果を高めるサイクルとして、中間冷却器を有する二段圧縮一段膨張中間冷却サイクルがある(特許文献2)。またその他の冷凍サイクルとして、二段圧縮二段膨張サイクル(非特許文献1)、エジェクタを用いたエジェクタサイクルがある(非特許文献2)。
特公平7−18602号公報 特開2008−249209号公報
日本冷凍空調学会「SIによる上級冷凍受験テキスト」、pp。27−28(2003) 川村ほか、自然冷媒(CO2)ヒートポンプの開発−第2報 エジェクタサイクルの適用−、平成15年度日本冷凍空調学会学術講演会講演論文集、pp。A306−1−4、東京(2003)
前記した二段圧縮一段膨張中間冷却サイクルの中間冷却器では、高段側圧縮機吸入圧力(中間圧力)まで減圧した分岐冷媒の蒸発潜熱によって主流の冷媒を冷却することから、蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピは、中間圧力の飽和液エンタルピまで低下することができないという問題がある。また従来の二段圧縮二段膨張サイクルでは、気液分離器内の冷媒圧力は中間圧力で決定されるため、蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピは、中間圧力の飽和液エンタルピまでしか低下させることができないという問題がある。
また前記したエジェクタを用いたエジェクタサイクルでは、放熱器からの超臨界圧冷媒がノズルで膨張する際に気液二相流となるため、このサイクルでのエジェクタは二相流エジェクタとなり、エジェクタのノズル内での冷媒液滴の摩擦損失が生じる。またエジェクタの吸引部には冷媒蒸気(気相冷媒)が流入するため、エジェクタの混合部ではノズル出口の気液二相冷媒との密度差が大きく混合損失が生じる。これらのことから、この冷凍サイクルでのエジェクタ効率は、気単相流エジェクタ(ノズル出口、吸引流ともに気相)に比べて大幅に低下する。さらに、このエジェクタには、放熱器からの全超臨界冷媒と蒸発器からの全気相冷媒が流入するため、冷凍サイクルの容量増大に伴いエジェクタが大型化し製造コストが増大するため、大容量の冷凍サイクルには適用し難い。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素などの気体を冷媒として用いた冷凍サイクル装置において、中間圧力を維持しながら気液分離器内の冷媒圧力を低下させて蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピを、気液分離器内の冷媒圧力での飽和液エンタルピまで低下させることで、蒸発器での冷媒の比エンタルピ差を増大させ、冷房や冷蔵および冷凍などの冷却用途での超臨界冷凍サイクルの性能や効率を大幅に向上させることを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明の冷凍サイクル方法は、二段圧縮二段膨張方式の超臨界冷凍サイクル装置において、放熱器と高段側膨張弁との間に熱交換器を設け、エジェクタのノズルと熱交換器一次側の出口の冷媒配管を接続し、エジェクタの吸引部と気液分離器の冷媒蒸気配管を接続し、エジェクタの吐出部と高段側圧縮機の吸入冷媒配管を接続し、前記放熱器を出た冷媒を主流と分岐流とに分岐し、前記分岐流を補助膨張弁で減圧した後、前記熱交換器一次側流路を流入させて、前記熱交換器二次側流路に流入した前記主流と熱交換させ、熱交換後の分岐流の気相冷媒を前記エジェクタで膨張し、前記熱交換後の主流は、高段側膨張弁で減圧した後に気液分離器内で自己蒸発させ、当該気液分離器内分離した冷媒蒸気を前記エジェクタで吸引して中間圧力まで昇圧することで、当該中間圧力を維持しながら、前記気液分離器内の冷媒圧力を低下させ、前記蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピを中間圧力よりも低い圧力での飽和液エンタルピまで低下させることを特徴としている。ここで中間圧力は、高段側圧縮機と低段側圧縮機の圧縮動力の合計が最小となる高段側圧縮機吸入圧力で、高段側圧縮機吐出圧力/中間圧力=中間圧力/低段側圧縮機吸込圧力、を満たすものである。
本発明によれば、まず分岐流を補助膨張弁で減圧した後、熱交換器一次側流路を流入させて、当該熱交換器二次側流路に流入した主流と熱交換させることで、当該分岐流は加熱され、気相状態の冷媒として、エジェクタのノズルに送っている。
一方、熱交換後の主流は降温し、高段側膨張弁を減圧した後に気液分離器内で自己蒸発させ、当該気液分離器内で分離した冷媒蒸気を前記エジェクタで吸引して中間圧力まで昇圧するようにしているので、当該中間圧力を維持しながら、気液分離器内の冷媒圧力を低下させることができる。
すなわち、二段圧縮サイクルでは、高段側圧縮機吐出圧力と低段側圧縮機吸込圧力が定まれば、2台の合計の圧縮動力が最小となる中間圧力が決定できるが、従来の二段圧縮二段膨張サイクルでは、中間圧力の最適値=気液分離器内圧力となるため、気液分離器の圧力を低下させて蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピを低下させる(冷凍効果を増大させる)ためには、中間圧力も最適値より低下させる必要が生ずる。
この点本発明では、気液分離器と高段側圧縮機吸込部(=低段側圧縮機吐出部)はエジェクタを介して接続されており、このエジェクタで昇圧させることで、中間圧力を維持したまま、気液分離器の圧力を低下させることができる。したがって圧縮動力を増大させることなく、蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピを低下させる、すなわち冷凍効果を増大させることができる。
その結果、蒸発器での冷媒の比エンタルピ差を増大させ、冷房や冷蔵および冷凍などの冷却用途での超臨界冷凍サイクルの性能や効率を大幅に向上することができる。しかもエジェクタには、いずれも気相冷媒が導入されるので、摩擦損失が少なく、エジェクタ効率も従来のエジェクタを用いた冷凍サイクルよりも向上し、小型化可能である。
前記熱交換器下流であって、かつ前記高段側膨張弁で減圧する前の冷媒の一部を、他の補助膨張弁またはキャピラリーチューブを介して前記高段側圧縮機吸入冷媒配管に導入するようにしてもよい。
また前記高段側圧縮機吸入冷媒の過熱度が1deg以下になるように、前記冷媒の一部の流量を、前記他の補助膨張弁またはキャピラリーチューブを用いて制御するようにすれば、なお好ましい。
さらにまた、前記放熱器出口の冷媒温度と冷媒の蒸発器出口圧力に基づいて、下記の式(1)で得られる圧力になるように、前記エジェクタのノズルに流入する冷媒圧力を、前記補助膨張弁を用いて制御するようにしてもよい。
Pgn−opt=115×Tgc+0.73×Pe+148・・・式(1)
Pgn−opt:分岐流の最適圧力[kPa(abs)]
ここで、Tgc:放熱器出口冷媒温度[℃]
Pe :蒸発圧力[kPa(abs)]である。
本発明によれば、蒸発器での冷媒の比エンタルピ差を増大させ、冷房や冷蔵および冷凍などの冷却用途での超臨界冷凍サイクルの性能や効率を大幅に向上させることができ、またエジェクタ効率も向上している。
実施の形態にかかる冷凍サイクル装置の系統の概略を示す説明図である。 図1の冷凍サイクル装置におけるP−h(圧力−比エンタルピ)線図である。 他の実施の形態にかかる冷凍サイクル装置の系統の概略を示す説明図である。 図3の冷凍サイクル装置におけるP−h(圧力−比エンタルピ)線図である。 エジェクタのノズルに流入する分岐流の最適圧力のシミュレーション結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施の形態について説明すると、図1は、二酸化炭素を冷媒として用いた、実施の形態にかかる冷凍サイクル方法を実施するための装置の配管系統の概略を示し、図2は、この冷凍サイクル装置におけるP−h(圧力−比エンタルピ)線図を示している。図1からもわかるように、この冷凍サイクル装置は、エジェクタを用いて二段圧縮二段膨張サイクルを実施する装置として構成されている。
たとえば空冷や水冷、散水式などの放熱器1と高段側主膨張弁2との間には、熱交換器3が設けられている。放熱器1から流出した冷媒は、熱交換器3の上流側において、主流11と分岐流12とに分流される(点a)。分岐流12は、補助膨張弁4で減圧されて冷却され(点b)、熱交換器3の一次側流路に流入する。主流11は熱交換器3の二次側流路に流入し、補助膨張弁4で減圧されて降温した分岐流12との間で熱交換が行われる。このことで、主流11は冷却され(点c)、分岐流12は加熱される(点d)。この例では、主流11は、熱交換器3において、40℃(放熱器1の出口温度)から、28℃まで冷却される。また熱交換器3は、熱交換器3を出た分岐流12’の比エンタルピが、気相冷媒のエンタルピとなるように設計されている。
熱交換器3において冷却された主流11は、高段側主膨張弁2で減圧されることで自己蒸発し(点e)、さらに気液分離器5内の冷媒圧力での飽和液(点f)と飽和蒸気(点g)に分離される。
一方、熱交換器3において昇温した分岐流12’は、エジェクタ6のノズル6aにおいて、吐出される際に膨張する(点h)。このときエジェクタ6は気液分離器5内の飽和蒸気(点g)を吸引し、ノズル6aで、点hまで膨張した分岐流12’と混合して、高段側圧縮機20の吸入圧力(中間圧力)まで昇圧する(点i)。
また一方、気液分離器5内の点fの飽和液は、低段側主膨張弁8で蒸発圧力(点j)まで減圧されて主流11’となり、冷却負荷(たとえば冷凍庫や冷蔵倉庫に設置されるユニットクーラー)となる蒸発器9に流入して熱交換される。そして熱交換された後、点kとなって蒸発器9から流出する。
蒸発器9から流出した点kの蒸気冷媒は、低段側圧縮機21で中間圧力の点lまで圧縮される。低段側圧縮機21で点lまで圧縮された冷媒は、エジェクタ6で昇圧された点iの冷媒と混合されることで点mの状態となる。点mの冷媒は高段側圧縮機20で、点nまで圧縮された後、放熱器1での熱交換によって冷却されて点aとなる。
実施の形態にかかる冷凍サイクル装置は、以上の系統を有しており、気液分離器5で自己蒸発した冷媒蒸気を、エジェクタ6内で昇圧することで、中間圧力を維持しながら、気液分離器5内の冷媒圧力を低下させることができ、蒸発器9に流入する冷媒の比エンタルピを、中間圧力(点l)よりも低い圧力での飽和液エンタルピまで低下させるため、蒸発器9での冷媒の比エンタルピ差が増大する。したがって、冷房や、冷蔵および冷凍などの冷却用途での超臨界冷凍サイクルの性能や効率を、従来よりも大幅に向上することができる。
表1は、そのことを示しており、計算条件は、冷却能力が10kW、蒸発温度が−10℃、放熱器1の出口温度が40℃、放熱器1の出口圧力が10000kPa(abs)、圧縮効率100%、蒸発器9の出口冷媒過熱度が0deg、エジェクタ効率を60%とした。冷媒は、二酸化炭素を使用した。
Figure 2012220162
これによれば、実施の形態にかかる冷凍サイクル装置の成績係数は、従来の二段圧縮二段膨張サイクル、二段圧縮一段膨張サイクル、単純サイクルよりも、高いことが確かめられた。
ところで、冷蔵や冷凍の用途では、蒸発温度(圧力)が低下することで中間圧力が低下する。したがって、夏季など放熱器1での熱源(空気や水)温度が高い場合は、冷媒の高段側圧縮機20の吐出温度が過度に高くなると、圧縮機の信頼性の低下や冷凍機油の劣化の原因となる。かかる場合には、図3に示したように、冷媒の主流11を、高段側主膨張弁2の上流側で分岐させ、補助膨張弁31を介して、高段側圧縮機20の上流側に流入させるバイパス経路32を設定するとよい。図4は、その場合のP−h(圧力−比エンタルピ)線図を示している。
こうすることで、高段側主膨張弁2の上流側で分岐した分岐流13は、補助膨張弁31によって中間圧力(点q)まで減圧され、点mの冷媒と合流する。このとき分岐流13の蒸発潜熱によって点mの冷媒は点m’まで冷却される。点m’の冷媒は高段側圧縮機20で点nまで圧縮された後、放熱器1での熱交換によって冷却されて、点aとなる。
このように、分岐流13によって高段側圧縮機20の吸入冷媒を冷却することで、冷媒の高段側圧縮機20の吐出温度を低下させることができるので、圧縮機の信頼性低下や冷凍機油の劣化を防止することができる。
そして実施の形態で用いるエジェクタ6は、図2や図4に示した、点d→点h→点iのように、蒸気単相領域のみで利用し、さらに図2や図4の点h(分岐流12’のノズル出口)と、点g(気液分離器5で自己蒸発した冷媒蒸気)の冷媒状態がほぼ等しいため、前述した参考文献4の冷凍サイクルでの二相流エジェクタのような、ノズルでの摩擦損失や混合部での混合損失が極めて小さく、高効率なエジェクタが公知の設計指針に基づいて容易に設計することができる。さらに実施の形態では、エジェクタ6には一部の冷媒(分岐流12’)と気液分離器5で自己蒸発した冷媒蒸気のみが流入するため、エジェクタ6を大型化することなく大容量の冷凍サイクルに適用できる。
前記した実施の形態にかかる冷凍サイクル装置による効果を最大限に発揮するためには、エジェクタ6の性能と、熱交換器3での熱交換効率が最大となるように、補助膨張弁4通過後(エジェクタ6のノズル6a入口)の分岐流12’の圧力を最適に制御する必要がある。
図5に、シミュレーションで得られた放熱器1の出口の冷媒温度と分岐流12’の最適圧力(Pgn−opt)の関係を蒸発温度毎に示す。図5の結果から分岐流12’の最適圧力(Pgn−opt)は次式(1)で求められる。
Pgn−opt=115×Tgc+0.73×Pe+148・・・式(1)
Pgn−opt:分岐流1の最適圧力[kPa(abs)]
ここで、Tgc:放熱器出口冷媒温度[℃]
Pe :蒸発圧力[kPa(abs)]である。
なお前記式(1)は、次のようにして導出している。
・計算仮定
(a)放熱器1、蒸発器9、熱交換器3、冷媒配管での圧力損失は考慮しない。
(b)圧縮効率は計算予条件に依存せず、一定とする。
(c)エジェクタ9の効率は、計算予条件に依存せず、60%で一定とする。
(d)熱交換器3の温度効率は、95%で一定とする。
・サイクル計算
STEP1:計算予条件の設定(冷却能力、蒸発圧力、放熱器1出口の冷媒温度。圧力)
STEP2:分岐流12’(Pgn)の仮定
STEP3:分岐流12’(Pgn)の仮定値によるサイクル収支計算(中間圧力、熱収支、冷媒流量収支)
STEP4:STEP1で設定した冷却能力とSTEP3で計算した圧縮動力(高段側圧縮機20+低段側圧縮機21)から、サイクルのCOP計算
そして、前記STEP2〜STEP4について、準ニュートン法を用いて、サイクルのCOPが最大となる分岐流12’(Pgn)を探索して決定することで、図5の結果を得ている。この図5の結果から、分岐流12’(Pgn)の最適圧力(Pgn−opt)と、放熱器1の出口温度(Tgc)の関係を、最小二乗法を用いて線形近似した結果、次式(1−1)を得た。
Pgn−opt=115×Tgc+C・・・式(1−1)
ここで前記Cについての関数形を検討した結果、Cは、蒸発圧力(Pe)毎に定まることから、Peの関数で表すことにして、蒸発圧力(Pe)と切片Cとの関係について、各蒸発温度(0℃、−10℃、−20℃)毎にプロットし、最小二乗法によってその結果を線形近似すると、次式(1−2)を得た。
C=0.73×Pe+148 ・・・式(1−2)
以上のプロセスを経て得られた前記(1−1)、(1−2)から、次式(1).
Pgn−opt=115×Tgc+0.73×Pe+148
を得ている。したがって、前記の式(1)で得られる圧力になるように、エジェクタ6のノズル6aに流入する冷媒圧力を、補助膨張弁4を用いて制御することで、エジェクタ6の性能と熱交換器3での熱交換効率を最大となるようにすることができる。
エジェクタ6のノズル6a入口の分岐流12’の冷媒圧力Pgn(図1や図3の点10)、放熱器出口冷媒温度Tgc(図1や図3の点d)および蒸発圧力Pe(図1や図3の点k)を検出し、Pgnが式(1)で得られるPgn−optになるように、補助膨張弁4の開度を調節する。このときの分岐流12’の流量は補助膨張弁4前後の圧力差に依存し、また最大流量はエジェクタ6のノズル6aの設計点で決定される。
なお放熱器1での熱源は冷却塔で冷却される冷却水でも良いし、河川水や井水などの未利用の冷熱でも良い。また蒸発器9での冷却対象は、水やブラインとして、水冷や空冷のチラーへの応用も可能である。
[補助膨張弁31による分岐流13の流量制御方法]
前記図3の冷凍サイクル装置において、冷媒の高段側圧縮機20の吐出温度をより低下させるためには、高段側圧縮機20の吸入冷媒を飽和蒸気(図4の点m’)となるように分岐流13の流量を制御することが望ましい。しかしながら、冷媒の温度と圧力は飽和液から飽和蒸気の間で一定であることから、冷媒状態を飽和蒸気で制御することは圧縮機保護(液圧縮防止)の観点から事実上困難である。
そこで図3に示した冷凍サイクル装置では、図3と図4の点m’を事実上可能な過熱度1degの状態になるように分岐流13の流量を制御することとする。つまり、図3と図4の点m’の冷媒の圧力と温度を検出し、検出した冷媒の温度が検出した冷媒圧力の飽和温度+1℃になるように補助膨張弁31の開度を調節するようにすればよい。
なお上記の説明は、補助膨張弁31に電子式を採用することを想定したものであるが、温度式でもよく、この場合には温度式膨張弁の感温筒が点m’の冷媒の圧力と温度の検出手段として代用できる。また補助膨張弁31に代えてキャピラリーチューブを適正に選定して採用することで、点m’の冷媒の圧力と温度を検出すること無く、点m’の冷媒を所定の状態に調節することができる。
[高段側主膨張弁2による主流11の流量制御方法]
図1や図3に示した冷凍サイクル装置において、高段側主膨張弁2で減圧して気液分離器5に流入する主流11を自己蒸発させて液冷媒を気液分離器5内の冷媒圧力の飽和液温度まで冷却するためには、気液分離器5内には常に所定量以上の冷媒液が存在しなければならない。そこで、たとえば高段側主膨張弁2による主流11の流量制御では、気液分離器5内の冷媒液面制御を行うとよい。たとえば、図1や図3の気液分離器5の冷媒液面高さを検出し、検出された冷媒液面高さが常に一定になるように、高段側主膨張弁2の開度を調節するとよい。
[低段側主膨張弁8による主流11’の流量制御方法]
図1や図3の冷凍サイクル装置での低段側主膨張弁8による主流11’の流量制御では、低段側圧縮機21の保護(液圧縮防止)の観点から、冷凍サイクルで一般的に採用される過熱度制御を用いる。つまり点kにおける冷媒の圧力と温度を検出し、検出した冷媒の温度が検出した冷媒圧力の飽和温度+所定値(1〜5deg)になるように補助膨張弁31の開度を調節する。なお上記の説明は、低段側主膨張弁8に電子式を採用することを想定したものであるが、温度式でもよく、この場合には温度式膨張弁の感温筒が点kの冷媒の圧力と温度の検出手段として代用できる。
本発明は、二酸化炭素などを冷媒として用いた冷凍サイクル装置に有用である。
1 放熱器
2 高段側主膨張弁
3 熱交換器
4 補助膨張弁
5 気液分離器
6 エジェクタ
6a ノズル
8 低段側主膨張弁
9 蒸発器
11、11’ 主流
12、12’ 分岐流
20 高段側圧縮機
21 低段側圧縮機
31 補助膨張弁
32 バイパス経路

Claims (4)

  1. 二段圧縮二段膨張方式の超臨界冷凍サイクル装置において、
    放熱器と高段側膨張弁との間に熱交換器を設け、
    エジェクタのノズルと熱交換器一次側の出口の冷媒配管を接続し、
    エジェクタの吸引部と気液分離器の冷媒蒸気配管を接続し、
    エジェクタの吐出部と高段側圧縮機の吸入冷媒配管を接続し、
    前記放熱器を出た冷媒を主流と分岐流とに分岐し
    前記分岐流を補助膨張弁で減圧した後、前記熱交換器一次側流路を流入させて、前記熱交換器二次側流路に流入した前記主流と熱交換させ、熱交換後の分岐流の気相冷媒を前記エジェクタで膨張し、
    前記熱交換後の主流は、高段側膨張弁で減圧した後に気液分離器内で自己蒸発させ、当該気液分離器内分離した冷媒蒸気を前記エジェクタで吸引して中間圧力まで昇圧することで、当該中間圧力を維持しながら、前記気液分離器内の冷媒圧力を低下させ、
    前記蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピを中間圧力よりも低い圧力での飽和液エンタルピまで低下させることを特徴とする、冷凍サイクル方法。
  2. 前記熱交換器下流であって、かつ前記高段側膨張弁で減圧する前の冷媒の一部を、他の補助膨張弁またはキャピラリーチューブを介して前記高段側圧縮機吸入冷媒配管に導入することを特徴とする、請求項1に記載の冷凍サイクル方法。
  3. 前記高段側圧縮機吸入冷媒の過熱度が1deg以下になるように、前記冷媒の一部の流量を、前記他の補助膨張弁またはキャピラリーチューブを用いて制御することを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル方法。
  4. 前記放熱器出口の冷媒温度と冷媒の蒸発器出口圧力に基づいて、下記の式(1)で得られる圧力になるように、前記エジェクタのノズルに流入する冷媒圧力を、前記補助膨張弁を用いて制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍サイクル方法。
    Pgn−opt=115×Tgc+0.73×Pe+148・・・式(1)
    Pgn−opt:分岐流の最適圧力[kPa(abs)]
    ここで、Tgc:放熱器出口冷媒温度[℃]
    Pe :蒸発圧力[kPa(abs)]である。
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