JP2013217602A - 熱源機、冷凍空調装置、制御装置 - Google Patents

熱源機、冷凍空調装置、制御装置 Download PDF

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光晃 松尾
Takashi Umeki
孝 梅木
Jun Mieno
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Abstract

【課題】中間冷却器被冷却側液アプローチをとる冷凍装置において、多段圧縮機の中間室に注入される冷媒によって、圧縮機入力の増加に伴う成績係数COPが低下すること。
【解決手段】低段圧縮機構11及び高段圧縮機構12を有する冷媒圧縮機10と、この圧縮機10で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器20と、この熱交換器20で冷却された冷媒の主流から分岐した冷媒の一部を副流として低段圧縮機構11と高段圧縮機構12との間に注入する第1バイパス配管14と、この第1バイパス配管14に設けられ冷媒の副流を膨張させる膨張弁41と、この膨張弁41で膨張された冷媒の副流を用いて冷媒の主流を冷却する中間冷却器40と、冷媒の主流と膨張弁41により膨張した副流の温度差に応じて膨張弁41の開度を制御するとともに、膨張した副流の過熱度に基づき膨張弁41の開度を制御する制御回路70と、を備えた熱源機100。
【選択図】図1

Description

この発明は熱源機及び冷凍空調装置の弁の制御に関するものである。
成績係数COP向上のため、エコノマイザサイクルを用いた二段圧縮冷凍装置が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−190520号公報(図1)
ここで、中間冷却器用電子膨張弁の開度を、中間冷却器の冷却側冷媒出口ガス温度と圧縮機中間室圧力相当飽和ガス温度の差(以下、中間冷却器冷却側出口過熱度と称す)や中間冷却器の被冷却側冷媒液温度と圧縮機中間室圧力相当飽和液温度の差(以下、中間冷却器被冷却側液アプローチと称す)によって制御することを考えると、以下のような問題がある。
二段圧縮機式冷凍装置は運転圧力範囲が広いため、圧縮機吸込冷媒の密度の変動が大きく、冷凍装置の冷媒質量流量が大きく変動し、中間冷却器を通過する冷媒の質量流量も大きく変動する。このため設計点から外れた運転状態では、中間冷却器の冷却容量が相対的に過大または過小になる。また、中間冷却器冷却側出口過熱度により、中間冷却器用電子膨張弁の開度を制御する場合、中間冷却器の容量が過大であるような運転状態では、中間冷却器の冷媒流量が過大となり、圧縮機入力の増加に伴う成績係数COPの低下を引き起こすという問題がある。また中間冷却器冷却側出口過熱度により電子膨張弁の開度を制御する場合、冷媒流量が大きく変動すると、制御定数の設定が非常に困難であるという問題がある。
一方、中間冷却器被冷却側液アプローチにより電子膨張弁の開度を制御する場合、制御定数の設定は比較的容易であるが、中間冷却器の容量が過小となるような運転状態では、中間冷却器の冷媒流量が過大となり、圧縮機入力の増加に伴う成績係数COPの低下や、圧縮機吐出冷媒ガス温度の低下により油分離器の分離効率が低下して、潤滑油枯渇が発生し圧縮機損傷が起こる可能性があった。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、主たる目的は中間冷却器用膨張弁として用いられる電子式膨張弁やその他の電子式膨張弁を制御し、高効率で圧縮機への液バックを防止できる熱源機及び冷凍装置を得ることである。
この発明に係る熱源機は、圧縮室を有し、低圧の冷媒を高圧に圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器と、この凝縮器で冷却された冷媒の主流から分岐した冷媒の一部を副流として前記圧縮室に注入する第1バイパス配管と、この第1バイパス配管に設けられ前記冷媒の副流を膨張させる第1膨張弁と、この第1膨張弁で膨張された前記冷媒の副流を用いて前記冷媒の主流を冷却する中間冷却器と、前記冷媒の主流と前記第1膨張弁により膨張した副流の温度差又は前記中間冷却器を出て前記圧縮室へ流れる前記副流の過熱度に応じて前記第1膨張弁の開度を制御するとともに、前記膨張した副流の過熱度に応じて前記第1膨張弁の開度を制限する制御手段と、を備えたものである。
また、この発明に係る熱源機は、圧縮室を有し、低圧の冷媒を高圧に圧縮する圧縮機と、この圧縮機から吐出された冷媒から油を分離して前記圧縮機へ返す油分離器と、この油分離器を通過した冷媒を凝縮させる凝縮器と、この凝縮器で冷却された冷媒の主流から分岐した冷媒の一部を副流として前記圧縮室に注入する第2バイパス配管と、この第2バイパス配管に設けられ前記冷媒の副流を膨張させる第2膨張弁と、この第2膨張弁で膨張された前記冷媒の副流を用いて前記油分離器で分離された油を冷却する油冷却器と、この油冷却器で冷却された油の温度又は前記圧縮機が吐出する冷媒ガスの温度に応じて前記第2膨張弁の開度を制御するとともに、前記膨張した副流の過熱度に応じて前記第2膨張弁の開度を 制限する制御手段と、を備えたものである。
また、この発明に係る冷凍空調装置は、上記熱源機と、前記凝縮器により凝縮した冷媒を膨張させる蒸発器用膨張弁と、この蒸発器側膨張弁により膨張した冷媒を蒸発させ前記圧縮機へ流す蒸発器と、を備えたものである。
また、この発明に係る制御装置は、蒸発器に流す冷媒の流量を決める蒸発器用電子膨張弁の制御装置であって、前記蒸発器出口の前記冷媒の過熱度に応じて前記蒸発器用電子膨張弁の開度を制御するとともに、圧縮機に吸込まれる前記冷媒の過熱度に応じて前記蒸発器用電子膨張弁の開度を制限するものである。
この発明による冷凍空調装置、熱源機及び制御装置によれば、冷凍サイクルの運転状態が変化しても、冷媒流量を適切に制御でき、高効率であるとともに液バックを防止できる。
本発明の実施の形態1の冷凍装置の構成図。 本発明の実施の形態1の中間冷却器用電子膨張弁41の制御フロー図。 本発明の実施の形態1の油冷却器用電子膨張弁61の制御フロー図。 本発明の実施の形態1の蒸発器用電子膨張弁51の制御フロー図。 本発明の実施の形態2の中間冷却器用電子膨張弁41の制御フロー図。 本発明の実施の形態3の冷凍装置の構成図。 本発明の実施の形態3の中間室用冷媒噴射弁62の制御フロー図。
実施の形態1.
図1に本発明における実施の形態1の二段式冷凍装置の構成図を示す。
本発明の二段式冷凍装置は、凝縮器30などを有する熱源機100と熱源機100に接続される蒸発器50などから構成されている。そして、熱源機100と蒸発器50とで冷媒回路が形成されている。熱源機100は、冷媒圧縮機10、油分離器20、凝縮器30、中間冷却器40、中間冷却器用電子膨張弁41、油冷却器60、油冷却器用電子膨張弁61、制御回路70を有している。以下にその具体的構成について説明する。
冷媒圧縮機10は、圧縮機中間室13を介して接続された2つの低段圧縮機構11及び高段圧縮機構12を内蔵する二段式圧縮機であり、その吐出配管は油分離器20に接続されている。冷媒圧縮室10の圧縮室は低段圧縮機構11、高段圧縮機構12及び圧縮機中間室13から構成されている。油分離器20で冷媒と油が分離され、冷媒は油分離器20に接続された凝縮器30へ流れ、油は後述する油冷却器60へ流れる。
凝縮器30は、冷媒圧縮機10により圧縮された高温高圧の冷媒ガスを冷却し凝縮させる熱交換器であり、冷媒圧縮機10のガス冷媒と外部から供給される2次冷媒との間で熱交換を行う装置である。2次冷媒の例としては、本冷凍装置を給湯のために用いるケースなどでは、水が用いられる。また、凝縮器30が熱交換する対象は、水に限らず他の冷媒であってもよいし、また、熱交換器とファンとを組み合わせ、ファンから送られる空気と冷媒を熱交換させるものであっても構わない。
凝縮器30の出口側配管には中間冷却器40が接続され、中間冷却器40の出口配管は3本に分岐する。ここで、1本目の配管は中間冷却器用電子膨張弁41を経て中間冷却器40に接続されている。この1本目の配管は中間冷却器用バイパス配管14であり、凝縮器30で凝縮された冷媒の一部を冷媒の副流として冷媒圧縮機10に流すものである。中間冷却器用バイパス配管14は、中間冷却器40から出た後、圧縮機中間室13に接続されている。中間冷却器用バイパス配管14を流れる冷媒は、中間冷却器用電子膨張弁41で膨張され、低温の冷媒となって中間冷却器40に還流する。中間冷却器40は、この低温の還流冷媒(副流)と凝縮器30からの冷媒(主流)との間で熱交換を行うことにより、凝縮器30からの冷媒主流をさらに冷却する機能を有するものである。なお、図1の例では、中間冷却器40の下流側に中間冷却器用バイパス配管14を接続しているが、上流側、すなわち凝縮器30と中間冷却器40との間に中間冷却器用バイパス配管14を接続し、中間冷却器用バイパス配管14を流れる副流と、分岐後の主流とを熱交換するように構成してもよい。
2本目の配管は、油冷却器用バイパス配管15であり、油冷却器用電子膨張弁61を経て油冷却器60に接続されている。油冷却器用バイパス配管15は凝縮器30で凝縮された冷媒の一部を冷媒の副流として油冷却器60を経由して冷媒圧縮機10に流すものである。油冷却器用バイパス配管15は油冷却器60を出た後、中間冷却器40と冷媒圧縮機10の間の中間冷却器用バイパス配管14に接続されている。油冷却器用バイパス配管15を流れる冷媒は、油冷却器用電子膨張弁61で膨張され、低温の冷媒となって油冷却器60へ流れる。油冷却器60では、油冷却器用電子膨張弁61で膨張された低温の冷媒と油分離器20から流れてきた高温の油が熱交換する。油冷却器用バイパス配管15を流れる冷媒は油と熱交換して加熱され、油分離器20から流れてきた油は冷媒と熱交換して冷却される。油冷却器60を出た冷媒は油冷却器用バイパス配管15を流れて中間冷却器用バイパス配管14へ流れた後、冷媒圧縮機10の圧縮機中間室13へ流れる。同様に油冷却器60を出た油も中間冷却器用バイパス配管14、油冷却器用バイパス配管15とは異なる配管を流れて圧縮機中間室13へ流れる。
なお、油冷却器60を出た冷媒の温度を測定する温度センサ75が油冷却器用バイパス配管15に設けられている。
なお、本実施の形態1では、油冷却器60を出た油冷却器用バイパス配管15が中間冷却器用バイパス配管14と中間冷却器40と圧縮機中間室13の間で合流している構成について説明するが、油冷却器用バイパス配管15と中間冷却器用バイパス配管14を合流させずにそれぞれ別々に圧縮機中間室13に接続させてもよい。
3本目の配管は冷媒の主流を流す主配管であり、蒸発器用電子膨張弁51を経て蒸発器50と接続される。蒸発器用電子膨張弁51は冷媒の主流を膨張させ低圧低温にして蒸発器50へ流す。この蒸発器用電子膨張弁51は、負荷に応じて開度を調節できる電子膨張弁を用いることができ、例えば、冷媒圧縮機10の吸入過熱度が所定の値(若しくは範囲)になるように開度が調整される(過熱度制御)。なお、開度制御は他の制御方法を採用することもできるし、開度が固定の絞り装置を用いることもできる。
蒸発器50の出口は冷媒圧縮機10の吸込口に接続されている。蒸発器50は、蒸発器用電子膨張弁51で膨張された冷媒と空気若しくは他の2次冷媒とを熱交換し、空気若しくは他の2次冷媒を冷却する(1次冷媒を加熱する)熱交換器である。例えば、空気を用いて熱交換を行う場合には、ファンとフィンを有する熱交換器を用いることができ、また、水と熱交換を行うシステムの場合には、プレート熱交換器等を用いることが可能である。
制御回路70(制御手段)は、マイクロコンピュータを有する制御基板で各種センサ71〜78の検出値に基づき、膨張弁41、51、61の開度を制御するものである。なお、本実施の形態1では制御回路70は蒸発器用電子膨張弁51を制御するものとして説明するが、蒸発器用電子膨張弁51の制御は熱源機100の外部に設けられた制御部が行っても良い。
温度センサ71は、冷媒圧縮機10から吐出される冷媒ガスの温度を検出する温度センサであり、冷媒圧縮機10と油分離器20を接続する吐出配管に設置されている。
温度センサ72は、中間冷却器40を出た冷媒の温度を検出する。
温度センサ73は、中間冷却器用電子膨張弁41の出口側配管に設けられた温度センサであり、圧縮機中間室圧力相当飽和液温度を検出するために用いられ、中間冷却器用電子膨張弁41を出た冷媒の温度を測定する。なお、いうまでもなく温度センサ73の代わりに圧力センサ76を用いて検出圧力から飽和温度を計算するようにしても構わない。
温度センサ74は、中間冷却器40から出た中間冷却器用バイパス配管14の冷媒の温度を検出するセンサであり、中間冷却器40と圧縮機中間室13を接続する配管に設置されている。
温度センサ75は、油冷却器60を出た冷媒の温度を検出する。
圧力センサ76は、圧縮機中間室13に設置され、圧縮機中間室13の圧力を検出する。中間冷却器用バイパス配管14の中間冷却器40出口の冷媒の圧力及び油冷却器用バイパス配管15の油冷却器60出口の冷媒の圧力と圧縮機中間室13の圧力はほぼ同一になっているので、圧力センサ76が圧縮機中間室13の圧力を検出することで、中間冷却器40出口の冷媒の圧力及び油冷却器60出口の冷媒の圧力を検出することができる。
温度センサ77は、油冷却器60を出て圧縮機中間室13へ流れる油の温度を測定する。
温度センサ78は、蒸発器50から低段圧縮機構11へ流れる圧縮機吸込口直前の冷媒の温度を測定する。
圧力センサ79は、蒸発器50から低段圧縮機構11へ流れる圧縮機吸込口直前の冷媒の圧力を測定する。
温度センサ80aは、蒸発器50を出て冷媒圧縮機10へ流れる冷媒の蒸発器50出口直後の温度を測定する。
圧力センサ80bは、蒸発器50を出て冷媒圧縮機10へ流れる冷媒の蒸発器50出口直後の圧力を測定する。
上記センサの検出値を用いて、次の過熱度やアプローチを演算することができる。
中間冷却器冷却側出口過熱度(中間冷却器40を出て圧縮機中間室13へ流れる冷媒の過熱度)は、(温度センサ74の検出値)−(温度センサ73の検出値)或いは(温度センサ74の検出値)−(圧力センサ76の検出値に相当する飽和温度)から演算することができる。
中間冷却器被冷却側液アプローチは、(温度センサ72の検出値)−(温度センサ73の検出値)から演算することができる。
油冷却器冷却側出口過熱度(油冷却器60を出て圧縮機中間室13へ流れる冷媒の過熱度)は、(温度センサ75の検出値)−(圧力センサ76の検出値に相当する飽和温度)から演算することができる。
蒸発器出口過熱度(蒸発器50を出て冷媒圧縮機10へ流れる冷媒の過熱度)は、(温度センサ80aの検出値)−(圧力センサ80bの検出値に相当する飽和温度)から演算することができる。
圧縮機吸入過熱度(冷媒圧縮機10に吸入される冷媒の過熱度)は、(温度センサ78の検出値)−(圧力センサ79の検出値に相当する飽和温度)から演算することができる。
なお、制御装置70に使用する冷媒に対応する圧力と温度の換算データが予め記憶されており、圧力センサ76、79、80bの検出値をこのデータに照合することにより圧力値に相当する飽和温度を求めることができる。
なお、冷凍装置は、負荷側装置(蒸発器50)と、この負荷側装置に冷熱を供給する熱源機100とに分かれる。蒸発器用電子膨張弁51は負荷側装置に組み込まれることが多いが、熱源機側に設けることも可能である。負荷側装置は、冷凍/冷蔵倉庫、空調設備などの用途に応じて様々な装置が選択され、熱源機100に接続される。
図2を用いて、以下に本実施の形態1の中間冷却器用電子膨張弁41の動作を説明する。図2に制御回路70による中間冷却器用電子膨張弁41の制御フローを示す。
冷凍装置の運転中、制御回路70は、各種センサ72〜74、76の検出値を読み取り、この検出値に基づいて中間冷却器用電子膨張弁41の開度を調整する。まず、制御回路70は、中間冷却器用電子膨張弁41の中間冷却器の被冷却側液温度と圧縮機中間室圧力相当飽和液温度を各配管に接続された温度センサ72、73から読み取り、これら検出温度の差(アプローチ)を算出する。なお、ここで中間冷却器被冷却側液アプローチにおける温度差とは(温度センサ72の検出値)−(温度センサ73の検出値)を意味するものとする。
制御回路70は、中間冷却器被冷却側液アプローチにおける温度差と目標域とを比較する(ステップS1)。
ステップS1で温度差が目標域より大きい場合には、ステップS2に移る。ステップS2では、現在の冷凍サイクルの状態が中間冷却器用電子膨張弁41の開度制御の開始条件に合致しているかを判断する(ステップS2)。具体的には制御回路70は、中間冷却器冷却側出口過熱度を温度センサ73検出値または圧力センサ76の検出値に相当する飽和温度及び温度センサ74の検出値から計算し(検出温度と検出圧力相当飽和温度との差)、この過熱度が予め設定された過熱度(開度アップ禁止過熱度、例えば10℃)以上の場合(ステップS2でNo)には、冷却量を上げるために中間冷却器用電子膨張弁41の開度を大きくする制御を行う(ステップS4)。
また、過熱度が開度アップ禁止過熱度より小さい(未満の)場合(ステップS2でYes)には、制御回路70は、冷媒圧縮機10の圧縮機中間室13に流入する冷媒量を抑制し、多量の冷媒が流入することによって冷媒圧縮機10の入力負荷が過大にならないように中間冷却器用電子膨張弁41を制御する(ステップS3、S5、S6)。まず、制御回路70は、計測した過熱度が予め定められた過熱度(開度ダウン開始過熱度、例えば5℃)より大きいかを判断する(ステップS3)。中間冷却器冷却側出口過熱度が開度ダウン開始過熱度以上の場合(ステップS3でNo)、制御回路70は液アプローチが目標域より大きいにも係わらず中間冷却器用電子膨張弁41の開度の増大を抑え、現状の開度を維持する(ステップS5)。一方、測定した過熱度が開度ダウン開始過熱度より小さい場合(ステップS3でYes)には、制御回路70は中間冷却器用電子膨張弁41の開度を現在の開度より小さくする制御を行う(ステップS6)。
また、ステップS1で温度差が目標域内である場合には、ステップS2でYesの場合と同様にステップS3に移行して上述した制御を行う(ステップS3、S5、S6)。
ステップS1で、この中間冷却器被冷却側液アプローチにおける温度差が目標域より小さい場合、制御回路70は、中間冷却器用電子膨張弁41に対して開度を小さくする制御信号を送信し、中間冷却器用電子膨張弁41の開度を現在の開度より小さく制御する(ステップS6)。例えば、中間冷却器用電子膨張弁41がステッピングモータで駆動されるタイプのものである場合には、この制御信号は調整開度に応じた回数のパルス信号である。中間冷却器用電子膨張弁41の開度が絞られると、中間冷却器40の冷却側(分流側)に流れる冷媒の量が減るため、中間冷却器40での冷却量を低下させることができ、中間冷却器被冷却側液アプローチにおける温度差を大きくできる。
そして、ステップS4,5,6の開度処理が終了すると、再びステップS1に戻り、同様の処理を繰り返す。
なお、本実施の形態においては、中間冷却器用電子膨張弁41の制御として中間冷却器冷却側液アプローチが一定(ステップS1)となるように制御する場合ついて説明したが、中間冷却器冷却側液アプローチに代えて中間冷却器冷却側出口過熱度が一定となるように制御してもよい。その場合、図2の制御フローのステップS1で中間冷却器冷却側出口過熱度が目標域より小さいか、目標域内か或いは大きいかについて判定する。その際、温度センサ73、74の検出値を用いて中間冷却器40から出た中間冷却器用バイパス配管14の冷媒の過熱度を演算する。
以上のように図2の制御フローでは、中間冷却器被冷却側液アプローチによる中間冷却器用電子膨張弁41の開度制御中に、中間冷却器出口過熱度が事前に設定された値未満になると、中間冷却器用電子膨張弁41の開度アップを禁止して中間冷却器冷媒流量の増加を防止、又は開度ダウンして中間冷却器冷媒流量を減少させる。すなわち、中間冷却器の冷却側配管に流入する冷媒量を、中間冷却器の出口過熱度に基づいて制御することにより、成績係数COPの向上を図ることができる。特に、圧縮機の中間室への入力が過大になるような状況では、積極的に中間冷却器用電子膨張弁41の開度を絞り、同条件での成績係数を効果的に向上させることができる。
さらに、中間冷却器被冷却側液アプローチ若しくは冷媒圧縮機10の吐出冷媒ガス温度が予め定めた目標域より大きい場合であっても、ステップS2で中間冷却器冷却側出口過熱度が開度アップ禁止過熱度未満である場合は、ステップS3を経由してステップS5及びステップS6で中間冷却器用電子膨張弁41の開度を維持若しくはダウンする(制限する)ので、冷媒圧縮機10への液バックを防止することができる。
また、本実施の形態では、目標とする中間冷却器冷却側液アプローチで運転すると、中間冷却器冷却側出口過熱度が0℃となるような中間冷却器容量が過小となる運転条件においても、中間冷却器冷却側出口過熱度を一定値以上に保つことが出来るので、圧縮機吐出冷媒ガス温度の急低下による油枯渇を防止することが出来る。目標とする中間冷却器冷却側液アプローチは、0〜上限温度(例えば、9℃)によって定められる温度域であり、その幅(不感帯)は開度調整の頻度が過剰にならないように、適度の幅が設定される。
次に図3を用いて、以下に本実施の形態の油冷却器用膨張弁61の動作を説明する。図3に制御回路70による油冷却器用膨張弁61の制御フローを示す。
冷凍装置の運転中、制御回路70は、各種センサ71、77、75、76の検出値を読み取り、この検出値に基づいて油冷却器用膨張弁61の開度を調整する。まず、制御回路70は、温度センサ77から油冷却器60を出て冷媒圧縮機10に供給される油の温度を検出し、この油の温度が予め定めた目標域内か、或いはそれより小さいか、大きいかを判定する(ステップS1a)。
ステップS1aで冷媒圧縮機10に供給される油の温度が目標域より大きい場合には、ステップS2aに移る。ステップS2aでは、現在の冷凍サイクルの状態が油冷却器用膨張弁61の開度制御の開始条件に合致しているかを判断する(ステップS2a)。具体的には制御回路70は、油冷却器冷却側出口過熱度を温度センサ75、圧力センサ76の検出値から計算し(検出温度と検出圧力相当飽和温度との差)、この過熱度が予め設定された過熱度(開度アップ禁止過熱度、例えば10℃)以上の場合(ステップS2aでNo)には、冷却量を上げるために油冷却器用膨張弁61の開度を大きくする制御を行う(ステップS4a)。
油冷却器冷却側出口過熱度が開度アップ禁止過熱度より小さい場合(ステップS2aでYes)、制御回路70は、冷媒圧縮機10の圧縮機中間室13に流入する冷媒量を抑制し、多量の冷媒が流入することによって冷媒圧縮機10の入力負荷が過大にならないように油冷却器用膨張弁61を制御する(ステップS3a、S5a、S6a)。まず、制御回路70は、計測した過熱度が予め定められた過熱度(開度ダウン開始過熱度、例えば5℃)より大きいかを判断する(ステップS3a)。油冷却器冷却側出口過熱度が開度ダウン開始過熱度以上の場合(ステップS3aでNo)、制御回路70は冷媒圧縮機10に供給される油の温度が目標域より大きいにも係わらず油冷却器用膨張弁61の開度の増大を抑え、現状の開度を維持する(ステップS5a)。一方、測定した過熱度が開度ダウン開始過熱度より小さい場合(ステップS3aでYes)には、制御回路70は油冷却器用膨張弁61の開度を現在の開度より小さくする制御を行う(ステップS6a)。
また、ステップ1aで冷媒圧縮機10に供給される油の温度が目標域内である場合、ステップS2aでYesの場合と同様にステップS3aに移行して上述した制御を行う(ステップS3a、S5a、S6a)。
ステップ1aで冷媒圧縮機10に供給される油の温度が目標域より小さい場合、制御回路70は、油冷却器用膨張弁61に対して開度を小さくする制御信号を送信し、油冷却器用膨張弁61の開度を現在の開度より小さく制御する(ステップS6a)。例えば、油冷却器用電子膨張弁61がステッピングモータで駆動されるタイプのものである場合には、この制御信号は調整開度に応じた回数のパルス信号である。油冷却器用膨張弁61の開度が絞られると、油冷却器60の冷却側(分流側)に流れる冷媒の量が減るため、油冷却器60での冷却量を低下させることができ、冷媒圧縮機10に供給される油の温度を上げることができる。
そして、ステップS4a、5a、6aの開度処理が終了すると、再びステップS1aに戻り、同様の処理を繰り返す。
以上のように図3の制御フローでは、油冷却器用膨張弁61の開度制御中に、油冷却器冷却側出口過熱度が事前に設定された値未満になると、油冷却器用膨張弁61の開度アップを禁止して油冷却器冷媒流量の増加を防止、又は開度ダウンして油冷却器冷媒流量を減少させる。すなわち、油冷却器の冷却側配管に流入する冷媒量を、油冷却器の出口過熱度に基づいて制御することにより、成績係数COPの向上を図ることができる。特に、圧縮機の中間室への入力が過大になるような状況では、積極的に油冷却器用膨張弁61の開度を絞り、同条件での成績係数を効果的に向上させることができる。
さらに、圧縮機給油温度若しくは冷媒圧縮機10の吐出冷媒ガス温度が予め定めた目標域より大きい場合であっても、ステップS2aで油冷却器側出口過熱度が開度アップ禁止過熱度未満である場合は、ステップS3aを経由してステップS5a及びステップS6aで油冷却器用電子膨張弁61の開度を維持若しくはダウンする(開度を制限する)ので、冷媒圧縮機10への液バックを防止することができる。
また、本実施の形態では、油冷却器冷却側出口過熱度が0℃となるような油冷却器容量が過小となる運転条件においても、油冷却器冷却側出口過熱度を一定値以上に保つことが出来るので、圧縮機吐出冷媒ガス温度の急低下による油枯渇を防止することが出来る。目標とする給油温度は、例えば40℃〜60℃程度の値に選ばれ、その幅(不感帯)は開度調整の頻度が過剰にならないように、適度の幅が設定される。
なお、図3の制御フローでは、油冷却器用電子膨張弁61の制御として圧縮機給油温度が一定となるように制御(ステップS1a)する場合について説明したが、圧縮機給油温度に代えて冷凍圧縮機10の吐出冷媒ガス温度が一定となるように制御してもよい。その場合、図3のステップS1aで冷凍圧縮機10の吐出冷媒ガス温度が目標域より小さいか、目標域内か或いは大きいかについて判定する。その際、温度センサ71を用いて冷媒圧縮機10から吐出される冷媒ガスの温度を検出する。
次に図4を用いて、蒸発器用電子膨張弁51の動作を説明する。図4に制御回路70による蒸発器用電子膨張弁51の制御フローを示す。
冷凍装置の運転中、制御回路70は、各種センサ78、79、80a、80bの検出値を読み取り、この検出値に基づいて蒸発器用電子膨張弁51の開度を調整する。まず、制御回路70は、温度センサ80a、圧力センサ80bから蒸発器出口過熱度、すなわち低段圧縮機構11へ流れる冷媒の過熱度を算出し、制御回路70は、蒸発器出口過熱度と目標域とを比較する(ステップS1b)。なお、蒸発器出口過熱度の目標域は、例えば5℃〜10℃に予め設定しておく。
ステップS1bで蒸発器出口過熱度が目標域より大きい場合には、ステップS2bに移る。ステップS2bでは、現在の冷凍サイクルの状態が蒸発器用電子膨張弁51の開度制御の開始条件に合致しているかを判断する(ステップS2b)。具体的には制御回路70は、圧縮機吸込過熱度を温度センサ78、圧力センサ79の検出値から演算し、この過熱度が予め設定された過熱度(開度アップ禁止過熱度、例えば10℃)以上の場合(ステップS2bでNo)には、冷媒の流量を増やして過熱度を下げるために蒸発器用電子膨張弁51の開度を大きくする制御を行う(ステップS4b)。
圧縮機吸込過熱度が開度アップ禁止過熱度より小さい場合(ステップS2bでYes)には、制御回路70は、冷媒圧縮機10の低段圧縮機構11に流入する冷媒量を抑制し、多量の冷媒が流入することによって冷媒圧縮機10の入力負荷が過大にならないように蒸発器用電子膨張弁51を制御する(ステップS3b、S5b、S6b)。まず、制御回路70は、計測した過熱度が予め定められた過熱度(開度ダウン開始過熱度、例えば5℃)以上かどうかを判断する(ステップS3b)。圧縮機吸込過熱度が開度ダウン開始過熱度以上の場合(ステップS3bでNo)、制御回路70は蒸発器出口過熱度が目標域より大きいにも係わらず蒸発器用電子膨張弁51の開度の増大を抑え、現状の開度を維持する(ステップS5b)。一方、圧縮機吸込過熱度が開度ダウン開始過熱度より小さい場合(ステップS3bでYes)には、制御回路70は蒸発器用電子膨張弁51の開度を現在の開度より小さくする制御を行う(ステップS6b)。
ステップS1bで蒸発器出口過熱度が目標域内である場合には、ステップS2bでYesの場合と同様にステップS3bに移行して上述した制御を行う(ステップS3b、S5b、S6b)。
この蒸発器出口過熱度が目標域より小さい場合、制御回路70は、蒸発器用電子膨張弁51に対して開度を小さくする制御信号を送信し、蒸発器用電子膨張弁51の開度を現在の開度より小さく制御する(ステップS6b)。例えば、蒸発器用電子膨張弁51がステッピングモータで駆動されるタイプのものである場合には、この制御信号は調整開度に応じた回数のパルス信号である。蒸発器用電子膨張弁51の開度が絞られると蒸発器50へ流れる冷媒の量が減るため、蒸発器出口過熱度を上げることができる。
そして、ステップS4b、5b、6bの開度処理が終了すると、再びステップS1bに戻り、同様の処理を繰り返す。
以上のように図4の制御フローでは、蒸発器出口過熱度が予め定めた目標域より大きい場合であっても、ステップS2bで圧縮機吸入過熱度が開度アップ禁止過熱度未満である場合は、ステップS3bを経由してステップS5b及びステップS6bで蒸発器用電子膨張弁51の開度を維持若しくはダウンする(開度を制限する)ので、冷媒圧縮機10への液バックを防止することができる。
通常、蒸発器50に冷媒を多く流すと蒸発器50での熱交換効率が向上する。しかし、蒸発器50に冷媒を多量に流しすぎると冷媒圧縮機10への液バックが生じてしまう。そこで、図4の制御フローを適用することにより、冷媒圧縮機10への液バックを防ぎつつ蒸発器50へ冷媒を多く流すことができ、成績係数COPの向上を図ることができる。
なお、図2、3、4の制御フローにおいて開度ダウン開始過熱度は、開度アップ禁止過熱度より低く設定することが望ましい。また、中間冷却器出口冷媒に液滴が混じり始めると成績係数COPが低下し始めるので、開度アップ禁止過熱度は、5〜10℃以上とすることが望ましい。
なお、図4の制御フローでは、ステップS2b及びステップ3bの判断にて圧縮機吸込過熱度を温度センサ78、圧力センサ79を用いて演算する方法について説明したが、ステップS2b及びステップ3bの圧縮機吸込過熱度を蒸発器出口過熱度から予想する構成でもよい。この場合、制御回路70は、圧縮機吸込過熱度と蒸発器出口過熱度を関連つけたデータを記憶しており、制御回路70は、温度センサ80a、圧力センサ80bの検出値のみで蒸発器用電子膨張弁51を制御することができる。そうすると、蒸発器用電子膨張弁51を制御するための制御回路70は、熱源機100に内蔵されものではなく、温度センサ80a、圧力センサ80bと同様に熱源機100の外部に設置されるものでもよい。
本実施の形態は、二段圧縮式冷凍装置の例を示したが、エコノマイザ回路を有するその他の冷凍装置、例えば単段圧縮式冷凍装置、三段以上の圧縮を行う圧縮式冷凍装置に用いても良い。
実施の形態2.
本実施の形態2は、実施の形態1の中間冷却器用電子膨張弁41の制御に、圧縮機吐出冷媒ガス温度が事前に設定した値以上になると開度制限の開始条件を変更し、開度アップ禁止過熱度及び開度ダウン開始過熱度をより低い温度に設定変更する制御を追加したものである。図5にその制御フローを示す。図5において、図2の制御フローにステップS7、8を追加したものであり、図2と同一の符号は同一又は相当の処理を表しており、以下、異なる処理を中心に説明する。
制御回路70は、ステップS1で計測した温度差が目標域より大きいと判断すると、冷媒圧縮機10の吐出管に設けられた温度センサ71から圧縮機吐出冷媒ガス温度を読み込み、圧縮機吐出冷媒ガス温度と予め定められた設定温度の大小関係を比較する(ステップS7)。ステップS7で、圧縮機吐出冷媒ガス温度が設定温度以上である場合(ステップS7でYes)、制御回路70は開度アップ禁止過熱度及び開度ダウン開始過熱度を現在の設定値から所定温度(例えば1℃)下げる処理を行う(ステップS8)。その後、ステップS4へ移行する。一方、圧縮機吐出冷媒ガス温度が予め定められた設定温度以上ではない場合(ステップS7でNo)は、制御回路70は現状の設定値を変更せずそのままにしてステップS4へ移行する。そして、実施の形態1でも説明したように、制御回路70は中間冷却器冷媒側出口過熱度に基づく、中間冷却器用電子膨張弁41の開度制御を行う(ステップS2〜6)。
このように、制御回路70は開度アップ禁止過熱度及び開度ダウン開始過熱度を吐出冷媒ガス温度に基づいて変更することにより、圧縮機吐出冷媒ガス温度過熱時に、中間冷却器40から供給される冷媒ガス温度を低下させ圧縮機吐出冷媒ガス温度を下げることができる。ここで、吐出冷媒ガス温度を下げることだけが目的であるならば、冷媒圧縮機10の運転周波数制御や蒸発用膨張弁51の開度調整により行うこともできる。しかし、蒸発器用電子膨張弁51で調整する場合は、その下流にある蒸発器50の負荷の影響を受け、さらに、調整された冷媒は低段圧縮機構11及び高段圧縮機構12を通過する必要があるのでより間接的な吐出冷媒ガス温度制御を行わざるを得ない。これに対し、本実施の形態2では、低段圧縮機構11,高段圧縮機構12の中間に供給する冷媒を制御するため、吐出冷媒ガス温度の制御をより直接的に行うことができ、かつ、圧縮機中間室13への過大な冷媒流入を効果的に抑制できるという効果を両立できる。
なお、中間冷却器冷却側出口冷媒が飽和液状態となり、圧縮機吐出冷媒ガス温度が急低下するのを防ぐため、温度センサの測定誤差等を考慮して、開度ダウン開始過熱度は例えば、5℃以上とすることが望ましい。
なお、図5の制御フローでは、図2の制御フローと同様に、中間冷却器用電子膨張弁41の制御として中間冷却器冷却側液アプローチが一定(ステップS1)となるように制御する場合について説明したが、中間冷却器冷却側液アプローチに代えて中間冷却器出口過熱度が一定となるように制御してもよい。その場合、図5の制御フローのステップS1で中間冷却器冷却側出口過熱度が目標域より小さいか、目標域内か或いは大きいかについて判定する。その際、温度センサ73、74の検出値を用いて中間冷却器40から出た中間冷却器用バイパス配管14の冷媒の過熱度を演算する。
なお、図5のステップS7、8の工程を図4の制御フローに組み込むこともできる。その場合、ステップS1bで計測した蒸発器出口過熱度が目標域より大きいと判断すると、冷媒圧縮機10の吐出管に設けられた温度センサ71から圧縮機吐出冷媒ガス温度を読み込み、圧縮機吐出冷媒ガス温度と予め定められた設定温度の大小関係を比較する(ステップS7)。ステップS7で、圧縮機吐出冷媒ガス温度が設定温度以上である場合(ステップS7でYes)、制御回路70は開度アップ禁止過熱度及び開度ダウン開始過熱度を現在の設定値から所定温度(例えば1℃)下げる処理を行う(ステップS8)。ステップS7でNo判定或いはステップS8の後にステップS4bに移行する。
実施の形態3.
本実施の形態3は、実施の形態2の中間冷却器用電子膨張弁41の制御に、圧縮機中間室冷媒噴射の制御を追加したものである。図6に本実施の形態の冷凍装置の構成図を示す。図7に制御フローを示す。図6及び7において、図1〜5と同一の符号は同一又は相当の部分を表している。以下、実施の形態1及び2と異なる点を中心に説明する。
この冷凍装置は、圧縮機中間室13と中間冷却器40の下流側で蒸発器用電子膨張弁51の上流側の間に接続された冷媒噴射用バイパス配管バイパス配管16に中間室用冷媒噴射弁62を備えたものである。中間室用冷媒噴射弁62は、中間冷却器40によって冷却された冷媒の一部を冷媒圧縮機10の圧縮機中間室13に供給することが可能に設けられており、制御回路70によって開閉制御されるものである。
次に動作を説明する。図7において、ステップS21の処理は、図5のステップS1、S2、S3、S7、S8の処理に相当し、接続点P1〜P4は図5の接続点P1〜P4に相当するものである。すなわち、制御回路70は、実施の形態2で説明したように中間冷却器冷却側出口過熱度(及び/若しくは圧縮機吐出冷媒ガス温度)に基づいて、中間冷却器用電子膨張弁41の開度をどのように制御するかを決定し(ステップS21)、開度アップ(ステップS4)、開度維持(ステップS5)、開度ダウン(ステップS6)のいずれかの制御を行う。
ここで、開度維持(ステップS5)または開度ダウン(ステップS6)の制御が行われた場合には、制御回路70は温度センサ71から(再度)圧縮機吐出冷媒ガス温度を検知し、圧縮機吐出冷媒ガス温度が所定の設定温度以上であるかを調べる(ステップS22)。圧縮機吐出冷媒ガス温度が所定温度より低いと判断した場合(ステップS22でNo)には、中間室用冷媒噴射弁62を閉とし(ステップS23)、設定温度以上と判断したとき(ステップS22でYes)は、中間室用冷媒噴射弁62を開とする制御信号を送信する(ステップS24)。この制御信号を受けた中間室用冷媒噴射弁62は、中間冷却器40で冷却されて温度が下がった冷媒を圧縮機中間室13へ噴射するため、冷媒圧縮機10の吐出冷媒ガス温度を下げることができる。
圧縮機吸込冷媒の過熱度が高い場合は、中間冷却器冷却側出口過熱度が中間冷却器用電子膨張弁41の開度維持または開度ダウンとなる運転状態でも、圧縮機吐出冷媒ガス温度が過熱してしまうことがある。
このような場合でも、本実施の形態3では、圧縮機中間室13へ冷媒を噴射して圧縮機吐出冷媒ガス温度を下げ、圧縮機損傷を防止することができる。また、圧縮機吐出冷媒ガス温度の過熱時のみ中間室用冷媒噴射弁62により圧縮機中間室13に冷媒噴射するので、圧縮機吐出冷媒ガス温度の過度の低下を防止し、また冷媒循環量増大による圧縮機入力増大を防止して成績係数COPの低下を防止することが出来る。
なお、本実施の形態では、中間室用冷媒噴射弁62を用いて圧縮機中間室13に冷媒を供給したが、電磁弁とキャピラリチューブの組み合わせたもののようにその他の手段を用いても良い。
また、本実施の形態では、中間室用冷媒噴射弁62により冷媒噴射流量が決まるが、冷媒噴射流量の調整にはキャピラリチューブ、オリフィス、膨張弁等を用いた流量調整手段や、これらの冷媒供給系統を複数有し、電磁弁により切換を行う流量調整手段や、その他の手段を組み合わせて用いても良い。
本実施の形態では、圧縮機中間室13に冷媒を供給したが、高段圧縮機構12内に冷媒を供給しても良い。
また、本実施の形態3の他の制御例として、圧縮機中間室13への冷媒噴射を開始する条件を下記条件が全て成立した場合としても良い。
(1)冷媒圧縮機10が運転中である。
(2)圧縮機吸込圧力が事前に設定した値(例えば0.15MPa)未満である。
(3)圧縮機吐出冷媒ガス温度が事前に設定した値(例えば85℃)以上である。
さらに、圧縮機中間室13への冷媒噴射を終了する条件を下記条件がいずれかが成立した場合としても良い。
(1)冷媒圧縮機10が停止中である。
(2)圧縮機吸込圧力が事前に設定した値(例えば0.15MPa)以上である。
(3)圧縮機吐出冷媒ガス温度が事前に設定した値(例えば75℃)未満である。
圧縮機吐出冷媒ガスの圧力が圧縮機中間室圧力より低い場合は、中間室用冷媒噴射弁62による圧縮機過熱防止制御は実施しないこととしても良い。圧縮機中間室13より接続されている配管系統内へ冷媒が逆流するのを防止するためや、圧縮機焼損を防止するためである。
なお、上述した本実施の形態では中間冷却器用バイパス配管14及び油冷却器用バイパス配管15を圧縮機中間室13へ接続する構成について説明したが、単段圧縮式冷凍装置、特に単段のスクリュー圧縮機する冷凍装置に本発明を適用する場合、中間冷却器用バイパス配管14及び油冷却器用バイパス配管15をスクリュー圧縮機のスクリュー圧縮部に直接接続する構成とする。また、本発明は、3段以上の圧縮機にも適用できる。
なお、本発明は、冷凍装置に限らず、電子膨張弁を搭載する冷凍空調装置にも同様に適用可能である。本発明でいう冷凍空調装置とは、冷凍装置であってもよいし空調装置であっても良い。
また、本実施の形態1〜3では、減圧手段として電子膨張弁を用いたが、エゼクタや膨張機等のその他の減圧手段を用いても良い。
実施の形態1から実施の形態3の内、二つ以上を組み合わせても良い。
この発明による冷凍装置は、中間冷却器を有する高効率の冷凍装置に利用することが可能である。
10 冷凍圧縮機、 11 低段圧縮機構、 12 高段圧縮機構、 13 圧縮機中間室、 14 中間冷却器用バイパス配管、 15 油冷却器用バイパス配管、 16 冷媒噴射用バイパス配管、 20 油分離器、 30 凝縮器、 40 中間冷却器、41 中間冷却器用膨張弁、50 蒸発器、51 蒸発器用電子膨張弁、
60 油冷却器、 61 油冷却器用電子膨張弁、 62 中間室用冷媒噴射弁、 71〜78 センサ、 100 熱源機。

Claims (14)

  1. 圧縮室を有し、低圧の冷媒を高圧に圧縮する圧縮機と、
    この圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器と、
    この凝縮器で冷却された冷媒の主流から分岐した冷媒の一部を副流として前記圧縮室に注入する第1バイパス配管と、
    この第1バイパス配管に設けられ前記冷媒の副流を膨張させる第1膨張弁と、
    この第1膨張弁で膨張された前記冷媒の副流を用いて前記冷媒の主流を冷却する中間冷却器と、
    前記冷媒の主流と前記第1膨張弁により膨張した副流の温度差又は前記中間冷却器を出て前記圧縮室へ流れる前記副流の過熱度に応じて前記第1膨張弁の開度を制御するとともに、前記膨張した副流の過熱度に応じて前記第1膨張弁の開度を制限する制御手段と、
    を備えた熱源機。
  2. 前記制御手段は、前記冷媒の主流と前記第1膨張弁により膨張した副流の温度差又は前記中間冷却器を出て前記圧縮室へ流れる前記副流の過熱度が予め定めた目標域より大きい場合であっても、前記中間冷却器を出て前記圧縮室へ流れる前記副流の過熱度が第1所定値以上の場合には前記第1膨張弁の開度を大きくし、前記第1所定値より小さい場合には前記第1膨張弁の開度を制限することを特徴する請求項1に記載の熱源機。
  3. 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒ガスの温度に応じて、前記第1膨張弁の開度制限の開始条件を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源機。
  4. 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒ガスの温度が所定の温度を超えた場合に、前記第1膨張弁の開度制限に係わらず、前記第1膨張弁の開度を増大させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱源機。
  5. 前記第1バイパス配管と並列に開閉弁を有する第3バイパス配管を設け、前記中間冷却器で冷却された冷媒を負荷側装置を迂回して前記圧縮室に注入することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の熱源機。
  6. 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒ガスの温度が所定の温度を超えた場合に、前記第1膨張弁の開度制限に係わらず、前記開閉弁を開くことを特徴とする請求項5に記載の熱源機。
  7. 圧縮室を有し、低圧の冷媒を高圧に圧縮する圧縮機と、
    この圧縮機から吐出された冷媒から油を分離して前記圧縮機へ返す油分離器と、
    この油分離器を通過した冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    この凝縮器で冷却された冷媒の主流から分岐した冷媒の一部を副流として前記圧縮室に注入する第2バイパス配管と、
    この第2バイパス配管に設けられ前記冷媒の副流を膨張させる第2膨張弁と、
    この第2膨張弁で膨張された前記冷媒の副流を用いて前記油分離器で分離された油を冷却する油冷却器と、
    この油冷却器で冷却された油の温度又は前記圧縮機が吐出する冷媒ガスの温度に応じて前記第2膨張弁の開度を制御するとともに、前記膨張した副流の過熱度に応じて前記第2膨張弁の開度を制限する制御手段と、
    を備えた熱源機。
  8. 前記制御手段は、前記油冷却器で冷却された油の温度又は前記圧縮機が吐出する冷媒ガスの温度が予め定めた目標域より大きい場合であっても、前記油冷却器を出た前記副流の過熱度が第1所定値以上の場合には前記第1膨張弁の開度を大きくし、前記第1所定値より小さい場合には前記第2膨張弁の開度を制限することを特徴する請求項1に記載の熱源機。
  9. 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒ガスの温度に応じて、前記第2膨張弁の開度制限の開始条件を変更することを特徴とする請求項7又は8に記載の熱源機。
  10. 前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒ガスの温度が所定の温度を超えた場合に、前記第2膨張弁の開度制限に係わらず、前記第2膨張弁の開度を増大させることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の熱源機。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載された熱源機と、
    前記凝縮器により凝縮した冷媒を膨張させる蒸発器用膨張弁と、
    この蒸発器側膨張弁により膨張した冷媒を蒸発させ前記圧縮機へ流す蒸発器と、
    を備えた冷凍空調装置。
  12. 前記蒸発器出口の冷媒の過熱度が第3の所定値より大きい場合に前記蒸発器用膨張弁の開度を大きく制御した後、前記蒸発器出口の冷媒の過熱度が前記第3の所定値より小さい第4の所定値より下がった場合に前記蒸発器用膨張弁の開度を小さく制御する制御手段と、
    を備えた請求項11に記載の冷凍空調装置。
  13. 蒸発器に流す冷媒の流量を決める蒸発器用電子膨張弁の制御装置であって、
    前記蒸発器出口の前記冷媒の過熱度に応じて前記蒸発器用電子膨張弁の開度を制御するとともに、圧縮機に吸込まれる前記冷媒の過熱度に応じて前記蒸発器用電子膨張弁の開度を制限する制御装置。
  14. 前記蒸発器の出口の前記冷媒の過熱度が予め定めた目標域より大きい場合であっても、前記冷媒の圧縮機吸込過熱度が第1所定値以上の場合には前記蒸発器用電子膨張弁の開度を大きくし、前記第1所定値より小さい場合に前記蒸発器用電子膨張弁の開度を制限することを特徴する制御装置。
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