JP2019189823A - インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法 - Google Patents

インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造形物の色味への影響を低減させることが可能な熱変換層を形成するためのインクと、これを用いた熱膨張性シート及び造形物の製造方法とを提供する。【解決手段】インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料と、熱変換材料が呈する色の補色にあたる色を呈するカラー調整剤とを含む。インクがカラー調整剤を含むことにより、カラー調整剤を含まないインクと比較して無彩色に近づく。これにより、インクから形成される熱変換層が視認されにくくなる。このインクを用いて、熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を印刷することで、造形物の色味への影響を低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収した熱量に応じて発泡して膨張する熱膨張性シートを部分的又は全体的に膨張させるための熱変換層を形成するためのインク、これを用いた熱膨張性シート及び造形物の製造方法に関する。
従来、基材シートの一方の面上に、吸収した熱量に応じて発泡し膨張する熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成した熱膨張性シートが知られている。この熱膨張性シート上に光を熱に変換する光熱変換層を形成し、光熱変換層に光を照射することで、熱膨張層を部分的又は全体的に膨張させることができる。また、光熱変換層の形状を変化させることで、熱膨張性シート上に立体的な造形物(立体画像)を形成する方法も知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭64−28660号公報 特開2001−150812号公報
従来、光熱変換層は、カーボンを含む黒色インクを用いて形成されていた。しかし、光熱変換層の印刷に用いる黒色インクは、形成される造形物の色味に影響を与えることがある。例えば、熱膨張性シートの表面に光熱変換層を形成し、更にその上にカラーインクを用いてカラー画像を印刷すると、カラー画像が光熱変換層に含まれる黒色インクによってくすむことがある。また、カラー印刷を行わないが熱膨張性シートの表面に光熱変換層を形成して膨張させたい領域では、光熱変換層の色味がそのまま現れてしまうという問題もある。
このため、視認されにくく、造形物の色味への影響を低減させることが可能な光熱変換層(熱変換層)が求められていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、造形物の色味への影響を低減させることが可能な熱変換層を形成するためのインクと、これを用いた熱膨張性シート及び造形物の製造方法とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクは、
熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するインクであって、
前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料を含み、
前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤を更に含む、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る造形物の製造方法は、
熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を熱変換層を用いて膨張させることによる造形物の製造方法であって、
電磁波を熱に変換する熱変換材料と、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤と、を含むインクを用いて、前記熱膨張性シートの第1の面と第2の面との少なくとも一方の面上に前記熱変換層を形成する工程を備える、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る熱膨張性シートは、
熱により膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を膨張させるための熱変換層と、を備える熱膨張性シートであって、
前記熱変換層は、電磁波を熱に変換する熱変換材料熱変換材料と、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤と、を含む、
ことを特徴とする。
本発明によれば、造形物の色味への影響を低減させることが可能な熱変換層を形成するためのインクと、これを用いた熱膨張性シート及び造形物の製造方法とを提供することができる。
各材料の透過率の分布、太陽光のスペクトル及びハロゲンランプの分光分布を示す図である。 実施形態に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。 図3(a)〜図3(c)は、実施形態に係る造形ユニットの概要を示す図である。 実施形態に係るインクを備える印刷ユニットの概要を示す図である。 実施形態に係る造形物製造処理を示すフローチャートである。 図6(a)〜図6(e)は、実施形態に係る造形物製造処理を模式的に示す断面図である。 図7(a)〜図7(d)は、その他の実施形態に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るインクと、これを用いた熱膨張性シート及び造形物の製造方法について、図を用いて説明する。インク10は後述するように、熱膨張層22を膨張させるためのインク(以下、発泡インクと呼ぶ)である。また、本実施形態では、詳細に後述するように、印刷装置の例として、図3(a)〜図3(c)に概要を示す造形システム50を例に挙げて説明する。また、印刷方法の例として、この造形システム50を使用して、凹凸を有する造形物を形成する構成を例に挙げて説明する。また、本実施形態のインク10は、造形システム50内に設けられた図4に示す印刷ユニット52内に設置され、熱膨張性シート20上に電磁波を熱に変換する電磁波熱変換材料を含む電磁波熱変換層(以下、熱変換層と称する)を形成するために使用する。
本実施形態では、熱膨張性シート20の表面に、熱膨張層22の隆起により凸若しくは凹凸を形成し、造形物を表現する。また、本明細書において、「造形物」は、単純な形状、幾何学形状、文字、装飾等、形状を広く含む。ここで、装飾とは、視覚及び/又は触覚を通じて美感を想起させるものである。また、「造形(又は造型)」は、単に造形物を形成することに限らず、装飾を加える加飾、装飾を形成する造飾のような概念をも含む。更に装飾性のある造形物とは、加飾又は造飾の結果として形成される造形物を示す。
本実施形態に係るインク10は、電磁波を熱に変換する電磁波熱変換材料(以下、熱変換材料と称する)と、熱変換材料の呈する色の補色にあたる色を呈するカラー調整剤とを含む。
また、本実施形態に係るインク10としては、紫外線(UV)硬化型のインクを例に挙げる。この場合、インク10は、無機赤外線吸収剤とカラー調整剤とを含み、更に紫外線硬化樹脂(紫外線硬化性モノマー、紫外線硬化性オリゴマー)と重合開始剤とを含む。
インク10に含まれる紫外線硬化性モノマーとしては、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクレート等の単官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能モノマー等が挙げられる。また、紫外線硬化性オリゴマーとして、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。なお、ウレタンアクリレートのオリゴマーを用いることが好ましい。重合開始剤としては、光開裂型開始剤、水素引き抜き型開始剤のいずれをも使用でき、複数種の光重合開始剤を組み合わせることができる。光開裂型開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド化合物、アセトフェノン化合物等、水素引き抜き型開始剤としてベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物が挙げられる。紫外線硬化性モノマー及び重合開始剤は、例示以外の公知の材料を使用することが可能である。また、インク10は、その他の溶剤、添加剤を含んでよい。
インク10によって形成される熱変換層は、熱膨張層22の変形に追従して変形することが好ましい。従って、インク10に含まれる紫外線硬化樹脂はゴム弾性を有することが好ましい。このような、ゴム弾性を有する紫外線硬化樹脂(紫外線硬化性モノマー、紫外線硬化性オリゴマー)としては、これに限るものではないが、ウレタンアクリレートが好適である。
また、本実施形態のインク10は、例えば図3(a)等に示すインクジェット方式の印刷ユニット52で使用される。具体的に、インク10は、インクカートリッジ73内に充填されて、図4に示すように印刷ユニット52内に設置される。
熱変換材料、カラー調整剤を含まない状態でのインク10の色は任意である。インク10は、熱変換層を形成するために使用されるため白色又は透明であることが好ましい。インク10のベースが白色である場合、インク10は、更に白色を呈する材料を含む。白色を呈する材料としては、これに限るものではないが、白色顔料(酸化亜鉛、酸化チタン等)が挙げられる。
カラー調整剤としては、1つ又は複数の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。熱変換材料とカラー調整剤とを含有するインク10は、カラー調整剤以外はインク10と同じ成分を含有するインクと比較して、明度が低下する。これにより、インク10によって形成される熱変換層は、無彩色に近づく。また、インク10によって形成される熱変換層は、明度が低下し、熱膨張性シート20上で視認されにくくなる。
インク10がカラー調整剤を含有する量は任意であるが、インク10の色が無彩色又はほぼ無彩色となる程度にカラー調整剤を含有することが好適である。これにより、インク10によって形成される熱変換層も無彩色又はほぼ無彩色となり好適である。特に熱膨張性シート20が白色である場合、熱膨張性シート20の色と熱変換層の色とで色相が同一に保たれ、好適である。これにより、本実施形態のようにカラー調整剤を含まず無彩色ではない熱変換層と比較して、熱膨張性シート上に形成される熱変換層を目立ちにくくすることができる。
カラー調整剤としては、任意の着色剤(顔料等)を用いることができる。カラー用の顔料としては、これに限るものではないが、C.I.ピグメントイエロー(Pigment Yellow)1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、C.I.ピグメントオレンジ(Pigment Orange)16、36、38、C.I.ピグメントレッド(Pigment Red)1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、63:2、64:1、81、101(べんがら)144、146、185、C.I.ピグメントバイオレット(Pigment Violet)19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー(Pigment Blue)1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、18、60、C.I.ピグメントグリーン(Pigment Green)1、4、7、8、10、17、18、36等が挙げられる。白の顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、黒の顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
なお、インク10は、カラー調整剤以外の着色剤を含んでもよく、着色剤の色、濃度は、特に限定されるものではない。
インク10に含有される熱変換材料としては、任意の材料を用いることができるが、例えば、赤外線吸収剤を用いる。赤外線吸収剤としては、無機赤外線吸収剤が挙げられる。無機赤外線吸収剤は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い光の吸収率(吸光率)を有する無機材料である。無機赤外線吸収剤は、特に近赤外領域で、可視光領域と比較して高い光の吸収率を有することが好ましい。可視光領域において光の透過率が高い(吸収率が低い)材料を選択することにより、インク10の可視光透過性を向上させ、インク10の色味を抑えることができる。
本実施形態では無機赤外線吸収剤としては、例えば、金属酸化物、金属ホウ化物、金属窒化物等を用いる。
具体的に、金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化セシウム、酸化亜鉛等を用いることができる。
また、金属ホウ化物としては、多ホウ化金属化合物が好ましく、六ホウ化金属化合物が特に好ましく、六ホウ化ランタン(LaB)、六ホウ化セリウム(CeB)、六ホウ化プラセオジム(PrB)、六ホウ化ネオジム(NdB)、六ホウ化ガドリニウム(GdB)、六ホウ化テルビウム(TbB)、六ホウ化ディスプロシウム(DyB)、六ホウ化ホルミウム(HoB)、六ホウ化イットリウム(YB)、六ホウ化サマリウム(SmB)、六ホウ化ユーロピウム(EuB)、六ホウ化エルビウム(ErB)、六ホウ化ツリウム(TmB)、六ホウ化イッテルビウム(YbB)、六ホウ化ルテチウム(LuB)、六ホウ化ランタンセリウム((La,Ce)B)、六ホウ化ストロンチウム(SrB)、六ホウ化カルシウム(CaB)等からなる群から選択される1つ又は複数の材料を用いる。
また金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウムなどが挙げられる。
酸化タングステン系化合物は、以下の一般式によって示される。
MxWyOz ・・・(I)
ここで、元素MはCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、Wはタングステンであり、Oは酸素である。
また、x/yの値は、0.001≦x/y≦1.1の関係を満足することが好ましく、特にx/yが0.33付近であることが好適である。加えて、z/yの値は、2.2≦z/y≦3.0の関係を満足することが好ましい。具体的には、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Tl0.33WOなどである。
上記の中では、六ホウ化金属化合物又は酸化タングステン系化合物が好ましく、特に近赤外領域で吸収率が高く(透過率が低く)、かつ可視光領域の透過率が高いことから六ホウ化ランタン(LaB)又はセシウム酸化タングステンが好ましい。なお、上記無機赤外線吸収剤はいずれかを単独で用いてもよく、又は2つ以上の異なる材料を併用してもよい。
また、本実施形態のインク10は、これに限られるものではないが、無機赤外線吸収剤を、20重量%〜0.10重量%の割合で含む。
次に、カーボン、ITO、ATO、セシウム酸化タングステン及びLaBの透過率の分布と、太陽光のスペクトルと、ハロゲンランプの分光分布とを図1に示す。図1では、太陽光のスペクトル及びハロゲンランプの分光分布は、いずれもピークを100とした強度である。図1に示すように、従来、熱変換層を形成するために使用されていたカーボンは、各波長域でほぼ一定の低い透過率を示す。また、カーボンは、可視光領域でも透過率が低く(吸光率が高く)、黒色を呈する。これに対し、金属酸化物の一例であるITO、ATOは、特に可視光領域での透過率が高い。また、ITO、ATOは、可視光領域と比較して近赤外領域での透過率が低く、更に中赤外領域で低い透過率(高い吸光率)を示す。更に、タングステン系酸化物の一例として、セシウム酸化タングステンでは、可視光領域と比較して近赤外領域での透過率が低い。加えて、六ホウ化金属化合物の一例である六ホウ化ランタンは、赤外領域内の近赤外領域において可視光領域と比較して低い透過率を示す。
また、図1では照射部で用いられるハロゲンランプの分光分布を示す。ハロゲンランプから照射される光は、特に近赤外領域において高い強度を示す。図1に示すセシウム酸化タングステンと六ホウ化ランタンとは、このハロゲンランプから照射される光が強い強度を示す近赤外領域において透過率が低く、高い吸光率を示す。このため、ハロゲンランプを照射部として使用する場合、セシウム酸化タングステン又はLaBは、ハロゲンランプから照射される光が強い強度を示す近赤外領域において、特に効率良く光を吸収できるため、好ましい。また、近赤外領域に高い吸光率を示す材料であれば、セシウム酸化タングステンと六ホウ化ランタン以外も、使用可能である。
熱変換材料としてセシウム酸化タングステンを用いる場合を例に挙げると、セシウム酸化タングステンは、図1に示す吸光率の分布から示されるように、青色の色味を呈する。このため、熱変換層に含まれるセシウム酸化タングステンの量にもよるが、熱変換層は青みがかった色を呈する。この場合、インク10は、セシウム酸化タングステンの呈する色の補色にあたる色を呈する着色剤(染料又は顔料)を含む。具体的に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)で表すと、セシウム酸化タングステンを用いたインクでは、シアンCの色が他と比較して強く表れる。従って、カラー調整剤としては、マゼンタM、イエローYが補色にあたるため、これらの色の着色剤を使用することが好適である。なお、カラー調整剤は、1種類に限らず複数種類を同時に使用してもよい。
一例として、紫外線硬化型の白色インク中に、セシウム酸化タングステンを総重量に対し10重量%で混合させたインクを調製した。このインクを基材と熱膨張層とを備える熱膨張性シート上に刷毛により1回塗布をし、インク層(熱変換層)を形成した。このインク層のCMKYの各色の濃度を、イグザクト反射分光濃度計(サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて測定したところ、シアン(C)が0.03、マゼンタ(M)が0.01、イエロー(Y)が0.01、ブラック(K)が0.02であった。従って、この例の場合では、補色はマゼンタ(M)及びイエロー(C)である。従って、インク10は、マゼンタ系の着色剤、イエロー系の着色剤を含む。
また、熱変換材料としてLaBを使用する場合、図1に示す吸光率の分布から示されるように、LaBは、緑がかった青のような色を呈する。従って、熱変換層も緑がかった青色を呈する。この場合、インク10は、LaBの呈する色の補色にあたる色を呈する着色剤(染料又は顔料)を含む。具体的に、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKで表すと、LaBを用いたインクでは、イエロー系、シアン系の色が表れる。従って、カラー調整剤としては、マゼンタ系の着色剤を使用することが好適である。なお、カラー調整剤は、1種類に限らず複数種類を同時に使用してもよい。
次に、本実施形態のインク10によって熱変換層を形成する熱膨張性シート20について図を用いて説明する。熱膨張性シート20は、図2に示すように、基材21と、熱膨張層22とを備える。また、詳細に後述するように、熱膨張性シート20は、図3(a)〜図3(c)に概要を示す造形システム50で、印刷が施され、凸又は凹凸を有する造形物が形成される。
基材21は、熱膨張層22等を支持するシート状の部材である。基材21の一方の面(表面、図1では上面)上には、熱膨張層22が形成される。基材21としては、上質紙等の紙、又はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂からなるシート(フィルムを含む)を使用する。紙としては、上質紙に限らず、一般に使用されている任意の紙を使用することができる。また、樹脂としては、PETに限らず、任意の樹脂を使用可能である。樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等から選択される材料を挙げることができる。また、基材21は、熱膨張層22が全体的又は部分的に発泡により膨張した時に、基材21の反対側(図1に示す下側)に隆起しない程度の強度を備える。また、基材21は、熱膨張層22が膨張した際に、しわを生じたり、大きく波打ったりする等、シートとしての形態が損なわれることがない程度の強度を備える。加えて、基材21は、熱膨張層22を発泡させる際の加熱に耐える程度の耐熱性を有する。基材21は伸縮性を有してもよい。更には、基材21は、熱膨張層22の膨張に伴い変形し、熱膨張層22の膨張後は変形後の形状を維持してもよい。
熱膨張層22は、基材21の一方の面(図2に示す上面)上に形成される。熱膨張層22は、加熱温度、加熱時間に応じた大きさに膨張する層であって、バインダ中に複数の熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル、マイクロカプセル)が分散配置されている。また、詳細に後述するように、本実施形態では、基材21の上面(表面)に設けられた熱膨張層22上、及び/又は基材21の下面(裏面)に熱変換層を形成し、光を照射することで、熱変換層が設けられた領域を発熱させる。熱膨張層22は、熱膨張性シート20の表面及び/又は裏面の熱変換層で生じた熱を吸収して発泡し、膨張するため、熱膨張性シート20の特定の領域のみを選択的に膨張させることができる。
バインダとしては、エチレン酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等から選択される熱可塑性樹脂を用いる。また、熱膨張性マイクロカプセルは、プロパン、ブタン、その他の低沸点気化性物質を、熱可塑性樹脂の殻内に封入したものである。殻は、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、あるいは、それらの共重合体等から選択される熱可塑性樹脂から形成される。熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径は、約5〜50μmである。このマイクロカプセルを熱膨張開始温度以上に加熱すると、樹脂からなる高分子の殻が軟化し、内包されている低沸点気化性物質が気化し、その圧力によってカプセルが膨張する。用いるマイクロカプセルの特性にもよるが、マイクロカプセルは膨張前の粒径の5倍程度に膨張する。
(造形システム)
次に、本実施形態の熱膨張性シート20に印刷を施し、造形物を形成する造形システム50について説明する。図3(a)〜図3(c)に示すように、造形システム50は、制御ユニット51と、印刷ユニット52と、膨張ユニット53と、表示ユニット54と、天板55と、フレーム60と、を備える。図3(a)は、造形システム50の正面図であり、図3(b)は、天板55を閉じた状態における造形システム50の平面図であり、図3(c)は、天板55を開いた状態における造形システム50の平面図である。なお、図3(a)〜図3(c)において、X方向は水平方向と同一であり、Y方向はシートが搬送される搬送方向Dと同一であり、更にZ方向は鉛直方向と同一である。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する。
制御ユニット51、印刷ユニット52、膨張ユニット53は、それぞれ図3(a)に示すようにフレーム60内に載置される。具体的に、フレーム60は、一対の略矩形状の側面板61と、側面板61の間に設けられた連結ビーム62とを備え、側面板61の上方に天板55が渡されている。また、側面板61の間に渡された連結ビーム62の上に印刷ユニット52及び膨張ユニット53がX方向に並んで設置され、連結ビーム62の下に制御ユニット51が固定されている。表示ユニット54は天板55内に、天板55の上面と高さが一致するように埋設されている。
制御ユニット51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、印刷ユニット52、膨張ユニット53及び表示ユニット54を制御する。
印刷ユニット52は、インクジェット方式の印刷装置である。図3(c)に示すように、印刷ユニット52は、熱膨張性シート20を吸入するための搬入部52aと、熱膨張性シート20を搬出するための搬出部52bと、を備える。印刷ユニット52は、搬入部52aから吸入された熱膨張性シート20の表面又は裏面に指示された画像を印刷し、画像が印刷された熱膨張性シート20を搬出部52bから排出する。また、印刷ユニット52には、後述するカラーインク層42を形成するためのカラーインク(シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y))、と、表側熱変換層41と裏側熱変換層43とを形成するためのインク10とが備えられている。なお、カラーインク層42において黒又はグレーの色を形成するため、カラーインクとして、カーボンブラックを含まない黒のカラーインクを更に備えてもよい。また、カラーインクとして、UV硬化型のインクを用いてもよい。
印刷ユニット52は、熱膨張性シート20の表面に印刷するカラー画像(カラーインク層42)を示すカラー画像データを制御ユニット51から取得し、カラー画像データに基づいて、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)を用いてカラー画像(カラーインク層42)を印刷する。カラーインク層42の黒又はグレーの色は、CMYの3色を混色して、もしくはカーボンブラックを含まない黒のカラーインクを更に使用して形成する。
また、印刷ユニット52は、熱膨張性シート20の表面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである表面発泡データに基づき、インク10を用いて表側熱変換層41を印刷する。同様に、熱膨張性シート20の裏面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである裏面発泡データに基づき、インク10を用いて裏側熱変換層43を印刷する。インク10の濃度がより濃く形成された部分ほど、熱膨張層22の膨張高さは高くなる。このため、インク10の濃度は、目標高さに対応するように、面積階調方式等によって濃淡が決定される。
図4に、印刷ユニット52の詳細な構成を示す。図4に示すように、印刷ユニット52は、熱膨張性シート20が搬送される方向である副走査方向D1(Y方向)に直交する主走査方向D2(X方向)に往復移動可能なキャリッジ71を備える。
キャリッジ71には、印刷を実行する印刷ヘッド72と、インクを収容したインクカートリッジ73(73e,73c,73m,73y)が取り付けられている。インクカートリッジ73e,73c,73m,73yには、それぞれ、本実施形態のインク10、シアンC、マゼンタM、及びイエローYの色インクが収容されている。各インクは、印刷ヘッド72の対応するノズルから吐出される。また、印刷ヘッド72は図示しないUV照射部を備え、インクは吐出された後に硬化される。
キャリッジ71は、ガイドレール74に滑動自在に支持されており、駆動ベルト75に狭持されている。キャリッジ71は、モータ75mの回転により駆動ベルト75が駆動することで、印刷ヘッド72及びインクカートリッジ73と共に、主走査方向D2に移動する。
フレーム77の下部には、印刷ヘッド72と対向する位置に、プラテン78が設けられている。プラテン78は、主走査方向D2に延在しており、熱膨張性シート20の搬送路の一部を構成している。熱膨張性シート20の搬送路には、給紙ローラ対79a(下のローラは不図示)と排紙ローラ対79b(下のローラは不図示)とが設けられている。給紙ローラ対79aと排紙ローラ対79bとは、プラテン78に支持された熱膨張性シート20を副走査方向D1に搬送する。
印刷ユニット52は、フレキシブル通信ケーブル76を介して制御ユニット51と接続されている。制御ユニット51は、フレキシブル通信ケーブル76を介して、印刷ヘッド72、モータ75m、給紙ローラ対79a及び排紙ローラ対79bを制御する。具体的に説明すると、制御ユニット51は、給紙ローラ対79a及び排紙ローラ対79bを制御して、熱膨張性シート20を搬送させる。また、制御ユニット51は、モータ75mを回転させてキャリッジ71を移動させ、印刷ヘッド72を主走査方向D2の適切な位置に搬送させる。
膨張ユニット53は、熱膨張性シート20に熱を加えて膨張させる膨張装置である。図3(c)に示すように、膨張ユニット53は、熱膨張性シート20を搬入するための搬入部53aと、熱膨張性シート20を搬出するための搬出部53bと、を備える。膨張ユニット53は、搬入部53aから搬入された熱膨張性シート20を搬送しながら熱を加えて膨張させ、膨張した熱膨張性シート20を搬出部53bから排出する。膨張ユニット53は内部に照射部(図示せず)を備える。照射部は膨張ユニット53内で固定されており、照射部の近傍を熱膨張性シート20を一定の速度で移動させることにより、熱膨張性シート20全体を加熱する。なお、熱変換層を視認しにくいよう、インク10の濃度を低く印刷した場合は、この搬送速度を遅くし、光を照射する時間を長くすることで、目標とする膨張高さを得ることも可能である。
照射部は、例えば、ハロゲンランプであり、熱膨張性シート20に対して、近赤外領域(波長750〜1400nm)、可視光領域(波長380〜750nm)又は中赤外領域(波長1400〜4000nm)の光を照射する。ハロゲンランプから照射される光の波長は、図1に示す特徴を有しており、特に近赤外領域において光を強く照射する。本実施形態のインク10中に含まれる無機赤外線吸収剤として、特に、可視光領域と比較して近赤外領域において高い吸収率を有する材料を用いると、ハロゲンランプが強い強度を持つ波長域と、無機赤外線吸収剤が効率よく吸収する波長域が一致するため好ましい。なお、照射部としては、ハロゲンランプ以外に、キセノンランプ等を使用することもできる。この場合、使用するランプに応じて、ランプの照射強度の高い波長域において高い吸収率を有する材料を、無機赤外線吸収剤として選択することが好ましい。また、熱変換層が印刷された領域では、熱変換層が印刷されていない領域に比べて、より効率よく光が熱に変換される。そのため、熱膨張層22のうち、熱変換層が印刷された領域が主に加熱されて、その結果、熱膨張層22は、熱変換層が印刷された領域が膨張する。
表示ユニット54は、タッチパネル等から構成される。表示ユニット54は、例えば図3(b)に示すように、印刷ユニット52によって熱膨張性シート20に印刷される画像(図3(b)に示す星)を表示する。また、表示ユニット54は、操作ガイド等を表示し、ユーザは、表示ユニット54に触れることで、造形システム50を操作することが可能である。
(造形物の製造方法)
次に、図5に示すフローチャート及び図6(a)〜図6(e)に示す熱膨張性シート20の断面図を参照して、造形システム50によって熱膨張性シート20に造形物を製造する処理の流れを説明する。
第1に、ユーザは、造形物が形成される前の熱膨張性シート20を準備し、表示ユニット54を介して、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを指定する。そして、熱膨張性シート20を、その表面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入された熱膨張性シート20の表側の面(第1の面)に熱変換層(表側熱変換層41)を印刷する(ステップS1)。表側熱変換層41は、上述したインク10によって形成される層である。印刷ユニット52は、指定された表面発泡データに従って、熱膨張性シート20の表面に、本実施形態のインク10を吐出する。その結果、図6(a)に示すように、熱膨張層22の表面に表側熱変換層41が形成される。
第2に、ユーザは、表側熱変換層41が印刷された熱膨張性シート20を、その表面を上側に向けて膨張ユニット53に挿入する。膨張ユニット53は、挿入された熱膨張性シート20を表面から加熱する(ステップS2)。具体的に説明すると、膨張ユニット53は、照射部によって熱膨張性シート20の表面に光を照射させる。熱膨張性シート20の表面に印刷された表側熱変換層41は、照射された光を吸収することによって発熱する。その結果、図6(b)に示すように、熱膨張性シート20のうちの表側熱変換層41が印刷された領域が盛り上がって膨張する。また、図6(b)において、右に示す表側熱変換層41のインク10の濃度を、左に示す表側熱変換層41と比較して濃くすると、図示するように、濃く印刷された領域をより高く膨張させることが可能となる。
第3に、ユーザは、表面が加熱されて膨張した熱膨張性シート20を、その表面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入された熱膨張性シート20の表面にカラー画像(カラーインク層42)を印刷する(ステップS3)。具体的には、印刷ユニット52は、指定されたカラー画像データに従って、熱膨張性シート20の表面に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを吐出する。その結果、図6(c)に示すように、熱膨張層22及び表側熱変換層41の上にカラーインク層42が形成される。
第4に、ユーザは、カラーインク層42が印刷された熱膨張性シート20を、その裏面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入された熱膨張性シート20の裏側の面(第2の面)に熱変換層(裏側熱変換層43)を印刷する(ステップS4)。裏側熱変換層43は、熱膨張性シート20の表面に印刷された表側熱変換層41と同様に、本実施形態のインク10によって形成される層である。印刷ユニット52は、指定された裏面発泡データに従って、熱膨張性シート20の裏面に、インク10を吐出する。その結果、図6(d)に示すように、基材21の裏面に裏側熱変換層43が形成される。裏側熱変換層43についても、左に示す裏側熱変換層43のインク10の濃度を、右に示す裏側熱変換層43と比較して濃くすると、図示するように濃く印刷された領域をより高く膨張させることが可能となる。
第5に、ユーザは、裏側熱変換層43が印刷された熱膨張性シート20を、その裏面を上側に向けて膨張ユニット53に挿入する。膨張ユニット53は、挿入された熱膨張性シート20を裏面から加熱する(ステップS5)。具体的に説明すると、膨張ユニット53は、照射部(図示せず)によって熱膨張性シート20の裏面に光を照射させる。熱膨張性シート20の裏面に印刷された裏側熱変換層43は、照射された光を吸収することによって発熱する。その結果、図6(e)に示すように、熱膨張性シート20のうちの裏側熱変換層43が印刷された領域が盛り上がって膨張する。
以上のような手順によって、熱膨張性シート20に造形物が形成される。
本実施形態のインク10は、熱変換材料に加え、熱変換材料が呈する色に対して補色にあたる色を呈するカラー調整剤を含む。これにより、インク10が無彩色に近づくとともに、インク10によって形成される熱変換層も無彩色に近づけることができる。従って、視認されにくく、造形物の色味への影響を低減させることが可能な熱変換層を形成することが可能なインク10と、これを用いた熱膨張性シート20及び造形物の製造方法とを提供することができる。
本発明は上述した実施形態に限られず、様々な変形及び応用が可能である。
熱膨張性シート20は、図2に示す構成に限られず、図7(a)に示すように、熱膨張層22の上にカラー調整層23を更に含んでもよい。カラー調整層23は、着色剤(顔料等)を含む層である。着色剤としては、上述したインク10に含まれる顔料等を使用することができる。カラー調整層23は、カラー調整層23の上に設けられる熱変換層を視認しにくくする機能を有する。このため、カラー調整層23は、熱変換層が視認されにくいよう、熱変換層の色味と似た色に着色されている。なお、カラー調整層23は、熱膨張層22の全体を覆って形成されてもよく、造形物が形成される又は形成される可能性のある領域にだけ設けられてもよい。カラー調整層23を設けることにより、熱膨張性シート20とその表面に設けられた熱変換層との色差を、カラー調整層を備えない従来の構成と比較し、低減させることができる。結果として、従来例と比較して、熱変換層を視認しにくくすることができる。
熱膨張性シート20とその表面に設けられた熱変換層との色差は、カラー調整層23を設けることによって、カラー調整層23を備えない構成と比較し、低下していればよい。色差は、L*a*b*表色系(Lab表色系)を使用することができる。この場合、熱膨張性シート20とその表面に設けられた熱変換層との色差ΔEが13.0以下であることが好適であり、ΔEが6.5以下であることが更に好適である。加えて、熱膨張性シート20とその表面に設けられた熱変換層との色差ΔEが3.2以下であると更に好適である。なお、本実施形態では、熱膨張性シート20とその表面に設けられた熱変換層との色差は、熱膨張性シート20の熱変換層が設けられていない領域と、熱膨張性シート20上に設けられた熱変換層とを、反射分光濃度計等を用いてLab値を測定することによって行う。
加えて、熱変換層は、熱膨張性シート20の裏側にも形成されることがある。このため、熱膨張性シート20は、図7(b)に示すように、更に第2のカラー調整層24を熱膨張性シート20の裏面に備えてもよい。第2のカラー調整層24は、カラー調整層23と同様であり、着色剤(顔料等)を含む層である。着色剤としては、上述したインク10に含まれる顔料等を使用することができる。第2のカラー調整層24も、第2のカラー調整層24の上に設けられる熱変換層を視認しにくくする機能を有する。
また、熱膨張性シート20は、熱膨張層25に、図7(a)に示すカラー調整層23の機能を持たせることも可能である。この場合、図7(c)に模式的に示すように、熱膨張層25が着色剤を含み、熱膨張層25は熱変換層の色味と似た色を呈する。なお、熱膨張層25が複数の層を備える場合は、基材21に近い位置の層は着色剤を含有せず、最表面に位置する1つの層に着色剤を含有させてもよい。更に最表面に位置する層に隣接する1つ又は複数の層に着色剤を含有させてもよい。同様に、熱膨張性シート20は、基材21に第2のカラー調整層24の機能を持たせるため、基材21に着色剤を含有させてもよい。特に基材21が紙である場合は、蛍光増白剤を着色剤として使用してもよい。
更に、インク10はインクジェット用水性インクである場合は、図7(d)に示すように、熱膨張性シート20がインク受容層27を備え、インク受容層中に着色剤を混合し、インク受容層27をカラー調整層23として機能させてもよい。また、熱膨張性シート20は、基材21の裏面にも更に別のインク受容層を有してもよい。この別のインク受容層に着色剤を含有させ、第2のカラー調整層24としての機能を持たせてもよい。
また、造形物製造処理は、図5に示すプロセスに限られない。例えば、表側熱変換層と裏側熱変換層は両方用いられることは必須ではなく、表側熱変換層又は裏側熱変換層のいずれかのみを形成してもよい。造形物製造処理は、図5に示すプロセスの順番に限られず、以下に詳細に記述するように各ステップの順番は入れ替えることが可能である。
例えば、造形処理は、図5に示すプロセスの順番に限られず、裏側熱変換層を先に形成することもできる。この場合、図5に示すフローチャートを用いて説明すると、ステップS4、ステップS5を行い、続いて、ステップS1〜S3をこの順に行う。また、熱膨張層を膨張させる工程を全て終えた後に、カラー画像を印刷することも可能である。図5に示すステップS1、ステップS2を行った後、ステップS4、ステップS5を実行し、その後、ステップS3を実行する。
また、カラー印刷工程と表側熱変換層形成工程とを組み合わせ、1つの工程でカラーインク層と表側熱変換層とを印刷することも可能である。この例では、カラーインク層42と表側熱変換層41とが同時に印刷される。この場合、裏側熱変換層を先に形成しても、後に形成してもよい。
また、表側熱変換層41を形成した後、直後に表側膨張工程を行わず、表側熱変換層形成工程と表側膨張工程との間に他の工程、例えばカラー印刷工程を設けることも可能である。この場合、図5に示すステップS1及びS3を行い、熱膨張性シート20の表側への印刷工程を全て終えた後に、表側膨張工程を行うことも可能である。この場合は、図5に示すフローチャートのステップS1を実行し、表側熱変換層41を形成し、続いてステップS3を実行し、カラー画像(カラーインク層42)を印刷する。その後、ステップS2を実行し、熱膨張層22を膨張させる。続いて、図5に示すステップS4及びステップS5を実行し、裏側熱変換層43の形成及び熱膨張層22の膨張を行う。この例において、裏側熱変換層形成工程を先に行うこともできる。この場合は、ステップS4及びS5を実行した後にステップS1、S3、S2の順に各工程を実行する。また、カラー印刷工程は、裏側熱変換層形成工程と裏側膨張工程との間に行うことも可能である。この場合は、ステップS4、S3及びS5をこの順に実行した後にステップS1、S2を実行する、又はステップS1、S2を実行した後にステップS4、S3及びS5をこの順に実行する。
また、表側熱変換層形成工程、カラー印刷工程、裏側熱変換層形成工程を先に行った後に、表側膨張工程、裏側膨張工程を行うことも可能である。また、表側熱変換層形成工程、裏側熱変換層形成工程を先に行い、表側膨張工程、裏側膨張工程を行った上で、カラー印刷工程を行うことも可能である。なお、いずれの場合も、表側膨張工程と裏側膨張工程は同時に行ってもよい。
上述した実施形態では、インク10としてUV硬化型のインクを例に挙げて説明したが、インク10は、水性又は非水性(油性型、溶剤型)のインクであってもよい。
インク10が水性インクである場合、インク10は、無機赤外線吸収剤と、水と、水性有機溶剤とを含む。インク10は、添加剤を更に含んでもよい。水性有機溶剤としては、これに限るものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルキレングリコール類、グリセリン、グリセロール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールメチル(エチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、エタノール又はイソプロパノールが挙げられる。いずれについても例示以外の公知の材料を使用することが可能である。
インク10が非水性である場合、無機赤外線吸収剤の他、有機溶剤、樹脂等を含む。有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、エチレングルコールモノメチルエーテル、グリコールエーテル類、グリコールアセテート類、飽和炭化水素類、不飽和炭化水素類、等が挙げられる。また、樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。いずれも例示した以外の公知の材料を用いることができ、インク10はその他の添加剤を含んでもよい。
上述した実施形態では、インクジェット式のプリンタ内に設置されるカートリッジにインク10が充填される場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。本実施形態のインクを、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷など、その他の印刷方式(印刷装置)で使用することも可能である。また、図5に示す印刷工程(ステップS1、S3及びS5)は、全て同じ方式で印刷される必要はなく、上記の印刷方式を任意に組み合わせることが可能である。
また、インク10は、印刷方式に応じ、水性インク、油性インク、紫外線硬化インクのいずれであってもよい。この場合、インク10は、各印刷方式に応じた材料、例えば、溶剤、造膜のための樹脂、補助剤などを含む。これらの材料は、上述した材料若しくは、その他の公知の材料を使用する。
インク10が水性インクである場合、無機赤外線吸収剤と、水と、水性有機溶剤と、樹脂と、を含む。水性有機溶剤としては、これに限るものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルキレングリコール類、グリセリン、グリセロール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールメチル(エチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、エタノール又はイソプロパノールが挙げられる。また、樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。インク10は、添加剤を更に含んでもよい。いずれについても例示以外の公知の材料を使用することが可能である。
インク10が紫外線硬化インクである場合、インク10は、無機赤外線吸収剤を含み、更に紫外線硬化樹脂(紫外線硬化性モノマー、紫外線硬化性オリゴマー)と重合開始剤とを含む。紫外線硬化性モノマーとしては、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクレート等の単官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能モノマー等が挙げられる。また、紫外線硬化性オリゴマーとして、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。なお、ウレタンアクリレートのオリゴマーを用いることが好ましい。重合開始剤としては、光開裂型開始剤、水素引き抜き型開始剤のいずれをも使用でき、複数種の光重合開始剤を組み合わせることができる。光開裂型開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド化合物、アセトフェノン化合物等、水素引き抜き型開始剤としてベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物が挙げられる。いずれについても例示以外の公知の材料を使用することが可能である。また、インク10は、その他の溶剤、添加剤を含んでよい。
インク10は、非水性(油性型、溶剤型)のインクであってもよい。この場合、無機赤外線吸収剤の他、有機溶剤、樹脂等を含む。有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、エチレングルコールモノメチルエーテル、グリコールエーテル類、グリコールアセテート類、飽和炭化水素類、不飽和炭化水素類、等が挙げられる。また、樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。いずれも例示した以外の公知の材料を用いることができ、インク10はその他の添加剤を含んでもよい。
インク10がオフセット印刷装置等で用いられる場合も、インク10中に含有される樹脂はゴム弾性を有していることが好ましい。このような樹脂としては、これに限るものではないが、紫外線硬化型インクでは、ウレタンアクリレートが挙げられる。
また、本実施形態では、印刷装置として、制御ユニット51、膨張ユニット53等を備える造形システム50を例に挙げているが、これに限られず、印刷装置は、図5に示すようなインクジェット式の印刷ユニット52のみから構成されてもよい。
また、上述した実施の形態では、熱膨張性シート20の特定の領域を加熱する熱変換層を印刷する構成を例に挙げて説明したが、特定の領域を加熱するためのインクとして使用するものであれば、熱膨張性シート20以外に使用することも可能である。
上述した実施形態では、熱膨張性シート20の表面及び裏面に熱変換層を形成する構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。いずれの実施形態でも熱変換層は、表面のみ又は裏面のみに形成することも可能である。
上述した実施形態では、説明の便宜上、表側、裏側、上及び下等の表現を使用しており、熱膨張性シート20の使用方法は、これらの向きに限定されるものではない。例えば、熱膨張性シート20の裏側と説明した面を、表側として使用することもある。
また、図では、熱膨張性シート20の各層、熱変換層(表側及び裏側)、及びカラーインク層は、いずれも説明のため、必要に応じて誇張して図示されている。従って、これらの形状、厚み、色味等が図示したものに限定されることを意図するものではない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するためのインクであって、
前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料を含み、
前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤を更に含む、
ことを特徴とするインク。
[付記2]
前記熱変換材料は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い吸光率を有する無機赤外線吸収剤である、
ことを特徴とする付記1に記載のインク。
[付記3]
前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
ことを特徴とする付記1又は2に記載のインク。
[付記4]
熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を熱変換層を用いて膨張させることによる造形物の製造方法であって、
電磁波を熱に変換する熱変換材料と、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤と、を含むインクを用いて、前記熱膨張性シートの第1の面と第2の面との少なくとも一方の面上に前記熱変換層を形成する工程を備える、
ことを特徴とする造形物の製造方法。
[付記5]
前記熱変換材料は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い吸光率を有する無機赤外線吸収剤である、
ことを特徴とする付記4に記載の造形物の製造方法。
[付記6]
前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の造形物の製造方法。
[付記7]
熱により膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を膨張させるための熱変換層と、を備える熱膨張性シートであって、
前記熱変換層は、電磁波を熱に変換する熱変換材料と、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤と、を含む、
ことを特徴とする熱膨張性シート。
[付記8]
前記熱変換材料は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い吸光率を有する無機赤外線吸収剤である、
ことを特徴とする付記7に記載の熱膨張性シート。
[付記9]
前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
ことを特徴とする付記7又は8に記載の熱膨張性シート。
[付記10]
熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するためのインクであって、
前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料に加え、カラー調整剤を含み、
前記熱膨張性シートにおいて、前記インクが設けられた第1の領域と前記インクが設けられていない第2の領域との間の色の違いを視認されにくくする色を呈する、
ことを特徴とするインク。
[付記11]
熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するインクであって、
前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料に加え、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤を更に含み、
前記熱膨張性シートにおいて、前記インクが設けられた第1の領域と前記インクが設けられていない第2の領域との色の違いが視認されにくくなるように、前記カラー調整剤の含有量が調整されている、
ことを特徴とするインク。
[付記12]
前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
ことを特徴とする付記10又は11に記載のインク。
10…インク、20…熱膨張性シート、21…基材、22,25…熱膨張層、23…カラー調整層、24…第2のカラー調整層、27…インク受容層、41…表側熱変換層、42…カラーインク層、43…裏側熱変換層、50…造形システム、51…制御ユニット、52…印刷ユニット、52a,53a…搬入部、52b,53b…搬出部、53…膨張ユニット、54…表示ユニット、55…天板、60…フレーム、61…側面板、62…連結ビーム、71…キャリッジ、72…印刷ヘッド、73,73e,73c,73m,73y…インクカートリッジ、74…ガイドレール、75…駆動ベルト、75m…モータ、76…フレキシブル通信ケーブル、77…フレーム、78…プラテン、79a…給紙ローラ対、79b…排紙ローラ対

Claims (12)

  1. 熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するためのインクであって、
    前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料を含み、
    前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤を更に含む、
    ことを特徴とするインク。
  2. 前記熱変換材料は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い吸光率を有する無機赤外線吸収剤である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインク。
  4. 熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を熱変換層を用いて膨張させることによる造形物の製造方法であって、
    電磁波を熱に変換する熱変換材料と、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤と、を含むインクを用いて、前記熱膨張性シートの第1の面と第2の面との少なくとも一方の面上に前記熱変換層を形成する工程を備える、
    ことを特徴とする造形物の製造方法。
  5. 前記熱変換材料は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い吸光率を有する無機赤外線吸収剤である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の造形物の製造方法。
  6. 前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の造形物の製造方法。
  7. 熱により膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を膨張させるための熱変換層と、を備える熱膨張性シートであって、
    前記熱変換層は、電磁波を熱に変換する熱変換材料と、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤と、を含む、
    ことを特徴とする熱膨張性シート。
  8. 前記熱変換材料は、赤外領域の少なくともいずれかの領域で、可視光領域と比較して高い吸光率を有する無機赤外線吸収剤である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の熱膨張性シート。
  9. 前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の熱膨張性シート。
  10. 熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するためのインクであって、
    前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料に加え、カラー調整剤を含み、
    前記熱膨張性シートにおいて、前記インクが設けられた第1の領域と前記インクが設けられていない第2の領域との間の色の違いを視認されにくくする色を呈する、
    ことを特徴とするインク。
  11. 熱膨張性シートの熱膨張層の少なくとも一部を膨張させるために使用される熱変換層を形成するインクであって、
    前記インクは、電磁波を熱に変換する熱変換材料に加え、前記熱変換材料の呈する色の補色を呈するカラー調整剤を更に含み、
    前記熱膨張性シートにおいて、前記インクが設けられた第1の領域と前記インクが設けられていない第2の領域との色の違いが視認されにくくなるように、前記カラー調整剤の含有量が調整されている、
    ことを特徴とするインク。
  12. 前記熱変換材料は、セシウム酸化タングステン又は六ホウ化ランタンである、
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のインク。
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