JP2016162500A - 光熱変換層、ドナーシート - Google Patents

光熱変換層、ドナーシート Download PDF

Info

Publication number
JP2016162500A
JP2016162500A JP2015037284A JP2015037284A JP2016162500A JP 2016162500 A JP2016162500 A JP 2016162500A JP 2015037284 A JP2015037284 A JP 2015037284A JP 2015037284 A JP2015037284 A JP 2015037284A JP 2016162500 A JP2016162500 A JP 2016162500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conversion layer
photothermal conversion
light
hexaboride
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015037284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6497128B2 (ja
Inventor
中山 博貴
Hirotaka Nakayama
博貴 中山
藤田 賢一
Kenichi Fujita
賢一 藤田
佳輔 町田
Yoshisuke Machida
佳輔 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2015037284A priority Critical patent/JP6497128B2/ja
Priority to KR1020150179901A priority patent/KR102543285B1/ko
Publication of JP2016162500A publication Critical patent/JP2016162500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6497128B2 publication Critical patent/JP6497128B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】可視光透過性を備え、かつ、厚さが薄くても波長1000nmの光の透過率を十分に抑制できる光熱変換層を提供することを目的とする。【解決手段】六ホウ化物粒子とバインダー成分とを含有し、JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下である光熱変換層を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、光熱変換層、ドナーシートに関する。
基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する方法として、メタルマスク法、レーザ転写法、インクジェット法等が検討されてきた。メタルマスク法は次世代大型ディスプレイデバイスなどの大面積化への対応が困難であり、インクジェット法は適用への技術的課題が多く残されていることから、大型ディスプレイ向けのプロセスとしてはレーザ転写法が主流となるとみられている。
レーザ転写法はいくつかの方法があるが、ドナーシートと呼ばれるフィルムを用いて成膜を行う方式が主流である。ドナーシートとしては例えば、フィルム基材に光熱変換(LTHC:Light To Heat Conversion)層と呼ばれる光を吸収する層と、被転写層として例えばエレクトロルミネッセンス特性を持つ有機化合物の層とを成膜したものが用いられている。レーザ転写法により、基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する方法について様々な提案がなされているが、基本的な動作原理は共通である。すなわち、光熱変換層の特定箇所にレーザ光が照射されることで、光熱変換層に光が吸収されて熱が発生し、熱の作用により被転写層として形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を転写することができる。
ドナーシートの光熱変換層の光吸収材料としてはさまざまな材料が提案されている。例えば特許文献1では、赤外領域において光を吸収する染料、カーボンブラックのような有機及び無機吸収材料、金属類、金属酸化物または金属硫化物およびその他既知の顔料および吸収材が開示されている。特許文献2では染料、顔料、金属、金属化合物、金属フィルム等が開示されている。特許文献3では黒色アルミニウムが開示されている。特許文献4ではカーボンブラック、黒鉛や赤外線染料が開示されている。
特表2000−515083号公報 特表2002−534782号公報 特許第3562830号公報 特開2004−200170号公報
既述のようにレーザ転写法により、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する場合、ドナーシートの光熱変換層のうち所望の箇所にレーザ光を照射し、ドナーシートに含まれる有機エレクトロルミネッセンス素子を転写することにより行うことができる。しかし、ドナーシート中に例えば異物や塗布ムラ等の欠陥が含まれる場合、レーザ光の照射箇所の有機エレクトロルミネッセンス素子が正常に転写されず、ディスプレイデバイスとなった際に点灯がされないドットが生じる原因となる。このため、歩留まり向上のためにはレーザ転写の前に欠陥を含むドナーシートを目視あるいは可視光センサ等により検出することが必要となる。
しかしながら、光熱変換層に適用する光吸収材料として特許文献1〜4に開示された材料を用いた場合、光熱変換層の可視光の透過性が十分ではなかった。すなわち、特許文献1〜4に開示された光吸収材料を用いた場合、光熱変換層は光透過性を実質的に有しない非常に暗い黒色を示すこととなる。このため、係る光熱変換層をドナーシートに適用した場合、目視や可視光センサ等により欠陥を検出することは不可能であった。
このように従来は、欠陥のあるドナーシートであっても検査によって十分に検出できなかったため、有機エレクトロルミネッセンス素子の欠陥に繋がり、ディスプレイデバイスの歩留まり低下の大きな原因となっていた。
一方で可視光透過性をもつ近赤外線吸収微粒子であるアンチモン添加酸化錫(以下、ATOと略称する。)を光熱変換層に用いることも考えられる。しかしながら、ATOの単位重量あたりのレーザ光の吸収が十分ではないために、波長1000nm近傍のレーザ光を十分に吸収させ、転写を可能とする熱を生じさせるためには光熱変換層の厚みを非常に厚くする必要があった。さらに、光熱変換層の厚みが厚すぎると転写精度が低下する問題が生じた。
そこで上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の一側面では、可視光透過性を備え、かつ、厚さが薄くても波長1000nmの光の透過率を十分に抑制できる光熱変換層を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、六ホウ化物粒子とバインダー成分とを含有し、JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下である光熱変換層を提供する。
本発明の光熱変換層の一態様によれば、可視光透過性を備え、かつ、厚さが薄くても波長1000nmの光の透過率を十分に抑制できる光熱変換層を提供することができる。
六ホウ化物粒子の結晶構造の模式図。 ドナーシートの断面構成例の説明図。 実施例1〜3、比較例1、2で測定されたドナーシートの透過曲線。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
(光熱変換層)
本実施形態ではまず、光熱変換層の一構成例について説明する。
本実施形態の光熱変換層は、六ホウ化物粒子とバインダー成分とを含有し、JIS R 3106:1998に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下とすることができる。
本実施形態の光熱変換層に含まれる成分について以下、説明する。
まず、六ホウ化物粒子について説明する。
六ホウ化物粒子は、光熱変換層にレーザ光を照射した場合に、係るレーザ光を吸収し、熱を発生する赤外線吸収性粒子として機能することができる。また、本実施形態の光熱変換層は可視光透過性を備えていることが好ましいため、六ホウ化物粒子も可視領域の光については透過性が高い材料であることが好ましい。
六ホウ化物粒子を構成する六ホウ化物に含まれるホウ素以外の元素については特に限定されないが、六ホウ化物粒子は、赤外領域、特に近赤外領域のレーザ光を吸収し、熱を発生することができ、かつ可視領域の光の透過率が高い材料であることが好ましい。
そこで、本実施形態の光熱変換層においては、六ホウ化物粒子が、一般式XBで表される六ホウ化物を含む粒子であることが好ましい。
なお、六ホウ化物粒子は、上記一般式XBで表される六ホウ化物を1種類のみ含む粒子であってもよく、一般式XBで表される六ホウ化物を2種類以上含む粒子であってもよい。
また、本実施形態の六ホウ化物粒子が一般式XBで表される1種類以上の六ホウ化物からなる粒子とすることもできる。ただしこの場合、六ホウ化物粒子がXBで表される六ホウ化物以外に製造工程等で混入する不可避成分を含有していてもよい。
上記一般式XBのうち、元素Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrおよびCaから選択される少なくとも1種類以上の元素であることが好ましい。
また六ホウ化物に含有される元素Xに対するホウ素元素のモル比は、6.0であることが好ましいが、厳密に6.0である必要はなく、吸収特性に大きな影響を与えない範囲であれば使用することが可能である。例えば、上記一般式XBにおいては、5.4≦z≦6.4であることが好ましく、5.8≦z≦6.2であることがより好ましい。
上記一般式XBで表される六ホウ化物としては、具体的には、六ホウ化ランタンLaB6、六ホウ化セリウムCeB6、六ホウ化プラセオジムPrB6、六ホウ化ネオジムNdB6、六ホウ化ガドリニウムGdB6、六ホウ化テルビウムTbB6、六ホウ化ディスプロシウムDyB6、六ホウ化ホルミウムHoB6、六ホウ化イットリウムYB6、六ホウ化サマリウムSmB6、六ホウ化ユーロピウムEuB6、六ホウ化エルビウムErB6、六ホウ化ツリウムTmB6、六ホウ化イッテルビウムYbB6、六ホウ化ルテチウムLuB6、六ホウ化ランタンセリウム(La,Ce)B6、六ホウ化ストロンチウムSrB6、六ホウ化カルシウムCaB6等が挙げられる。
なお、本実施形態の光熱変換層に含まれる六ホウ化物粒子は、組成の異なる六ホウ化物粒子を同時に含有することもできる。
特に本実施形態の光熱変換層においては、六ホウ化物粒子が六ホウ化ランタン粒子を含むことが好ましく、六ホウ化物粒子が六ホウ化ランタン粒子であることがより好ましい。
ここで、図1に六ホウ化物XBの結晶構造を示す。図1に示すように六ホウ化物は単純立方晶系を有しており、立方体の各頂点にホウ素原子11が6個集まって形成された八面体が配置されている。そして、ホウ素原子11による八面体に囲まれた中央の空間に元素X12が配置される。
六ホウ化物が六ホウ化ランタンの場合、すなわち元素Xがランタンの場合、他の元素と比較してこの結晶構造中に存在する自由電子のプラズモン共鳴が強いことが知られている。このため、特に単位重量当たりのレーザ光の吸収が強く、光熱変換層の厚みを薄くできる。従って、上述のように本実施形態の光熱変換層においては、六ホウ化物粒子が六ホウ化ランタン粒子であることが特に好ましい。
本発明の発明者らの検討によると、六ホウ化物粒子は、可視領域の光については透過性を示し、赤外領域、特に近赤外領域のレーザ光を吸収し熱を発生することができる。このため、六ホウ化物粒子を含む本実施形態の光熱変換層は、照射されたレーザ光を吸収して熱を発生できると共に、光熱変換層をドナーシートに適用した場合、目視や可視光センサ等によりドナーシート中の欠陥を検出することができる。
また本発明の発明者らの検討によると、六ホウ化物粒子は、他の赤外線吸収性粒子よりも単位重量あたりのレーザ光の吸収が強いために、光熱変換層の厚さが薄くても波長1000nmの光の透過率を十分に抑制できる。さらに、光熱変換層の厚みを薄くできる結果、他の赤外線吸収性粒子を用いた場合と異なり転写精度の低下を防ぐことができる。
六ホウ化物粒子の平均粒子径は特に限定されるものではなく、光熱変換層に要求される透明性の程度や、レーザ光の吸収の程度等に応じて任意に選択することができる。例えば、六ホウ化物粒子は微粒子であることが好ましく、具体的には六ホウ化物粒子の体積平均粒子径が1nm以上800nm以下であることが好ましい。
なお、体積平均粒子径とはレーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味しており、本明細書において他の部分でも体積平均粒子径は同じ意味を有している。
これは、六ホウ化物粒子の体積平均粒子径を1nm以上とすることにより、例えばドナーシートに適用した場合にレーザ光を十分に吸収することができるためである。また、六ホウ化物粒子の体積平均粒子径を800nm以下とすることにより、六ホウ化物粒子を例えば分散剤や溶媒等と混合した際に、安定して分散させることができ、基材上に特に均一に塗布することができるためである。また、散乱により光を完全に吸収することが無く、特に可視領域の光の透過性を保持して光熱変換層の透明性を高めることができるからである。
六ホウ化物粒子の表面状態は特に限定されるものではなく、例えば表面が酸化されている六ホウ化物粒子、表面が酸化されていない六ホウ化物粒子、いずれについても用いることができる。通常、六ホウ化物粒子の表面は僅かに酸化していることが多く、また、粒子の分散工程で表面の酸化が起こることはある程度避けられない。もっとも、その場合でもレーザ光吸収効果を発現する有効性にほとんど変わりはない。このため、上述のように六ホウ化物粒子の表面状態は特に限定されない。ただし、六ホウ化物粒子のうち酸化している部分についてはレーザ光吸収効果への寄与が少ないことから六ホウ化物粒子は、その表面が酸化されていない方が好ましい。
次にバインダー成分について説明する。
バインダー成分としては特に限定されるものではなく、任意のバインダー成分を用いることができる。ただし、本実施形態においては、可視光透過性を備えた光熱変換層を提供することを目的とすることから、固体状になった場合の可視光透過性に優れたバインダー成分を用いることが好ましい。また、光熱変換層に対してレーザ光を照射した場合に、光熱変換層に含まれる赤外線吸収性粒子として機能する六ホウ化物粒子に該レーザ光を照射できるよう、赤外領域、特に近赤外領域の光の透過性も優れたバインダー成分を用いることが好ましい。
バインダー成分としては具体的には例えば、UV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑樹脂等が目的に応じて選定可能である。バインダー成分としては具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独使用であっても混合使用であっても良い。また、バインダー成分として金属アルコキシドの利用も可能である。金属アルコキシドとしては、Si、Ti、Al、Zr等のアルコキシドが挙げられる。これら金属アルコキシドを用いたバインダーは、加熱等により加水分解・縮重合させることで、酸化物膜を形成することが可能である。
光熱変換層に含まれる六ホウ化物粒子と、バインダー成分との比率は特に限定されるものではなく、光熱変換層の厚さや、光熱変換層に要求されるレーザ光の吸収特性等に応じて任意に選択することができ、特に限定されるものではない。ただし、例えば各種用途において光熱変換層を使用する際、光熱変換層が膜の形態を保てるように六ホウ化物粒子と、バインダー成分との比率を選択することが好ましい。
光熱変換層は、上述した六ホウ化物粒子、及びバインダー成分以外にもさらに任意の成分を添加することができる。例えば赤外線吸収性の粒子として六ホウ化物粒子以外の成分を添加することもできる。ただし、可視光の透過性を高め、近赤外領域の光の吸収を十分に高めるため、赤外線吸収性粒子としては、六ホウ化物粒子のみを含むことが好ましい。
また、後述のように、光熱変換層を形成する際、光熱変換層の原料となるインクには例えば分散剤や、溶媒等を添加することができ、これらの成分が残留し、光熱変換層に含まれていても良い。
そして、本実施形態の光熱変換層は、JIS R 3106:1998に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
光熱変換層の可視光透過率が50%以上の場合、光熱変換層の透明性を十分に高めることができる。このため、例えばドナーシートのフィルム基材上に光熱変換層、被転写層を形成した場合に、フィルム基材、光熱変換層を介して被転写層等を視認することが可能になり好ましい。
また、本実施形態の光熱変換層は、波長1000nmの光の透過率が10%以下であることが好ましく、9%以下であることがより好ましい。
これは、例えばドナーシートにおいて被転写層を転写する際には主に近赤外領域、特に波長1000nm近傍の波長を有するレーザ光が用いられている。このため、光熱変換層は係る領域の光の吸収率が高いことが好ましい。すなわち、係る領域の光の透過率が低いことが好ましい。そして、波長1000nmの光の透過率が10%以下の場合、光熱変換層は波長1000nm近傍の光を十分に吸収し、熱発生することができるため好ましい。
光熱変換層の厚さは特に限定されるものではなく、光熱変換層に添加した六ホウ化物粒子の赤外線の吸収特性、光熱変換層内の六ホウ化物粒子の充填密度、要求される可視光透過率、波長1000nmの光の透過率の程度等に応じて任意に選択できる。
ただし、光熱変換層の厚さは例えば5μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることがより好ましく、さらに2.5μm以下とすることがさらに好ましい。
これは光熱変換層の厚さが厚くなると、光熱変換層にレーザ光を照射した際に生じた熱が拡散しやすくなるためである。例えばドナーシートの光熱変換層として用いた場合、レーザ光を照射した点から面内方向に熱が拡散すると、レーザ光を照射していない部分についても被転写層が剥離し転写される恐れがあり、好ましくないためである。
光熱変換層の厚さの下限値は特に限定されるものではなく、六ホウ化物粒子の赤外線吸収特性等に応じて任意に選択することができる。このため、光熱変換層の厚さは0より大きければ良いが、100nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがより好ましい。これは光熱変換層の厚さが薄くなると、レーザ光を照射した際に生じる熱量を所定値以上とするためには、光熱変換層内に充填される六ホウ化物粒子の充填密度を高める必要が生じ、膜の形状を維持することが困難になる恐れがあるためである。
次に光熱変換層の製造方法の一構成例について説明する。
上述の光熱変換層は、例えば六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを基材上に塗布し、塗布したインクを乾燥させた後、乾燥させたインクを硬化させることにより形成することができる。
なお、六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを塗布する基材としては、例えばフィルム基材を含有する基材であることが好ましい。このため、基材は、フィルム基材のみから構成することもできるが、フィルム基材上に任意の層を形成した基材、例えばフィルム基材のインクを塗布する側の面に中間層が形成された基材を用いることもできる。
従って、六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを基材上に塗布するとは、上述のインクをフィルム基材上に直接塗布する場合に限定されるものではない。例えば、フィルム基材上に後述する中間層等を形成し、フィルム基材上に形成された該中間層上に係るインクを塗布する場合も包含する。このようにフィルム基材上に任意の層を配置した場合も、インクを塗布後、インクを乾燥、硬化させることにより光熱変換層を形成することができる。
光熱変換層の製造方法は例えば以下の工程を有することができる。
六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを基材上に塗布する塗布工程。
基材上に塗布したインクを乾燥させる乾燥工程。
乾燥工程で乾燥させたインクを硬化させる硬化工程。
ここでまず、塗布工程について説明する。
塗布工程で用いるインクは上述のように、六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、バインダー成分を含有することができる。
六ホウ化物粒子、及びバインダー成分については既に説明したため説明を省略する。
分散剤は、インクにした際に六ホウ化物粒子を溶媒中で安定して分散するための添加剤であり、公知の各種分散剤を用いることができる。例えばアクリル系高分子分散剤等の高分子系分散剤やシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を好ましく用いることができる。
溶媒は、インクとした場合に六ホウ化物粒子を分散させるための溶媒であり、アルコール系、ケトン系、エステル系、グリコール系、アミド系、炭化水素系、水系など、種々のものを選択することが可能である。具体的には例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;3−メチル−メトキシ−プロピオネートなどのエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;フォルムアミド、N−メチルフォルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチレンクロライド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などを挙げることができる。これらの中でも極性の低い有機溶剤が好ましく、特に、イソプロピルアルコール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n−ブチルなどがより好ましい。これらの溶媒は1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤、溶媒の添加量に関しても特に限定されるものではなく、分散剤については六ホウ化物粒子の添加量と、分散剤の分散性能等に応じて任意にその添加量を選択することができる。また、溶媒については、基材上にインクを塗布する際の作業性や、塗布後の乾燥工程に要する時間等を考慮して任意にその添加量を選択することができる。
また、インクには、上述の六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、バインダー成分以外にも必要に応じて任意の添加成分を添加することができる。例えば六ホウ化物粒子の分散性を高めるために、界面活性剤等のコーティング補助剤を添加しても良い。
インクを調製する方法は特に限定されるものではなく、上述のインクの原料となる材料を所望の比率となるように秤量、混合することで調製することができる。
例えば、六ホウ化物粒子と、分散剤と、溶媒とを予め粉砕・分散することにより分散液を調製した後、得られた分散液にバインダー成分を添加してインクとすることができる。六ホウ化物粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散する方法は特に限定されるものではないが、例えば、ペイントシェーカーや、超音波照射、ビーズミル、サンドミル等を用いて実施することができる。
分散液における六ホウ化物粒子の体積平均粒子径は1nm以上800nm以下であることが好ましい。分散液とバインダー成分とを混合し、インクとする際には、両者が十分に混ざり合う程度に混合すればよい。このため、分散液の段階で六ホウ化物粒子の体積平均粒子径を、光熱変換層において好適な体積平均粒子径とすることが好ましいためである。
分散液と、バインダー成分とを混合する方法も特に限定されるものではなく、例えば、分散液を調製する際に用いた粉砕・分散手段と同じ手段を用いて分散液と、バインダー成分とを混合することもできる。ただし、上述のようにインクを調製する際には、分散液とバインダー成分とが十分に混ざり合う程度に混合すればよく、分散液を調製した際よりも混合時間は短くすることができる。
インクを基材上に塗布する方法は特に限定されるものではなく、例えばバーコート法、グラビヤコート法、スプレーコート法、ディップコート法等により塗布することができる。
なお、基材については既述のようにフィルム基材を含むことができる。フィルム基材としては特に限定されるものではなく、用途に応じて任意のフィルム基材を用いることができる。例えば後述のドナーシートの場合と同様のフィルム基材を用いることもできる。
乾燥工程においてインクを乾燥する方法は特に限定されるものではなく、例えば用いた溶媒の沸点に応じて加熱温度を選択し、乾燥することができる。
硬化工程において、乾燥工程で乾燥させたインクを硬化させる方法は特に限定されるものではなく、バインダー成分の樹脂等に応じた方法で硬化させることができる。例えば、バインダー成分が紫外線硬化樹脂の場合には紫外線を照射することにより硬化することができる。また、バインダー成分が熱硬化樹脂の場合には、硬化温度まで昇温することにより硬化することができる。
以上に説明した本実施形態の光熱変換層によれば、可視光透過性に優れた光熱変換層とすることができる。また、波長1000nm付近の近赤外光領域の光の吸収特性に特に優れ、光熱変換層の厚さが薄くても係る光の透過率を十分に低くすることができる。すなわち、波長1000nm付近の近赤外光を吸収し、熱を発生させることができる。
このため、本実施形態の光熱変換層をドナーシート等に適用した場合、目視や可視光センサ等により欠陥を非常に容易に検出できるようになる。
また、光熱変換層の厚みを十分に薄くできる。そして、光熱変換層の厚みを薄くできるため、ドナーシート等に適用した場合に、被転写層の転写精度を十分に高めることもできる。
本実施形態の光熱変換層は、レーザ光を吸収し、熱を発生させる光熱変換層が要求される各種用途に用いることができ、その用途は特に限定されるものではないが、例えばドナーシートの光熱変換層として好適に用いることができる。
(ドナーシート)
次に、本実施形態のドナーシートの一構成例について説明する。
本実施形態のドナーシートは、ここまで説明した光熱変換層と、フィルム基材と、被転写層とを有することができる。
図2にドナーシートの断面構成例を示す。図2に示したようにドナーシート20は、例えばフィルム基材21の一方の面21A上に、六ホウ化物粒子221を含む光熱変換層22と、被転写層23と、を積層した構造を有することができる。
ここで、図2に示したドナーシート20の各層の構成例について説明する。
まず、フィルム基材21について説明する。
フィルム基材21は光熱変換層22や、被転写層23を支持する層である。そして、ドナーシート20に対してレーザ光を照射する場合、例えば波長1000nm近傍のレーザ光をフィルム基材21の他方の面21B側から照射することになる。このため、フィルム基材21は係るレーザ光が光熱変換層22まで透過できるように、赤外領域、特に近赤外領域の光の透過性に優れていることが好ましい。また、ドナーシート20中の例えば異物や塗布ムラ等の欠陥を、目視や可視光センサ等により検出できるよう、フィルム基材21は可視光の透過性についても優れていることが好ましい。
このため、フィルム基材21としては、可視光、及び赤外領域、特に近赤外領域の光の透過性に優れた材料を好ましく用いることができる。具体的には例えば、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ふっ素樹脂等から選択される1種類以上の材料をフィルム基材21として用いることができる。
フィルム基材21の厚さは特に限定されるものではなく、フィルム基材21に用いる材料の種類や、ドナーシートに要求される可視光や赤外光の透過性等に応じて任意に選択することができる。
フィルム基材21の厚さは例えば、1μm以上200μm以下とすることが好ましく、2μm以上50μm以下とすることがより好ましい。これは、フィルム基材21の厚さを200μm以下とすることにより、可視光や赤外光の透過性を高めることができ、好ましいためである。また、フィルム基材21の厚さを1μm以上とすることによりフィルム基材21上に形成した光熱変換層22等を支持し、ドナーシート20が破損することを特に防止できるためである。
光熱変換層22については既述のため説明を省略する。
被転写層23は、ドナーシート20にレーザ光を照射することによりドナーシート20から剥離し、転写する層であり、その構成は特に限定されるものではなく、任意の層とすることができる。また、図2では被転写層23が一層により構成された例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、例えば二層以上からなる被転写層23を構成することもできる。
既述のようにドナーシート20は例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する際に用いることができる。このため、被転写層23は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、ブロッキング層、電子輸送層等から選択される一層以上を含むように構成することができる。
なお、被転写層23の形成方法は特に限定されるものではなく、層を構成する材料の種類に応じて任意の方法により形成することができる。
また、ドナーシート20は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する場合だけでなく、電子回路、抵抗器、キャパシタ、ダイオード、整流器、メモリ素子、トランジスタ等の各種電子デバイスや、光導波路等の各種光デバイスなどを形成する場合にも用いることができる。このため、被転写層23は用途に応じて任意の構成とすることができる。
ここまでドナーシートの一構成例について説明したが、ドナーシートの構成は係る形態に限定されるものではなく、さらに任意の層を付加することもできる。例えばフィルム基材21と光熱変換層22との間、および/または光熱変換層22と被転写層23との間、に中間層を設けることができる。例えば光熱変換層22と被転写層23との間に中間層を設けることにより、被転写層23の転写部分の損傷および汚染を抑制することができる。あるいは中間層により、層と層の間の密着力を調整することができる。あるいはレーザ光の照射により光熱変換層の効果で被転写層が加熱された際に、被転写層23が基材から良好に剥離し基板側へ転写されるように、濡れ性および密着力を調整するよう中間層を構成することもできる。
中間層の構成は特に限定されるものではなく、例えばポリマフィルム、金属層、無機層(例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物層)、有機/無機複合層等により構成することができる。
ドナーシートの各層を積層する順番も図2の形態に限定されるものではない。例えばフィルム基材21の一方の面21A上に被転写層23を、他方の面21B上に光熱変換層22を配置することもできる。
以上に本実施形態のドナーシートの一構成例について説明したが、本実施形態のドナーシートは、上述した光熱変換層を有している。そして、係る光熱変換層は可視光の透過率が高いため、光熱変換層を通しても目視や可視光センサ等によりドナーシート内の欠陥を検出し、欠陥のあるドナーシートについては検査によって除去することができる。
また、光熱変換層の厚みを十分に薄くできるため、被転写層の転写精度を十分に高めることができる。
このため、ドナーシートを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子等の電子デバイスや、光デバイス等を作製した場合の歩留まりを高めることが可能になる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例1、2、比較例1、2においてそれぞれ光熱変換層、及びドナーシートを作製し、評価を行った。
[実施例1]
(光熱変換層の作製)
以下の手順により光熱変換層を作製した。
まず、赤外線吸収性粒子として機能する六ホウ化ランタン(LaB6)粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散して分散液を調製した。
この際、六ホウ化ランタン粒子は、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
分散剤としては、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系高分子分散剤(アミン価48mgKOH/g、分解温度250℃のアクリル系高分子分散剤)(以下、分散剤aと略称する。)を用い、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
溶媒としては、メチルイソブチルケトンを用い、分散液中の割合が80重量%となるように秤量した。
六ホウ化ランタン粒子と、分散剤と、溶媒とを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、20時間粉砕・分散処理し、六ホウ化ランタン粒子分散液(以下、分散液Aと略称する)を得た。
ここで、分散液Aにおける六ホウ化ランタン粒子の体積平均粒子径をレーザ回折/散乱式粒子分布測定装置(日機装株式会社製 ナノトラックUPA−UT)を用いて測定したところ21nmであることを確認できた。
次に、得られた分散液と、バインダー成分とを混合してインクを調製した。本実施例ではバインダー成分としてハードコート用紫外線硬化樹脂を用いた。
分散液A100重量部に対し、ハードコート用紫外線硬化樹脂であり、アクリル樹脂である東亜合成製アロニックスUV−3701(以下、UV−3701と略称する)を200重量部混合して六ホウ化ランタン粒子を含有するインクとした。
なお、インクにした後についても六ホウ化ランタン粒子の体積平均粒子径を上述の方法と同様に測定したところ21nmであることを確認できた。この後の操作において、六ホウ化ランタン粒子の体積平均粒子径には変化は生じないと考えられることから、後述する光熱変換層内の六ホウ化ランタン粒子の体積平均粒子径も同様になっているものといえる。
次に、得られたインク(塗布液)を、フィルム基材である厚さが50μmのPETフィルム(帝人製HPE−50。他の実施例・比較例でも同じ)上に、バーNo.が3のバーコーターを用いて塗布し塗布膜を形成した(塗布工程)。
塗布工程で形成した塗布膜を80℃で60秒間乾燥し溶媒を蒸発させた(乾燥工程)。
乾燥工程の後に、高圧水銀ランプを用いてバインダー成分を硬化させることで、六ホウ化ランタン粒子を含有した光熱変換層をフィルム基材上に作製した(硬化工程)。
シートの断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約2.0μmであることを確認できた。
光熱変換層をフィルム基材上に形成したシートの光学特性を分光光度計(日立製作所(株)製 型式:U−4100)を用いて測定した。
用いたフィルム基材のみについても同様にして光学特性を測定し、上述の測定値から差し引くことで光熱変換層の光学特性を算出した。
算出した光熱変換層の光学特性をもとに、JIS R 3106:1998に基づいて可視光透過率を算出した。
また、算出した光熱変換層の光学特性をもとに、波長1000nmの光の透過率を算出した。
以上の手順により光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は60%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は9%であることを確認できた。結果を表1に示す。
また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
(ドナーシートの作製)
また、作製した光熱変換層上にさらに被転写層を形成し、ドナーシートを形成した。ドナーシートは図2に示した構造となるように形成した。
具体的には、光熱変換層22の上面に被転写層23を形成した。被転写層23としては、光熱変換層22側から順に電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層、及び正孔注入層を積層した。
被転写層23に含まれる各層は以下のようにして成膜した。
電子輸送層は、Alq3[tris(8−quinolinolato)aluminium(III)]を蒸着法により成膜し、膜厚を20nmとした。
また、有機発光層は、電子輸送性のホスト材料であるADN(anthracene dinaphtyl)に、青色発光性のゲスト材料である4,4‘≡ビス[2≡{4≡(N,N≡ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%で混合した材料を蒸着法により成膜し、膜厚は約25nmとした。
正孔輸送層は、α−NPD[4,4−bis(N−1−naphthyl−N−phenylamino)biphenyl]を蒸着法により成膜し、膜厚を30nmとした。
正孔注入層は、m−MTDATA[4,4,4−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine]を蒸着法により成膜し、膜厚は10nmとした。
得られたドナーシートについてはフィルム基材側から被転写層23を目視し、その状態の確認を行った。
[実施例2]
塗布工程においてバーNo.が4のバーコーターを用いた点以外は実施例1と同様にして光熱変換層をフィルム基材上作製し、評価を行った。
実施例1と同様にしてシートの断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約2.3μmであることを確認できた。
実施例1と同様にして光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は52%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は4%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
また、作製した光熱変換層上に、実施例1と同様にしてさらに被転写層を形成し、ドナーシートを作製した。
[比較例1]
以下の手順により光熱変換層を作製した。
まず、赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散して分散液を調製した。
赤外線吸収性粒子としてはカーボンブラック(BET比表面積300m/g)を用い、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
分散剤としては実施例1と同じ分散剤aを用い、分散液中の割合が5重量%となるように秤量した。
溶媒としては、メチルイソブチルケトンを用い、分散液中の割合が85重量%となるように秤量した。
赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、4時間粉砕・分散処理し、カーボンブラック粒子分散液(以下、分散液Bと略称する)を得た。
ここで、分散液B内におけるカーボンブラック粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様にして測定したところ17nmであることを確認できた。
次に、得られた分散液Bと、バインダー成分とを混合してインクを調製した。本比較例ではバインダー成分として実施例1と同じUV−3701を用いた。
分散液B100重量部に対し、UV−3701を100重量部混合してカーボンブラック粒子を含有するインクとした。
なお、インクにした後についてもカーボンブラック粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様に測定したところ17nmであることを確認できた。この後の操作において、カーボンブラック粒子の体積平均粒子径には変化は生じないと考えられることから、後述する光熱変換層内のカーボンブラック粒子の体積平均粒子径も同様になっているものといえる。
次に、得られたインク(塗布液)を、実施例1と同じフィルム基材である厚さが50μmのPETフィルム上に、バーNo.が4のバーコーターを用いて塗布し塗布膜を形成した(塗布工程)。
塗布工程で形成した塗布膜を80℃で60秒間乾燥し溶媒を蒸発させた(乾燥工程)。
乾燥工程の後に、高圧水銀ランプでバインダー成分を硬化させることで、カーボンブラック粒子を含有した光熱変換層をフィルム基材上に作製した(硬化工程)。
実施例1と同様にしてシートの断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約2.5μmであることを確認できた。
実施例1と同様にして光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は2%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は10%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
また、作製した光熱変換層上に、実施例1と同様にして、さらに被転写層を形成し、ドナーシートを形成した。
[比較例2]
以下の手順により光熱変換層を作製した。
まず、赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散して分散液を調製した。
赤外線吸収性粒子としてはATO(アンチモン添加酸化錫)粒子(BET比表面積250m/g)を用い、分散液中の割合が20重量%となるように秤量した。
分散剤としては実施例1と同じ分散剤aを用い、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
溶媒としては、メチルイソブチルケトンを用い、分散液中の割合が70重量%となるように秤量した。
赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、9時間粉砕・分散処理し、ATO粒子分散液(以下、分散液Cと略称する)を得た。
ここで、分散液C内におけるATO粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様にして測定したところ23nmであることを確認できた。
次に、得られた分散液Cと、バインダー成分とを混合してインクを調製した。本比較例ではバインダー成分として実施例1と同じUV−3701を用いた。
分散液C100重量部に対し、UV−3701を50重量部混合してATO粒子を含有するインクとした。
なお、インクにした後についてもATO粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様に測定したところ23nmであることを確認できた。この後の操作において、ATO粒子の体積平均粒子径には変化は生じないと考えられることから、後述する光熱変換層内のATO粒子の体積平均粒子径も同様になっているものといえる。
次に、得られたインク(塗布液)を、実施例1と同じフィルム基材である厚さが50μmのPETフィルム上に、バーNo.が24のバーコーターを用いて塗布し塗布膜を形成した(塗布工程)。
塗布工程で形成した塗布膜を80℃で60秒間乾燥し溶媒を蒸発させた(乾燥工程)。
乾燥工程の後に、高圧水銀ランプでバインダー成分を硬化させることで、ATO粒子を含有した光熱変換層をフィルム基材上に作製した(硬化工程)。
実施例1と同様にしてシートの断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約15μmであることを確認できた。
また、実施例1と同様にして光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は44%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は11%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
また、作製した光熱変換層上に、実施例1と同様にして、さらに被転写層を形成し、ドナーシートを形成した。
Figure 2016162500
実施例1では光熱変換層に用いる赤外線吸収性粒子として、近赤外領域の光に選択的な吸収を有し透明性の高い六ホウ化物粒子である六ホウ化ランタン粒子を用いたため、波長1000nmの光の透過率を9%以下としても高い可視光透過率となることを確認できた。
実施例2では光熱変換層の膜厚を厚くすることにより、光熱変換層の赤外線吸収性粒子の面積あたりの含有量をさらに多くして波長1000nmの光の透過率を4%とし、より効率的に転写用レーザの光を吸収できるようにした。そして実施例2の場合でも、なお高い可視光透過率を有していることを確認できた。
特に実施例1、2においては、光熱変換層の厚さが2.0μm、2.3μmと薄いにもかかわらず、波長1000nmの光の透過率は9%、4%と十分に抑制できていることを確認できた。
これに対して、比較例1では赤外線吸収性粒子として透明性の低いカーボンブラックを用いたために、波長1000nmの光の透過率を10%とした場合に、可視光の透過性をほとんど有しないことを確認できた。
また、比較例2では赤外線吸収性粒子として、近赤外に選択的な吸収を有するものの透明性が十分でなく、近赤外の光の吸収性能が実施例1の六ホウ化ランタン粒子よりも低いATO粒子を用いた。このため、比較例2では波長1000nmの光の透過率を低くするため光熱変換層の厚さを15μmと他の実施例、比較例よりも厚くしている。しかし、波長1000nmの光の透過率が10%を超える場合でも可視光透過率は50%以下となり、十分な透明性を持たないことを確認できた。
また、各実施例、比較例で作製したドナーシートは、実施例1、2に関しては被転写層の状態がフィルム基材側から目視で確認できたが、比較例1、2については光熱変換層の透明性が十分ではなく被転写層の状態を目視で確認できなかった。
20 ドナーシート
21 フィルム基材
22 光熱変換層
23 被転写層

Claims (7)

  1. 六ホウ化物粒子とバインダー成分とを含有し、JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下である光熱変換層。
  2. 前記六ホウ化物粒子が、一般式XB(ただし、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrおよびCaから選択される1種類以上の元素、5.4≦z≦6.4)で表される六ホウ化物を含む粒子である請求項1に記載の光熱変換層。
  3. 前記六ホウ化物粒子が六ホウ化ランタン粒子である、請求項2に記載の光熱変換層。
  4. 前記六ホウ化物粒子の体積平均粒子径が1nm以上800nm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光熱変換層。
  5. 厚さが5μm以下である請求項1乃至4のいずれに一項に記載の光熱変換層。
  6. 前記六ホウ化物粒子、分散剤、溶媒、及び前記バインダー成分を含有するインクを基材上に塗布し、塗布したインクを乾燥させた後、乾燥させたインクを硬化させることにより形成された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光熱変換層。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光熱変換層と、フィルム基材と、被転写層とを有するドナーシート。
JP2015037284A 2015-02-26 2015-02-26 ドナーシート Active JP6497128B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015037284A JP6497128B2 (ja) 2015-02-26 2015-02-26 ドナーシート
KR1020150179901A KR102543285B1 (ko) 2015-02-26 2015-12-16 광열 변환층, 도너 시트

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015037284A JP6497128B2 (ja) 2015-02-26 2015-02-26 ドナーシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016162500A true JP2016162500A (ja) 2016-09-05
JP6497128B2 JP6497128B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=56847113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015037284A Active JP6497128B2 (ja) 2015-02-26 2015-02-26 ドナーシート

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6497128B2 (ja)
KR (1) KR102543285B1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108624119A (zh) * 2017-03-24 2018-10-09 卡西欧计算机株式会社 墨水、印刷装置、印刷方法以及造形物的制造方法
JP2018162448A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート、造形物の製造方法、印刷装置及び印刷方法
JP2019189823A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法
JP2020148821A (ja) * 2019-03-11 2020-09-17 国立研究開発法人物質・材料研究機構 六ホウ化ランタン膜及びその製造方法
JP2021079701A (ja) * 2021-02-01 2021-05-27 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法及び造形物の製造方法
US11097565B2 (en) 2018-04-27 2021-08-24 Casio Computer Co., Ltd. Thermally expandable sheet

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10101375A (ja) * 1996-09-30 1998-04-21 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜
JP2000096034A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽材料、日射遮蔽膜用塗布液、及び、日射遮蔽膜
JP2000169765A (ja) * 1998-12-10 2000-06-20 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた日射遮蔽膜
JP2003227922A (ja) * 2002-02-01 2003-08-15 Sumitomo Metal Mining Co Ltd プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターとこのフィルターの製造に用いられる近赤外線吸収剤の分散液
JP2004244613A (ja) * 2003-01-23 2004-09-02 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽体と日射遮蔽体形成用分散液
JP2007511890A (ja) * 2003-11-18 2007-05-10 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー エレクトロルミネセントデバイス、および色変換要素を備えるエレクトロルミネセントデバイスの製造方法
JP2008169294A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd レーザー溶着用光吸収樹脂組成物及び光吸収樹脂成形体、並びに光吸収樹脂成形体の製造方法
JP2009538761A (ja) * 2006-05-30 2009-11-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱物質転写基材フィルム、ドナー要素、並びにそれを作製及び使用する方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS562830B2 (ja) 1972-12-06 1981-01-21
US5998085A (en) 1996-07-23 1999-12-07 3M Innovative Properties Process for preparing high resolution emissive arrays and corresponding articles
US6114088A (en) 1999-01-15 2000-09-05 3M Innovative Properties Company Thermal transfer element for forming multilayer devices
US20040191564A1 (en) 2002-12-17 2004-09-30 Samsung Sdi Co., Ltd. Donor film for low molecular weight full color organic electroluminescent device using laser induced thermal imaging method and method for fabricating low molecular weight full color organic electroluminescent device using the film

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10101375A (ja) * 1996-09-30 1998-04-21 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜
JP2000096034A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽材料、日射遮蔽膜用塗布液、及び、日射遮蔽膜
JP2000169765A (ja) * 1998-12-10 2000-06-20 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた日射遮蔽膜
JP2003227922A (ja) * 2002-02-01 2003-08-15 Sumitomo Metal Mining Co Ltd プラズマディスプレイパネル用近赤外線吸収フィルターとこのフィルターの製造に用いられる近赤外線吸収剤の分散液
JP2004244613A (ja) * 2003-01-23 2004-09-02 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽体と日射遮蔽体形成用分散液
JP2007511890A (ja) * 2003-11-18 2007-05-10 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー エレクトロルミネセントデバイス、および色変換要素を備えるエレクトロルミネセントデバイスの製造方法
JP2009538761A (ja) * 2006-05-30 2009-11-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱物質転写基材フィルム、ドナー要素、並びにそれを作製及び使用する方法
JP2008169294A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd レーザー溶着用光吸収樹脂組成物及び光吸収樹脂成形体、並びに光吸収樹脂成形体の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108624119A (zh) * 2017-03-24 2018-10-09 卡西欧计算机株式会社 墨水、印刷装置、印刷方法以及造形物的制造方法
JP2018162448A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート、造形物の製造方法、印刷装置及び印刷方法
JP2018162443A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 カシオ計算機株式会社 インク、印刷装置、印刷方法及び造形物の製造方法
US11203220B2 (en) 2017-03-24 2021-12-21 Casio Computer Co., Ltd. Ink, printing apparatus, printing method, manufacturing method for shaped object, and thermal expansion sheet
JP2019189823A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法
US11097565B2 (en) 2018-04-27 2021-08-24 Casio Computer Co., Ltd. Thermally expandable sheet
JP2020148821A (ja) * 2019-03-11 2020-09-17 国立研究開発法人物質・材料研究機構 六ホウ化ランタン膜及びその製造方法
JP7347778B2 (ja) 2019-03-11 2023-09-20 国立研究開発法人物質・材料研究機構 六ホウ化ランタン膜及びその製造方法
JP2021079701A (ja) * 2021-02-01 2021-05-27 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法及び造形物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160104542A (ko) 2016-09-05
JP6497128B2 (ja) 2019-04-10
KR102543285B1 (ko) 2023-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6497128B2 (ja) ドナーシート
KR102286678B1 (ko) 광열 변환층, 도너 시트
Jia et al. Highly Luminescent and Stable Green Quasi‐2D Perovskite‐Embedded Polymer Sheets by Inkjet Printing
JP6287627B2 (ja) 光熱変換層、ドナーシート
KR101093361B1 (ko) 광열변환층을 갖는 평판표시소자용 열전사 도너 필름 및 그 제조방법
KR101188548B1 (ko) 레이저 패턴 해상도와 에너지 범위를 제어하는 열 전사 도너필름 및 이를 이용한 소자
TW201934494A (zh) 近紅外線硬化型油墨組成物、近紅外線硬化膜及其等之製造方法暨光造形法
TWI837092B (zh) 光熱轉換層及其製造方法暨使用該光熱轉換層之施體片材
US11912054B2 (en) Light to heat conversion layer, donor sheet using light to heat conversion layer, and method for producing light to heat conversion layer
TW201529337A (zh) 熱轉移膜及使用其製備之電致發光裝置
KR20150106265A (ko) 열전사 필름 및 이를 사용하여 제조된 유기전계발광소자
KR102132279B1 (ko) 레이저 열전사용 도너필름
KR102014308B1 (ko) 광확산층을 포함하는 레이저광 열전사용 도너필름
KR20140098599A (ko) 레이저 열전사용 도너필름
KR20150088502A (ko) 열전사필름 및 이를 사용하여 제조된 유기전계발광소자

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6497128

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150