JPH10101375A - 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜 - Google Patents

日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜

Info

Publication number
JPH10101375A
JPH10101375A JP25930196A JP25930196A JPH10101375A JP H10101375 A JPH10101375 A JP H10101375A JP 25930196 A JP25930196 A JP 25930196A JP 25930196 A JP25930196 A JP 25930196A JP H10101375 A JPH10101375 A JP H10101375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
fine particles
solar radiation
radiation shielding
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25930196A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Takeda
広充 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP25930196A priority Critical patent/JPH10101375A/ja
Publication of JPH10101375A publication Critical patent/JPH10101375A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な塗布方法を利用して基材に成膜し、可
視光透過率の制御可能で、効率の良い日射遮蔽機能をも
ち、紫外線遮蔽機能も合わせもつ日射遮蔽膜用塗布液お
よびこれを用いた日射遮蔽膜膜を提供する。 【解決手段】 ITO、ATO、または、AZOのいず
れか1種もしくは2種以上の平均粒径100nm以下の
微粒子と、平均粒径100nm以下のルテニウム酸化物
微粒子とを分散媒に分散した日射遮蔽膜用塗布液。ま
た、上記構成で更に、無機バインダー又は/および樹脂
バインダーを混合した日射遮蔽膜用塗布液。更に、上記
いずれかの日射遮蔽膜用塗布液を基材に塗布後乾燥して
得た日射遮蔽膜。また、上記いずれかの日射遮蔽膜の上
に更に無機膜もしくは樹脂膜を被膜した多層日射遮蔽
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、プラスチック
ス等の日射遮蔽機能を必要とする基材表面に塗布して日
射遮蔽膜とするための日射遮蔽膜用塗布液およびこれを
用いた日射遮蔽膜に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線は、近赤外光(熱線)、可視
光、紫外光の3つに大きく分けられる。熱線は熱エネル
ギーとして人体に感じる波長領域であり、夏季の室内の
温度上昇の原因となる。また、紫外線領域は日焼けや皮
膚ガン等人体へ悪影響を及ぼすことが指摘されている。
可視光領域はその透過率を制御することで、窓ガラス等
の透明基材にプライバシー保護機能をもたせることがで
きる。
【0003】従来、日射遮蔽膜としては貴金属(Au、
Ag、Cu)や、アルミニウムなどの伝導電子を多量に
もつ金属材料が用いられていた。これらの材料では、日
射以外に可視光領域の光も同時に反射、吸収する性質が
あり、可視光透過率が低下してしまう欠点があった。そ
のため建材、乗り物、電話ボックス等の透明基材にこれ
らの材料を利用する場合は、可視光領域の透過率を高く
するため膜厚を非常に薄くするなどの操作が必要とな
り、十分な日射遮蔽特性をもたせることが困難であっ
た。また純メタル材料では基材との相互拡散や膜の安定
性の点から問題があった。
【0004】可視光透過性があり、かつ日射遮蔽機能を
もつ材料には、錫添加酸化インジウム(以下、「IT
O」という)微粒子、またはアンチモン添加酸化錫(以
下、「ATO」という)微粒子、またはアルミニウム添
加酸化亜鉛(以下、「AZO」という)などが知られて
いる。これらの材料は1300nm〜1800nm以上
の太陽光線を遮蔽する能力が高い。しかし、実際の熱エ
ネルギーに多く寄与している波長領域は800nm〜1
300nm付近の太陽光線であり、ITO、ATO、A
ZOではこれを遮蔽する機能が殆どなかった。
【0005】また、上記の材料を用いた膜の作製方法に
はスパッタ法や、蒸着法が利用されるが、これらの方法
では大がかりな真空装置を必要とするために生産性や大
面積成膜が困難で、また膜の製造コストが高いという問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、安価な塗布方法を利用して基材に
成膜し、可視光透過率の制御可能で、効率の良い日射遮
蔽機能をもち、紫外線遮蔽機能も合わせもつ日射遮蔽膜
用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜膜を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記、従来技術のもつ問
題点を解決するための本発明は、材料そのものの特性と
して紫外線領域に吸収をもち、可視光領域に透過性があ
り、かつ自由電子を多量に保有しそのプラズモン反射に
より800nm〜1300nm付近の太陽光線の遮蔽能
力の強い酸化物であるルテニウム酸化物微粒子に注目
し、これとITO微粒子、ATO微粒子、AZO微粒子
のいずれか1つ以上を同時に含む日射遮蔽膜を組み合わ
せたもので、ITO、ATO、または、AZOのいずれ
か1種もしくは2種以上の平均粒径100nm以下の微
粒子と、平均粒径100nm以下のルテニウム酸化物微
粒子とを分散媒に分散した日射遮蔽膜用塗布液である。
【0008】また、上記構成で更に、無機バインダー又
は/および樹脂バインダーを混合した日射遮蔽膜用塗布
液である。
【0009】また、本発明の日射遮蔽膜は、上記いずれ
かの日射遮蔽膜用塗布液を基材に塗布後乾燥して得たも
のである。また、本発明の多層日射遮蔽膜は、上記いず
れかの日射遮蔽膜の上に更に無機膜もしくは樹脂膜を被
膜したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】ルテニウム酸化物微粒子物微粒子
は金属的電気伝導性を示す黒色粉末である。平均粒径1
00nm以下の微粒子として薄膜中に分散した状態で
は、可視光透過性が生じ、近赤外領域に関しては、実際
の熱エネルギーに最も多く寄与している800nm〜1
300nm付近の太陽光線を効率よく遮蔽する特徴があ
る。
【0011】ITO、ATO、AZOの微粒子は130
0nm〜1800nm以上の太陽光線を遮蔽する能力が
高いことから、前記ルテニウム酸化物微粒子とこれらの
内いずれか1種以上を合わせて使用することで、より日
射遮蔽特性が向上する。
【0012】また、上記ルテニウム酸化物微粒子を分散
した膜の可視光領域の光学特性は550nm付近にピー
クをもつ透過プロファイルを示し、人の目の視感度曲線
のピークと良く一致することから可視光透過率(JIS
R 3106)の透過効率が良い。また、上記ルテニ
ウム酸化物微粒子の添加量を増加させると可視光透過率
を自由に制御できることから、日射遮蔽膜にプライバシ
ー保護機能を付加することが可能となる。
【0013】また、ルテニウム酸化物微粒子、ITO微
粒子、ATO微粒子、AZO微粒子等の材料は人体に悪
影響を及ぼす紫外線領域の光を吸収するので、日射遮蔽
膜に紫外線遮蔽機能を付加する事が可能となり、日焼け
等の防止にも役立つ。
【0014】ルテニウム酸化物微粒子には、例えば2酸
化ルテニウム(RuO2)、ルテニウム酸ビスマス(B
2Ru27)、ルテニウム酸鉛(Pb2Ru26.5)な
どをその代表的な例として挙げることができる。
【0015】塗布液中の微粒子の平均粒径は100nm
以下が必要であり、平均粒径が100nmよりも大きく
なると分散液中の微粒子同士の凝集傾向が強くなり、塗
布液中の微粒子の沈降原因となる。また100nm以上
の微粒子もしくはそれらの凝集した粗大粒子は、それに
よる光散乱により可視光透過率低下の原因となる。
【0016】塗布液中の微粒子の分散媒は特に限定され
るものではなく、塗布条件や、基材の耐薬品性、無機バ
インダーや樹脂バインダーとの相溶性、塗布環境等に合
わせて選択可能である。
【0017】例えば、水や、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアル
コール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサン、シク
ロヘキサノン、トルエン、イソホロン、酢酸ブチル、エ
チルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテー
ト、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリジノ
ン、N,Nージメチルフォルムアミドなど各種使用可能
であり、また、必要に応じて酸やアルカリを添加してp
Hを調整しても良い。更に、微粒子の分散安定性を向上
させるために、各種カップリング剤、界面活性剤等の利
用も可能であり、そのときのそれぞれの添加量は、酸化
物微粒子に対して30wt%以下が好ましい。また、微
粒子の分散方法は、微粒子が均一に溶液中に分散する方
法であれば良く、例としては、ボールミル、サンドミ
ル、超音波分散等の方法が挙げられる。
【0018】本発明の日射遮蔽膜は、基体上にルテニウ
ム酸化物微粒子と、ITO微粒子、ATO微粒子、また
は、AZO微粒子のうち1種もしくは2種以上が高密度
に堆積し膜を形成するものである。塗布液中に含まれ
る、無機バインダーおよび樹脂バインダーは、乾燥固化
後、酸化物微粒子の基体への結着性を向上させる接着剤
の役目をもち、更に、膜の硬度を向上させる効果があ
る。
【0019】また、このようにして得られた膜上に、更
に無機膜およびまたは樹脂膜を第2層として被膜するこ
とで、上記酸化物微粒子を主成分とする膜の基体への結
着力や、膜の硬度および耐候性を更に向上させることが
可能となる。
【0020】塗布液中にバインダーを含まない場合、こ
の塗布液を基体に塗布後乾燥して得られる膜は、基体上
にルテニウム酸化物微粒子と、ITO微粒子、ATO微
粒子、または、AZO微粒子のうち1種もしくは2種以
上が堆積した膜構造となる。このままでも日射遮蔽機能
を示すが、この膜に更に保護膜として無機もしくは樹脂
を含む塗布液を塗布することにより、塗布液中の無機も
しくは樹脂成分が第1層の酸化物微粒子の堆積した間隙
を埋めて成膜されるため、膜のヘイズが低減し可視光領
域の光透過率を向上させ、酸化物微粒子の基体への結着
性を向上させる。
【0021】この被膜用塗布液(以下、「コーティング
液」という)及び塗布液中の無機バインダー、又は、樹
脂バインダ−には、各種金属アルコキシドおよびそれら
の部分加水分解重合物、シラザン、アクリル樹脂等の熱
可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ビニル樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、紫外線硬化性樹脂
等を含む液等を用いることができる。
【0022】塗布液およびコーティング液の塗布方法と
しては特に限定されるものではなく、バーコート法、ブ
レードコート法、スピンコート法、スプレーコート法、
ディップコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法
等、処理液を平坦にかつ薄く均一に塗布できる方法であ
ればいかなる方法でも良い。
【0023】本発明の塗布液は酸化物微粒子を分散した
ものであり、熱によるインク成分の分解あるいは化学反
応を利用して目的の日射遮蔽膜を形成するものではな
い。従って特性の安定した均一な膜厚の薄膜を形成する
ことができる。また、本発明に用いる微粒子は酸化物で
あるために、有機染料等に比べて安定性が非常に高く、
経時変化や耐候性や取り扱い等の面で非常に優れてい
る。
【0024】ルテニウム酸化物微粒子と、その他の微粒
子を主成分とする日射遮蔽膜の膜厚は要求される透明性
と日射遮蔽能等から決定され、通常は0.05μm〜5
μm程度が好ましい。膜厚が0.05μmより薄くなる
と効果的な日射遮蔽効果が得られず、また膜中の微粒子
の分布が不均一になる傾向がある。また、厚膜を作製す
ることも可能であるが、膜厚が5μm以上になると十分
な透明性を保もするのが困難となり好ましくない。
【0025】本発明で用いる各酸化物微粒子は金属的伝
導を示す高導電性酸化物であるので、これだけも基体上
に塗膜すると基本的に高導電性膜となるが、本発明の日
射遮蔽膜では、塗布液中のバインダーを、膜中に電気絶
縁性の高い無機成分もしくは樹脂成分として混在させる
ことで各微粒子又はその凝集体を電気的に孤立した状態
で膜中に存在させることが可能となり、結果的に表面抵
抗が1MΩ/□以上の膜の作製が可能となる。この様に
高い表面抵抗をもつ日射遮蔽膜は、これを施した室内
で、携帯電話等の電波通信機や、ラジオ、テレビ、ポケ
ットベル等の電波受信機の利用が可能となり、応用範囲
が広がる。
【0026】本発明中の塗布液に、更に無機紫外線遮蔽
材料として、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化セリウム等、
有機紫外線材料としてベンゾフェノン、ベンゾトリアゾ
ール等を1種もしくは2種以上添加することで、紫外線
遮蔽能をさらに向上させることもできる。
【0027】本発明の日射遮蔽膜は、各種基材に直接塗
布し、太陽光線フィルターとして利用することが可能で
ある。ここで、各種基材とは、ガラス、または塩化ビニ
ル、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエー
テルニトリル等の樹脂基材、または各種繊維織物等を代
表的なものとして挙げることができる。また、塗布液中
の溶媒や樹脂成分を選択することで、塗布後常温固化さ
せ、直ちに太陽光線フィルターの機能を基材にもたせる
ことができる。また、薄いフィルム上に本発明における
膜を成膜し、このフィルムを目的の基材に直接接着剤等
で接着し太陽光線フィルター、プライバシー保護膜とし
て利用することも可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を元に更に詳細に説明
する。 実施例1 ・・・ 酸化ルテニウム(RuO2)微粒子
(平均粒径40nm)10.0g、ITO微粒子(平均
粒径50nm)90.0g、メチルセロソルブ35g、
イソホロン64.5g、およびシラン系カップリング剤
0.5gを混合し、直径4mmのジルコニアボールを用
いて100時間ボールミル混合して微粒子分散液100
gを作製した(A液)。
【0029】樹脂を用いたバインダー液として、エポキ
シ樹脂のメチルセロソルブ溶液を使用した(B液)。
【0030】上記A液とB液をそれぞれメチルセロソル
ブで目的の濃度となるように希釈し、A液とB液を混合
撹拌し全酸化物微粒子とバインダーの固形分が全体の4
0重量%、全酸化物微粒子とバインダーの重量比が7
0:30となるようにした(C液)。
【0031】このC液を厚さ0.1mmのPET(ポリ
エチレンテレフタレート)フィルム上にバーコーターを
用いて塗布した。これを100℃の乾燥機に入れて1時
間加熱硬化し、溶媒を蒸発させ微粒子分散膜を得た。更
にこの膜の上に、メチルセロソルブで濃度20重量%に
調製したエポキシ樹脂オーバーコート溶液(D液)をバ
ーコーターを用いて塗布し、これを100℃の乾燥機に
入れて1時間加熱硬化し、溶媒を蒸発させて目的とする
日射遮蔽膜を得た。本実施例において、成膜方法にはバ
ーコーターを用いており、膜厚を変化させ目的とする透
過率を得るために数種のバーコーターを使い分けてい
る。
【0032】形成された膜の表面抵抗は、三菱油化株式
会社製の表面抵抗計を用いて測定した。また、形成され
た膜の340〜1800nmの分光透過率を測定し、J
ISR 3106に従って日射透過率、可視光透過率を
算出した。ヘイズメーターを用いて膜のヘイズ値を測定
した。試料の紫外線領域の分光透過率を測定し、ISO
9050に従って紫外線透過率を算出した。これらの結
果を表1に示す。また、表1には実施例2〜9、比較例
1〜6で得られた膜の特性についても併せて示した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を5.0
g、ITO微粒子(平均粒径50nm)を95.0gと
し、C液中の酸化物微粒子とバインダーの重量比を6
8:32とし、C液中の全固形分濃度が39重量%とな
るようにした以外は、実施例1と同様の方法で膜を作製
した。
【0035】実施例3 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を1.0
g、ITO微粒子(平均粒径50nm)を99.0gと
し、C液中の酸化物微粒子とバインダーの重量比を6
9:31とし、C液中の全固形分濃度が41重量%とな
るようにした以外は、実施例1と同様の方法で膜を作製
した。
【0036】実施例4 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を0.5
g、ITO微粒子(平均粒径50nm)を99.5gと
し、C液中の酸化物微粒子とバインダーの重量比を7
0:30とし、C液中の全固形分濃度が39重量%とな
るようにした以外は、実施例1と同様の方法で膜を作製
した。
【0037】比較例1 ・・・ A液中に酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子を添加せず、ITO微粒子(平均
粒径50nm)のみ100.0g添加し、C液中の酸化
物微粒子とバインダーの重量比を70:30とし、C液
中の全固形分濃度が38重量%となるようにした以外
は、実施例1と同様の方法で膜を作製した。
【0038】比較例2 ・・・ C液中の酸化物微粒子
とバインダーの重量比を68:32とし、C液中の全固
形分濃度が43重量%となるようにした以外は、比較例
1と同様の方法で膜を作製した。
【0039】比較例3 ・・・ C液中の酸化物微粒子
とバインダーの重量比を69:31とし、C液中の全固
形分濃度が48重量%となるようにした以外は、比較例
1と同様の方法で膜を作製した。
【0040】実施例1〜4、比較例1〜3の膜の可視光
透過率と日射透過率の関係を図1に示した。図1より、
ITO微粒子とルテニウム酸化物を併用することで、I
TO微粒子のみを使用したときに比べて、日射透過率を
より低減させることが可能となった。
【0041】実施例5 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を2.0
g、ITO微粒子(平均粒径50nm)を98.0gと
し、C液中の酸化物微粒子とバインダーの重量比を6
3:37とし、C液中の全固形分濃度が43重量%とな
るようにし、基板に0.1mmのPETフィルムの代わ
りに、厚さ2mmのソーダライムガラスを使用し、D液
をコートせず1層膜とした以外は、実施例1と同様の方
法で膜を作製した。
【0042】実施例6 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を1.0
g、ITO微粒子(平均粒径50nm)を99.0g、
イソホロンの代わりにN−メチル−2−ピロリドンを同
量使用し、C液中の酸化物微粒子とバインダーの重量比
を100:0としてバインダーを添加せず、C液中の全
固形分濃度が35重量%となるようにし、基板に0.1
mmのPETフィルムの代わりに、厚さ2mmのソーダ
ライムガラスを使用し、膜の乾燥温度を200℃で1時
間とし、D液にエポキシ樹脂の代わりにテトラエチルシ
リケートを水とメチルセロソルブの混合溶液(1:1重
量比)に溶解させ、少量の硝酸を添加して作製した濃度
20重量%シリケート部分加水分解重合物溶液を使用し
た以外は、実施例1と同様の方法で膜を作製した。
【0043】実施例7 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を1.0
g、ITO微粒子(平均粒径50nm)を99.0g、
イソホロンの代わりにN−メチル−2−ピロリドンを同
量使用し、B液はエポキシ樹脂の代わりに、テトラエチ
ルシリケートを水とメチルセロソルブの混合溶液(1:
1重量比)に溶解させ少量の硝酸を添加して作製した濃
度20重量%のシリケート部分加水分解重合物溶液と
し、C液中の酸化物微粒子とバインダーの重量比を5
8:42とし、C液中の全固形分濃度が18重量%とな
るようにし、基板に0.1mmのPETフィルムの代わ
りに、厚さ2mmのソーダライムガラスを使用し、膜の
乾燥温度を200℃で1時間とし、D液にエポキシ樹脂
の代わりにテトラエチルシリケートを水とメチルセロソ
ルブの混合溶液(1:1重量比)に溶解させ、少量の硝
酸を添加して作製した濃度20重量%シリケート部分加
水分解重合物溶液を使用した以外は、実施例1と同様の
方法で膜を作製した。
【0044】実施例8 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を3.0
g、ITO微粒子の代わりにATO微粒子(平均粒径4
0nm)を97.0g添加し、C液中の酸化物微粒子と
バインダーの重量比を75:25とし、C液中の全固形
分濃度が39重量%となるようにした以外は、実施例1
と同様の方法で膜を作製した。
【0045】実施例9 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を2.0
g、ITO微粒子の代わりにAZO微粒子(平均粒径4
5nm)を98.0g添加し、C液中の酸化物微粒子と
バインダーの重量比を78:22とし、C液中の全固形
分濃度が38重量%となるようにした以外は、実施例1
と同様の方法で膜を作製した。
【0046】比較例4 ・・・ A液中に酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を添加せず
に、ITO微粒子の代わりにATO微粒子(平均粒径4
0nm)を100.0g添加し、C液中の酸化物微粒子
とバインダーの重量比を77:23とし、C液中の全固
形分濃度が39重量%となるようにした以外は、実施例
1と同様の方法で膜を作製した。
【0047】比較例5 ・・・ A液中に酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径40nm)を添加せず
に、ITO微粒子の代わりにAZO微粒子(平均粒径4
8nm)を100.0g添加し、C液中の酸化物微粒子
とバインダーの重量比を78:22とし、C液中の全固
形分濃度が41重量%となるようにした以外は、実施例
1と同様の方法で膜を作製した。
【0048】比較例6 ・・・ A液中の酸化ルテニウ
ム(RuO2)微粒子(平均粒径150nm)を0.5
g、ITO微粒子(平均粒径230nm)を99.5g
と微粒子の平均粒径の非常に大きい物を使用して目的の
インクを作製した以外は、実施例1と同様の方法で膜を
作製した。得られた膜付きフィルムは、ヘイズ値が35
と非常に高く、曇りガラスの様になってしまった。ま
た、インク中に多量の沈殿が生じてしまい、目的とする
膜、及びインクが得られなかった。
【0049】
【発明の効果】上記実施例に示したように、本発明の日
射遮蔽膜用塗布液を機材に塗布した上記日射遮蔽膜は、
近赤外領域に関してはルテニウム酸化物微粒子が実際の
熱エネルギーに最も多く寄与している800nm〜13
00nm付近の太陽光線を効率よく遮蔽し、一方ITO
微粒子、ATO微粒子、AZO微粒子いずれかの材料は
1300nm〜1800nm以上の太陽光線を遮蔽し、
この2種を併せて使用することで、実施例に示したよう
により日射遮蔽特性を向上させることが可能となった。
また、ルテニウム酸化物微粒子、ITO微粒子、ATO
微粒子、およびAZO微粒子は人体に悪影響を及ぼす紫
外線領域の光をそれぞれ吸収する特性をもち、ITO微
粒子、ATO微粒子、AZO微粒子の1種以上とルテニ
ウム酸化物微粒子を併用することでさらに紫外線遮蔽能
を向上させることが可能となった。また、ルテニウム酸
化物微粒子は可視光領域に吸収をもつことからこの添加
量により可視光透過率制御が可能であり、太陽光の紫
外、可視、近赤外域の光をまとめて制御できる材料とし
て応用範囲が広い。また、高導電性微粒子を用いている
にも関わらず膜の表面抵抗を1MΩ/□以上にすること
ができるため、これを施した室内で、携帯電話等の電波
通信機や、ラジオ、テレビ、ポケットベル等の電波受信
機の利用が可能となり、現在の電波事情に適した発明で
ある。また高コストの物理成膜法により作製された日射
遮蔽膜と比較して、簡便で安価な塗布法で成膜でき、コ
スト面や大面積成膜の面から工業的有用性が高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸は可視光透過率(%)、縦軸は日射透過率
(%)として、実施例及び比較例の可視光透過率と日射
透過率の関係を示したグラフである。
【符号の説明】 黒丸 ・・・ 実施例1〜4 白丸 ・・・ 比較例1〜3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫添加酸化インジウム、、アンチモン添
    加酸化錫、または、アルミニウム添加酸化亜鉛のいずれ
    か1種もしくは2種以上の平均粒径100nm以下の微
    粒子と、平均粒径100nm以下のルテニウム酸化物微
    粒子とを分散媒に分散した日射遮蔽膜用塗布液。
  2. 【請求項2】 錫添加酸化インジウム、、アンチモン添
    加酸化錫、または、アルミニウム添加酸化亜鉛のいずれ
    か1種もしくは2種以上の平均粒径100nm以下の微
    粒子と、平均粒径100nm以下のルテニウム酸化物微
    粒子とを分散媒に分散し、更に無機バインダー又は/お
    よび樹脂バインダーを混合した日射遮蔽膜用塗布液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2いずれかに記載の
    日射遮蔽膜用塗布液を基材に塗布後乾燥して得た日射遮
    蔽膜。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の日射遮蔽膜の上に更に
    無機膜もしくは樹脂膜を被膜した多層日射遮蔽膜。
JP25930196A 1996-09-30 1996-09-30 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜 Pending JPH10101375A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25930196A JPH10101375A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25930196A JPH10101375A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10101375A true JPH10101375A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17332184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25930196A Pending JPH10101375A (ja) 1996-09-30 1996-09-30 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10101375A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0905100A1 (en) * 1997-09-30 1999-03-31 Sumitomo Metal Mining Company Limited Coating solution for forming a selectively transmitting film
EP0943587A1 (en) * 1998-03-16 1999-09-22 Sumitomo Metal Mining Company Limited Near infra-red shielding single or multilayer film and a coating liquid for forming the same
JP2000096034A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽材料、日射遮蔽膜用塗布液、及び、日射遮蔽膜
EP1008564A1 (en) * 1998-12-10 2000-06-14 Sumitomo Metal Mining Company Limited Coating solution for forming a film for cutting off solar radiation and the film formed therefrom
WO2002041041A3 (en) * 2000-11-14 2003-05-30 Cpfilms Inc Optically active film composite
WO2004002894A1 (ja) * 2002-07-01 2004-01-08 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 日射遮蔽用アンチモン錫酸化物微粒子とこれを用いた日射遮蔽体形成用分散液および日射遮蔽体並びに日射遮蔽用透明基材
WO2004090049A1 (en) * 2003-04-07 2004-10-21 Advanced Nano Products Company Limited Powder for isolating infrared rays, and isolating solution and goods using the same
EP1674512A2 (de) * 2000-05-05 2006-06-28 Leibniz-Institut für Neue Materialien gemeinnützige GmbH IR-absorbierende Zusammensetzungen
KR100933526B1 (ko) * 2008-02-28 2009-12-23 (주)씨케이 건축자재의 도장에 사용되는 에너지 절감형 투명 도료 및 이를 이용한 도막 형성 방법
WO2014010562A1 (ja) * 2012-07-13 2014-01-16 コニカミノルタ株式会社 赤外遮蔽フィルム
JP2016162500A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層、ドナーシート

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0905100A1 (en) * 1997-09-30 1999-03-31 Sumitomo Metal Mining Company Limited Coating solution for forming a selectively transmitting film
EP0943587A1 (en) * 1998-03-16 1999-09-22 Sumitomo Metal Mining Company Limited Near infra-red shielding single or multilayer film and a coating liquid for forming the same
JP2000096034A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽材料、日射遮蔽膜用塗布液、及び、日射遮蔽膜
EP1008564A1 (en) * 1998-12-10 2000-06-14 Sumitomo Metal Mining Company Limited Coating solution for forming a film for cutting off solar radiation and the film formed therefrom
JP2000169765A (ja) * 1998-12-10 2000-06-20 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた日射遮蔽膜
EP1674512A2 (de) * 2000-05-05 2006-06-28 Leibniz-Institut für Neue Materialien gemeinnützige GmbH IR-absorbierende Zusammensetzungen
EP1674512A3 (de) * 2000-05-05 2006-07-12 Leibniz-Institut für Neue Materialien gemeinnützige GmbH IR-absorbierende Zusammensetzungen
WO2002041041A3 (en) * 2000-11-14 2003-05-30 Cpfilms Inc Optically active film composite
JP2004514163A (ja) * 2000-11-14 2004-05-13 シーピーフィルムズ・インコーポレーテッド 光学活性フィルムコンポジット
US6663950B2 (en) 2000-11-14 2003-12-16 Cpfilms, Inc. Optically active film composite
CN100400448C (zh) * 2000-11-14 2008-07-09 Cp菲林公司 光学活性膜复合材料
JP4891519B2 (ja) * 2000-11-14 2012-03-07 シーピーフィルムズ・インコーポレーテッド 光学活性フィルムコンポジット
WO2004002894A1 (ja) * 2002-07-01 2004-01-08 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 日射遮蔽用アンチモン錫酸化物微粒子とこれを用いた日射遮蔽体形成用分散液および日射遮蔽体並びに日射遮蔽用透明基材
US7247371B2 (en) 2002-07-01 2007-07-24 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Antimony tin oxide fine particles for sunlight shielding, and disperse liquid for formation of sunlight shielding solid, sunlight shielding solid, and transparent substrate for sunlight shielding using thereof
WO2004090049A1 (en) * 2003-04-07 2004-10-21 Advanced Nano Products Company Limited Powder for isolating infrared rays, and isolating solution and goods using the same
US7465496B2 (en) * 2003-04-07 2008-12-16 Advanced Nano Products Company Limited Powder for isolating infrared rays, and isolating solution and goods using the same
KR100933526B1 (ko) * 2008-02-28 2009-12-23 (주)씨케이 건축자재의 도장에 사용되는 에너지 절감형 투명 도료 및 이를 이용한 도막 형성 방법
WO2014010562A1 (ja) * 2012-07-13 2014-01-16 コニカミノルタ株式会社 赤外遮蔽フィルム
JPWO2014010562A1 (ja) * 2012-07-13 2016-06-23 コニカミノルタ株式会社 赤外遮蔽フィルム
JP2016162500A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層、ドナーシート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4096277B2 (ja) 日射遮蔽材料、日射遮蔽膜用塗布液、及び、日射遮蔽膜
EP1008564B1 (en) Coating solution for forming a film for cutting off solar radiation and the film formed therefrom
US6673142B2 (en) Transparent conductive layered structure and method of producing the same, and transparent coat layer forming coating liquid used in the method of producing the same, and display device to which transparent conductive layered structure is applied
EP0943587B1 (en) Near infra-red shielding single or multilayer film and a coating liquid for forming the same
JP3302186B2 (ja) 透明導電性被膜付基材、その製造方法および該基材を備えた表示装置
JP2005226008A (ja) 日射遮蔽体形成用分散液及び日射遮蔽体並びにその製造方法
JP3262098B2 (ja) 熱線遮蔽材料とこれを用いた熱線遮蔽器材並びに塗布液および熱線遮蔽膜
JPH10101375A (ja) 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜
US20090216492A1 (en) Solar radiation shielding member and solar radiation shielding member forming fluid dispersion
JP2003176132A (ja) 日射遮蔽用アンチモン錫酸化物粒子および日射遮蔽膜形成用塗布液ならびに日射遮蔽膜
KR100471098B1 (ko) 열선차폐필름용코팅용액및이를사용하여열선차폐필름을제조하는방법
JP3744188B2 (ja) 熱線遮蔽膜形成用塗布液及び熱線遮蔽膜
US7247371B2 (en) Antimony tin oxide fine particles for sunlight shielding, and disperse liquid for formation of sunlight shielding solid, sunlight shielding solid, and transparent substrate for sunlight shielding using thereof
JP2002194291A (ja) 日射遮蔽膜形成用塗布液の製造方法
JP2003215328A (ja) 日射遮蔽用微粒子とこの微粒子を含む日射遮蔽膜形成用塗布液および日射遮蔽膜
JPH06144874A (ja) 熱線反射膜及びその製造方法
JP4200424B2 (ja) 日射遮蔽材料の製造方法、日射遮蔽膜形成用塗布液および日射遮蔽膜並びに日射遮蔽用透明基材
JP2015044921A (ja) 熱線遮蔽分散体、熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体
JPH10101340A (ja) 日射遮蔽膜用塗布液およびこれを用いた日射遮蔽膜
JPH0953030A (ja) 透明導電塗料及び透明導電膜
JPH1036774A (ja) 日射遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた日射遮蔽膜
JPH09302284A (ja) 日射遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた日射遮蔽膜
WO2022107717A1 (ja) 遮熱膜付きガラス基材
JP2002201027A (ja) 日射遮蔽用インジウム錫酸化物微粒子とその製造方法およびこれを用いた塗布液および日射遮蔽膜
JPH09156963A (ja) 熱線遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた熱線遮蔽膜