JPH09156963A - 熱線遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた熱線遮蔽膜 - Google Patents

熱線遮蔽膜用塗布液及びこれを用いた熱線遮蔽膜

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JPH09156963A
JPH09156963A JP32262295A JP32262295A JPH09156963A JP H09156963 A JPH09156963 A JP H09156963A JP 32262295 A JP32262295 A JP 32262295A JP 32262295 A JP32262295 A JP 32262295A JP H09156963 A JPH09156963 A JP H09156963A
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広充 武田
Yoshihiro Otsuka
良広 大塚
Kenji Adachi
健治 足立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた可視光透過率を保ちながら、効率の良
い熱線遮蔽機能を有する熱線遮蔽膜を、高コストの物理
成膜法を用いずに簡便な塗布法で成膜できるための塗布
液と、これを用いた熱線遮蔽膜とを提供する。 【解決手段】 均粒径が100nm以下の酸化ルテニウ
ム微粒子を分散したことを特徴とする熱線遮蔽膜用塗布
液。また、これに更に、ケイ素、ジルコニウム、チタ
ン、アルミニウムの各金属のアルコキシド、もしくは、
各金属のアルコキシドの部分加水分解重合物のうちから
選ばれた1種もしくは2種以上を含有する熱線遮蔽膜用
塗布液。また、上記いずれかの熱線遮蔽膜用塗布液を基
材に塗布後加熱して得た、熱線遮蔽特性を示す成分とし
て酸化ルテニウムを主成分とする熱線遮蔽膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、プラスチ
ックスその他の各種熱線遮蔽機能を必要とする基材に応
用可能な熱線遮蔽膜に関し、より詳しくは、酸化ルテニ
ウムを用いた熱線遮蔽膜用塗布液、及び、これを基材に
塗布した後加熱して得た熱線遮蔽特性を示す成分として
酸化ルテニウムを含む熱線遮蔽膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線遮蔽膜には、貴金属(Au、
Ag、Cu)や、窒化チタン、アルミニウムなどの様な
伝導電子を多量にもつ材料が用いられていた。熱線遮蔽
機能はこれら伝導電子のプラズモンによる反射を主とし
て利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの材料
では、熱線以外に可視光領域の光も同時に反射もしくは
吸収する性質があり、可視光透過率が低下してしまう欠
点がある。建材、乗り物、電話ボックス等に用いられる
透明基材にこれらの材料を利用する場合は可視光領域の
高透過率が必要とされるため、膜厚を非常に薄くするな
どの操作が必要となり、十分な熱線遮蔽特性をもたせる
ことが困難であった。また純メタル材料では基材との相
互拡散や膜の安定性の点から問題が生ずる場合があっ
た。
【0004】可視光透明性があり、かつ熱線遮蔽機能を
もつ材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)やア
ルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)などが知られている
が、これらのプラズモン反射は弱く、十分な熱線遮蔽機
能を得ることは困難であった。
【0005】また、上記の貴金属、窒化チタン、アルミ
ニウム、ITO、AZOなどの材料を用いた膜の形成方
法には、スパッタ法や、蒸着法等の物理成膜法が利用さ
れるが、これらの方法では大がかりな真空装置を必要と
するために生産性や大面積成膜に問題があり、更に、膜
の製造コストが高いという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、優れた可視光透過率を保ちながら、効率の良い熱線
遮蔽機能を有する熱線遮蔽膜を、高コストの物理成膜法
を用いずに簡便な塗布法で成膜できるための塗布液と、
これを用いた熱線遮蔽膜とを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、材料そのものの特性として、自由電
子を多量に保有しプラズモン反射の強い酸化物である酸
化ルテニウムに注目し、本発明を完成した。すなわち、
本発明の熱線遮蔽膜用塗布液は、平均粒径が100nm
以下の酸化ルテニウム微粒子を分散したことを特徴とす
る。
【0008】また、本発明の他の熱線遮蔽膜用塗布液
は、平均粒径が100nm以下の酸化ルテニウム微粒子
を分散し、更に、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アル
ミニウムの各金属のアルコキシド、もしくは、各金属の
アルコキシドの部分加水分解重合物のうちから選ばれた
1種もしくは2種以上を含有することを特徴とする。
【0009】また、本発明の熱線遮蔽膜は、上記いずれ
かの熱線遮蔽膜用塗布液を基材に塗布後加熱して得たも
ので、熱線遮蔽特性を示す成分として酸化ルテニウムを
主成分とし、または、これに更に、ケイ素、ジルコニウ
ム、チタン、アルミニウムの各金属の酸化物のうちの1
種もしくは2種以上を含むことを特徴とする。
【0010】また、本発明の他の熱線遮蔽膜は、上記の
熱線遮蔽膜上に更に、ケイ素、ジルコニウム、チタン、
アルミニウムの各金属の酸化物のうちの1種もしくは2
種以上を含む酸化物膜を被膜した多層熱線遮蔽膜である
ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】酸化ルテニウムは黒色粉末である
が、粒径100nm以下の微粒子として薄膜中に分散し
た状態においては可視光透過性が生ずる。しかし、赤外
光遮蔽能は充分強く保持できる。本発明において、塗布
液中の酸化ルテニウム微粒子の粒径は100nm以下が
良く、粒子系が100nmよりも大きくなると分散液中
の微粒子同士の凝集傾向が強くなり、塗布液中の微粒子
の沈降原因となる。また100nm以上の微粒子もしく
はそれらの凝集した粗大粒子は、塗布後加熱した膜表面
の凹凸を増大させる傾向があり、それによる光散乱によ
り可視光透過率低下の原因となるので好ましくない。
【0012】本発明の塗布液の製造方法としては、平均
粒径100nm以下の酸化ルテニウム微粒子を分散用極
性溶媒中に高分散する分散処理工程と、これに希釈用極
性溶媒を混合する工程と、必要により更に、この溶液
に、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムの各
金属のアルコキシド、もしくは、各金属のアルコキシド
の部分加水分解重合物のうちから選ばれた1種もしくは
2種以上を含有した溶液を混合する工程とからなる。
【0013】分散処理工程においては、酸化ルテニウム
微粒子を分散用極性溶媒中に混合し、強力な分散機を用
いて凝集粒子ができるだけ1次粒子に近づくまで解砕
し、この単分散状態を得ることが望ましい。分散機とし
ては、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波
分散機等を用いいることができる。
【0014】分散用極性溶媒としては、焼成温度以下の
適当な沸点を持ち、酸化物微粒子を効率よく分散し得る
ものがよく、例えば、水、Nーメチルー2ーピロリドン
(NMP)、エタノール、4ーヒドロキシ4ーメチルー
2ーペンタノン(ジアセトンアルコール)、イソプロピ
ルアルコール、N,Nージメチルフォルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド、メチルセロソルブ、アセ
トン、テトラヒドロキシフラン等を挙げることができ
る。中でも水は、酸化ルテニウムに対しては分散媒とし
て好ましい効果をあげることができる。
【0015】この際、分散性を高める目的で、分散剤と
してシラン系、トタネート系、ジルコネート系、アルミ
ネート系などのカップリング剤、ポリカルボン酸系、リ
ン酸エステル系、シリコーン系などの界面活性剤などを
少量添加しても良い。また、添加量は酸化ルテニウム総
量に対して0〜10wt%程度が良い。
【0016】希釈用極性溶媒としては、分散用溶媒及び
分散剤と相溶性で、焼成温度以下の沸点をもつような溶
媒から選択される。成膜時、特に塗布時に、ムラ無く平
滑な膜が得られるよう、基板への塗り性を向上させるこ
とを目的としており、当業者は公知の技術により容易に
適当な溶媒を選択することができる。
【0017】塗布液中の酸化ルテニウム微粒子の分散媒
は、特に限定されるものではなく、塗布条件や、塗布環
境、塗布液中のアルコキシド等に合わせて選択可能であ
り、例えば、水や、アルコール等の有機溶媒など各種使
用可能であり、必要に応じて酸やアルカリを添加してp
Hを調整しても良い。また、酸化ルテニウム微粒子の分
散安定性を更に向上させるために、各種カップリング
剤、界面活性剤等の利用も可能であり、その時のそれぞ
れの添加量は、酸化ルテニウム微粒子に対して30wt
%以下、好ましくは5wt%以下が良い。
【0018】本発明における熱線遮蔽膜は、基体上に酸
化ルテニウム微粒子が高密度に堆積し膜を形成するもの
である。
【0019】塗布液中に含むことができる、ケイ素、ジ
ルコニウム、チタン、アルミニウムのアルコキシドもし
くはこれらの部分加水分解重合物は、塗膜加熱後、それ
ぞれの酸化物として重合固化し、酸化ルテニウム微粒子
の基体への結着性を向上させ、更に、膜の硬度を向上さ
せる効果がある。
【0020】また、本発明の熱線遮蔽膜上に更に、ケイ
素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等の酸化物膜
を第2層として被膜して多層膜としてもよい。ケイ素、
ジルコニウム、チタン、アルミニウムのアルコキシドも
しくはこれらの部分加水分解重合物を含む第2層の塗布
液成分が、第1層の酸化ルテニウムニウム微粒子の堆積
した間隙を埋めて成膜されるため、膜のヘイズが低減し
可視光領域の光透過率が向上し、酸化ルテニウム微粒子
の基体への結着性が向上し、更に膜硬度や耐候性を向上
する。
【0021】第2層の膜形成方法は、スパッタ法や、蒸
着法でも可能であるが、成膜工程の容易さや、成膜コス
トが低いなどの利点から、塗布法が有効である。第2層
の塗布液を第1層上に塗布して加熱することで、ケイ
素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等の酸化物被
膜を容易に作製することが可能である。
【0022】本発明の塗布液にて第1層の膜を形成した
後更に、水やアルコール中に、ケイ素、ジルコニウム、
チタン、アルミニウム等のアルコキシドおよびその部分
加水分解重合物を1種もしくは2種以上含む液(以下、
「コーティング液」という)を塗布して多層膜とする場
合、そのコーティング液の組成は、加熱後得られる酸化
物換算で全溶液中の30wt%以下好ましくは10wt
%以下が良い。また必要に応じて酸やアルカリを添加し
てpHを調整することも可能である。
【0023】熱線遮蔽膜作製用塗布液中の酸化ルテニウ
ム微粒子含有量は、全体の30wt%以下好ましくは1
0wt%以下であることが好ましい。また、この塗布液
中に含むことができる、ケイ素、ジルコニウム、チタ
ン、アルミニウム等のアルコキシドおよびその部分加水
分解重合物の総量は、加熱後得られる酸化物換算で、酸
化ルテニウム(RuO2)に対して0〜30wt%が好
ましい。
【0024】塗布液の塗布方法としては、特に限定され
るものではなく、スピンコート法、スプレーコート法、
ディップコート法、スクリーン印刷法等、処理液を平坦
にかつ薄く均一に塗布できる方法であればいかなる方法
でも良い。
【0025】塗布液およびコーティング液塗布後の基体
加熱温度は、100℃未満では塗膜中に含まれるアルコ
キシドおよびその部分加水分解重合物の重合反応が未完
結で残る場合が多く、また水や有機溶媒が膜中に残留
し、加熱後の膜の可視光透過率の低減、および膜硬度や
耐候性の低下原因となるので100℃以上が好ましく、
更に好ましくは塗布液中の溶媒の沸点温度以上の加熱を
行うのがよい。
【0026】また、酸化ルテニウムは熱的には900℃
まで安定であり、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アル
ミニウムの酸化物も熱安定性は高いので、成膜加熱温度
の上限は、基体の熱安定温度の上限で限定され、ガラス
基体の場合はガラス軟化温度を目安とすることができ
る。
【0027】本発明による塗布液は酸化ルテニウム微粒
子を分散したものであり、焼成時の熱による塗布液成分
の分解あるいは化学反応を利用して目的の熱線遮蔽膜を
形成するものではない。従って特性の安定した均一な膜
厚の薄膜を形成することができる。また焼成温度として
は溶媒成分や分散剤成分の蒸発、あるいは、金属アルコ
キシド、もしくはその部分加水分解重合物の重合固化を
促進できる温度で良いので、上記に説明したような低温
成膜が可能である。
【0028】本発明による、酸化ルテニウムを主成分と
する熱線遮蔽膜や、多層膜の場合の第1層およびその上
のコーティング膜の膜厚は、要求される透明性と熱線遮
蔽能から決定され、通常は各0.05μm〜5μm程度
が好ましい。膜厚が0.05μmより薄くなると効果的
な熱線遮蔽効果が得られず、また膜中の微粒子の分布が
不均一になる傾向があるので好ましくない。また塗布を
繰り返すなどの操作により、厚膜を作製することも可能
であるが、膜厚が5μm以上になると可視光領域の十分
な透明性を保持するのが困難となり好ましくない。
【0029】本発明における、熱線遮蔽膜の導電性は、
種々に設計することが可能である。金属的伝導を示す高
導電性酸化物である酸化ルテニウム微粒子が高密度に堆
積し膜を形成するので基本的に高導電性膜となるが、非
導電性の界面活性剤やカップリング剤の使用により、ま
た膜中に、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウ
ムのうちの1種もしくは2種以上の酸化物を加熱生成さ
せることで、酸化ルテニウム微粒子を電気的に孤立した
状態で膜中に存在させることが可能となり、表面抵抗が
1MΩ/□以上の膜の作製も可能となる。この様に高い
表面抵抗をもつ熱線遮蔽膜は、これを施した室内で、携
帯電話等の電波通信機や、ラジオ、テレビ、ポケットベ
ル等の電波受信機の利用が可能となり、応用範囲が広が
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例を元に更に詳細に説明
する。 (実施例1) RuO2微粒子(平均粒径30nm)2
2g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)20g、
ジアセトンアルコール(DAA)10g、水47.5
g、およびチタネート系カップリング剤(味の素(株)
製プレンアクトKR−44)0.5gを混合し、直径4
mmのジルコニアボールを用いて100時間ボールミル
混合してRuO2の混合液100gを作製した(A
液)。平均重合度で4〜5量体であるエチルシリケート
40(多摩化学工業株式会社製)を6g、エタノール3
1g、5%塩酸水溶液8g、水5gで調整したエチルシ
リケート溶液50g、水800g、およびエタノール3
00gを良く混合してエチルシリケート混合液1150
gを調整した(B液)。A液とB液を撹拌混合しRuO
2およびシリケートの混合分散液1250gを調整した
(C液)。この溶液15gを150rpmで回転する2
00×200×3mmのソーダライム系板硝子基板上に
ビーカーから滴下し、そのまま5分間振り切った後回転
を止めた。これを200℃の電気炉に入れて30分加熱
し目的とする膜を得た。
【0031】形成された膜の表面抵抗は三菱油化株式会
社製の表面抵抗計を用いて測定した。また、形成された
膜の透過率は日立製作所製の分光光度計を用いて、34
0〜1800nmの透過率を測定し、JIS R 310
6に従って日射透過率、可視光透過率を算出した。これ
らの結果を表1に示す。また、表1には実施例2〜6で
得られた膜の特性についても併せて示した。
【0032】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− C液中の C液中の オーハ゛ー 可視光 日射 表面 RuO2濃度 エチルシリケート40 コート膜 透過率 透過率 抵抗値 (wt%) 濃度(wt%) の有無 (%) (%) (Ω/□) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 1.76 0.48 無 59.33 48.82 2×106 実施例2 1.6 0.72 無 62.78 51.20 5×107 実施例3 0.704 0 有 75.75 63.40 − 実施例4 1.2 0 有 64.75 53.00 − 実施例5 1.7 0 有 53.81 42.12 2×104 実施例6 2.2 0 有 50.10 38.46 − 比較例1 − − − 71.95 52.63 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0033】(実施例2) A液中のRuO2微粒子を
20g、水49.5gとし、B液中のエチルシリケート
40の量を9g、エタノールを28gとした以外は実施
例1と同様の方法で膜を作製した。
【0034】(実施例3) A液中のRuO2微粒子を
8.8g、水を60.7gとした以外は実施例1と同様
の方法でA液を得た。B液中のエチルシリケート40の
量を0g、5%塩酸水溶液0g、エタノールを45gと
した以外は実施例1と同様の方法でB液を得た。A液と
B液を撹拌混合しRuO2分散液1250gを調整した
(C液)。平均重合度で4〜5量体であるエチルシリケ
ート40(多摩化学工業株式会社製)を1.5g、エタ
ノール80g、5%塩酸水溶液6g、水12.5gを混
合し100gのコーティング液を得た。C液15gを1
50rpmで回転する200×200×3mmのソーダ
ライム系板硝子基板上にビーカーから滴下し、そのまま
5分間振り切った後、更にこの上にコーティング液15
gをビーカーから滴下し5分間振り切った後回転を止め
た。これを200℃の電気炉に入れて30分加熱し目的
とする膜を得た。得られた試料について、日立製作所製
の分光光度計を用いて340〜1800nmの透過率を
測定し、その透過スペクトルを図1に示す。また、実施
例4、6についても同様の測定を行いその透過スペクト
ルを図1に示す。
【0035】(実施例4) A液中のRuO2微粒子を
15g、水を54.5gとした以外は実施例3と同様の
方法で膜を作製した。
【0036】(実施例5) A液中のRuO2微粒子を
21.25g、水を48.25gとした以外は実施例3
と同様の方法で膜を作製した。
【0037】(実施例6) A液中のRuO2微粒子を
27.5g、水を42gとした以外は実施例3と同様の
方法で膜を作製した。
【0038】(比較例1) 塗布法に比べて高コストの
物理成膜法により作製された市販の熱線遮蔽ガラスにつ
いて、340〜1800nmの分光透過率を測定し、J
ISR 3106に従って日射透過率、可視光透過率を
算出した。これらの結果を表1に示す。また、ここで測
定した透過率スペクトルを図1に示す。この様に、非常
に安価な成膜法である塗布法を用いて、高コストの物理
成膜法で作製した膜と同程度の特性が得られていること
が分かる。
【0039】
【発明の効果】以上の実施例に示されるように、酸化ル
テニウムを成膜した本発明の膜を用いることにより、従
来膜に比べて大きな熱線遮蔽機能を得ることができた。
特に太陽光スペクトルの強度の大きい近赤外領域(78
0〜1400nm)の熱線遮蔽効率が高いので熱線遮蔽
には極めて有効である。さらに、高コストの物理成膜法
を用いずに、簡便で安価な塗布法で成膜できるので、コ
スト面や大面積成膜の面から工業的有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3、4、6と比較例1の膜特性
(透過率)を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が100nm以下の酸化ルテニ
    ウム微粒子を分散したことを特徴とする熱線遮蔽膜用塗
    布液。
  2. 【請求項2】 平均粒径が100nm以下の酸化ルテニ
    ウム微粒子を分散し、更に、ケイ素、ジルコニウム、チ
    タン、アルミニウムの各金属のアルコキシド、もしく
    は、各金属のアルコキシドの部分加水分解重合物のうち
    から選ばれた1種もしくは2種以上を含有することを特
    徴とする熱線遮蔽膜用塗布液。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の熱線遮
    蔽膜用塗布液を基材に塗布後加熱して得た、熱線遮蔽特
    性を示す成分として酸化ルテニウムを主成分とする熱線
    遮蔽膜。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の熱線遮
    蔽膜用塗布液を基材に塗布後加熱して得た、酸化ルテニ
    ウムを主成分とし、更にケイ素、ジルコニウム、チタ
    ン、アルミニウムの各金属の酸化物のうちの1種もしく
    は2種以上を含む熱線遮蔽膜。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の熱線遮
    蔽膜上に、更にケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミ
    ニウムの各金属の酸化物のうちの1種もしくは2種以上
    を含む酸化物膜を被膜した多層熱線遮蔽膜。
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