JP2021074930A - 印刷装置、印刷方法、及び印刷システム - Google Patents

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Abstract

【課題】隆起印刷を適切に行う。【解決手段】加熱された位置が隆起する加熱隆起媒体である媒体50に対して印刷を行う印刷装置10であって、インクを吐出する吐出ヘッドであるインクジェットヘッド102と、インクジェットヘッド102の動作を制御する制御部30とを備え、インクは、所定の波長のエネルギー線を吸収することで発熱するインクであり、制御部30、媒体50において隆起させる隆起位置を示すデータに基づき、媒体50における隆起位置に対応する位置へ、インクジェットヘッド102にインクを吐出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、及び印刷システムに関する。
従来、印刷対象の媒体(メディア)上に盛り上がったインクの層を形成することで媒体の表面が盛り上がった状態になるように印刷を行う印刷方法が知られている。また、このような印刷方法は、例えばアナログ印刷の分野において、隆起印刷、バーコ印刷、又は厚盛印刷等と称されて、広く用いられている。
また、近年、塗布してある熱膨張性マイクロカプセルが発泡して隆起する媒体(以下、加熱発泡媒体という)を用いて媒体の表面に凹凸を形成する装置である2.5Dプリンタがカシオ計算機株式会社により実用化されている。この2.5Dプリンタでは、Mofrel(モフレル)方式と呼ばれる方法を用いて、媒体の一部を隆起させている。また、より具体的に、Mofrel(モフレル)方式では、加熱発泡媒体上に予め貼り付けたマイクロフィルムに近赤外線吸収用のカーボン画像層(加熱層)をインクジェット技術等の印刷技術により形成し、近赤外線を照射することで、カーボン画像層が形成されている部分を隆起させる。そして、その後にマイクロフィルムを剥離除去して、インクジェットプリンタ等により、画像の印刷を行う。
また、インクジェットプリンタ等で用いるインクに関し、従来、瞬間乾燥型のインクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。瞬間乾燥型のインクとは、例えば、紫外線等のエネルギー線の照射によりインク自体が発熱するインクのことである。
国際公開第2017/135425号公報
媒体の一部が盛り上がった形状になる印刷(以下、隆起印刷という)を行う場合、例えば従来のアナログ印刷の分野で用いられた方法では、隆起部を構成するインクの層(隆起層)を印刷するためにマスクを作成することが必要になる。そして、この場合、時間及び費用が多くかかることになる、また、その結果、例えば、少数のオリジナル製品を作成(印刷)する用途等において、採用することが難しくなる。
また、モフレル方式の場合、アナログ印刷方式と比べ、隆起させる位置の設定や変更に対する自由度が大きくなる。しかし、この場合、カーボン画像層を形成するために、マイクロフィルムが必要になる。また、近赤外線を照射した後にマイクロフィルムを剥離して除去する工程が必要になることで、必要な工数が多くなることが考えられる。
そのため、従来、隆起印刷をより適切に行うことが望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置、印刷方法、及び印刷システムを提供することを目的とする。
本願の発明者は、隆起印刷をより適切に行う方法に関し、鋭意研究を行った。そして、例えば加熱発泡媒体のような加熱により隆起が生じる媒体に対し、瞬間乾燥型のインクの原理を利用して加熱を行うことを考えた。より具体的に、この場合、例えば、瞬間乾燥型のインクのようにエネルギー線の照射により発熱するインクを用いて、媒体において隆起させる位置へ吐出ヘッドによりインクを吐出する。そして、媒体上のインクへエネルギー線を照射して、インクを発熱させることで、媒体の一部を加熱する。このように構成すれば、例えば、媒体の一部を適切に隆起させることができる。また、この場合、例えばマスク等を用いることなく、媒体における所望の位置へ容易かつ適切にインクを付着させることができる。また、例えば、マイクロフィルムを剥離して除去する工程等も不要になる。
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、加熱された位置が隆起する媒体である加熱隆起媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、インクを吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの動作を制御する制御部とを備え、前記インクは、所定の波長のエネルギー線を吸収することで発熱するインクであり、前記制御部は、前記加熱隆起媒体において隆起させる位置である隆起位置を示すデータに基づき、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置に対応する位置へ、前記吐出ヘッドに前記インクを吐出させることを特徴とする。
このように構成すれば、例えば、加熱隆起媒体において隆起位置に対応する位置に対し、インクを適切に付着させることができる。また、この場合、例えば、その後に加熱隆起媒体へエネルギー線を照射してインクを発熱させることで、隆起位置に対する加熱を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、加熱隆起媒体における隆起位置を隆起させて、隆起印刷を適切に行うことができる。
ここで、加熱隆起媒体について、加熱された位置が隆起することについては、例えば、所定の条件での加熱を行った場合に加熱された位置が隆起すること等と考えることができる。また、この構成において、印刷装置については、例えば、媒体へインクを吐出する装置等と考えることができる。インクについては、例えば、所定の用途に使用する液体等と考えることができる。また、インクについては、例えば、機能性の液体等と考えることもできる。また、印刷装置において、印刷を行うことについては、例えば、データにより指定された位置へインクを吐出すること等と考えることができる。
また、この構成において、加熱隆起媒体としては、例えば、加熱発泡媒体等を好適に用いることができる。この場合、加熱発泡媒体については、例えば、加熱に応じて発泡が生じて隆起する媒体等と考えることができる。また、加熱発泡媒体としては、例えば、塗布してある熱膨張性マイクロカプセルが発泡して隆起する媒体等を好適に用いることができる。また、この構成において、インクは、例えば、インクがエネルギー線を吸収することで発熱する発熱物質と、溶媒とを含む。この場合、発熱物質としては、例えば、エネルギー線を吸収することで発熱するエネルギー線吸収剤等を用いることができる。また、インクについて、例えば、エネルギー線吸収剤を含むインクと考えることができる。また、エネルギー線としては、例えば、紫外線を好適に用いることができる。この場合、発熱物質について、例えば、紫外線吸収剤等と考えることができる。また、インクが含む発熱物質としては、例えば、重合することで熱を発生する物質である重合性物質を用いること等も考えられる。この場合、インクについて、例えば、重合性物質を含むインクと考えることができる。また、インクとしては、例えば、エネルギー線吸収剤及び重合性物質を含むインクを用いてもよい。
また、この構成において、印刷装置は、エネルギー線を照射するエネルギー線照射部を更に備えてもよい。この場合、制御部は、例えば、加熱隆起媒体に対して吐出ヘッドがインクを吐出した後に、加熱隆起媒体へエネルギー線照射部にエネルギー線を照射させる。このように構成すれば、例えば、加熱隆起媒体にインクを付着させた後に、エネルギー線の照射を容易かつ適切に行うことができる。また、この場合、エネルギー線照射部は、例えば、インクへエネルギー線を照射することで、加熱隆起媒体における隆起位置を隆起させる熱をエネルギー線吸収剤に発生させる。また、インクが重合性物質を含む場合、エネルギー線照射部は、例えば、インクへエネルギー線を照射することで重合性物質を重合させて、加熱隆起媒体における隆起位置を隆起させる熱を重合性物質に発生させてもよい。また、インクがエネルギー線吸収剤及び重合性物質を含む場合、エネルギー線照射部は、例えば、インクへエネルギー線を照射することで、エネルギー線吸収剤に熱を発生させると共に、重合性物質を重合させて、加熱隆起媒体における隆起位置を隆起させる熱を、エネルギー線吸収剤及び重合性物質に発生させてもよい。
また、上記のように、この構成において、インクは、エネルギー線を吸収することで発熱する。そして、この場合、加熱隆起媒体に対してインクを定着させる動作についても、インクへエネルギー線を照射することで行うことが考えられる。この場合、インクについて、例えば、エネルギー線の照射により瞬間的にインクを乾燥させる瞬間乾燥方式で加熱隆起媒体に定着させると考えることができる。
また、より具体的に、この場合、制御部は、エネルギー線照射部に、例えば、第1エネルギー線照射と、第2エネルギー線照射とを行わせる。また、第1エネルギー線照射では、例えば、第1の照射条件でエネルギー線を照射することでインク中の溶媒を蒸発させて、加熱隆起媒体にインクを定着させる。また、第2エネルギー線照射では、例えば、第1の照射条件と異なる第2の照射条件でエネルギー線を照射することで、加熱隆起媒体における隆起位置を隆起させる。また、この場合、第1の照射条件としては、例えば、加熱隆起媒体において隆起位置の隆起が生じないようにインクを加熱する条件を用いる。このように構成すれば、例えば、隆起位置を隆起させる前に、加熱隆起媒体に対してインクを適切に定着させることができる。
また、この場合、加熱隆起媒体へのインクの定着時(インクの乾燥時)には、例えば、インクのドットの位置を早期に固定するために、インクの粘度を急速に高めることが望ましい。そのため、この場合、例えば、強いエネルギー線を照射することが考えられる。しかし、この場合、エネルギー線を照射する時間が長くなると、インクや加熱隆起媒体に焦げが生じるおそれがある。そのため、照射時間については、短くすることが好ましい。これに対し、隆起位置を隆起させる隆起時には、インクが加熱隆起媒体に既に定着しているため、急いで温度を高める必要はない。しかし、この場合、隆起位置を隆起させるためには、通常、ある程度以上の長い照射時間でエネルギー線を照射することが必要になる。また、この場合、例えばインクの乾燥時と同程度の強い紫外線を照射し続けると、インクや加熱隆起に焦げが発生するおそれがある。そのため、隆起時には、インクの乾燥時と比べて弱いエネルギー線をより長時間照射することが考えられる。
また、より具体的に、この場合、第1の照射条件については、例えば、第2の照射条件と比べて、短時間でインクの温度を上昇させ、かつ、エネルギー線を照射する照射時間が短くなる条件を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、加熱隆起媒体へのインクの定着及び隆起位置の隆起をエネルギー線の照射により適切に行うことができる。また、この場合、第1の照射条件については、例えば、第2の照射条件と比べて、照度が大きく、照射時間が短く、かつ、照射するエネルギー線の積算光量が小さくなる条件等と考えることもできる。
また、加熱隆起媒体へのインクの定着については、例えば、瞬間乾燥方式以外の方法で行ってもよい。この場合、例えば、インクの定着時にはエネルギー線を照射せずに、ヒータでの加熱を行うことで、加熱隆起媒体に対してインクを定着させること等が考えられる。
また、この構成において、印刷装置は、例えば、走査駆動部等を更に備えてもよい。この場合、走査駆動部は、例えば、予め設定された主走査方向へ加熱隆起媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作を吐出ヘッドに行わせる。そして、この場合、主走査動作中に吐出ヘッドが移動する範囲で隆起位置を隆起させると、例えば、加熱隆起媒体と吐出ヘッドとの間で意図しない接触等が生じるおそれもある。そのため、加熱隆起媒体へエネルギー線を照射するタイミングについては、主走査動作時に吐出ヘッドが移動する範囲を考慮して設定をすることが好ましい。また、より具体的に、隆起位置を隆起させるための紫外線の照射を行う場合において、エネルギー線照射部は、例えば、主走査動作時に吐出ヘッドが通過する領域から外れている位置において、加熱隆起媒体へエネルギー線を照射する。このように構成すれば、例えば、隆起位置をより適切に隆起させることができる。
また、印刷装置の構成によっては、例えば、主走査動作中に加熱隆起媒体の各位置へエネルギー線を照射して、隆起位置を隆起させること等も考えられる。この場合、隆起後の隆起高さに合わせて、加熱隆起媒体と吐出ヘッドとの間の距離を十分に空けておくことが好ましい。
また、この構成において、隆起位置を隆起させるために用いるインクとしては、無色のインクを好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、加熱隆起媒体に描く画像等に影響を与えない色のインクを用いて、隆起位置を適切に隆起させることができる。また、この場合、無色のインクについては、例えば、インクの色を所定の色にするための色材(例えば、顔料又は染料等)を意図的に添加していないインク等と考えることができる。また、無色のインクとしては、例えば、無色で透明な色であるクリア色のインク(クリアインク)等を好適に用いることができる。
また、隆起位置を隆起させるために用いる無色のインクを吐出する吐出ヘッドについては、例えば、隆起用ヘッド等と考えることができる。また、印刷装置は、例えば、隆起用ヘッドに加え、有色のインクを吐出する吐出ヘッドである有色インク用ヘッドを更に備えてもよい。この場合、制御部は、例えば、加熱隆起媒体上に描く画像を示す画像データに基づき、有色インク用ヘッドに有色のインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、画像の少なくとも一部が隆起した画像である隆起画像の印刷を適切に行うことができる。
また、この場合、制御部は、例えば、隆起位置が隆起する前の加熱隆起媒体へ、隆起用ヘッドに無色のインクを吐出させる。そして、隆起位置が隆起した後の加熱隆起媒体へ、有色インク用ヘッドに有色のインクを吐出させる。このように構成した場合、例えば、隆起位置を隆起させる隆起時において、有色のインクの影響が生じること等を適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、隆起位置をより適切に隆起させることができる。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法や印刷システム等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、隆起印刷を適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置10の一例を示す図である。図1(a)、(b)は、印刷装置10の要部の構成の一例を簡略化して示す上面図及び側断面図である。 印刷装置10において行う印刷の動作の一例を示す図である。図2(a)は、印刷装置10において用いる媒体50の構成の一例を示す。図2(b)は、インクジェットヘッド102により媒体50上へインクを吐出する動作の一例を示す。図2(c)は、光源部114により媒体50を加熱する動作の一例を示す。 隆起位置が隆起した後の媒体50に対してカラー印刷を行う動作の一例を示す図である。 印刷装置10の構成の変形例を示す図である。 印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。 印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。 印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。 印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10の一例を示す。図1(a)、(b)は、印刷装置10の要部の構成の一例を簡略化して示す上面図及び側断面図である。以下において説明をする点を除き、印刷装置10は、公知の印刷装置と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、印刷装置10は、以下において説明をする構成に加え、公知の印刷装置と同一又は同様の様々な構成を更に備えてもよい。
本例において、印刷装置10については、例えば、媒体50(メディア)へインクを吐出するインク吐出装置等と考えることができる。この場合、インクについては、例えば、所定の用途に使用する液体等と考えることができる。また、インクについては、例えば、機能性の液体等と考えることもできる。また、印刷装置10において、印刷を行うことについては、例えば、データにより指定された位置へインクを吐出すること等と考えることができる。
また、印刷装置10において、媒体50としては、例えば、インクジェット法での印刷が可能な公知の媒体を好適に用いることができる。また。より具体的に、本例において、媒体50としては、加熱隆起媒体の一例である加熱発泡媒体を用いる。この場合、加熱隆起媒体については、例えば、加熱された位置が隆起する媒体等と考えることができる。加熱発泡媒体については、例えば、加熱に応じて発泡が生じて隆起する媒体等と考えることができる。また、加熱発泡媒体については、例えば、発泡性の物質を用いることで加熱された位置が隆起するように構成された媒体等と考えることもできる。媒体50としては、例えば市販されている公知の加熱発泡媒体等を好適に用いることができる。また、より具体的に、本例において、媒体50としては、例えば、フィルム(ベースフィルム)等で構成されるベース部に熱膨張性マイクロカプセルが塗布された媒体を用いる。この場合、媒体50において加熱された位置にある熱膨張性マイクロカプセルが発泡(膨張発泡)することで、媒体50において加熱した位置が隆起する。
また、本例においては、媒体50に対する加熱を行うために、所定の条件に応じて発熱するインクを用いる。また、このようなインクとして、紫外線を吸収することで発熱するインクを用いる。この場合、紫外線は、所定の波長のエネルギー線の一例である。また、紫外線を吸収することでインクが発熱することについては、例えば、インク中のいずれかの成分が紫外線線を吸収することでインク全体の温度が上昇すること等と考えることができる。また、より具体的に、本例において、インクは、紫外線を吸収することで発熱する紫外線吸収剤と、溶媒とを含む。この場合、紫外線吸収剤は、インクがエネルギー線を吸収することで発熱する発熱物質の一例である。紫外線吸収剤については、例えば、エネルギー線吸収剤の一例等と考えることもできる。また、本例の印刷装置10は、インクジェットヘッド102を用いて媒体50へインクを吐出し、その後に紫外線照射部104により媒体50へ紫外線を照射することで、媒体50における隆起位置を隆起させる熱を紫外線吸収剤に発生させる。また、これにより、紫外線照射部104は、媒体50においてインクが吐出された位置が隆起位置になるように、媒体50を隆起させる。この場合、隆起位置とは、媒体50において隆起させる位置のことである。
また、このような動作を行うために、本例において、印刷装置10は、ヘッド部12、プラテン14、Yバー16、走査駆動部18、プリントヒータ20、プレヒータ22、アフターヒータ24、及び制御部30を備える。ヘッド部12は、媒体50に対してインクの吐出を吐出する部分である。また、本例において、ヘッド部12は、媒体50への紫外線の照射を更に行う。そして、これらの動作を行うために、ヘッド部12は、キャリッジ100、インクジェットヘッド102、及び紫外線照射部104を有する。
キャリッジ100は、ヘッド部12における各構成を保持する保持部材である。インクジェットヘッド102は、吐出ヘッドの一例であり、制御部30の制御に応じて、媒体50へのインクの吐出を行う。インクジェットヘッド102としては、公知のインクジェットヘッドを好適に用いることができる。
また、上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド102から吐出するインクとしては、紫外線を吸収することで発熱するインクを用いる。そして、この場合、インクを発熱させることで、隆起位置を隆起させるために媒体50を加熱する以外に、媒体50上でインクを乾燥させることも可能である。そのため、本例においては、媒体50上でインクを乾燥させて媒体50にインクを定着させるタイミングにおいても、媒体50上のインクへ紫外線を照射して、インクを発熱させる。この場合、本例のインクについて、瞬間乾燥型のインクとして用いていると考えることができる。
また、上記においても説明をしたように、本例においては、媒体50においてインクが吐出された位置が隆起位置になるように、媒体50を隆起させる。この場合、インクジェットヘッド102から吐出するインクについて、例えば、隆起位置を隆起させるために用いるインク等と考えることができる。また、インクジェットヘッド102について、例えば、隆起用ヘッドの一例と考えることができる。また、この場合、インクとしては、無色のインクを好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、媒体50に更に画像を描く場合等において、画像等に影響を与えない色のインクを用いて、隆起位置を適切に隆起させることができる。また、この場合、無色のインクについては、例えば、インクの色を所定の色にするための色材(例えば、顔料又は染料等)を意図的に添加していないインク等と考えることができる。また、本例において、インクジェットヘッド102から吐出するインクとしては、無色で透明な色であるクリア色のインクであるクリアインクを用いる。この場合、クリアインクについて、例えば、紫外線を吸収することで発熱するUV発熱クリアインク等と考えることができる。
紫外線照射部104は、エネルギー線照射部の一例であり、媒体50上のインクへ紫外線を照射する。また、本例において、紫外線照射部104は、媒体50上のインクを乾燥させるために紫外線を照射する複数の光源部112と、媒体50の少なくとも一部を隆起させるために紫外線を照射する光源部114とを有する。この場合、媒体50上のインクを乾燥させるために紫外線を照射することについては、例えば、インク中の溶媒を蒸発させることを主な目的として紫外線を照射すること等と考えることができる。また、インク中の溶媒を蒸発させることとは、例えば、求められる印刷の品質等に応じて、インクが十分に乾燥するように、溶媒の一部を蒸発させることであってもよい。また、媒体50の少なくとも一部を隆起させるために紫外線を照射することについては、例えば、媒体50の少なくとも一部を加熱して隆起を生じさせることを主な目的として紫外線を照射すること等と考えることができる。
また、本例の紫外線照射部104において、複数の光源部112のそれぞれは、図1(a)に示すように、インクジェットヘッド102に対して主走査方向(図中のY方向)の一方側及び他方側に配設される。この場合、主走査方向とは、主走査動作時に媒体50に対して相対的にインクジェットヘッド102が移動する方向と平行な方向である。また、主走査動作とは、媒体50に対して相対的に主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作のことである。また、本例において、インクジェットヘッド102は、主走査方向における一方及び他方の向き(双方向)の主走査動作を行う。この場合、各方向への移動時にインクジェットヘッド102の後ろ側になる光源部112から媒体50上のインクへ紫外線を照射することが考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体50に着弾した直後のインクへ適切に紫外線を照射することができる。また、これにより、例えば、インクを発熱させ、インク中の溶媒を蒸発させることで、媒体50にインクを適切に定着させることができる。
光源部112としては、例えば、UVLED等を好適に用いることができる。この場合、光源部112について、例えば、UVLED照射器等と考えることができる。光源部112におけるUVLEDとしては、インクが含む紫外線吸収剤の特性に合わせた波長範囲の紫外線を照射するUVLEDを用いることが好ましい。また、この場合、例えば、紫外線吸収剤について、UVLEDの発光波長範囲に合わせて選択すること等も考えられる。また、UVLEDの発光波長範囲については、例えば、照射エネルギーの大きなUVLEDを作成しやすい範囲に設定することが考えられる。より具体的に、この場合、UVLEDの発光中心波長について、例えば、300〜400nm程度にすること等が考えられる。また、UVLEDの発光中心波長については、360〜390nm程度(例えば、360nm程度)にすることが好ましい。
また、本例の紫外線照射部104において、光源部114は、図中に示すように、主走査方向と直交する副走査方向(X方向)の位置をインクジェットヘッド102に対してずらして配設される。また、これにより、光源部114は、媒体50の各位置に対し、主走査動作が行われた後に、紫外線を照射する。この場合、光源部114の動作について、例えば、媒体50に定着した後のインクへ紫外線を照射する動作等と考えることもできる。また、本例において、光源部114は、媒体50上のインクへ紫外線を照射してインクを発熱させることで、媒体50において隆起が生じるように、媒体50を加熱する。このように構成すれば、例えば、媒体50においてインクが付着している位置を適切に隆起させることができる。また、この場合、媒体50において隆起する隆起位置について、例えば、インクが吐出されたパターンに対応する領域等と考えることができる。また、媒体50における隆起位置を隆起させることについては、例えば、インクにより描かれた画像に対応する位置を隆起させること等と考えることもできる。
光源部114としても、例えば、UVLED等を好適に用いることができる。この場合、光源部114についても、例えば、UVLED照射器等と考えることができる。また、光源部114におけるUVLEDの発光中心波長についても、例えば300〜400nm程度にすることが考えられる。また、光源部114におけるUVLEDの発光中心波長は、360〜390nm程度(例えば、360nm程度)にすることが好ましい。
ここで、紫外線を照射することで媒体50の隆起位置を隆起させる場合において、例えば主走査動作中にインクジェットヘッド102が移動する範囲で隆起位置を隆起させると、媒体50とインクジェットヘッド102との間で意図しない接触等が生じることも考えられる。そのため、媒体50へ紫外線を照射して隆起位置を隆起させるタイミングについては、主走査動作時にインクジェットヘッド102が移動する範囲を考慮して設定をすることが好ましい。これに対し、上記のように、本例において、光源部114は、副走査方向における位置をインクジェットヘッド102とずらして配設されることで、主走査動作時にインクジェットヘッド102が通過する領域から外れている位置において、媒体50へ紫外線を照射する。そのため、本例によれば、例えば、隆起位置をより適切に隆起させることができる。また、この場合、媒体50において光源部114と対向する位置へ到達する前の部分については、例えば、未発泡の部分等と考えることができる。媒体50において光源部114と対向する位置を通過した後の部分については、例えば、発泡した部分等と考えることができる。
また、印刷装置10の構成の変形例においては、例えば、主走査動作中に媒体50の各位置へ紫外線を照射して、隆起位置を隆起させること等も考えられる。この場合、隆起後の隆起高さに合わせて、媒体50とインクジェットヘッド102との間の距離を十分に空けておくことが好ましい。また、紫外線照射部104により媒体50上のインクへ紫外線を照射する動作については、本例において行う印刷の動作と併せて、後に更に詳しく説明をする。
プラテン14は、媒体50を支持する台状部材であり、ヘッド部12と対向させて媒体50を支持する。また、本例において、プラテン14は、内部にプリントヒータ20、プレヒータ22、及びアフターヒータ24を収容する。Yバー16は、主走査動作時にヘッド部12の移動をガイド部材である。Yバー16としては、例えば、レール部材(ガイドレール)等と好適に用いることができる。
走査駆動部18は、ヘッド部12におけるインクジェットヘッド102に主走査動作及び副走査動作を行わせる駆動部である。主走査動作時において、走査駆動部18は、例えば、Yバー16に沿ってキャリッジ100を移動させることで、ヘッド部12における各構成を主走査方向へ移動させる。また、走査駆動部18は、更に、制御部30の制御に応じて、ヘッド部12におけるインクジェットヘッド102に、インクを吐出させる。また、走査駆動部18は、主走査動作の合間に副走査動作の駆動を行うことにより、媒体50においてヘッド部12と対向する領域を変更する。この場合、副走査動作については、例えば、媒体50に対して相対的に副走査方向へ移動する動作等と考えることができる。本例において、走査駆動部18は、例えば図示を省略したローラ等を駆動することで、副走査方向と平行な搬送方向(メディア搬送方向)へ媒体50を移動させることで、副走査動作の駆動を行う。また、印刷装置10においては、例えば、媒体50の各位置に対して複数回の主走査動作(パス数分の主走査動作)を行うマルチパス方式での動作を行うことが考えられる。この場合、1回の副走査動作での移動量(送り量)については、パス数に応じて設定することが考えられる。本例によれば、例えば、媒体50の各位置へ適切にインクの吐出を行うことができる。
プリントヒータ20は、ヘッド部12と対向する位置において媒体50を加熱するヒータである。本例において、プリントヒータ20は、媒体50を加熱することにより、媒体50の温度を調整する。また、この場合、プリントヒータ20による加熱により、媒体50上のインクの温度も上昇することが考えられる。そのため、プリントヒータ20については、例えば、光源部112と共にインクを加熱していると考えることもできる。
尚、プリントヒータ20での加熱温度が高い場合、例えばヘッド部12におけるインクジェットヘッド102が加熱されることで、ノズル詰まり等の問題が生じやすくなる。この場合、ノズル詰まりとは、例えば、インクジェットヘッド102におけるノズルがインクの乾燥により詰まることである。そのため、プリントヒータ20による加熱温度については、60℃以下にすることが好ましい。プリントヒータ20での加熱温度は、50℃以下であることがより好ましい。また、上記のように、本例においては、インクとしては、瞬間乾燥型のインクを用いている。この場合、プリントヒータ20においては、例えば、環境温度の影響を抑えること等を目的に、低い温度(例えば50℃以下、好ましくは40℃以下、更に好ましくは35℃以下)での加熱を行うことが考えられる。
また、プレヒータ22は、搬送方向においてヘッド部12よりも上流側で媒体50を加熱(予備加熱)するヒータである。プレヒータ22を用いることにより、例えば、ヘッド部12の位置へ到達する前に、媒体50の初期温度を適切に調整することができる。また、この場合、プレヒータ22による媒体50の加熱温度についても、例えば、環境温度の影響を抑えること等を目的に、低い温度(例えば50℃以下、好ましくは40℃以下、更に好ましくは35℃以下)にすることが好ましい。
アフターヒータ24は、搬送方向においてヘッド部12よりも下流側で媒体50を加熱するヒータである。アフターヒータ24については、例えば、乾燥促進のための後乾燥手段等と考えることができる。アフターヒータ24を用いることにより、例えば、印刷を完了するまでの間に、インクをより確実に乾燥させることができる。アフターヒータ24による媒体50の加熱温度については、例えば30〜50℃程度にすることが考えられる。また、アフターヒータ24の加熱温度については、使用する媒体50の耐熱温度以下の範囲で、ある程度の高い温度に設定してもよい。
尚、プリントヒータ20、プレヒータ22、及びアフターヒータ24のそれぞれとしては、公知の様々な加熱手段を用いることが考えられる。また、印刷装置10を使用する環境や求められる印刷の品質によっては、プリントヒータ20、プレヒータ22、及びアフターヒータ24のうちの一部又は全てを省略してもよい。
制御部30は、例えば印刷装置10のCPUを含む構成であり、印刷装置10の各部の動作を制御する。より具体的に、本例において、制御部30は、例えば、インクジェットヘッド102にインクを吐出させる位置の制御を行う。また、この場合、制御部30は、媒体50における隆起位置を示すデータに基づき、隆起位置に対応する位置へ、インクジェットヘッド102にインクを吐出させる。また、制御部30は、例えば、媒体50に対してインクジェットヘッド102がインクを吐出した後に、紫外線照射部104に媒体50へ紫外線を照射させる。本例によれば、例えば、媒体50における隆起位置に対し、インクを適切に付着させることができる。また、例えば、その後に媒体50へ紫外線を照射してインクを発熱させることで、隆起位置に対する加熱を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、媒体50における隆起位置を適切に隆起させることができる。また、この場合、例えば後に詳しく説明をするように、媒体50に対してカラー印刷を更に行うことで、隆起印刷を適切に行うことができる。
ここで、本例においては、例えば、隆起位置を示すデータに基づいてインクジェットヘッド102にインクを吐出させることで、媒体50に対し、データにより指定した隆起位置を高い精度で適切に隆起させることができる。また、この場合、データにより隆起位置を指定することで、例えばマスクの作成等を行うことなく、様々なパターンを高精度に設定して、媒体50の隆起位置を隆起させることができる。また、この場合、近赤外線吸収用のカーボン画像層等を用いることも不要なため、カーボン画像層を形成するためのマイクロフィルムの除去等を行うことも不要になる。そのため、本例によれば、より容易かつ適切に隆起印刷を行うことが可能になる。
また、本例の印刷装置10については、例えば、隆起印刷を行うことで得られる印刷物である隆起印刷物を作成する印刷システム(隆起印刷物作成システム)の一例等と考えることもできる。隆起印刷物については、例えば、少なくとも一部が隆起した印刷物等と考えることができる。また、図示及び説明の便宜上、図1においては、クリアインク用のインクジェットヘッド102のみを用いて印刷を行う場合の印刷装置10の構成の例を図示している。印刷装置10の構成の変形例においては、クリアインク以外の様々な色のインクを更に用いて、媒体50への印刷を行ってよい。この場合、例えば、媒体50の隆起位置を隆起させた後に、複数色のカラーインクを用いて、媒体50に対してカラー印刷を行うことが考えられる。また、印刷に求められる品質やインクの特性等によっては、例えば、カラー印刷を先に行ってから、媒体50の隆起位置を隆起させてもよい。更に、カラーインクとしても、例えば、紫外線を吸収することで発熱するインクを用いてもよい。また、この場合、例えば、クリアインクの代わり、又はクリアインクに加えて、カラーインクを発熱させることで、媒体50の隆起位置を隆起させてもよい。
続いて、本例において用いるインクの特徴について、更に詳しく説明をする。上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド102は、紫外線吸収剤及び溶媒を含むインクを吐出する。この場合、インクの溶媒としては、例えば、水又は各種の溶剤(有機溶剤等)を用いることが考えられる。また、インクの溶媒については、例えば、インクの主成分と考えることもできる。この場合、インクの主成分については、例えば、インク中に最も多い重量比で含まれている成分等と考えることができる。
また、紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収することで発熱する公知の様々な物質を用いることができる。より具体的に、紫外線吸収剤としては、例えば、紫外線硬化型インクにおいて開始剤(UV硬化開始剤)として用いられている公知の物質を用いることが考えられる。また、このような紫外線吸収剤としては、例えば、アセトフェミノン系UV硬化開始剤、α―アミノアセトフェノン系UV吸収剤、アシルフォスフィンオキサイドラジカル系UV吸収剤、O−アシルオキシム系UV吸収剤、チタノセン型UV硬化開始剤、2分子反応型UV硬化開始剤等のラジカル型UV硬化開始剤等を用いることが考えられる。また、紫外線吸収剤としては、例えば、カチオン型UV硬化開始剤等を用いてもよい。また、例えば、酸化亜鉛等の無機材料を紫外線吸収剤として用いることも考えられる。また、紫外線吸収剤としては、上記に示した特定の材料に限定されず、他の様々な物質を用いてもよい。
また、紫外線吸収剤としては、例えば、可視光領域の光に対する吸収性が低い物質を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体50上に形成したインクの層が紫外線吸収剤の影響で着色されることがないため、媒体50の隆起位置を隆起させた後においても、インクの層を除去すること等が不要になる。また、これにより、例えば、上記においても説明をしたように、マイクロフィルムの除去を行う工程が必要になること等を適切に防ぐことができる。また、紫外線吸収剤としては、紫外光領域の光に対する吸収性が高い物質を用いることが好ましい。また、紫外線吸収剤として用いる物質によっては、可視光領域の光に対する吸収性がある程度高くなること等も考えられる。この場合、紫外線吸収剤の添加量について、例えば、可視光領域の光を吸収することで生じるインクの色の変化が十分に小さくなる範囲にすることが好ましい。また、例えばクリアインク以外の有色のインクに紫外線吸収剤を添加する場合には、紫外線吸収剤の添加量について、可視光領域の光の吸収がインクの色材の発色を阻害しない範囲内にすることが好ましい。
また、本例のインクにおいて、紫外線吸収剤の添加量については、インクの全体の重量に対し、例えば、0.2〜10重量%程度にすることが考えられる。紫外線吸収剤の添加量については、好ましくは0.5〜10重量%程度、更に好ましくは5〜10重量%程度である。また、必要に応じて、インクは、公知のインクと同一又は同様の成分を更に含んでもよい。例えば、インクは、10〜50重量%程度のバインダ樹脂成分を含んでもよい。また、インクは、インクの表面張力や粘度を調整する調整剤等を更に含んでもよい。また、クリアインク以外の有色のインクを用いる場合、インクは、色材を更に含む。色材としては、例えば、顔料又は染料(例えば分散染料)等を用いることが考えられる。また、色材として、顔料及び染料の両方を用いてもよい。色材の添加量については、例えば、2〜10重量%程度にすることが考えられる。
続いて、印刷装置10において行う印刷の動作等について、更に詳しく説明をする。図2は、印刷装置10において行う印刷の動作の一例を示す図である。図2(a)は、印刷装置10において用いる媒体50の構成の一例を示す。上記においても説明をしたように、本例の印刷装置10において、媒体50としては、加熱発泡媒体を用いる。また、この場合、媒体50は、例えば図2(a)に示すように、ベース部152及び熱発泡層154を有する。ベース部152は、媒体50の基本構造を構成する部分であり、例えばフィルム(ベースフィルム)等で構成される。ベース部152としては、例えば塩化ビニル又はポリエステル等のフィルムを好適に用いることができる。
熱発泡層154は、所定の条件で加熱がされた場合に発泡により隆起が生じる層状部分である。また、本例において、熱発泡層154は、ベース部152上の各位置に多数の熱膨張性マイクロカプセルを含んでおり、加熱された場合に熱発泡層154の各位置における熱膨張性マイクロカプセルが発泡することで、加熱された位置が隆起位置になるように、媒体50を隆起させる。熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、加熱により軟化し膨張する熱可塑性発泡粒子等を好適に用いることができる。また、媒体50の構成については、例えば、ベース部152に熱膨張性マイクロカプセルが塗布されている構成等と考えることもできる。また、本例において、媒体50としては、インクジェット方式での印刷が可能であり、かつ、そのままの状態で紫外線を照射しても隆起が生じる温度にはならない媒体を用いることが考えられる。この場合、そのままの状態で紫外線を照射しても隆起が生じる温度にはならないことについては、例えば、インクジェットヘッド102によりインクを吐出しない状態で紫外線照射部104により紫外線を照射しても隆起が生じないこと等と考えることができる。
図2(b)は、インクジェットヘッド102により媒体50上へインクを吐出する動作の一例を示す。上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド102は、主走査動作中にインクを吐出することで、媒体50にインクを付着させる。また、この場合、インクジェットヘッド102と共に移動する光源部112により媒体50上のインクへ紫外線を照射することで、インクを短時間で乾燥させて、媒体50にインクを定着させる。このように構成すれば、例えば、瞬間乾燥方式によりインクを適切に媒体50に定着させることができる。また、この場合、例えば図中に示すように、媒体50上には、定着したインクにより、発熱層202が形成される。発熱層202については、例えば、紫外線の照射により発熱するインクで形成されたインクの層等と考えることができる。発熱層202については、例えば、紫外線を吸収することで発熱する紫外線吸収層等と考えることもできる。また、本例において、発熱層202は、媒体50において、後の工程で隆起させる隆起位置に形成される。
また、本例において、インクを乾燥させるために媒体50上のインクへ紫外線を照射する動作は、第1エネルギー線照射の動作の一例である。この場合、第1エネルギー線照射の動作とは、媒体50にインクを定着させるためにエネルギー線を照射する動作のことである。また、第1エネルギー線照射については、例えば、第1の照射条件でエネルギー線を照射することでインク中の溶媒を蒸発させる動作等と考えることもできる。また、本例において、印刷装置10における制御部30(図1参照)は、主走査動作中に紫外線照射部104(図1参照)における光源部112に紫外線を発生させることで、第1エネルギー線照射に対応する紫外線の照射を紫外線照射部104に行わせる。
また、本例においては、光源部112による紫外線の照射で媒体50にインクを定着させた後、光源部114による紫外線の照射を行うことで媒体50を加熱して、発熱層202が形成されている隆起位置を隆起させる。図2(c)は、光源部114により媒体50を加熱する動作の一例を示す。上記においても説明をしたように、本例において、光源部114は、媒体50の各位置に対し、主走査動作が行われた後に、紫外線を照射する。また、これにより、光源部114は、発熱層202を発熱させ、発熱層202が発生する熱により、媒体50を加熱する。このように構成すれば、例えば、発熱層202が形成されている位置を加熱して、媒体50における隆起位置を適切に隆起させることができる。
また、本例において、媒体50の隆起位置を隆起させるために媒体50上のインク(発熱層202)へ紫外線を照射する動作は、第2エネルギー線照射の動作の一例である。この場合、第2エネルギー線照射の動作とは、媒体50における隆起位置を隆起させるためにエネルギー線を照射する動作のことである。また、この場合、第2エネルギー線照射では、第1エネルギー線照射での第1の照射条件と異なる第2の照射条件でエネルギー線を照射することが考えられる。また、本例において、制御部30は、紫外線照射部104における光源部114に紫外線を発生させることで、第2エネルギー線照射に対応する紫外線の照射を紫外線照射部104に行わせる。
ここで、本例においては、上記のように、紫外線照射部104により、インクを乾燥させるための紫外線の照射と、媒体50の隆起位置を隆起させるための紫外線の照射とを行う。そして、この場合、それぞれの目的に合わせた条件での紫外線の照射を行うことが好ましい。より具体的に、インクを乾燥させるための紫外線の照射時(以下、インクの乾燥時という)には、媒体50において隆起位置の隆起が生じないようにインクを加熱する条件を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、隆起位置を隆起させる前に、媒体50に対してインクを適切に定着させることができる。また、インクの乾燥時には、例えば、インクのドットの位置を早期に固定するために、インクの粘度を急速に高めることが望ましい。そのため、例えば、強い紫外線を照射することが考えられる。しかし、この場合、紫外線を照射する時間が長くなると、インクや媒体50に焦げが生じるおそれがある。そのため、照射時間については、短くすることが好ましい。媒体50に焦げが生じるとは、例えば、媒体50における熱発泡層154やベース部152に焦げが生じることである。
これに対し、媒体50における隆起位置を隆起させる隆起時には、インクが媒体50に既に定着しているため、急いで温度を高める必要はない。しかし、この場合、隆起位置を隆起させるためには、通常、ある程度以上の長い時間にわたって媒体50を加熱することが必要になる。また、その結果、通常、ある程度以上の長い照射時間で紫外線を照射することが必要になる。また、この場合、例えばインクの乾燥時と同程度の強い紫外線を照射し続けると、インクや媒体50に焦げが発生するおそれがある。そのため、隆起時には、例えば、インクの乾燥時と比べて弱いエネルギー線をより長時間照射することが考えられる。
そして、以上の点を考慮した場合、インクの乾燥時における紫外線の照射条件については、例えば、隆起時の紫外線の照射条件と比べて、短時間でインクの温度を上昇させ、かつ、紫外線を照射する照射時間が短くなる条件を用いることが好ましいといえる。このように構成すれば、例えば、媒体50へのインクの定着及び隆起位置の隆起を紫外線の照射により適切に行うことができる。また、この場合、インクの乾燥時における紫外線の照射条件については、例えば、隆起時の紫外線の照射条件と比べて、照度が大きく、照射時間が短く、かつ、照射する紫外線の積算光量が小さくなる条件等と考えることもできる。また、この場合、隆起時においても、弱い紫外線ではなく、隆起位置を隆起させることが可能になる程度の強い紫外線を照射することが考えられる。そのため、隆起時の紫外線の照射条件については、例えば、強く、かつ比較的長時間の間紫外線を照射する条件等と考えることもできる。
また、より具体的に、本例において、インクの溶媒としては、例えば、沸点が180℃程度以下の液体を用いることが好ましい。そして、この場合、インクの乾燥時において、例えば、照射エネルギー量が0.2〜20(Joule/cm)程度になるように媒体50上のインクへ紫外線を照射することが好ましい。このように構成すれば、例えば、媒体50上のインクを適切に乾燥させることができる。また、隆起時においては、例えば、照射強度を0.1〜100(W/cm)程度とし、照射条件を0.02秒〜10秒程度とし、かつ、積算エネルギーが0.2〜200(Joule/cm)の範囲になるように紫外線を照射することが好ましい。また、この場合、紫外線の照射により、媒体50上の発熱層202を100〜180℃C程度に加熱することが考えられる。
尚、隆起時に媒体50を加熱する温度については、例えば、熱発泡層154における熱膨張性マイクロカプセルの特性を調整することで、様々な温度範囲に設定することが考えられる。しかし、低い温度で熱膨張性マイクロカプセルが発泡する構成にした場合、意図しないタイミングで発泡が生じること等も考えられる。そのため、熱膨張性マイクロカプセルが発泡する温度については、1気圧での水の沸点である100℃程度よりも高く(例えば、110℃以上程度に)することが好ましい。このように構成すれば、例えば、意図せずに媒体50に熱湯がかかった場合等にも、媒体50に隆起が生じることを適切に防ぐことができる。
また、媒体50における隆起位置を隆起させた後には、必要に応じて、例えばカラーインクを用いたカラー印刷等を更に行うことが考えられる。図3は、隆起位置が隆起した後の媒体50に対してカラー印刷を行う動作の一例を示す。この場合、例えば、隆起位置を隆起させるためのインク(クリアインク)を吐出するインクジェットヘッド102(図1参照)とは別のインクジェットヘッド122を用いて、カラーインクを媒体50上へ吐出することが考えられる。また、この場合、カラーインクは、有色のインクの一例である。インクジェットヘッド122は、有色インク用ヘッドの一例である。
また、この場合、インクジェットヘッド122によりカラーインクを吐出することで、例えば、媒体50上に、カラーインクの層(カラー画像層)であるカラー層204を形成する。カラー層204を形成する位置については、例えば、発熱層202が形成されている位置から独立して設定することが考えられる。より具体的に、カラー層204については、例えば、発熱層202が形成されている位置によらず、媒体50上の任意の位置に形成することが考えられる。また、この場合、カラー層204については、例えば図中に示すように、熱発泡層154上において発熱層202が形成されている位置に限らず、発熱層202が形成されていない位置にも形成することが考えられる。また、カラー層204については、媒体50の一部のみに形成してもよい。このように構成すれば、例えば、媒体50上に様々な画像を適切に描くことができる。また、これにより、例えば、画像の少なくとも一部が隆起した画像である隆起画像の印刷を適切に行うことができる。
ここで、上記においても説明をしたように、図1においては、クリアインク用のインクジェットヘッド102のみを用いて印刷を行う場合の印刷装置10の構成を図示している。この場合、カラー印刷については、例えば、インクジェットヘッド122を備える他の印刷装置を用いて行うことが考えられる。また、印刷装置10の構成の変形例において、印刷装置10は、クリアインク用のインクジェットヘッド102に加えて、カラーインク用のインクジェットヘッド122を更に備えてもよい。また、図3においては、図示の便宜上、一つのインクジェットヘッド122のみを図示している。しかし、カラー印刷を行う場合には、互いに異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッド122を用いることが考えられる。より具体的に、この場合、例えば、シアン色(C色)、マゼンタ色(M色)、イエロー色(Y色)、及びブラック色(K色)の各色のインクをそれぞれが吐出する複数のインクジェットヘッド122を用いることが考えられる。
また、図3においては、カラーインクとして瞬間乾燥型のインクを用いる場合の動作の例を図示している。この場合、例えば図中に示すように、紫外線を発生する光源部116を用いて、媒体50上にカラーインクを定着させる。また、この場合、図2及び図3を用いて説明をした上記の動作について、例えば、瞬間乾燥方式でインクを定着させる工程を2回行い、隆起位置を隆起させるために紫外線を照射する工程を1回行う動作等と考えることができる。また、この場合、必要部分のみを隆起させたカラー画像の作成について、このような基本動作を行うことで簡単に行えると考えることができる。
また、カラー層204を形成した後、必要に応じて、保護層等を更に形成してもよい。この場合、例えばインクジェット法やスプレー法を用いて、カラー層204の上に透明な層を更に形成することが考えられる。また、カラーインクでの印刷を行った後の媒体50については、様々な用途において用いることが考えられる。より具体的に、上記のように隆起印刷を行った後の媒体50については、例えば、カーテン、壁紙、内装材、ソフトサイン向けの旗、幟、垂れ幕等の作成の用途で用いること等が考えられる。また、例えば、おもちゃ、鞄、室内装飾品や、様々なオリジナル商品の作成等に用いること等も考えられる。
続いて、印刷装置10の構成の様々な変形例等について、説明をする。図4は、印刷装置10の構成の変形例を示す図である。以下において説明をする点を除き、図4において、図1〜3と同じ符号を付した構成は、図1〜3における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。上記においては、図1等を用いて、主に、紫外線照射部104における光源部112及び光源部114をキャリッジ100に保持させる構成について、説明をした。しかし、上記においても説明をしたように、媒体50における隆起位置を隆起させる隆起時には、インクが媒体50に既に定着しているため、急いで温度を高める必要はない。また、隆起位置を隆起させるためには、通常、ある程度以上の長い時間にわたって媒体50を加熱することが必要になる。そして、この場合、紫外線照射部104における光源部114については、キャリッジ100に保持させるのではなく、例えば図4に示すように、キャリッジ100の外部に配設すること等も考えられる。
また、この場合、紫外線照射部104における光源部112及び光源部114のうち、光源部112のみがヘッド部12の構成になっていると考えることができる。光源部114は、例えば媒体50の搬送方向においてヘッド部12よりも下流側に配設されることで、光源部112により紫外線が照射された位置に対し、更に紫外線を照射する。このように構成した場合も、媒体50の隆起位置を隆起させるための紫外線の照射を適切に行うことができる。また、この場合、光源部114は、例えば、副走査方向における媒体50の幅の全体に対して紫外線を照射する。
また、図3等を用いて上記においても説明をしたように、紫外線の照射により媒体50の隆起位置を隆起させた後には、カラーインク用のインクジェットヘッド122(図3参照)を用いて、カラー層204(図3参照)を形成することが考えられる。また、印刷装置10の構成の変形例において、印刷装置10は、クリアインク用のインクジェットヘッド102に加えて、カラーインク用のインクジェットヘッド122を更に備えてもよい。そして、この場合、印刷装置10の構成として、例えば図5に示すように、複数インクジェットプリンタを連結したように構成を用いることも考えられる。
図5は、印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。以下において説明をする点を除き、図5において、図1〜4と同じ符号を付した構成は、図1〜4における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。本変形例において、印刷装置10は、加熱用インク印刷部62、カラー印刷部64、繰出ローラ72、巻取ローラ74、テンションローラ76、及び複数の中間ローラ78を備える。これらのうち、加熱用インク印刷部62及びカラー印刷部64のそれぞれについては、連結されているそれぞれのインクジェットプリンタに対応する部分等と考えることができる。この場合、本変形例における印刷装置10の構成について、例えば、複数のインクジェットプリンタに対応する部分を用いて連続工程で印刷を行う構成等と考えることもできる。また、印刷装置10について、例えば、カラー隆起画像連続プリンタ等と考えることもできる。
また、より具体的に、加熱用インク印刷部62は、図1等を用いて説明をした印刷装置10に対応する部分である。加熱用インク印刷部62については、例えば、媒体50の隆起位置を隆起させるための構成等と考えることもできる。また、カラー印刷部64は、カラー印刷用のインクジェットプリンタに対応する部分である。カラー印刷部64については、例えば、隆起位置が隆起した後の媒体50に対してカラー印刷を行う構成等と考えることができる。また、本変形例において、カラー印刷部64は、カラー印刷を行うために必要な個数のインクジェットヘッド122(複数のインクジェットヘッド122)を有する。また、図示の便宜上、図中においては、カラー印刷部64について、一つのインクジェットヘッド122のみを図示している。
また、図中に示す構成においては、加熱用インク印刷部62及びカラー印刷部64のそれぞれが、制御部30を有している。この場合、加熱用インク印刷部62における制御部30と、カラー印刷部64における制御部30とを合わせた構成について、印刷装置10の制御部30等と考えることができる。また、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、加熱用インク印刷部62又はカラー印刷部64のいずれかの制御部30について、印刷装置10の全体を制御する制御部30等と考えることもできる。
また、本変形例においては、繰出ローラ72、巻取ローラ74、テンションローラ76、及び複数の中間ローラ78を用いて、加熱用インク印刷部62及びカラー印刷部64を通過するように、媒体50の搬送を行う。この場合、繰出ローラ72は、媒体50の搬送方向において加熱用インク印刷部62よりも上流側から媒体50へ向けて媒体50を繰り出すローラである。この場合、媒体50を繰り出すとは、例えば、ロール状に巻かれた媒体50の各部を順次繰り出すことである。また、本変形例において、繰出ローラ72は、例えば、ロール状に巻かれた媒体50を回転させることで、加熱用インク印刷部62へ向けて、順次媒体50を繰り出す。
巻取ローラ74は、媒体50の搬送方向においてカラー印刷部64よりも下流側でカラー印刷部64におけるカラー印刷が完了した部分を順次巻き取るローラである。テンションローラ76及び複数の中間ローラ78は、加熱用インク印刷部62とカラー印刷部64との間に配設されるローラである。また、これらのうち、テンションローラ76は、媒体50の搬送方向における加熱用インク印刷部62の下流側で媒体50へ所定のテンションを付与するためのローラである。複数の中間ローラ78は、媒体50の搬送経路において媒体50と接触するローラである。本変形例によれば、例えば、媒体50に対する隆起印刷を適切に行うことができる。
また、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクを吐出するインクジェットヘッド102、及びカラーインク用のインクジェットヘッド122について、一つのキャリッジ100に保持させること等も考えられる。図6は、印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。以下において説明をする点を除き、図6において、図1〜5と同じ符号を付した構成は、図1〜5における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例の印刷装置10において、ヘッド部12は、キャリッジ100、インクジェットヘッド102、及び紫外線照射部104に加え、複数のインクジェットヘッド122を更に有する。また、紫外線照射部104は、光源部112及び光源部116を有する。複数のインクジェットヘッド122のそれぞれは、カラーインク用のインクジェットヘッドであり、互いに異なる色のインクを吐出する。また、より具体的に、本変形例において、複数のインクジェットヘッド122のそれぞれは、シアン色(C色)、マゼンタ色(M色)、イエロー色(Y色)、及びブラック色(K色)のそれぞれの色のインクを吐出する。また、複数のインクジェットヘッド122は、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。また、この場合、複数のインクジェットヘッド122は、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクを吐出するインクジェットヘッド102よりも後で媒体50上へインクを吐出するように、副走査方向における位置をインクジェットヘッド102とずらして配設される。
また、本変形例において、複数のインクジェットヘッド122から吐出するカラーインクとしては、紫外線の照射に応じて発熱する瞬間乾燥型のインクを用いる。光源部116は、カラーインクを乾燥させるための紫外線を照射する紫外線光源であり、主走査方向において複数のインクジェットヘッド122と隣接する位置に配設されることで、主走査動作時において、媒体50上のカラーインクへ紫外線を照射する。
また、図中に示すように、本変形例において、紫外線照射部104は、光源部112及び光源部116により構成されている。この場合、例えば図1に示したヘッド部12と比べて、媒体50の隆起位置を隆起させるために紫外線を照射する専用の光源部114(図1参照)が省略されていると考えることができる。そして、この場合、光源部112について、光源部114の機能を兼用させることが考えられる。
より具体的に、この場合、例えば、タイミングをずらした2回の紫外線の照射を光源部112に行わせることで、光源部112に、インクを乾燥させるための紫外線の照射と、隆起位置を隆起させるための紫外線の照射とを行わせることが考えられる。また、この場合、例えば、主走査方向における一方の向きへインクジェットヘッド102を移動させる一方向(片方向)の主走査動作をインクジェットヘッド102に行わせ、この主走査動作時には、インクを乾燥させるための紫外線の照射を光源部112に行わせることが考えられる。また、この場合、主走査方向における他方の向きへインクジェットヘッド102を移動させる動作中には、隆起位置を隆起させるための紫外線の照射を光源部112に行わせることが考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体50における隆起位置を適切に隆起させることができる。
また、この場合、インクジェットヘッド102及び複数のインクジェットヘッド122のそれぞれによりインクを吐出する位置を制御部30により制御することで、高い精度での隆起印刷を行うことができる。より具体的に、本変形例において、制御部30は、隆起位置が隆起する前の媒体50へ、インクジェットヘッド102にインクを吐出させる。そして、隆起位置が隆起した後の媒体50へ、複数のインクジェットヘッド122にカラーインクを吐出させる。このように構成した場合、例えば、カラーインクの影響が生じること等を適切に防ぎつつ、媒体50における隆起位置を適切に隆起させることができる。また、隆起位置を隆起させた後に、インクジェットヘッド122によるカラー印刷を適切に行うことができる。また、この場合、制御部30は、例えば、媒体50上に描く画像を示す画像データに基づき、複数のインクジェットヘッド122にカラーインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、隆起位置を隆起させた後の媒体50に対し、様々な画像を適切に描くことができる。また、これにより、例えば、隆起印刷を高い精度で適切に行うことができる。
また、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、例えば、インクジェットヘッド102と、複数のインクジェットヘッド122とについて、別のキャリッジに保持させること等も考えられる。図7は、印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。以下において説明をする点を除き、図7において、図1〜6と同じ符号を付した構成は、図1〜6における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例において、印刷装置10は、図1に示した印刷装置10におけるヘッド部12及びYバー16に代えて、複数のヘッド部12a、b、及び複数のYバー16a、bを備える。また、この場合、ヘッド部12aは、媒体50の隆起位置を隆起させるためのヘッド部であり、キャリッジ100、インクジェットヘッド102、及び光源部112を有する。ヘッド部12bは、カラー印刷を行うためのヘッド部であり、キャリッジ100、複数のインクジェットヘッド122、及び複数の光源部116を有する。この場合、例えば、ヘッド部12aにおける光源部112と、ヘッド部12bにおける複数の光源部116とにより、紫外線照射部104が構成されていると考えることができる。また、複数のYバー16a、bのそれぞれは、複数のヘッド部12a、bのそれぞれの移動をガイドするガイド部材である。このように構成すれば、例えば、隆起位置を隆起させるための動作、及びカラー印刷を行う動作について、それぞれに適した駆動の制御をより適切に行うことができる。また、これにより、例えば、隆起位置を隆起させるための加熱時間をより適切に確保すること等が可能になる。また、本変形例の構成については、例えば、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクを吐出するインクジェットヘッド102、及びカラーインク用のインクジェットヘッド122について、別の駆動ユニットにまとめて構成していると考えることもできる。
また、本変形例においては、複数のヘッド部12a、bを用いることで、例えば、カラーインク用のインクジェットヘッド122の個数を増やすこと等も行いやすくなる。より具体的に、本変形例において、ヘッド部12bは、CMYKの各色用のインクジェットヘッド122に加え、ブルー色(B色)グリーン色(G色)、レッド色(R色)、及び特色(S色)用のインクジェットヘッド122を更に有する。この場合、CMYKの各色用のインクジェットヘッド122は、例えば、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。また、BGRの各色用のインクジェットヘッド122は、例えば、CMYKの各色用のインクジェットヘッド122と副走査方向における位置をずらしつつ、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。更に、S色用のインクジェットヘッド122は、CMYKBGRの各色用のインクジェットヘッド122と副走査方向における位置をずらして配設される。また、この場合、複数の光源部116のそれぞれは、例えば図中に示すように、複数のインクジェットヘッド122と主走査方向において隣接する位置に配設される。
また、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、副走査動作について、インクジェットヘッドの側を移動させることで行うこと等も考えられる。また、この場合、印刷装置10について、フラッドベッド型(fbタイプ)の装置等と考えることができる。より具体的に、この場合、例えば、図7に示す構成に対し、ヘッド部12a、bが副走査方向へ移動可能になるように変形を行うことが考えられる。
図8は、印刷装置10の構成の更なる変形例を示す図である。以下において説明をする点を除き、図8において、図1〜7と同じ符号を付した構成は、図1〜7における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例において、印刷装置10は、複数のX方向レール28を更に備える。複数のX方向レール28は、Yバー16b及びYバー16bを移動可能に支持するレール部材である。複数のX方向レール28のそれぞれは、主走査方向においてYバー16b及びYバー16bの一方側及び他方側に配設され、副走査方向へ移動可能な状態でYバー16b及びYバー16bを支持する。また、本変形例において、走査駆動部18は、Yバー16a及びYバー16bを副走査方向へ移動させることで、Yバー16a及び16bと共にヘッド部12a及びヘッド部12bを副走査方向へ移動させる。また、これにより、例えば副走査動作において、ヘッド部12a及びヘッド部12bにおけるインクジェットヘッド102及び複数のインクジェットヘッド122(図7参照)を副走査方向へ移動させる。
このように構成すれば、例えば、主走査動作時にヘッド部12aやヘッド部12bが通過する位置(パス位置)を適切に変更することができる。また、これにより、例えば、例えば、インクジェットヘッド102及び複数のインクジェットヘッド122について、媒体50上の様々な位置へ適切に移動させることができる。また、この場合、走査駆動部18は、ヘッド部12a及びヘッド部12bについて、例えば、互いに独立に、主走査方向及び副走査方向へ移動させる。このように構成すれば、例えば、媒体50の隆起位置を隆起させる動作と、媒体50に対してカラー印刷を行う動作とについて、互いに独立に適切に制御することができる。
尚、ヘッド部12a及びヘッド部12bの移動の制御については、例えば、公知のカッティングプロッタにおいてインクジェットヘッド及びカッターの移動を制御する場合と同様に行うことが考えられる。また、この場合、例えば、インクジェットヘッド122等により媒体50上に所定の位置合わせ用のマーク等を印刷し、ヘッド部12a及びヘッド部12bに配設した読み取り手段でマークを読み取らせること等が考えられる。このように構成すれば、例えば、ヘッド部12a及びヘッド部12bの位置の調整等を適切に行うことができる。また、マークの位置の検出結果を用いることで、隆起印刷をより高い精度で適切に行うことができる。
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明や、更なる変形例の説明等を行う。また、以下においては、説明の便宜上、上記において説明をした様々な変形例等を含めて、本例という。
上記においても説明をしたように、本例によれば、例えば、加熱された位置が隆起する媒体50と、紫外線の照射により発熱するインクとを用いることで、マスク等を別途作成することなく、媒体50における任意の位置を隆起位置に指定することができる。また、これにより、例えば、時間をかけてマスク等を準備すること等が不要になる。また、この場合、例えば、隆起位置を指定するマイクロフィルムを剥離する工程等も不要である。そのため、本例によれば、例えば、隆起印刷を低コストで適切に行うことができる。
また、この場合、例えば、カラー印刷用のインクを用いて媒体50に対してカラー印刷を更に行うことで、隆起位置により構成される隆起模様に加えて、カラー印刷による描かれる非隆起模様を媒体50に形成することができる。この場合、隆起模様については、例えば、隆起により形成される凹凸により表現される模様等と考えることができる。非隆起模様については、例えば、媒体50において隆起している位置と無関係な模様等と考えることができる。また、この場合、隆起模様と非隆起模様を自由に組み合わせることで、例えば、高精彩でオリジナルな質感のある印刷物を適切に作成することができる。また、これにより、例えば、内装材や加飾印刷商品等として用いる多様な印刷物の作成を適切に行うことができる。また、この場合、印刷物の作成に時間がかからないことで、例えば、街中や家庭等において、容易かつ適切に、オンデマンドで素早く印刷物を作成することができる。また、本例において行う印刷の動作については、例えば、インクジェット発泡プリント方式の動作等と考えることもできる。
また、上記においても説明をしたように、本例において媒体50の隆起位置を隆起させるために用いるインクは、紫外線を吸収して発熱するインクである。この場合、インクの具体的な組成については、媒体50の隆起位置が隆起することを妨げない柔軟性を有するのであれば、特定の組成に限定されない。より具体的に、このようなインクとしては、例えば、紫外線吸収剤を含む水性インク、ラテックスインク、合成樹脂分散インク、ソルベントインク等を使用することができる。また、乾燥後に樹脂の層が形成されるインクを用いる場合、隆起位置の隆起時に生じる媒体50の変形に追従できるように、柔軟な樹脂の層が形成される組成のインクを用いることが好ましい。より具体的に、この場合、例えば、インクの樹脂成分の30重量%以上として、ウレタン等のように室温でも柔軟な樹脂や、加熱により可塑化又は溶解するポリエチレン樹脂(熱可塑性樹脂)等を用いることが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては、紫外線の照射時に生じる熱による焦げや着色等が生じないような、熱的に安定した物質を用いることが好ましい。また、紫外線吸収剤としては、可視光に対する透明度が高い物質(例えば、透明な物質)を用いることが好ましい。このように構成すれば、例えば、媒体50の色等に影響が生じること等を防ぎつつ、媒体50の隆起位置を適切に隆起させることができる。また、これにより、例えば、様々な媒体50に対して隆起印刷が可能となる高い汎用性を実現することができる。
また、媒体50の用途等によっては、有色の紫外線吸収剤を用いること等も考えられる。この場合、例えば、黒色のカーボンブラックや、白色の酸化チタン等を紫外線吸収剤として用いることが考えられる。また、媒体50の使用目的や媒体50の色等に応じて、媒体50の隆起位置を隆起させるために用いるインクとして、様々な色の色材(着色剤)を含むインクを用いること等も考えられる。より具体的に、この場合、例えば、石材調又は木材調の色材を用いること等が考えられる。また、この場合、カラー印刷により媒体50に描く画像に合わせて、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクの色を選択することが好ましい。また、紫外線吸収剤としては、例えば、地上に届く太陽光に多く含まれる紫外線とは波長範囲が異なる紫外線に対する吸収性が高い物質を用いること等も考えられる。このように構成すれば、例えば、印刷の完了後の媒体50に太陽光があたることで意図しない隆起が生じること等を適切に防ぐことができる。
また、媒体50の隆起時に媒体50を加熱するためのインクとしては、例えば、紫外線を照射することで生じる重合発熱反応により熱を発生するインクを用いること等も考えられる。この場合、例えば、重合発熱反応を生じる物質(組成物)を含むインクを用いることが考えられる。また、この場合、水を主成分とする溶媒を好適に用いることができる。また、より具体的に、この場合、重合発熱反応を生じる物質として、例えば、ラジカル重合反応を生じるUV重合性組成物を用いることが考えられる。また、このような組成物としては、例えば、ジプロピレンジアクリレート、イソボニルアクリレート、メトキシブチルアクリレート等のモノマーや、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート等のオリゴマを用いることが考えられる。また、重合発熱反応を生じる物質としては、例えば、カチオン重合反応を生じる物質等を用いることも考えられる。この場合、例えば、エポキシ、ビニルエーテル、オキセタン等を用いることが考えられる。また、この場合、重合発熱反応を生じる物質について、例えば、インクの全体の重量に対して15〜50重量%程度の割合で添加することが考えられる。
また、重合発熱反応を利用するインクの場合において、重合発熱反応を生じる物質については、例えば、重合することで熱を発生する物質である重合性物質と考えることができる。また、この場合、重合性物質について、インクが含む発熱物質の一例と考えることができる。また、インクについて、重合性物質を含むインクと考えることができる。また、この場合、紫外線照射部104は、例えば、インクへ紫外線を照射することで重合性物質を重合させて、媒体50における隆起位置を隆起させる熱を重合性物質に発生させる。また、この場合、インクは、紫外線吸収剤を更に含んでもよい。また、この場合、インクについて、例えば、紫外線線吸収剤及び重合性物質を含むと考えることができる。また、紫外線吸収剤について、例えば、重合反応を開始させる開始剤と考えることができる。この場合、重合発熱反応を生じる物質に合い、かつ、紫外線照射部104が発生する紫外線を適切に吸収する開始剤を用いることが好ましい。より具体的に、ラジカル重合反応を利用する場合、開始剤としては、例えば、アセトフェノン系の開始剤やアシルオキシム系の開始剤を用いることが考えられる。また、カチオン重合反応を利用する場合、開始剤としては、例えば、紫外線に応じて酸を発生する開始剤を用いることが考えられる。このように構成した場合、重合発熱反応により生じる熱エネルギーを利用することで、インクをより効率的に発熱させることができる。また、これにより、例えば、インクをより効率的に乾燥させることができる。また、この場合、紫外線吸収剤が発生する熱を更に利用して、媒体50の隆起位置を隆起させてもよい。この場合、紫外線照射部104は、例えば、インクへ紫外線を照射することで、紫外線吸収剤に熱を発生させると共に、重合性物質を重合させて、媒体50における隆起位置を隆起させる熱を、紫外線吸収剤及び重合性物質に発生させる。
また、上記においては、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクへの紫外線の照射の仕方について、主に、瞬間乾燥方式でインクを乾燥させるための紫外線の照射とは別のタイミングで行う場合の動作について、説明をした。しかし、印刷装置10の構成や動作の変形例においては、例えば、1回の紫外線の照射により、インクの定着と隆起位置の隆起とを同時に行うこと等も考えられる。この場合、例えば、インクや媒体50に焦げが生じない強度の紫外線を照射し、かつ、照射時間が十分に長くなるような構成を用いることが考えられる。
また、上記においては、主に、媒体50の隆起位置を隆起させた後に、カラー印刷を行う場合の構成や動作について、説明をした。このように構成すれば、例えば、媒体50の各位置においてカラーインクの色の影響が生じること等を適切に防ぐことができる。しかし、求められる印刷の品質や媒体50及びインクの特性等によっては、カラー印刷を行った後に媒体50の隆起位置を隆起させること等も考えられる。この場合、例えば、カラー印刷を行った後に、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクを媒体50に付着させることが考えられる。また、この場合、例えば、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクとしてクリアインクを用いることで、カラー印刷により描かれた画像から独立して、隆起位置を指定することができる。また、このような動作については、例えば、カラー層204(図3参照)の上に発熱層202(図3参照)を形成する動作等と考えることもできる。
また、印刷物の用途等によっては、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクとして、カラーインクを用いること等も考えられる。この場合、カラー印刷を行った後、そのまま紫外線を照射することで、媒体50の隆起位置を隆起させることが考えられる。また、この場合、カラー印刷の動作の中で行う紫外線の照射により、隆起位置を隆起させてもよい。
また、上記においては、主に、瞬間乾燥型のインクを用いて、紫外線の照射により媒体50にインクを定着する場合の構成や動作について、説明をした。しかし、媒体50へのインクの定着については、瞬間乾燥方式以外の方法で行ってもよい。この場合、インクジェットヘッド102及びインクジェットヘッド122のうちの少なくともいずれかにおいて用いるインクとして、瞬間乾燥型以外のインクを用いることが考えられる。そして、例えば、インクの定着時には紫外線を照射せずに、プリントヒータ20等を用いて加熱を行うことで、媒体50に対してインクを定着させること等が考えられる。また、この場合、プレヒータ22(図1参照)を用いた予備加熱やアフターヒータ24(図1参照)又は赤外線ヒータを用いた後加熱(後乾燥)を行うことが好ましい。また、例えばインクジェットヘッド122において用いるカラーインクとして瞬間乾燥型以外のインクを用いる場合、公知の様々なインクを用いることが可能である。より具体的に、カラーインクとしては、瞬間乾燥型のインク以外に、例えば、紫外線硬化型インク(UV硬化型インク)、ソルベントUVインク(SUVインク)、ラテックスインク、又はソルベントインク等を好適に用いることができる。この場合、ソルベントUVインクについては、例えば、溶媒で希釈した紫外線硬化型インク等と考えることができる。
また、カラーインクとして用いるインクの色については、特に限定されず、1色以上の様々な色を用いることが考えられる。例えば、上記においても説明をしたように、CMYKの各色のインク、CMYKBGRの各色のインク、又は様々な特色のインク等を用いることが考えられる。また、特色のインクとしては、例えば、白色、パール色、又はメタリック色等の様々な色を用いることが考えられる。
また、紫外線照射部104の構成についても、上記において説明をした構成に限らず、様々な変更を行ってもよい。この場合、例えば、媒体50の隆起位置を隆起させるためのインクを吐出するインクジェットヘッド102がインクを吐出した位置に対し、インクの着弾後に紫外線が照射されるように、紫外線照射部104における光源部を配設することが考えられる。また、光源部としては、例えば、一つ又は複数のUVLEDを用いることが考えられる。また、紫外線照射部104における光源部については、主走査方向におけるインクジェットヘッド102の片側又は両側や、媒体50の搬送方向におけるインクジェットヘッド102の下流側等に配設することが考えられる。
また、紫外線照射部104により照射する紫外線の照射エネルギー(例えば、最大供給エネルギー)については、例えば、印刷条件等に応じて適宜変更をすることが好ましい。この場合、照射エネルギーについては、例えば、紫外線照射部104による紫外線の照射強度及び照射時間等に応じて決まると考えることができる。また、この変更については、例えば自動的に行ってもよく、ユーザの手動操作等により行ってもよい。また、この場合、印刷条件としては、例えば、印刷速度、パス数、インクのドット密度(プリントドット密度)等を考慮することが考えられる。このように構成すれば、例えば、印刷条件を様々に変更した場合にも、印刷条件に応じて紫外線の照射エネルギーを変更することで、インクや媒体50に焦げが発生すること等を適切に防ぐことができる。
また、上記においても説明をしたように、媒体50における隆起位置を隆起させる隆起時には、急いで温度を高める必要はない。そのため、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、隆起時にインクへ紫外線を照射する光源部114について、インクジェットヘッド102等を備える印刷装置10とは別の装置に配設すること等も考えられる。この場合、インクジェットヘッド102等を備える印刷装置10と、光源部114を備える装置とにより構成される印刷システムにおいて、媒体50の隆起位置を隆起させると考えることができる。
また、上記においては、印刷装置10の構成に関し、主に、シリアル方式の構成について、説明をした。しかし、印刷装置10の構成の変形例においては、ラインプリンタ方式の構成を用いること等も考えられる。この場合も、加熱された位置が隆起する媒体50と、紫外線の照射により発熱するインクとを用いることで、媒体50の所望の位置を適切に隆起させることができる。また、必要に応じてカラー印刷を更に行うことで、隆起印刷を適切に行うことができる。
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
10・・・印刷装置、12・・・ヘッド部、14・・・プラテン、16・・・Yバー、18・・・走査駆動部、20・・・プリントヒータ、22・・・プレヒータ、24・・・アフターヒータ、28・・・X方向レール、30・・・制御部、50・・・媒体、62・・・加熱用インク印刷部、64・・・カラー印刷部、72・・・繰出ローラ、74・・・巻取ローラ、76・・・テンションローラ、78・・・中間ローラ、100・・・キャリッジ、102・・・インクジェットヘッド、104・・・紫外線照射部、112・・・光源部、114・・・光源部、116・・・光源部、122・・・インクジェットヘッド、152・・・ベース部、154・・・熱発泡層、202・・・発熱層、204・・・カラー層

Claims (13)

  1. 加熱された位置が隆起する媒体である加熱隆起媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、
    インクを吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドの動作を制御する制御部と
    を備え、
    前記インクは、所定の波長のエネルギー線を吸収することで発熱するインクであり、
    前記制御部は、前記加熱隆起媒体において隆起させる位置である隆起位置を示すデータに基づき、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置に対応する位置へ、前記吐出ヘッドに前記インクを吐出させることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記エネルギー線を照射するエネルギー線照射部を更に備え、
    前記制御部は、前記加熱隆起媒体に対して前記吐出ヘッドが前記インクを吐出した後に前記加熱隆起媒体へ前記エネルギー線照射部に前記エネルギー線を照射させることで、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置を隆起させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記インクは、前記インクが前記エネルギー線を吸収することで発熱する発熱物質と、溶媒とを含み、
    前記制御部は、前記エネルギー線照射部に、
    第1の照射条件で前記エネルギー線を照射することで前記インク中の前記溶媒を蒸発させて前記加熱隆起媒体に前記インクを定着させる第1エネルギー線照射と、
    前記第1の照射条件と異なる第2の照射条件で前記エネルギー線を照射することで前記加熱隆起媒体における前記隆起位置を隆起させる第2エネルギー線照射と
    を行わせ、
    前記第1の照射条件は、前記加熱隆起媒体において前記隆起位置の隆起が生じないように前記インクを加熱する条件であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記第1の照射条件は、前記第2の照射条件と比べて、短時間でインクの温度を上昇させ、かつ、前記エネルギー線を照射する照射時間が短くなる条件であることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 予め設定された主走査方向へ前記加熱隆起媒体に対して相対的に移動しつつ前記インクを吐出する主走査動作を前記吐出ヘッドに行わせる走査駆動部を更に備え、
    前記エネルギー線照射部は、前記主走査動作時に前記吐出ヘッドが通過する領域から外れている位置において、前記加熱隆起媒体へ前記エネルギー線を照射することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記インクは、前記エネルギー線を吸収することで発熱するエネルギー線吸収剤を含み、
    前記エネルギー線照射部は、前記インクへ前記エネルギー線を照射することで、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置を隆起させる熱を前記エネルギー線吸収剤に発生させることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記インクは、重合することで熱を発生する物質である重合性物質を含み、
    前記エネルギー線照射部は、前記インクへ前記エネルギー線を照射することで前記重合性物質を重合させて、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置を隆起させる熱を前記重合性物質に発生させることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 前記インクは、前記エネルギー線を吸収することで発熱するエネルギー線吸収剤と、重合することで熱を発生する物質である重合性物質とを含み、
    前記エネルギー線照射部は、前記インクへ前記エネルギー線を照射することで、前記エネルギー線吸収剤に熱を発生させると共に、前記重合性物質を重合させて、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置を隆起させる熱を、前記エネルギー線吸収剤及び前記重合性物質に発生させることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 前記インクは、無色のインクであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 前記隆起位置を隆起させるために用いる前記無色のインクを吐出する前記吐出ヘッドである隆起用ヘッドに加え、
    有色のインクを吐出する吐出ヘッドである有色インク用ヘッドを更に備え、
    前記制御部は、前記加熱隆起媒体上に描く画像を示す画像データに基づき、前記有色インク用ヘッドに前記有色のインクを吐出させることを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記制御部は、
    前記隆起位置が隆起する前の前記加熱隆起媒体へ、前記隆起用ヘッドに前記無色のインクを吐出させ、
    かつ、前記隆起位置が隆起した後の前記加熱隆起媒体へ、前記有色インク用ヘッドに前記有色のインクを吐出させることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
  12. 加熱された位置が隆起する媒体である加熱隆起媒体に対して印刷を行う印刷方法であって、
    インクを吐出する吐出ヘッドを用い、
    前記インクは、所定の波長のエネルギー線を吸収することで発熱するインクであり、
    前記加熱隆起媒体において隆起させる位置である隆起位置を示すデータに基づき、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置に対応する位置へ、前記吐出ヘッドに前記インクを吐出させることを特徴とする印刷方法。
  13. 加熱された位置が隆起する媒体である加熱隆起媒体に対して印刷を行うことで少なくとも一部が隆起した印刷物である隆起印刷物を作成する印刷システムであって、
    インクを吐出する吐出ヘッドと、
    所定の波長のエネルギー線を照射するエネルギー線照射部と、
    前記吐出ヘッド及び前記エネルギー線照射部の動作を制御する制御部と
    を備え、
    前記インクは、前記エネルギー線を吸収することで発熱するインクであり、
    前記制御部は、
    前記加熱隆起媒体において隆起させる位置である隆起位置を示すデータに基づき、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置に対応する位置へ、前記吐出ヘッドに前記インクを吐出させ、
    前記加熱隆起媒体に対して前記吐出ヘッドが前記インクを吐出した後に前記加熱隆起媒体へ前記エネルギー線照射部に前記エネルギー線を照射させることで、前記加熱隆起媒体における前記隆起位置を隆起させることを特徴とする印刷システム。
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