JP2006150632A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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【課題】 フラッシュ光源であっても記録媒体の種類に左右されずカチオン重合系のインクを安定して硬化させる。
【解決手段】 このインクジェットプリンタには、カチオン重合系の光硬化性インクを記録媒体に向けて吐出する記録ヘッドと、紫外線を瞬間照射するフラッシュ光源からの紫外線を、記録媒体に着弾した光硬化性インクに対して照射することで光硬化性インクを硬化させる光照射部と、記録媒体の種類を認識する種類認識部と、種類認識部の認識結果に基づいて、光照射部のフラッシュ光源の照射エネルギを制御する制御部とが備えられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットプリンタに係り、特に、光硬化性のインクにより画像を記録するインクジェットプリンタに関する。
従来より、用紙やプラスチック薄板等の記録媒体にインクを吐出して所定の画像を記録するインクジェットプリンタが提案され、実用化されている。特に、近年においては、非吸収性の記録媒体であっても画像が記録できるように、光硬化性インクを使用し、記録媒体上に着弾した光硬化性インクに光を照射することで、画像を形成するインクジェット記録装置が開発されている。このようなインクジェット記録装置には、例えばカチオン重合系の光硬化性インクを用いて多量の光を一括して照射するインクジェット記録装置が開発されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−137375号公報
ここで、記録媒体上に着弾したカチオン重合系の光硬化性インクに対し定常光量の光を照射することで前記光硬化性インクを硬化させるのが一般的であるが、本発明者らは、フラッシュ光源の瞬間発光による光を前記インクに照射することでも硬化可能であることを見出した。ところで、記録媒体は種類によって吸収性が異なるが、吸収性の高い記録媒体に光硬化性インクが付着すると、吸収性の低い記録媒体よりも多量に吸収するために、記録媒体内の水分の影響を受けやすくなる。カチオン重合系の光硬化性インクは水分の影響を受けてしまうと硬化性が低下する特性を有しているが、フラッシュ光源で硬化させる場合であると、照射時間が短いために記録媒体の種類によっては安定して硬化させることができないおそれがあった。
本発明の課題は、フラッシュ光源であっても記録媒体の種類に左右されずカチオン重合系のインクを安定して硬化させることである。
請求項1記載の発明におけるインクジェットプリンタは、
カチオン重合系の光硬化性インクを記録媒体に向けて吐出する記録ヘッドと、
紫外線を瞬間照射するフラッシュ光源を有し、前記フラッシュ光源からの紫外線を記録媒体に着弾した前記光硬化性インクに対して照射することで前記光硬化性インクを硬化させる光照射部と、
前記記録媒体の種類を認識する種類認識部と、
前記種類認識部の認識結果に基づいて、前記光照射部の前記フラッシュ光源の照射エネルギを制御する制御部とを備えることを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、種類認識部の認識結果に基づいて制御部がフラッシュ光源の照射エネルギを制御するので、記録媒体の種類によって硬化性が変動したカチオン重合系の光硬化性インクであっても、その変動に適した照射エネルギでフラッシュ光源を発光させることができる。したがって、フラッシュ光源であっても記録媒体に左右されずカチオン重合系のインクを安定して硬化させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記フラッシュ光源は、紫外線とともに赤外線を瞬間照射する光源であることを特徴としている。
請求項2記載の発明によれば、フラッシュ光源からの発光光においては、光硬化性インクを硬化させるための紫外線だけでなく赤外線をも含んでいるので、カチオン重合系の光硬化性インクを加温することができる。カチオン重合系の光硬化性インクは、記録媒体の種類に応じて硬化性が変動してしまうが、インク自体の温度を高めれば紫外線に対する感度を維持することができる。つまり、記録媒体上に着弾した光硬化性インクが、フラッシュ光源からの赤外線により加温されると、インク表面が瞬時に加温されるために何れの記録媒体においても硬化性を高めることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記光硬化性インクには、赤外線吸収剤が含有されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明によれば、光硬化性インクに赤外線吸収剤が含有されているので、フラッシュ光源からの赤外線を効率よく吸収することができる。このため照射時間が短くとも確実に光硬化性インクを加温することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記フラッシュ光源はキセノン光源であることを特徴としている。
請求項4記載の発明によれば、フラッシュ光源としてキセノン光源を用いた場合においても請求項2又は3記載の発明と同等の作用、効果を得ることができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記制御部は、前記フラッシュ光源の光強度の調整若しくはデューティー可変により前記照射エネルギを制御することを特徴としている。
請求項5記載の発明のように、フラッシュ光源の照射エネルギを、当該光源自体の光強度の調整若しくはデューティー可変により制御した場合においても、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同等の作用、効果を得ることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記光照射部は、紫外線を定常照射する定常光源を有し、前記定常光源からの紫外線を記録媒体上に着弾した前記光硬化性インクに照射することで前記光硬化性インクを硬化させ、
前記制御部は、前記種類認識部の認識結果に基づいて、前記光照射部の前記フラッシュ光源及び前記定常光源の少なくとも一方の照射エネルギを制御することを特徴としている。
請求項6記載の発明によれば、制御部が種類認識部の認識結果に基づいて、光照射部のフラッシュ光源及び定常光源の少なくとも一方の照射エネルギを制御するので、記録媒体の種類によって硬化性が変動したカチオン重合系の光硬化性インクであっても、その変動に適した照射エネルギでフラッシュ光源及び定常光源を発光させることができる。このように、フラッシュ光源と定常光源とを併用していれば、より効率的に照射エネルギの制御が可能となる。
特に、フラッシュ光源からの発光光が赤外線を含んでいる場合には、加温により光硬化性インクの紫外線に対する感度を維持できるために、インク硬化の安定性をさらに高めることができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記定常光源は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、冷陰極管、LEDのうちの1つであることを特徴としている。
請求項7記載の発明によれば、定常光源として高圧水銀灯、低圧水銀灯、冷陰極管、LEDのうちの1つが用いられた場合においても、請求項6記載の発明と同等の作用、効果を得ることができる。
本発明によれば、記録媒体の種類によって硬化性が変動したカチオン重合系の光硬化性インクであっても、その変動に適した照射エネルギでフラッシュ光源を発光させることができる。したがって、フラッシュ光源であっても環境に左右されずカチオン重合系のインクを安定して硬化させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明に係るインクジェットプリンタの実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。図1はインクジェットプリンタ1を示す概略斜視図であり、この図1に示す通り、インクジェットプリンタ1は、記録媒体99の非記録面(記録面の反対の面)を支持する平板状のプラテン2を有している。プラテン2の前後には搬送ローラ3,4がそれぞれ配設されている。各搬送ローラ3,4には駆動源となる搬送モータ(図示略)がそれぞれ接続されており、各搬送モータの駆動に伴い、各搬送ローラ3,4はプラテン2の前後で軸心回りの所定方向にそれぞれ回転するようになっている。そして、各搬送ローラ3,4が回転することにより、記録媒体99は搬送方向Aに沿って搬送されるようになっている。
プラテン2の上方には、長尺なガイド部材5が搬送方向Aに直交する方向(走査方向B)に延在しており、ガイド部材5にはキャリッジ6が支持されている。キャリッジ6は、ガイド部材5によりガイド・支持された状態で走査方向Bに沿って走査自在(往復移動自在)とされている。
キャリッジ6には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各プロセスカラーのインク(光硬化性インク)を記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ吐出する4つの記録ヘッド7〜10と、記録媒体99に向けて紫外線を照射する5つの光照射部11〜15とが搭載されている。このキャリッジ6においては、各記録ヘッド7〜10の左右両側にそれぞれ光照射部11〜15が配置されており、光照射部11〜15と記録ヘッド7〜10とが交互に並んで配置されている。
図2はキャリッジ6の構成を詳細に図示した平面図である。
図2に示す通り、各記録ヘッド7〜10には、記録ヘッド7〜10毎に複数のノズル7a,7a,…;8a,8a,…;9a,9a,…;10a,10a,…がそれぞれ搬送方向Aに沿う列状に配設されている。各記録ヘッド7〜10は、これらノズル7a,7a,…;8a,8a,…;9a,9a,…;10a,10a,…からY,M,C,Kの各色のインクを微細な液滴として吐出するようになっている。
さらに各光照射部11〜15には、瞬間照射するフラッシュ光源11a〜15aと、定常照射する定常光源11b〜15bとがそれぞれ記録媒体99の記録面に対して光を照射するように配設されている。
図3はフラッシュ光源11a〜15aとしてのキセノン光源のスペクトル分布例を示す説明図であるが、この図3からも明らかなように、フラッシュ光源11a〜15aは、紫外線(100〜400nmの波長域)及び赤外線(700〜1000nmの波長域)を照射するようになっている。
一方、定常光源11b〜15bは紫外線を照射する光源であり、例えば高圧水銀灯,低圧水銀灯、冷陰極管,LED(Light Emitting Diode)等の少なくとも1つが適用される。
さらに、図1に示す上記キャリッジ6は、プラテン2に対向する位置から外れた図1中右側の位置(以下「ホームポジション」という。)に移動可能であり、インクジェットプリンタ1の非記録時においては、キャリッジ6は記録動作に備えてホームポジションで待機するようになっている。
図4はインクジェットプリンタ1の制御系の構成を示すブロック図であり、図5は、インクジェットプリンタ1を制御する制御部に格納されたデータテーブルを示す説明図である。
図4に示す通り、インクジェットプリンタ1の各部の動作を制御する制御部20には、画像記録指示や記録媒体99の種類等が入力される入力部16、フラッシュ光源11a〜15a、定常光源11b〜15bがそれぞれ接続されており、制御部20は入力部16から入力された記録媒体99の種類に基づき定常光源11b〜15b,フラッシュ光源11a〜15aの照度を制御するようになっている。
さらに上記制御部20には、制御プログラムに従い各種データを演算処理して各部に制御信号を出力する演算部21と、制御プログラム及び各種データを格納する記憶部22とがそれぞれ配設されており、特に本実施形態では図4に示すデータテーブルが記憶部22に格納されている。
図5に示すデータテーブルは、特定種類の記録媒体99におけるインクを硬化させるために必要な所要照射エネルギを示している。インクは、記録媒体99上に着弾して染み込むと記録媒体99に含まれている水分の影響を受けてしまう。吸収性は、記録媒体99の種類毎に異なるために、インクに対する水分の影響も種類毎に異なってインクの硬化性も変動する。つまり、インクを硬化させるために必要な所要照射エネルギは記録媒体99の種類毎に異なるので、これを踏まえてデータテーブルは作成されている。ここで、図5のデータテーブルの所要照射エネルギは、記録媒体99の種類による相対値の例であり、対象となっているのはフラッシュ光源11a〜15aの照射エネルギと、定常光源11b〜15bの照射エネルギとの合計値である。例えば、記録媒体99が上質紙である場合における照射エネルギの合計値をL1とすると、記録媒体99がコート紙である場合の照射エネルギの合計値L2との関係は、L1:L2=100:90となる。つまり、L2=(90/100)×L1で算出されることになる。
図5のデータテーブルで例示した各種の記録媒体99における吸収性は、上質紙>コート紙>合成紙>塩化ビニル>PETの順であるために、これに相関するように所要照射エネルギも上質紙>コート紙>合成紙>塩化ビニル>PETの順に設定されることになる。
制御部20は、例えば記録媒体99がコート紙の場合、定常光源11b〜15bからの紫外線の照射エネルギとフラッシュ光源11a〜15aからの紫外線の照射エネルギとの合計値がL2となるように、定常光源11b〜15b及びフラッシュ光源11a〜15aの少なくとも一方の照射エネルギを制御する。本実施形態では、定常光源11b〜15bの照射エネルギは一定で、フラッシュ光源11a〜15aの照射エネルギのみを制御する場合について以下説明するが、照射エネルギの制御はこれに限定されるものではなく、これ以外にも定常光源11b〜15bの照射エネルギ及びフラッシュ光源11a〜15aの照射エネルギの両者を制御したり、フラッシュ光源11a〜15aの照射エネルギは一定で、定常光源11b〜15bの照射エネルギのみを制御したりすることが挙げられる。
ここで、制御部10がフラッシュ光源11a〜15aの照射エネルギを制御するには、フラッシュ光源11a〜15aの光強度の調整若しくはデューティー可変のいずれかにより行われている。
例えば、フラッシュ光源11a〜15aの光強度を調整する場合においては、制御部20がフラッシュ光源11a〜15aの入力電力を調整すれば、図6に示す波形W1〜W5のように光強度が変化する。図6では、波形W1が光強度100%、波形W2が光強度90%、波形W3が光強度75%、波形W4が光強度55%、波形W5が光強度20%となっている。
一方、フラッシュ光源11a〜15aのデューティー可変で調整する場合においては、制御部20がフラッシュ光源11a〜15aの発光時間を調整すれば、図7(a),(b)に示すように光強度は一定で1周期Sに対する発光時間P1,P2の割合が変化する。この図7においては(a)の1周期Sに対する発光時間P1の割合の方が(b)よりも大きいので(a)の波形の照射エネルギが(b)の波形の照射エネルギよりも大きいことになる。
ここで、本実施形態で使用されるインクについて説明する。
本実施の形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(発行所:技術情報協会、2000年3月27日発行)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
具体的に、本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する紫外線硬化性インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材(染料又は顔料)とを含むものである。ただし、本実施形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
上記紫外線硬化性インクは、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系の紫外線硬化性インクであるが、カチオン重合性化合物とラジカル硬化性化合物とが混合されたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
さらに、本実施形態に用いられるインクには、赤外線を吸収して熱を発生する化合物が含まれていることが好ましい。本発明において、赤外線を吸収して熱を発生する化合物(赤外線吸収剤)とは、近赤外線を有効に吸収する染料又は顔料であり、好ましくは波長760nmから1500nmの赤外線を有効に吸収する染料又は顔料であり、さらに好ましくは760nmから1200nmの赤外線を有効に吸収する染料又は顔料である。また、これらの赤外線吸収剤は近赤外線領域に吸収極大を有する事が好ましく、波長760nmから1500nmに吸収極大を有する事がより好ましく、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する事がさらに好ましい。
また、これらの赤外線吸収剤は、可視光線領域の透明性を要求される用途や色再現性を要求される用途においては、その要求される可視光線領域の透明性、色再現性に実質的に影響を与えない範囲内で添加することが好ましい。本発明の重合性組成物を含むインクを実際に使用するにあたり、使用者の所望する性能を発揮するために必要な種々の性能評価を検討の上、本発明のインクへの赤外線吸収剤の添加量を決定すればよい。特にインクのような色再現性を必要とされる用途においては、その色再現に実質的に影響を与えない範囲内で添加することが好ましい。具体的には、インクの全重量に対し0.0001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%であることが好ましい。
ここで、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものの中で、近赤外線領域に極大吸収を有するものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料(メロシアニン染料含む)、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料の中で、近赤外線領域に極大吸収を有するものが挙げられる。
本発明における赤外線吸収剤として好ましくは染料であり、具体的には、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料(メロシアニン染料含む)、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体であり、より好ましくは、フタロシアニン染料、キノンイミン染料、シアニン染料(メロシアニン染料含む)、スクワリリウム色素、の染料の中で近赤外線領域に極大吸収を有するものが挙げられる。
一方、本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている中で近赤外線領域に極大吸収を有する顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機酸化錫、インジウム系化合物、無機顔料、の中で近赤外線領域に極大吸収を有する顔料が使用できる。
次に、本実施形態に用いられる「記録媒体99」について説明する。
本実施形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。なお、本実施形態では、記録媒体99として上質紙、コート紙、合成紙、塩化ビニル、PETが用いられる場合に対応させて、図5のデータテーブルを作成しているが、これら以外の記録媒体(例えば布地、不織布、金属等)が用いられるのであれば、使用する全種類の記録媒体99の相対値を実験やシミュレーションにより求めて、データテーブルを作成することが望まれる。
続いて、インクジェットプリンタ1の動作について説明する。
画像記録動作の前に、記録媒体99の種類が作業者によって入力部16から入力されると、入力部16は記録媒体99の種類を認識し、この認識結果を制御部20に出力する。すなわち、入力部16が本発明に係る種類認識部である。
その後、作業者が入力部16に画像記録指示を入力すると、制御部20はインクジェットプリンタ1の各駆動部を制御して画像記録を行わせる。図1に示すインクジェットプリンタ1の記録動作中において、各搬送ローラ3,4に接続された搬送モータがそれぞれ駆動されて各搬送ローラ3,4が所定量の回転と停止とを繰り返し、記録媒体99はプラテン2により非記録面を支持された状態でプラテン2の上部を後方から前方へ向かい間欠的に移動する。
そして各搬送ローラ3,4が停止する毎に、キャリッジ6が作動して記録媒体99の直上を走査方向Bに沿って図1中右方から左方へ又は左方から右方へと移動する。このとき、キャリッジ6に搭載されている4つの記録ヘッド7〜10及び5つの光照射部11〜15も、キャリッジ6の移動に追従して記録媒体99の直上を走査方向Bに沿って移動する。
以下の説明では、キャリッジ6の移動方向を分かり易くするため、キャリッジ6が図1中右方から左方へと移動することを「往動」といい、キャリッジ6が図1中左方から右方へと移動することを「復動」という。
そして、キャリッジ6が往動又は復動している最中に、各記録ヘッド7〜10はノズル7a,7a,…;8a,8a,…;9a,9a,…;10a,10a,…から記録媒体99の記録面に向かってインクをそれぞれ吐出する。
さらにキャリッジ6が往動している最中には、キャリッジ6の移動方向の各記録ヘッド7〜10より後側の定常光源12b〜15bが定常照射しながら、フラッシュ光源12a〜12bが瞬間発光するために、記録媒体99に着弾した直後のインクに紫外線及び赤外線が照射される。記録媒体99上のインクは赤外線に反応して加温された状態で、紫外線に反応して硬化し、記録媒体99の記録面に定着する。一方、キャリッジ6が復動している最中には、キャリッジ6の移動方向の各記録ヘッド7〜10より後側の定常光源11b〜14bが定常照射しながら、フラッシュ光源11a〜14aが瞬間発光するために、記録媒体99に着弾した直後のインクに紫外線及び赤外線が照射される。記録媒体99上のインクは赤外線に反応して加温された状態で、紫外線に反応して硬化し、記録媒体99の記録面に定着する。
ここで、制御部20は、予め入力部16から入力された認識結果に基づき、図5に示すデータテーブルを用いてフラッシュ光源11a〜15a及び定常光源11b〜15bの少なくとも一方の照射エネルギを制御している。
具体的にキャリッジ6が往動する場合を例にして説明すると、例えば、記録媒体99の種類がコート紙であるとき、制御部20の演算部21は、入力された認識結果に基づき、記憶部22に格納された図5のデータテーブルの中からコート紙に対応する紫外線のインク硬化所要照射エネルギを読み込む。これにより演算部21は、この記録媒体種でインクを硬化させるのに必要な紫外線の所要照射エネルギが「90」であることを認識する。
その後、演算部21は、キャリッジ6の往動中に使用する4つの定常光源12b〜15b及び4つのフラッシュ光源12a〜15aの少なくとも一方を制御して、定常光源12b〜15b及びフラッシュ光源12a〜15aからの合計の照射エネルギがデータテーブルの所要照射エネルギとする。これにより、記録媒体種に応じた照射エネルギでインクを硬化させることができる。
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、入力部16の認識結果に基づいて光照射部11〜15のフラッシュ光源11a〜15a及び定常光源11b〜15bの少なくとも一方の照射エネルギを制御するので、記録媒体99の種類によって硬化性が変動したカチオン重合系の光硬化性インクであっても、その変動に適した照射エネルギでフラッシュ光源11a〜15a及び定常光源11b〜15bを発光させることができる。このように、フラッシュ光源11a〜15aと定常光源11b〜15bとを併用していれば、より効率的に照射エネルギの制御が可能となる。
そして、フラッシュ光源11a〜15aからの発光光においては、光硬化性インクを硬化させるための紫外線だけでなく赤外線をも含んでいるので、カチオン重合系の光硬化性インクを加温することができる。カチオン重合系の光硬化性インクは、湿度や温度の環境に応じて硬化性が変動してしまうが、インク自体の温度を高めれば紫外線に対する感度を維持することができる。つまり、記録媒体99上に着弾した光硬化性インクが、フラッシュ光源11a〜15aからの赤外線により加温されると、インク表面が瞬時に加温されるために何れの環境においても硬化性を高めることができる。
さらに、光硬化性インクに赤外線吸収剤が含有されているので、フラッシュ光源11a〜15aからの赤外線を効率よく吸収することができるために、照射時間が短くとも確実に光硬化性インクを加温することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、本発明の種類認識部として記録媒体99の種類が作業者によって入力される入力部16を例示して説明しているが、記録媒体99の種類を自動で認識するものであっても構わない。例えば、記録媒体99に光を照射し、その反射光若しくは透過光を受光して反射率若しくは透過率を求めることで記録媒体の種類を認識する種類認識部や、記録媒体99の重さや厚さ、表面粗さなどを検出してその検出結果から記録媒体の種類を認識する種類認識部などが挙げられる。
また、本実施形態では、データテーブルの所要照射エネルギが記録媒体99の種類による相対値である場合を例示しているが、絶対値であっても構わない。例えば、温度25℃、湿度50%の環境下で、定常光源として低圧水銀灯、フラッシュ光源としてキセノン光源を用いた場合における絶対値の例は、上質紙であると所要照射エネルギが75mJ/cm、コート紙であると所要照射エネルギが68mJ/cm、合成紙であると所要照射エネルギが60mJ/cm、塩化ビニルであると所要照射エネルギが54mJ/cm、PETであると所要照射エネルギが43mJ/cmである。
また、本実施形態では記録ヘッド6が走査するシリアル方式のインクジェットプリンタを例示して説明したが、ライン方式のインクジェットプリンタであっても本発明を適用可能であることはもちろんである。
本実施形態にかかるインクジェットプリンタの概略構成を表す斜視図である。 図1のインクジェットプリンタに備わるキャリッジの平面図である。 図1のインクジェットプリンタに備わるフラッシュ光源のスペクトル分布例を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタの主制御構成を表すブロック図である。 図1のインクジェットプリンタでの画像記録時に用いられるデータテーブルの一例を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタでの画像記録時に行われる照射エネルギ制御としての光強度調整を説明するための説明図である。 図1のインクジェットプリンタでの画像記録時に行われる照射エネルギ制御としてのデューティー可変を説明するための説明図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
7〜10 記録ヘッド
11〜15 光照射部
11a〜15a フラッシュ光源
11b〜15b 定常光源
16 入力部(種類認識部)
20 制御部
99 記録ヘッド

Claims (7)

  1. カチオン重合系の光硬化性インクを記録媒体に向けて吐出する記録ヘッドと、
    紫外線を瞬間照射するフラッシュ光源を有し、前記フラッシュ光源からの紫外線を記録媒体に着弾した前記光硬化性インクに対して照射することで前記光硬化性インクを硬化させる光照射部と、
    前記記録媒体の種類を認識する種類認識部と、
    前記種類認識部の認識結果に基づいて、前記光照射部の前記フラッシュ光源の照射エネルギを制御する制御部とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記フラッシュ光源は、紫外線とともに赤外線を瞬間照射する光源であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項2記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記光硬化性インクには、赤外線吸収剤が含有されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項2又は3記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記フラッシュ光源はキセノン光源であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記制御部は、前記フラッシュ光源の光強度の調整若しくはデューティー可変により前記照射エネルギを制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記光照射部は、紫外線を定常照射する定常光源を有し、前記定常光源からの紫外線を記録媒体上に着弾した前記光硬化性インクに照射することで前記光硬化性インクを硬化させ、
    前記制御部は、前記種類認識部の認識結果に基づいて、前記光照射部の前記フラッシュ光源及び前記定常光源の少なくとも一方の照射エネルギを制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 請求項6記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記定常光源は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、冷陰極管、LEDのうちの1つであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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