JP2016009634A - 光熱変換層、ドナーシート - Google Patents

光熱変換層、ドナーシート Download PDF

Info

Publication number
JP2016009634A
JP2016009634A JP2014130809A JP2014130809A JP2016009634A JP 2016009634 A JP2016009634 A JP 2016009634A JP 2014130809 A JP2014130809 A JP 2014130809A JP 2014130809 A JP2014130809 A JP 2014130809A JP 2016009634 A JP2016009634 A JP 2016009634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conversion layer
photothermal conversion
tungsten oxide
light
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014130809A
Other languages
English (en)
Inventor
佳輔 町田
Yoshisuke Machida
佳輔 町田
藤田 賢一
Kenichi Fujita
賢一 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2014130809A priority Critical patent/JP2016009634A/ja
Priority to KR1020150086825A priority patent/KR102286678B1/ko
Publication of JP2016009634A publication Critical patent/JP2016009634A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】可視光透過性を備えた光熱変換層を提供する。【解決手段】赤外線吸収性粒子とバインダー成分とを含有し、JISR3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下である光熱変換層であって、前記赤外線吸収性粒子が、化学式がWyOz(2.2≦z/y<3.0)で示されるタングステン酸化物粒子と、化学式がMxWyOz(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素)で示される複合タングステン酸化物粒子とから選ばれる。【選択図】図3

Description

本発明は、光熱変換層、ドナーシートに関する。
基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する方法として、メタルマスク法、レーザ転写法、インクジェット法等が検討されてきた。メタルマスク法は次世代大型ディスプレイデバイスなどの大面積化への対応が困難であり、インクジェット法は適用への技術的課題が多く残されていることから、大型ディスプレイ向けのプロセスとしてはレーザ転写法が主流となるとみられている。
レーザ転写法はいくつかの方法があるが、ドナーシートと呼ばれるフィルムを用いて成膜を行う方式が主流である。ドナーシートとしては例えば、フィルム基材に光熱変換(LTHC:Light To Heat Conversion)層と呼ばれる光を吸収する層と、被転写層として例えばエレクトロルミネッセンス特性を持つ有機化合物の層とを成膜したものが用いられている。レーザ転写法により、基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する方法について様々な提案がなされているが、基本的な動作原理は共通である。すなわち、光熱変換層の特定箇所にレーザ光が照射されることで、光熱変換層に光が吸収されて熱が発生し、熱の作用により被転写層として形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を転写することができる。
ドナーシートの光熱変換層の光吸収材料としてはさまざまな材料が提案されている。例えば特許文献1では、赤外領域において光を吸収する染料、カーボンブラックのような有機及び無機吸収材料、金属類、金属酸化物または金属硫化物およびその他既知の顔料および吸収材が開示されている。特許文献2では染料、顔料、金属、金属化合物、金属フィルム等が開示されている。特許文献3では黒色アルミニウムが開示されている。特許文献4ではカーボンブラック、黒鉛や赤外線染料が開示されている。
特表2000−515083号公報 特表2002−534782号公報 特許第3562830号公報 特開2004−200170号公報
既述のようにレーザ転写法により、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する場合、ドナーシートの光熱変換層のうち所望の箇所にレーザ光を照射し、ドナーシートに含まれる有機エレクトロルミネッセンス素子を転写することにより行うことができる。しかし、ドナーシート中に例えば異物や塗布ムラ等の欠陥が含まれる場合、レーザ照射箇所の有機エレクトロルミネッセンス素子が正常に転写されず、ディスプレイデバイスとなった際に点灯がされないドットが生じる原因となる。このため、歩留まり向上のためにはレーザ転写の前に欠陥を含むドナーシートを目視あるいは可視光センサ等により検出することが必要となる。
しかしながら、光熱変換層に適用する光吸収材料として特許文献1〜4に開示された材料を用いた場合、光熱変換層の可視光の透過性が十分ではなかった。すなわち、特許文献1〜4に開示された光吸収材料を用いた場合、光熱変換層は光透過性を実質的に有しない非常に暗い黒色を示すこととなる。このため、係る光熱変換層をドナーシートに適用した場合、目視や可視光センサ等により欠陥を検出することは不可能であった。
このように従来は、欠陥のあるドナーシートであっても検査によって十分に検出できなかったため、有機エレクトロルミネッセンス素子の欠陥に繋がり、ディスプレイデバイスの歩留まり低下の大きな原因となっていた。
そこで上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の一側面では、可視光透過性を備えた光熱変換層を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、赤外線吸収性粒子とバインダー成分とを含有し、JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下である光熱変換層を提供する。
本発明の光熱変換層の一態様によれば、可視光透過性を備えた光熱変換層を提供することができる。
六方晶を有する複合タングステン酸化物の結晶構造の模式図。 ドナーシートの断面構成例の説明図。 実施例1、2、比較例1、2で測定されたドナーシートの透過曲線。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
(光熱変換層)
本実施形態ではまず、光熱変換層の一構成例について説明する。
本実施形態の光熱変換層は、赤外線吸収性粒子とバインダー成分とを含有し、
JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下とすることができる。
本実施形態の光熱変換層に含まれる成分について以下、説明する。
まず、赤外線吸収性粒子について説明する。
赤外線吸収性粒子は、光熱変換層にレーザ光を照射した場合に、係るレーザ光を吸収し、熱を発生することができる材料を選択することができる。ただし、本実施形態の光熱変換層は可視光透過性を備えていることから、赤外線吸収性粒子についても可視領域の光については透過性が高い材料であることが好ましい。
赤外線吸収性粒子としては特に限定されるものではなく、赤外領域、特に近赤外領域のレーザ光を吸収し、熱を発生することができ、かつ可視領域の光の透過率が高い材料であることが好ましい。
赤外線吸収性粒子は例えば、化学式がW(2.2≦z/y<3.0)で示されるタングステン酸化物粒子と、化学式がM(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、0.001≦x/y≦0.8、2.2≦z/y≦3.0)で示される複合タングステン酸化物粒子とから選ばれる1種類以上であることが好ましい。
化学式Wで示されるタングステン酸化物粒子についてまず説明する。なお、タングステン酸化物粒子を示す化学式W中、Wはタングステン、Oは酸素を示している。
一般に、三酸化タングステン(WO)中には有効な自由電子が存在しないため近赤外領域の吸収反射特性が少なく、赤外線吸収性粒子としては十分な機能を発揮しない場合がある。しかし、本発明の発明者らの検討によると、三酸化タングステンのタングステンに対する酸素の比率を3より低減することによって、すなわち、上述の式においてz/y<3.0とすることによって、当該タングステン酸化物中に自由電子を生成することができる。このため、効率の良い赤外線吸収性粒子とすることができる。
また、WOの結晶相は可視領域の光について吸収や散乱を生じさせ、近赤外領域の光の吸収を低下させる恐れがある。そこで、上述のようにタングステン酸化物粒子について2.2≦z/yとすることにより、WOの結晶相が生じることを抑制することが好ましい。また、z/yを上記範囲とすることにより材料としての化学的安定性を得ることができ、有効な赤外線吸収性粒子として適用できるため好ましい。
このため、タングステン酸化物粒子Wにおいては、2.2≦z/y<3.0の関係を満たすことが好ましい。
さらに、一般式Wとしたとき2.45≦z/y<3.0で表される組成比を有する、所謂「マグネリ相」は化学的に安定であり、近赤外領域の光の吸収特性も良いので、赤外線吸収性粒子として好ましい。このため、タングステン酸化物粒子(W)について、2.45≦z/y<3.0の関係を満たすことがより好ましい。
次に、化学式Mで示される複合タングステン酸化物粒子について説明する。
赤外線吸収性粒子としては、上述のタングステン酸化物にさらに元素Mを添加した複合タングステン酸化物(M)を用いることもできる。タングステン酸化物に元素Mを添加して複合タングステン酸化物とした場合、当該複合タングステン酸化物中に自由電子が生成され、近赤外領域に自由電子由来のより強い吸収特性が発現する。このため、波長1000nm付近の近赤外線を吸収する赤外線吸収性材料として有効となり好ましい。
複合タングステン酸化物粒子を示す化学式M中、Wはタングステン、Oは酸素を示している。また、上記式中の元素Mとしては例えば、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素であることが好ましい。
特に元素Mを添加された当該複合タングステン酸化物における、安定性の観点から、元素Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素であることがより好ましい。
複合タングステン酸化物粒子の赤外線吸収性粒子としての光学特性、耐候性を向上させる観点からは、上述した元素Mとしてより好ましい元素のうち、アルカリ金属、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素(希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Hf、Os)に属するものがさらに好ましい。
複合タングステン酸化物については、タングステン酸化物において説明した酸素量の制御と、自由電子を生成する元素Mの添加とを併用することで、より効率の良い赤外線吸収材料を得ることができる。酸素量の制御と、自由電子を生成する元素Mの添加とを併用した場合、複合タングステン酸化物を示す化学式Mにおいて、0.001≦x/y≦0.8、2.2≦z/y≦3.0の関係を満たすことが好ましい。
ここで、上述の複合タングステン酸化物の化学式中の元素Mの添加量を示すx/yの値について説明する。x/yの値が0.001以上の場合、十分な量の自由電子が生成され、目的とする赤外線吸収効果を得ることができるため好ましい。そして、元素Mの添加量が多いほど自由電子の供給量が増加し、赤外線吸収効率も上昇するが、x/yの値が0.8程度で当該効果も飽和する。また、x/yの値が0.8以下であれば、当該赤外線吸収材料中に不純物相が生成されるのを回避できるので好ましい。
次に、酸素量の制御を示すz/yの値について説明する。z/yの値については、Mで表記される赤外線吸収材料においても、上述したWで表記される赤外線吸収材料と同様の機構が働くことに加え、z/y=3.0においても上述した元素Mの添加量による自由電子の供給がある。このため、2.2≦z/y≦3.0が好ましい。
複合タングステン酸化物粒子に含まれる複合タングステン酸化物の結晶構造は特に限定されるものではなく、任意の結晶構造の複合タングステン酸化物を含有することができる。ただし、複合タングステン酸化物粒子に含まれる複合タングステン酸化物が六方晶の結晶構造を有する場合、当該粒子の可視領域の光の透過率、及び近赤外領域の光の吸収が特に向上するため好ましい。
係る六方晶の結晶構造の模式的な平面図を図1に示す。図1において、符号11で示されるWO単位により形成される8面体が、6個集合して六角形の空隙(トンネル)が構成されている。そして、当該空隙中に、符号12で示される元素Mを配置して1箇の単位を構成し、この1箇の単位が多数集合して六方晶の結晶構造を構成する。
このように、複合タングステン酸化物粒子がWO単位で形成される8面体が6個集合して六角形の空隙が構成され、該空隙中に元素Mを配置した単位構造を含む複合タングステン酸化物を含有する場合、可視領域の光の透過率及び近赤外領域の光の吸収を特に向上できる。なお、複合タングステン酸化物粒子全体が図1に示した構造を有する結晶質の複合タングステン酸化物粒子により構成されている必要はなく、例えば局所的に係る構造を有する場合でも可視領域の光の透過率及び近赤外領域の光の吸収を向上する効果を得ることができる。このため、複合タングステン酸化物粒子全体としては、結晶質であっても非晶質であってもよい。
そして、複合タングステン酸化物の元素Mとして、イオン半径の大きな元素Mを添加したときに上述の六方晶が形成され易い。具体的には元素Mとして例えばCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちの1種類以上を添加したとき六方晶が形成され易い。なお、六方晶が形成されるためには、これら以外の元素でもWO 単位で形成される六角形の空隙に元素Mが存在すれば良く、元素Mとして上記元素を添加した場合に限定される訳ではない。
複合タングステン酸化物粒子に含まれる複合タングステン酸化物の結晶構造を、均一な六方晶とする場合、元素Mの添加量は、x/yの値で0.20以上0.50以下が好ましく、0.25以上0.40以下であることがさらに好ましい。z/yについては既述のように、2.2≦z/y≦3.0とすることが好ましい。なお、z/y=3.0の時、x/yの値が0.33となることで、元素Mが六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。
また、複合タングステン酸化物粒子に含まれる複合タングステン酸化物は、上述の六方晶以外に、正方晶、立方晶のタングステンブロンズの構造をとることもでき、係る構造の複合タングステン酸化物も赤外線吸収材料として有効である。複合タングステン酸化物はその結晶構造によって、近赤外領域の吸収位置が変化する傾向がある。例えば、近赤外領域の吸収位置は、立方晶よりも正方晶のときの方が長波長側に移動し、さらに六方晶のときは正方晶のときよりも長波長側に移動する傾向がある。また、当該吸収位置の変動に付随して、可視領域の光の吸収は六方晶が最も少なく、次に正方晶であり、立方晶はこれらの中では可視領域の光の吸収が最も大きい。よって、可視領域の光の透過率が高く、近赤外領域の光の吸収率が高いことが求められる用途には、六方晶のタングステンブロンズを用いることが好ましい。ただし、ここで述べた光学特性の傾向は、あくまで大まかな傾向であり、添加した元素Mの種類や、添加量、酸素量によっても変化するものであり、本実施形態の光熱変換層に用いる赤外吸収性粒子の材料がこれに限定されるわけではない。
本実施形態の光熱変換層に用いることができる複合タングステン酸化物粒子に含まれる複合タングステン酸化物の結晶構造は上述のように限定されず、例えば、異なる結晶構造の複合タングステン酸化物を同時に含んでいてもよい。
ただし、上述のように六方晶の複合タングステン酸化物粒子は可視光の透過率と、近赤外の光の吸収を高めることができるため、本実施形態の光熱変換層に用いる赤外線吸収性粒子として特に好ましく用いることができる。そして、元素Mとして例えばセシウムを用いた場合、複合タングステン酸化物の結晶構造が六方晶となり易いことから、複合タングステン酸化物粒子としては、六方晶セシウム酸化タングステン粒子をより好ましく用いることができる。
本発明の発明者らの検討によると、六方晶セシウム酸化タングステン粒子は波長1000nm近傍の光についてモル吸光係数が非常に高い。さらに、可視領域の光の透過率が高く、赤外領域、特に近赤外領域の光の透過率が低いため、可視領域の光の透過率と、赤外領域の光の透過率とのコントラストが大きい。従って、光熱変換層に六方晶セシウム酸化タングステン粒子を近赤外領域の光を吸収するために十分な量を添加した場合でも、特に可視領域の光の透過率を高く維持することができ、上述のように複合タングステン酸化物粒子として好ましく用いることができる。また特に、赤外線吸収性粒子として六方晶セシウム酸化タングステン粒子を好適に用いることができる。
なお、本実施形態の光熱変換層の赤外線吸収性粒子として、上述のようにタングステン酸化物粒子および/または複合タングステン酸化物粒子を好適に用いられるが、赤外線吸収性粒子は1種類の材料に限定されるものではなく、複数の異なる材料を含むことができる。このため赤外線吸収性粒子は、例えばタングステン酸化物粒子と、複合タングステン酸化物粒子とを同時に含んでいていも良い。また、赤外線吸収性粒子は、タングステン酸化物粒子と、複合タングステン酸化物粒子とのいずれか一方のみを含んでいてもよい。ただし、複合タングステン酸化物粒子の方が、タングステン酸化物粒子よりも可視光の透過率と、近赤外の光の吸収に優れることから、赤外線吸収性粒子は、複合タングステン酸化物粒子を含んでいることが好ましい。
赤外線吸収性材料の粒子の平均粒子径は特に限定されるものではなく、光熱変換層に要求される透明性の程度や、レーザ光の吸収の程度等に応じて任意に選択することができる。例えば、赤外線吸収性粒子は微粒子であることが好ましく、具体的には赤外線吸収性粒子の体積平均粒子径が1nm以上800nm以下であることが好ましい。
なお、体積平均粒子径とはレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味しており、本明細書において他の部分でも体積平均粒子径は同じ意味を有している。
これは、赤外線吸収性粒子の体積平均粒子径を1nm以上とすることにより、例えばドナーシートに適用した場合にレーザ光を十分に吸収することができるためである。また、赤外線吸収性粒子の体積平均粒子径が800nm以下とすることにより、赤外線吸収性材料を例えば分散剤や溶媒等と混合した際に、安定して分散させることができ、基材上に特に均一に塗布することができるためである。また、散乱により光を完全に吸収することが無く、特に可視領域の光の透過性を保持して光熱変換層の透明性を高めることができるからである。
次にバインダー成分について説明する。
バインダー成分としては特に限定されるものではなく、任意のバインダー成分を用いることができる。ただし、本実施形態においては、可視光透過性を備えた光熱変換層を提供することを目的とすることから、固体状になった場合の可視光透過性に優れたバインダー成分を用いることが好ましい。また、光熱変換層に対してレーザ光を照射した場合に、光熱変換層に含まれる赤外線吸収性粒子に該レーザ光を照射できるよう、赤外領域、特に近赤外領域の光の透過性も優れたバインダー成分を用いることが好ましい。
バインダー成分としては具体的には例えば、UV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑樹脂等が目的に応じて選定可能である。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独使用であっても混合使用であっても良い。また、バインダー成分として金属アルコキシドの利用も可能である。金属アルコキシドとしては、Si、Ti、Al、Zr等のアルコキシドが挙げられる。これら金属アルコキシドを用いたバインダーは、加熱等により加水分解・縮重合させることで、酸化物膜を形成することが可能である。
光熱変換層に含まれる赤外線吸収性粒子と、バインダー成分との比率は特に限定されるものではなく、光熱変換層の厚さや、光熱変換層に要求されるレーザ光の吸収特性等に応じて任意に選択することができ、特に限定されるものではない。ただし、例えば各種用途において光熱変換層を使用する際、光熱変換層が膜の形態を保てるように赤外線吸収性粒子と、バインダー成分との比率を選択することが好ましい。
光熱変換層は、上述した赤外線吸収性粒子、及びバインダー成分以外にもさらに任意の成分を添加することができる。また、後述のように、光熱変換層を形成する際、光熱変換層の原料となるインクには例えば分散剤や、溶媒等を添加することができ、これらの成分が残留し、光熱変換層に含まれていても良い。
そして、本実施形態の光熱変換層は、JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、63%以上であることが特に好ましい。
光熱変換層の可視光透過率が50%以上の場合、光熱変換層の透明性を十分に高めることができる。このため、例えばドナーシートのフィルム基材上に光熱変換層、被転写層を形成した場合に、フィルム基材、光熱変換層を介して被転写層等を視認することが可能になり好ましい。
また、本実施形態の光熱変換層は、波長1000nmの光の透過率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
これは、例えばドナーシートにおいて被転写層を転写する際には主に近赤外領域、特に波長1000nm近傍の波長を有するレーザ光が用いられている。このため、光熱変換層は係る領域の光の吸収率が高いことが好ましい。すなわち、係る領域の光の透過率が低いことが好ましい。そして、波長1000nm以下の光の透過率が10%以下の場合、光熱変換層は波長1000nm近傍の光を十分に吸収し、熱発生することができるため好ましい。
光熱変換層の厚さは特に限定されるものではなく、光熱変換層に添加した赤外線吸収性粒子の赤外線の吸収特性、光熱変換層内の赤外線吸収性粒子の充填密度、要求される可視光透過率、波長1000nm以下の光の透過率の程度等に応じて任意に選択できる。
ただし、光熱変換層の厚さは例えば5μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることがより好ましい。これは光熱変換層の厚さが厚くなると、光熱変換層にレーザ光を照射した際に生じた熱が拡散しやすくなるためである。例えばドナーシートの光熱変換層として用いた場合、レーザ光を照射した点から面内方向に熱が拡散すると、レーザ光を照射していない部分についても被転写層が剥離し転写される恐れがあり、好ましくないためである。
光熱変換層の厚さの下限値は特に限定されるものではなく、赤外線吸収性粒子の赤外線吸収特性等に応じて任意に選択することができる。このため、光熱変換層の厚さは0より大きければ良いが、500nm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。これは光熱変換層の厚さが薄くなると、レーザ光を照射した際に生じる熱量を所定値以上とするためには、光熱変換層内に充填される赤外線吸収性粒子の充填密度を高める必要が生じ、膜の形状を維持することが困難になる恐れがあるためである。
次に光熱変換層の製造方法の一構成例について説明する。
上述の光熱変換層は、例えば赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを基材上に塗布し、塗布したインクを乾燥させた後、乾燥させたインクを硬化させることにより形成することができる。
なお、赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを塗布する基材としては、例えばフィルム基材を含有する基材であることが好ましい。このため、基材は、フィルム基材のみから構成することもできるが、フィルム基材上に任意の層を形成した基材、例えば、フィルム基材のインクを塗布する側の面に後述する中間層が形成性された基材を用いることもできる。
従って、赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを基材上に塗布するとは、上述のインクをフィルム基材上に直接塗布する場合に限定されるものではない。例えば、フィルム基材上に後述する中間層等を形成し、フィルム基材上に形成された該中間層上に係るインクを塗布する場合も包含する。このようにフィルム基材上に任意の層を配置した場合も、インクを塗布後、インクを乾燥、硬化させることにより光熱変換層を形成することができる。
光熱変換層の製造方法は例えば以下の工程を有することができる。
赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、及びバインダー成分を含有するインクを基材上に塗布する塗布工程。
基材上に塗布したインクを乾燥させる乾燥工程。
乾燥工程で乾燥させたインクを硬化させる硬化工程。
ここでまず、塗布工程について説明する。
塗布工程で用いるインクは上述のように、赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、バインダー成分を含有することができる。
赤外線吸収性粒子、及びバインダー成分については既に説明したため説明を省略する。
分散剤は、インクにした際に赤外線吸収性粒子を溶媒中で安定して分散するための添加剤であり、公知の各種分散剤を用いることができる。例えばアクリル系高分子分散剤等の高分子系分散剤やシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を好ましく用いることができる。
溶媒は、インクとした場合に赤外線吸収性粒子を分散させるための溶媒であり、アルコール系、ケトン系、炭化水素系、グリコール系、水系など、種々のものを選択することが可能である。具体的には例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;3−メチル−メトキシ−プロピオネートなどのエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;フォルムアミド、N−メチルフォルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチレンクロライド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などを挙げることができる。これらの中でも極性の低い有機溶剤が好ましく、特に、イソプロピルアルコール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n−ブチルなどがより好ましい。これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤、溶媒の添加量に関しても特に限定されるものではなく、分散剤については赤外線吸収性粒子の添加量と、分散剤の分散性能等に応じて任意にその添加量を選択することができる。また、溶媒については、基材上にインクを塗布する際の作業性や、塗布後の乾燥工程に要する時間等を考慮して任意にその添加量を選択することができる。
また、インクには、上述の赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、バインダー成分以外にも必要に応じて任意の添加成分を添加することができる。例えば赤外線吸収性粒子の分散性を高めるために、界面活性剤等のコーティング補助剤を添加しても良い。
インクを調製する方法は特に限定されるものではなく、上述のインクの原料となる材料を所望の比率となるように秤量、混合することで調製することができる。
例えば、赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを予め粉砕・分散することにより分散液を調製した後、得られた分散液にバインダー成分を添加してインクとすることができる。赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散する方法は特に限定されるものではないが、例えば、ペイントシェーカーや、超音波照射、ビーズミル、サンドミル等を用いて実施することができる。
分散液における赤外線吸収性粒子の体積平均粒子径は1nm以上800nm以下であることが好ましい。
分散液とバインダー成分とを混合し、インクとする際には、両者が十分に混ざり合う程度に混合すればよい。このため、分散液の段階で赤外線吸収性粒子の体積平均粒子径を、光熱変換層において好適な体積平均粒子径とすることが好ましいためである。
分散液と、バインダー成分とを混合する方法も特に限定されるものではなく、例えば、分散液を調製する際に用いた粉砕・分散手段と同じ手段を用いて分散液と、バインダー成分とを混合することもできる。ただし、上述のようにインクを調製する際には、分散液とバインダー成分とが十分に混ざり合う程度に混合すればよく、分散液を調製した際よりも混合時間は短くすることができる。
インクを基材上に塗布する方法は特に限定されるものではなく、例えばバーコート法、グラビヤコート法、スプレーコート法、ディップコート法等により塗布することができる。
なお、基材については既述のようにフィルム基材を含むことができる。フィルム基材としては特に限定されるものではなく、用途に応じて任意のフィルム基材を用いることができる。例えば後述のドナーシートの場合と同様のフィルム基材を用いることもできる。
乾燥工程においてインクを乾燥する方法は特に限定されるものではなく、例えば用いた溶媒の沸点に応じて加熱温度を選択し、乾燥することができる。
硬化工程において、乾燥工程で乾燥させたインクを硬化させる方法は特に限定されるものではなく、バインダー成分の樹脂等に応じた方法で硬化させることができる。例えば、バインダー成分が紫外線硬化樹脂の場合には紫外線を照射することにより硬化することができる。また、バインダー成分が熱硬化樹脂の場合には、硬化温度まで昇温することにより硬化することができる。
以上に説明した本実施形態の光熱変換層によれば、可視光透過性に優れた光熱変換層とすることができる。また、波長1000nm付近の近赤外光を吸収し、係る光の透過率を低くすることができる。すなわち、波長1000nm付近の近赤外光を吸収し熱を発生させることができる。このため、本実施形態の光熱変換層をドナーシート等に適用した場合、目視や可視光センサ等により欠陥を非常に容易に検出できるようになる。
本実施形態の光熱変換層は、レーザ光を吸収し、熱を発生させる光熱変換層が要求される各種用途に用いることができ、その用途は特に限定されるものではないが、例えばドナーシートの光熱変換層として好適に用いることができる。
(ドナーシート)
次に、本実施形態のドナーシートの一構成例について説明する。
本実施形態のドナーシートは、ここまで説明した光熱変換層と、フィルム基材と、被転写層とを有することができる。
図2にドナーシートの断面構成例を示す。図2に示したようにドナーシート20は、例えばフィルム基材21の一方の面21A上に、赤外線吸収性粒子221を含む光熱変換層22と、被転写層23と、を積層した構造を有することができる。
ここで、図2に示したドナーシート20の各層の構成例について説明する。
まず、フィルム基材21について説明する。
フィルム基材21は光熱変換層22や、被転写層23を支持する層である。そして、ドナーシート20に対してレーザ光を照射する場合、例えば波長1000nm近傍のレーザ光をフィルム基材21の他方の面21B側から照射することになる。このため、フィルム基材21は係るレーザ光が光熱変換層22まで透過できるように、赤外領域、特に近赤外領域の光の透過性に優れていることが好ましい。また、ドナーシート20中の例えば異物や塗布ムラ等の欠陥を、目視や可視光センサ等により検出できるよう、フィルム基材21は可視光の透過性についても優れていることが好ましい。
このため、フィルム基材21としては、可視光、及び赤外領域、特に近赤外領域の光の透過性に優れた材料を好ましく用いることができる。具体的には例えば、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ふっ素樹脂等から選択される1種以上の材料をフィルム基材21として用いることができる。
フィルム基材21の厚さは特に限定されるものではなく、フィルム基材21に用いる材料の種類や、ドナーシートに要求される可視光や赤外光の透過性等に応じて任意に選択することができる。
フィルム基材21の厚さは例えば、1μm以上200μm以下とすることが好ましく、2μm以上50μm以下とすることがより好ましい。これは、フィルム基材21の厚さを200μm以下とすることにより、可視光や赤外光の透過性を高めることができ、好ましいためである。また、フィルム基材21の厚さを1μm以上とすることによりフィルム基材21上に形成した光熱変換層22等を支持し、ドナーシート20が破損することを特に防止できるためである。
光熱変換層22については既述のため説明を省略する。
被転写層23は、ドナーシート20にレーザ光を照射することによりドナーシート20から剥離し、転写する層であり、その構成は特に限定されるものではなく、任意の層とすることができる。また、図2では被転写層23が一層により構成された例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、例えば二層以上からなる被転写層23を構成することもできる。
既述のようにドナーシート20は例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する際に用いることができる。このため、被転写層23は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、ブロッキング層、電子輸送層等から選択される一層以上を含むように構成することができる。
なお、被転写層23の形成方法は特に限定されるものではなく、層を構成する材料の種類に応じて任意の方法により形成することができる。
また、ドナーシート20は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する場合だけでなく、電子回路、抵抗器、キャパシタ、ダイオード、整流器、メモリ素子、トランジスタ等の各種電子デバイスや、光導波路等の各種光デバイスなどを形成する場合にも用いることができる。このため、被転写層23は用途に応じて任意の構成とすることができる。
ここまでドナーシートの一構成例について説明したが、ドナーシートの構成は係る形態に限定されるものではなく、さらに任意の層を付加することもできる。例えばフィルム基材21と光熱変換層22との間、および/または光熱変換層22と被転写層23との間、に中間層を設けることができる。中間層を設けることにより例えば、被転写層23の転写部分の損傷および汚染を抑制することができる。あるいは中間層により、層と層の間の密着力を調整することができる。あるいはレーザ照射により光熱変換層の効果で被転写層が加熱された際に、被転写層23が基材から良好に剥離し基板側へ転写されるように、濡れ性および密着力を調整するよう中間層を構成することもできる。
中間層の構成は特に限定されるものではなく、例えばポリマフィルム、金属層、無機層(例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物層)、有機/無機複合層等により構成することができる。
ドナーシートの各層を積層する順番も図2の形態に限定されるものではない。例えばフィルム基材21の一方の面21A上に被転写層23を、他方の面21B上に光熱変換層22を配置することもできる。
以上に本実施形態のドナーシートの一構成例について説明したが、本実施形態のドナーシートは、上述した光熱変換層を有している。そして、係る光熱変換層は可視光の透過率が高いため、光熱変換層を通しても目視や可視光センサ等によりドナーシート内の欠陥を検出し、欠陥のあるドナーシートについては検査によって除去することができる。このため、ドナーシートを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子等の電子デバイスや、光デバイス等を作製した場合の歩留まりを高めることが可能になる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例1、2、比較例1、2においてそれぞれ光熱変換層、及びドナーシートを作製し、評価を行った。
[実施例1]
(光熱変換層の作製)
以下の手順により光熱変換層を作製した。
まず、赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散して分散液を調製した。
この際、赤外線吸収性粒子としては、複合タングステン酸化物粒子であるCs0.33WO(六方晶セシウム酸化タングステン)を用い、分散液中の割合が20重量%となるように秤量した。
分散剤としては、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系高分子分散剤(アミン価48mgKOH/g、分解温度250℃のアクリル系高分子分散剤)(以下、分散剤aと略称する。)を用い、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
溶媒としては、メチルイソブチルケトンを用い、分散液中の割合が70重量%となるように秤量した。
赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、複合タングステン酸化物粒子分散液(以下、分散液Aと略称する)を得た。
ここで、分散液Aにおける複合タングステン酸化物粒子の体積平均粒子径をレーザ回折/散乱式粒子分布測定装置(日機装株式会社製 ナノトラックUPA−UT)を用いて測定したところ19nmであることを確認できた。
次に、得られた分散液と、バインダー成分とを混合してインクを調製した。本実施例ではバインダー成分としてハードコート用紫外線硬化樹脂を用いた。
分散液A100重量部に対し、ハードコート用紫外線硬化樹脂であり、アクリル樹脂である東亜合成製アロニックスUV−3701(以下、UV−3701と略称する)を50重量部混合して複合タングステン酸化物粒子を含有するインクとした。
なお、インクにした後についても複合タングステン酸化物粒子の体積平均粒子径を上述の方法と同様に測定したところ19nmであることを確認できた。この後の操作において、複合タングステン酸化物粒子の体積平均粒子径には変化は生じないと考えられることから、後述する光熱変換層内の複合タングステン酸化物粒子の体積平均粒子径も同様になっているものといえる。
次に、得られたインク(塗布液)を、フィルム基材である厚さが50μmのPETフィルム(帝人製HPE−50。他の実施例・比較例でも同じ)上に、バーNo.が4のバーコーターを用いて塗布し塗布膜を形成した(塗布工程)。
塗布工程で形成した塗布膜を80℃で60秒間乾燥し溶媒を蒸発させた(乾燥工程)。
乾燥工程の後に、高圧水銀ランプを用いてバインダー成分を硬化させることで、複合タングステン酸化物粒子を含有した光熱変換層をフィルム基材上に作製した(硬化工程)。
フィルム基材の断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約2.5μmであることを確認できた。
光熱変換層をフィルム基材上に形成したシートの光学特性を分光光度計(日立製作所(株)製 型式:U−4100)を用いて測定した。
用いたフィルム基材のみについても同様にして光学特性を測定し、上述の測定値から差し引くことで光熱変換層の光学特性を算出した。
算出した光熱変換層の光学特性をもとに、JIS R 3106:1998に基づいて可視光透過率を算出した。
また、算出した光熱変換層の光学特性をもとに、波長1000nmの光の透過率を算出した。
以上の手順により光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は73%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は10%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
(ドナーシートの作製)
また、作製した光熱変換層上にさらに被転写層を形成し、ドナーシートを形成した。ドナーシートは図2に示した構造となるように形成した。
具体的には、光熱変換層22の上面に被転写層23を形成した。被転写層23としては、光熱変換層22側から順に電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層、及び正孔注入層を積層した。
被転写層23に含まれる各層は以下のようにして成膜した。
電子輸送層は、Alq3[tris(8−quinolinolato)aluminium(III)]を蒸着法により成膜し、膜厚を20nmとした。
また、有機発光層は、電子輸送性のホスト材料であるADN(anthracene dinaphtyl)に、青色発光性のゲスト材料である4,4‘≡ビス[2≡{4≡(N,N≡ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%で混合した材料を蒸着法により成膜し、膜厚は約25nmとした。
正孔輸送層は、α−NPD[4,4−bis(N−1−naphthyl−N−phenylamino)biphenyl]を蒸着法により成膜し、膜厚を30nmとした。
正孔注入層は、m−MTDATA[4,4,4−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine]を蒸着法により成膜し、膜厚は10nmとした。
得られたドナーシートについてはフィルム基材側から被転写層23を目視し、その状態の確認を行った。
[実施例2]
塗布工程においてバーNo.が6のバーコーターを用いた点以外は実施例1と同様にして光熱変換層をフィルム基材上作製し、評価を行った。
実施例1と同様にしてフィルム基材の断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約3.0μmであることを確認できた。
実施例1と同様にして光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は64%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は2%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
また、作製した光熱変換層上に、実施例1と同様にしてさらに被転写層を形成し、ドナーシートを作製した。
[比較例1]
以下の手順により光熱変換層を作製した。
まず、赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散して分散液を調製した。
赤外線吸収性粒子としてはカーボンブラック(BET比表面積300m/g)を用い、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
分散剤としては実施例1と同じ分散剤aを用い、分散液中の割合が5重量%となるように秤量した。
溶媒としては、メチルイソブチルケトンを用い、分散液中の割合が85重量%となるように秤量した。
赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、4時間粉砕・分散処理し、カーボンブラック粒子分散液(以下、分散液Bと略称する)を得た。
ここで、分散液B内におけるカーボンブラック粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様にして測定したところ17nmであることを確認できた。
次に、得られた分散液Bと、バインダー成分とを混合してインクを調製した。本比較例ではバインダー成分として実施例1と同じUV−3701を用いた。
分散液B100重量部に対し、UV−3701を100重量部混合してカーボンブラック粒子を含有するインクとした。
なお、インクにした後についてもカーボンブラック粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様に測定したところ17nmであることを確認できた。この後の操作において、カーボンブラック粒子の体積平均粒子径には変化は生じないと考えられることから、後述する光熱変換層内のカーボンブラック粒子の体積平均粒子径も同様になっているものといえる。
次に、得られたインク(塗布液)を、実施例1と同じフィルム基材である厚さが50μmのPETフィルム上に、バーNo.が4のバーコーターを用いて塗布し塗布膜を形成した(塗布工程)。
塗布工程で形成した塗布膜を80℃で60秒間乾燥し溶媒を蒸発させた(乾燥工程)。
乾燥工程の後に、高圧水銀ランプでバインダー成分を硬化させることで、カーボンブラック粒子を含有した光熱変換層をフィルム基材上に作製した(硬化工程)。
実施例1と同様にしてフィルム基材の断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約2.5μmであることを確認できた。
実施例1と同様にして光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は2%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は10%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
また、作製した光熱変換層上に、実施例1と同様にして、さらに被転写層を形成し、ドナーシートを形成した。
[比較例2]
以下の手順により光熱変換層を作製した。
まず、赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを粉砕・分散して分散液を調製した。
赤外線吸収性粒子としてはアンチモン添加酸化錫(以下、ATOと略称する。)粒子(BET比表面積250m/g)を用い、分散液中の割合が20重量%となるように秤量した。
分散剤としては実施例1と同じ分散剤aを用い、分散液中の割合が10重量%となるように秤量した。
溶媒としては、メチルイソブチルケトンを用い、分散液中の割合が70重量%となるように秤量した。
赤外線吸収性粒子と、分散剤と、溶媒とを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、9時間粉砕・分散処理し、ATO粒子分散液(以下、分散液Cと略称する)を得た。
ここで、分散液C内におけるATO粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様にして測定したところ23nmであることを確認できた。
次に、得られた分散液Cと、バインダー成分とを混合してインクを調製した。本比較例ではバインダー成分として実施例1と同じUV−3701を用いた。
分散液C100重量部に対し、UV−3701を50重量部混合してATO粒子を含有するインクとした。
なお、インクにした後についてもATO粒子の体積平均粒子径を実施例1と同様に測定したところ23nmであることを確認できた。この後の操作において、ATO粒子の体積平均粒子径には変化は生じないと考えられることから、後述する光熱変換層内のATO粒子の体積平均粒子径も同様になっているものといえる。
次に、得られたインク(塗布液)を、実施例1と同じフィルム基材である厚さが50μmのPETフィルム上に、バーNo.が24のバーコーターを用いて塗布し塗布膜を形成した(塗布工程)。
塗布工程で形成した塗布膜を80℃で60秒間乾燥し溶媒を蒸発させた(乾燥工程)。
乾燥工程の後に、高圧水銀ランプでバインダー成分を硬化させることで、ATO粒子を含有した光熱変換層をフィルム基材上に作製した(硬化工程)。
実施例1と同様にしてフィルム基材の断面に対してTEM観察を行ったところ、光熱変換層の厚さは約15μmであることを確認できた。
また、実施例1と同様にして光熱変換層の可視光透過率と、波長1000nmの光の透過率を算出したところ、可視光透過率は44%であることを確認できた。また、波長1000nmの光の透過率は11%であることを確認できた。結果を表1に示す。また測定結果から算出した光熱変換層の透過曲線を図3に示す。
また、作製した光熱変換層上に、実施例1と同様にして、さらに被転写層を形成し、ドナーシートを形成した。
Figure 2016009634
実施例1では光熱変換層に用いる赤外線吸収性粒子として、近赤外領域の光に選択的な吸収を有し透明性の高い複合タングステン酸化物粒子を用いたために、波長1000nmの光の透過率を10%以下としても高い可視光透過率となることを確認できた。
実施例2では光熱変換層の膜厚を厚くすることにより、光熱変換層の赤外線吸収性粒子の面積あたりの含有量をさらに多くして波長1000nmの光の透過率を2%とし、より効率的に転写用レーザの光を吸収できるようにした。そして実施例2の場合でも、なお高い可視光透過率を有していることを確認できた。
これに対して、比較例1では赤外線吸収性粒子として透明性の低いカーボンブラックを用いたために、波長1000nmの光の透過率を10%とした場合に、可視光の透過性をほとんど有しないことを確認できた。
また、比較例2では赤外線吸収性粒子として、近赤外に選択的な吸収を有するものの透明性が十分でなく、近赤外の光の吸収性能が実施例1の複合タングステン酸化物粒子よりも低いATO粒子を用いた。このため、比較例2では波長1000nmの光の透過率を低くするため光熱変換層の厚さを15nmと他の実施例、比較例よりも厚くしている。しかし、波長1000nmの光の透過率が10%を超える場合でも可視光透過率は50%未満となり、十分な透明性を持たないことを確認できた。
また、各実施例、比較例で作製したドナーシートは、実施例1、2に関しては被転写層の状態がフィルム基材側から目視で確認できたが、比較例1、2については光熱変換層の透明性が十分ではなく被転写層の状態を目視で確認できなかった。
20 ドナーシート
21 フィルム基材
22 光熱変換層
23 被転写層

Claims (7)

  1. 赤外線吸収性粒子とバインダー成分とを含有し、
    JIS R 3106に基づいて算出される可視光透過率が50%以上であり、かつ波長1000nmの光の透過率が10%以下である光熱変換層。
  2. 前記赤外線吸収性粒子が、化学式がW(2.2≦z/y<3.0)で示されるタングステン酸化物粒子と、化学式がM(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、0.001≦x/y≦0.8、2.2≦z/y≦3.0)で示される複合タングステン酸化物粒子とから選ばれる1種類以上である請求項1に記載の光熱変換層。
  3. 前記複合タングステン酸化物粒子が六方晶セシウム酸化タングステン粒子である請求項2に記載の光熱変換層。
  4. 前記赤外線吸収性粒子の体積平均粒子径が1nm以上800nm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光熱変換層。
  5. 厚さが5μm以下である請求項1乃至4のいずれに一項に記載の光熱変換層。
  6. 前記赤外線吸収性粒子、分散剤、溶媒、及び前記バインダー成分を含有するインクを基材上に塗布し、塗布したインクを乾燥させた後、乾燥させたインクを硬化させることにより形成された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光熱変換層。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光熱変換層と、フィルム基材と、被転写層とを有するドナーシート。
JP2014130809A 2014-06-25 2014-06-25 光熱変換層、ドナーシート Pending JP2016009634A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014130809A JP2016009634A (ja) 2014-06-25 2014-06-25 光熱変換層、ドナーシート
KR1020150086825A KR102286678B1 (ko) 2014-06-25 2015-06-18 광열 변환층, 도너 시트

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014130809A JP2016009634A (ja) 2014-06-25 2014-06-25 光熱変換層、ドナーシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016009634A true JP2016009634A (ja) 2016-01-18

Family

ID=55164757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014130809A Pending JP2016009634A (ja) 2014-06-25 2014-06-25 光熱変換層、ドナーシート

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2016009634A (ja)
KR (1) KR102286678B1 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018043955A1 (ko) * 2016-08-29 2018-03-08 주식회사 엘엠에스 카메라 모듈에 포함되는 근적외선 컷-오프 필터용 광학물품 및 이를 포함하는 카메라 모듈용 근적외선 컷-오프 필터
US20180272781A1 (en) * 2017-03-24 2018-09-27 Casio Computer Co., Ltd. Ink, thermal expansion sheet, manufacturing method for shaped object, printing apparatus, and printing method
JP2018162443A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 カシオ計算機株式会社 インク、印刷装置、印刷方法及び造形物の製造方法
WO2018235842A1 (ja) 2017-06-19 2018-12-27 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層とその製造方法、および当該光熱変換層を用いたドナーシート
WO2018235829A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 住友金属鉱山株式会社 近赤外線硬化型インク組成物とその製造方法、近赤外線硬化膜、および光造形法
WO2019054480A1 (ja) 2017-09-14 2019-03-21 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層、当該光熱変換層を用いたドナーシート、およびそれらの製造方法
JP2019077797A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 ゼネラル株式会社 インクジェットインクとそれを用いた半立体画像の形成方法
JP2019167418A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法
JP2019189823A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法
JP2021079701A (ja) * 2021-02-01 2021-05-27 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法及び造形物の製造方法
US11097565B2 (en) 2018-04-27 2021-08-24 Casio Computer Co., Ltd. Thermally expandable sheet

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS562830A (en) 1979-06-19 1981-01-13 Shin Meiwa Ind Co Ltd Removing offensive odor and catalyst used therefor
US5998085A (en) 1996-07-23 1999-12-07 3M Innovative Properties Process for preparing high resolution emissive arrays and corresponding articles
US6114088A (en) 1999-01-15 2000-09-05 3M Innovative Properties Company Thermal transfer element for forming multilayer devices
US20040191564A1 (en) 2002-12-17 2004-09-30 Samsung Sdi Co., Ltd. Donor film for low molecular weight full color organic electroluminescent device using laser induced thermal imaging method and method for fabricating low molecular weight full color organic electroluminescent device using the film
JP2007148330A (ja) 2005-11-04 2007-06-14 Central Glass Co Ltd 近赤外線反射基板およびそれを用いた近赤外線反射合わせガラス
US20110261443A1 (en) 2008-10-23 2011-10-27 Mitsubishi Chemical Corporation Heat ray reflective film and laminate thereof, and coating fluid for forming heat ray reflective layer
KR101093361B1 (ko) * 2009-07-21 2011-12-14 도레이첨단소재 주식회사 광열변환층을 갖는 평판표시소자용 열전사 도너 필름 및 그 제조방법

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018043955A1 (ko) * 2016-08-29 2018-03-08 주식회사 엘엠에스 카메라 모듈에 포함되는 근적외선 컷-오프 필터용 광학물품 및 이를 포함하는 카메라 모듈용 근적외선 컷-오프 필터
JP2018162443A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 カシオ計算機株式会社 インク、印刷装置、印刷方法及び造形物の製造方法
US20180272781A1 (en) * 2017-03-24 2018-09-27 Casio Computer Co., Ltd. Ink, thermal expansion sheet, manufacturing method for shaped object, printing apparatus, and printing method
CN108624119A (zh) * 2017-03-24 2018-10-09 卡西欧计算机株式会社 墨水、印刷装置、印刷方法以及造形物的制造方法
US11203220B2 (en) 2017-03-24 2021-12-21 Casio Computer Co., Ltd. Ink, printing apparatus, printing method, manufacturing method for shaped object, and thermal expansion sheet
JP2018162448A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート、造形物の製造方法、印刷装置及び印刷方法
CN108621623A (zh) * 2017-03-24 2018-10-09 卡西欧计算机株式会社 墨水、热膨胀性薄片、造形物的制造方法、印刷装置以及印刷方法
WO2018235842A1 (ja) 2017-06-19 2018-12-27 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層とその製造方法、および当該光熱変換層を用いたドナーシート
WO2018235829A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 住友金属鉱山株式会社 近赤外線硬化型インク組成物とその製造方法、近赤外線硬化膜、および光造形法
JP7247886B2 (ja) 2017-06-19 2023-03-29 住友金属鉱山株式会社 近赤外線硬化型インク組成物とその製造方法、近赤外線硬化膜、および光造形法
US11685839B2 (en) 2017-06-19 2023-06-27 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Near-infrared curable ink composition and production method thereof, near-infrared cured layer, and stereolithography
EP3644099A4 (en) * 2017-06-19 2021-03-31 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. LIGHT-HEAT CONVERSION LAYER, PROCESS FOR THEIR PRODUCTION AND DONATOR FILM WITH THIS LIGHT-HEAT CONVERSION LAYER
CN110741287A (zh) * 2017-06-19 2020-01-31 住友金属矿山株式会社 光热转换层及其制造方法和使用了该光热转换层的供体片材
KR20200015455A (ko) 2017-06-19 2020-02-12 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 광열 변환층과 그의 제조 방법, 및 당해 광열 변환층을 사용한 도너 시트
JPWO2018235842A1 (ja) * 2017-06-19 2020-04-16 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層とその製造方法、および当該光熱変換層を用いたドナーシート
JPWO2018235829A1 (ja) * 2017-06-19 2020-04-16 住友金属鉱山株式会社 近赤外線硬化型インク組成物とその製造方法、近赤外線硬化膜、および光造形法
US11577537B2 (en) 2017-06-19 2023-02-14 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Light to heat conversion layer and method for manufacturing the same, and donor sheet using the same
JP7010289B2 (ja) 2017-06-19 2022-01-26 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層とその製造方法、および当該光熱変換層を用いたドナーシート
AU2018289722B2 (en) * 2017-06-19 2023-11-30 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Light to heat conversion layer, method for producing same, and donor sheet using said light to heat conversion layer
WO2019054480A1 (ja) 2017-09-14 2019-03-21 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層、当該光熱変換層を用いたドナーシート、およびそれらの製造方法
JP7156290B2 (ja) 2017-09-14 2022-10-19 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層、当該光熱変換層を用いたドナーシート、およびそれらの製造方法
EP3683604A4 (en) * 2017-09-14 2021-06-09 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. PHOTOTHERMAL CONVERSION LAYER, DONOR SHEET USING A PHOTOTHERMAL CONVERSION LAYER, AND LAYER AND SHEET PRODUCTION PROCESS
KR102676075B1 (ko) * 2017-09-14 2024-06-19 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 광열 변환층, 당해 광열 변환층을 사용한 도너 시트, 및 그것들의 제조 방법
JPWO2019054480A1 (ja) * 2017-09-14 2020-10-29 住友金属鉱山株式会社 光熱変換層、当該光熱変換層を用いたドナーシート、およびそれらの製造方法
KR20200054166A (ko) 2017-09-14 2020-05-19 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 광열 변환층, 당해 광열 변환층을 사용한 도너 시트, 및 그것들의 제조 방법
TWI758543B (zh) * 2017-09-14 2022-03-21 日商住友金屬礦山股份有限公司 光熱轉換層、使用該光熱轉換層之施體片材及其等之製造方法
US11912054B2 (en) 2017-09-14 2024-02-27 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Light to heat conversion layer, donor sheet using light to heat conversion layer, and method for producing light to heat conversion layer
CN111095047A (zh) * 2017-09-14 2020-05-01 住友金属矿山株式会社 光热转换层、使用了该光热转换层的供体片以及它们的制造方法
JP2019077797A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 ゼネラル株式会社 インクジェットインクとそれを用いた半立体画像の形成方法
JP2019167418A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法
JP2019189823A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 カシオ計算機株式会社 インク、熱膨張性シート及び造形物の製造方法
US11097565B2 (en) 2018-04-27 2021-08-24 Casio Computer Co., Ltd. Thermally expandable sheet
JP2021079701A (ja) * 2021-02-01 2021-05-27 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法及び造形物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160000850A (ko) 2016-01-05
KR102286678B1 (ko) 2021-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102286678B1 (ko) 광열 변환층, 도너 시트
JP6287627B2 (ja) 光熱変換層、ドナーシート
JP6497128B2 (ja) ドナーシート
CN103568616B (zh) 热转印膜及使用其制备的有机电致发光装置
TWI837092B (zh) 光熱轉換層及其製造方法暨使用該光熱轉換層之施體片材
TWI519427B (zh) 熱轉印膜和使用該膜的oled顯示器的製造方法
US11912054B2 (en) Light to heat conversion layer, donor sheet using light to heat conversion layer, and method for producing light to heat conversion layer
KR101937878B1 (ko) 파장 선택적 광열변환 필름 및 이를 이용한 oled용 전사 필름
KR20110132021A (ko) Liti 도너필름
KR101450279B1 (ko) 레이저 열전사 방법용 도너필름
JP2016538700A (ja) 熱転写フィルム及びこれを使用して製造された有機電界発光素子
KR20150106265A (ko) 열전사 필름 및 이를 사용하여 제조된 유기전계발광소자
TW201408484A (zh) 熱轉印膜及使用其製備的有機電致發光裝置
KR102014308B1 (ko) 광확산층을 포함하는 레이저광 열전사용 도너필름
KR20150088502A (ko) 열전사필름 및 이를 사용하여 제조된 유기전계발광소자
TW201347264A (zh) 雷射熱轉印製程用的施體薄膜