JP2019187349A - 磯焼け防止材 - Google Patents

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Abstract

【課題】磯焼け防止効果を向上する磯焼け防止材の提供。【解決手段】セメントと忌避材を含有する磯焼け防止材。忌避材として石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つを含有することが好ましい。セメントと忌避材の合計100質量部に対して、忌避材の使用量が30〜70質量部であることが好ましい。更に、骨材や水を含有することが好ましい。骨材の使用量は、セメントと忌避材の合計100質量部に対して50〜1000質量部であることが好ましい。該磯焼け防止材を混合して硬化し、成形したコンクリート構造体。【選択図】なし

Description

本発明は、磯焼け防止材に関する。
沿岸海域には海藻が繁茂する藻場があり、海洋生物にとって餌場や産卵場等の重要な役割を果たす。しかし近年、藻場が消失する「磯焼け」と呼ばれる現象がみられている。磯焼けの原因は様々だが、ウニや魚類等の植食生物による食害、栄養塩の欠乏等が挙げられる(非特許文献1)。
これまで磯焼けを改善するために、植食生物の除去による食害の減少、海藻の生育を促進するための栄養塩供給に関する技術が種々提案されている(非特許文献1、特許文献1、2、3)。
しかし、植食生物を除去しても藻場の回復に時間を要し、海藻の生育を促進しても植食生物の食圧に負けて藻場の回復が一時的である等、磯焼けを改善するには至っていない。
シアナミドと、腐植酸又はその含有物とを含有してなる肥料が記載されている(特許文献4)。しかし、忌避材について記載がない。
腐植酸質系物質と石こうを混合し、この混合物を固化してなることを特徴とする腐植酸供給体が記載されている(特許文献5)。しかし、セメントについて記載がない。
特許第3311339号公報 特許第5112483号公報 特許第6086937号公報 特開2006−342028号公報 特開2003−91号公報 水産庁、改訂 磯焼け対策ガイドライン、2015年
本発明は、磯焼け防止効果を向上した磯焼け防止材を提供する。
即ち、本発明は、セメントと忌避材を含有する磯焼け防止材であり、忌避材として石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つを含有する該磯焼け防止材であり、セメントと忌避材の合計100質量部に対して、忌避材の使用量が30〜70質量部である該磯焼け防止材であり、更に、骨材を含有する該磯焼け防止材であり、骨材の使用量は、セメントと忌避材の合計100質量部に対して50〜1000質量部である該磯焼け防止材であり、更に、水を含有する該磯焼け防止材であり、該磯焼け防止材を混合して硬化し、成形したコンクリート構造体であり、セメントと、石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つを含有する物質とを含有する磯焼け防止材である。
本発明の磯焼け防止材は、磯焼け防止効果を向上する。
本実施形態のコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートを総称するものである。
セメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、これらポルトランドセメントに、石灰石粉末や高炉徐冷スラグ微粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造した環境調和型セメント(エコセメント)等が挙げられる。これらのうちの一種以上が使用できる。
セメントは、普通ポルトランドセメントが好ましい。セメントのブレーン比表面積は、2500〜4800cm/gが好ましく、2800〜4000cm/gがより好ましく、3000〜3600cm/gが最も好ましい。
セメントは、セメントクリンカーと石膏を含有することが好ましい。セメントクリンカーは、ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CS(珪酸三カルシウム)が40〜70質量%、CS(珪酸二カルシウム)が7〜40質量%、CA(アルミン酸三カルシウム)が1〜15質量%及びCAF(鉄アルミン酸四カルシウム)が5〜20質量%であることが好ましい。セメント中の石膏の含有量はSO換算として0.5〜4質量%が好ましく、1.5〜3質量%がより好ましい。
忌避材としては、ウニ等の植食生物に対する忌避効果を有する物質が好ましい。忌避材としては、磯焼けを防止する効果を有する物質が好ましい。磯焼けを防止する効果を有する物質としては、石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つを含有することがより好ましく、石灰窒素及び腐植酸を併用することが最も好ましい。忌避材としては、強度発現性の点で、石灰窒素が好ましい。忌避材としては、海藻の生長の点で、腐植酸が好ましい。
石灰窒素及び腐植酸を併用する場合、石灰窒素及び腐植酸の使用割合は、石灰窒素及び腐植酸の合計100質量部中、石灰窒素:腐植酸=10〜90質量部:10〜90質量部が好ましく、30〜70質量部:30〜70質量部が好ましく、等量が最も好ましい。
石灰窒素は、一般に入手可能な石灰窒素で十分である。石灰窒素は、カルシウムシアナミド(CaCN)を主成分とし、生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH))、炭素(C)等を副成分とする物質等が知られているが、CaCNとして40質量%以上を含むものであればいずれも使用できる。平均粒子径は、0.01〜0.4mmが好ましく、0.05〜0.3mmがより好ましい。
石灰窒素の形状や成分濃度は、コンクリート構造体として硬化や成形ができれば特に限定されない。石灰窒素に含まれるシアナミドと酸化カルシウムはウニ等の植食生物に対して忌避効果を有し、海藻に対する食圧を抑制する。シアナミドは環境中で徐々に分解されるため、シアナミドの残存による環境汚染の心配はない。シアナミド態窒素は尿素態窒素を経てアンモニア態窒素又は硝酸態窒素に変化し、海藻の栄養として利用される。
本実施形態の腐植酸は、例えば、腐植酸を含有する肥料や土壌改良材等が挙げられる。腐植酸としては、土壌中や陸水中に存在する天然品や、或いは亜炭や褐炭等の若年炭を酸化分解して得られた工業製品等が挙げられる。これらの中では、安定した品質が得られ、大量に製造できる点で、工業製品の腐植酸が好ましい。腐植酸としては、若年炭と、硝酸及び/又は硫酸との反応生成物が好ましく、亜炭と硝酸との反応生成物がより好ましい。
腐植酸は構造中にフェノール性のヒドロキシル基を持つポリフェノール類である。腐植酸は、例えば、シアナミドや酸化カルシウムと同様の忌避効果を有する。腐植酸は金属元素とのキレート作用による海藻の成長促進効果を有する。海藻の成長に必須な金属元素のうち、鉄は大部分が水酸化物として沈殿するため海藻による吸収性は低いが、腐植酸とキレート化することで溶解性及び吸収性が向上する。
本実施形態の腐植酸は、メラニックインデックス(以下、「MI」という。)が2.2〜3.0であることが好ましく、2.2〜2.4であることがより好ましい。
ここで、MIとは、腐植酸の分類に用いる指標であり、水酸化ナトリウム抽出液の吸収スペクトルの波長450nmと520nmにおける吸光度の比(A450/A520)である。(熊田恭一著、土壌有機物の化学第2版 学会出版センター(1981)、日本土壌肥料学雑誌 第71号 第1号 p.82〜85(2000))。
具体的には、本実施形態に係るMIとは、次の方法によって算出される。
乳鉢と250μm篩を用い、試料を250μm篩下品に粉砕する。そのうち約10gを、質量が既知の秤量ビンに取り精秤する。この秤量ビンを温度105℃に保持した乾燥機で約12時間放置し、その後、デシケーター中で室温に戻してから再度精秤する。その質量減少分を水分とみなして試料の含水率を求める。次に、50ml遠沈管に、上記250μm篩下品0.10g(乾燥質量相当量)と、0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液45mlとを入れ、室温20℃で約1時間、250rpmの速度で振とうした後、3,000×g、約10分間の遠心分離を実施し、その上澄み液をアドバンテック社製No.5Cの濾紙で濾過する。濾液の450nmの吸光度と520nmの吸光度を、蒸留水をブランクとして測定する。この場合、450nmの吸光度が1.0以上を示したならば、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して吸光度を0.8以上1.0未満に調整してから、520nmの吸光度を測定する。(450nmでの吸光度/520nmでの吸光度)の比を算出し、MIとする。
MIが2.2以上であれば、充分なアルコール性水酸基やメトキシル基等の活性基を有しているので、水溶性が向上する。MIが3.0以下であれば、過剰な酸化反応を抑制し硝酸コストの低減につながる。
MIの増減は腐植酸粗製物製造時の硝酸量の増減によって行うことができ、硝酸量を多くすればMIが増加する。
本実施形態の腐植酸は、重量平均分子量が500〜50000であることが好ましく、1000〜7000であることがより好ましい。
腐植酸の重量平均分子量は、Waters社製 Alliance HPLC System を用い、HPSEC法(GPC法)により測定した値である。カラムはSHODEX社製、 SB−803HQを用い、標準試料はポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いた。移動相は25%アセトニトリル含有の10mmol/Lりん酸ナトリウム緩衝液を用いた。検出波長は260nmである。
腐植酸は、亜炭や褐炭等の若年炭の酸化分解物や、腐植酸の水溶性の塩、例えば、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等、を含有しても良い。
忌避材の使用量は、コンクリート構造体の強度を一定以上に保つ点で、セメントと忌避材の合計100質量部に対して30〜70質量部が好ましく、植食生物に対する忌避効果を高める点で、40〜70質量部がより好ましい。
コンクリート構造体を製造する際、水の使用量は、セメントと忌避材の合計100質量部に対して5〜60質量部が好ましく、8〜25質量部がより好ましく、10〜20質量部が最も好ましい。
本発明は、磯焼け防止効果とコンクリート構造体の強度を向上する点で、骨材を使用することが好ましい。
骨材としては、細骨材や粗骨材等が挙げられる。骨材としては、川砂、山砂及び砕石等が挙げられる。骨材の粒径は、0.1〜20mmが好ましく、5〜13mmがより好ましい。
コンクリート構造体を製造する際、骨材の使用量は、セメントと忌避材の合計100質量部に対して50〜1000質量部が好ましく、200〜500質量部がより好ましく、300〜400質量部が最も好ましい。50質量部以上だと磯焼け防止効果を長期間持続し、1000質量部以下だとコンクリート構造体の強度が大きくなる。
本実施形態は、磯焼け防止材を混合して硬化し、成形することにより、コンクリート構造体を作製する。例えば、忌避材として石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つをセメントに混合して硬化、成形することにより、コンクリート構造体を作製する。
コンクリート構造体の構造は特に限定されないが、忌避物質の溶出効果を持続させるためには、ポーラス構造が好ましい。ポーラス構造にするには、骨材を使用することが好ましい。コンクリート構造体の形状は特に限定されないが、円柱体、角柱体、直方体、円錐体、球体、テトラポット体等の形状が挙げられる。コンクリート構造体の形状は、設置する海域等の条件に応じて大きさ・形状が決められる。例えば、潮流の速い地域ではテトラポット体を複数個組み合わせることにより、コンクリート構造体が流されることを防ぎ、目的の箇所に留めることができる。
以下、実験例によって本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実験例によって限定されるものではない。
[忌避効果の評価試験]
海藻としてワカメを供試材料とし、植食生物としてキタムラサキウニを供試材料とし、忌避効果の評価試験を実施した。コンテナ(内寸長さ36.5 cm×内寸幅24.3 cm×内寸高さ8.8cm)に人工海水(商品名:インスタントオーシャンプレミアム、アクアリウムシステムズ社製)6Lを入れ、円柱体のコンクリート構造体(直径10cm×高さ20cm)を1個設置した。葉長3cmのワカメ胞子体及び殻径30mmのキタムラサキウニを1個体ずつ移植し、温度20℃、光量90μmol/m/s、12時間の明期と12時間の暗期といった光周期の培養条件で1週間培養した。人工海水は2〜3日毎に新しく調製したものに入れ替えた。1週間後のワカメの葉長を測定した。このワカメの葉長を忌避材の効果として評価した。
[圧縮強度の評価試験]
圧縮強度:JIS R 5201−1997「セメントの物理試験方法」に準拠し、コンクリート構造体の圧縮強度を、セメントペーストと骨材を混合してから7日後に測定した。
[ブレーン比表面積の評価試験]
JIS R 5201−1997「セメントの物理試験方法」に準拠し、測定した。
[石灰窒素及び腐植酸の粒径の評価試験]
レーザー回折式粒度分布計を用い、超音波装置を用いて分散させた状態で測定を行った。超音波装置の機種は、LA−920(堀場製作所)を使用した。平均粒子径を粒径とした。
[骨材の粒径の評価試験]
JIS A 1102「骨材のふるい分け試験」に準拠し、篩分けを行い、各篩にとどまる質量分率が最も高い篩の篩目を粒径とした。
[比較例1]
セメント(市販品、普通ポルトランドセメント、ブレーン比表面積3300cm/g、セメントクリンカー中のセメント鉱物組成は、CS56質量%、CS26質量%、CA9質量%、CAF9質量%である。セメント中の石膏の含有量はSO換算として2.1質量%である)100質量部と水道水15質量部をコンクリートミキサー(オムニミキサー、チヨダマシナリー社製)に投入して練り混ぜ、セメントペーストを調製した。セメントペーストに骨材として6号砕石(新潟県糸魚川産、粒径9.5mm)を、セメント100質量部に対して340質量部を投入して更に練り混ぜ、直径10 cm×高さ20cmの型枠に流し込んだ。テーブル・バイブレータ(CF−1033、丸東製作所社製)を用いて振動数2800rpmで約20秒間締固めを行い、24時間室温で静置して養生した。脱型したコンクリート構造体を用いて、上述の評価試験を実施した。
[比較例2]
石膏(市販品、焼石膏)60質量部と、腐植酸(市販品、亜炭と硝酸の反応生成物、平均粒子径2mm、MI値2.3、重量平均分子量4000)40質量部と、水道水15質量部とを、コンクリートミキサーに投入して練り混ぜ、石膏と忌避材(腐植酸)の合計100質量部に対して骨材340質量部を投入したこと以外は比較例1と同様に実施した。
[実施例1]
セメント60質量部と、石灰窒素(市販品、粉状品、CaCN50質量%含有、平均粒子径0.1mm)40質量部と、水道水15質量部とを、コンクリートミキサーに投入して練り混ぜ、セメントと忌避材(石灰窒素)の合計100質量部に対して骨材340質量部を投入したこと以外は比較例1と同様に実施した。
[実施例2]
セメント60質量部と、石灰窒素20質量部と、腐植酸20質量部と、水道水15質量部とを、コンクリートミキサーに投入して練り混ぜ、セメントと忌避材(石灰窒素と腐植酸)の合計100質量部に対して骨材340質量部を投入したこと以外は比較例1と同様に実施した。
[実施例3]
セメント60質量部と、腐植酸40質量部と、水道水15質量部とを、コンクリートミキサーに投入して練り混ぜ、セメントと忌避材(腐植酸)の合計100質量部に対して骨材340質量部を投入したこと以外は比較例1と同様に実施した。
[実施例4]
セメント40質量部と、石灰窒素30質量部と、腐植酸30質量部と、水道15質量部とを、コンクリートミキサーに投入して練り混ぜ、セメントと忌避材(石灰窒素と腐植酸)の合計100質量部に対して骨材340質量部を投入したこと以外は比較例1と同様に実施した。
[実施例5]
セメント40質量部と、石灰窒素30質量部と、腐植酸30質量部と、水道15質量部とを、コンクリートミキサーに投入して練り混ぜ、セメントと忌避材(石灰窒素と腐植酸)の合計100質量部に対して骨材50質量部を投入したこと以外は比較例1と同様に実施した。
Figure 2019187349
Figure 2019187349
結果を表1〜2に示した。表1〜2の結果に示すように、本実施形態に係る実施例1〜4の原料配合比では、忌避材の効果によりウニによる食害がなく、ワカメの葉長は4.5〜6cmとなった。比較例1では忌避材を含有しないため、ウニによる食害がみられ、1週間後のワカメの葉長は計測できなかった。比較例2ではセメントを含有しないため、ウニによる食害がみられ、強度が小さかった。骨材を使用することにより、ワカメの葉長が長くなった(実施例4〜5の対比)。
以上から、忌避効果を得るためには、セメントと忌避材の合計100質量部に対して、忌避材の含有量を30〜70質量部にすることが好ましく、骨材の含有量を50〜1000質量部にすることが好ましい。
本実施形態の磯焼け防止材は、石灰窒素に含まれるシアナミドや酸化カルシウム、腐植酸を沿岸海域に供給し、海藻に対する植食生物の食圧(摂食圧)を抑制する。シアナミドは海藻の成長に必須な主要成分である窒素源として海藻の成長を促す。腐植酸は海藻の成長に必須な成分である鉄とキレートを形成してその吸収性を向上し、海藻の成長を促す。
本実施形態によれば、繁茂していたコンブ、ワカメ、アラメ、カジメ等の有用海藻類が育たずに死滅し、岩肌が露出若しくは石灰藻等で覆われてしまうといった、磯焼けと呼んでいる現象を防止できる。本実施形態によれば、ウニ等の植食生物に対する忌避効果を有し、海藻に対する食圧を抑制する有効な忌避物質を提供できる。同時に海藻の栄養である窒素の供給量を増加し、鉄の吸収性を向上し、海藻の成長を促進できる。本実施形態のシアナミド及び腐植酸は生分解性があるので、本実施形態はシアナミド及び腐植酸が環境中に残存する等の不具合がなく、沿岸域での養殖や陸上での海産物養殖、磯焼けの改善の場でも利用できる。本実施形態のコンクリート構造体は強度が大きいので、長期間水中に設置できる。
本実施形態のコンクリート構造体は、忌避材の供給体としてのみならず、藻類育成資材としても使用できる。

Claims (8)

  1. セメントと忌避材を含有する磯焼け防止材。
  2. 忌避材として石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つを含有する請求項1に記載の磯焼け防止材。
  3. セメントと忌避材の合計100質量部に対して、忌避材の使用量が30〜70質量部である請求項1又は2に記載の磯焼け防止材。
  4. 更に、骨材を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の磯焼け防止材。
  5. 骨材の使用量は、セメントと忌避材の合計100質量部に対して50〜1000質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の磯焼け防止材。
  6. 更に、水を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の磯焼け防止材。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の磯焼け防止材を混合して硬化し、成形したコンクリート構造体。
  8. セメントと、石灰窒素及び腐植酸のうち少なくとも一つを含有する物質とを含有する磯焼け防止材。

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