JP5921022B2 - 植物プランクトン、海草及び/又は海藻増殖用骨材及びこれを用いたセメント組成物硬化体 - Google Patents

植物プランクトン、海草及び/又は海藻増殖用骨材及びこれを用いたセメント組成物硬化体 Download PDF

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Description

本発明は、植物プランクトン、海草及び/又は海藻増殖用骨材及びこれを用いたセメント組成物硬化体に関する。
近年、海洋の植物プランクトンや海草又は海藻を利用した温暖化ガス(CO)の吸収技術が注目されている。植物プランクトンや海草又は海藻の増殖には、2価鉄イオンを有するフルボ酸鉄等が有効な成分であるといわれている(非特許文献1)。Martinの鉄仮説によると、現代の南極海、亜寒帯北太平洋、赤道太平洋などの海域においては、窒素や燐などの栄養塩が豊富でありながら、2価鉄イオンが不足し植物プランクトンの成長を制限しているといわれている。また、鉄分として金属鉄、2価鉄イオン、3価鉄イオンが存在し、特に溶存酸素濃度の高い海水中では溶解度が低い3価鉄イオンとして存在するために、溶存態の鉄の濃度は極めて少ない。藻類、ひいては植物プランクトンの増殖に利用できる鉄の状態は、2価鉄イオンに還元されたものである(非特許文献2)。
この他にも、製鉄スラグを海中に浸漬する方法が、特開2000−139268号公報(特許文献1)、または特開2001−321006号公報(特許文献2)等に、提示されている。スラグ自体は、燐などの栄養塩類や鉄分、珪素などの微量栄養元素を含有していることため、海中へ浸漬することで、これら栄養塩類や微量栄養元素等が溶解して、プランクトンや海草又は海藻の生育に一定の効果が得られている。
特開2000−139268号公報 特開2001−321006号公報
畠山重篤:鉄が地球温暖化を防ぐ、文芸春秋、2008年06月 浜崎恒二、「微生物の海 第5章 海の微生物と地球環境」、[online]、2006年5月1日、インターネット<URL□ttp://www.ecosystem.aori.u-tokyo.ac.jp/microbiology/members/hama/hama3.html□ttp://www.ecosystem.aori.u-tokyo.ac.jp/microbiology/members/hama/microbialocean6.pdf>
2価の鉄イオンを海洋に供給する方法としては、海面に硫酸鉄を散布することは、簡便であるが、鉄分と共に溶解される硫酸イオンの影響が懸念される。また、2価の鉄イオンが海洋に分散され、大気中の酸素や海水中の溶存酸素などで速やかに3価の鉄イオンに酸化されることにより、鉄分の供給効果が一過的なものに終わり、効果の持続化に課題が残る。また、スラグには、製鉄プロセスで使用される蛍石起源のフッ素が含有される可能性があり、多量のスラグを海中に浸漬することでフッ素が許容以上に溶解される懸念がある。さらに、スラグに含まれる燐などの栄養塩類の溶出が、海洋における一層の富栄養化促進につながる課題がある。
また、海面に硫酸鉄を散布することによる鉄分の供給効果が一過性に終わるのを防止する目的で、鉄分を含有させた水溶液のガラス質を海水中に浸漬する方法も、特開平6−335330号公報などで提案されているが、この場合には鉄分の溶出がガラス質の溶出速度で律速されるほか、含有鉄分としてFeを主成分として使用していることから、ガラス質に含まれる2価の鉄イオンの濃度が低く、海水中に十分な濃度の2価鉄イオンを供給できないという問題がある。
上述したような問題を解消するために、骨材製造の副産物を有効利用し、かつ、海中への2価鉄イオンの供給効果が持続できる鉄分の供給方法を見出した。即ち、
[1]骨材製造の副産物を、還元焼成して、金属鉄(Feで計算)と2価の鉄(Feで計算)の合量が、骨材中で1重量%以上であり、かつ、全鉄(Feで計算)に対して、25重量%以上含有する焼結体である海水中の植物プランクトン、海草及び/又は海藻の増殖骨材、を提供する。
[2]前記[1]記載において、骨材用砕石が、安山岩、玄武岩、輝緑岩、角閃岩、粗面岩、斑レイ岩から選ばれた一以上であり、骨材製造に副産する表土又は砕石粉末を造粒して、炉内で還元焼成して製造することを特徴とする[1]の海水中の植物プランクトン、海草及び/又は海藻の増殖骨材、を提供する。
[3]前記[1]、[2]記載において、骨材製造に副産する表土又は砕石粉末を造粒して、炉内で還元焼成して、急冷して製造することを特徴とする[1]又は、[2]の海水中の植物プランクトン、海草及び/又は海藻の増殖骨材、を提供する。
[4]前記[1]〜[3]記載の骨材を、植物プランクトン、海草及び/又は海藻を増殖する海底、コンクリート部材、又は海水中の構造物に、フミン酸又はフルボ酸含有物とともに、固定することを特徴とする植物プランクトン、海草及び/又は海藻の増殖骨材の使用方法。
以上述べたように、本発明による海草、藻類および/又は植物プランクトンの増殖剤は骨材製造副産物を材料として用いることで安価、かつ大量に製造することが可能となり、しかも、不必要な栄養塩類は殆ど含まずに、2価鉄イオンのみを選択的に海水中に溶出させることが可能であるため、これを利用することは従来法に比べて安全に海水中の海草、藻類および/又は植物プランクトン等の増殖効果を得ることが出来る優れた効果を奏するものである。
本願発明の粉末エックス線回折図形を示す図である。 海草又は海藻増殖用骨材を用いたコンクリートブロックを示す図である。 海草又は海藻増殖用骨材を用いたコンクリートブロックの使用例を示す図である。
以下、本発明を、さらに詳細な実験例に基づき説明するが、本発明は、これら実験例に限定されない。
以下、本発明について詳細に説明する。
安山岩砕石製造時の副産物を用いた。岩種としては、鉄分の含有量が比較的多い安山岩とし、具体的には、山梨県産の砕石とした。砕石を製造する際に発生する副産品には、表土、砕石粉および脱水ケーキがある。これらの化学成分を表1に示した。本実験例では鉄分が最も多い表土を用いた。表土に還元材を添加して、表土に含まれる3価鉄(Fe)を2価鉄(FeO)、又は金属鉄へ転換した。本実験例では黒鉛粉の添加量は一定とし、焼成温度及び時間を変化させた。
還元焼成には、還元材として、黒鉛粉(関東化学社製)を用い、電気炉を使用して、次手順で骨材を製造した。実施した焼成条件及び試験項目を表2に示した。
(1)微粉砕した表1の所定量の表土と黒鉛粉とを混合して、混合粉末を作製した。
(2)混合粉末に少量のイオン交換水を加えて、粘土状塊とした。
(3)粘度状塊となった混合粉末をハンドプレス成型して、ペレット(直径30mm×10mm厚)を作製した。
(4)作製したペレットを105℃にて一昼夜乾燥した。
(5)乾燥ペレットを黒鉛ルツボに入れ、表2の所定の温度で電気炉にて焼成した。
(6)焼成物を微粉砕して、化学分析値(全鉄及び2価鉄含有量測定)及び粉末X線回折(XRD)による構成鉱物量の変化を測定した。
なお、分析方法は、JIS M 8713「鉄鉱石−被還元性試験方法」及びJIS M 8205「鉄鉱石−蛍光X線分析方法」に拠った。
焼成効果を下記試験パラメータから分析した。即ち、
(1)焼成温度・時間
(2)黒鉛粉 添加量
(3)その他(骨材微粉粒度、成型圧力、炉内雰囲気)
である。
焼成条件は、高温焼成中の酸化反応を極力、抑制することとし、1250℃−3時間を上限に、表土100部に対して、黒鉛粉量は、10部に固定し、低い焼成温度、短い焼成時間として、効率よく還元できる条件を求めた。試験No.1は、還元前の骨材、試験No.2は、黒鉛粉を用いない焼成骨材(還元材ブランク)、試験No.3は、黒鉛粉を用いた1000℃−0.5時間焼成、試験No.4は、No.3の焼成時間を1時間に長くしたもの、No.5〜No7は、焼成時間を0.5時間として、焼成温度を変化させた実験例である。電気炉内へは、空気又はNフローを行った。
金属鉄、2価鉄(FeO換算)、3価鉄(Fe換算)の分析結果、全鉄(金属鉄換算)を表2に示した。焼成操作による2価鉄(FeO)の増加は、1100℃焼成で認められた。また、焼成温度1200℃の条件(試験No.6)では、金属鉄への還元が認められた。
還元過程を、X線回折(XRD)結果を用いて、図1に示した。バックグラウンドカウントの一番少ない表土(試験No.1)に比べて、1200℃−0.5hrの焼成条件(試験No.6)(バックグラウンドカウントの一番おおきいチャート)には、金属鉄のピークが確認され、十分な還元が行われていることを確認した。試験No.2には、金属鉄ピークは現出しなかった。
フミン酸等共存下での藻類の育成実験
試験No.5、6、7試料は、腐植を含有する浚渫土と共存させると、海藻、海草の育成に対して、優れた効果があることが判明した。植物プランクトンや海草又は海藻が吸収できる2価鉄が、腐植中のフルボ酸、フミン酸と「フルボ酸鉄」、「フミン酸鉄」を形成したため、浚渫土と組み合わせて使用することで、安定して存在するためと思われる。浚渫土とともに又は浚渫土に替えて、腐植となりうる木材チップを混合することもできる。木材チップは、伐採木、抜根、剪定枝、建築廃材、除草発生材、ダムや海岸などの流木などの廃木材を粉砕してチップ状にしたものを用いることができる。一方、試験No.1〜4の試料については、腐植を含有する浚渫土と共存させても、海藻、海草の育成に対して、顕著な効果は認められなかった。
表3で、条件1は、金属鉄(Feで計算)と2価の鉄(Feで計算)の合量値(重量%)、条件2とは、金属鉄(Feで計算)と2価の鉄(Feで計算)の合量値の全鉄(Feで計算)に対する重量%を示した。条件1が1重量%以上であり、且つ、条件2が25重量%以上であれば、後述する、アマモの育成実験で、アマモの育成に顕著な効果が認められた。金属鉄由来の2価鉄とフミン酸等とのキレートが安定して形成されるためと推察される。条件1では、2重量%以上であることが、好ましく、5重量%以上であることが更に好ましい。条件2では、25重量%が必要であり、50重量%以上が好ましく、70重量%以上が更に好ましい。これは、還元して得られた金属鉄も、イオン化の過程で、キレートを形成し、2価鉄を安定化するためと思われる。表3記載の試験例もこの事情を示している。表3でキレート形成で○の試験では、アマモの育成効果が大である。
更に、試験No.7の製造において、焼結骨材を炉から排出する際、水没急冷したところ、金属鉄1.00重量%、2価鉄で、5.0重量%(金属換算)の数値が得られた。これは、水没急冷によって、加熱炉を出た後の酸化が抑制されたためと思われる。条件1、条件2を共に満たすものであった。
本発明において水底に着生させる海草又は海藻は、任意である。本願骨材を海底に供給する形態としては、海底中に混入させるような形態、海底上に敷設し、或いは散布するような形態でもよい。また、海底に埋め込むこともできる。但し、海草又は海藻が、根等から鉄キレートを効率的に吸収させるために、海底中に混入させる方が好ましい。また、着生基盤の少なくとも一部として水底に敷設することが好ましい。
水底に敷設する場合、海草又は海藻の生育性の面からは基盤中にある程度の量の有機物が存在した方がよいので、本願骨材中と有機物を混合することが好ましい。例えば、水底から採取した天然砂、底泥、浚渫土などの有機物含有材を混合すればよい。この有機物含有材としては、強熱減量が5〜30mass%程度、好ましくは10〜20mass%程度のものを、有機物含有材の割合が1〜40体積%、好ましくは10〜30体積%程度となるように本願骨材と混合し、水底への敷設材として用いることができる。
本発明が適用される対象となる水域は、海草又は海藻の生育に適した水深が10m以下の水底が好ましい。また、特に海底に光が十分に届く比較的水深の浅い海底が特に好ましい。具体的には、海水の透明度比較的高い、水深2〜10m程度の海底であることが好ましい。また、他の好ましい条件としては、潮流が穏やかであること、波浪が少ないこと、水温が10〜25℃程度であること、海底面の傾斜が小さいこと、などが挙げられる。
また、微細藻類の場合は、微細藻類が着生した又は微細藻類を着生させるべき海底において、海底上又は/及び海底中に本願骨材を供給し、これから水中に溶出した鉄分が微細藻類に取り込まれることで、微細藻類が活性化され、微細藻類が安定的に生育・繁殖できるようにするものである。このようにして繁殖する微細藻類からは光合成により生じた酸素が放出され、この酸素が海底に棲息する好気性微生物(ヘドロ分解菌)を活性化し、好気性微生物による有機物の分解作用を促進する。また、さきに述べた海草又は海藻などの海草類の着生基盤も兼ねる場合には、微細藻類の光合成で放出された酸素が海草類の根から取り込まれ、海草類の生育をさらに助けることができる。
ここで、水底に現に着生した又は着生させるべき微細藻類とは、その水底で天然に成育している微細藻類、他所で採取し又は人工栽培したものを移植した微細藻類、その水底で発芽・成育させた微細藻類などのいずれでもよい。例えば、珪藻類、ラン藻類、緑藻類、藍藻類、紅藻類、灰色藻類、クリプト藻類、渦鞭藻類、黄金色藻類、褐藻類、黄緑藻類、ハプト藻類、ラフィド藻類、ボーケリア藻類、ミドリムシ藻類、プラシノ藻類、車軸藻類等を挙げることができる。なかでも、付着性微細藻類である珪藻類、ラン藻類、緑藻類が特に有用である。海底に供給される骨材の条件、供給源、供給方法・形態はさきに述べたとおりであり、供給場所も海草類とほぼ同じである。水深については、微細藻類の生育に必要な水中光量は、年平均、約7l日でよいことから、約150日が必要な海草類より深い水深でも適用可能である。
沿岸海底の水底にアマモを移植する試験を行った。水深約2mに略各々1mの正方形の試験区、比較区を略1m離れた場所に設けた。
アマモを50本ずつ移植し、その生育を観察した。
・比較区は、何も処置をせず、アマモを移植した。
・試験区1:深さ40cmまでの海底に、腐植を1重量%含有する浚渫土に、混合率が15体積%となるように本願骨材(試験No.5平均粒径20mm)を混合し、埋設した。
・試験区2:深さ40cmまでの海底に、腐植を1重量%含有する浚渫土に、混合率が15体積%となるように本願骨材(試験No.6平均粒径20mm)を混合し、埋設した。
・試験区2:深さ40cmまでの海底に、腐植を1重量%含有する浚渫土に、混合率が15体積%となるように本願骨材(試験No.7平均粒径20mm)を混合し、埋設した。
海草藻を移植してから1ヶ月後、2ヶ月後及び3ヶ月後における海草藻の生存・繁殖状態を調べた結果を表4に示す。
これによれば、比較区では移植した海草藻は次第に本数が減少したのに対して、海底中に骨材を埋設した試験区では、アマモが順調に生育・繁殖し、本数が増加した。
更に、本発明の人工骨材は、セメント組成物硬化体に使用できる。セメントとしては、ポルトランドセメント、エコセメント等のセメントを用いる。このとき、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤等の減水剤、フライアッシュ等を含むことができる。ここで、エコセメントとは、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰等をクリンカー用の原料としてなるセメントであり、環境保護の点から特に好ましい。またコンクリート成分としてフライアッシュを使用することは、けい藻類の着生に効果があり有用である。
本発明の人工骨材を用いたセメント組成物硬化体は、人工藻礁として、好適である。例えば、段差を有する藻の着生面と、藻礁手段及び/又は魚礁手段を載置できる面とを有することが好ましい。図2に人工藻礁1を示す。段差を有する藻の着生面は、略水平面と略垂直面を有する。略水平面は、地球の重力に対して略垂直な面であり、海面と略水平な面である。略垂直面とは、地球の略重力方向の面である。本発明は、藻類が略水平面に着生し、食害であるウニ、貝類等の進入が、略水平面に隣接する垂直面の存在により困難となる生態を利用するものであり、厳密に水平、垂直に限定されず、本願発明の効果を有する範囲においては広く水平面、垂直面を解釈する意味である。従って、傾斜を有するものまでも含む意味である。また、厳密に水平、垂直とした場合には、本発明の人工藻礁の製造過程における脱型が困難となる場合がある。
更に、人工骨材を用いたセメント組成物硬化体は、人工藻礁ポーラスコンクリートとし特に、好適である。鉄イオンが浸透できる空隙があればよく、空隙率は特に限定されるものではないが、ポーラスコンクリート全体に占める空隙の体積割合を示す空隙率は10〜50%であることが好ましい。ポーラスコンクリートの空隙率が10%未満では効率的に拡散ができず、空隙率が50%を超えるとポーラスコンクリートの強度が不足する場合がある。
ポーラスコンクリートの空隙率を高くするには、コンクリート中の骨材、特に粗骨材の配合割合を高める方法が一般的である。
本発明のポーラスコンクリートを製造するための配合は特に限定されるものではないが、例えば、粗骨材を多用してポーラスコンクリートとする場合は、ポゾラン物質、高炉スラグ微粉末5〜50部及びセメント95〜50部からなる粉体100部、細骨材0〜100部、粗骨材300〜600部、並びに水15〜60部とすることが好ましい。
上記のポーラスコンクリートの配合において、セメント及び高炉スラグ微粉末からなる粉体100部中、高炉スラグ微粉末が5部未満では重金属低減効果が小さくなる場合があり、50部を超えるとコンクリートの強度が低下する恐れがある。
また、上記の配合において、粗骨材量が600部を超える場合は空隙率が50%を超えるために強度不足となることがあり、粗骨材量が300部未満では空隙率が10%未満となり、鉄の供給効果が小さくなる場合がある。
大気中の二酸化炭素の固定に有用な海洋中の海草、海藻類、植物プランクトンの増殖が可能な骨材及びこれを用いた漁礁等が実現できる。
さらに、普通セメントの生コンクリートあるいは二次製品セメント組成物としての用途をさらに拡大できる。
1;本願発明の骨材を用いた漁礁ブロック
3;テトラポット
4;他のブロック
A1〜A4;本願発明の骨材を用いた漁礁ブロックの養生面
a;本願発明の骨材を用いた漁礁ブロックの横長さ
b;本願発明の骨材を用いた漁礁ブロックの縦長さ
h;本願発明の骨材を用いた漁礁ブロックの高さ

Claims (2)

  1. 骨材製造の副産物を、還元焼成して、金属鉄(Feで計算で、1.00〜6.31重量%)と2価の鉄(Feで計算)の合量が、骨材中で2.48重量%以上6.75重量%以下であり、かつ、全鉄(Feで計算)に対して、25重量%以上含有する焼結体である海水中の植物プランクトン、海草及び/又は海藻の増殖骨材。
  2. 請求項1記載の骨材を用いたポーラスコンクリート。
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