JP2019187345A - 飲食品の風味改善剤 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 式(1)で表される3−メチルブタン−1,3−ジチオールを有効成分とする、飲食品の風味改善剤。
[3] 式(1)で表される化合物の濃度が1ppt〜1000ppmである、[2]に記載の香料組成物。
[4] 前記風味改善剤または香料組成物が、式(1)で表される化合物として0.001ppt〜100ppb配合されてなる、風味の改善された飲食品。
[5] 前記風味改善剤または香料組成物を、式(1)で表される化合物として0.001ppt〜100ppbの濃度で飲食品に配合することを含む、飲食品の風味改善方法。
本発明の風味改善剤は、下記式(1)によって表される化合物、すなわち3−メチルブタン−1,3−ジチオールを有効成分とすることを特徴とする。
本発明の香味改善剤の有効成分である3−メチルブタン−1,3−ジチオールは、任意の方法で入手してよい。例えば、以下の反応経路に従った製造方法による化学的合成によって入手することができる。以下の反応経路に記載する試薬や各種条件(温度、時間など)は、所望の反応が進行する限り適宜変更してよい。
本発明の香料化合物は、式(1)で表される3−メチルブタン−1,3−ジチオールを所定量含むものであって、飲食品に配合することができる。本発明の香料組成物の種類は特に限定されず、水溶性香料組成物、油溶性香料組成物、乳化香料組成物、粉末香料組成物が例示できる。
本発明の風味改善剤および香料組成物は、各種飲食品またはそれに用いる香料組成物に配合して使用することができる。
缶詰、煮魚、佃煮、すり身、水産練り製品(ちくわ、蒲鉾、あげ蒲鉾、カニ足蒲鉾など)、フライ、天ぷら、などの魚介類の加工飲食物類;鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉類;カレー、シチュー、ビーフシチュー、ハヤシライスソース、ミートソース、マーボ豆腐、ハンバーグ、餃子、釜飯の素、スープ類(コーンスープ、トマトスープ、コンソメスープなど)、肉団子、角煮、畜肉缶詰などの畜肉を用いた加工飲食物類;卓上塩、調味塩、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、お茶漬けの素、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、めんつゆ(昆布だしまたは鰹だしなど)、ソース(中濃ソース、トマトソースなど)、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素(昆布だしまたは鰹だしなど)、複合調味料、新みりん、唐揚げ粉・たこ焼き粉などのミックス粉、などの調味料類、これらの調味料類が添加された動物性または植物性だし風味飲食品;チーズ、ヨーグルト、バターなどの乳製品;野菜の煮物、筑前煮、おでん、鍋物などの煮物類;持ち帰り弁当の具や惣菜類;リンゴ、ぶどう、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)などの果物の果汁や果汁飲料や果汁入り清涼飲料、果物の果肉飲料や果粒入り果実飲料;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニガウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス、ワラビ、ゼンマイなどの野菜や、これら野菜類を含む野菜系飲料、野菜スープなどの野菜含有飲食品;コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、ワイン、ビール、ノンアルコールビール等の嗜好飲料品;生薬やハーブを含む飲料;コーラ飲料、果汁飲料、乳飲料、ビールテイスト飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、各種酒類(ビール風味、梅酒風味、チューハイ風味など)風味のアルコールテースト飲料などのノンアルコール嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒、いわゆる「第三のビール」などのその他醸造酒(発泡性)またはリキュール(発泡性)などのアルコール飲料類;などを挙げることができる。
以下の方法によって、3−メチルブタン−1,3−ジチオールを合成した。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δppm
2.63−2.69(m,2H)、1.87−1.91(m,2H)、1.38(s,6H)
13C−NMR(100MHz、CDCl3):δppm
51.3、44.38、32.61、20.61
MS(EI,7eV) m/z 27(4)、41(43)、47(27)、55(12)、57(14)、59(9)、61(27)、69(90)、75(31)、87(20)、89(3)、102(55)、103(15)、136(100)、137(8)、138(9).
以上のようにして合成した3−メチルブタン−1,3−ジチオールを、本発明の風味改善剤として以下の実施例に使用した。
下記表に記載の一般的な処方に従って、オレンジ様基本調合香料組成物およびパイナップル様基本調合香料組成物を調製した。
市販のミルク入りコーヒー飲料または市販のヨーグルト風味飲料に、各飲料全体の質量に対して3−メチルブタン−1,3−ジチオールが下記表に記載の濃度となるように配合して、本発明の乳風味飲料を得た。これら本発明の飲料に対して、よく訓練されたパネラー15名による官能評価を行った。官能評価では、前記香料組成物無添加の市販品と比較したときの、「コク」、「余韻」、「好ましさ」について、非常に強くなった=4点、明らかに強くなった=3点、わずかに強くなった=2点、変化なし=1点、異味が感じられる=0点として点数付けさせるとともに、風味に関してコメントさせた。パネラー15名の平均した結果を表5に示す。
市販のビール風味飲料として、市販のノンアルコールビールおよび発泡酒を用意し、本発明の風味改善剤(本発明品1)を下記表に記載の濃度となるよう配合して、本発明のビール風味飲料を得た。一方で、比較例として、チオール化合物である3−メチル−1−ブタンチオールを下記表6に記載の濃度となるよう配合して、比較品のビール風味飲料を得た。この化合物は、ビールから同定されたことが知られているものである。
(官能評価の点数基準)
0:対照品より低下した、1:同等である、2:やや増強されている、3:はっきり増強されている、4:大幅に増強されている
市販のコーンスープおよびおでん用つゆを用意し、本発明の風味改善剤(本発明品1)を下記表7に記載の濃度となるよう配合し、本発明のだし風味食品を得た。一方で、比較例として、チオール化合物であるメタンチオールを下記表7に記載の濃度となるよう配合して、比較品のコーンスープおよびおでん用つゆを得た。この化合物は、魚節用香料組成物に使用できることが、特開2004−135522号公報に記載されている。
(官能評価の点数基準)
0:対照品より低下した、1:同等である、2:やや増強されている、3:はっきり増強されている、4:大幅に増強されている
市販のブラックコーヒーを用意し、本発明の風味改善剤(本発明品1)を下記表8に記載の濃度となるよう配合し、本発明のコーヒー飲料を得た。一方で、比較例として、チオール化合物であるメタンチオールを下記表8に記載の濃度となるよう配合して、比較品のコーヒー飲料を得た。この化合物は、コーヒー用香料組成物に使用できることが、特開2006−20526号公報に記載されている。
(官能評価の点数基準)
0:対照品より低下した、1:同等である、2:やや増強されている、3:はっきり増強されている、4:大幅に増強されている
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Cited By (1)
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WO2023276505A1 (ja) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | 長谷川香料株式会社 | ジスルフィド化合物を含む香味付与組成物 |
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