JP2019183315A - 裏地付きパンツ及びその製造方法 - Google Patents
裏地付きパンツ及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019183315A JP2019183315A JP2018074151A JP2018074151A JP2019183315A JP 2019183315 A JP2019183315 A JP 2019183315A JP 2018074151 A JP2018074151 A JP 2018074151A JP 2018074151 A JP2018074151 A JP 2018074151A JP 2019183315 A JP2019183315 A JP 2019183315A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lining
- pants
- low friction
- less
- lined
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Details Of Garments (AREA)
Abstract
【課題】ストッキング対して優れた滑り性を有し、かつ裏地のずれ上がり及びウエスト部のずれ下がりが防止されることで、ストッキングを着用した場合であっても足さばきが良好で優れた着用快適性を有するとともにシルエットにも優れる裏地付きパンツ及びその製造方法の提供。【解決手段】表地と、下記(1)及び(2)の要件:(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツ。【選択図】図1
Description
本発明は、裏地付きパンツ及びその製造方法に関する。
パンツの裏地は、着脱時及び着用動作時に、なめらかで肌触りが良く、着用時の動きに追随し、動作を妨げないものが好ましい。昨今、洋服のタイト化傾向に伴い、ストレッチ性が高い表地が主流となり、洋服の裏地においても、それに追随するため、ストレッチ性を付与したものが開発されている。
これまでに、緯糸に与えた組織クリンプにより、5〜12%の軽微なストレッチ性を付与した織物裏地及びその製造方法(特許文献1)、また、経糸に撚りを付与し、経糸を真円に近い形状にし、緯糸に与えた組織クリンプを更に大きくすることで、12〜20%にまでストレッチ性を高めた裏地及びその製造方法(特許文献2)、が提案されている。
また、固有粘度の異なる2種のポリエステル系重合体をサイドバイサイドに貼り合わせた糸を用い、延伸後に生じた歪差で捲縮性を得ることで、織物裏地の経及び/又は緯に高いストレッチ性を付与するといった技術(特許文献3)、織物裏地の緯糸にポリウレタン弾性繊維とセルロース系繊維からなる複合糸を用い、15〜30%まで緯ストレッチ性を高めた織物(特許文献4)も提案されている。前者は、組織クリンプに加え、2種のポリエステル重合体の熱収縮挙動の差による微細な捲縮により、後者は、ポリウレタン弾性繊維とセルロース系繊維の複合による捲縮により、それぞれ高いストレッチ性を得ている。
しかし、特許文献1及び2においては、裏地の表側(着用者の肌面側)とストッキングとの間の摩擦が考慮されていないため、素足では問題ないが、ストッキング着用時には、裏地とストッキングとの間の摩擦が大きいために、着用動作で裏地の引っ掛かりを感じることで快適性が達成できないという課題があった。また、裏地のストレッチ性は緯方向のみでせん断変形しにくく、丸みのある身体に沿わないため、日常の一般的な着用動作で表地の物性を発揮することができない、違和感をもたらすといった課題があった。また、特許文献3及び4に記載される技術では、ストッキング着用時の摩擦が捲縮により一層大きく、動作毎に裏地が引っ掛かる、脚にまとわりついて動作を阻害し、裏地及び表地の物性を発揮することができないという欠点に加え、洋服のシルエットにも影響を及ぼす、という欠点があった。
従って、素足だけではなくストッキングを着用した時でも、滑り性が良好で、裾部のずれ上がり及びウエスト部のずれ下がりも防止されて良好な着用感及びシルエットを与える裏地、及びそのような裏地が付いたパンツはこれまで存在しなかった。
本発明は、上記の課題を解決し、ストッキングに対して優れた滑り性を有し、かつ裏地のずれ上がり及びウエスト部のずれ下がりが防止されることで、ストッキングを着用した場合であっても足さばきが良好で優れた着用快適性を有するとともにシルエットにも優れる裏地付きパンツ及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、表地の、裏地に対向する側の面を表地裏面、該表地裏面と反対側の面を表地表面とし、裏地の、表地に対向する側の面を裏地裏面、該裏地裏面と反対側の面を裏地表面としたときに、裏地表面(すなわち着用者の肌面側の面)とストッキングとの摩擦が小さく、且つ、裏地裏面と表地裏面との摩擦が、裏地表面とストッキングとの摩擦よりも大きくなるように裏地付きパンツを形成することによって、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はまた、裏地が織物の場合、丸みのある身体に沿いつつ、日常の一般的な着用動作に追随するようにする目的で、裏地をバイアス方向に伸張させたときの初期応力を小さくすることが好ましいことを見出した。
すなわち、本発明は、下記の通りのものである。
[1] 表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツ。
[2] 前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.2N以下である、上記態様1に記載の裏地付きパンツ。
[3] 前記低摩擦裏地が織物であり、前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.0N以下である、上記態様2に記載の裏地付きパンツ。
[4] 前記低摩擦裏地の総面積が、前記表地の総面積に対して30%以上である、上記態様1〜3のいずれかに記載の裏地付きパンツ。
[5] 前記低摩擦裏地の前身頃における総面積が、前記表地の前身頃の総面積に対して50%以上である、上記態様1〜4のいずれかに記載の裏地付きパンツ。
[6] 前記表地が、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線を挟み、後左身頃の生地の経地の目線と後右身頃の生地の経地の目線とがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす、上記態様1〜5のいずれかに記載の裏地付きパンツ。
[7] 前記表地が、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす、上記態様6に記載の裏地付きパンツ。
[8] 成人女性用である、上記態様6又は7に記載の裏地付きパンツ。
[9] 表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツの製造方法であって、
前記低摩擦裏地を前記表地に固定する工程を含む、方法。
[10] 前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.2N以下である、上記態様9に記載の方法。
[11] 前記低摩擦裏地が織物であり、前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.0N以下である、上記態様10に記載の方法。
[12] 前記低摩擦裏地の総面積が、前記表地の総面積に対して30%以上である、上記態様9〜11のいずれかに記載の方法。
[13] 前記低摩擦裏地の前身頃における総面積が、前記表地の前身頃の総面積に対して50%以上である、上記態様9〜12のいずれかに記載の方法。
[14] 前記表地が、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線を挟み、後左身頃の生地の経地の目線と後右身頃の生地の経地の目線とがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす、上記態様9〜13のいずれかに記載の方法。
[15] 前記表地が、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす、上記態様14に記載の方法。
[16] 前記表地をマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を更に含む、上記態様14又は15に記載の方法。
[17] 前記裏地付きパンツが成人女性用である、上記態様9〜16のいずれかに記載の方法。
[1] 表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツ。
[2] 前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.2N以下である、上記態様1に記載の裏地付きパンツ。
[3] 前記低摩擦裏地が織物であり、前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.0N以下である、上記態様2に記載の裏地付きパンツ。
[4] 前記低摩擦裏地の総面積が、前記表地の総面積に対して30%以上である、上記態様1〜3のいずれかに記載の裏地付きパンツ。
[5] 前記低摩擦裏地の前身頃における総面積が、前記表地の前身頃の総面積に対して50%以上である、上記態様1〜4のいずれかに記載の裏地付きパンツ。
[6] 前記表地が、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線を挟み、後左身頃の生地の経地の目線と後右身頃の生地の経地の目線とがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす、上記態様1〜5のいずれかに記載の裏地付きパンツ。
[7] 前記表地が、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす、上記態様6に記載の裏地付きパンツ。
[8] 成人女性用である、上記態様6又は7に記載の裏地付きパンツ。
[9] 表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツの製造方法であって、
前記低摩擦裏地を前記表地に固定する工程を含む、方法。
[10] 前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.2N以下である、上記態様9に記載の方法。
[11] 前記低摩擦裏地が織物であり、前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.0N以下である、上記態様10に記載の方法。
[12] 前記低摩擦裏地の総面積が、前記表地の総面積に対して30%以上である、上記態様9〜11のいずれかに記載の方法。
[13] 前記低摩擦裏地の前身頃における総面積が、前記表地の前身頃の総面積に対して50%以上である、上記態様9〜12のいずれかに記載の方法。
[14] 前記表地が、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線を挟み、後左身頃の生地の経地の目線と後右身頃の生地の経地の目線とがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす、上記態様9〜13のいずれかに記載の方法。
[15] 前記表地が、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす、上記態様14に記載の方法。
[16] 前記表地をマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を更に含む、上記態様14又は15に記載の方法。
[17] 前記裏地付きパンツが成人女性用である、上記態様9〜16のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、ストッキングに対して優れた滑り性を有し、かつ裏地のずれ上がり及びウエスト部のずれ下がりが防止されることで、ストッキングを着用した場合であっても足さばきが良好で優れた着用快適性を有するとともにシルエットにも優れる裏地付きパンツ及びその製造方法が提供される。
以下、本発明を実施するための例示の形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、図面に付与された同一の符号は、同様の構成又は機能を有する要素を意味する。
本実施形態は、表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツを提供する。
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツを提供する。
本実施形態の裏地付きパンツ(以下、単に、裏地付きパンツ、又はパンツともいう。)において、「裏地裏面」とは、裏地の表地に対向する面、「裏地表面」とは、裏地裏面と反対側の面(すなわち着用者の肌側の面)を意味し、また、「表地裏面」とは、表地の裏地に対向する面、「表地表面」とは、表地裏面と反対側の面(すなわちパンツの外側の面)を意味する。裏地は、前身頃及び後身頃の全域に配置されてもよいし、例えば、前身頃の全部及び後身頃の一部、前身頃の一部及び後身頃の一部、前身頃の一部又は全部のみ、等の位置に配置されてもよい。裏地は、低摩擦裏地のみで構成されてもよいし、低摩擦裏地と、これとは異なる追加の裏地との組み合わせで構成されていてもよい。
以下、図1〜5を参照しながら表地及び裏地のパターン例について説明する。なお図1〜5では右身頃のパターンのみ示しているが、図1〜5を参照して説明するパンツは左右対称であることが意図され、したがって左身頃のパターンは図示していない。
図1は、本発明の一態様に係る裏地付きパンツのベルト付きの表地パターンの例を示す図であり、図1(A)は表地前身頃1、図1(B)は表地後身頃2を示している。本発明者は、裏地付きパンツがストッキング着用時にも優れた滑り性及び動作追随性を有するためには、裏地とストッキングとの摩擦を低くするのみでなく、表地と裏地との摩擦が裏地とストッキングとの摩擦よりも大きくなるようにパンツを構成することが重要であることを見出した。また、裏地とストッキングとの間、及び裏地と表地との間のそれぞれの摩擦のうち、特に縦方向(すなわち着用者身長方向と平行の方向)の摩擦が、滑り性及び動作追従性に大きく影響することを見出した。
本実施形態の裏地付きパンツは、表地と裏地との摩擦が裏地とストッキングとの摩擦よりも大きくなるように構成された低摩擦裏地を有する。好ましい態様において、低摩擦裏地は、前身頃の一部又は全部の領域に少なくとも存在する。より好ましい態様において、低摩擦裏地は、前身頃の一部又は全部と後身頃の一部又は全部の領域とに存在する。
「摩擦係数μx」は、測定用ストッキングを用い、本開示の[実施例]の項に記載される方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法で測定される値である。
測定用ストッキングとしては、本開示の[実施例]の項に記載される方法で作製されたストッキング、又はこれと同等品であることが当業者に理解されるストッキング(例えば、市販品の例として、グンゼ(株)製品名:SABRINA、型番:SP−73MW、素材:ナイロン、ポリウレタン)を用いる。
測定用ストッキングとしては、本開示の[実施例]の項に記載される方法で作製されたストッキング、又はこれと同等品であることが当業者に理解されるストッキング(例えば、市販品の例として、グンゼ(株)製品名:SABRINA、型番:SP−73MW、素材:ナイロン、ポリウレタン)を用いる。
「摩擦係数μy」は、本開示の[実施例]の項に記載される方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法で測定される値である。
本実施形態において、本開示の摩擦係数μxを所定の範囲とすることは、単に裏地表面の摩擦係数を小さくすることとは異なる。摩擦係数μxは、測定用ストッキングという特定の表面に対する摩擦の指標であるところ、測定用ストッキングは天竺編で構成されており、縦方向(すなわち着用者身長方向と平行の方向)と、これと直角の横方向とで摩擦係数の異方性がある。本発明者は、パンツの着用時には、着用者の身長方向の動きに付随する裏地とストッキングとの摩擦が滑り性及び動作追随性に大きく影響し、これにより着用快適性を大きく左右すること、縦方向同士での裏地とストッキングとの摩擦係数を制御することがパンツの着用快適性の改善に有効であることを見出した。
摩擦係数μxは、良好な滑り性及び動作追随性を得る観点から、0.5以下であり、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.43以下、更に好ましくは0.42以下である。摩擦係数μxは、低摩擦裏地の製造容易性の観点から、例えば、0.2以上、又は0.3以上、又は0.35以上であってよい。
摩擦係数μyは、裏地のストッキングに対する良好な滑り性を得るとともに裏地のずれ上がり及びウエスト部のずれ下がりを防止して良好な着用快適性を得る観点から、摩擦係数μxよりも大きくされる。すなわち、(摩擦係数μy)−(摩擦係数μx)>0である。裏地のストッキングに対する摩擦係数が相対的に小さいことで着用時に裏地とストッキングとの間の良好な滑り性が得られるとともに、裏地の表地に対する摩擦係数が相対的に大きいことで着用時の裏地のずれ上がり及びウエスト部のずれ下がりを防止できる。(摩擦係数μy)−(摩擦係数μx)の値は、良好な裾ずれ上がり防止性及びウエスト部のずれ下がり防止性を得る観点から、好ましくは0.02より大きく、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.10以上である。(摩擦係数μy)−(摩擦係数μx)の値は、表地と裏地とのある程度の滑り性を付与してパンツの良好なシルエットを得る観点から、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.22以下、更に好ましくは0.20以下である。
摩擦係数μyは、(摩擦係数μy)−(摩擦係数μx)の値を0超に調整することが容易である点で、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.45以上、更に好ましくは0.47以上であり、良好なシルエットを維持する観点から、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.58以下、更に好ましくは0.55以下である。
本実施形態の所望の摩擦係数μx及びμyを得るための具体的な手段としては、表地及び低摩擦裏地の、素材、組織(例えば、織物の場合の織組織、又は編物の場合の編組織)、繊維径、密度(例えば、織物の場合の織密度、又は編物の場合の編密度)等のうち1つ又は2つ以上を調整することが挙げられる。表地及び低摩擦裏地はそれぞれ、単層布帛でも積層布帛でもよいが典型的には単層布帛である。
低摩擦裏地の素材としては、キュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維や、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリトリメチレンテレフタレート(PTT))、ナイロン(例えばナイロン6やナイロン66)等の合成繊維が挙げられる。低摩擦裏地を構成する繊維は、長繊維の原糸が好ましいが、ストッキングとの摩擦特性に影響を及ぼさない範囲で、長繊維の原糸に代えて又はこれと混用して複合糸(カバリング糸、エア混繊糸等)を使用してもよく、また長繊維の原糸に代えて又はこれと混用して捲縮糸(例えば、ポリエステル捲縮糸、ポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレート等のコンジュゲート糸等)、弾性糸(例えば、ポリウレタン弾性糸、等)等、低摩擦裏地に伸縮性を付与する糸を使用してもよい。
低摩擦裏地を構成する繊維の繊維径は、強度や耐摩耗性等の消費性能上の観点から、好ましくは33dex以上、より好ましくは56dtex以上であり、良好な風合い及び動作追随性を得る観点から、好ましくは110dtex以下、より好ましくは84dtex以下である。
低摩擦裏地の織密度は、繊維径や組織によって異なるが、例示として、33dtex〜84dtexの長繊維、及び一般的なエアジェット織機やウォータージェット織機を使った場合、好ましくは経糸密度100〜240本/2.54cm、緯糸密度80〜150本/2.54cmであってよい。
低摩擦裏地の編密度は、繊維径によって異なるが、例示として、好ましくは33dtex〜56dtexの長繊維、及び28GG〜40GGの編機を用いた場合、仕上げ密度がコース数:50〜80/2.54cm、ウェール数:45〜65/2.54cm、より好ましくはコース数:60〜73/2.54cm、ウェール数:48〜60/2.54cmであってよい。
強度や耐摩耗性等の消費性能の維持の観点から、低摩擦裏地の目付は、好ましくは50g/m2以上、より好ましくは55g/m2以上、更に好ましくは60g/m2以上であってよく、一方、被服材料の薄地軽量化のトレンドと着用快適性の観点から、好ましくは90g/m2以下、より好ましくは85g/m2以下、更に好ましくは80g/m2以下であってよい。
同じく、強度や耐摩耗性等の消費性能の維持の観点から、低摩擦裏地の厚みは、好ましくは0.09mm以上、より好ましくは0.1mm以上であってよく、一方、被服材料の薄地軽量化のトレンドと着用快適性の観点から、好ましくは0.25mm以下、より好ましくは0.22mm以下であってよい。
低摩擦裏地の組織としては、緻密な生地を形成して摩擦係数μxを良好に低減する観点から、織物では平組織、綾組織、朱子組織、及び平、綾、朱子の変化組織が好ましい。織機は、生産性に鑑み、汎用的なエアジェット織機、ウォータージェット織機等を用いて良い。再生セルロース繊維を用いる場合は、エアジェット織機が好ましい。
編物ではトリコット、ハーフトリコット、デンビ等の経編が好ましい。編機は、生産性と裏地の編地品位と均一性とに鑑み、28GG以上のハイゲージ編機が好ましい。中でも、ラッセル編機、トリコット編機等32GG以上のハイゲージ編機を選定するとよい。
編物ではトリコット、ハーフトリコット、デンビ等の経編が好ましい。編機は、生産性と裏地の編地品位と均一性とに鑑み、28GG以上のハイゲージ編機が好ましい。中でも、ラッセル編機、トリコット編機等32GG以上のハイゲージ編機を選定するとよい。
表地を構成する繊維は、限定されないが、天然繊維(例えば、羊糸、シルク、綿)、再生セルロース繊維(例えば、キュプラ、レーヨン、リヨセル等)、合繊繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等)、半合成繊維(例えば、アセテート等)の1種又は2種以上の組合せが例示され、長繊維、短繊維いずれでもよく、また原糸でも、加工糸でも、複合糸であってもよい。
表地の繊維径は限定されないが、例えば、消費性能や厚み、目付のバランスから、好ましくは33dtex〜200dtex、より好ましくは56dtex〜167tex、綿番手ならば、30番手〜80番手、毛番手ならば、48番手〜120番手であってよい。
また、ポリウレタンは、フィラメントツイストヤーン、コアスパンヤーンの芯糸として用いてもよい。
パンツの表地の目付は、消費性能の観点から、130g/m2以上が好ましく、150g/m2以上がより好ましい。また、前記目付は、昨今の薄地軽量化のトレンド及び運動機能性の発揮という観点から、280g/m2以下が好ましく、180g/m2以下がより好ましい。
また、パンツの表地の厚みは、目付と同様の観点から、好ましくは0.25mm以上、より好ましくは0.28mm以上であり、好ましくは0.50mm以下、より好ましくは0.38mm以下である。
なお、ここで示した目付、厚みは、20℃×65%RHの環境に保たれた恒温室にて布帛を一昼夜保管した後、同じく恒温室内で得た値である。目付(g/m2)は、精密電子天秤、厚みは、織物については、JIS L 1096規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFA10、荷重23.5kPa)、編物については、JIS L 1018規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFG11、荷重0.7kPa)により測定した値である。
表地の、KES−FB4表面特性試験器で測定される裏面経方向の摩擦係数は、所望の摩擦係数μyを得ることが容易である点で、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.12以上、であり、表地と低摩擦裏地との滑り性を適度に維持してパンツの良好なシルエットを維持する観点から、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.18以下である。
所望の摩擦係数μyを得る観点から、表地と低摩擦裏地との間の摩擦は小さくなりすぎないようにするのがよい。例えば、表地が羊毛糸からなり、低摩擦裏地がキュプラ、レーヨン等の再生セルロース長繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、二成分のポリエチレンテレフタレートによるサイドバイサイド型複合糸、から選ばれる糸からなる組合せは好ましい。
本発明者は更に、僅かな力でバイアス方向(すなわち縦方向及び横方向と45度をなす方向)に伸張しやすい特性を裏地に加えること、すなわちバイアス方向のストレッチ性に優れた裏地を用いることで、様々な日常着用動作に追随でき、特に丸みを帯びた身体に沿いやすく、表地の物性が良好に発揮されたパンツを提供できることを見出した。バイアス方向の伸張特性が重要な理由は、ヒトの皮膚は、動作時に縦方向(体長方向)、横方向(体長と垂直方向)いずれか一方に限って伸びるのではなく、両方向同時、斜め方向にも伸展するためである。生地のバイアス方向の10%伸張応力を下げることで、日常動作時に感じる被服構成生地の突っ張り感や不快感、衣服とのずれは大きく低減できる。
上記のような観点から、低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力は、好ましくは1.2N以下、より好ましくは1.0N以下、更に好ましくは0.6N以下である。本開示で、バイアス方向10%伸張応力とは、低摩擦裏地をバイアス方向に20%伸張したときの、10%伸張時の応力を意味する。
通常、織物は単位面積当たりの組織拘束点が多いため、低摩擦裏地が織物である場合には、低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力を特に低く制御することが好ましい。一態様においては、低摩擦裏地が織物であり、かつ低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が、好ましくは1.0N以下、より好ましくは0.6N以下、更に好ましくは0.4N以下である。
バイアス方向10%伸張応力を上記の範囲に調整する手段としては、低摩擦裏地の拘束点の結節力を弱め、せん断変形を大きくさせること、ストッキングとの摩擦特性μxに影響を及ぼさない範囲で、低摩擦裏地に組織的なクリンプを与えること、低摩擦裏地の構成糸の一部又は全部に、前述のような捲縮糸及び弾性糸から適切な糸を選択して用いることが挙げられる。バイアス方向10%伸張応力を1.2N以下とするために好ましい低摩擦裏地としては、経糸及び/又は緯糸のポリウレタン弾性繊維の混率を0〜10質量%(生地の全構成繊維100質量%基準で)とした生地が挙げられる。ポリウレタン弾性繊維は、複合糸(例えば、ポリウレタン繊維を他の繊維でカバリングしてなるカバリング糸等)でもよいが、ポリウレタン弾性繊維を単独で用いることが好ましい。バイアス方向のストレッチ性に優れた織物は、例えば国際公開第99/031309号、国際公開第2008/012869号等に記載される織物であってもよい。また、ポリウレタン弾性繊維を単独若しくは複合糸として緯糸に用いる場合は、低摩擦特性を達成するために、この複合糸が裏地表面にできるだけ露出しないことが好ましく、その場合は、綾、朱子等の組織を選定するか、緯糸を他の長繊維と一本交互に用いる等の手法を選定することが好ましい。また、仕上げ時に、μxとμy−μxの関係を所定の範囲内に収めることを考慮しながら、経糸及び/又は緯糸の過度な緊張は避け、経糸の追い込みや、緯糸の巾出しをしない、といった方法が好適に用いられる。
裏地が低摩擦裏地に加えて追加の裏地を更に有する場合、該追加の裏地及びこれを構成する繊維の構成は、摩擦係数μx及びμyが本開示の低摩擦裏地の要件を満たさないことを条件に低摩擦裏地と同様でも異なっていてもよい。例示の態様において、追加の裏地の好適使用例としては、特に皮膚の伸展が大きい後身頃について、皮膚伸展に伴う被服構成生地の突っ張り感を軽減するために、経糸及び/又は緯糸にポリウレタン弾性繊維、若しくはその複合糸を用いた裏地を配置してもよい。
低摩擦裏地の総面積の、表地の総面積に対する面積比率は、滑り性と動作追随性を良好に得る観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上である。上記面積比率は、一態様においては90%であることが好ましいが、例えば、高ストレッチ性の付与等、機能付与のための裏地を追加するという観点では、80%以下、又は60%以下であってもよい。
図2〜5は、本発明の一態様に係る裏地付きパンツにおける低摩擦裏地の配置例を示す図である。図2及び3は、表地前身頃1及び表地後身頃2のそれぞれの一部に対して低摩擦裏地3が配置されている例を示しており、図4及び図5は、表地前身頃1及び表地後身頃2のうち表地前身頃1のみの一部に対して低摩擦裏地3が配置されている例を示している。図2は、低摩擦裏地の総面積の表地の総面積に対する面積比率が80%、図3は上記面積比率が95%、図4は上記面積比率が40%、図5は上記面積比率が28%である例をそれぞれ示している。
低摩擦裏地は、ストッキングを履いた脚との脚さばき性を高めるために、前身頃に用いることが特に好ましい。低摩擦裏地の前身頃における総面積の、表地の前身頃の総面積に対する面積比率は、滑り性と動作追随性を良好に得る観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、である。上記面積比率は、一態様においては90%であることが好ましいが、高ストレッチ性の付与等、機能付与のための裏地を追加するという観点では、例えば、90%以下、又は80%以下であってもよい。
図6は、図1に示すパターンによって作製されたパンツの例としての実施例9に係るパンツの角度θを示す図である。図1においては、ベルト部が示されるが、ベルト部の配置はこれに限定されず、またベルト部が存在しなくてもよい。図1及び6を参照し、前身頃パターン1及び後身頃パターン2のそれぞれにおいて、前ベルト巾XFは、パンツの前中心線上の、ベルト部上端である身頃上端12からベルト部下端22までの距離であり、後ベルト巾XBは、パンツの後中心線上の、ベルト部上端である身頃上端14からベルト部下端24までの距離である。本実施形態のパンツにおいて、ベルト巾はパンツの胴方向全周を通じて同じでも異なってもよい。例えば、パンツの脇線上のベルト部上端(身頃上端11)−ベルト部下端21間及びベルト部上端(身頃上端13)−ベルト部下端23間、パンツの前中心線上のベルト部上端(身頃上端12)−ベルト部下端22間、及びパンツの後中心線上のベルト部上端(身頃上端14)−ベルト部下端24間、の距離は互いに同じでも異なってもよい。図1では、ベルト巾がパンツの胴方向全周を通じて同じである例を示している。
図1及び6を参照し、角度θは、後股ぐり線の縫合線c(これはパンツの後中心線を画定する)を挟み、後左身頃の生地の経地の目線dと後右身頃の生地の経地の目線eとがなす角度である。なお図1(B)では、縫合線cと後右身頃の生地の経地の目線dとがなす角度θ/2を図示している。後股ぐり部の縫合部位は、図1(B)に示すように曲線を含むことがある。本開示の縫合線cとは、ベルト部が存在する場合のベルト部下端24、又はベルト部が存在しない場合の身頃上端14から、後股ぐり線上に延ばした接線を意味する。後股ぐり線は、身頃上端14又はベルト部下端24からヒップトップ部44(これはパンツのヒップラインbを画定する)まで直線である場合がある。このような場合の縫合線cは、身頃上端14又はベルト部下端24とヒップトップ部44とを結ぶ直線となる。
なお、図1に例示するパンツのパターンにおいては、後右身頃にダーツを1箇所有するが、本発明のパンツを作製するためのパターンにおいては、この態様に限らず、ダーツを前身頃に有してもよく、また、ダーツの数は0箇所または2箇所以上でもよい。
図1及び6を参照し、好ましい態様において、表地は、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(すなわち、身頃上端12から股ぐり線下端32(これはパンツの股上線aを画定する)までの長さ)(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(すなわち、身頃上端14から股ぐり線下端34(これはパンツの股上線aを画定する)までの長さ)(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線cを挟み、後左身頃の生地の経地の目線dと後右身頃の生地の経地の目線eとがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす。
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(すなわち、身頃上端12から股ぐり線下端32(これはパンツの股上線aを画定する)までの長さ)(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(すなわち、身頃上端14から股ぐり線下端34(これはパンツの股上線aを画定する)までの長さ)(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線cを挟み、後左身頃の生地の経地の目線dと後右身頃の生地の経地の目線eとがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす。
股ぐり線長さ、特に後身頃の股ぐり線長さは、パンツのデザインはもちろん、運動機能性を支配する。一方、過剰なゆとりはシルエットに悪い影響を及ぼす。本実施形態においては、後左身頃及び後右身頃の股ぐり線を、生地の経地の目線に対して顕著に傾斜させることによって生地の物性の異方性(例えば、生地が経方向及び緯方向よりもバイアス方向において伸縮しやすい等の異方性)を最大限活用するとともに、前股ぐり線の長さと後股ぐり線の長さとの和、及びこれらの比率を特定範囲とする。これらの手段の組合せにより、股ぐり線長さの増加が必要最小限に留められ、運動機能性とシルエットとが良好に両立される。本実施形態に係るパンツは、上記のような手段によって運動機能性とシルエットとを両立させるものであるため、一般的なグレーディングの手法により容易にサイズ展開でき、例えば既製服として有用である。また、成人女性用のパンツにおいては、ウエスト寸法とヒップ寸法との差が比較的大きいことから運動機能性とシルエットとの両立が比較的困難であるが、本実施形態に係るパンツによれば、このような成人女性用のパンツにおいても運動機能性とシルエットとを簡便な手段にて良好に両立できる。したがって本実施形態に係るパンツは成人女性用(例えば標準体型の成人女性用)の既製服として特に有用である。
前ベルト巾XFを含む前股ぐり線の長さYFと、後ベルト巾XBを含む後股ぐり線の長さYBとの和は、標準体型の着用者への好適なシルエットと運動機能性の両立の観点から、56cm〜64cmであり、好ましくは58cm〜62cmである。
後股ぐり線の縫合線cを挟み、後左身頃の生地の経地の目線dと後右身頃の生地の経地の目線eとがなす角度θは、生地の物性(例えば伸縮性)の異方性をパンツの運動機能性向上に有効に利用する観点から、16°以上であり、好ましくは20°以上、より好ましくは24°以上であり、またパンツの良好な美観を得る観点から、34°以下であり、好ましくは32°以下、より好ましくは30°以下である。生地の採り効率、すなわちロスの低減も考慮すると、24°以上、30°以下が最も好ましい。通常、パンツの製造において、生地の経地の目線の方向は、パンツ長さ方向(すなわち着用者の身長方向)と略平行とされるのが一般的である。角度θを上記範囲に調整する方法としては、生地の経地の目線の方向をパンツ長さ方向に対して略平行とするとともに、パンツ長さ方向に対する後ろ股ぐり線の傾斜程度を調整する方法を例示できる。
後股ぐり線の長さYBから後ベルト巾XBを差し引いた長さ(YB−XB)に対する、前股ぐり線の長さYFから前ベルト巾XFを差し引いた長さ(YF−XF)の比((YF−XF)/(YB−XB))は、良好なシルエットと運動機能性を得る観点から、0.59以上であり、好ましくは0.60以上、より好ましくは0.61以上であり、0.68以下であり、好ましくは0.67以下、より好ましくは0.65以下である。
前股ぐり線の長さYFから前ベルト巾XFを差し引いた長さ(YF−XF)は、標準体型の着用者に好適に適合させる観点から、17cm〜26cmであり、好ましくは17cm〜23cmである。
後股ぐり線の長さYBから後ベルト巾XBを差し引いた長さ(YB−XB)は、標準体型の着用者に好適に適合させる観点から、29cm〜38cmであり、好ましくは29cm〜35cmである。
前ベルト巾XF及び後ベルト巾XBは、0cm、すなわち身頃に含めたデザインでもよく、別途ベルト布を用意する場合は、パンツの良好な美観及び運動機能性を得る観点から5cm以下であり、好ましくは3cm〜5cmであってよい。好ましい態様においては、XFとXBとは等しい。またベルト芯地は、適宜用いて良い。
好ましい態様において、表地は、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす。
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす。
また、表地において、運動機能性の観点からは、KES−FB1引張特性試験において得られるストレッチ率(EMT)が、経方向に1%以上であることが好ましく、また、緯方向に3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。また、前記ストレッチ率(EMT)は、繰り返し着用における生地のヘタリ軽減及びパンツの膝抜け抑制の観点からは、経方向に25%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、また、緯方向に30%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
なお、ここで示したストレッチ率(EMT)は、カトーテックKES−FB1引張特性試験器標準測定条件、最大荷重 500gf/cm、測定速度 0.2mm/secで得た値である。
[パンツ縫製方法]
前述したような構成の裏地付きパンツは、前述の低摩擦裏地を前述の表地に固定する工程を含む方法によって製造できる。固定は、裏地付きパンツの製造において一般的な縫製等の方法で行うことができる。裏地を縫製で固定する場合、縫製部位強度保持の面から、4針ないしは5針/1cmのピッチで、本縫いにて縫うことが好ましい。前当てか後ろ当て、いずれかの部分使用とする場合、表地の縫い代ができるだけ皮膚に当たらないようにするためには、表地を中表にして、両脇を縫い、裏地を外表にし、表地を中表にして縫製した縫い代に、表地の縫い目よりも外側に重ねるように縫い、最終的には裏地を一番上に三枚重ねてひっくり返しにする方法で、裏地の表側を最内層としたズボンに縫い仕上げることができる。この方法で縫うと、ズボン脇部のパッカリングを防ぐことができ、縫い目が美しいズボンとなる。何故なら、表地と裏地を縫い込む通常の縫い方では、縫製コストは削減できるが、厚みや伸度の違う表地と裏地を縫い合わせると、厚みや伸度差によりパッカリングが、更には伸度差により動作時の伸び不足感が、伴うことがあり、着用感を悪化させる場合がある。
前述したような構成の裏地付きパンツは、前述の低摩擦裏地を前述の表地に固定する工程を含む方法によって製造できる。固定は、裏地付きパンツの製造において一般的な縫製等の方法で行うことができる。裏地を縫製で固定する場合、縫製部位強度保持の面から、4針ないしは5針/1cmのピッチで、本縫いにて縫うことが好ましい。前当てか後ろ当て、いずれかの部分使用とする場合、表地の縫い代ができるだけ皮膚に当たらないようにするためには、表地を中表にして、両脇を縫い、裏地を外表にし、表地を中表にして縫製した縫い代に、表地の縫い目よりも外側に重ねるように縫い、最終的には裏地を一番上に三枚重ねてひっくり返しにする方法で、裏地の表側を最内層としたズボンに縫い仕上げることができる。この方法で縫うと、ズボン脇部のパッカリングを防ぐことができ、縫い目が美しいズボンとなる。何故なら、表地と裏地を縫い込む通常の縫い方では、縫製コストは削減できるが、厚みや伸度の違う表地と裏地を縫い合わせると、厚みや伸度差によりパッカリングが、更には伸度差により動作時の伸び不足感が、伴うことがあり、着用感を悪化させる場合がある。
本実施形態はまた、本実施形態の裏地付きパンツの表地をマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を含む、裏地付きパンツの製造方法を提供する。グレーディングは、従来公知の手法に従って行うことができ、例えば、市販のグレーディングソフトを用いてマスターパンツパターンを拡大又は縮小し、更に所望される箇所にサイズ調整を施すことで行ってよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
[測定用ストッキングの作製]
22デシテックス2フィラメントの丸断面ポリウレタン弾性糸をドラフト2.7倍に伸ばして芯糸とし、14デシテックス7フィラメントの丸断面ナイロン66糸をカバリング糸として、カバリング機により撚数1700T/mのシングルカバードヤーンを得た。このカバードヤーンを用い、針本数400本、釜径4inchのパンティストッキング用丸編機にて、天竺組織にて脚部を編成した。このとき、度目は、標準サイズのパンストのファッショニングに設定した。続いて、定法のナイロン染色、柔軟処理後、プレセット条件98℃20分、セット条件110℃、20秒で、仕上げ、型板セットして、ゾッキストッキング脚部を測定用ストッキングとして作製した。
22デシテックス2フィラメントの丸断面ポリウレタン弾性糸をドラフト2.7倍に伸ばして芯糸とし、14デシテックス7フィラメントの丸断面ナイロン66糸をカバリング糸として、カバリング機により撚数1700T/mのシングルカバードヤーンを得た。このカバードヤーンを用い、針本数400本、釜径4inchのパンティストッキング用丸編機にて、天竺組織にて脚部を編成した。このとき、度目は、標準サイズのパンストのファッショニングに設定した。続いて、定法のナイロン染色、柔軟処理後、プレセット条件98℃20分、セット条件110℃、20秒で、仕上げ、型板セットして、ゾッキストッキング脚部を測定用ストッキングとして作製した。
[裏地の物性測定]
20℃、65%RHの環境に保たれた恒温室にて布帛を一昼夜保管した後、測定した。
(1)性量
経糸・緯糸密度(1インチあたりの本数):デンシメーターで計測した。
目付(g/m2):精密電子天秤で計測した。
厚み:織物については、JIS L 1096規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFA10、荷重23.5kPa)により測定した。
編物については、JIS L 1018規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFG11、荷重0.7kPa)により測定した。
20℃、65%RHの環境に保たれた恒温室にて布帛を一昼夜保管した後、測定した。
(1)性量
経糸・緯糸密度(1インチあたりの本数):デンシメーターで計測した。
目付(g/m2):精密電子天秤で計測した。
厚み:織物については、JIS L 1096規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFA10、荷重23.5kPa)により測定した。
編物については、JIS L 1018規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFG11、荷重0.7kPa)により測定した。
(2)摩擦係数μx及びμyの測定
上記ストッキングの大腿部を、表面が測定面になるよう、また、コース数C:100±2/2.54cm、ウェール数W:50±2/2.54cmになるよう、バイオスキンプレート平型(195×130×5mm、ビューラックス社製)に、伸張状態で一重にセットした。カトーテックKES−SE摩擦感テスターの測定台上に、このプレートを固定し、高感度(H)にて、裏地とストッキングとの間の動摩擦係数を測定した。ストッキングの編地経方向(着用時の縦方向に対応)と、裏地の経方向(着用時の縦方向に対応)とが合致するよう、また、ストッキングと裏地表面とが摩擦されるよう、摩擦子に裏地を取り付けた。摩擦時は、おもり25gfと摩擦子25gfを併せて50gfの荷重をかけ、摩擦子の移動速度は1mm/secとした。測定は3回行い、その平均値を摩擦係数μxとした。
上記ストッキングの大腿部を、表面が測定面になるよう、また、コース数C:100±2/2.54cm、ウェール数W:50±2/2.54cmになるよう、バイオスキンプレート平型(195×130×5mm、ビューラックス社製)に、伸張状態で一重にセットした。カトーテックKES−SE摩擦感テスターの測定台上に、このプレートを固定し、高感度(H)にて、裏地とストッキングとの間の動摩擦係数を測定した。ストッキングの編地経方向(着用時の縦方向に対応)と、裏地の経方向(着用時の縦方向に対応)とが合致するよう、また、ストッキングと裏地表面とが摩擦されるよう、摩擦子に裏地を取り付けた。摩擦時は、おもり25gfと摩擦子25gfを併せて50gfの荷重をかけ、摩擦子の移動速度は1mm/secとした。測定は3回行い、その平均値を摩擦係数μxとした。
(3)裏地のバイアス方向10%伸張応力の測定
各種裏地を、表面(すなわち着用者の肌面側の面)を表にして、正バイアス45°方向に長さ15cm、逆バイアス方向(正バイアスと垂直方向)に長さ5cmのサイズでカットした。カット後のサンプルを、前チャック巾縦2.5cm、横5cm、後ろチャック巾縦2.5cm、横2.5cmのチャックに経長の方向に向けて挟み、引っ張り試験器を用い、10cm/minの速さで20%まで伸張させた。この時の10%伸張時の応力を3回測定し、その平均値を10%応力として得た。
各種裏地を、表面(すなわち着用者の肌面側の面)を表にして、正バイアス45°方向に長さ15cm、逆バイアス方向(正バイアスと垂直方向)に長さ5cmのサイズでカットした。カット後のサンプルを、前チャック巾縦2.5cm、横5cm、後ろチャック巾縦2.5cm、横2.5cmのチャックに経長の方向に向けて挟み、引っ張り試験器を用い、10cm/minの速さで20%まで伸張させた。この時の10%伸張時の応力を3回測定し、その平均値を10%応力として得た。
(4)表地の総面積に対する低摩擦裏地の総面積の比率(%)の算出
裏地付きパンツの表地及び裏地をそれぞれ切り取り、CADを用いた画像処理により、型紙として出力する。出力された表地の型紙と裏地の型紙との重量比から、低摩擦裏地の面積占有率を算出した。
裏地付きパンツの表地及び裏地をそれぞれ切り取り、CADを用いた画像処理により、型紙として出力する。出力された表地の型紙と裏地の型紙との重量比から、低摩擦裏地の面積占有率を算出した。
[パンツの着用試験]
身長158cm〜163cm、体重45kg〜53kgの成人女性10名を用い、着用試験を行った。測定環境は、温度25℃±1℃、相対湿度60%±5%とした。
身長158cm〜163cm、体重45kg〜53kgの成人女性10名を用い、着用試験を行った。測定環境は、温度25℃±1℃、相対湿度60%±5%とした。
(1)パンツのウエスト部ずれ下がり測定
各人に、まずストッキングを履かない状態で試作パンツを履かせ、静立位で、基準線として胴部の最も細い部分にゴムを水平にはめ、そのゴムとパンツの上端線との距離D1を背中心にて測定した。続いて、試作したストッキングを履いた上から、パンツを履かせたときに、同じパンツ上端線になることを確認した上で、高さ25cmのステップ台に、静かに右脚を乗せさせ、ゴムとずれ下がったパンツの上端線との距離D2を背中心にて測定した。D2−D1を静立位からのパンツのウエスト部ずれ下がり距離とし、3cm以下を良好とした。なお、測定は繰り返し3回の測定の平均値とした。
各人に、まずストッキングを履かない状態で試作パンツを履かせ、静立位で、基準線として胴部の最も細い部分にゴムを水平にはめ、そのゴムとパンツの上端線との距離D1を背中心にて測定した。続いて、試作したストッキングを履いた上から、パンツを履かせたときに、同じパンツ上端線になることを確認した上で、高さ25cmのステップ台に、静かに右脚を乗せさせ、ゴムとずれ下がったパンツの上端線との距離D2を背中心にて測定した。D2−D1を静立位からのパンツのウエスト部ずれ下がり距離とし、3cm以下を良好とした。なお、測定は繰り返し3回の測定の平均値とした。
(2)パンツの圧迫感申告
上記(1)の試験において、静立位から高さ25cmのステップ台への、右脚脚上げ動作中に、大腿部から鼠蹊部、及び臀部に感じる圧迫感をパンツ毎に申告させた。評価は5段階とし、10人の被験者の平均値を算出した。3以上を良好とした。
1 圧迫が強い
2 圧迫がやや強い
3 どちらでもない
4 圧迫が弱い
5 圧迫は殆ど感じない
上記(1)の試験において、静立位から高さ25cmのステップ台への、右脚脚上げ動作中に、大腿部から鼠蹊部、及び臀部に感じる圧迫感をパンツ毎に申告させた。評価は5段階とし、10人の被験者の平均値を算出した。3以上を良好とした。
1 圧迫が強い
2 圧迫がやや強い
3 どちらでもない
4 圧迫が弱い
5 圧迫は殆ど感じない
(3)パンツの動作時の摩擦抵抗感申告
各パンツにおける、上記動作時のストッキングとパンツ裏地との摩擦抵抗感を申告させた。評価は5段階とし、10人の被験者の平均値を算出した。3以上を良好とした。
1 摩擦抵抗が強い
2 摩擦抵抗がやや強い
3 どちらでもない
4 摩擦抵抗が弱い
5 摩擦抵抗は感じない
各パンツにおける、上記動作時のストッキングとパンツ裏地との摩擦抵抗感を申告させた。評価は5段階とし、10人の被験者の平均値を算出した。3以上を良好とした。
1 摩擦抵抗が強い
2 摩擦抵抗がやや強い
3 どちらでもない
4 摩擦抵抗が弱い
5 摩擦抵抗は感じない
(4)パンツの総合的な着心地評価
上記(2)の圧迫感と上記(3)の摩擦抵抗感との申告平均値とした。3以上を良好とした。
1 着心地が悪い
2 着心地がやや悪い
3 どちらでもない
4 着心地が良い
5 着心地が大変良い
上記(2)の圧迫感と上記(3)の摩擦抵抗感との申告平均値とした。3以上を良好とした。
1 着心地が悪い
2 着心地がやや悪い
3 どちらでもない
4 着心地が良い
5 着心地が大変良い
(1)表地Aの作製
経糸2/72、緯糸2/72のウールトップ染めによる紡績糸を、定法のウール織物の仕上げ工程を経て、製品密度が経86本/2.54cm、緯67本/2.54cmの綾織表地Aを得た。
経糸2/72、緯糸2/72のウールトップ染めによる紡績糸を、定法のウール織物の仕上げ工程を経て、製品密度が経86本/2.54cm、緯67本/2.54cmの綾織表地Aを得た。
(2)表地Bの作製
経糸2/72、緯糸1/40のウールトップ染めによる紡績糸を、定法のウール織物の仕上げ工程を経て、製品密度が経79本/2.54cm、緯72本/2.54cmの綾織表地Bを得た。
経糸2/72、緯糸1/40のウールトップ染めによる紡績糸を、定法のウール織物の仕上げ工程を経て、製品密度が経79本/2.54cm、緯72本/2.54cmの綾織表地Bを得た。
(3)裏地の作製
[裏地1]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(株)製登録商標ベンベルグ)84dtex/45fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン84dtex/54fを用いた、平織物の生機(経糸密度:112本/2.54cm、緯糸密度:90本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程1に投入し、裏地1(経糸密度:119本/2.54cm、緯糸密度:92本/2.54cm)を得た。
[裏地1]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(株)製登録商標ベンベルグ)84dtex/45fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン84dtex/54fを用いた、平織物の生機(経糸密度:112本/2.54cm、緯糸密度:90本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程1に投入し、裏地1(経糸密度:119本/2.54cm、緯糸密度:92本/2.54cm)を得た。
[裏地2]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(株)製登録商標ベンベルグ)56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン84dtex/54fのS撚糸(撚数1000回/m)を用いた、平織物の生機(経糸密度:133本/2.54cm、緯糸密度:85本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程1に投入し、裏地2(経糸密度:153本/2.54cm、緯糸密度:86本/2.54cm)を得た。
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(株)製登録商標ベンベルグ)56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン84dtex/54fのS撚糸(撚数1000回/m)を用いた、平織物の生機(経糸密度:133本/2.54cm、緯糸密度:85本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程1に投入し、裏地2(経糸密度:153本/2.54cm、緯糸密度:86本/2.54cm)を得た。
[裏地3]
経糸にポリエステル56dtex/24fを用い、緯糸にポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートのコンジュゲート繊維(帝人ファイバー(株)製)56dtex/36fをS方向に撚った糸(撚数300回/m)を用いた、綾織物の生機(経糸密度:154本/2.54cm、緯糸密度:84本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地3(経糸密度:205本/2.54cm、緯糸密度:90本/2.54cm)を得た。
経糸にポリエステル56dtex/24fを用い、緯糸にポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートのコンジュゲート繊維(帝人ファイバー(株)製)56dtex/36fをS方向に撚った糸(撚数300回/m)を用いた、綾織物の生機(経糸密度:154本/2.54cm、緯糸密度:84本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地3(経糸密度:205本/2.54cm、緯糸密度:90本/2.54cm)を得た。
[裏地4]
経糸にポリエステル56dtex/24fを用い、緯糸にポリエステル(ユニチカトレーディング(株)製Z10)56dtex/12fをZ方向に撚った糸(撚数680回/m)を用いた、綾織物の生機(経糸密度:144本/2.54cm、緯糸密度:99本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地4(経糸密度:192本/2.54cm、緯糸密度:106本/2.54cm)を得た。
経糸にポリエステル56dtex/24fを用い、緯糸にポリエステル(ユニチカトレーディング(株)製Z10)56dtex/12fをZ方向に撚った糸(撚数680回/m)を用いた、綾織物の生機(経糸密度:144本/2.54cm、緯糸密度:99本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地4(経糸密度:192本/2.54cm、緯糸密度:106本/2.54cm)を得た。
[裏地5]
36ゲージのトリコット編機のフロント側にポリエステル33dtex/12f、バック側にキュプラアンモニウムレーヨン(登録商標ベンベルグ)33dtex/12fを用い、ハーフトリコットの生機(機上密度C:75/2.54cm、W:36/2.54cm)を編成した。得られた生機を染色加工工程5に投入し、裏地5(C数:68/2.54cm、W数:53/2.54cm)を得た。
36ゲージのトリコット編機のフロント側にポリエステル33dtex/12f、バック側にキュプラアンモニウムレーヨン(登録商標ベンベルグ)33dtex/12fを用い、ハーフトリコットの生機(機上密度C:75/2.54cm、W:36/2.54cm)を編成した。得られた生機を染色加工工程5に投入し、裏地5(C数:68/2.54cm、W数:53/2.54cm)を得た。
[裏地6]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(株)製登録商標ベンベルグ)56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン84dtex/54fを用いた、平織物の生機(経糸密度:131本/2.54cm、緯糸密度:83本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程1に投入し、裏地6(経糸密度:133本/2.54cm、緯糸密度:85本/2.54cm)を得た。
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(株)製登録商標ベンベルグ)56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン84dtex/54fを用いた、平織物の生機(経糸密度:131本/2.54cm、緯糸密度:83本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程1に投入し、裏地6(経糸密度:133本/2.54cm、緯糸密度:85本/2.54cm)を得た。
[裏地7]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(登録商標ベンベルグ)の56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン56dtex/40fと17dtex/1fのポリウレタン弾性繊維(旭化成(株)製登録商標ロイカ)のカバリング糸を用いてエアージェットルーム織機により600rpmの緯入れ回転数にて平織物の生機(経糸密度:127本/2.54cm、緯糸密度:93本/2.54cm)を作製した。尚、緯糸に用いるキュプラアンモニウムレーヨンとポリウレタン弾性繊維のカバリング条件は、下記の条件とした。
ポリウレタン弾性繊維のドラフト:2.8
カバリング回数:S方向800t/m
回転数:7500rpm
得られた生機を染色加工工程4に投入し、裏地7(経糸密度:148本/2.54cm、緯糸密度:94本/2.54cm)を得た。
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(登録商標ベンベルグ)の56dtex/30fを用い、緯糸にキュプラアンモニウムレーヨン56dtex/40fと17dtex/1fのポリウレタン弾性繊維(旭化成(株)製登録商標ロイカ)のカバリング糸を用いてエアージェットルーム織機により600rpmの緯入れ回転数にて平織物の生機(経糸密度:127本/2.54cm、緯糸密度:93本/2.54cm)を作製した。尚、緯糸に用いるキュプラアンモニウムレーヨンとポリウレタン弾性繊維のカバリング条件は、下記の条件とした。
ポリウレタン弾性繊維のドラフト:2.8
カバリング回数:S方向800t/m
回転数:7500rpm
得られた生機を染色加工工程4に投入し、裏地7(経糸密度:148本/2.54cm、緯糸密度:94本/2.54cm)を得た。
[裏地8]
経糸にポリエステル(33dtex/12f)、緯糸にポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートが1:1の重量比で繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維を用いて、平織物の生機(経糸密度:143本/2.54cm、緯糸密度:95本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地8(経糸密度:179本/2.54cm、緯糸密度:102本/2.54cm)を得た。
経糸にポリエステル(33dtex/12f)、緯糸にポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートが1:1の重量比で繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維を用いて、平織物の生機(経糸密度:143本/2.54cm、緯糸密度:95本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地8(経糸密度:179本/2.54cm、緯糸密度:102本/2.54cm)を得た。
[裏地9]
経糸にポリエステル56dtex/36f、緯糸にポリエステル84dtex/36fを用いて、ウォータージェットルーム織機により平織物の生機(経糸密度:120本/2.54cm、緯糸密度:80本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地9(経糸密度:106本/2.54cm、緯糸密度:85本/2.54cm)を得た。
経糸にポリエステル56dtex/36f、緯糸にポリエステル84dtex/36fを用いて、ウォータージェットルーム織機により平織物の生機(経糸密度:120本/2.54cm、緯糸密度:80本/2.54cm)を作製した。得られた生機を染色加工工程3に投入し、裏地9(経糸密度:106本/2.54cm、緯糸密度:85本/2.54cm)を得た。
染色加工工程1〜5は下記のとおりである。
<染色加工工程1>(キュプラ100%について)
生機―連続精練・乾燥―パッドスチーム染色・ソーピング・乾燥―樹脂加工―検査
<染色加工工程2>(キュプラ、ポリエステル交織について)
生機―連続精練・乾燥―ビーム分散染色・ソーピング・乾燥―パッドスチーム反応染色・ソーピング・乾燥―樹脂加工―検査
<染色加工工程3>(ポリエステル100%について)
生機―連続精練―プレセット−減量加工・水洗・乾燥―液流染色・ソーピング―ファイナルセット−検査
<染色加工工程4>(キュプラ、キュプラとポリウレタン複合糸の交織について)
生機−連続精練−プレセット−パッドスチーム染色・ソーピング・乾燥−樹脂加工−検査
<染色加工工程5>(キュプラ、ポリエステル交編ニットについて)
生機−精練−液流分散染色−液流反応染色−水洗・ソーピング−熱セット−検査
<染色加工工程1>(キュプラ100%について)
生機―連続精練・乾燥―パッドスチーム染色・ソーピング・乾燥―樹脂加工―検査
<染色加工工程2>(キュプラ、ポリエステル交織について)
生機―連続精練・乾燥―ビーム分散染色・ソーピング・乾燥―パッドスチーム反応染色・ソーピング・乾燥―樹脂加工―検査
<染色加工工程3>(ポリエステル100%について)
生機―連続精練―プレセット−減量加工・水洗・乾燥―液流染色・ソーピング―ファイナルセット−検査
<染色加工工程4>(キュプラ、キュプラとポリウレタン複合糸の交織について)
生機−連続精練−プレセット−パッドスチーム染色・ソーピング・乾燥−樹脂加工−検査
<染色加工工程5>(キュプラ、ポリエステル交編ニットについて)
生機−精練−液流分散染色−液流反応染色−水洗・ソーピング−熱セット−検査
(4)裏地付きパンツの作製
ストレートパンツ1〜13については図1に示すパターンにおいてθが10°とされたもの、ストレートパンツ14については図1に示すパターンにおいてθが30°とされたものをそれぞれ用いて、ストレートパンツを縫製した。裏地のキセは、いずれも1シーム5mmとした。
ストレートパンツ1〜13については図1に示すパターンにおいてθが10°とされたもの、ストレートパンツ14については図1に示すパターンにおいてθが30°とされたものをそれぞれ用いて、ストレートパンツを縫製した。裏地のキセは、いずれも1シーム5mmとした。
[実施例1]
表地A、裏地1により、裏地1の表地Aに対する面積率を80%としたパンツ1を作製した。
[実施例2]
表地A、裏地2により、裏地2の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ2を作製した。
[実施例3]
表地A、裏地3により、裏地3の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ3を作製した。
[実施例4]
表地A、裏地4により、裏地4の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ4を作製した。
[実施例5]
表地A、裏地5により、裏地5の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ5を作製した。
[実施例6]
表地を表地Bに変える以外は、実施例1と同じようにして、ストレートパンツ10を作製した。
[実施例7]
表地を表地Bに変える以外は、実施例2と同じようにして、ストレートパンツ11を作製した。
表地A、裏地1により、裏地1の表地Aに対する面積率を80%としたパンツ1を作製した。
[実施例2]
表地A、裏地2により、裏地2の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ2を作製した。
[実施例3]
表地A、裏地3により、裏地3の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ3を作製した。
[実施例4]
表地A、裏地4により、裏地4の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ4を作製した。
[実施例5]
表地A、裏地5により、裏地5の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ5を作製した。
[実施例6]
表地を表地Bに変える以外は、実施例1と同じようにして、ストレートパンツ10を作製した。
[実施例7]
表地を表地Bに変える以外は、実施例2と同じようにして、ストレートパンツ11を作製した。
[比較例1]
表地A、裏地6により、裏地6の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ6を作製した。
[比較例2]
表地A、裏地7により、裏地7の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ7を作製した。
[比較例3]
表地A、裏地8により、裏地8の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ8を作製した。
[比較例4]
表地A、裏地9により、裏地9の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ9を作製した。
[比較例5]
表地を表地Bに変える以外は、比較例1と同様にして、ストレートパンツ12を作製した。
[比較例6]
表地を表地Bに変える以外は、比較例2と同様にして、ストレートパンツ13を作製した。
表地A、裏地6により、裏地6の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ6を作製した。
[比較例2]
表地A、裏地7により、裏地7の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ7を作製した。
[比較例3]
表地A、裏地8により、裏地8の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ8を作製した。
[比較例4]
表地A、裏地9により、裏地9の表地Aに対する面積率を80%としたストレートパンツ9を作製した。
[比較例5]
表地を表地Bに変える以外は、比較例1と同様にして、ストレートパンツ12を作製した。
[比較例6]
表地を表地Bに変える以外は、比較例2と同様にして、ストレートパンツ13を作製した。
[実施例8]
表地A、裏地2により、裏地2の表地Aに対する面積率を28%、前身頃に対する面積率を55%とし、前述の[パンツ縫製方法]に記載の、縫い目が皮膚に当たらず、且つ、パッカリングを抑制する縫製方法により、前当て仕様のストレートパンツ14を作製した。
表地A、裏地2により、裏地2の表地Aに対する面積率を28%、前身頃に対する面積率を55%とし、前述の[パンツ縫製方法]に記載の、縫い目が皮膚に当たらず、且つ、パッカリングを抑制する縫製方法により、前当て仕様のストレートパンツ14を作製した。
[実施例9]
表地B、裏地5を用い、表地、裏地共に下記関係式
(YF−XF)/(YB−XB)=0.613
YF−XF=19
YB−XB=31
XF=XB=4
を満たし、裏地5の表地Bに対する面積率を80%としたストレートパンツ15を作製した。
裏地、表地及びパンツの構成、並びに評価結果を表1〜4に纏める。
表地B、裏地5を用い、表地、裏地共に下記関係式
(YF−XF)/(YB−XB)=0.613
YF−XF=19
YB−XB=31
XF=XB=4
を満たし、裏地5の表地Bに対する面積率を80%としたストレートパンツ15を作製した。
裏地、表地及びパンツの構成、並びに評価結果を表1〜4に纏める。
<表中の略語>
Cu:キュプラ
PET:ポリエチレンテレフタレート
Pu:ポリウレタン
T400:東レ・オペロンテックス社製 ライクラ(登録商標)T400ファイバー(商標)
Z−10:ユニチカトレーディング社製 Z−10(登録商標)(2種類の異なるポリマーを複合させたサイドバイサイド型ポリエステル繊維)
Cu:キュプラ
PET:ポリエチレンテレフタレート
Pu:ポリウレタン
T400:東レ・オペロンテックス社製 ライクラ(登録商標)T400ファイバー(商標)
Z−10:ユニチカトレーディング社製 Z−10(登録商標)(2種類の異なるポリマーを複合させたサイドバイサイド型ポリエステル繊維)
本発明に係る裏地付きパンツは、特に、ストッキングの着用が予定される種々の用途(例えば、ユニフォーム等)に好適に適用され得る。
1 表地前身頃
2 表地後身頃
3 低摩擦裏地
11,12,13,14 身頃上端
21,22,23,24 ベルト部下端
32,34 股ぐり線下端
44 ヒップトップ部
a 股上線
b ヒップライン
c 縫合線
d,e 経地の目線
XF 前ベルト巾
XB 後ベルト巾
YF 前股ぐり線の長さ
YB 後股ぐり線の長さ
2 表地後身頃
3 低摩擦裏地
11,12,13,14 身頃上端
21,22,23,24 ベルト部下端
32,34 股ぐり線下端
44 ヒップトップ部
a 股上線
b ヒップライン
c 縫合線
d,e 経地の目線
XF 前ベルト巾
XB 後ベルト巾
YF 前股ぐり線の長さ
YB 後股ぐり線の長さ
Claims (17)
- 表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツ。 - 前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.2N以下である、請求項1に記載の裏地付きパンツ。
- 前記低摩擦裏地が織物であり、前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.0N以下である、請求項2に記載の裏地付きパンツ。
- 前記低摩擦裏地の総面積が、前記表地の総面積に対して30%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の裏地付きパンツ。
- 前記低摩擦裏地の前身頃における総面積が、前記表地の前身頃の総面積に対して50%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の裏地付きパンツ。
- 前記表地が、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線を挟み、後左身頃の生地の経地の目線と後右身頃の生地の経地の目線とがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の裏地付きパンツ。 - 前記表地が、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす、請求項6に記載の裏地付きパンツ。 - 成人女性用である、請求項6又は7に記載の裏地付きパンツ。
- 表地と、下記(1)及び(2)の要件:
(1)裏地表面とストッキングとの縦方向同士の摩擦係数μxが0.5以下であること、及び
(2)表地裏面と裏地裏面との縦方向同士の摩擦係数μyが前記摩擦係数μxよりも大きいこと、
を満たす低摩擦裏地とを有する、裏地付きパンツの製造方法であって、
前記低摩擦裏地を前記表地に固定する工程を含む、製造方法。 - 前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.2N以下である、請求項9に記載の方法。
- 前記低摩擦裏地が織物であり、前記低摩擦裏地のバイアス方向10%伸張応力が1.0N以下である、請求項10に記載の方法。
- 前記低摩擦裏地の総面積が、前記表地の総面積に対して30%以上である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記低摩擦裏地の前身頃における総面積が、前記表地の前身頃の総面積に対して50%以上である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記表地が、下記条件(a)〜(f):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)後股ぐり線の縫合線を挟み、後左身頃の生地の経地の目線と後右身頃の生地の経地の目線とがなす角度θが16°以上34°以下;
(c)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(d)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(e)17≦YF−XF≦26;
(f)29≦YB−XB≦38;
を満たす、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。 - 前記表地が、下記条件(g)〜(j):
(g)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(h)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(i)18≦YF−XF≦23;
(j)30≦YB−XB≦35;
を満たす、請求項14に記載の方法。 - 前記表地をマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を更に含む、請求項14又は15に記載の方法。
- 前記裏地付きパンツが成人女性用である、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018074151A JP2019183315A (ja) | 2018-04-06 | 2018-04-06 | 裏地付きパンツ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018074151A JP2019183315A (ja) | 2018-04-06 | 2018-04-06 | 裏地付きパンツ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019183315A true JP2019183315A (ja) | 2019-10-24 |
Family
ID=68339997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018074151A Pending JP2019183315A (ja) | 2018-04-06 | 2018-04-06 | 裏地付きパンツ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019183315A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001172843A (ja) * | 1999-12-21 | 2001-06-26 | Toray Ind Inc | ストレッチ裏地 |
JP2002242013A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-08-28 | Asahi Kasei Corp | ストレッチ裏地 |
-
2018
- 2018-04-06 JP JP2018074151A patent/JP2019183315A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001172843A (ja) * | 1999-12-21 | 2001-06-26 | Toray Ind Inc | ストレッチ裏地 |
JP2002242013A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-08-28 | Asahi Kasei Corp | ストレッチ裏地 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5994036B1 (ja) | ビジネスシャツ用編地 | |
JP6759490B1 (ja) | 緯編地 | |
CN111479480B (zh) | 下装 | |
JP2022515512A (ja) | 伸縮性のある衣服とその製造方法 | |
KR101251147B1 (ko) | 편물 소재를 이용한 남성용 양복정장 제조방법 및 그 제조방법에 의해 제조된 남성용 양복정장 | |
JP2602118B2 (ja) | ストッキング | |
EP1658398A1 (en) | A fabrik blank, method of manufacturing such fabric blank and a garment comprising the fabric blank | |
JP2019183315A (ja) | 裏地付きパンツ及びその製造方法 | |
JP5401346B2 (ja) | 織編物とその織編物を含む衣料品 | |
JP2004076209A (ja) | 衣料 | |
JP2019183313A (ja) | 裏地付きスカート及びその製造方法 | |
JP6667655B2 (ja) | 弾性丸編地 | |
JP6302608B1 (ja) | ビジネスシャツ用編地 | |
EP1085115A2 (en) | Opaque heat-moldable circular knit support fabrics having very high spandex content | |
CN218898396U (zh) | 一种假透肤一体裤袜 | |
WO2022224939A1 (ja) | ボトム衣料の製造方法 | |
JP2019183314A (ja) | パンツパターンの作製方法 | |
WO2019194016A1 (ja) | パンツ | |
WO2019058449A1 (ja) | ビジネスシャツ用編地 | |
JPH09111505A (ja) | 交編パンティストッキングおよびその製造方法 | |
JPH08269803A (ja) | ワンピースパンティストッキングおよびその製造方法 | |
JP7415554B2 (ja) | 体型補整衣類 | |
JP2018188769A (ja) | 伸縮性経編地 | |
JP2002317348A (ja) | ボトム用ストレッチ織物 | |
JP2007332480A (ja) | 下衣 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210308 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220510 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20221101 |