JP2019183314A - パンツパターンの作製方法 - Google Patents

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JP2019183314A JP2018074144A JP2018074144A JP2019183314A JP 2019183314 A JP2019183314 A JP 2019183314A JP 2018074144 A JP2018074144 A JP 2018074144A JP 2018074144 A JP2018074144 A JP 2018074144A JP 2019183314 A JP2019183314 A JP 2019183314A
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知佐 吉澤
Chisa Yoshizawa
知佐 吉澤
静風 張
Jing Feng Zhang
静風 張
照子 田村
Teruko Tamura
照子 田村
斎藤嘉代
Kayo Saito
嘉代 斎藤
朋子 小柴
Tomoko Koshiba
朋子 小柴
理恵 須田
Rie Suda
理恵 須田
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Abstract

【課題】一般的な動作時の運動機能性と、好適なシルエットとを両立するパンツの設計を可能にするパンツパターンの作製方法の提供。【解決手段】パンツパターンの作製方法であって、(1)パンツ後身頃パターンを上部と下部とに分ける工程、(2)前記上部を反時計回りに回転させることにより、前記上部と前記下部との重なり部を形成する工程、(3)脇線上端を回転させて新脇線上端を画定する工程、及び(4)新脇線と新ウエストラインとを画定する工程、をこの順に行うことによって後身頃パターンを修正することを含む、方法。【選択図】図1B

Description

本発明は、動作時の運動機能性と、余りじわや寄れ、ダブリ、ひきつれじわが少ない好適なシルエットとを両立するパンツ、特に、標準体型の成人女性の既製服として有用なパンツの設計に使用できるパンツパターンの作製方法に関する。
昨今、性別年齢季節問わず、パンツスタイルのニーズが高まっている。パンツは、スポーツ用、作業用といった特殊な用途から、ジーンズ、チノパンツ等のカジュアル用途、更には、学生用、企業用の制服、ビジネススーツ、フォーマル用途等にまで広がりがあり、そのパターンの種類は多種多様である。
パターン上で、パンツの運動機能性を高める方法としては、臀部、腹部、脚周りのゆとり量を多くする方法が一般的である。例えば、股ぐり線を長くする、後ろ股ぐり幅を長くする、大腿周径を長くとるなどがある(非特許文献1)。
しかし、こうしたゆとりは、パンツの静止時のシルエットとして、だぶつきや、余りしわの発生につながる。つまり、動作時の運動機能性のためのゆとりとシルエットの両立は困難である。
脚を上げる動作が行い易く、且つスマートに見えるズボンに関するパターンとして、大腿部から膝にかけての前身頃、後身頃の幅と、脇、内股の縫合位置、前身頃の山折り線の位置、ふくらはぎ部の前身頃、後身頃の幅、ズボンの前後丈に着目したパンツの製作方法がある(特許文献1)。この方法は、大腿部の脚のシルエット、脚上げにおける運動機能性には一定の効果があるが、臀部周りの運動機能性は十分考慮されていない。また、しゃがむ、椅子に座る等、臀部が起点となる動作で窮屈に感じる等の課題がある。
また、ズボンの身頃の長さ方向に切り替えラインを含み、両足を肩幅に開いた状態で前傾且つ前屈の姿勢(基本姿勢)および当該基本姿勢から動作を行う運動性能に優れ、見栄えが良いズボンが記載されている(特許文献2)。この方法は、身頃の切り替えラインが目立つため、ビジネススーツやフォーマル用途に応用するためには、シルエット、デザイン性の観点から課題がある。
特開2015−034353号公報 特開2014−029041号公報
文化ファッション体系 改訂版・服飾造形講座2 スカート・パンツ(第134頁)(文化服装学院編)
本発明は、上記課題を解決し、しゃがむ、脚を上げる等の一般的な動作時の運動機能性と、余りじわや寄れ、ダブリ、ひきつれじわが少ない好適なシルエットとを両立するパンツの設計を可能にするパンツパターンの作製方法、特に、幅広い用途に応用可能であり、ビジネススーツ、フォーマル用途等に特に好適であり、既製服としても有用で、特に成人女性用に最も好適なパンツの設計を可能にするパンツパターンの作製方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、(1)マルチン計測及び3Dボディスキャンによる下肢計測データの収集、(2)パンツパターン試作、(3)パンツ縫製、及び(4)縫製品の着用静立位及び動作時の両方での、シルエット及び運動機能性の評価、を繰り返し実施した。その結果、パンツの運動機能性とシルエットとを両立するためには、後左身頃と後右身頃の股ぐり線を傾斜させる一方で、股ぐり線の前後長の和、及びそれらの比の変更、並びに股ぐり線長さの増加は必要最小限に留めることが有効であることを見出した。
したがって、本発明は、下記の構成を包含する。
[1] パンツパターンの作製方法であって、
下記工程(1)〜(4):
(1)脇線を左側、股ぐり線を右側に配置したパンツ後身頃パターンを、股上線と平行に、臀部後突点を通る線を境に上部と下部とに分ける工程、
(2)前記臀部後突点を通る線と股ぐり線との交点oを支点として、前記上部を反時計回りに、既定角度θ1にて回転させることにより、前記上部と前記下部との重なり部を形成する工程、
(3)前記重なり部を有する前記上部の股ぐり線上端を新股ぐり線上端rとして画定し、前記新股ぐり線上端rを支点として、前記重なり部を有する前記上部の脇線上端sを時計回りに既定角度θ2にて回転させた、新脇線上端tを画定する工程、及び
(4)前記新脇線上端tから股上線まで延びる新脇線と、前記新脇線上端tから前記新股ぐり線上端rまで延びる新ウエストラインとを画定する工程、
をこの順に行うことによって後身頃パターンを修正することを含み、
前記既定角度θ1は、前記股上線の垂線に対して新股ぐり線が8°〜17°傾斜するように予め設計された角度であり、
前記既定角度θ2は、新股ぐり線上端rを中心とする円弧stと、前記重なり部において前記交点oに向かい合う弧とが、等しい長さとなるように予め設計された角度である、方法。
[2] 前記パンツパターンが、下記条件(a)〜(e):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(c)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(d)17≦YF−XF≦26;及び
(e)29≦YB−XB≦38;
を満たす、上記態様1に記載の方法。
[3] 前記パンツパターンが、下記条件(f)〜(i):
(f)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(g)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(h)18≦YF−XF≦23;及び
(i)30≦YB−XB≦35;
を満たす、上記態様2に記載の方法。
[4] 1箇所以上のダーツ部を配置する工程を含む、上記態様1〜3のいずれかに記載の方法。
[5] 作製されたパンツパターンをマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を更に含む、上記態様1〜4のいずれかに記載の方法。
[6] 前記パンツパターンが成人女性用である、上記態様1〜5のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、しゃがむ、脚を上げる等の一般的な動作時の運動機能性と、余りじわや寄れ、ダブリ、ひきつれじわが少ない好適なシルエットとを両立するパンツの設計を可能にするパンツパターンの作製方法、特に、幅広い用途に応用可能であり、ビジネススーツ、フォーマル用途等に特に好適であり、既製服としても有用で、特に成人女性用に最も好適なパンツの設計を可能にするパンツパターンの作製方法が提供される。
図1Aは、本発明の一態様に係るパンツパターンの作製方法を示す図である。 図1Bは、本発明の一態様に係るパンツパターンの作製方法を示す図である。 図2は、本発明の一態様に係る方法で得られるパンツパターンの例を示す図である。 図3は、比較例1に係るパンツパターンの作製方法を示す図である。
以下、本発明を実施するための例示の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、図面に付与された同一の符号は、同様の構成又は機能を有する要素を意味する。なお、本開示の図面はいずれも右身頃のパターンのみ示しているが、これら図面に示されるパンツは左右対称であることが意図され、したがって前左身頃及び後左身頃のパターンは図示していない。
パンツパターンにおける股ぐり線長さ、特に後身頃の股ぐり線長さは、パンツのデザインはもちろん、運動機能性を支配する。一方、過剰なゆとりはシルエットに悪い影響を及ぼす。本発明者らは、(1)後左身頃と後右身頃の股ぐり線を傾斜させる(これにより、例えば生地のバイアス方向におけるストレッチ性等の生地物性を最大限活用できる等の利点が得られる)、(2)股ぐり線の前後長の和、及びそれらの比は大きく変更しない、及び(3)股ぐり線長さの増加を必要最小限に留める、ように後身頃パターンを修正することが、運動機能性とシルエットとの良好な両立に有効であることを見出した。
図1A及びBは、本発明の一態様に係るパンツパターンの作製方法を示す図である。図1A及びBを参照し、本実施の形態の方法は、下記工程(1)〜(4)をこの順に行うことによって後身頃パターンを修正することを含む。
図1Aは、前身頃パターンF及び後身頃の元パターン(すなわち修正前のパターン)B1を示している。元パターンB1において、股上線a、及び該股上線aと平行で臀部後突点を通る線bは、前身頃パターンFの股上線a及び股上線aと平行で臀部後突点を通る線bにそれぞれ対応するように画定されており、ウエストライン101は、脇線上端mから股ぐり線上端pまで延びている。
図1Aを参照し、工程(1)においては、後身頃の元パターンB1を、脇線102(すなわち、脇線上端mから、股上線a上の脇線下端nまで延びる線)を左側、股ぐり線103(すなわち、股ぐり線上端pから、臀部後突点を通る線b上の交点oを通って、股上線a上の股ぐり線下端qまで延びる線)を右側に配置して、臀部後突点を通る線bを境に上部10と下部20とに(例えば、臀部後突点を通る線bに切込みを入れることによって)分ける。なお、前記股ぐり線103において、股ぐり線上端pと前記交点oとを結ぶ区間は、直線となる。
図1Bを参照し、次いで、工程(2)において、臀部後突点を通る線bと股ぐり線103との交点oを支点として、上部10を反時計回りに、既定角度θ1にて回転させることにより、下部20との重なり部Sを有する上部10tを有する傾斜パターンB2を得る。既定角度θ1は、股上線aの垂線vに対して、後述の新股ぐり線における新股ぐり線上端と前記交点oを通る直線のなす角度θが8°〜17°にて傾斜するように予め設計された角度である。既定角度θ1は、前記交点oと上部10の股ぐり線における股ぐり線上端pを通る直線opと、前記交点oと上部10tの股ぐり線における新股ぐり線上端rを通る直線orとがなす角度として特定され得る。
図1Bを参照し、次いで、工程(3)において、重なり部Sを有する上部10tの新股ぐり線上端rを支点として、上部10tの脇線上端sを時計回りに既定角度θ2にて回転させた、新脇線上端tを画定して、傾斜パターンB3を得る。既定角度θ2は、新股ぐり線上端rを中心とする円弧stと、重なり部Sにおいて交点oに向かい合う弧(すなわち、重なり部Sを囲む外縁のうち、交点oを通る2直線以外の部分)とが、等しい長さとなるように予め設計された角度である。なお、円弧stの長さが重なり部Sにおける交点oに向かい合う弧の長さの100±2.5%の範囲内である場合、本発明の効果を特に良好に得ることができる。
図1Bを参照し、次いで、工程(4)において、新脇線上端tから股上線a上の脇線下端nまで延びる新脇線105と、新脇線上端tから新股ぐり線上端rまで延びる新ウエストライン104とを画定する。またこれにより、新股ぐり線上端rから股上線a上の股ぐり線下端qまで延びる新股ぐり線106を画定できる。新ウエストライン104、新脇線105、及び新股ぐり線106は、当業者の通常のパターン設計技法に従って滑らかに延びるように引くことができる。なお、本発明の効果を良好に得るためには、新脇線105の長さは脇線102の長さの100±1.5%の範囲内であることが好ましく、100±0.5%の範囲内であることがより好ましく、100%が最も好ましい。
パンツパターンは、当業者による通常の設計に従って、ベルト部、ダーツ等を適宜含んでよい。例えば、ベルト部を有するパターンの場合の脇線、股ぐり線、ウエストライン等はそれぞれベルト部を含んで画定される。
好ましい態様において、本実施の形態の方法は、1箇所以上のダーツ部を配置する工程を含む。ダーツ部は、前身頃若しくは後身頃又はこれらの両者に、当業者の通常のパターン設計技法で配置してよい。ダーツ部は、腰部から胴部の身体の丸みに添いやすくする効果がある。
本実施の形態の方法で得られるパンツパターンの後身頃において、股上線aの垂線vに対して新股ぐり線106がなす角度は、8°〜17°とされる。なお当該角度は、当該垂線と、新股ぐり線における当該新股ぐり線上端(例えばベルト部が存在する場合はベルト部を除いた新股ぐり線上端となる)と前記交点oを通る直線とがなす角度を意味する。当該角度は、生地の物性(例えば伸縮性)の異方性をパンツの運動機能性向上に有効に利用する観点から、8°以上であり、好ましくは10°以上、より好ましくは12°以上であり、またパンツの良好な美観を得る観点から、17°以下であり、好ましくは16°以下、より好ましくは15°以下である。生地の採り効率、すなわちロスの低減も考慮すると、13°以上、15°以下が最も好ましい。通常、パンツの製造において、生地の経地の目線の方向は、パンツ長さ方向(すなわち着用者の身長方向)と略平行とされるのが一般的である。この場合、上記角度を上記範囲に調整することは、良好な運動機能性の実現に寄与する。
股ぐり線長さ、特に後身頃の股ぐり線長さは、パンツのデザインはもちろん、運動機能性を支配する。一方、過剰なゆとりはシルエットに悪い影響を及ぼす。本実施の形態においては、後左身頃及び後右身頃の股ぐり線を、長さ増加を最小限にしつつ股上線の垂線に対して傾斜させることで、生地の物性の異方性(例えば、生地が経方向及び緯方向よりもバイアス方向において伸縮しやすい等の異方性)を最大限活用できる。また、本実施の形態に係るパンツは、上記のような手段によって運動機能性とシルエットとを両立させるものであるため、一般的なグレーディングの手法により容易にサイズ展開でき、例えば既製服として有用である。特に、成人女性用のパンツにおいては、ウエスト寸法とヒップ寸法との差が比較的大きいことから運動機能性とシルエットとの両立が比較的困難であるが、本実施の形態に係る方法で作製されるパンツパターンによれば、このような成人女性用のパンツにおいても運動機能性とシルエットとを簡便な手段にて良好に両立できる。したがって本実施の形態に係る方法で作製されるパンツは成人女性用(例えば標準体型の成人女性用)の既製服として特に有用である。
図2は、本発明の一態様に係る方法で得られるパンツパターンの例を示す図である。図2を参照し、好ましい態様においては、修正後パターンにおいて、前股ぐり線の長さと後股ぐり線の長さとの和、及びこれらの比率が特定範囲とされている。このような設計に係るパンツパターンは、運動機能性とシルエットとのより高度な両立に寄与する。
図2を参照し、前身頃パターン1及び後身頃パターン2のそれぞれにおいて、前ベルト巾XFは、パンツの前中心線上の、ベルト部上端である身頃上端12からベルト部下端22までの距離であり、後ベルト巾XBは、パンツの後中心線上の、ベルト部上端である身頃上端14からベルト部下端24までの距離である。本実施の形態のパンツにおいて、ベルト巾はパンツの胴方向全周を通じて同じでも異なってもよい。例えば、パンツの脇線上のベルト部上端(身頃上端11)−ベルト部下端21間及びベルト部上端(身頃上端13)−ベルト部下端23間、パンツの前中心線上のベルト部上端(身頃上端12)−ベルト部下端22間、及びパンツの後中心線上のベルト部上端(身頃上端14)−ベルト部下端24間、の距離は互いに同じでも異なってもよい。図2では、ベルト巾がパンツの胴方向全周を通じて同じである例を示している。図2においては、ベルト部上端の位置が身頃上端に一致する場合を示しているが、ベルト部の配置はこれに限定されず、またベルト部が存在しなくてもよい。また図2においては、後右身頃にダーツを1箇所有する場合を示しているが、ダーツの配置はこれに限らず、ダーツを前身頃に有してもよく、また、ダーツの数は0箇所または2箇所以上でもよい。好ましい態様においては、ダーツは1箇所以上配置される。
図2において、後股ぐり線は、身頃上端14又はベルト部下端24からヒップトップ部44(これはパンツの臀部後突点を通る線bを画定する)まで直線である。
図2を参照し、好ましい態様において、パンツパターンは、下記条件(a)〜(e):
(a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
(b)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
(c)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
(d)17≦YF−XF≦26;及び
(e)29≦YB−XB≦38;
を満たす。
前ベルト巾XFを含む前股ぐり線の長さYFと、後ベルト巾XBを含む後股ぐり線の長さYBとの和は、標準体型の着用者への好適なシルエットと運動機能性の両立の観点から、好ましくは56cm〜64cmであり、より好ましくは58cm〜62cmである。
後股ぐり線の長さYBから後ベルト巾XBを差し引いた長さ(YB−XB)に対する、前股ぐり線の長さYFから前ベルト巾XFを差し引いた長さ(YF−XF)の比((YF−XF)/(YB−XB))は、良好なシルエットと運動機能性を得る観点から、好ましくは0.59以上、より好ましくは0.60以上、更に好ましくは0.61以上であり、好ましくは0.68以下、より好ましくは0.67以下、更に好ましくは0.65以下である。
前股ぐり線の長さYFから前ベルト巾XFを差し引いた長さ(YF−XF)は、標準体型の着用者に好適に適合させる観点から、好ましくは17cm〜26cmであり、より好ましくは17cm〜23cmである。
後股ぐり線の長さYBから後ベルト巾XBを差し引いた長さ(YB−XB)は、標準体型の着用者に好適に適合させる観点から、好ましくは29cm〜38cmであり、より好ましくは29cm〜35cmである。
前ベルト巾XF及び後ベルト巾XBは、0cm、すなわち身頃に含めたデザインでもよく、別途ベルト布を用意する場合は、パンツの良好な美観及び運動機能性を得る観点から好ましくは5cm以下であり、より好ましくは3cm〜5cmであってよい。好ましい態様においては、XFとXBとは等しい。またベルト芯地は、適宜用いて良い。
特に好ましい態様において、パンツパターンは、下記条件(f)〜(i):
(f)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
(g)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
(h)18≦YF−XF≦23;及び
(i)30≦YB−XB≦35;
を満たす。
表地を構成する繊維の素材は、限定されないが、天然繊維(例えば、羊糸、シルク、綿)、再生セルロース繊維(例えば、キュプラ、レーヨン、リヨセル等)、合繊繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等)、半合成繊維(例えば、アセテート等)の1種又は2種以上の組合せが例示され、長繊維、短繊維いずれでもよく、また原糸でも、加工糸でも、複合糸であってもよい。
表地を構成する繊維の繊度は、限定されないが、例えば、消費性能や厚み、目付のバランスから、ポリウレタン以外の長繊維ならば、好ましくは33dtex〜200dtex、より好ましくは56dtex〜167tex、綿番手ならば、20番手〜80番手、毛番手ならば、38番手〜120番手が好ましく、ポリウレタン繊維であれば17dtex〜66dtexが好ましい。
また、ポリウレタンは、フィラメントツイストヤーン、コアスパンヤーンの芯糸として用いてもよい。
パンツの表地の目付は、消費性能の観点から、130g/m以上が好ましく、150g/m以上がより好ましい。また、前記目付は、昨今の薄地軽量化のトレンド及び運動機能性の発揮という観点から、280g/m以下が好ましく、180g/m以下がより好ましい。
また、パンツの表地の厚みは、目付と同様の観点から、好ましくは0.25mm以上、より好ましくは0.28mm以上であり、好ましくは0.50mm以下、より好ましくは0.38mm以下である。
なお、ここで示した目付、厚みは、20℃×65%RHの環境に保たれた恒温室にて布帛を一昼夜保管した後、同じく恒温室内で得た値である。目付(g/m2)は、精密電子天秤、厚みは、織物については、JIS L 1096規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFA10、荷重23.5kPa)、編物については、JIS L 1018規格に準拠した厚み計(ピーコック 定圧厚み計 FFG11、荷重0.7kPa)により測定した値である。
また、パンツの表地において、運動機能性の観点より、KES−FB1引張特性試験において得られるストレッチ率(EMT)が、経方向に1%以上であることが好ましく、また、緯方向に3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。また、前記ストレッチ率(EMT)は、繰り返し着用における生地のヘタリ軽減及びパンツの膝抜け抑制の観点からは、経方向に25%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、また、緯方向に30%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
なお、ここで示したストレッチ率(EMT)は、カトーテックKES−FB1引張特性試験器標準測定条件、最大荷重 500gf/cm、測定速度 0.2mm/secで得た値である。
更に、本実施の形態のパンツに、裏地を用いてもよい。裏地の素材、配置方法は特に限定されないが、表地と同一のパターンであることが望ましい。裏地の素材の例としては、キュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維や、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリトリメチレンテレフタレート(PTT))、ナイロン(例えばナイロン6やナイロン66)等の合成繊維が挙げられる。配置方法としては、総裏仕様、前当て使用、後ろ当て仕様のいずれでもよいが、総裏仕様は表地のチクチク感や表地縫代の摩擦を防ぐことができるうえ、裏地に吸湿性がある素材を用いた場合は、下肢全体の不感蒸泄を処理することができるためより好ましい。
好ましい態様において、本実施の形態の方法は、作製されたパンツパターンをマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を更に含む。グレーディングは、従来公知の手法に従って行うことができ、例えば、市販のグレーディングソフトを用いてマスターパンツパターンを拡大又は縮小し、更に所望される箇所にサイズ調整を施すことで行ってよい。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
[実施例1]
(股ぐり線傾斜角度15°、ベルト4cm、全股ぐり長60cm)
図1A及びBに示す方法に従って、パンツパターンを作製した。
ベルト巾XF(=XB)=4cmとし、前ウエスト長=20cm、股上線長=24cm、前股ぐり幅=2.3cm、股下=70cm、ニーライン=19cm、裾巾=19cmとしたストレートパンツの前身頃パターンFを、股ぐり線を向かって右にして作製した。
続いて、この前身頃を基本とし、後ろウエスト長=19cm、後ろ股ぐり幅=8.0cm、股下=69.5cm、ニーライン=22.8cm、裾巾=22.5cmとした、ストレートパンツの後身頃の元パターンB1を、股ぐり線103を右に作製した。また、前身頃の股上線a、及び前身頃の股上線aと平行で臀部後突点を通る線bを、それぞれ後身頃に延長し、後身頃の股上線a、及び臀部後突点を通る線bを画定した。後身頃において、股上線aと平行で臀部後突点を通る線bと股ぐり線103との交点oを画定した。股上線aに対する垂線vと、股ぐり線103とのなす角度θ(すなわち、図1A中、垂線vと線分op(交点oと股ぐり線103における股ぐり線上端pとを通る線分)とがなす角度)は6°であった。
次に、股上線aと平行で臀部後突点を通る線bを境に、これより上の部分を上部10、下の部分を下部20とした。交点oを支点として、上部10を反時計回りに既定角度θ1にて回転させた。既定角度θ1は、股上線aの垂線vと、傾斜後の股ぐり線とのなす角度(すなわち、図1B中、垂線vと線分or(交点oと上部10tの股ぐり線における新股ぐり線上端rとを通る線分)とがなす角度)が15°になるように設計された角度である。本実施例では、股ぐり線が上端から交点oまで直線となるよう設計したため、既定角度θ1は9°であった。この位置で上部10tを固定して、元パターンB1に対して上部10が傾斜されてなる上部10tを有しかつ上部と下部との重なり部Sを有する傾斜パターンB2を得た。
引き続き、新股ぐり線上端rを中心として脇線上端sを時計回りに既定角度θ2にて回転させて、新脇線上端tを画定した。本実施例において、重なり部Sの交点oと向かい合う弧の長さは4cm、新股ぐり線上端rと脇線上端sとの距離は22cmであり、既定角度θ2は10.5°であった。新脇線上端tから股上線aまで滑らかに延びる新脇線105、新脇線上端tから新股ぐり線上端rまで滑らかに延びる新ウエストライン104、及び、新股ぐり線上端rから股上線aまで滑らかに延びる(新股ぐり線上端rから交点oまでは直線、交点oから股ぐり線下端qまでは滑らかな曲線とした)新股ぐり線106を引き直して、元パターンB1の股ぐり線長と概略同じ股ぐり線長を有する、修正後パターンB4を得た。
このとき、前身頃パターンF及び後身頃の修正後パターンB4において、前股ぐり線YF=24cm、YB=36cm、従って、YF+YB=60cm、(YF−XF)/(YB−XB)=0.625、YF−XF=20cm、YB−XB=32cmであった。
このパターンを用いて作製したパンツは、シルエットが美しく、運動機能性についても良好であった。
[比較例1]
図3は、比較例1に係るパンツパターンの作製方法を示す図である。
ベルト巾XF=XB=4cmとし、実施例1と同様に(すなわち、図1Aに示すように)前身頃パターンFと後身頃の元パターンB1とを作製し、股上線aと平行で臀部後突点を通る線bより上の部分を上部10、下の部分を下部20とした。次いで、図3を参照し、股上線aと平行で臀部後突点を通る線bと脇線102との交点ocを支点として、上部10を反時計回りに9°回転させ、股上線aの垂線vと、新股ぐり線106における新股ぐり線上端rを通る接線とがなす角度が15°になるように固定し、上部10が交点ocを支点に12°傾斜されてなる上部10tを有する傾斜パターンBC2を得た。次いで、上部10tの新脇線上端sから股上線aまで延びる新脇線105、新脇線上端sから新股ぐり線上端rまで延びる新ウエストライン104、及び新股ぐり線上端rから股上線aまで滑らかに延びる(新股ぐり線上端rから臀部後突点を通る線b上の点までは直線、当該点から股上線a上の点までは滑らかな曲線とした)新股ぐり線106を滑らかに引き直し、元パターンB1よりも4.0cm長い股ぐり線長を有する、修正後パターンBC4を得た。
このとき、前身頃パターンF及び後身頃の修正後パターンBC4において、前股ぐり線YF=24cm、YB=40cm、従って、YF+YB=64cm、(YF−XF)/(YB−XB)=0.556、YF−XF=20cm、YB−XB=36cmであった。
このパターンを用いて作製したパンツは、だぶつき気味で、シルエットが悪く、またゆとりが多すぎて運動機能性についても好ましくなかった。
本発明に係るパンツパターンの製造方法は、ビジネススーツ、フォーマル用途等の種々の用途のパンツの製造に好適に適用でき、特に、既製服、中でも成人女性用のパンツの設計に有用である。
F 前身頃パターン
B1 元パターン
B2,B3,BC2 傾斜パターン
B4,BC4 修正後パターン
S 重なり部
a 股上線
b 臀部後突点を通る線
m,s 脇線上端
n 脇線下端
o,oc 交点
p 股ぐり線上端
q 股ぐり線下端
r 新股ぐり線上端
t 新脇線上端
v 垂線
10,10t 上部
20 下部
101 ウエストライン
102 脇線
103 股ぐり線
104 新ウエストライン
105 新脇線
106 新股ぐり線

Claims (6)

  1. パンツパターンの作製方法であって、
    下記工程(1)〜(4):
    (1)脇線を左側、股ぐり線を右側に配置したパンツ後身頃パターンを、股上線と平行に、臀部後突点を通る線を境に上部と下部とに分ける工程、
    (2)前記臀部後突点を通る線と股ぐり線との交点oを支点として、前記上部を反時計回りに、既定角度θ1にて回転させることにより、前記上部と前記下部との重なり部を形成する工程、
    (3)前記重なり部を有する前記上部の股ぐり線上端を新股ぐり線上端rとして画定し、前記新股ぐり線上端rを支点として、前記重なり部を有する前記上部の脇線上端sを時計回りに既定角度θ2にて回転させた、新脇線上端tを画定する工程、及び
    (4)前記新脇線上端tから股上線まで延びる新脇線と、前記新脇線上端tから前記新股ぐり線上端rまで延びる新ウエストラインとを画定する工程、
    をこの順に行うことによって後身頃パターンを修正することを含み、
    前記既定角度θ1は、前記股上線の垂線に対して新股ぐり線が8°〜17°傾斜するように予め設計された角度であり、
    前記既定角度θ2は、新股ぐり線上端rを中心とする円弧stと、前記重なり部において前記交点oに向かい合う弧とが、等しい長さとなるように予め設計された角度である、方法。
  2. 前記パンツパターンが、下記条件(a)〜(e):
    (a)前ベルト巾XF(単位:cm)を含む前股ぐり線の長さYF(単位:cm)と、後ベルト巾XB(単位:cm)を含む後股ぐり線の長さYB(単位:cm)との和が、56cm〜64cm;
    (b)0.59≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.68;
    (c)0≦XF≦5、かつ0≦XB≦5;
    (d)17≦YF−XF≦26;及び
    (e)29≦YB−XB≦38;
    を満たす、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パンツパターンが、下記条件(f)〜(i):
    (f)0.60≦(YF−XF)/(YB−XB)≦0.66;
    (g)3≦XF≦5、かつ3≦XB≦5;
    (h)18≦YF−XF≦23;及び
    (i)30≦YB−XB≦35;
    を満たす、請求項2に記載の方法。
  4. 1箇所以上のダーツ部を配置する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 作製されたパンツパターンをマスターパンツパターンとしてグレーディングする工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記パンツパターンが成人女性用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110623352A (zh) * 2019-08-30 2019-12-31 浙江蓝天制衣有限公司 一种适用于生产活动的职业裤样板制作方法

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