JP2019182846A - 抗ウイルス剤 - Google Patents

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【課題】エンベロープを有するウイルスにも有さないウイルスにも高い抗ウイルス活性を発揮し、かつ、固体状態のままで抗ウイルス活性を発揮する、新規な抗ウイルス剤を提供すること。【解決手段】抗ウイルス剤は、MoO3を有効成分として含有する。抗ウイルス剤は、銅化合物をさらに含んでもいてもよく、光触媒性担体に担持された形態にあってもよい。この場合、光触媒性担体がZnO又はTiO2が好ましい。【効果】抗ウイルス剤は、エンベロープを有するウイルスにも有さないウイルスにも高い抗ウイルス活性を発揮し、かつ、固体状態のままで抗ウイルス活性を発揮する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンベロープを有するウイルスにも有さないウイルスにも抗ウイルス活性を発揮する新規な抗ウイルス剤に関する。
従来より、Cu2O等の一価銅化合物が抗ウイルス活性を有することが知られている。しかしながら、空気中の水分等により、空気中で経時的に二価に酸化されてしまい、一価銅の高い抗ウイルス性が失われるという問題もある。さらにCu2Oは赤色であるので、添加剤として種々の材料に添加すると、その材料が赤みを帯びてしまうという問題もある。
また、銀や銀化合物も抗ウイルス活性を有することが知られている。しかしながら、銀が抗ウイルス活性を発揮するためには、銀イオンとして溶け出す必要があり、固体のままでは抗ウイルス活性はほとんど発揮されない。また、銀イオンとして溶け出したとしても、エンベロープをもたないウイルスに対しては、抗ウイルス活性が低いという問題がある。
WO 2011/078203 A1 JP 6200571 B
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本発明の目的は、エンベロープを有するウイルスにも有さないウイルスにも高い抗ウイルス活性を発揮し、かつ、固体状態のままで抗ウイルス活性を発揮する、新規な抗ウイルス剤を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、酸化モリブデンのようなモリブデン化合物が、エンベロープを有するウイルスにも有さないウイルスにも高い抗ウイルス活性を発揮し、かつ、固体状態のままで抗ウイルス活性を発揮することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1) MoO3を有効成分として含有する抗ウイルス剤。
(2) 銅化合物をさらに含む(1)記載の抗ウイルス剤。
(3) 光触媒性担体に担持された形態にある(1)又は(2)記載の抗ウイルス剤。
(4) 前記光触媒性担体がZnO又はTiO2である、(3)記載の抗ウイルス剤。
(5) 前記光触媒性担体がルチル型TiO2である、(4)記載の抗ウイルス剤。
本発明の抗ウイルス剤は、エンベロープを有するウイルスにも有さないウイルスにも高い抗ウイルス活性を発揮し、かつ、固体状態のままで抗ウイルス活性を発揮する。さらに、モリブデン化合物は、安定であるので、経時的に安定して抗ウイルス活性を発揮する。したがって、本発明の抗ウイルス剤を、各種プラスチック材料や建材等に添加剤として添加することにより、抗ウイルス活性を発揮する材料を得ることができる。特に、MoO3は灰色であり、目立たない色合いであるので広範囲の物に含有させることができる。
下記実施例で行った、MoO3の抗ウイルス活性評価結果を示す図である(左図:バクテリオファージQβに対して、右図:バクテリオファージφ6に対して、WL:光照射下、Dark:暗所下) 下記実施例で作製した各種材料の拡散反射スペクトルを示す図である。 下記実施例において作製したCu,Mo/ZnOのXPS分析の結果を示す図である(左;Cu2p,右;Mo3d)。 下記実施例において作製したZnO, Cu/ZnO, Mo/ZnO, Cu,Mo/ZnOのXRD分析結果を示す図である。 下記実施例で行った、Cu,Mo/ZnO等の抗ウイルス活性評価結果を示す図である(左図:バクテリオファージQβに対して、右図:バクテリオファージφ6に対して、WL:光照射下、Dark:暗所下)。
上記のとおり、本発明の抗ウイルス剤は、MoO3を有効成分として含有する。本発明の抗ウイルス剤は、MoO3のみから成っていてもよい。
MoO3は、単独でも抗ウイルス活性を発揮するが、銅化合物をさらに含んでいてもよい。銅化合物としては酸化第一銅、酸化第二銅及び水酸化第二銅が好ましい。これらの銅化合物は単独で用いることもできるし、複数のものを組み合わせて用いることもできる。下記実施例に具体的に記載されるように、銅化合物をさらに含むことにより、MoO3単独及びCu化合物単独の場合に比べて、早期(下記実施例では2時間)の抗ウイルス活性がさらに高くなる。
抗ウイルス剤が銅化合物をさらに含む場合、Mo金属100重量部に対するCu金属の含有量は、0.01重量部〜80重量部が好ましく、さらには、0.1重量部〜70重量部が好ましい。
MoO3又はMoO3と銅化合物との混合物は、そのままで抗ウイルス活性を発揮するが、光触媒性担体に担持させてもよい。光触媒性担体に担持させることにより、光照射下での早期(下記実施例では2時間)の抗ウイルス活性がさらに高くなる。
光触媒性担体としては、TiO2やZnOを挙げることができ、特にルチル型のTiO2が好ましい。これらの光触媒性担体は単独で用いることもできるし、複数種類を組み合わせて用いることもできる。光触媒性担体に担持させる場合、光触媒性担体100重量部に対するMo金属化合物の担持量は、0.01重量部〜5重量部が好ましく、さらには、0.1重量部〜0.5重量部が好ましい。
光触媒性担体に担持させる場合、光触媒性担体と、例えばNa2MoO4ような水溶性のMo化合物の水溶液とを加熱しながら混合し、空気中で加熱乾燥することにより、MoO3を光触媒性担体に担持させることができる。銅化合物をさらに担持させる場合には、Mo化合物水溶液に加え、例えば塩化第二銅などの銅化合物の水溶液を光触媒性担体と混合することにより、MoO3とCu化合物の両者を光触媒性担体に担持させることができる。この場合の加熱乾燥の条件としては、空気中で、通常、温度80℃〜120℃、好ましくは100℃〜110℃で、通常、3時間〜24時間、好ましくは、18時間〜24時間とすることができる。
本発明の抗ウイルス剤は、例えば、フィルムや各種プラスチック樹脂材料や、コンクリート、モルタル、タイル、ガラス等の建材あるいは不織布や繊維に添加剤として添加することができる。これにより、抗ウイルス性の材料を得ることができる。この場合、添加量は、抗ウイルス活性が発揮される添加量であればよく、各材料について適宜設定することが可能である。一般的には、材料全体に練りこむよりは、表面に担持する方が効果的であり、表面におけるMo化合物の存在量は、通常、2.5mmol/m2〜20mmol/m2、特には、5mmol/m2〜10mmol/m2程度であるが、これに限定されるものではない。
本発明の抗ウイルス剤を添加した材料から作製される物としては、抗ウイルス活性が望まれる物であれば何でもよいが、特に人体に接触する物が好ましく、例えば、手すり、ドアノブ、カウンターテーブル表面、洗面台、ハンドドライヤー、エレベーターボタンなどの各種プッシュボタン、キャッシュディスペンサーなどの操作画面、マスク、病院用カーテン、シーツ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
下記実施例に具体的に記載されるように、本発明の抗ウイルス剤は、エンベロープを持つウイルス(下記実施例ではバクテリオファージφ6)及びエンベロープを持たないウイルス(下記実施例ではバクテリオファージQβ)の両方に対して高い抗ウイルス活性を発揮する。また、MoO3は安定であるので、経時的に安定して抗ウイルス活性を発揮することができる。さらに、MoO3は灰色であり、添加剤として各種材料に添加した場合に目立たないので、添加剤としての適用範囲も広い。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1、比較例1〜6
金属酸化物の抗ウイルス評価
[方法]
市販のFe2O3(比較例1)、MnO2(比較例2)、CeO2(比較例3)、MoO3(実施例1)、SnO2(比較例4)、NiO(比較例5)、ZnO(比較例6)の7種の金属酸化物の粉末を、それぞれ純水で洗浄し、100℃で乾燥させた。その粉末を99%エタノールに分散させて、25mm×25mmのガラスに6μmolの量が担持できるように粉体の分散液をガラスにのせ、100℃で15分間乾燥させることにより、粉体をガラスに担持した。
抗ウイルス評価は、JIS R 1756に沿って行い、バクテリオファージQβとバクテリオファージφ6を対象に行った。光照射は、白色蛍光灯を用いて、TypeB(N169:380nm以下の波長をカット)のフィルター下、1000 lxの照度で行った。JIS R 1756では、1/500NBを使って接種ファージ液を調製するが、ここでは、1/60NBを使って調製した。
[結果]
抗ウイルス評価結果を表1及び表2に示す。ここでは、抗ウイルス活性値(R)は、接種直後の0時間での感染価からの低下率を対数値で示した(式1)。また、光照射効果(ΔR)は、光照射下と暗所下での抗ウイルス活性値の差で示した(式2)。
抗ウイルス活性値:R=log(N0)- log(N)
N0: 接種直後の感染価、N: 2, 4時間後の光照射下ならびに暗所下での感染価
光照射効果:ΔR= RL- RD
RL: 光照射下での抗ウイルス活性値、RD: 暗所下での抗ウイルス活性値
* 数値は、いずれも小数点2桁目を四捨五入して小数点以下1桁で表示
* 数値は、いずれも小数点2桁目を四捨五入して小数点以下1桁で表示
エンベロープを持たないバクテリオファージQβ、エンベロープを持つバクテリオファージφ6のどちらに対しても高い抗ウイルス活性を示した金属酸化物は、7種の中では、MoO3であることが明らかとなった(図1)。一方、MoO3では、暗所下でも可視光照射下でも同じ抗ウイルス活性を示すことから、光照射効果すなわち可視光応答性はほとんどないことも判明した。MoO3は、抗菌性をもつことは知られている(非特許文献1)が、高い抗ウイルス活性も示すことが新たにわかった。
実施例2〜実施例4、比較例7、8
高い抗ウイルス活性をもつ可視光応答型光触媒の作製
[方法]
可視光応答型光触媒の作製は、次のように行った。担体となる金属酸化物(ZnO又はTiO2)0.5gに6mMになるようにCuCl2溶液を、及び/又は7.5mMになるようにNa2MoO4溶液を加え、80℃に加温して3時間攪拌した。次いで、純水で洗浄した。CuCl2溶液を用いた場合は、洗浄後の液にAgNO3液を加え、白い沈殿が生成しないところまで洗浄した。Moの場合は、Cuの場合と同量の水で洗浄した。その後、100℃で乾燥し、それをサンプルとした。作製したサンプルは、Cu/ZnO(比較例7)、Mo/ZnO(実施例2)、Cu,Mo/ZnO(実施例3)、Mo/TiO2(実施例4)であった。実施例4で用いたTiO2は、ブルッカイト型であった。なお、比較のため、ZnOについても試験した(比較例8)。
[材料の分析]
1.ZnO, Cu/ZnO, Mo/ZnO, Cu,Mo/ZnOの4種の材料について、UH4150形分光光度計(標準積分球)を使って、拡散反射スペクトルを測定した。結果を図2に示す。
ZnOに比較して、Cu/ZnO, Mo/ZnO, Cu,Mo/ZnOは、400-500nmの可視光吸収が増加した。
2.Cu,Mo/ZnOのX線光電子分光分析(XPS:Quantera SXM(アルバック・ファイ社製))による分析を行った。X線源は、単色化AlKα(1486.6eV)を用いた。結果を図3に示す。これまでの報告(非特許文献2)にあるように、銅は、酸化銅(CuO, Cu2O)や水酸化銅(Cu(OH)2)の形でZnOに担持されていると示唆された。一方、モリブデンは、酸化モリブデン(MoO3)の形で担持されていると考えられた。
3.ZnO、Cu/ZnO、Mo/ZnO、Cu,Mo/ZnOの4種の材料のXRD分析(X’Pert-MPD, PHILIPS社製)を行い、結果を図4に示した。図4中、上から順に、ZnO、Cu/ZnO、Mo/ZnO、Cu,Mo/ZnOについての結果を示す。どの場合もZnOの結晶構造は保たれていることがわかった。また、解析パターンからのピークサーチより、Cu,Mo/ZnO の材料では、XPS分析においても観察された酸化銅(CuO, Cu2O)や水酸化銅(Cu(OH)2)のピークパターン、あるいは、酸化モリブデン(MoO2, MoO3, Mo2O5(OH))のピークパターンが観察された。
以上の材料分析の結果から、Cu,Mo/ZnO の材料は、ベースのZnOの表面に、銅は、CuO, Cu2O, Cu(OH)2などの形で担持され、モリブデンは、MoO3などの酸化物の形で担持されていることがわかった。
実施例5
実施例2〜4、比較例7、8で作製した可視光応答型光触媒の抗ウイルス活性評価
[方法]
実施例2〜4、比較例7、8で作製したZnO, Cu/ZnO, Mo/ZnO, Cu,Mo/Zn, Mo/TiO2の粉末を、実施例1と同様に、99%エタノールに分散させた。25mm×25mmのガラスにベースの金属酸化物が6μmolの量を担持できるように粉体の分散液をガラスにのせ、100℃で15分間で乾燥させることにより、粉体をガラスに担持した。
抗ウイルス評価も実施例1と同様に、JIS R 1756にそって行い、バクテリオファージQβとバクテリオファージφ6を対象に行った。光照射は、白色蛍光灯を用いて、TypeB(N169:380nm以下の波長をカット)のフィルター下、1000 lxの照度で行った。バクテリオファージQβの接種ファージ液は、1/60NBを使って調製し、バクテリオファージφ6の接種ファージ液は1/500NBを使って調製した。
[結果]
評価結果を表3及び4並びに図5に示す。実施例1と同様に、接種直後の0時間での感染価からの低下率を抗ウイルス活性値(R)として対数値で示した。また、光照射下と暗所下での抗ウイルス活性値の差を光照射効果(ΔR)として示した。
これまでの報告(非特許文献3など)にあるように、Cu/ZnOは、可視光応答性を示すことが推測されたが、Mo/ZnOやMo/TiO2も可視光応答性をもつことが、新たに明らかになった。また、バクテリオファージQβ、バクテリオファージ φ6のどちらに対しても可視光応答性を示した。さらに、MoとCuを共担持したCu, Mo/ZnOは、MoO3の2時間暗所下での抗ウイルス活性より、また、Cuを単独で担持したCu/ZnOの2時間暗所下でわずかに高い抗ウイルス活性を示すことも明らかとなった。
* 数値は、いずれも小数点2桁目を四捨五入して小数点以下1桁で表示
** 接種ファージ液は、1/500NBを使って作製
* 数値は、いずれも小数点2桁目を四捨五入して小数点以下1桁で表示
実施例6 ネコカリシウイルス及びインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果
MoO3の抗ウイルス評価を、実ウイルスであるエンベロープをもたないネコカリシウイルス(ノロウイルス代替ウイルス)、エンベロープをもつインフルエンザウイルスを対象に行った。
[方法]
サンプルは実施例1と同様に作製した。また、抗ウイルス評価も、実施例1と同様に行い、対象のウイルスをバクテリオファージから、ネコカリシウイルス(F-9株)、及びインフルエンザウイルス((H1N1)A/PR/8/34株)に変えて行った。接種ウイルス液は、PBSで希釈して調製した。さらに、MoO3自体に光照射効果はないことがわかっていたため、評価は、暗所のみで行った。
[結果]
実施例1と同様に、接種直後の0時間での感染価からの低下率を抗ウイルス活性値(R)として対数値で示した。
* 数値は、いずれも小数点2桁目を四捨五入して小数点以下1桁で表示
表5に示されるように、実ウイルスであるエンベロープをもたないネコカリシウイルス(ノロウイルス代替ウイルス)及びエンベロープをもつインフルエンザウイルスを対象とした場合でも、バクテリオファージQβ及びバクテリオファージφ6と同様に、高い抗ウイルス活性を示した。
実施例7 高い抗ウイルス活性をもつ可視光応答型光触媒(Mo/TiO2)の作製
[方法]
Mo/TiO2は、ベースのTiO2をブルッカイト型からルチル型TiO2に変えて実施例4と同様に作製した。すなわち、0.5gのルチル型TiO2に7.5mMになるようにNa2MoO4溶液加え、80℃に加温して3h攪拌した。3h後、純水で洗浄し、100℃で乾燥し、それをサンプル(Mo/TiO2)とした。
抗ウイルス活性評価は、実施例1と同様にサンプルを作製し、JIS R 1756に沿って行い、バクテリオファージQβとバクテリオファージφ6を対象に行った。光照射は、白色蛍光灯を用いて、TypeB(N169:380nm以下の波長をカット)のフィルター下、1000 lxの照度で行った。接種ファージ液は1/500NBを使って調製した。
実ウイルスに対する抗ウイルス活性評価は、MoO3単独での評価と同様に、ネコカリシウイルス(F-9株)、並びにインフルエンザウイルス((H1N1)A/PR/8/34株)を対象に行った。接種ウイルス液は、PBSで希釈して調製した。光照射条件は、上記のバクテリオファージの場合と同様とした。
[結果]
評価結果を表6に示す。実施例1と同様に、接種直後の0時間での感染価からの低下率を抗ウイルス活性値(R)として対数値で示した。また、光照射下と暗所下での抗ウイルス活性値の差を光照射効果(ΔR)として示した。
* 数値は、いずれも小数点2桁目を四捨五入して小数点以下1桁で表示
表6に示されるように、TiO2をブルッカイト型からルチル型に変更することにより、抗ウイルス活性が大幅に高くなった。また、実ウイルスであるネコカリシウイルス及びインフルエンザウイルスに対しても抗ウイルス活性が認められた。

Claims (5)

  1. MoO3を有効成分として含有する抗ウイルス剤。
  2. 銅化合物をさらに含む請求項1記載の抗ウイルス剤。
  3. 光触媒性担体に担持された形態にある請求項1又は2記載の抗ウイルス剤。
  4. 前記光触媒性担体がZnO又はTiO2である、請求項3記載の抗ウイルス剤。
  5. 前記光触媒性担体がルチル型TiO2である、請求項4記載の抗ウイルス剤。
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