JP2019182331A - 乗物用ドア - Google Patents

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Yohei Migaki
陽平 三垣
貴久 大西
Takahisa Onishi
貴久 大西
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Abstract

【課題】ドアの軽量化ないし低コスト化を図りつつも、部品点数を増加することなく緩衝部材を設置可能な乗物用ドアを提供する。【解決手段】乗物用ドア100は、アウタパネル500、インナパネル200、アウタパネル500とインナパネル200との間に昇降可能に配された板部材30、インナパネル200と板部材30との間の隙間を埋めつつ板部材30の昇降を許容する緩衝部材70を備え、インナパネル200は、乗物用ドア100の室内意匠面を構成する本体部300と、本体部300における上側に位置する部分301の室外側に配され、当該部分301との間に中空部425を形成する補強部400とを備え、緩衝部材70は、補強部400の室外側面404に配置される取付基部71と、取付基部71から突出して中空部425に挿入される挿入部73とを備え、補強部400は、挿入部73の挿入位置に近接して、中空部425に連なる開口部413を有する。【選択図】図8

Description

本明細書によって開示される技術は、乗物用ドアに関する。
ドアトリム用インナーシールの取付構造として、下記特許文献1に開示のものが知られている。特許文献1に開示の構成では、ドアトリムのウエストフランジ部に開口を設け、インナーシールの係止爪を上記開口内に係合固定することにより、ドアトリムにインナーシールを取付けるようになっている。
実開平5−1530号公報
ところで、乗物用ドアにおいても軽量化やコストダウンの観点から、部品点数を減らしたり、金属製のものを樹脂製に代替したりすることが試みられている。そのような新規な構成の乗物用ドアにおいて、インナーシールのような緩衝部材を、部品点数を増加することなく設置する技術が求められている。
本明細書で開示される技術は、上記した点に鑑みてなされたものであって、ドアの軽量化ないし低コスト化を図りつつも、部品点数を増加することなく緩衝部材を設置可能な乗物用ドアを提供することを目的の一つとする。
上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示される技術は、アウタパネルと、前記アウタパネルの室内側に取り付けられるインナパネルと、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間に昇降可能に配された、ドア窓を構成する板部材と、前記インナパネルと前記板部材との間の隙間を埋めつつ前記板部材の昇降を許容する緩衝部材と、を備え、前記インナパネルは、当該乗物用ドアの室内意匠面を構成する本体部と、前記本体部における上側に位置する部分の室外側に配され、当該部分との間に中空部を形成する補強部と、を備え、前記緩衝部材は、前記補強部の室外側面に配置される取付基部と、前記取付基部から突出して前記中空部に挿入される挿入部と、を備え、前記補強部は、前記挿入部の挿入位置に近接して、前記中空部に連なる開口部を有する乗物用ドアに関する。
このような技術によれば、インナパネルにより室内意匠面を構成することにより部品点数を削減可能な新規な構成の乗物用ドアにおいて、本体部と補強部との間に中空部が形成されることにより、インナパネルの剛性を十分に確保することができる。そして、補強部が開口部を有することにより、中空部内において挿入部を補強部に強固に係止するための操作(折り曲げ加工、かしめ加工、締結部材の締結、接着剤の塗布等)を行うことができ、インナパネルの剛性を確保するための補強部を、緩衝部材を取り付けるための部材として好適に利用することができる。
前記補強部は、前記中空部内に膨出するようにして形成されて前記開口部の開口縁部において前記挿入位置側以外の部分を連結する連結壁部を有していてもよい。
このような技術によれば、仮に連結壁部を有しない構成に比して、補強部の剛性を向上することができ、補強部が開口部を有することに起因して、インナパネルの強度が低下する事態を抑制することができる。
前記連結壁部は、前記本体部の室外側面に立設されたリブと当接可能に形成されていてもよい。
本体部における上側に位置する部分は、乗員が手を掛けたりして、室内側から力が入力され易い部位とされる。このような技術によれば、本体部における上側に位置する部分に室内側から入力された力を、連結壁部を介して補強部で受けることができ、より一層、インナパネルの剛性を向上することができる。
前記挿入部は、折り曲げ変形可能な爪状に構成され、前記補強部は、折り曲げられた前記挿入部が係止される被係止部を有していてもよい。
このような技術によれば、挿入部を被係止部に対して係止するための加工が容易であり、限られた中空部内の空間において挿入部を曲げ加工して、緩衝部材を補強部に対して強固に取り付けることができる。
本明細書で開示される技術によれば、ドアの軽量化ないし低コスト化を図りつつも、部品点数を増加することなく緩衝部材を設置可能な乗物用ドアを提供することが可能となる。
実施形態1の乗物用ドアの平面図。 実施形態1の乗物用ドアについて、その主構成要素を分解して模式的に示す分解斜視図。 実施形態1の乗物用ドアについて主要縦断面を示す図1におけるIII−III線断面図。 実施形態1のインナパネルを室外側から視た斜視図。 実施形態1の補強部を室内側から視た斜視図。 挿通孔及び開口部を拡大して示す図5の拡大斜視図。 ウェザーストリップの取付構造を説明する図であって、挿入部が被係止部に係止された状態を示す図6におけるVII−VII線断面図。 ウェザーストリップの取付構造を説明する図であって、挿入部が被係止部に係止された状態を示す図6におけるVIII−VIII線断面図。 実施形態2のウェザーストリップの取付構造を説明する図であって、挿入部が被係止部に係止された状態を示す断面図。
本発明に係る乗物用ドアを、乗物としての自動車(車両)のフロントドアに適用した実施形態1を図1から図8を参照しつつ説明する。なお、各図面において矢印で示す方向は、FRが車両前方、RRが車両後方、Lが車両左方向、Rが車両右方向となっている。
実施形態1の乗物用ドア100は、図1ないし図3に示すように、アウタパネル500とインナパネル200の2枚のパネルを互いに組み付けた構成とされている。アウタパネル500は、自動車の外観を構成する自動車最外のパネルであって、樹脂により構成された樹脂製アウタパネルとされている。インナパネル200は、自動車の内観(室内意匠面)を構成する内装部材を兼ねたパネルであって、樹脂により構成された樹脂製インナパネルとされている。
本実施形態の乗物用ドア100は、アウタパネル500とインナパネル200のうちインナパネル200のみが前方部分において乗物本体に対してヒンジ部110を介して取り付けられており、これにより乗物用ドア100が揺動自在に開閉するものとなっている。アウタパネル500とインナパネル200の間には、その他のパネル部材が介在せず、これらアウタパネル500とインナパネル200が対向する形で乗物用ドア100が構成されている。
アウタパネル500の室外面は、自動車の外観(外観意匠面)を構成する各種凹凸形状が付与されており、また、アウタパネル500が樹脂製であるため、深絞り成形を採用することが可能となるなど外観構成の設計幅が広がるものとなっている。一方、インナパネル200の室内面には、ドアポケット10を構成するポケット開口部11、乗員の肘おき部としてのアームレスト12、ドアの開閉を操作すべく手を掛けることが可能なプルハンドル部13、ドアの窓を開閉するための操作スイッチを備えたスイッチ部14等が設けられ、室内意匠面が構成されている。
インナパネル200は、図2及び図3に示すように、乗物用ドア100の室内意匠面を構成する本体部(樹脂製本体部)300と、本体部300の室外面のうち外周部分(室外側外周面)307に配される枠状の補強部(樹脂製補強部、環状補強部)400とを含んで構成されている。なお、本実施形態では補強部400は枠状としているが、例えば上下一対に前後方向に沿って延びる補強部材を配置して構成するものとしても良い。
アウタパネル500に用いる樹脂としては、例えば繊維強化樹脂(不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂や、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維等を配合してなるもの)の他、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、超高分子量ポリオレフィン(ポリエチレン)樹脂等を例示することができる。
インナパネル200のうち本体部300に用いる樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂の他、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、これらの樹脂に天然繊維を配合した樹脂等を例示することができる。インナパネル200のうち補強部400に用いる樹脂としては、例えば繊維強化樹脂(不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂や、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維等を配合してなるもの)の他、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、超高分子量ポリオレフィン(ポリエチレン)樹脂等を例示することができる。
インナパネル200の補強部400は、板状部材がアウタパネル500側に突出するように屈曲した形の屈曲部403,407を上下に一対、前後方向に延びる形で備えている。各屈曲部403,407は、当該屈曲部403,407と本体部300とによって、室内外方向において囲まれてなる中空部425を形成する形で屈曲している。
インナパネル200の本体部300は、板状のパネル部材であって、上側に位置するアッパーパネル部301(インナパネルにおける上側に位置する部分)と下側に位置するロアパネル部302とを備えている。アッパーパネル部301は、前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分から上側部分332に向かうにしたがって室外側にカーブし、つまり上方部において室内側に向かって膨出する構成とされている。また、ロアパネル部302は、前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分から下側部分334に向かうにしたがって室外側にカーブし、つまり下方部において室内側に向かって膨出する構成とされている。したがって、上記補強部400のうち屈曲部403は、アッパーパネル部301の室外側面304との間で中空部425を構成する上側屈曲部とされ、屈曲部407は、ロアパネル部302の室外側面304との間で中空部425を構成する下側屈曲部とれている。
本体部300と補強部400とは、互いの当接面において接着剤にて接着されている。具体的には、アッパーパネル部301の室外側面304と上側屈曲部403とは上側第1接着面163および上側第2接着面164にて、ロアパネル部302の室外側面304と下側屈曲部407とは下側第1接着面168および下側第2接着面169にて、それぞれ接着されている。なお、接着以外にも、例えば超音波カシメやビス締め等により両者を固定することも可能である。
アウタパネル500の上側部分の室内側には、前後方向に沿って延び、樹脂または樹脂と繊維材料で構成されるアウタ側補強部材22が設けられている。アウタ側補強部材22は、アッパーパネル部301および上側屈曲部403(すなわち中空部425も含む)と車室内外方向に重なる位置に設けられ、2枚の板状部材のうち少なくとも一方が外側に膨らむ形で屈曲し、当該2枚の板状部材を重ね合わせることで室内外方向において囲まれてなる中空部228を形成する構成とされている。
アウタパネル500とインナパネル200との間には、ドア窓を構成する窓ガラス部材(板部材)30が上下方向に昇降可能に配されている。このようなドア窓の機能を構成する機能部品としての窓ガラス部材30の昇降を実現すべく、補強部400の上側部分401には、図3にも示すように、その上側部分において一部室外側に突出する取付座面部402が構成され、その取付座面部402の室外側面404に、窓ガラス部材30との間の隙間を埋めつつ窓ガラス部材30の昇降を許容するウェザーストリップ(緩衝部材)70が設けられている。一方、アウタパネル500の上側部分501にも取付部材510が設けられ、その室内面側にも同様のウェザーストリップ35が設けられ、これら対向するウェザーストリップ70,35の間に窓ガラス部材30が摺動自在に介在している。なお、ウェザーストリップ70の補強部400に対する取付構造については、後に詳述する。
アウタパネル500の下側部分の室内側には、前後方向に沿って延び、室外側からの衝撃を緩和するためのインパクトビーム21が設けられている。インパクトビーム21と車室内外方向に重なる位置には、補強部400のうち、板状部材がアウタパネル500側に突出するように屈曲した形の下側屈曲部(インパクトビーム対向屈曲部)407が対向して配置されている。したがって、中空部425は、インパクトビーム対向屈曲部407と本体部300とによって室内外方向において囲まれたインパクトビーム重畳中空部として構成され、これらの部材の重畳により、乗員に対する室外側からの衝撃が好適に緩和されるものとなっている。
インナパネル200の本体部300には、下側部分であるロアパネル部302においてポケット開口部11が形成されている。一方、本体部300の室外側に配される補強部400には、ポケット開口部11を本体部300の室外側から覆う開口カバー部40が取り付けられている。このように、ポケット開口部11の奥側空間であって、本体部300のポケット開口部11の下側部分と開口カバー部40により囲まれた空間により、乗物用ドア100の室内意匠面に開口する形のドアポケット10が構成されている。
アウタパネル500とインナパネル200の組付構造について説明する。
図2及び図4に示すように、アウタパネル500とインナパネル200は、ドア外周に設けられた複数の係止部50により互いに組み付けられている。具体的には、係止部50は、アウタパネル500の室内面側に突出して設けられたアウタ側係止部53,63と、インナパネル200の室外面側に突出して設けられたインナ側係止部56,66とにより構成され、これらを互いに係止させることでアウタパネル500とインナパネル200の組付けが実現している。
本実施形態では、上述した通り、組み付けられたアウタパネル500とインナパネル200のうちインナパネル200がヒンジ部110を介して乗物本体に取り付けられて、これにより乗物用ドア100が乗物本体に対して揺動自在に開閉する仕組みとなっている。また、乗物本体に組み付けられたインナパネル200からアウタパネル500をスライドして着脱することができるものとされている。具体的には、組み付けられた状態のアウタパネル500とインナパネル200において、インナパネル200のヒンジ部110とは反対側(後側)から、アウタパネル500をヒンジ部110から遠ざかる方向にスライドして引き抜いて取り外すことができ、逆にインナパネル200のヒンジ部110とは反対側(後側)から、アウタパネル500をヒンジ部110に近づく方にスライドして両者を重ね合わせることで、両者を組み付けることができるものとなっている。
ウェザーストリップ70を補強部400に対して取り付けるための取付構造について、図5から図8を参照しつつ説明する。
ウェザーストリップ70は、取付座面部402の室外側面404に配置される取付基部71と、取付基部71から室外側に突出して窓ガラス部材30に摺接するリップ部72と、取付基部71から室内側に突出して中空部425に挿入される挿入部73と、を備えている。ウェザーストリップ70は、全体としては前後方向に延びる長手状をなし、複数の挿入部73が前後方向に並んで配設されている。
ウェザーストリップ70は、金属板材からなる芯材75を、弾性を有する樹脂材料(例えば、合成ゴムや熱可塑性エラストマー)で構成される弾性部材で被覆して形成されている。そして、芯材75の一部を切り起こすことにより、挿入部73が折り曲げ変形可能な爪状に構成されている。挿入部73は、板面方向を上下方向に沿わせた姿勢で形成され、前方又は後方に折り曲げられる構成となっている。このような構成により、中空部425に挿入された挿入部73を前方又は後方に折り曲げることにより、取付基部71が取付座面部402に固定されるようになっている。なお、図7及び図8においては、折り曲げ変形される前の状態の挿入部73を2点鎖線で描き、折り曲げ変形された挿入部73を実線で描いている。
補強部400は、挿入部73の挿入位置に近接して、中空部425に連なる開口部413を有している。開口部413は、中空部425に挿入された挿入部73を室外側から折り曲げ加工するための作業孔とされ、加工に用いられる冶具等を差し入れることが可能な構成となっている。なお、「開口部が近接して形成される」とは、開口部413から挿入位置に挿入された挿入部73を加工可能な範囲で、開口部413が挿入位置から離間して配されている構成を含み、また、開口部413の開口内や開口部413と連通する連通孔に挿入部73が挿入される構成を含むものとする。補強部400には、複数の挿入部73に対応して複数の挿入位置が設定されている。開口部413は、少なくとも一の挿入位置に対して後側に配されるものと、その他の挿入位置に対して前側に配されるものを含んでいる。本実施形態では、相対的に前側に位置する開口部413(本実施形態では、前側3つの開口部413)がその近接する挿入位置に対して後側に配され、相対的に後側に位置する開口部413(本実施形態では、後側3つの開口部413)がその近接する挿入位置に対して前側に配されている。このような構成により、相対的に前側に配された挿入部73を開口部413から差し込まれた冶具により前方に向けて曲げ加工し易く、相対的に後側に配された挿入部73を開口部413から差し込まれた冶具により後方に向けて曲げ加工し易くなっている。
補強部400は、折り曲げられた挿入部73が係止される被係止部417を有している。具体的には、補強部400の取付座面部402には、複数の挿入部73の挿入位置に、室内外方向に貫通する複数の挿入孔411が形成されている。挿入孔411は、開口部413に比して小さく、挿入部73をわずかなクリアランスを有して挿通可能とされている。被係止部417は、挿入孔411の孔縁において、開口部413とは反対側に位置する部分とされている。つまり、被係止部417は、相対的に前側に位置する挿入孔411の前側孔縁と、相対的に後側に位置する挿入孔411の後側孔縁とされている。このような構成により、相対的に前側に位置する挿入部73が被係止部417に係止されることによって、ウェザーストリップ70の前方への変位が規制され、相対的に後側に位置する挿入部73が被係止部417に係止されることによって、ウェザーストリップ70の後方への変位が規制されるようになっている。
補強部400には、中空部425内に膨出するようにして形成され、開口部413の開口縁部において挿入位置側以外の部分を連結する連結壁部415が設けられている。連結壁部415は、室外側と挿入位置(挿入孔411)側に向けて開口した箱形をなし、補強部400を構成する樹脂材料により取付座面部402と一体成形されている。連結壁部415は、挿入部73の加工に用いられる冶具を挿通可能な程度の内部空間を有している。連結壁部415は、複数の開口部413の各々に対応して形成され、相対的に前側に位置する開口部413に連なる連結壁部415は前側に向けて開口し、相対的に後側に位置する開口部413に連なる連結壁部415は後側に向けて開口している。言い換えれば、相対的に前側に位置する開口部413に連なる連結壁部415は、上側と後側と下側と室内側が閉じた形状を有し、相対的に後側に位置する開口部413に連なる連結壁部415は、上側と前側と下側と室内側が閉じた形状を有している。補強部400(取付座面部402)は、連結壁部415によって凹凸形状が付与されることにより、例えば、連結壁部415を有しない構成に比して、曲げ剛性が向上する。
本体部300のアッパーパネル部301には、図8に示すように、連結壁部415と対向する位置にリブ305が立設されている。リブ305は、上下方向に沿って延設され、上側部分332に向かうにしたがって室外側にカーブする形状をなすアッパーパネル部301の押し剛性を確保するための補強リブとされている。連結壁部415は、リブ305と当接可能に形成されている。具体的には、連結壁部415は、その室内側面がリブ305の先端面付近に位置するようにして、中空部425内に膨出する形状を有している。なお、「連結壁部がリブと当接可能」とは、連結壁部415がリブ305と当接している構成のみならず、例えば、連結壁部415がリブ305からわずかに離間して配され、アッパーパネル部301に外力が作用してアッパーパネル部301が室外側に撓み変形した際に、リブ305が連結壁部415と当接する構成も含むものとする。
以上のような実施形態1の乗物用ドア100は、アウタパネル500と、アウタパネル500の室内側に取り付けられるインナパネル200と、アウタパネル500とインナパネル200との間に昇降可能に配された、ドア窓を構成する窓ガラス部材30と、インナパネル200と窓ガラス部材30との間の隙間を埋めつつ窓ガラス部材30の昇降を許容するウェザーストリップ70と、を備え、インナパネル200は、当該乗物用ドア100の室内意匠面を構成する本体部300と、本体部300におけるアッパーパネル部301の室外側に配され、当該アッパーパネル部301との間に中空部425を形成する補強部400と、を備え、ウェザーストリップ70は、補強部400の室外側面404に配置される取付基部71と、取付基部71から突出して中空部425に挿入される挿入部73と、を備え、補強部400は、挿入部73の挿入位置に近接して、中空部425に連なる開口部413を有する。本実施形態によれば、インナパネル200により室内意匠面を構成することにより部品点数を低減可能な新規な構成の乗物用ドア100において、本体部300と補強部400との間に中空部425が形成されることにより、インナパネル200の剛性を十分に確保することができる。そして、補強部400が開口部413を有することにより、中空部425内において挿入部73を補強部400に強固に係止するための操作(本実施形態では、折り曲げ加工)を行うことができ、インナパネル200の剛性を確保するための補強部400を、ウェザーストリップ70を取り付けるための部材として好適に利用することができる。
また、本実施形態では、ドアの内側部材である樹脂製インナパネル200について、樹脂製の本体部300によって乗物室内の意匠面を構成するとともに、その樹脂製の本体部300の室外側の外周部分に樹脂製の補強部400を配したため外周部分を強化でき、簡便な構成で低コストにて、ドアとしての剛性が確保されている。特に、樹脂製のインナパネルを意匠構成要素としての本体部300と、補強構成要素としての補強部400との2部材により構成しているため斬新な乗物用ドアとなっており、枠状の補強部400を本体部300の室外側外周面に接着により取り付けて簡便にインナパネル200を作成し、これを更にアウタパネル500に対して取り付けることで乗物用ドア100を作成することが可能となっている。仮に、ウェザーストリップ70を補強部400に対して取り付けた後に本体部300と補強部400を接着すれば、開口部413に係る構成を廃止することができるが、本実施形態では、補強部400に開口部413を設けて、本体部300と補強部400を接着した後にウェザーストリップ70を取り付ける構成を採用することにより、本体部300と補強部400を接着する際に、ウェザーストリップ70のような弾性を有する部材が邪魔にならず、本体部300と補強部400との接着面を十分に密着させることが可能となる。
また、本実施形態では、補強部400は、中空部425内に膨出するようにして形成されて開口部413の開口縁部において挿入位置側を除く部分を連結する連結壁部415を有している。このため、仮に連結壁部415を有しない構成に比して、補強部400の剛性を向上することができ、補強部400が開口部413を有することに起因して、インナパネル200の強度が低下する事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、連結壁部415は、本体部300の室外側面304に立設されたリブ305と当接可能に形成されている。本体部300におけるアッパーパネル部301は、乗員が手を掛けたりして、室内側から力が入力され易い部位とされる。本実施形態によれば、本体部300におけるアッパーパネル部301に室内側から入力された力を、連結壁部415を介して補強部400で受けることができ、より一層、インナパネル200の剛性を向上することができる。
また、本実施形態では、補強部400が樹脂製とされることにより、例えば、金属材料等により形成する場合に比して、連結壁部415等の構造物を一体的に形成し易く、また、連結壁部415の形状(深絞り形状等)の自由度が高く好ましい。
また、本実施形態では、挿入部73は、折り曲げ変形可能な爪状に構成され、補強部400は、折り曲げられた挿入部73が係止される被係止部417を有している。本実施形態によれば、挿入部73を被係止部417に対して係止するための加工が容易であり、限られた中空部425内の空間において挿入部73を曲げ加工して、ウェザーストリップ70を補強部400に対して強固に取り付けることができる。
また、樹脂製の補強部400は、板状部材がアウタパネル500側に突出するように屈曲した形の屈曲部403,407を備え、屈曲部403,407と樹脂製本体部300とによって室内外方向において囲まれた中空部425,425を備えている。したがって、板状部材の屈曲部403,407と樹脂製本体部300とによって囲まれた中空部425,425において高い剛性が確保され、本実施形態のように、アウタパネル500とインナパネル200をともに樹脂製にて構成した乗物用ドア100であっても十分な強度を示すものとなっている。特に、樹脂製アウタパネル500と樹脂製インナパネル200の樹脂製本体部300との間において中空部425を形成するものとしているため、両者の間に他部材が介在しておらず、中空部425の断面積を大きく確保できるため、剛性の確保が容易なものとなっている。さらに、本実施形態では、樹脂製の補強部400が屈曲部403,407を備えるため、その屈曲の角度を調整することで、ウェザーストリップ35の設置位置や設置角度を自在に調整することができ、その結果、ウェザーストリップ35と窓ガラス部材30との摩擦度合い等を適宜好ましい条件に調整することができるものとなっている。
また、樹脂製の本体部300は、上側に位置するアッパーパネル部301と下側に位置するロアパネル部302とを備え、アッパーパネル部301は、乗物前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分から上側部分332に向かうにしたがって室外側にカーブしてなる一方、ロアパネル部302は、乗物前後方向に延びるとともに、その上下方向中心部分から下側部分334に向かうにしたがって室外側にカーブしてなり、樹脂製の補強部400は、アッパーパネル部301の室外側面との間で中空部425を構成する上側屈曲部403と、ロアパネル部302の室外側面との間で中空部425を構成する下側屈曲部407とを、それぞれ乗物前後方向に沿って延びる形で備えている。これにより、乗物用ドア100の上側部分は、アッパーパネル部301と上側屈曲部403とによって囲まれた中空部425において高い剛性が確保され、乗物用ドア100の下側部分は、ロアパネル部302と下側屈曲部407とによって囲まれた中空部425において高い剛性が確保されており、アウタパネル500とインナパネル200をともに樹脂製にて構成した本実施形態の乗物用ドア100であっても十分な強度を示すものとなっている。
また、樹脂製の補強部400は、樹脂製の本体部300の外周部分に沿って環状に構成されている。したがって、インナパネル200、ひいては当該乗物用ドア100の一層高い剛性が確保されている。
続いて、実施形態2の乗物用ドアの構成について、図9を参照しつつ説明する。実施形態2の乗物用ドアは、被係止部の構成が実施形態1と異なっている。被係止部1417は、開口部413の孔縁の一部で構成されている。つまり、被係止部1417は、相対的に前側に位置する開口部413の前側開口縁と、相対的に後側に位置する開口部413の後側開口縁とされている。なお、本実施形態において、補強部400又は/及びウェザーストリップ70には、上下方向について、ウェザーストリップ70の補強部400に対する位置を規定する位置決め手段が別途形成されていてもよい。なお、その他の構成は実施形態1と同様であり、説明を省略する。
以上、本発明の実施形態を示したが、上記記述及び図面によって説明した実施形態以外にも、例えば次のような実施形態とすることも可能である。
例えば、上記実施形態では乗物として車両(自動車)を例示したが、その他にも地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用ドアを適用することができる。
また、上記実施形態では、フロントドアに本発明に係る乗物用ドアの構成を適用した実施例を例示したが、例えばバックドアにも上記本発明に係る乗物用ドアの構成を適用することができる。
また、上記実施形態では、補強部400を枠状にて構成したが、補強部400は少なくとも本体部300のアッパーパネル部301の室外側に配されていればよく、例えば本体部の室外側の外周のいずれかの位置に部分的に単数若しくは複数配すること、外周の一辺である上辺部や下辺部の延在方向に沿って配すること、上辺部から側辺部に跨って配すること、外周に沿って部分的に配すること等により、本体部を補強してインナパネル200の剛性を高めるものとすることができる。上記実施形態でも、本体部300の室外側の上辺部と下辺部の延在方向(前後方向)に沿って中空部425が延在し、これが補強構造の主体をなしている。
上記実施形態では、挿入部73が折り曲げ変形可能な爪状に構成され、挿入部73が中空部425に挿入された後に、開口部413を介して曲げ加工されるものを例示したが、挿入部の構成はこれに限られない。例えば、挿入部は、中空部に挿入された後に、開口部413を介してかしめ加工、締結部材の締結、接着剤の塗布等が行われる構成であってもよい。
上記実施形態では、補強部400が連結壁部413を有する構成を例示したが、これに限られない。補強部400の強度によっては、連結壁部413を有していなくてもよく、また、連結壁部の位置及び形状も適宜変更可能である。
30…窓ガラス部材(板部材)、70…ウェザーストリップ(緩衝部材)、71…取付基部、73…挿入部、100…乗物用ドア、200…インナパネル、300…本体部、301…アッパーパネル部(上側に位置する部分)、304…室外側面、305…リブ、400…補強部、401…上側部分、404…室外側面、413…開口部、415…連結壁部、417,1417…被係止部、425…中空部、500…アウタパネル

Claims (4)

  1. アウタパネルと、
    前記アウタパネルの室内側に取り付けられるインナパネルと、
    前記アウタパネルと前記インナパネルとの間に昇降可能に配された、ドア窓を構成する板部材と、
    前記インナパネルと前記板部材との間の隙間を埋めつつ前記板部材の昇降を許容する緩衝部材と、を備え、
    前記インナパネルは、当該乗物用ドアの室内意匠面を構成する本体部と、前記本体部における上側に位置する部分の室外側に配され、当該部分との間に中空部を形成する補強部と、を備え、
    前記緩衝部材は、前記補強部の室外側面に配置される取付基部と、前記取付基部から突出して前記中空部に挿入される挿入部と、を備え、
    前記補強部は、前記挿入部の挿入位置に近接して、前記中空部に連なる開口部を有することを特徴とする乗物用ドア。
  2. 前記補強部は、前記中空部内に膨出するようにして形成されて前記開口部の開口縁部において前記挿入位置側以外の部分を連結する連結壁部を有することを特徴とする請求項1に記載の乗物用ドア。
  3. 前記連結壁部は、前記本体部の室外側面に立設されたリブと当接可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用ドア。
  4. 前記挿入部は、折り曲げ変形可能な爪状に構成され、
    前記補強部は、折り曲げられた前記挿入部が係止される被係止部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用ドア。
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